JP5442557B2 - 光活性基を側鎖として有するはしご構造のポリシルセスキオキサン及びその製造方法 - Google Patents

光活性基を側鎖として有するはしご構造のポリシルセスキオキサン及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5442557B2
JP5442557B2 JP2010174708A JP2010174708A JP5442557B2 JP 5442557 B2 JP5442557 B2 JP 5442557B2 JP 2010174708 A JP2010174708 A JP 2010174708A JP 2010174708 A JP2010174708 A JP 2010174708A JP 5442557 B2 JP5442557 B2 JP 5442557B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
photoactive
groups
monomer
polysilsesquioxane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010174708A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011219719A (ja
Inventor
スン サン ハン,
キュン ヨル バク,
スン−ソク チョイ,
ヘ スン リー,
アルバート. エス. リー,
スンユン オー,
Original Assignee
コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー filed Critical コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
Publication of JP2011219719A publication Critical patent/JP2011219719A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5442557B2 publication Critical patent/JP5442557B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/04Polysiloxanes
    • C08G77/22Polysiloxanes containing silicon bound to organic groups containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen
    • C08G77/26Polysiloxanes containing silicon bound to organic groups containing atoms other than carbon, hydrogen and oxygen nitrogen-containing groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

本発明は、新規な構造のポリシルセスキオキサン、具体的には、シロキサン主鎖に光活性基が連結されたはしご構造(ladder structure)のポリシルセスキオキサン及びその製造方法に関する。
有機及び無機成分からなるハイブリッド物質は、2種の異なる成分から顕著に向上した熱的、機械的及び化学的特性を示し得る。様々な官能基によって制御されたポリシロキサン構造を誘導することができるため、各種のハイブリッド物質のうち、(RSiO1.5)nのポリシルセスキオキサン(polysilsesquioxane:PSQ)に特に関心が集められている。
制御されたシロキサン構造において官能基は、しばしば有機基盤ポリマー(organic based polymers)よりも優れた性能を示すことがあった。例えば、光活性基と結合した下記一般式のPOSS(polyhedral oligomeric silsesquioxane)は、類似の有機基盤ポリマーに比べて非常に向上した蛍光効率(Photoluminescence efficiency)を示した。このように優れた効率を示す理由は、有機基盤ポリマーに比べて主鎖構造が強直であることから、側鎖に存在する官能基が自由に分離できるように助ける役割をするためであると知られている(非特許文献1)。
このように、シロキサン構造における大半の機能基化は、今までPOSSによって行われてきていた。しかしながら、POSSによって現われる多様な興味深い現象にもかかわらず、分子量が低く相対的に低いガラス転移温度と融点を有することから、OLED(organic light-emitting diodes)や有機太陽電池(organic photovoltaic cells)のような電子材料内薄膜への適用に実用的な物質ではない。
Imae.I and Kawakami.Y.Journal of Materials Chemistry 2005;15(43):4581
そこで、本発明は、従来と異なり、優れた熱的及び機械的特性を発揮する、OLED(organic light-emitting diodes)や有機太陽電池(organic photovoltaic cells)のような有機電子素子への適用に好適な、新規なはしご構造のポリシルセスキオキサン及びその製造方法を提供することをその目的とする。
本発明による一つの実施例は、光活性基が結合された三官能性シラン化合物をモノマーとして重合された、シロキサン主鎖に光活性基が連結されたはしご構造のポリシルセスキオキサンに関する。
本発明による他の一つの実施例は、(a)三官能性シラン化合物と光活性化合物とを反応させてモノマーを調製するステップ、及び(b)上記モノマーを加水分解すると同時に縮合重合するステップ、を含む、光活性基が結合されたはしご構造のポリシルセスキオキサンの製造方法に関する。
本発明によれば、優れた熱的及び機械的特性を示しつつも、光活性基の種類に応じて高機能性及び多様な特性をもつポリシルセスキオキサンを提供することができ、該ポリシルセスキオキサンは、有機及び無機ハイブリッド材料物質が適用される多様な産業用新素材として利用され得る。
本発明の一実施例に従い製造されたポリシルセスキオキサンのHスペクトルを測定した結果を示す図である。 本発明の一実施例に従い製造されたポリシルセスキオキサンの29Siスペクトルを測定した結果を示す図である。 本発明の一実施例に従い製造されたポリシルセスキオキサンのFT-IR分析結果を示す図である。 本発明の一実施例に従い製造されたポリシルセスキオキサンのX線回折(X-ray diffraction、XRD)分析結果を示す図である。 TGA(thermal gravimetric analyzer)によって本発明の一実施例に従い製造されたポリシルセスキオキサンの熱的挙動を測定した結果を示す図である。 DSC(differential scanning calorimeter)によって本発明の一実施例に従い製造されたポリシルセスキオキサンの熱的挙動を測定した結果を示す図である。 光活性基が結合されたはしご構造のポリシルセスキオキサン溶液のサンプルに対するUV吸光度及び蛍光発光スペクトルの観察結果を示す図である。 光活性基が結合されたはしご構造のポリシルセスキオキサン薄膜に対するUV吸光度及び蛍光発光スペクトルの観察結果を示す図である。
本発明は、光活性基が結合された三官能性シラン化合物をモノマーとして重合されたポリシルセスキオキサンに関し、上記光活性基は、有機電子素子の適用に好適なものであれば特に制限されないが、例えば、置換されたまたは置換されていないフェニレン系、パイレン系、ルブレン系、クマリン系、オキサジン系、カルバゾール系、チオフェン系、イリジウム系、ポルフィリン系、アゾ系染料型官能基を含むフェニル系単環式基、これらの複素環式基または環式基内に二重または三重結合を有することで光活性特性をもつ官能基及びこれらの誘導体を含むことができる。
場合に応じて、上記ポリシルセスキオキサンは、前述した光活性基のうちの互いに異なる複素環の光活性基が結合されたモノマーから共重合された共重合形態を有することもできる。
上記三官能性シラン化合物は、例えば、 3−ブロモトリメトキシシラン(BTMS: 3-bromotrimethoxysilane)、3-クロロトリメトキシシラン(3-chlorotrimethoxysilane)、3-ヨードトリメトキシシラン(3-iodotrimethoxysilane)、3-ブロモメチルトリメトキシシラン(3-bromomethyltrimethoxysilane)、3-クロロメチルトリメトキシシラン(3-chloromethyltrimethoxysilane)、3-ヨードメチルトリメトキシシラン(3-iodomethyltrimethoxysilane)、3-ブロモエチルトリメトキシシラン(3-bromoethyltrimethoxysilane)、3-クロロエチルトリメトキシシラン(3-chloroethyltrimethoxysilane)、3-ヨードエチルトリメトキシシラン(3-iodoethyltrimethoxysilane)、3-ブロモプロピルトリメトキシシラン(3-bromopropyltrimethoxysilane)、3-クロロプロピルトリメトキシシラン(3-chloropropyltrimethoxysilane)、及び3-ヨードプロピルトリメトキシシラン(3-iodopropyltrimethoxysilane)よりなる群から選択された一種以上であればよいが、これらに制限されるものではない。
一つの実施例において、上記ポリシルセスキオキサンを重合するための光活性基が結合された三官能性シラン化合物モノマーは、下記一般式1で示すことができる。
上記式中、Rは、Si原子と直接結合するか、アルキル置換されたフェニレン系、パイレン系、ルブレン系、クマリン系、オキサジン系、カルバゾール系、チオフェン系、イリジウム系、ポルフィリン系、アゾ系染料型官能基を含むフェニル系単環式基、これらの複素環式基、環式基内に二重または三重結合を有することで光活性特性をもつ官能基、及びこれらの誘導体からなる群より選択された一種以上であればよいが、これらに制限されるものではない。RとSi原子との間にアルキル基が存在する場合、CないしC12のアルキル基であればよく、該範囲の炭素数を有するアルキル基であれば特に制限されずに適用可能であるが、必ずしもこれに制限されるものではない。また、R'は、置換されたまたは置換されていないCないしCのアルキル基であればよいが、これに制限されるものではない。
一つの実施例において、上記光活性基が連結されたはしご構造のポリシルセスキオキサンは、下記一般式2で示すことができる。
上記式中、Rは、置換されたまたは置換されていないフェニレン系、パイレン系、ルブレン系、クマリン系、オキサジン系、カルバゾール系、チオフェン系、イリジウム系、ポルフィリン系、アゾ系染料型官能基を含むフェニル系単環式基、これらの複素環式基、環式基内に二重または三重結合を有することで光活性特性をもつ官能基、及びこれらの誘導体よりなる群から選択された一種以上を含み、nは、1ないし100,000である。
一つの実施例において、上記一般式2中のRは、N-アルキル置換されたカルバゾールであればよい。上記アルキル基は、CないしC12のアルキル基であればよく、該範囲の炭素数を有するアルキル基であれば特に制限されずに適用可能であるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
本発明による光活性基が結合されたはしご構造のポリシルセスキオキサンは、耐熱性及び機械的特性に優れているのみならず、発光効率が高い。
これは、シロキサン主鎖を有するはしご構造のポリシルセスキオキサンによって硬質重合体構造を有するようになり、このような構造的な特性上、シラン原子において光活性基[-Si(R)-O-Si(R)-]間の距離が相対的に長くなることで、その動きが自由になり、各光活性基が確実に分離することができるためである。このような堅固な重合体構造及び光活性基間の長い距離は、中心体間の相互作用(π-π interaction)による励起子(exciter)の生成を抑制させることができる。
これと関連して、本出願の発明者らは上記式中のRが、例えば、プロピルカルバゾールである下記一般式3の構造を有する場合、硬質構造の重合体であるポリシルセスキオキサンによって高い熱的安定性を有することを確認した。例えば、400ないし500℃に至る温度でも熱的に安定し、従来のPOSS(polyhedral oligomeric silsesquioxane)に比べて相対的に高い100℃程度のガラス転移温度を有することができることを確認した。
上記式中、nは、1ないし100,000である。
上記のように優れた特性を発揮するポリシルセスキオキサンにおける、上記はしご構造のポリシルセスキオキサンに連結された光活性基間の距離は、13ないし16Åであればよく、シロキサン主鎖の平均厚さは、4ないし5Åであればよい。
従来のPOSSに比べて分子量が大きいことから相対的にガラス転移温度と融点が高く、優れた機械的特性を示すのみならず、OLED(organic light-emitting diodes)及び有機太陽電池(organic photovoltaic cells)のような電子素子などへの実質的適用が可能である。
本発明はまた、(a)三官能性シラン化合物と光活性化合物とを反応させてモノマーを調製するステップ、及び(b)上記モノマーを加水分解すると同時に縮合重合するステップ、を含む、光活性基が結合されたはしご構造のポリシルセスキオキサンの製造方法に関する。
本発明による製造方法は、(a)三官能性シラン化合物と光活性化合物とを反応させてモノマーを調製するステップを含む。
上記光活性化合物及び三官能性シラン化合物は、前述した光活性基及び三官能性シラン化合物と同一であり、三官能性シラン化合物と光活性化合物とを反応させて調製されたモノマーは、上記一般式1と同一である。
一つの実施例において、上記ステップ(a)の三官能性シラン化合物と光活性化合物との反応は、溶媒の中で例えば、常温ないし200℃、具体的には、100℃ないし150℃の温度で行われていてよい。温度が高すぎると、重合時の構成制御に問題が生じ、温度が低すぎると、反応が進行しないという問題が生じる。
上記反応に使用される有機溶媒としては、通常使用される有機溶媒であれば特に制限されないが、例えば、水溶液と分離することなく塩基性触媒と完全に混じり合うことができる極性溶媒(テトラヒドロフラン;THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、DMSO、DMAcなどの極性溶媒よりなる群から選択される一種以上を使用すればよい。
また、上記ステップ(a)は、所定の触媒の存在下に行われていてよい。上記触媒は、三官能性シラン化合物と光活性化合物との反応に使用され得る通常の触媒であれば特に制限されないが、例えば、KOH、NaOH、NaCO、及びKCOよりなる群から選択される一種以上であればよい。
上記ステップ(a)によって調製されたモノマーを、ステップ(b)の反応に使用すればよい。本発明による製造方法は、モノマーを加水分解すると同時に縮合重合するステップ(b)を含む。
上記ステップ(b)は、例えば、常温ないし200℃、具体的には、100ないし150℃の温度で行われていてよい。温度が高すぎると、反応進行時の反応速度が早すぎて高分子の構造制御に問題が生じ、温度が低すぎると、反応が進行しないという問題が生じる。
上記ステップ(b)における、加水分解と同時に起こる縮合重合は特に制限されないが、例えば、ステップ(a)の生成物を精製した後に別途にステップ(b)を行う方法、精製することなくステップ(a)に利用されて残った触媒のイオン、例えば、KCOを触媒として使用する場合、Kイオンを縮合に直接用いる方法、または、ステップ(a)の後に三官能性シラン単量体をさらに添加して共重合する方法などの様々な方法によって行われていてよい。
以下、本発明を次の実施例及び実験例に基づき、より詳細に説明するが、本発明の範疇がこれに限定されるものではない。
先ず、3−bromopropyltrimethoxysilane(BPTMS)とカルバゾールを、DMF(Dimethylformamide)中で130℃、48時間KCOと反応させて、9−[3−(trimethoxysilyl)propyl]−9H−carbazoleモノマーを合成した。真空蒸発器にて溶媒及び過量のBPTMSを除去したことを除いては、精製されずに残ったモノマーとKCOを次のステップに直接使用した。原料をDMFに再び溶解させ、10倍過量の水を時間当り単一ドリップで添加して室温でモノマーを加水分解した。モノマーが加水分解するに伴い、収得した加水分解モノマーを縮合反応によって同時に重合して、1時間後、溶液の中から黄色沈殿物としてのポリ(プロピルカルバゾールシルセスキオキサン)(poly(propyl carbazole silsesquioxane):PPCSQ)を得た。
[実験例1]
実施例1に従い製造されたPPCSQの重量平均分子量及び分子量分布を、屈折率検出器のRI−2031 plus(製品名)とUV検出器のUV-2075 plus(製品名)(検出波長254nm)が装着されたSECシステムのJASCO PU−2080 plus(製品名)を使用して測定した。40℃、流動率1mL/minでTHFを使用し、サンプルは、4つのコラム(Shodex−GPC KF−802、KF−803、KF−804及びKF−805)によって分離した。その結果、収得されたPPCSQは、SEC分析によって10,200の重量平均分子量を有し、分子量分布が2.16であることを確認した。
[実験例2]
実施例1に従い製造されたPPCSQの25℃ CDClでのH及び29SiスペクトルをVarian Unity INOVA(H:300MHz、29Si:99.5MHz)記録し、図1及び図2のそれぞれにHスペクトル及び29Siスペクトルを示した。
図1の(a)と(b)のそれぞれは、9−[3−(trimethoxysilyl)propyl]−9H−carbazoleモノマー及びPPCSQのHスペクトルを示し、(b)において(a)のピークaであるトリメトキシ基が消失され、プロピルカルバゾールからピークfないしiがブロードした形態を有することは、完全に加水分解されたモノマーが縮合重合してPPCSQが正常に合成されたことを意味する。
図2は、製造されたPPCSQの29Si NMRスペクトルを示す。−70.6ないし−79.2ppmの広くて大きな吸収ピークとダウンフィールド周囲の小さな吸収ピークは、シロキサン結合[R−Si(OSi−)]のT構造とシロキサン結合[R−Si(OSi−)(OR’)]であるT構造のそれぞれを示す。T構造が増加するにつれ、シロキサン結合における欠陥が少なくなる。T:Tは98%で、各ピークの積分によって計算された。同結果から、加水分解されたモノマーのヒドロキシ基の大半が縮合重合に用いられてはしご構造を有するPPCSQが形成され、極少量のヒドロキシ基がPPCSQ鎖の末端に残っていることを確認することができる。
[実験例3]
Perkin−Elmer FT−IR system Spectrum−GXにてKBr pallets上で溶媒キャスティングしたフィルムを使用して、実施例1に従い製造されたPPCSQのフーリエ変換赤外線(FT−IR)スペクトルを測定し、その結果を図3に示した。
図3を参照すると、FT−IR分析結果もまた、実施例1に従い製造された、PPCSQが制御されたはしご構造を有していることを示している。広いバイモーダル吸収ピークが960ないし1200cm−1で現われ、これは、PPCSQ中における垂直(−Si−O−Si−R)と水平(−Si−O−Si−)方向へのシロキサン結合の伸縮振動(Stretching Vibration)から由来したものである。ピークが1200cm−1に近いほど水平シロキサン構造が形成されやすいため、この結果から、PPCSQがはしご構造により近い構造を有することを確認することができる。
[実験例4]
実施例1に従い製造されたPPCSQの詳細な構造を知るために、X線回折(X−ray diffraction、XRD)分析を行い、その結果を図4に示した。
図4を参照すると、5.66゜(a)及び20.6゜(b)のそれぞれにおいて2つの特徴的な回折ピークが観察された。シャープなピーク(a)は、内部分子の周期的な鎖間距離(d1=15.6Å)で、はしご構造のシロキサン主鎖を有するPPCSQにおける2つのカルバゾール基間の距離であるのに対し、分散されたピーク(b)は、シロキサン主鎖の平均厚さ(d2=4.3Å)を示すことを確認することができる。
[実験例5]
実施例1に従い製造されたPPCSQの熱的挙動をTGA(thermal gravimetric analyzer)及びDSC(differential scanning calorimeter)を使用して確認し、その測定結果のそれぞれを図5及び図6に示した。
図5を参照すると、窒素雰囲気下、25℃ないし1000℃の10℃/minスキャン速度でTGAにて測定した結果が示されている。300ないし450℃で若干の重量減少(〜5%)が生じることがあるが、PPCSQ鎖の末端においてヒドロキシ基の少量が分解されたためであると判断される。しかる後、重量は、580℃におけるプロピルカルバゾール基の分解により〜60%まで損失された。残りの35%重量は1000℃まで安定しており、これは、シリカ化合物が残留したためであると判断される。かかる結果は、シリコン基盤のカルバゾールポリマーが420ないし550℃で完全に分解される通常の炭化水素基盤のポリ(ビニルカルバゾール)(PVK)よりも熱的に安定していることを示す。
図6を参照すると、窒素下、25℃ないし1000℃の10℃/minスキャン速度でDSCにて分析した結果が示されている。DSCカーブは、2回目の加熱過程中における95℃での単一ガラス転移温度を示す。かかる相対的に高い転移温度によってPOSSと本発明によるはしご構造のPPCSQとが区別されることを確認することができる。
[実験例6]
実施例1に従い製造されたPPCSQの電気光学特性を確認するために、シリコン基盤のPPCSQとこれに相応する炭化水素基盤のポリビニルカルバゾール(PVK)をTHF(1×10−4mol)中に添加して溶液サンプルを調製した後、UV吸光度及び蛍光発光スペクトルを観察し、その結果を図7に示した。
また、ITOガラス上に1wt%のPVK及びPPCSQ溶液をスピンコートした後、真空下、40℃で5時間乾燥過程を経て固体サンプルフィルムを作製し、このときの薄膜の厚さは200nmであった。PVK及びPPCSQ薄膜に対するUV吸光度及び蛍光発光スペクトルの観察結果を図8に示した。
先ず、図7を参照すると、PPCSQにおけるカルバゾール基の量が、ほぼ同じ重量パーセントのPVKカルバゾール基に対して約50mol%で存在するため、PPCSQのUV吸収ピークは、相応するPVKに対して略半分程度の強度を示しつつも、蛍光発光スペクトルを通じて観察されたPPCSQのPL強度は、PVKのPL強度とほぼ同じであるのみならず、その模様もまた、より狭いことを確認することができる。このような結果は、PPCSQにおけるカルバゾール基の量子収率(quantum yield)がPVKにおけるカルバゾール基の量子収率よりも高いことを意味する。これは、PPCSQのより硬質な構造のシロキサン主鎖によって、PPCSQにおけるカルバゾール基の方がPVKにおけるフレキシブルな炭化水素主鎖に比べてより多く分離されたためであり、これにより励起子の生成が抑制されるためである。
このような現象は固体フィルムにおいてより明らかである。図8を参照すると、固相での鎖移動性が溶液中ではさらに制限されているため、PVKのカルバゾール基は、溶液中よりは固相でより多く凝集され得る。これは、PVKにおけるカルバゾール基の数がPPCSQにおけるカルバゾール基の数よりも多いにもかかわらず、PVKのPLスペクトルがPPCSQのそれよりも広く且つ低い強度を有する理由をまさに説明しているわけである。
本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、上記内容に基づいて本発明の範疇内で様々な応用及び変形を行うことが可能であろう。

Claims (5)

  1. (a)三官能性シラン化合物と光活性化合物とをKOH、NaOH、Na CO 、及びK CO よりなる群から選択された一種以上の触媒存在下に反応させてモノマーを調製するステップ、及び
    (b)前記モノマーを加水分解すると同時に縮合重合するステップ、を含む、光活性基が結合されたはしご構造のポリシルセスキオキサンの製造方法。
  2. 前記光活性基は、置換または非置換されたフェニレン系、パイレン系、ルブレン系、クマリン系、オキサジン系、カルバゾール系、チオフェン系、イリジウム系、ポルフィリン系、アゾ系染料型官能基を含むフェニル系単環式基、これらの複素環式基または環式基内に二重または三重結合を有することで光活性特性をもつ官能基、及びこれらの誘導体よりなる群から選択された一種以上であることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  3. 前記モノマーは、下記一般式1で示されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。

    前記式中、Rは、Si原子と直接結合するか、アルキル置換されたフェニレン系、パイレン系、ルブレン系、クマリン系、オキサジン系、カルバゾール系、チオフェン系、イリジウム系、ポルフィリン系、アゾ系染料型官能基を含むフェニル系単環式基、これらの複素環式基、環式基内に二重または三重結合を有することで光活性特性をもつ官能基、及びこれらの誘導体よりなる群から選択された一種以上であり、R'は、置換または非置換されたCないしCのアルキル基である。
  4. 前記一般式1において、RとSi原子との間にCないしC12のアルキル基が存在することを特徴とする請求項に記載の製造方法。
  5. 前記製造方法は、常温ないし200℃の温度下で行なわれることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
JP2010174708A 2010-04-07 2010-08-03 光活性基を側鎖として有するはしご構造のポリシルセスキオキサン及びその製造方法 Expired - Fee Related JP5442557B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020100031862A KR20110112641A (ko) 2010-04-07 2010-04-07 광활성 그룹을 측쇄로 가지는 사다리 구조의 폴리실세스퀴옥산 및 이의 제조방법
KR10-2010-0031862 2010-04-07

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011219719A JP2011219719A (ja) 2011-11-04
JP5442557B2 true JP5442557B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=44743750

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010174708A Expired - Fee Related JP5442557B2 (ja) 2010-04-07 2010-08-03 光活性基を側鎖として有するはしご構造のポリシルセスキオキサン及びその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20110251369A1 (ja)
JP (1) JP5442557B2 (ja)
KR (1) KR20110112641A (ja)
CN (1) CN102212195A (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015130145A1 (ko) * 2014-02-28 2015-09-03 주식회사 동진쎄미켐 실세스퀴옥산 복합 고분자 및 이의 제조방법
KR102363818B1 (ko) * 2014-02-28 2022-02-17 주식회사 동진쎄미켐 실세스퀴옥산 복합 고분자 및 이의 제조방법
KR102363819B1 (ko) * 2014-02-28 2022-02-17 주식회사 동진쎄미켐 실세스퀴옥산 복합 고분자 및 이의 제조방법
WO2015130144A1 (ko) * 2014-02-28 2015-09-03 주식회사 동진쎄미켐 실세스퀴옥산 복합 고분자 및 이의 제조방법
KR101643295B1 (ko) * 2014-10-30 2016-07-28 건국대학교 산학협력단 폴리실세스퀴옥산을 코어로 하는 수용성 포르피린집합체 광감작제 및 그 제조방법
KR101731495B1 (ko) * 2015-01-08 2017-04-28 한국과학기술연구원 폴리오르가노―실세스퀴옥산 및 파장변환제를 포함하는 코팅 조성물, 및 이를 이용한 파장변환 시트
US10273329B2 (en) 2016-03-11 2019-04-30 Lei Fang Organic semiconductor polymer
CN106890341B (zh) * 2017-03-10 2020-09-11 东南大学 基于化学交联的光疗纳米制剂及其制备方法和应用
CN108440759B (zh) * 2018-03-20 2020-03-24 山东大学 一种咔唑基poss单体及其制备方法
CN109599538A (zh) * 2018-10-25 2019-04-09 北京化工大学 一种Si/C复合材料的制备方法及其储能应用
CN111569068B (zh) * 2020-05-14 2022-08-30 南京邮电大学 一种有机无机杂化光敏剂及杂化纳米诊疗试剂的制备方法
CN112011055B (zh) * 2020-07-29 2021-05-28 山东大学 一种吸附和光控解吸附蛋白质的功能有机硅树脂及其制备方法
CN112341625B (zh) * 2020-11-27 2022-07-22 广州天赐高新材料股份有限公司 一种耐高温高相容性梯形硅树脂及其制备方法和应用

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4670299A (en) * 1984-11-01 1987-06-02 Fujitsu Limited Preparation of lower alkyl polysilsesquioxane and formation of insulating layer of silylated polymer on electronic circuit board
US4745169A (en) * 1985-05-10 1988-05-17 Hitachi, Ltd. Alkali-soluble siloxane polymer, silmethylene polymer, and polyorganosilsesquioxane polymer
JPS63146976A (ja) * 1986-12-11 1988-06-18 Daikin Ind Ltd 撥水撥油剤組成物
JP2718231B2 (ja) * 1990-01-10 1998-02-25 三菱電機株式会社 高純度末端ヒドロキシフェニルラダーシロキサンプレポリマーの製造方法および高純度末端ヒドロキシフェニルラダーポリシロキサンの製造方法
JPH08245792A (ja) * 1995-03-10 1996-09-24 Mitsubishi Electric Corp シリコーンラダーポリマー、シリコーンラダープレポリマーおよびそれらの製造方法
US6423772B1 (en) * 1999-07-16 2002-07-23 Institute Of Chemistry, Chinese Academy Of Sciences Organo-bridged ladderlike polysiloxane, tube-like organosilicon polymers, complexes thereof, and the method for producing the same
JP4182627B2 (ja) * 2000-06-14 2008-11-19 富士ゼロックス株式会社 光機能性有機けい素化合物の製造方法
US6420088B1 (en) * 2000-06-23 2002-07-16 International Business Machines Corporation Antireflective silicon-containing compositions as hardmask layer
US6830830B2 (en) * 2002-04-18 2004-12-14 Canon Kabushiki Kaisha Semiconducting hole injection materials for organic light emitting devices
SG102047A1 (en) * 2002-05-02 2004-02-27 Dso Nat Lab Ladder-like silicone polymers
KR20060065700A (ko) * 2003-08-20 2006-06-14 다우 코닝 코포레이션 카바졸릴-관능성 직쇄 폴리실록산, 실리콘 조성물 및 유기발광 다이오드
JP2005100710A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Fuji Photo Film Co Ltd 有機電界発光素子
KR100682859B1 (ko) * 2004-01-27 2007-02-15 삼성에스디아이 주식회사 폴리실세스퀴옥산계 화합물 및 이를 이용한 유기 전계발광 소자
WO2005096409A1 (en) * 2004-03-16 2005-10-13 Dow Corning Corporation Organic light-emitting diode
US20070131925A1 (en) * 2004-03-16 2007-06-14 Paul Shalk Organic light-emitting diode
US20050255410A1 (en) * 2004-04-29 2005-11-17 Guerrero Douglas J Anti-reflective coatings using vinyl ether crosslinkers
US7227305B2 (en) * 2004-06-18 2007-06-05 General Electric Company Stacked organic electroluminescent devices
JP4634834B2 (ja) * 2005-03-18 2011-02-16 Jsr株式会社 シルセスキオキサン重合体並びに屈折率変換材料および光−熱エネルギー変換蓄積材料
JP4602842B2 (ja) * 2005-06-07 2010-12-22 東京応化工業株式会社 反射防止膜形成用組成物、それを用いた反射防止膜
KR101243917B1 (ko) * 2005-12-19 2013-03-14 삼성디스플레이 주식회사 전도성 고분자 조성물 및 이로부터 얻은 막을 구비한 전자소자
US7736837B2 (en) * 2007-02-20 2010-06-15 Az Electronic Materials Usa Corp. Antireflective coating composition based on silicon polymer
US7709370B2 (en) * 2007-09-20 2010-05-04 International Business Machines Corporation Spin-on antireflective coating for integration of patternable dielectric materials and interconnect structures
WO2009064661A1 (en) * 2007-11-15 2009-05-22 Nitto Denko Corporation Light emitting devices and compositions
CN101946209B (zh) * 2008-02-18 2014-01-22 日产化学工业株式会社 具有环状氨基的含有硅的形成抗蚀剂下层膜的组合物

Also Published As

Publication number Publication date
KR20110112641A (ko) 2011-10-13
US20110251369A1 (en) 2011-10-13
CN102212195A (zh) 2011-10-12
JP2011219719A (ja) 2011-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5442557B2 (ja) 光活性基を側鎖として有するはしご構造のポリシルセスキオキサン及びその製造方法
Ren et al. Polysiloxanes for optoelectronic applications
US9855532B2 (en) Gas separation membrane with ladder-structured polysilsesquioxane and method for fabricating the same
CN107987278B (zh) 一种苯并环丁烯官能化有机硅树脂及其制备方法
CN104045831B (zh) 一种硅氧烷桥基梯形聚硅氧烷及其制备方法
KR20120017133A (ko) 선택적으로 구조가 제어된 폴리실세스퀴옥산의 제조방법 및 이로부터 제조된 폴리실세스퀴옥산
CN103044916A (zh) 一种柔性透明聚酰亚胺薄膜及其制备方法
JP7207845B2 (ja) シルセスキオキサン複合高分子およびその製造方法
JP2011190413A (ja) シロキサンポリマー架橋硬化物
Choi et al. High photo-and electroluminescence efficiencies of ladder-like structured polysilsesquioxane with carbazole groups
Choi et al. Synthesis and characterization of ladder-like structured polysilsesquioxane with carbazole group
Tundidor-Camba et al. Silylated oligomeric poly (ether-azomethine) s from monomers containing biphenyl moieties: synthesis and characterization
Fu et al. Synthesis of a polymeric electron acceptor based on perylenediimide-bridged ladder polysiloxane
Broggi et al. Squaraine‐Based Polymers: Toward Optimized Structures for Optoelectronic Devices
JP2015155541A (ja) シロキサンポリマー架橋硬化物
KR20130125224A (ko) 사다리형 사이올계 실세스퀴옥산 고분자 및 이의 제조방법
CN113549169B (zh) 一种苯基芴胺类聚合物空穴传输材料及其制备方法和应用
Feng et al. Cyano‐Functionalized Fused Bithiophene Imide Dimer‐Based n‐Type Polymers for High‐Performance Organic Thermoelectrics
Shang et al. Diphenylsiloxane-bridged ladder-like hydrido-polysiloxane and the derivatisation by triphenylsiloxy substitution
Fan et al. A transparent cyclo-linear polyphenylsiloxane elastomer integrating high refractive index, thermal stability and flexibility
US8441005B2 (en) Light-emitting material comprising photoactive group-bonded polysilsesquioxane having a ladder structure, thin film using the same and organic electronic device comprising the same
Kohri et al. Synthesis and optoelectronic properties of completely carbazole-substituted double-decker-shaped silsesquioxane
Li et al. Soluble network polymers based on trifluoropropyl‐substituted open‐cage silsesquioxane: Synthesis, properties, and application for surface modifiers
JP6411008B2 (ja) 含フッ素基修飾ポリシルセスキオキサン液体、含フッ素基修飾ポリシルセスキオキサンガラス及びこれらの製造方法
Li et al. Self‐assembling directed synthesis of a novel terephthalamide‐bridged ladderlike polysiloxane

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5442557

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees