JP5441508B2 - 内外装用アルミニウム材料、及びその製造方法 - Google Patents

内外装用アルミニウム材料、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、室外において露出した状態で使用される外装材または室内において露出した状態で使用される内装材に用いるアルミニウム材料に関する。
室外において露出した状態で使用される外装材としては、例えば、建造物の外壁、屋根、塀、シャッター、道路防音壁、ガードレールその他のものがある。また、室内において露出した状態で使用される内装材としては、例えば、自動車内装、電車内装、病院内装、調理室内装、クリーンルーム内装、ブラインド、蛍光灯反射板、家具などの調度類、事務機器その他のものがある。
これらの内装材または外装材(以下、適宜、内外装材という)の素材としては、軽量で適度な加工性と耐食性とを併せ持ったアルミニウム(純アルミニウム及びアルミニウム合金を含む)材料が広く利用されている。
また、耐食性をより向上させる用途には、表面に合成樹脂塗膜を施したアルミニウム塗装材が用いられている。
一方、上記内外装材は、室内または室外において露出して用いられるため、長年の使用によって表面に汚れが付着し、その外観特性を大きく損なう場合がある。外装材においては、表面の汚れ付着は、大気汚染物質、油類、樹脂成分などが雨で流された跡が残り、これが蓄積されていくというものである。内装材においても、室内の空気によって運ばれる油類、樹脂成分、埃などが長年の間に表面に汚れとして付着する。
また、内装材においては、建築材料や家具から発生するホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの化学物質、たばこの煙等の臭いの原因となるアンモニア、硫化水素などの有機化学物質が付着することもある。これらの物質はシックハウス症候群やアトピーの原因になり、その対策が求められている。
このような内外装材の表面に問題となる異物が付着して残留することを抑制する対策として、光触媒分解機能を有する物質を内外装材の表面に塗布することが行われてきている。
内外装材の基材がアルミニウム材料の場合には、光触媒分解機能を有する物質を塗膜中に含有させて基材表面に塗布する方法が取られる。
上記塗膜のベース樹脂としてエポキシ樹脂やウレタン樹脂等を適用した場合には、これらの樹脂自身が光触媒分解能によって分解されるという問題がある。そのため、光触媒に分解されにくいシリコーン樹脂やフッ素樹脂を適用することが望ましい。しかし、シリコーン樹脂やフッ素樹脂は、一般に撥水性の性質である。表面が撥水性の場合には、一見、汚れ等の異物が付着しにくく感じられるが、例えば無機物が一旦付着してしまうと、水等によって洗い流すことが困難となる。そのため、異物付着を抑制する表面としては、親水性の方が好ましい。そして、単純に、塗膜のベース樹脂としてシリコーン樹脂やフッ素樹脂を用いることは親水性が得られず好ましくない。
一方、光触媒自身の超親水化を利用して塗膜を親水化する方法がある。しかし、一般的なシリコーン樹脂に光触媒を添加した場合、光励起で親水化するまでの時間が非常に長いことが問題である。
以上の状況から、有機物分解能力が高いがベース樹脂は分解されず、短時間で親水性を示す塗膜を施した内外装用アルミニウム材料が求められている。
特開平9−40907号公報 特開平9−40909号公報 特開平9−111188号公報
本発明は、かかる従来の問題点を鑑みてなされたものであって、短時間で親水性を示し、親水持続性を有する塗膜を施した内外装用アルミニウム材料、及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、基材と、該基材の表面に形成した光触媒層とからなる内外装用アルミニウム材料であって、
上記光触媒層は、シリコーン樹脂よりなるベース樹脂に光触媒粒子を分散させてなり、
上記シリコーン樹脂は、上記光触媒粒子を含むことなく上記シリコーン樹脂のみからなる塗膜を形成した際の水との接触角が85°以下であり、
上記光触媒粒子の含有量は、10PHR〜80PHRであり、
上記シリコーン樹脂は、少なくとも、一般式SiZ 4 (Zは、加水分解性基、又はシロキサン結合により他のケイ素原子と結合している残基のいずれかを表す)で表される4官能性ケイ素構造単位としてのQ単位を全シロキサン単位に対して10モル%以上含有するアルコキシオリゴマーと、速乾性シリコーンレジンとを含有してなるシリコーン樹脂用塗料を用いて形成されていることを特徴とする内外装用アルミニウム材料にある(請求項1)。
第2の発明は、少なくとも、一般式SiZ4(Zは、加水分解性基、又はシロキサン結合により他のケイ素原子と結合している残基のいずれかを表す)で表される4官能性ケイ素構造単位としてのQ単位を全シロキサン単位に対して10モル%以上含有するアルコキシオリゴマーと、速乾性シリコーンレジンとを含有してなるシリコーン樹脂用塗料に光触媒粒子を含有させた光触媒層用塗料を準備し、該光触媒用塗料を基材の表面を覆うように塗布し、乾燥させることにより、上記光触媒粒子を10PHR〜80PHR含有する光触媒層を形成することを特徴とする内外装用アルミニウム材料の製造方法にある(請求項8)。
第1の発明の上記内外装用アルミニウム材料は、基材の表面に、特定のシリコーン樹脂よりなるベース樹脂に光触媒粒子を所定量分散させた光触媒層を有している。
すなわち、上記シリコーン樹脂は、上記光触媒粒子を含むことなく上記シリコーン樹脂のみからなる塗膜を形成した際の水との接触角が85°以下である。このような特定の親水性特性を有する上記シリコーン樹脂よりなるベース樹脂に光触媒粒子を分散させて形成された光触媒層は、詳しいメカニズムは必ずしも明らかではないが、後述する実施例により知られるように、ベース樹脂が光触媒粒子の光励起による超親水化を阻害せず、短時間で親水化することができる。
また、ベース樹脂がシリコーン樹脂であるため、ベース樹脂が光触媒粒子により分解され難く、光触媒粒子を良好に保持することができるため、長期間に亘って親水性や有機分解性等の光触媒活性を発揮することができる。
このように、本発明によれば、短時間で親水性を示し、親水持続性を有する内外装用アルミニウム材料を得ることができる。そして、この内外装用アルミニウム材料を用いれば、汚れの付着を抑制して長期間外観特性を維持することができると共に、内装に用いれば、シックハウス対策等にも有効である。
第2の発明の製造方法は、基材の表面に塗布する塗料として、上記特定のシリコーン樹脂用塗料をベースとして用いる。このシリコーン樹脂塗料は、上記特定の含有物を有していることによって、上記光触媒粒子を含むことなく上記シリコーン樹脂のみからなる塗膜を形成した際に、水との接触角が85°以下となる特性を発揮する。そのため、上述したごとく、このシリコーン樹脂塗料に光触媒粒子を含有させた光触媒層用塗料を塗布して得られた上記光触媒層は、ベース樹脂が光触媒粒子の光励起による超親水化を阻害せず、短時間で親水化することができる。また、ベース樹脂がシリコーン樹脂であるため、ベース樹脂が光触媒粒子により分解され難く、光触媒粒子を良好に保持することができるため、長期間に亘って親水性や有機分解性等の光触媒活性を発揮することができる。
このように、本発明によれば、短時間で親水性を示し、親水持続性を有する内外装用アルミニウム材料を製造することができる。
第1の発明の内外装用アルミニウム材料は、上述したように、基材と、該基材の表面に形成した光触媒層とからなる。
上記基材としては、種々のアルミニウム材料(アルミニウム又はアルミニウム合金)を用いることができる。その材質は、具体的な用途に応じて変更できる。
また、基材は、いわゆる板材であってもよいし、押出型材であってもよい。内外装材は平面上の部分を露出することが多いので、基材に用いる押出型材としては、板状部分を有するものが好適である。また、基材が板材の場合には、加工が容易であるので、広い用途に適用可能である。
また、上記光触媒層は、シリコーン樹脂よりなるベース樹脂に光触媒粒子を分散させてなる。
上記シリコーン樹脂は、上記光触媒粒子を含むことなく上記シリコーン樹脂のみからなる塗膜を形成した際の水との接触角が85°以下であれば、いずれのシリコーン樹脂も用いることができる。
シリコーン樹脂の水との接触角が85°を超える場合には、紫外線の照射により光触媒層が親水性を示すのに長時間を要し、実用性に欠ける。より好ましくは、上記シリコーン樹脂は、水との接触角が70°以下である。
上記接触角が85°以下であるシリコーン樹脂は、例えば、上記シリコーン樹脂は、少なくとも、一般式SiZ4(Zは、加水分解性基、又はシロキサン結合により他のケイ素原子と結合している残基のいずれかを表す)で表される4官能性ケイ素構造単位としてのQ単位を全シロキサン単位に対して10モル%以上含有するアルコキシオリゴマーと、速乾性シリコーンレジンとを含有してなるシリコーン樹脂用塗料を用いて形成することができる
また、このシリコーン樹脂用塗料を用いた製造方法としては、上述した第2の発明がある。
上記アルコキシオリゴマーと、上記速乾性シリコーンレジンとを混合する際は、有機溶剤系ならば有機溶剤系のものと、水性ならば水性のものと混合することが好ましい。特に、水性のものは、エマルション化している樹脂の極性(カチオン、アニオン、ノニオン)が異なると凝集する可能性があるため、安定性を考慮すると、エマルションの極性をそろえることが好ましい。
上記Q単位とは、最終的にはシラノール基を形成するか、または他のケイ素と縮合してシロキサン結合を形成しうる加水分解性基を4個含有するケイ素構造単位である。
なお、上記Zは、加水分解性基、又はシロキサン結合により他のケイ素原子と結合している残基のうち1種でもよいが、2種以上の組み合わせであってもよい。
そして、Zで表される加水分解性基は、従来から公知のものを使用することができ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソプロペノキシ基、アセトキシ基、ブタノキシム基等が挙げられる。
上記アルコキシオリゴマーとは、無機質のシロキサン(Si−O)結合を主骨格とし、各種有機置換基を枝葉にもつポリマーであるシリコーン樹脂のうち、分子末端がアルコキシシリル基で封鎖された比較的低分子のシリコーン樹脂を指し、常温/湿気硬化が可能であるという特徴を有している。
一般式SiZ4で表される4官能性ケイ素構造単位としてのQ単位を全シロキサン単位に対して10モル%以上含有するアルコキシオリゴマーにおいて、上記Q単位からなる部分は、Siの側鎖の両方がアルコキシル基となっている。そのため、このアルコキシオリゴマーを含有するシリコーン樹脂用塗料を用いて光触媒層を形成すると、硬化後の光触媒層表面に親水性のヒドロキシ基が存在することとなり、光触媒層に親水性を付与することができる。
上記アルコキシオリゴマーは、上記条件を満たすものであれば、いずれのアルコキシオリゴマーを用いてもよく、従来から公知の種々の方法によって製造することができる。
上記速乾性シリコーンレジンは、それ自体が100〜300℃で30秒以内で乾燥するものであれば、公知のシリコーンレジンのいかなるものを使用してもよく、有機官能基含有系(メチル系、メチルフェニル系、フェニル系、エポキシ系、メルカプト系、アクリル系等)、有機置換基非含有系のシリコーンアルコキシオリゴマー等から適当なものを選択して使用すればよい。
上記シリコーン樹脂塗料は、上記速乾性シリコーンレジンを含有することにより、短時間で乾燥することができるため、生産性に優れるという効果を得ることができる。また、形成された光触媒層が密着性を有することができる。
そして、シリコーン樹脂用塗料が、光触媒層形成時の乾燥性を低下させるような上記一般式SiZ4で表される4官能性ケイ素構造単位としてのQ単位を全シロキサン単位に対して10モル%以上含有するアルコキシオリゴマーを含有している場合であっても、上記速乾性シリコーンレジンとブレンドしていることにより、プレコート条件すなわち100℃〜300℃で1分以内という条件で乾燥する接触角の低い光触媒層を形成することができる。
上記シリコーン樹脂用塗料には、必要に応じて硬化触媒を併用してもよい。硬化触媒は、使用したエマルションの極性、必要とする乾燥スピードを考慮し、カチオン系、アニオン系、ノニオン系から適宜選択することができる。
上記光触媒粒子としては、光励起によって親水性を発現する物質であればいずれも使用することができ、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉛、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。
そして、化学安定性、コスト、安全性の観点から、上記光触媒粒子は、酸化チタンを用いることが好ましい。
上記酸化チタンとしては、その結晶形態の違いから、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型があり、いずれも使用することができるが、光触媒活性が高いため、アナターゼ型を用いることが好ましい。
酸化チタンの親水化や有機分解は酸化チタンの表面で起こる反応であり、表面積が大きいほど光触媒活性が高いことから酸化チタンの平均粒径は、100nm以下であり、より好ましくは50nm以下である。さらに好ましくは10nm以下である。
また、上記酸化チタンは、アパタイト等で表面処理を施したものを使用してもよい。
添加する光触媒粒子は、分散剤によって、水に分散されたものを用いることが好ましい。分散剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、無機系分散剤等が挙げられる。
上記光触媒粒子の含有量は、10PHR〜80PHR(Per hundred Resin、光触媒層中の樹脂固形分の重量を100とした場合の光触媒粒子の割合)である。
上記光触媒粒子の含有量が10PHR未満の場合には、光触媒粒子が表面に十分に露出しないため、光を当てても完全親水化しないおそれがある。一方、光触媒粒子の含有量が樹脂固形分濃度80PHRを超える場合には、塗膜の密着性が得られないおそれがある。
上記光触媒粒子の含有量は、好ましくは、20〜50PHRである。
上記内外装用アルミニウム材料の製造方法における上記シリコーン樹脂用塗料は、ロール塗装、スプレー塗装によって上記基材の表面に塗布することが好ましい。また、上記シリコーン樹脂用塗料は、100〜300℃で1分以内という条件で乾燥させることが好ましい。
また、上記シリコーン樹脂用塗料は、上記アルコキシオリゴマーを樹脂固形分濃度で10〜90%含有することが好ましい(請求項2、9)。
上記アルコキシオリゴマーの含有量が樹脂固形分濃度で10%未満の場合には、親水性が不十分となり、塗膜の接触角が85°以下にならないおそれがある。一方、上記アルコキシオリゴマーの含有量が樹脂固形分濃度で90%を超える場合には、塗膜が乾燥しないおそれがある。
また、上記シリコーン樹脂用塗料は、水溶性エマルションタイプであることが好ましい(請求項3、10
この場合には、塗装時の引火・爆発の危険がなくなる、臭気が低減される、また、VOC(揮発性有機化合物)ガスの発生も抑えられることから、環境面でも良いという効果を得ることができる。
また、上記光触媒粒子は、平均粒径が100nm以下であるアナターゼ型酸化チタンであることが好ましい(請求項4、11)。
この場合には、上述したように、酸化チタンの表面積が大きくなるため、酸化チタンの表面で起こる親水化や有機分解等の光触媒活性が高くなる。
また、上記光触媒層は、表面粗さRaが0.1μm以上であることが好ましい(請求項5、12)。
この場合には、光触媒層の表面に光触媒粒子が十分に露出し、有機分解性を良好に発揮することができる。
上記塗膜表面粗さRaは、より好ましくは、0.15μm〜0.5μmである。
なお、ここでいう表面粗さRaは、JIS B0601−2001に準拠するものである。
また、上記基材と上記光触媒層との間に、下地処理層が形成されていることが好ましい(請求項6、13)。
この場合には、上記基材と、上記光触媒層との密着性を向上することができる。
上記下地処理層としては、リン酸クロメート、クロム酸クロメート等のクロメート処理、また、クロム化合物以外のリン酸チタン、リン酸ジルコニウム、リン酸モリブデン、リン酸亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム等のノンクロメート処理等の化学皮膜処理(化成処理)により得られる皮膜がある。化学皮膜処理方法には、反応型及び塗布型があるが、本発明においては、いずれの手法が採用されてもよい。
また、上記基材は、板材または板状部を有する押出型材であり、上記板材または板状部の厚みは0.2mm以上であることが好ましい(請求項7、14)。この厚みが0.2mm未満の場合には、内外装材として用いる際に十分な剛性が得られないおそれがある。一方、基材の厚みの上限は特にないが、実用的な範囲としては数mm程度である。
(実施例1)
本例は、本発明の内外装用アルミニウム材料にかかる実施例及び比較例として内外装用アルミニウム材料(試料E1〜試料E14、試料C1〜試料C4)を作製した。
本例の内外装用アルミニウム材料1は、図1に示すように、基材2と、該基材2の表面に形成した光触媒層3とからなる。上記光触媒層3は、シリコーン樹脂よりなるベース樹脂31に光触媒粒子32を分散させてなる。
以下、これを詳説する。
まず、一般式SiZ4(Zは、加水分解性基、又はシロキサン結合により他のケイ素原子と結合している残基のいずれかを表す)で表される4官能性ケイ素構造単位としてのQ単位を全シロキサン単位に対して10モル%以上含有するアルコキシオリゴマーと、速乾性シリコーンレジンとを混合してなる水溶性エマルションタイプのシリコーン樹脂用塗料を用意した。
上記一般式SiZ4で表される4官能性ケイ素構造単位としてのQ単位を全シロキサン単位に対して10モル%以上含有し、親水性を向上させるアルコキシオリゴマーとして信越化学製X−52−8212を水溶性エマルション化させたものを用意した。
また、100〜300℃で30秒以内乾燥する速乾性シリコーンレジンとして、信越化学製X−52−8148を水溶性エマルション化させたものを用意した。
そして、まずは、光触媒粒子を含有させることなく、上記アルコキシオリゴマーと上記速乾性シリコーンレジンを表1に示す樹脂固形分濃度比で配合し、硬化触媒として信越化学製CAT−PM−4PS−2を添加して、シリコーン樹脂用塗料(樹脂1〜樹脂9)を作製した。
そして、JIS A1050−H26、厚さ0.5mmのアルミニウム板上に、バーコーターを用いて上記シリコーン樹脂用塗料を塗布し、200℃で乾燥させて、膜厚2μmの塗膜を作製し、下記の特性を評価した。結果を表1に示す。
<密着性>
シリコーン樹脂よりなる塗膜の密着性は、カッターナイフで素地まで届く4cmの切込みを入れ、そこにセロハンテープを密着させて引き剥がし、塗膜剥離の有無を確認することによって評価した。剥離が確認されない場合を合格(評価○)とし、剥離が確認された場合を不合格(評価×)とした。
<親水性>
シリコーン樹脂よりなる塗膜の親水性は、各試験片に純粋を2μL滴下し、それによって生じた水滴の接触角をゴニオメーターで測定することにより評価した。
接触角が85°以下の場合を合格とし、接触角が85°を超える場合を不合格とした。
Figure 0005441508
表1より知られるごとく、樹脂1〜樹脂7は、上記光触媒粒子を含むことなく上記シリコーン樹脂のみからなる塗膜を形成した際の水との接触角が85°以下であり、密着性も良好であった。
上記樹脂8は、信越化学製X−52−8212を水溶性エマルション化させたもの一種からなり、シリコーン樹脂用塗料が乾燥せず、塗膜を形成することができなかった。
また、上記樹脂9は、信越化学製X−52−8148を水溶性エマルション化させたもの1種からなり、接触角が90°であり親水性が不合格であった。
次に、上記シリコーン樹脂用塗料(樹脂1〜樹脂7、及び樹脂9)に、光触媒粒子32(石原産業製アナターゼ型酸化チタンST−01(平均粒径8nm)を水に分散させたもの)を、光触媒層の重量を100とした場合の光触媒粒子の重量が表2に示す量となるように添加して光触媒層用塗料を作製した。
また、基材2として、材質JIS A 1050−H26、厚さ0.5mmのアルミニウム板を用意し、該基材2の表面にリン酸クロメートを浸漬処理することにより、表面に化成皮膜4を形成した。
その後、上記化成皮膜4の上に、バーコーターを用いて光触媒層用塗料を塗布し、200℃で乾燥させることにより、基材2の表面に表2に示す膜厚を有する光触媒層3を形成し、内外装用アルミニウム材料1(試料E1〜試料E14、及び試料C1〜試料C4)を作製した。
得られた内外装用アルミニウム材料1(試料E1〜試料E14、及び試料C1〜試料C4)について、光触媒層3の表面粗さRaを測定し、親水性評価、有機物分解性の評価を行った。結果を表2に示す。
<表面粗さ>
表面粗さは、島津製作所製共焦点レーザー顕微鏡OLS3000を用いて測定した。
<親水性評価>
親水性評価は、内外装用アルミニウム材料の光触媒層表面に紫外線(1500μW/cm2)を連続照射し、紫外線照射後0h、24h、48h、72h、144h、240h、500h、1000hでの、塗膜と水との接触角を測定し、親水化までの時間をみることにより行った。
紫外線照射後1000hで接触角が40°以下となった場合を評価△とし、500hで接触角が40°以下となった場合を評価○とし、240hで接触角が40°以下となった場合を評価◎とした。1000hで接触角が40°超えの場合を評価×とした。評価が△、○、及び◎の場合を合格とし、評価が×の場合を不合格とする。
<有機物分解性>
有機物分解性の評価は、図2に示すように、内外装用アルミニウム材料1にメチレンブルー水溶液5を接触させて紫外線6を照射することにより行った。具体的には、まず、内外装用アルミニウム材料1の光触媒層3の表面に、2cm×2cmの貫通穴を有する両面テープ7を積層した。次いで、上記内外装用アルミニウム材料1と上記両面テープ7の貫通穴とにより形成された凹部71にメチレンブルー水溶液5を入れて光触媒層3とメチレンブルー水溶液5とを接触させた。その上に厚さ1mmのPET樹脂板8を積層して、密封状態とした。この状態で、上記PET樹脂板8を介して上記メチレンブルー水溶液5に1500μW/cm2の紫外線6を1時間照射し、メチレンブルー水溶液5の色の変化を観察することにより行った。
(評価基準)
◎:青色が完全に消えた場合、
○:青色がほとんど消えた場合、
△:青色が少しでも薄くなった場合、
×:青色に全く変化が見られない場合。
Figure 0005441508
表2より知られるごとく、実施例としての試料E1〜試料E14は、短時間で親水化していることが分かる。また、上記試料E1〜試料E14の光触媒層のベース樹脂は親水性を有するシリコーン樹脂を含有しているため、光触媒によって分解され難く、長期間に亘って光触媒活性を発揮することができる。また、上記光触媒層の表面粗さRaが大きい程、有機分解性を良好に発揮することができることが分かる。
これより、本発明によれば、短時間で親水性を示し、親水持続性を有する内外装用アルミニウム材料を得られることが分かる。
また、表2より知られるごとく、比較例としての試料C1は、光触媒粒子を含有していないため、不合格であった。
また、比較例としての試料C2〜試料C4は、ベース樹脂の親水性が低いため、紫外線照射後1000h経過後も親水化を確認することができず、不合格であった。
実施例1における、内外装用アルミニウム材料を示す説明図。 実施例1における、有機物分解性の評価方法を示す説明図。
1 内外装用アルミニウム材料
2 基材
3 光触媒層
31 ベース樹脂
32 光触媒粒子

Claims (14)

  1. 基材と、該基材の表面に形成した光触媒層とからなる内外装用アルミニウム材料であって、
    上記光触媒層は、シリコーン樹脂よりなるベース樹脂に光触媒粒子を分散させてなり、
    上記シリコーン樹脂は、上記光触媒粒子を含むことなく上記シリコーン樹脂のみからなる塗膜を形成した際の水との接触角が85°以下であり、
    上記光触媒粒子の含有量は、10PHR〜80PHRであり、
    上記シリコーン樹脂は、少なくとも、一般式SiZ 4 (Zは、加水分解性基、又はシロキサン結合により他のケイ素原子と結合している残基のいずれかを表す)で表される4官能性ケイ素構造単位としてのQ単位を全シロキサン単位に対して10モル%以上含有するアルコキシオリゴマーと、速乾性シリコーンレジンとを含有してなるシリコーン樹脂用塗料を用いて形成されていることを特徴とする内外装用アルミニウム材料。
  2. 請求項1において、上記シリコーン樹脂用塗料は、上記アルコキシオリゴマーを樹脂固形分濃度で10〜90%含有することを特徴とする内外装用アルミニウム材料。
  3. 請求項1又は2において、上記シリコーン樹脂用塗料は、水溶性エマルションタイプであることを特徴とする内外装用アルミニウム材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記光触媒粒子は、平均粒径が100nm以下であるアナターゼ型酸化チタンであることを特徴とする内外装用アルミニウム材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記光触媒層は、表面粗さRaが0.1μm以上であることを特徴とする内外装用アルミニウム材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記基材と上記光触媒層との間に、下地処理層が形成されていることを特徴とする内外装用アルミニウム材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項において、上記基材は、板材または板状部を有する押出型材であり、上記板材または板状部の厚みは0.2mm以上であることを特徴とする内外装用アルミニウム材料。
  8. 少なくとも、一般式SiZ 4 (Zは、加水分解性基、又はシロキサン結合により他のケイ素原子と結合している残基のいずれかを表す)で表される4官能性ケイ素構造単位としてのQ単位を全シロキサン単位に対して10モル%以上含有するアルコキシオリゴマーと、速乾性シリコーンレジンとを含有してなるシリコーン樹脂用塗料に光触媒粒子を含有させた光触媒層用塗料を準備し、該光触媒用塗料を基材の表面を覆うように塗布し、乾燥させることにより、上記光触媒粒子を10PHR〜80PHR含有する光触媒層を形成することを特徴とする内外装用アルミニウム材料の製造方法。
  9. 請求項8において、上記シリコーン樹脂用塗料は、上記アルコキシオリゴマーを樹脂固形分濃度で10〜90%含有することを特徴とする内外装用アルミニウム材料の製造方法。
  10. 請求項8又は請求項9において、上記シリコーン樹脂用塗料は、水溶性エマルションタイプであることを含有することを特徴とする内外装用アルミニウム材料の製造方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項において、上記光触媒粒子は、平均粒径が100nm以下であるアナターゼ型酸化チタンであることを特徴とする内外装用アルミニウム材料の製造方法。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項において、上記光触媒層は、表面粗さRaが0.1μm以上であることを特徴とする内外装用アルミニウム材料の製造方法。
  13. 請求項8〜12のいずれか一項において、上記基材と上記光触媒層との間に、下地処理層を形成することを特徴とする内外装用アルミニウム材料の製造方法。
  14. 請求項8〜13のいずれか1項において、上記基材は、板材または板状部を有する押出型材であり、上記板材または板状部の厚みは0.2mm以上であることを特徴とする内外装用アルミニウム材料の製造方法。
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