JP5439909B2 - 加飾シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は建築物用、車両用、建具用等の各種用途の加飾成形品に用いられる加飾シートの製造方法に関する。
成形品の表面に加飾シートを積層することで加飾した加飾成形品が、建築物用部材、車両内装部品等の各種用途で使用されている。このような加飾成形品に用いられる加飾シートは、通常、基材上に意匠層と表面保護層を順次積層して製造される。
しかし、かかる製造方法においては、意匠層を形成した際に表面に凹凸が生じ、その上に表面保護層を積層した際に表面保護層表面の平滑性が損なわれることが懸念される。
ところで、特許文献1においては、熱可塑成形可能な半剛性樹脂裏当てシートの外面に接合される熱可塑性樹脂ベースコート/透明コート塗膜を含む自動車内装用表皮材料を提案している。上記ベースコート、透明コート塗膜は艶消しキャリア上にコーティング、乾燥された後、上記裏当てシートに転写し積層するとしている。しかし、特許文献1では透明コートの光沢は艶消しキャリアの平滑性に依存するため、平滑性の微調整が困難となる問題が生じる。
また、従来のように加飾シートの平滑化処理を全く行わないと、加飾シート表面の平滑性及び艶と射出成形後の加飾成形品の平滑性及び艶とが著しく異なることにより、加飾シートの意匠感と加飾成形品の意匠感とが大きく相違することがあった。
特表2000−512225号公報
上述の問題を解決するために、表面保護層表面に平滑性及び艶を付与する方法として、表面保護層を積層した後に鏡面処理された金属板を用いて熱プレス加工等により平滑化処理することも考えられるが、表面保護層の表面を平滑化しても意匠層の凹凸は残存するため、インサート成形や射出成形同時加飾において加飾シートが加熱されて表面保護層が軟化すると意匠層の凹凸が表面保護層に浮かび上がり表面の平滑性及び艶が損なわれる恐れがある。すなわち、加飾シートの高い平滑性及び艶が射出成形後に低下し加飾シート表面の平滑性及び艶と射出成形後の加飾成形品表面の平滑性及び艶とが異なることとなり、加飾シートの意匠感と加飾成形品の意匠感とが相違することになる恐れがある。
本発明は、上記問題点に鑑み、高光沢及び低光沢のいずれの加飾シートにおいても、インサート成形、射出成形同時加飾等の3次元成形後も表面平滑性及び艶が保持され、意匠感が維持される加飾シートの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、表面が平滑な剥離フィルム上に形成したプライマー層及び意匠層を基材上に転写した後に表面保護層を積層することにより前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)表面が平滑な剥離フィルム上にプライマー層を形成する工程と、該プライマー層上に意匠層を形成する工程と、該プライマー層及び該意匠層を基材上に転写する工程と、該基材上の該剥離フィルムを剥がす工程と、該基材上に形成された該プライマー層上に電離放射線硬化性樹脂組成物を積層する工程と、該電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層を形成する工程とを含むことを特徴とする加飾シートの製造方法、及び
(2)前記転写する工程が、熱プレス加工により行われる上記(1)に記載の加飾シートの製造方法、
を提供するものである。
本発明の加飾シートの製造方法によれば、高光沢及び低光沢のいずれの加飾シートにおいても、インサート成形、射出成形同時加飾等の3次元成形後も表面平滑性及び艶が保持され、意匠感が維持される加飾シートが得られた。実際にこの加飾シートを用いてインサート成形、射出成形同時加飾等の3次元成形を実施したところ、加飾シート表面の平滑性及び艶が加飾樹脂成形品表面に保持され、加飾シートと同様な意匠感が得られた。
本発明の加飾シートの製造方法の概略を示す工程図である。
表面が平滑な剥離フィルム上にプライマー層を形成する工程と、該プライマー層上に意匠層を形成する工程と、該プライマー層及び該意匠層を基材上に転写する工程と、該基材上の該剥離フィルムを剥がす工程と、該基材上に形成された該プライマー層上に電離放射線硬化性樹脂組成物を積層する工程と、該電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層を形成する工程とを含むことを特徴とする。以下、本発明の製造方法について図1を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の加飾シート10の製造方法の概略を示す工程図である。本発明の製造方法は、以下の(1)〜(6)の工程を少なくとも含む方法である。
(1)剥離フィルム上にプライマー層を形成する工程
表面が平滑な剥離フィルム11上にプライマー組成物を積層した後必要に応じ乾燥することによりプライマー層12を形成する。
本発明において、剥離フィルムの表面が平滑であるとは、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であることをいい、0.2μm以下であることが好ましい。ここで、表面粗さ(Ra)とは、JIS B 0601:2001に規定された算術平均粗さRaをいう。
また、本発明の加飾シート表面の平滑性は、表面粗さRaとして0.5μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましい。
プライマー層12の積層方法としては、塗工法によって形成することができ、また、転写法を用いることも可能である。塗工法によってプライマー層12を形成する場合には、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる。また、転写法としては、一旦、薄いシート(フィルム基材)にプライマー層の塗膜を形成し、しかる後基材の表面に被覆する方法であり、塗工組成物の塗膜を基材と共に立体物に接着するラミネート法や、一旦離型性支持体シート上に塗膜と必要に応じて接着材層を形成した転写シートを接着後、支持体シートのみ剥離する転写法等がある。
(2)プライマー層上に意匠層を形成する工程
次に、プライマー層12上に意匠用インキを印刷又は塗工した後必要に応じ乾燥することにより意匠層13を形成する。意匠層13は、絵柄層及び/又は全面ベタ着色層からなる。
(3)プライマー層及び意匠層を基材上に転写する工程
次いで、剥離フィルム11上に形成されたプライマー層12及び意匠層13を基材14に転写する。転写方法としては鏡面板を用いた熱プレス加工や鏡面ロールを用いたエンボス加工を用いることが好ましい。具体的には、公知の熱プレス機、エンボス加工機を用い、プライマー層12及び意匠層13を積層した剥離フィルム11と基材14を加熱軟化させ、重ねた状態で加圧し貼り合わせる。これにより、図1の(a)に示すようなシートが得られる。
(4)基材上の剥離フィルムを剥がす工程
転写後の基材14上の剥離フィルム11を剥がすことにより、図1の(b)に示すように基材14上に意匠層13とプライマー層12とがその順に積層されたシートが得られる。このとき、プライマー層12の表面は、前工程の剥離フィルム面を賦形し平滑面となっている。
(5)プライマー層上に電離放射線硬化性樹脂組成物を積層する工程
次いで、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる塗工液又は電離放射線硬化性樹脂組成物を含有する塗工液をプライマー層12の平滑面上に塗工することにより積層する。塗工液の粘度は、後述の塗工方式により、プライマー層12の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であれば良く、特に制限はない。
本発明の製造方法においては、調製された塗工液を、プライマー層12の表面に、硬化後の厚さが1〜30μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。
ここで、電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋、硬化する樹脂を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
(6)電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層を形成する工程
次に、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる未硬化樹脂層に電子線、紫外線等の電離放射線を照射することにより、電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層15を形成する。これにより、図1の(c)に示すように表面保護層15が形成された加飾シート10を得ることができる。
ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、電子線により劣化する基材14を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材14への余分な電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜100kGy(1〜10Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
本発明の製造方法において用いられる剥離フィルム11は、プライマー層12と接触しても後で剥離(剥がす)することができるフィルムであれば良く、特に制限されるものではない。ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるフィルムや紙類、又はそれらにシリコーン等の離型剤がコーティングされ(剥離処理され)たフィルムや紙類等が挙げられる。剥離フィルム11は、剥離処理されている方が剥がし易く好ましい。
本発明の製造方法において、剥離フィルム11上に形成されるプライマー層12は、基材14上にある意匠層13と表面保護層15との接着性を高める機能を有する。更に、プライマー層12の表面を平滑化することにより、意匠層13の凹凸を表面保護層15に影響させないで、表面保護層15の表面を平滑にすることを可能にする。
プライマー層12を構成するプライマー組成物は、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル・ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等が用いられる。
また、プライマー層12の厚さは0.1〜10μm程度であることが好ましい。
0.1μm以上であると、表面保護層の割れ、破断、白化等を防ぐ効果を十分に発揮させることも可能となる。一方、プライマー層の厚さが10μm以下であれば、プライマー層を塗工した際、塗膜の乾燥、硬化が安定であるので成形性が変動することが無く好ましい。
次に、図1に示される絵柄層及び/又は全面ベタ着色層からなる意匠層13は、樹脂成形品に装飾性を与えるものである。絵柄層は、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)等の岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様等があり、これらを複合した寄木、パッチワーク等の模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷等によっても形成される。
意匠層13に用いるインキとしては、バインダーに顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤等を適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂(アクリルウレタン共重合樹脂等)、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等の中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等が用いられる。
本発明において、意匠層13と基材14との間に必要に応じ隠蔽層を設けても良い。隠蔽層は、基材14表面の色の変化、ばらつきにより、加飾シート10の柄の色に影響を及ぼさないようにする目的で設けられる。通常不透明色で形成することが多く、その厚さは1〜20μm程度の、いわゆるベタ印刷層が好適に用いられる。用いられるバインダー、着色剤等は、意匠層13に用いられるものと同様である。なお意匠層13が全面ベタ着色層を有する場合は、それを隠蔽層として用いても良い。
本発明の製造方法における基材14としては、真空成形適性や射出成形同時加飾適性を考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、一般的には、アクリル樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」という)、塩化ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂等が使用される。また、基材14は、これら樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートとして使用することができる。
基材14の厚さは、用途に応じて選定されるが、通常、0.03〜1.0mm程度であり、コスト等を考慮すると0.03〜0.5mm程度が一般的である。
上述の基材14はその上に設けられる層との密着性を向上させるために、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法等の物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法等が挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から好ましく用いられる。
本発明の製造方法において、電離放射線硬化性樹脂組成物に用いられる電離放射線硬化性樹脂としての重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーを以下に説明する。
重合性モノマーとしては、代表的には、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも多官能性(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味し、他の類似するものも同様の意である。多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する(メタ)アクリレートであれば良く、特に制限はない。具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させる等の目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
次に、重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等が挙げられる。ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、分子中にラジカル重合性不飽和基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等が挙げられる。
また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等を用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂として電子線硬化性樹脂を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、かつ、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
上記電離放射線硬化性樹脂組成物中には、本発明の効果を奏する範囲で他の樹脂を含有させることができる。例えば、本発明の製造方法により得られる加飾シート10に柔軟性を付与したい場合には、熱可塑性樹脂を添加することができる。一方、溶剤への耐性が必要な場合には、熱可塑性樹脂を含有しないことが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール(ブチラール樹脂)、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン,α−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン等のアセタール樹脂、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリビニルアセタール樹脂、液晶性ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらは1種単独でも又は2種以上を組み合わせて用いても良い。2種以上組み合わせる場合は、これらの樹脂を構成するモノマーの共重合体でも良いし、それぞれの樹脂を混合して用いても良い。
上記熱可塑性樹脂のうち、本発明では(メタ)アクリル系樹脂を主成分とするものが好ましく、なかでもモノマー成分として少なくとも(メタ)アクリル酸エステルを含有する単量体を重合してなるものが好ましい。
より具体的には、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が好ましい。
前記熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が9万〜12万の範囲である。重量平均分子量がこの範囲であると、架橋硬化して表面保護層を形成した後の成形性及び表面の耐摩耗性、耐擦傷性のいずれも高いレベルで得ることができる。
なお、ここで重量平均分子量とは、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算のものである。ここで用いる溶媒としては通常用いられるものを適宜選択して行うことができ、例えば、テトラヒドロフラン(THF)又はN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)等が挙げられる。
また、前記熱可塑性樹脂の多分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.1〜3.0の範囲であることが好ましい。多分散度がこの範囲内であると、やはり架橋硬化して表面保護層を形成した後の成形性及び表面の耐摩耗性、耐擦傷性のいずれも高いレベルで得ることができる。以上の点から、該(メタ)アクリル系樹脂の多分散度は、さらに1.5〜2.5の範囲であることが好ましい。
本発明における表面保護層を構成する樹脂組成物には、より意匠性を向上するために、本発明の目的に反しない範囲で艶消し剤を配合することができる。表面保護層に艶消し剤を配合することによって、意匠層の絵柄や着色に合わせた艶に調整することができ、より高い意匠性を付与することができる。
艶消し剤としては、例えばシリカ、タルク、クレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等から適宜選択される。これらのうち吸油度、粒径、細孔容積等の材料設計の自由度が高く、意匠性、白さ、インキとしての塗工安定性に優れた材料であるシリカが好ましく、特に微粉末のシリカが好ましい。
艶消し剤の粒径としては、0.1〜20μm、好ましくは1〜10μmが好ましい。
これらの艶消し剤の表面保護層を構成する樹脂組成物における含有量は、1〜80質量%の範囲であることが好ましい。
また、本発明の製造方法における表面保護層を構成する樹脂組成物には、得られる硬化樹脂層の所望物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。特に、表面の耐擦傷性等をさらに改善するために、滑剤を含有させることが好ましい。滑剤としては、合成ワックス、石油ワックス、動物由来のワックス、植物由来のワックス等のワックス類、反応性シリコーン、フッ素系滑剤等が挙げられる。
その他の添加剤としては、例えば耐候性改善剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、耐摩耗性向上剤等が挙げられる。
このようにして、形成された表面保護層14には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能、防曇機能、防汚機能、防眩機能、反射防止機能、紫外線遮蔽機能、赤外線遮蔽機能等を付与することもできる。
本発明においては、表面保護層14の硬化後の厚さが1〜30μmであることが好ましい。表面保護層14の硬化後の厚さが1μm以上であると透明感、光沢感、表面保護層に艶消し剤を含む場合は均一な艶消し効果等、優れた意匠性が得られ、更に耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等の保護層としての十分な物性が得られる。一方、30μm以下であると成形の際に保護層の割れ、白化等がなく、所望の形状に追従することができ、3次元成形後も良好な意匠性を有することができる。この観点から、表面保護層14の硬化後の厚さは2〜20μmの範囲が好ましく、3〜10μmの範囲がさらに好ましい。
本発明の製造方法により得られる加飾シート10は、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法に用いることができ、特にインサート成形法及び射出成形同時加飾法に好適に用いられる。
インサート成形法では、真空成形工程において、本発明の製造方法により得られる加飾シートを真空成形型により予め成形品表面形状に真空成形(オフライン予備成形)し、次いで必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートを得る。この成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、流動状態の樹脂を型内に射出し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シートを一体化させ、加飾樹脂成形品を製造する。
射出樹脂は用途に応じた樹脂が使用され、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂が代表的である。また、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等も用途に応じ用いることができる。
次に、射出成形同時加飾法においては、本発明の加飾シートを射出成形の吸引孔が設けられた真空成形型との兼用雌型に配置し、この雌型で予備成形(インライン予備成形)を行った後、射出成形型を型締めして、流動状態の樹脂を型内に射出充填し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シートを一体化させ、加飾樹脂成形品を製造する。
なお、射出成形同時加飾法では、射出樹脂による熱圧を加飾シートが受けるため、平板に近く、加飾シートの絞りが小さい場合には、加飾シートは予熱してもしなくても良い。
なお、ここで用いる射出樹脂としてはインサート成形法で説明したものと同様のものを用いることができる。
以上のようにして製造された加飾樹脂成形品は、表面平滑性及び艶に優れ、意匠性の高い成形品となる。さらに本発明の製造方法では、加飾シートの製造段階で表面保護層が完全硬化されるので、加飾樹脂成形体を製造した後に表面保護層を架橋硬化する工程が不要である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
なお、表面粗さRaは、株式会社東京精密製表面粗さ測定器、商品名「ハンディサーフE−35A」を使用し、JIS B 0601:2001に準拠し、長さLの粗さ曲線を中心線から折り返し、それぞれの粗さ曲線と中心線によって得られた全面積を長さLで割った値をマイクロメートル(μm)で表わした。
また、表面艶は、グロスメーター(村上色彩技術研究所製「GMX−203」)を用い、入射角60°の条件で、グロス値を測定した。数値が高いほど艶が高いことを示す。
実施例1
剥離フィルムとして表層にシリコーン系の離型層を有する2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:25μm、表面粗さ(Ra):0.01μm)を用い、この剥離フィルム上にアクリル/ウレタンブロック共重合樹脂を塗工して、厚さ2μmの透明なプライマー層を形成した。
次いで、このプライマー層上にアクリルウレタン共重合樹脂インキを用い、グラビア印刷により木目柄の意匠層を形成した。その後、剥離フィルム上にプライマー層と意匠層とが形成されたシートの意匠層側を基材(ABS樹脂からなるシート、厚さ;400μm)に接触させた後、熱プレス機を用いて熱転写する熱プレス加工を行った。この熱プレス加工条件は、150℃、5kgf/cm2の加圧下、10分間であった。熱プレス加工後、剥離フィルムを剥離し、プライマー層、意匠層を基材に転写した。
次に、剥離フィルムを剥離した後のプライマー層表面に、2官能のウレタンアクリレート(重量平均分子量;2,000)からなる電子線硬化性樹脂組成物を硬化後の厚さが6μmとなるようにグラビアリバースにて塗布した。この未硬化樹脂層に加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させ加飾シートを得た。
次に、得られた加飾シートを、シートの温度が170℃になるまで赤外線ヒーターで加熱し、軟化させた後、真空成形した。型より加飾シートを離型し、不要部分にダイカット型を油圧により押し当てて不要部分をトリミングした。このトリミングした加飾シートを用いて、射出成形型に挿入した後、型締めして、型内にABS樹脂を射出して、成形品表面に加飾シートが積層一体化し、インサート成形による加飾樹脂成形品を得た。
実施例2
実施例1の電離放射線硬化性樹脂組成物において、2官能のウレタンアクリレート100質量部に対して平均粒径3μmのシリカを10質量部添加した以外は実施例1と同様にして加飾シート及び加飾樹脂成形品を得た。
比較例1
実施例1において、剥離フィルムを用いないで基材上に絵柄層、プライマー層、表面保護層を順次積層した以外、実施例1と同様に加飾シート及び加飾樹脂成形品を得た。
比較例2
比較例1において、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布、硬化した後にステンレス製鏡面板を用いた熱プレス機を用い、150℃、5kgf/cm2の加圧下、10分間熱プレス加工を行い、表面を平滑化した以外、比較例1と同様に加飾シート及び加飾樹脂成形品を得た。
比較例3
実施例2において、剥離フィルムを用いないで基材上に絵柄層、プライマー層表面保護層を順次積層した以外、実施例2と同様に加飾シート及び加飾樹脂成形品を得た。
比較例4
比較例3において、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布、硬化した後にステンレス製鏡面板を用いた熱プレス機を用い、150℃、5kgf/cm2の加圧下、10分間熱プレス加工を行い、表面を平滑化した以外、比較例3と同様に加飾シート及び加飾樹脂成形品を得た。
次に、実施例1〜2及び比較例1〜4の加飾シートについて、第1表及び第2表に示す製造段階における表面粗さRa及び表面艶を測定した。結果を第1表及び第2表に示す。併せて、得られた実施例1〜2及び比較例1〜4の加飾シートと加飾樹脂成形品の光沢感、平滑性及び意匠感を目視により確認した。
Figure 0005439909
第1表に示すように、実施例1の高光沢性の加飾シートは、インサート成形前及び後のいずれにおいても表面粗さRaが小さくかつ表面艶が高いので、高光沢感を有すると共に平滑性が高く、意匠性に優れていた。また、射出成形後の加飾樹脂成形品の表面粗さRa及び表面艶は加飾シートと同レベルであり、高光沢感が良好に保持され、加飾シートの意匠感が好適に維持された。
これに対し、平滑化処理をしなかった比較例1の加飾シートは、表面粗さRaが大きく、インサート成形後に表面粗さRaが小さくなったため、加飾シートと加飾樹脂成形品とで意匠感が大きく異なってしまった。
また、表面保護層積層後に平滑化処理を行った比較例2の加飾シートは、インサート成形前では表面粗さRaが小さく表面艶が高かったが、インサート成形後に表面粗さRaが大きくなり、表面艶が低くなったので、加飾シートと加飾樹脂成形品とで意匠感が大きく異なってしまった。
Figure 0005439909
第2表に示すように、実施例2の低光沢性の加飾シートは、インサート成形前及び後のいずれにおいても表面粗さRa及び表面艶が同じレベルであり、低光沢感を有し、意匠性に優れていた。また、射出成形後の加飾樹脂成形品は低光沢感が良好に保持され、加飾シートの意匠感が好適に維持された。
これに対し、平滑化処理をしなかった比較例3の加飾シートは、表面粗さRaが大きく、低光沢な意匠性が得られたが、インサート成形後に表面粗さRaが小さくなったため、加飾シートと加飾樹脂成形品とで意匠感が大きく異なってしまった。
また、表面保護層積層後に平滑化処理を行った比較例4の加飾シートは、熱プレス加工することにより、鏡面板を賦形し艶が高くなり、低光沢なサンプルを得る事ができなかった。さらに、インサート成形後に表面粗さRaが大きくなり、表面艶が低くなったので、加飾シートと加飾樹脂成形品とで意匠感が大きく異なってしまった。
本発明の製造方法により得られる加飾シートは、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材、幅木、回縁等の造作部材、窓枠、扉枠等の建具、壁、床、天井等の建築物の内装材、テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体、容器等の加飾樹脂成形品に好適用いられる。
10. 加飾シート
11. 剥離フィルム
12.プライマー層
13.意匠層
14.基材
15.表面保護層

Claims (4)

  1. 射出成形法による加飾樹脂成形品の製造に使用される加飾シートの製造方法であって、表面が平滑な剥離フィルム上にプライマー層を形成する工程と、該プライマー層上に意匠層を形成する工程と、該プライマー層及び該意匠層を基材上に転写する工程と、該基材上の該剥離フィルムを剥がす工程と、該基材上に形成された該プライマー層上に電離放射線硬化性樹脂組成物を積層する工程と、該電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層を形成する工程とを含むことを特徴とする加飾シートの製造方法。
  2. 前記転写する工程が、熱プレス加工により行われる請求項1に記載の加飾シートの製造方法。
  3. 前記基材の厚みが0.03〜1.0mmである請求項1又は2に記載の加飾シートの製造方法。
  4. 請求項1に記載の製造方法により得られた加飾シートを使用し、射出成形法により加飾シートと射出樹脂を一体化させる工程を有する加飾樹脂成形品の製造方法。
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