JP5663928B2 - 加飾シートの製造方法、加飾シート及びそれを用いてなる加飾樹脂成形品 - Google Patents

加飾シートの製造方法、加飾シート及びそれを用いてなる加飾樹脂成形品 Download PDF

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Description

本発明は特定のプライマー組成物を用いてプライマー層を形成する加飾シートの製造方法、加飾シート及びそれを用いてなる加飾樹脂成形品に関する。
成形品の表面に加飾シートを積層することで加飾した加飾樹脂成形品が、車両内装部品などの各種用途で使用されている。このような加飾樹脂成形品の成形方法としては、加飾シートを真空成形型により予め立体形状に成形しておき、該成形シートを射出成形型に挿入し、流動状態の樹脂を型内に射出して樹脂と成形シートを一体化するインサート成形法(例えば、特許文献1参照)と射出成形の際に金型内に挿入された加飾シートを、キャビティ内に射出注入された溶融樹脂と一体化させ、樹脂成形体表面に加飾を施す射出成形同時加飾法(例えば、特許文献2、特許文献3参照)とがある。
上記の加飾樹脂成形品は表面の耐傷付き性を向上させる目的で表面保護層が設けられる。しかしながら、上述の加飾樹脂成形品の成形方法において、インサート成形法では加飾シートを真空成形型により予め三次元(立体)形状に成形する過程、射出成形同時加飾法では加飾シートが予備成形時にあるいは溶融樹脂の射出時に、キャビティの内周面に沿うように延伸されて密着する過程で、加飾シートが真空圧空作用により、あるいは溶融樹脂の圧力、剪断応力による引っ張りなどによって、金型形状に沿うために最低必要な量以上に伸ばされるため、成形品の曲面部の表面保護層にクラックが入るという問題があった。
上記問題点に対して、表面保護層として紫外線硬化性樹脂などの電離放射線硬化性樹脂を用い、加飾シートの表面保護層を形成する樹脂の架橋密度を高めることにより、加飾樹脂成形品の表面の耐摩耗性や耐傷付き性を向上させる試みがなされたが、依然として成形の際に成形品曲面部にクラックが生じるという問題があった。
また、表面保護層として紫外線硬化性樹脂などの電離放射線硬化性樹脂を用い、加飾シートの段階では半硬化状態とし、加飾成形された後に完全硬化させる方法が試みられたが(特許文献4参照)、未硬化樹脂成分を含む表面保護層は傷つきやすく、取り扱いが困難であり、未硬化樹脂成分が金型に付着することによる金型汚染の問題があった。この問題点を解決するために半硬化状態の表面保護層上に保護フィルムを設ける方法があるが、製造が煩雑になるとともに、コストアップの要因ともなる。
そこで、耐傷付き性と三次元成形性とを両立し得る表面保護層が要望されている。
尚、プラスチック成形品の表面に絵付けする転写箔において、剥離ニスとしてアクリルポリオールやイソシアネートを含有する樹脂を使用する方法が知られているが(例えば、特許文献5参照)、この転写箔を加飾シートとして用いることについては、何ら教示も示唆もされていない。
特開2004−322501号公報 特公昭50−19132号公報 特公昭61−17255号公報 特開平6−134859号公報 特開平5−8597号公報
上記課題を解決するために、表面保護層の架橋密度を低下させて、加飾シートの成形性を向上する方法も考えられるが、表面保護層の耐摩耗性や耐傷付き性等の物性が損なわれる虞があり、また、表面に付着した薬品等が表面保護層を透過し易くなり、表面保護層の下に形成された他の層が膨潤するなどの問題が生じる虞もある。
そこで、本発明者らが、イソシアネートを含有するプライマー組成物を用いてプライマー層を形成することで、加飾シートの耐薬品性を向上する方法を検討したところ、プライマー組成物に配合されるポリオールによっては、剥離フィルム上に形成されたプライマー層の転写性に問題が生じることを見出した。
本発明は、このような状況下で、加飾シートの耐薬品性及び三次元成形性と、プライマー層の転写性とを鼎立し得る加飾シートの製造方法、加飾シート及びそれを用いてなる加飾樹脂成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、加飾シートのプライマー層を、特定の成分を含有するプライマー組成物を用いて形成することにより、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
1.剥離フィルム上にプライマー層を形成する工程と、少なくとも該プライマー層を基材上に転写する工程と、該剥離フィルムを剥がす工程と、該基材上に形成された該プライマー層上に電離放射線硬化性樹脂組成物を積層する工程と、該電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層を形成する工程とを含む加飾シートの製造方法であって、さらに該プライマー層が、少なくともアクリルポリオールイソシアネート及び非架橋型ウレタン樹脂を含有するプライマー組成物を用いて形成されてなることを特徴とする加飾シートの製造方法、
2.前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、少なくともポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを含有する上記1に記載の加飾シートの製造方法、
3.前記ポリカーボネート(メタ)アクリレートと前記多官能(メタ)アクリレートとの質量比が98:2〜70:30である上記2に記載の加飾シートの製造方法、
4.前記多官能(メタ)アクリレートが、3官能以上であることを特徴とする上記2又は3に記載の加飾シートの製造方法、
5.前記ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量が、2,000〜10,000である上記2〜4のいずれかに記載の加飾シートの製造方法、
.前記プライマー組成物におけるアクリルポリオールと非架橋型ウレタン樹脂との質量比が、99:1〜50:50である上記1〜5のいずれかに記載の加飾シートの製造方法、
.前記非架橋型ウレタン樹脂のガラス転移点が100℃以下である上記1〜6のいずれかに記載の加飾シートの製造方法、
.前記アクリルポリオールの水酸基に対する、前記イソシアネートのイソシアネート基の当量比が、0.5〜2.0である上記1〜のいずれかに記載の加飾シートの製造方法、
.さらに、前記プライマー層上に絵柄層を形成する工程を含む上記1〜のいずれかに記載の加飾シートの製造方法、
10.基材上に少なくともプライマー層及び表面保護層を有する加飾シートであって、該表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、かつ、該プライマー層が、少なくともアクリルポリオールイソシアネート及び非架橋型ウレタン樹脂を含有するプライマー組成物を用いて形成されてなることを特徴とする加飾シート、
11.前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、少なくともポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを含有する上記10に記載の加飾シート、
12.前記基材上に、さらに絵柄層を有する上記10又は11に記載の加飾シート、及び
13.上記1012のいずれかに記載の加飾シートを用いてなる加飾樹脂成形品、
を提供するものである。
本発明の製造方法により製造される加飾シートは、その表面保護層が優れた耐傷付き性を有することに加え、特定の表面保護層とプライマー層との組み合わせにより優れた耐薬品性と良好な三次元成形性とを同時に満足するので、インサート成形法及び射出成形同時加飾法のいずれにおいても、表面保護層にクラック等が入ることがなく、耐薬品性が高く、且つ三次元成形し易い加飾樹脂成形品を得ることができ、また、このプライマー層は良好な転写性を有する。
本発明の加飾シートの製造方法における発明の一態様を示す工程図である。
[加飾シートの製造方法]
本発明の加飾シートの製造方法は、剥離フィルム上にプライマー層を形成する工程と、少なくとも該プライマー層を基材上に転写する工程と、該剥離フィルムを剥がす工程と、該基材上に形成された該プライマー層上に電離放射線硬化性樹脂組成物を積層する工程と、該電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層を形成する工程とを含む加飾シートの製造方法であって、さらに該プライマー層が、少なくともアクリルポリオール及びイソシアネートを含有するプライマー組成物を用いて形成されてなることを特徴とする。
以下、本発明の製造方法について図1を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の加飾シートの製造方法の概略を示す工程図である。本発明の製造方法は、以下の(1)〜(5)の工程を少なくとも含む方法である。
(1)剥離フィルム上にプライマー層を形成する工程
まず、剥離フィルム11上にプライマー組成物を積層した後必要に応じ乾燥することによりプライマー層12を形成する。
剥離フィルム11として、表面の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm以下程度のもの、より好ましくは0.2μm以下のものを用いることで、加飾シート10の表面を平滑化することが好ましい。ここで、算術平均粗さ(Ra)とは、JIS B 0601:2001に規定された算術平均粗さRaをいう。
また、本発明の加飾シート10表面(すなわち、表面保護層15の表面)の平滑性は、算術平均粗さRaとして0.5μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましい。加飾シート10の表面を平滑化することにより、加飾シート表面の平滑性及び艶と三次元成形後の加飾樹脂成形品の平滑性及び艶とが著しく異なることにより、加飾シートの意匠感と加飾樹脂成形品の意匠感とが大きく相違する問題が抑止される。
プライマー層12の積層方法としては、例えば、塗工法によって形成することができる。塗工法によってプライマー層12を形成する場合には、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる。
プライマー層12上には、絵柄用インキを印刷又は塗工した後必要に応じ乾燥することにより、図1の(a)に示すように絵柄層13を形成することができる。
絵柄層13はグラビア印刷などの通常の印刷方法により形成される。隠蔽層はグラビア印刷などの通常の印刷方法やグラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコートなどの通常の塗工方法により形成される。
(2)少なくともプライマー層を基材上に転写する工程
次いで、剥離フィルム11上に形成されたプライマー層12を、プライマー層12上に絵柄層13が設けられている場合には絵柄層13をも基材14に転写する。転写方法としては鏡面板を用いた熱プレス加工や鏡面ロールを用いたエンボス加工を用いることが好ましい。具体的には、公知の熱プレス機、エンボス加工機を用い、プライマー層12を積層した、或いはプライマー層12及び絵柄層13を積層した剥離フィルム11と基材14を加熱軟化させ、重ねた状態で加圧し貼り合わせる。これにより、図1の(b)に示すようなシートが得られる。
(3)剥離フィルムを剥がす工程
転写後の剥離フィルム11を剥がすことにより、図1の(c)に示すように基材14上にプライマー層12が、或いは絵柄層13及びプライマー層12がその順に積層された加飾シート10が得られる。このとき、プライマー層12の表面は、前工程の剥離フィルム面を賦形し平滑面となっている。
(4)プライマー層上に電離放射線硬化性樹脂組成物を積層する工程
次いで、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる塗工液又は電離放射線硬化性樹脂組成物を含有する塗工液をプライマー層12の平滑面上に塗工することにより積層する。塗工液の粘度は、後述の塗工方式により、プライマー層12の表面に未硬化樹脂層を形成し得る粘度であれば良く、特に制限はない。
本発明の製造方法においては、調製された塗工液を、プライマー層12の表面に、硬化後の厚さが1〜30μmになるように、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の公知の方式、好ましくはグラビアコートにより塗工し、未硬化樹脂層を形成させる。
ここで、電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線等を照射することにより、架橋、硬化する樹脂を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマーないしはプレポリマーの中から適宜選択して用いることができる。
(5)電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層を形成する工程
次に、電離放射線硬化性樹脂組成物からなる未硬化樹脂層に電子線、紫外線等の電離放射線を照射することにより、電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層15を形成する。これにより、図1の(d)に示すように表面保護層15が形成された加飾シート10を得ることができる。
ここで、電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
なお、電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、電子線により劣化する基材14を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材14への余分な電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材の劣化を最小限にとどめることができる。
また、照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜100kGy(1〜10Mrad)の範囲で選定される。
さらに、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。
本発明の加飾シートの製造方法においては、上述のように、加飾シート10の表面を平滑化することが好ましいが、両面が平滑化された加飾シート10をロール状に巻き取った場合、加飾シート10の間に微細な粉塵等が挟まれてしまい、また、加飾シート10の表面と裏面とが互いに密着してしまい、表面保護層15の表面に擦り傷やシワがつく場合がある。この問題は、上記熱プレス処理やロールプレス処理を行う際に、基材14の裏面側(絵柄層13やプライマー層14が形成されていない側)に梨地板や梨地ロールを用いたり、あるいは、基材14の裏面側にバインダー樹脂及び微小粒子を含有する樹脂層を設けたりして粗面化することで抑止することができる。
加飾シート裏面の粗面化処理工程は、加飾シート10の裏面の算術平均粗さRaが、1.0〜10.0μm程度となるように粗面化し得る工程であれば特に限定されないが、例えば、加飾シート10の裏面側、具体的には基材14の絵柄層13やプライマー層12と接しない面を、梨地板を用いた熱プレスや梨地ロールを用いたエンボス加工やサンドブラスト処理により粗面化する方法が挙げられる。熱プレス加工、エンボス加工としては、公知の方法を用いることができ、加飾シート10を、構成する基材の軟化温度以上、融点或いは溶融温度未満の温度に加熱して軟化させ、該加飾シート10の裏面側を加圧、賦形した後、冷却、固化することにより、図1に示すように加飾シート10の裏面は粗面化される。
また、本発明における粗面化処理としては、加飾シート10の裏面を、微小粒子含有樹脂層(図示せず)を設けることにより、粗面化する方法も挙げられる。
熱プレスやエンボス加工により加飾シート10の裏面の粗面化を行う場合には、具体的には、基材14の表面側に鏡面板を用い、裏面側に梨地板を用いて熱プレス加工を行ったり、基材14の表面側に鏡面ロールを用い、裏面側に梨地ロールを用いてエンボス加工を行うことにより、加飾シート10の裏面の粗面化を行うことができる(図1参照)。より具体的には、プライマー層12及び絵柄層13を基材14上に転写する際に、剥離フィルム11側に鏡面板を用い、基材14側に梨地板を用いて熱プレス加工を行ったり、剥離フィルム11側に鏡面ロールを用い、基材14側に梨地ロールを用いてエンボス加工を行うことにより、プライマー層12及び絵柄層13を基材14上に転写すると同時に、加飾シート10の裏面を粗面化することもできる。
被処理面のRaの調整は、熱プレス温度やエンボス温度を調整したり、梨地板や梨地ロールの表面粗さを調整することで行うことができる。熱プレス温度やエンボス温度は、基材により適宜選定すればよく、例えば、塩化ビニルは30〜70℃、ポリプロピレン樹脂は160〜180℃、アクリル系樹脂は150〜260℃とすると、梨地板や梨地ロールの凹凸形状を良好に賦形することができる。また、梨地板や梨地ロールの算術平均粗さRaは、1.0〜20.0μmであると好ましく、1.0〜15.0μmであるとより好ましく、1.0〜10.0μmであるとさらに好ましい。
サンドブラスト処理は、圧縮空気を利用して、シリカやチタニアなどの無機粒子を、被処理面(加飾シート10の裏面)に吹き付けることで行うことができ、上記工程(2)以降に行うと、加飾シート10の裏面の算術平均粗さRaを高く維持しやすいため好ましい。被処理面のRaの調整は、無機粒子の粒子径や吹き付け量を調整することで行うことができる。
加飾シート10の裏面に、微小粒子含有樹脂層を設ける方法としては、バインダー樹脂及び微小粒子を含む樹脂組成物を、上述の塗工法や転写法により積層する方法が挙げられる。
加飾シート10の裏面側に、微小粒子含有樹脂層を設ける場合には、上記(1)〜(5)のいずれかの工程の前後で行うことができるが、上記工程(2)以降に行うと、加飾シート10の裏面の算術平均粗さRaを高く維持しやすいため好ましい。被処理面のRaの調整は、微小粒子とバインダー樹脂との配合比や、微小粒子の粒径を調整することで行うことができる。
本発明の加飾シート10の裏面の粗面化処理は、裏面の算術平均粗さRaを1.0〜10.0μmとすることが好ましく、1.0〜9.0μmとすることがより好ましく、1.2〜8.0μmとすることがさらに好ましい。ここで、算術平均粗さRaとは、JIS B 0601:2001に規定された算術平均粗さRaをいう。
また、上記粗面化処理は、裏面の十点平均粗さRzを1.0〜100.0μmとすることが好ましく、5.0〜50μmとすることが好ましい。ここで、十点平均粗さRzとは、JIS B 0601:2001に規定された十点平均粗さRzをいう。
加飾シート10の裏面の算術平均粗さRaが1.0μm以上であると、粗面化の効果が十分に発現し、10.0μm以下であると、加飾シート10の裏面側の粗さが表面に影響を与えないため、例えば加飾シート10を用いてインサート成形を行った場合に、得られる成形品の表面の平滑性や表面艶が良好となり、射出樹脂との密着性が良好となる。
本発明の製造方法において用いられる剥離フィルム11は、プライマー層12と接触しても後で剥離することができるフィルムであれば良く、特に制限されるものではない。ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるフィルムや紙類、又はそれらにシリコーン等の離型剤がコーティングされ(剥離処理され)たフィルムや紙類等が挙げられる。剥離フィルム11は、剥離処理されている方が剥がし易く好ましい。
[加飾シート]
以下、本発明の加飾シートの構成について具体的に説明する。
本発明の加飾シートは、基材上に少なくともプライマー層及び表面保護層を有する加飾シートであって、該表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、かつ、該プライマー層が、少なくともポリオール及びイソシアネートを含有するプライマー組成物を用いて形成されてなることを特徴とする。
(プライマー層)
本発明の加飾シート10は、表面保護層15の延伸部に微細な割れや白化を生じにくくして三次元成形性を付与するため、また、加飾シート10の耐薬品性を付与するため、基材14と表面保護層15との間にプライマー層12を有する。プライマー層12を構成するプライマー組成物としては、少なくともアクリルポリオール及びイソシアネートを含有するものが用いられる。
(アクリルポリオール)
アクリルポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものが用いられる。ポリオールとして、アクリルポリオールのもの(例えば、ポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオール)を使用した場合、プライマー層12の転写性が悪化し、剥離フィルム11上に形成したプライマー層12及び絵柄層13を基材14上に転写することが困難となる。
アクリルポリオールとしては、ガラス転移点が50℃以上のものが好ましく、60〜150℃のものがより好ましい。
アクリルポリオールは、アクリルモノマーと、水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとを共重合させて合成することができる。
水酸基含有(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールモノアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は、直鎖状、分岐状及び環状のいずれであってもよく、炭素数1〜10のものが好ましく、炭素数1〜6のものがより好ましい。
アクリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を併用することができる。
(イソシアネート)
前記イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートであればよく、キシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが用いられ、プライマー層12の黄変を抑止する観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート等の非黄変性のものを用いることが好ましい。
上記アクリルポリオールとイソシアネートは、アクリルポリオールの水酸基に対する、イソシアネートのイソシアネート基の当量比が0.5〜2.0となる配合比で使用することが好ましく、0.8〜1.2となる配合比で使用することがより好ましい。
上記プライマー層12の形成に用いられるプライマー組成物は、さらに、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル・ウレタン共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレンなどを含有していてもよいが、ウレタン樹脂を含有するとアクリルポリオールとの相溶性、可撓性、耐熱性、及び剥離フィルムからの転写性に優れるため好ましい。
ウレタン樹脂としては、非架橋型のもの、すなわち、3次元架橋して網目状の立体的分子構造を持ったものではなく、線状の分子構造を持った熱可塑性樹脂となったものを選択することが好ましい。このような非架橋型のウレタン樹脂としては、ポリオール成分として、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオールを主剤とし、上記イソシアネートと反応させてなる非架橋型ウレタン樹脂を使用でき、成形性、耐熱性、耐候性、表面保護層15との密着性等の観点から、ポリエステルポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネート等の非黄変性イソシアネートとの組合せより合成されるものが特に好ましい。通常ポリオール1分子中の水酸基数及びイソシアネート1分子中のイソシアネート基はそれぞれ平均2である。
ウレタン樹脂としては、ガラス転移点が100℃以下のものが好ましく、40〜100℃のものがより好ましい。ウレタン樹脂のガラス転移点が100℃以下であると、プライマー層の常温における柔軟性が優れ、40℃以上であると、加飾シート10を三次元成形に供する際に、加熱により凝集力が著しく低下したり、プライマー層12が溶解することがない。
プライマー組成物におけるポリオールとウレタン樹脂との比率は、質量比で99:1〜50:50であると好ましく、90:10〜60:40であるとより好ましい。
(メタ)アクリル−ウレタン共重合体樹脂としては、例えばアクリル/ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂が好ましい。硬化剤としては、上記の各種イソシアネートが用いられる。アクリル/ウレタン(ポリエステルウレタン)ブロック共重合系樹脂は所望により、アクリル/ウレタン比(質量比)を好ましくは(9/1)〜(1/9)、より好ましくは(8/2)〜(2/8)の範囲で調整し、種々の加飾シートに用いることができるので、プライマー組成物に用いられる樹脂として特に好ましい。
また、プライマー層12の厚さは0.5〜5.0μm程度であることが好ましい。0.5μm以上であると、プライマー層12が完全な膜として形成されていない部分が生じないため、表面保護層15の割れ、破断、白化等を防ぐ効果を十分に発揮させることも可能となる。一方、プライマー層12の厚さが5.0μm以下であれば、プライマー層12を塗工した際、溶剤が層内に残留しないため、塗膜の乾燥、硬化が安定であるので成形性が変動することが無く、また、ブロッキングを抑止できるため好ましい。以上の点からプライマー層12の厚さは0.5〜3.0μmであることがより好ましい。
[表面保護層]
本発明の加飾シート10において、電離放射線硬化性樹脂組成物に用いられる電離放射線硬化性樹脂は、上述のように、電磁波又は荷電粒子線の中で分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する樹脂を指す。具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている重合性オリゴマーや重合性モノマーの中から適宜選択して用いることができる。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えば、アクリル(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系、ポリカーボネート(メタ)アクリレート系、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート系のオリゴマーなどが好ましく挙げられる。これらのオリゴマーのうち、多官能性の重合性オリゴマーが好ましく、官能基数としては、2〜16が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。
さらに、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテルなどの分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマーなどがある。これらの重合性オリゴマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ(メタ)アクリレート単量体が好適であり、なかでも分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有するような多官能性(メタ)アクリレートが好ましく、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いて用いればよい。官能基数としては、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましく、3〜4がさらに好ましい。
本発明においては、前記多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を調整するなどの目的で、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することができる。単官能性(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における電離放射線硬化性樹脂組成物としては、上記各種電離放射線硬化性樹脂のうち、少なくとも、ポリカーボネート(メタ)アクリレート又はアクリルシリコーン(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリレートとを含有するものを用いると、優れた耐薬品性及び耐傷付き性と良好な三次元成形性とを同時に満足するので、表面保護層にクラック等が入ることがなく、三次元成形し易く、かつ耐薬品性の高い加飾シートを得ることができる点で好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物として、ポリカーボネート(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを含有するものを用いる場合、ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの質量比は好ましくは98:2〜70:30であり、さらに好ましくは95:5〜80:20である。ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの質量比が98:2より大きくなると(即ち、ポリカーボネート(メタ)アクリレートの量が98質量%を超えると)、耐傷付き性が低下する。一方、ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの質量比が70:30より小さくなると(即ち、ポリカーボネート(メタ)アクリレートの量が70質量%未満となると)、三次元成形性が低下してしまう。
好ましくは、ポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートの質量比が95:5〜80:20である。
本発明に用いられるポリカーボネート(メタ)アクリレートは、特に限定されず、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有し、且つ末端あるいは側鎖に(メタ)アクリレートを有するものであれば良い。このポリカーボネート(メタ)アクリレートは、架橋、硬化する観点から、2官能以上有することが好ましく、2〜5官能有することがより好ましい。2官能以上であると、架橋密度が十分となるため、硬化後の表面保護層15に傷がつきにくくなり、また、5官能以下であると、架橋密度が高すぎないため、加飾シートを三次元成形に供した場合であっても、形状に十分に追従することができる。
ポリカーボネート(メタ)アクリレートは、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が、500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましく、2,000以上であることがさらに好ましく、5,000以上であることが特に好ましい。ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御する観点から100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましく、20,000以下がさらに好ましく、10,000以下が特に好ましい。耐傷付き性と三次元成形性とを両立させる観点から、1,000〜20,000が好ましく、2,000〜10,000がより好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物として、アクリルシリコーン(メタ)アクリレート及び多官能(メタ)アクリレートを含有するものを用いる場合、アクリルシリコーン(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの質量比は好ましくは50:50〜95:5であり、さらに好ましくは80:20〜95:5である。
本発明に用いられるアクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、特に限定されず、1分子中に、アクリル樹脂の構造の一部がシロキサン結合(Si−O)に置換しており、かつ官能基としてアクリル樹脂の側鎖及び/又は主鎖末端に(メタ)アクリロイルオキシ基(アクリロイルオキシ基又はメタアクリロイルオキシ基)を2個以上有しているものであれば良い。
アクリルシリコーン(メタ)アクリレートは、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が、1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましい。アクリルシリコーン(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御する観点から150,000以下が好ましく、100,000以下がより好ましい。三次元成形性と耐薬品性と耐傷付き性とを鼎立させる観点から、2,000〜100,000であることが特に好ましい。
本発明に用いられる多官能(メタ)アクリレートは、2官能以上の(メタ)アクリレートであれば良く、特に制限はない。ただし、硬化性の観点から3官能以上の(メタ)アクリレートが好ましい。ここで、2官能とは、分子内にエチレン性不飽和結合{(メタ)アクリロイル基}を2個有することをいう。
また、多官能(メタ)アクリレートは、オリゴマー及びモノマーのいずれでも良いが、三次元成形性向上の観点から多官能(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートは、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された重量平均分子量が、500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましく、2,000以上であることがさらに好ましく、5,000以上が特に好ましい。多官能(メタ)アクリレートの重量平均分子量の上限は特に制限されないが、粘度が高くなり過ぎないように制御する観点から100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましく、20,000以下が特に好ましい。耐傷付き性と三次元成形性とを両立させる観点から、さらに好ましくは、2,000〜50,000であり、特に好ましくは、5,000〜20,000である。
上記の多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えばウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。ここで、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることができる。ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
さらに、他の多官能(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。
また、電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を紫外線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインエーテル類;アセトフェノン、2,2'−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノンなどのアセトフェノン類;ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p'−ビスジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モンフォリノプロパノン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリオフェニル)−ブタノン−1などのα−アミノアルキルフェノン類;ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソンなどのイオウ化合物などが好ましく挙げられる。
光増感剤として、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることもできる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂として電子線硬化性樹脂を用いることが好ましい。電子線硬化性樹脂は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、かつ、光重合用開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られるからである。
上記電離放射線硬化性樹脂組成物中には、本発明の効果を奏する範囲で他の樹脂を含有させることができる。例えば、本発明の製造方法により得られる加飾シート10に柔軟性を付与したい場合には、熱可塑性樹脂を添加することができる。一方、溶剤への耐性が必要な場合には、熱可塑性樹脂を含有しないことが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール(ブチラール樹脂)、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン,α−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン等のアセタール樹脂、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ素樹脂、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリビニルアセタール樹脂、液晶性ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらは1種単独でも又は2種以上を組み合わせて用いても良い。2種以上組み合わせる場合は、これらの樹脂を構成するモノマーの共重合体でも良いし、それぞれの樹脂を混合して用いても良い。
上記熱可塑性樹脂のうち、本発明では(メタ)アクリル系樹脂を主成分とするものが好ましく、なかでもモノマー成分として少なくとも(メタ)アクリル酸エステルを含有する単量体を重合してなるものが好ましい。
より具体的には、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、重量平均分子量が9万〜12万の範囲が用いられる。重量平均分子量がこの範囲であると、架橋硬化して表面保護層を形成した後の成形性及び表面の耐摩耗性、耐擦傷性のいずれも高いレベルで得ることができる。
なお、ここで重量平均分子量とは、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算のものである。ここで用いる溶媒としては通常用いられるものを適宜選択して行うことができ、例えば、テトラヒドロフラン(THF)又はN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)等が挙げられる。
また、前記熱可塑性樹脂の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が1.1〜3.0の範囲であることが好ましい。分子量分布がこの範囲内であると、やはり架橋硬化して表面保護層15を形成した後の成形性及び表面の耐摩耗性、耐擦傷性のいずれも高いレベルで得ることができる。以上の点から、該(メタ)アクリル系樹脂の分子量分布は、さらに1.5〜2.5の範囲であることが好ましい。
このようにして形成された表面保護層15には、各種の添加剤を添加して各種の機能、例えば、高硬度で耐擦傷性を有する、いわゆるハードコート機能や、防曇機能、防汚機能、防眩機能、反射防止機能、紫外線遮蔽機能、赤外線遮蔽機能等を付与することもできる。
添加剤としては、例えば耐候性改善剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤、耐摩耗性向上剤等が挙げられる。
本発明においては、表面保護層15の硬化後の厚さが1〜20μmであることが好ましい。表面保護層15の硬化後の厚さが1μm以上であると透明感、光沢感等、優れた意匠性が得られ、更に耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等の保護層としての十分な物性が得られる。一方、20μm以下であると、塗膜の厚みの制御が容易となり、また、成形の際に保護層の割れ、白化等がなく、所望の形状に追従することができるため3次元成形後も良好な意匠性を有することができ、さらに、層内に溶剤が残留して硬化不良を来たすことがない。この観点から、表面保護層15の硬化後の厚さは2〜20μmの範囲が好ましく、3〜10μmの範囲がさらに好ましい。
[基材]
基材14としては、真空成形適性を考慮して選定され、代表的には熱可塑性樹脂からなる樹脂シートが使用される。該熱可塑性樹脂としては、一般的には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下「ABS樹脂」という)、アクリル樹脂、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂などが使用される。また、基材14は、これら樹脂の単層シート、あるいは同種又は異種樹脂による複層シートとして使用することができる。
基材の厚さは、用途に応じて選定されるが、通常、0.05〜1.0mm程度であり、コスト等を考慮すると0.1〜0.7mm程度が一般的である。
これらの基材14はその上に設けられる層との密着性を向上させるために、所望により、片面又は両面に酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。
上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理法などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理は、基材14の種類に応じて適宜選択されるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましく用いられる。
また該基材14は、色彩を整えるための塗装や、デザイン的な観点での模様があらかじめ形成されていても良い。
[絵柄層]
本発明の加飾シート10は、図1に示すように、加飾樹脂成形品に装飾性を与える絵柄層13を設けてもよく、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成することができる。模様としては、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)などの岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様などがあり、これらを複合した寄木、パッチワークなどの模様もある。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷などによっても形成される。
絵柄層13に用いる絵柄インキとしては、バインダーに顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダーとしては特に制限はなく、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル系共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂などの中から任意のものが、1種単独で又は2種以上を混合して用いられる。
着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが用いられる。
本発明の加飾シート10は、所望により、基材14と絵柄層13との間に隠蔽層(図示しない。)を設けても良い。これは、基材14表面の色の変化、ばらつきにより、加飾シート10の柄の色に影響を及ぼさないようにする目的で設けられ、通常不透明色で形成することが多く、その厚さは1〜20μm程度の、いわゆるベタ印刷層が好適に用いられる。
本発明の加飾シート10は射出樹脂との密着性を向上させるため、所望により、加飾シート10の裏面(表面保護層15とは反対側の面)に接着剤層(図示しない。)を設けることができる。接着剤層には、射出樹脂に応じて、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。また、熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
[加飾シートの用途]
本発明の加飾シートは、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法などの各種射出成形法に用いることができ、インサート成形法及び射出成形同時加飾法に好適に用いられる。
インサート成形法では、真空成形工程において、本発明の加飾シートを真空成形型により予め成形品表面形状に真空成形(オフライン予備成形)し、次いで必要に応じて余分な部分をトリミングして成形シートを得る。この成形シートを射出成形型に挿入し、射出成形型を型締めし、流動状態の樹脂を型内に射出し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シートを一体化させ、加飾樹脂成形品を製造する。
射出樹脂は用途に応じた樹脂が使用され、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂が代表的である。また、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂なども用途に応じ用いることができる。
次に、射出成形同時加飾法においては、本発明の加飾シートを射出成形の吸引孔が設けられた真空成形型との兼用雌型に配置し、この雌型で予備成形(インライン予備成形)を行った後、射出成形型を型締めして、流動状態の樹脂を型内に射出充填し、固化させて、射出成形と同時に樹脂成形物の外表面に加飾シートを一体化させ、加飾樹脂成形品を製造する。
なお、射出成形同時加飾法では、射出樹脂による熱圧を加飾シートが受けるため、平板に近く、加飾シートの絞りが小さい場合には、加飾シートは予熱してもしなくても良い。
なお、ここで用いる射出樹脂としてはインサート成形法で説明したものと同様のものを用いることができる。
以上のようにして製造された加飾樹脂成形体は、その表面保護層に成形過程でクラックが入ることがなく三次元成形性が良好であり、その表面は高い耐傷付き性を有する。また、耐溶剤性及び耐薬品性が高い。さらに本発明の製造方法では、加飾シートの製造段階で表面保護層が完全硬化されるので、加飾樹脂成形体を製造した後に表面保護層を架橋硬化する工程が不要である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
[評価方法]
(1)転写性
熱圧プレス後に剥離フィルムを剥離した後、絵柄層及びプライマー層の転写状態を目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎;均一に絵柄が転写されており、柄の白抜けがない。
○;剥離がやや重いが、実用上問題がない。
×;剥離フィルム側に絵柄層やプライマー層が残る、又は剥離しない。
(2)三次元成形性(真空成形)
各実施例及び比較例で得た加飾シートについて以下に示す方法で真空成形を行い、成形後の外観を目視にて評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:表面保護層に塗膜割れや白化が全く見られず、良好に型の形状に追従した。
×:型の形状に追従できずに表面保護層に塗膜割れや白化が見られた。
<真空成形>
加飾シートを赤外線ヒーターで170℃に加熱し、軟化させる。次いで、真空成形用型を用いて真空成形を行い(最大延伸倍率100%)、型の内部形状に成形する。シートを冷却後、型より加飾シートを離型する。
(3)耐薬品性
各実施例及び比較例で得た加飾シートの表面に、5枚重ねにしたガーゼを置き、エタノールを0.5ml滴下し、時計皿で被覆した。室温(25℃)下で30分間放置した後、時計皿及びガーゼを除去し、加飾シート表面の状態を目視で確認し、以下の基準で評価した。
○:表面に痕跡が確認できなかった。
×:表面に白化、膨潤、剥離等の異常が確認された。
(4)分子量の測定
東ソー(株)製高速GPC装置を用いた。用いたカラムは東ソー(株)製、商品名「TSKgel αM」であり、溶媒はN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を用い、カラム温度40℃、流速0.5cc/minで測定を行なった。尚、本発明における重量平均分子量はポリスチレン換算を行った。
実施例1〜4及び比較例1〜4
剥離フィルムとして表層にシリコーン系の離型層を有する2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:25μm、算術平均粗さ(Ra):0.01μm)を用い、この剥離フィルム上に第1表に示す組成のプライマー組成物を塗工して、厚さ2μmの透明なプライマー層を形成した。
次いで、このプライマー層上にアクリルウレタン共重合樹脂インキを用い、グラビア印刷により木目柄の絵柄層を形成した。その後、剥離フィルム上にプライマー層と意匠層とが形成されたシートの絵柄層側を基材(ABS樹脂からなるシート、厚さ;400μm)に接触させた後、プライマー層側(表面側)に算術平均粗さRa0.05μmのステンレス製鏡面板を、基材側(裏面側)に算術平均粗さRa8.0μmの梨地柄の入ったステンレス製金属板を用いた熱プレス機を用いて、150℃、5kgf/cm2の加圧下、10分間熱プレス加工を行った。熱プレス加工後、剥離フィルムを剥離し、プライマー層、絵柄層を基材に転写した。
次に、剥離フィルムを剥離した後のプライマー層の表面に、第1表に示す組成の電子線硬化性樹脂組成物を樹脂組成物の硬化後の厚さが6μmとなるようにグラビアリバースにより塗工した。
この未硬化樹脂層に加速電圧165kV、照射線量50kGy(5Mrad)の電子線を照射して、電子線硬化性樹脂組成物を硬化させて加飾シートを得た。
該加飾シートについて上記方法にて評価した。評価結果を第1表に示す。
また、得られた加飾シートの算術平均粗さRaは、表面側が0.1μmであり、裏面側が3.0μmであった。
さらに、得られた加飾シートを、シートの温度が170℃になるまで赤外線ヒーターで加熱し、軟化させた後、真空成形した。型より加飾シートを離型し、不要部分を、ダイカット型を油圧により押し当ててトリミングした。このトリミングした加飾シートを用いて、射出成形型に挿入した後、型締めして、型内にABS樹脂を射出して、成形品表面に加飾シートが積層一体化し、インサート成形による加飾樹脂成形品を得た。
Figure 0005663928
[注]
電子線硬化性樹脂A:2官能のポリカーボネートアクリレート(重量平均分子量:10,000)
電子線硬化性樹脂B:6官能のウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量:6,000)
アクリルポリオール:(ガラス転移点:99℃)
ポリエステルポリオール:(ガラス転移点:−40℃)
ポリカーボネートポリオール:(ガラス転移点:−45℃)
ウレタン樹脂A:ポリエステル系(ガラス転移点:60℃)
ウレタン樹脂B:ポリエーテル系(ガラス転移点:140℃)
アクリルウレタン共重合体:(数平均分子量:20,000、ガラス転移点:50℃)
アクリル樹脂:(数平均分子量:8,000、ガラス転移点:100℃)
イソシアネート:ヘキサメチレンジイソシアネート
本発明の加飾シートは、通常のインサート成形法や射出成形同時加飾法において、160℃程度の加熱温度から金型に接触時の温度まで急激な温度低下と急激な伸張速度、高伸張度の条件であってもクラックや割れが発生することがなく、三次元成形性が良好であった。また、加飾シートの表面は高い耐薬品性を有することが確認された。さらに、剥離フィルム上に形成したプライマー層及び絵柄層の転写性も良好であった。
本発明の加飾シートは各種加飾樹脂成形品に用いられ、例えば、自動車などの車両の内装材又は外装材、幅木、回縁等の造作部材、窓枠、扉枠等の建具、壁、床、天井等の建築物の内装材、テレビ受像機、空調機等の家電製品の筐体、容器などの用途の加飾樹脂成形品に好適に用いられる。
10.加飾シート
11.剥離フィルム
12.プライマー層
13.絵柄層
14.基材
15.表面保護層

Claims (13)

  1. 剥離フィルム上にプライマー層を形成する工程と、少なくとも該プライマー層を基材上に転写する工程と、該剥離フィルムを剥がす工程と、該基材上に形成された該プライマー層上に電離放射線硬化性樹脂組成物を積層する工程と、該電離放射線硬化性樹脂組成物を架橋硬化して表面保護層を形成する工程とを含む加飾シートの製造方法であって、さらに該プライマー層が、少なくともアクリルポリオールイソシアネート及び非架橋型ウレタン樹脂を含有するプライマー組成物を用いて形成されてなることを特徴とする加飾シートの製造方法。
  2. 前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、少なくともポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを含有する請求項1に記載の加飾シートの製造方法。
  3. 前記ポリカーボネート(メタ)アクリレートと前記多官能(メタ)アクリレートとの質量比が98:2〜70:30である請求項2に記載の加飾シートの製造方法。
  4. 前記多官能(メタ)アクリレートが、3官能以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の加飾シートの製造方法。
  5. 前記ポリカーボネート(メタ)アクリレートの重量平均分子量が、2,000〜10,000である請求項2〜4のいずれか1項に記載の加飾シートの製造方法。
  6. 前記プライマー組成物におけるアクリルポリオールと非架橋型ウレタン樹脂との質量比が、99:1〜50:50である請求項1〜5のいずれか1項に記載の加飾シートの製造方法。
  7. 前記非架橋型ウレタン樹脂のガラス転移点が100℃以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の加飾シートの製造方法。
  8. 前記アクリルポリオールの水酸基に対する、前記イソシアネートのイソシアネート基の当量比が、0.5〜2.0である請求項1〜のいずれか1項に記載の加飾シートの製造方法。
  9. さらに、前記プライマー層上に絵柄層を形成する工程を含む請求項1〜のいずれか1項に記載の加飾シートの製造方法。
  10. 基材上に少なくともプライマー層及び表面保護層を有する加飾シートであって、該表面保護層が、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、かつ、該プライマー層が、少なくともアクリルポリオールイソシアネート及び非架橋型ウレタン樹脂を含有するプライマー組成物を用いて形成されてなることを特徴とする加飾シート。
  11. 前記電離放射線硬化性樹脂組成物が、少なくともポリカーボネート(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを含有する請求項10に記載の加飾シート。
  12. 前記基材上に、さらに絵柄層を有する請求項10又は11に記載の加飾シート。
  13. 請求項1012のいずれか1項に記載の加飾シートを用いてなる加飾樹脂成形品。
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