JP5439345B2 - 非水系二次電池及びその難燃剤 - Google Patents
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Description
リチウムイオン二次電池には、非水電解液が使用され、非水電解液は、リチウム塩のような電解質塩と、非水系溶媒とから構成されている。非水系溶媒には、動作環境によらず、高い誘電率を有すること、酸化電位が高いこと、電池中で安定であること等が要求されている。
しかし、非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池は、電池の破損や他の何らかの原因により、内部の圧力が上昇するような異常により非水電解液が漏洩することがある。漏洩した非水電解液は、リチウムイオン二次電池を構成する正極と負極との短絡によって、引火や燃焼することがある。また、リチウムイオン二次電池の発熱により、有機溶媒をベースとする非水系溶媒が気化及び/又は分解してガスを発生させることがある。発生したガスは、発火したり、リチウムイオン二次電池を破裂させたりするという問題があった。これらの問題を解決するために、非水電解液に難燃剤を添加し、難燃性を付与する研究が進められている。
具体的には、難燃剤として、特開2001−338682ではホスファゼン誘導体が提案され、特表2001−525597号公報ではアゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)が提案され、特開平11−329495号公報ではイミダゾール系化合物が提案されている。
更に、AIBNは、非プロトン性溶媒を主とする非水系溶媒に対して溶解度が低く、含有量を増やすことができないため、難燃性を十分向上できないことがある。更に、AIBNは、リチウムイオン二次電池の充放電により電気分解することがあり、電池性能の悪化が懸念される。
また、イミダゾール系化合物においても、添加量を多くしないと十分な難燃性が得られず、添加量を多くすると、サイクル特性、動作環境安定性の悪化が懸念される。
従って、電池性能を悪化させることなく、さらなる難燃性の向上が望まれている。
R2及びR3は、同一又は異なって、ハロゲン原子、又は低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキル基及びアリール基から選択されかつ置換基を有してもよい基であり、又は、R2及びR3は、互いに一緒になっていて、=CH2又は=Oであり、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキル基及びアリール基から選択されかつ置換基を有してもよい基であり、又は、R4及びR5は、互いに一緒になっていて、=CH2又は=Oである)
で表されるエステル結合に窒素原子が結合した官能基を分子内に有し、140〜250℃の分解温度を有する環状化合物を難燃剤として少なくとも含有することを特徴とする非水系二次電池が提供される。
一般式(I)で表される化合物が、分解温度以上の加熱で、CO2又はCOを主成分とする不活性ガスを生じる化合物である場合、より安全性、信頼性が向上した非水系二次電池を提供できる。
一般式(I)で表される化合物が、120〜250℃の分解温度を有する化合物である場合、より安全性、信頼性が向上した非水系二次電池を提供できる。
一般式(I)で表される化合物が、水素原子及び低級アルキル基から選択されるR1、低級アルキル基から選択されるR2及びR3、水素原子及び互いに一緒になって=Oから選択されるR4及びR5、からなる組み合わせの化合物である場合、より安全性、信頼性が向上した非水系二次電池を提供できる。
更に、上記作用により非水系二次電池の安全性、信頼性を向上しうる非水系二次電池用難燃剤を提供できる。
本発明で難燃剤として使用される「エステル結合に窒素原子が結合した官能基を分子内に有する環状化合物」が難燃性を示す機構は、非水系二次電池の熱暴走(火元が発生する)時に熱により分解し、CO2又はCOを主成分とする不活性ガスを発生し、その結果、周囲の酸素濃度を低下させることにより火元を消す(窒息消火)機構であると発明者は考えている。そのような機構を実現するための本発明の化合物は、環状構造の分子内に「エステル結合に窒素原子が結合した官能基」を有することが必須である。
以下の説明において、一般式(I)で表される化合物、すなわち「エステル結合に窒素原子が結合した官能基を分子内に有する環状化合物」を「本発明の化合物」ともいう。
本発明の化合物は、一般式(I)で表される。
本発明において「低級」とは、例えば、炭素数1〜6を意味する。但し、シクロアルキル基の場合には、例えば、炭素数3〜6を意味する。
低級アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、tert−ブチル基が特に好ましい。
低級アルコキシ基としては、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
低級アルキルカルボニル基は、低級脂肪酸から誘導されるアシル基、すなわち低級脂肪酸アシル基が挙げられる。具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレイル基、イソバレイル基、ピバロイル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4のアルキルカルボニル基が好ましく、アセチル基が特に好ましい。
アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。これらの中でも、フェニル基、2−ナフチル基が特に好ましい。
置換基を有してもよい基としては、例えば、p−トリル基等が挙げられる。
R2及びR3は、同一又は異なって、ハロゲン原子、又は低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキル基及びアリール基から選択されかつ置換基を有してもよい基である。
R2及びR3における低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキル基、アリール基及びR3が有してもよい置換基としては、上記のようなR1で例示のものが挙げられる。
R2及びR3は、互いに一緒になっていて、=CH2又は=Oであってもよい。
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキル基及びアリール基から選択されかつ置換基を有してもよい基である。R4及びR5に使用可能な上記ハロゲン原子及び基は、R2及びR3に例示した上記ハロゲン原子及び基をいずれも使用できる。
具体的な化合物としては、5,5-ジメチル-1,3-オキサゾリジン-2-オン、4,4,5,5-トリメチル-1,3-オキサゾリジン-2-オン、3,5,5-トリメチルオキサゾリジン-2,4-ジオン、5,5-ジメチル-3-エチル-2,4-オキサゾリジノン、5,5-ジメチル-3-メチル-2,4-オキサゾリジノン、5,5-ジエチル-3-メチル-2,4-オキサゾリジノン、3,5,5-トリエチル-2,4-オキサゾリジノン、
等が挙げられる。
式(I)の化合物は、例えば、アミノアルコールを環状カーボネートと反応させた後、反応生成物を陽イオン交換樹脂と接触させて目的物を得ることが出来る。あるいは、触媒(酸または塩基吸着剤など)の存在下、アミノアルコールを環状カーボネートと反応させて目的物を得ることができる。
非水電解液は、電解質塩と、非水系溶媒と、任意に他の添加剤とを含んでいる。本発明の化合物は、非水系溶媒としても機能させることができる。従って、本発明の化合物のみで十分な特性の非水電解液を得ることができるのであれば、他の有機溶媒を使用しなくてもよい。しかしながら、非水系二次電池の充放電特性、耐低温性等を向上させる観点から、非水系溶媒は、他の有機溶媒との混合溶媒とすることが好ましい。
本発明の化合物の配合割合は、非水系電解液中、体積分率にして、通常1〜60%(v/v)の範囲であり、好ましくは10〜40%の範囲である。1%未満では、非水系二次電池の破裂や発火が十分に抑制できないことがある。一方、60%を超えると、低温環境において、非水系二次電池の性能が低下することがある。
正極は、例えば、正極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤を含有するペーストを正極集電体上に塗布、乾燥、加圧することにより作製できる。正極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤の配合量は、正極活物質を100重量部とすると、導電材を1〜20重量部、結着剤を1〜15重量部、有機溶剤を30〜60重量部とすることができる。
正極活物質としては、例えば、LiNiO2、LiCoO2、LiMn2O4のリチウム複合酸化物、及びこれら酸化物中の一部の元素を他元素(例えば、Fe、Si、Mo、Cu及びZn等)で置換した化合物を用いることができる。
導電材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素質材料が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。
正極集電体としては、例えば、SUS、アルミニウム等の導電性金属の箔や薄板が挙げられる。
また、負極は、例えば、負極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤を含有するペーストを負極集電体上に塗布、乾燥、加圧することにより作製できる。負極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤の配合量は、負極活物質を100重量部とすると、導電材を1〜15重量部、結着剤を1〜10重量部、有機溶剤を40〜70重量部とすることができる。
負極活物質としては、例えば、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼結体、炭素繊維、活性炭等が挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジンやポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。
負極集電体としては、例えば、銅のような金属の箔が挙げられる。
負極と正極との間には、通常セパレータが介在している。
正極と負極間にセパレータを介在させてもよい。セパレータは、通常多孔質フィルムよりなり、耐溶剤性や耐還元性を考慮して材質を選定できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質フィルムあるいは不織布が好適である。このような材質からなるものを単層又は複数層にして用いることができる。複数層の場合は、サイクル特性、低温性能、負荷特性等の観点から少なくとも1枚は不織布を用いることが好ましい。
負極と正極間に、任意にセパレータを挟み、非水電解液を注入することで非水系二次電池が得られる。また、この非水系二次電池を一単位として、一単位を複数積層してもよい。
また、非水系二次電池の形態としては、特に制限されず、ボタン型、コイン型、角型、スパイラル構造の円筒型、ラミネート型電池等の種々の形態が挙げられ、これらは、その用途に応じて、薄型、大型等の種々の大きさにすることができる。
(実施例1)
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチレンカーボネート=1/2)(非プロトン性有機溶媒)80mlに、下記式で表される5,5-ジメチル-1,3-オキサゾリジン-2-オン(5,5-Dimethyl-1,3-oxazolidin-2-one、シグマ-アルドリッチ社製、表1において「化A」と表記)20mlを添加した。得られた混合溶液に、リチウム塩として、LiPF6を1.0モル/kgの濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。
得られた正極板と負極板とを、セパレータとしてのポリプロピレンの多孔質フィルムを介して積層し、次いで、積層体に前記非水電解液を注液することで、非水系二次電池を作製した。
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒の使用量を99mlとし、5,5-ジメチル-1,3-オキサゾリジン-2-オン(シグマ-アルドリッチ社製)の使用量を1mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池を作製した。
(実施例3)
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒の使用量を40mlとし、5,5-ジメチル-1,3-オキサゾリジン-2-オン(シグマ-アルドリッチ社製)の使用量を60mlとしたこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池を作製した。
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒の使用量を95mlとし、本発明の化合物として下記式で表される3,5,5-トリメチルオキサゾリジン-2,4-ジオン(3,5,5-Trimethyloxazolidine-2,4-dione、シグマ-アルドリッチ社製、表1において「化B」と表記)を使用量5mlで用いたこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池を作製した。
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒の使用量を95mlとし、下記式で表される5,5-ジメチル-3-エチル-2,4-オキサゾリジノン(5,5-Dimethyl-3-ethyl-2,4-oxazolidinone、シグマ-アルドリッチ社製、表1において「化C」と表記)を使用量5mlで用いたこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池を作製した。
本発明の化合物を使用しないこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池を作製した。
(比較例2)
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒の使用量を98重量部とし、本発明の化合物の代わりにAIBN(アゾビスイソブチロニトリル、東京化成工業社製)を上記混合溶媒に2重量部添加して調整した混合溶液を100ml用いたこと以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池を作製した。
実施例1〜5ならびに比較例1及び2で得られた非水系二次電池について、20℃及び60℃における初回放電容量の測定、放電容量維持率の測定、安全性試験として釘刺し試験を以下の手順で行った。
(1)20℃における初回放電容量の測定
0.1CmAレートにて4.2Vになるまで非水系二次電池を充電した後、0.1CmAレートにて放電し、電圧が3.0Vになるまで放電したときの容量を初回放電容量(mAh/g)とする。なお、測定は、20℃一定の恒温器の中で実施する。
1CmAレートにて4.2Vになるまで非水系二次電池を充電した後、1CmAレートにて電圧が3.0Vになるまで放電することを1サイクルとし、このサイクルを99回行い、トータル充放電サイクル100回目として、初回放電容量と同一の充放電条件で充放電を1サイクル行ったときの容量を求める。
100回目測定終了後、1CmAレートにて4.2Vになるまで非水系二次電池を充電した後、1CmAレートにて電圧が3.0Vになるまで放電することを1サイクルとし、このサイクルを499回行い、トータル充放電サイクル500回目として、初回放電容量と同一の充放電条件で充放電を1サイクル行ったときの容量を求める。
100回目及び500回目の放電容量維持率(%)は、それぞれ初回放電容量に対する100回目及び500回目の放電容量の割合とする。なお、測定は、20℃一定の恒温器の中で実施する。
60℃における初回放電容量(mAh/g)及び放電容量維持率(%)は、恒温器の温度を60℃一定にすること以外は、20℃における初回放電容量及び放電容量維持率と同様にして測定した値とする。
(4)釘刺し試験
釘刺し試験は、0.1CmAレートにて4.2Vになるまで充電した非水系二次電池に、室温20℃において、直径3mmの釘を速度1mm/sで貫通させた時の状態を確認する試験である。
表1における略称は次のことを示す。
LiPF6:リチウム塩LiPF6
EC/DEC:エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒
化A:5,5-Dimethyl-1,3-oxazolidin-2-one
化B:3,5,5-Trimethyloxazolidine-2,4-dione
化C:5,5-Dimethyl-3-ethyl-2,4-oxazolidinone
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
非水系溶媒として一般的な有機溶媒を用い、難燃剤を含まない一般的な非水系二次電池(比較例1)は、釘刺し試験において、発煙及び発火が生じている。また、一般的な難燃剤であるAIBNを含有する非水系二次電池(比較例2)も、比較例1と同様に釘刺し試験において、発煙及び発火が生じている。
これに対して、非水系溶媒に本発明の化合物を含有する非水系二次電池(実施例1〜5)は、釘刺し試験でも発煙や発火のような異常が生じていない。更に、電池性能についても、実施例1〜5の非水系二次電池は、一般的な難燃剤であるAIBNを含有する比較例2の非水系二次電池と比較して、非常に良好な結果が得られた。
以上のように、表1の結果から、本発明の化合物を非水電解液の難燃剤として使用することで、難燃性を向上できるだけなく、従来と同等程度の電気特性を備えた非水系二次電池が得られることが分かる。
Claims (7)
- 正極と、負極と、非水電解液とを備え、前記非水電解液が、一般式(I)
R2及びR3は、同一又は異なって、ハロゲン原子、又は低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキル基及びアリール基から選択されかつ置換基を有してもよい基であり、又は、R2及びR3は、互いに一緒になっていて、=CH2又は=Oであり、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキル基及びアリール基から選択されかつ置換基を有してもよい基であり、又は、R4及びR5は、互いに一緒になっていて、=CH2又は=Oである)
で表されるエステル結合に窒素原子が結合した官能基を分子内に有し、140〜250℃の分解温度を有する環状化合物を難燃剤として少なくとも含有することを特徴とする非水系二次電池。 - 前記一般式(I)で表される化合物が、前記非水電解液中に、1〜60体積%含まれる請求項1に記載の非水系二次電池。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、分解温度以上の加熱で、CO2又はCOを主成分とする不活性ガスを生じる化合物である請求項1又は2に記載の非水系二次電池。
- 前記低級アルキル、低級アルケニル及び低級アルコキシが炭素数1〜6のアルキル、アルケニル及びアルコキシであり、前記低級シクロアルキルが炭素数3〜6のシクロアルキルである請求項1〜3のいずれか1つに記載の非水系二次電池。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、水素原子及び低級アルキル基から選択されるR1、低級アルキル基から選択されるR2及びR3、水素原子及び互いに一緒になって=Oから選択されるR4及びR5、からなる組み合わせの化合物である請求項1〜4のいずれか1つに記載の非水系二次電池。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、水素原子及び炭素数1〜6のアルキル基から選択されるR 1 、炭素数1〜6のアルキル基から選択されるR 2 及びR 3 、水素原子及び互いに一緒になって=Oから選択されるR 4 及びR 5 、からなる組み合わせの化合物である請求項5に記載の非水系二次電池。
- 一般式(I)
R2及びR3は、同一又は異なって、ハロゲン原子、又は低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキル基及びアリール基から選択されかつ置換基を有してもよい基であり、又は、R2及びR3は、互いに一緒になっていて、=CH2又は=Oであり、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、又は低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキル基及びアリール基から選択されかつ置換基を有してもよい基であり、又は、R4及びR5は、互いに一緒になっていて、=CH2又は=Oである)
で表されるエステル結合に窒素原子が結合した官能基を分子内に有し、140〜250℃の分解温度を有する環状化合物からなる非水系二次電池用難燃剤。
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