JP5228045B2 - 難燃剤含有非水系二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃剤含有非水系二次電池に関する。更に詳しくは、本発明は、従来と同様の電池性能を有し、かつ従来より安全性に優れた難燃剤含有非水系二次電池に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化はめざましく進展し、この進展に伴い、これら電子機器に使用される二次電池には、よりエネルギー密度を高めることが求められている。その要求に答えうる二次電池の一つとして、リチウムイオン二次電池のような非水電解液を使用した二次電池(以下、非水系二次電池)がある。
リチウムイオン二次電池には、非水電解液が使用され、非水電解液は、リチウム塩のような電解質塩と、非水系溶媒とから構成されている。非水系溶媒には、動作環境によらず、高い誘電率を有すること、酸化電位が高いこと、電池中で安定であること等が要求されている。
そのような非水系溶媒として、非プロトン性溶媒が使用され、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状炭酸エステル類、γ−ブチルラクトンのような環状カルボン酸エステル類等の高誘電率溶媒、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル類、ジメトキシエタンのようなエーテル類等の低粘度溶媒が知られている。また、通常、高誘電率溶媒と低粘度溶媒とは組み合わせて使用されている。
しかし、非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池は、電池の破損や他の何らかの原因により、内部の圧力が上昇するような異常により非水電解液が漏洩することがある。漏洩した非水電解液は、リチウムイオン二次電池を構成する正極と負極との短絡によって、引火や燃焼することがある。また、リチウムイオン二次電池の発熱により、有機溶媒をベースとする非水系溶媒が気化及び/又は分解してガスを発生させることがある。発生したガスは、発火したり、リチウムイオン二次電池を破裂させたりするという問題があった。これらの問題を解決するために、非水電解液に難燃剤を添加し、難燃性を付与する研究が進められている。
非水電解液に難燃剤を添加する技術は、例えば、特開平6−13108号公報(特許文献1)、特開2002−25615号公報(特許文献2)、特表2001−525597号公報(特許文献3)、特開平11−329495号公報(特許文献4)に提案されている。
具体的には、難燃剤として、特開平6−13108号公報及び特開2002−25615号公報ではホスファゼン誘導体が提案され、特表2001−525597号公報ではアゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)が提案され、特開平11−329495号公報ではイミダゾール系化合物が提案されている。
特開平6−13108号公報 特開2002−25615号公報 特表2001−525597号公報 特開平11−329495号公報
ホスファゼン誘導体は、優れた難燃性を発現するものの、併用する非水系溶媒の種類や、非水系溶媒との配合比により、高温時におけるリチウムイオン二次電池の動作が不安定になると予想される。一般的に、リチウムイオン二次電池が何らかの原因により発熱した場合、負極又は正極と電解液との界面において、熱分解反応が生じ、この反応が熱暴走することで、リチウムイオン二次電池が破裂したり、発火したりすることがある。この現象は、ホスファゼン誘導体を配合した場合でも起こり得る。また、ホスファゼン誘導体は、負極表面で皮膜となるため、サイクル特性、動作環境安定性等の特性を低下させることがある。
また、特開2002−25615号公報の実施例では、非水系溶媒に対して、ホスファゼン誘導体を40体積%の高含有量で使用している。ホスファゼン誘導体は、比較的粘度が高く、誘電率が小さいため、高い含有量の場合、非水電解液の電導度が低下し、低下に伴う電池性能の悪化が懸念される。
更に、AIBNは、非プロトン性溶媒を主とする非水系溶媒に対して溶解度が低く、含有量を増やすことができないため、難燃性を十分向上できないことがある。更に、AIBNは、リチウムイオン二次電池の充放電により電気分解することがあり、電池性能の悪化が懸念される。
また、イミダゾール系化合物においても、添加量を多くしないと十分な難燃性が得られず、添加量を多くすると、サイクル特性、動作環境安定性の悪化が懸念される。
従って、電池性能を悪化させることなく、更なる難燃性の向上が望まれている。
本発明の発明者は、非水系二次電池用難燃剤について、鋭意検討した結果、分子内に窒素−窒素不飽和結合を含有する環状化合物を非水電解液に含有させれば、電池に充分な難燃性を発現させることができることを意外にも見出し、本発明に至った。充分な難燃性を発現させることができる結果、非水系二次電池の異常加熱時における安全性・信頼性を確保することが可能になる。更に、この難燃剤は、幅広い温度範囲においても非水系二次電池の電気特性に影響を与えることがないため、安定したサイクル特性を示す非水系二次電池を与えることが可能となる。
かくして本発明によれば、正極と、負極と、非水電解液とを備え、前記非水電解液が、一般式(1)
(式中、Xは、炭素数1〜5の分岐していてもよい鎖状の飽和炭化水素由来の二価の基、=C=CH2、=C=O、=C=S=O、=O又は=Sであり、A1及びA2は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいメチレン基、=C=O又は=SO2である)で表される環状窒素含有化合物を少なくとも含有し、
前記置換基が、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、シクロアルキル基(ハロゲン原子や炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい)又はアリール基(ハロゲン原子や炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい)であることを特徴とする非水系二次電池が提供される。
更に、本発明によれば、上記環状窒素含有化合物からなる非水系二次電池用難燃剤が提供される。
本発明によれば、分子内に窒素−窒素不飽和結合を含有する環状化合物を非水電解液に含有させることで、非水系二次電池に充分な難燃性を発現させることができる。その結果、短絡、過充電、他の何らかの原因により非水系二次電池の内部温度が上昇するような異常時にも、熱暴走する危険性を低減できる。また、この環状化合物は、非水系二次電池のサイクル特性のような電気特性に与える影響が小さい。そのため、安全性、信頼性が向上した非水系二次電池を提供できる。
また、上記作用により非水系二次電池の安全性、信頼性を向上しうる非水系二次電池用難燃剤を提供できる。
本発明の非水系二次電池は、正極と、負極と、非水電解液とを備え、非水電解液が、以下の一般式(1)の構造の環状窒素含有化合物を少なくとも含有している。
本発明で難燃剤として使用される環状窒素含有化合物が難燃性を示す機構は、非水系二次電池の熱暴走(火元が発生する)時に熱により分解し、窒素(N2)ガスを発生し、その結果、周囲の酸素濃度を低下させることにより火元を消す(窒息消火)機構であると発明者は考えている。そのような機構を実現するために、環状窒素含有化合物は、窒素原子同士の二重結合(アゾ結合)を有することが必須である。
本発明で使用される環状窒素含有化合物は、一般式(1)
で表される。
式中、Xは、炭素数1〜5の分岐していてもよい鎖状の飽和炭化水素由来の二価の基、=C=CH2、=C=O、=C=S=O、=O又は=Sである。これら置換基からXを選択することで、難燃性と電池性能をより高度に両立できる。
鎖状の飽和炭化水素由来の二価の基としては、直鎖状及び分岐状の基がある。直鎖状の二価の基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラエチレン基、ペンタエチレン基等が挙げられる。分岐状の二価の基としては、メチルメチレン基、エチルメチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、メチルトリメチレン基、エチルトリメチレン基、メチルテトラメチレン基等が挙げられる。これら二価の基は、直鎖状の基であることが好ましい。直鎖状の基であることで、より良好な難燃性が得られ、また合成が容易であるという利点がある。
1及びA2は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいメチレン基、=C=O又は=SO2である。
メチレン基の置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基が挙げられる。A2がメチレン基の場合、環状窒素含有化合物は、具体的には、一般式(2)
で表される。
式中、X及びA1は、一般式(1)と同じである。
1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基である。
一般式(2)中のA2もメチレン基の場合、環状窒素含有化合物は、一般式(3)
で表される。
式中、X、R1及びR2は、一般式(2)と同じである。
3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基又は置換基を有してもよいアリール基である。
ハロゲン原子には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が含まれる。この内、塩素原子又はフッ素原子が好ましく、特に好ましくは、塩素原子である。
低級アルキル基には、炭素数1〜4のアルキル基が含まれ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
低級アルコキシ基には、単一の末端エーテル結合を介して結合された炭素数1〜4のアルキル基が含まれ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
エステル基には、単一の末端エステル結合を介して結合された炭素数1〜4のアルキル基が含まれる。
シクロアルキル基には、炭素数3〜6のシクロアルキル基が含まれ、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。シクロアルキル基の置換基としては、塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基等が挙げられる。
また、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アリール基の置換基としては、塩素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、炭素数1〜4の低級アルキル基等が挙げられる。
上記R1〜R4は、難燃性と電池性能を高度に両立させる観点から、水素原子、塩素原子及び炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シクロアルキル基から選択することが好ましい。更に、難燃性と電池性能をより高度に両立させる観点から、R1〜R4は、水素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルエステル基、エチルエステル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基から選択することがより好ましい。
また、R1〜R4が異なる種類の置換基である場合、その置換基の位置は特に限定されない。例えば、2種の置換基を2つずつ備えている場合において、R1とR2が同じ置換基、R3とR4が同じ置換基であってもよく、R1とR2が異なる置換基、R3とR4が異なる置換基であってもよい。更に、構造異性体の混合物を使用してもよい。
なお、Xが鎖状の飽和炭化水素由来の二価の基である場合、環状窒素含有化合物は、一般式(4)
で表される。上記式中、nは1〜5の整数であり、R1〜R4は、一般式(3)と同じである。
更に、環状窒素含有化合物は、例えば、R1〜R4の種類、環の大きさを制御することで、非プロトン性溶媒と溶解性を制御できる。そのため、環状窒素含有化合物は、通常時に非水系二次電池の電気特性に影響を及ぼさず、かつ、異常時に分解して窒素ガスを発生することで熱暴走を制御することが可能になる。なお、溶解性は、例えば、R1〜R4の炭素数を多くしたり、芳香族系の基を使用したり、環を大きくしたりすることで、より高めることができる。更に、Xとして、=C=CH2、=C=O、=C=S=O、=O又は=Sを選択することで、非水溶媒への溶解性を高めることもできる。
更に、環状窒素含有化合物は、A1、A2の原子団の種類を上記から選択することで、通常時に非水系二次電池の電気特性に影響を及ぼさず、かつ、異常時に分解して窒素ガスを発生することで熱暴走を制御することが可能になる。
環状窒素含有化合物は、分解温度以上の加熱で、窒素ガスを生じる化合物である。分解温度は、通常の非水系二次電池を使用する環境温度よりも100℃以上高い温度であることが好ましく、具体的には、100〜300℃が好ましく、140〜250℃がより好ましい。分解温度と通常の環境温度との差が100℃未満の場合、通常の使用時に環状窒素含有化合物が分解することがあり、その場合には非水系二次電池の電気特性が低下することになる。ここで、分解温度の制御は、環の大きさ、置換基効果の制御により、制御可能となる。
環状窒素含有化合物は、例えば、下記反応式のように、ジブロモ体をヒドラジンを用いて環化し、ジアジリジン誘導体を脱水素触媒(例えば、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、ニッケル酸塩等)を用いることで得ることができる。下記反応式中、式(1)は一般式(1)の、式(2)は一般式(2)の、式(3)は一般式3の化合物の反応式をそれぞれ意味している。
ジブロモ誘導体は、水素基を公知の方法でブロモ基に変換することで、容易に入手できる。
また、一般式(4)の化合物は、例えば、下記式のように、脱水素触媒(例えば、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、ニッケル酸塩等)の存在下で、ジアミン誘導体を環化することで得ることができる。
ジアミン誘導体は、ジオール誘導体中のヒドロキシル基を公知の方法でアミノ基に変換することで、容易に入手できる。
非水電解液は、電解質塩と、非水系溶媒と、任意に他の添加剤とを含んでいる。上記環状窒素含有化合物は、非水系溶媒としても機能させることができる。従って、上記環状窒素含有化合物のみで十分な特性の非水電解液を得ることができるのであれば、他の有機溶媒を使用しなくてもよい。しかしながら、非水系二次電池の充放電特性、耐低温性等を向上させる観点から、非水系溶媒は、他の有機溶媒との混合溶媒とすることが好ましい。
他の有機溶媒としては、通常、非プロトン性有機溶媒が使用できる。非プロトン性溶媒としては、特に制限されないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチルラクトン(α−ブチロラクトン)、γ−バレロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン、スルホラン、メチルスルホラン等が挙げられる。これら有機溶媒は1種類又は2種類以上組み合わせて使用できる。
窒素含有環状化合物の配合割合は、非水系電解液中、体積分率にして、通常1〜60%(v/v)の範囲であり、好ましくは10〜40%の範囲である。1%未満では、非水系二次電池の破裂や発火が十分に抑制できないことがある。一方、60%を超えると、低温環境において、非水系二次電池の性能が低下することがある。
電解質塩としては、通常リチウム塩が使用される。リチウム塩としては、非水系溶媒に溶解するものであれば特に限定されない。例えば、LiClO4、LiCl、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiN(SO2CF32、LiC(SO2CF32、低級脂肪族カルボン酸、クロロボランリチウム、4−フェニルホウ酸リチウム等が挙げられる。これらのリチウム塩は、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。電解質塩の好ましい添加量は、非水系溶媒1Kgに対して、0.1〜3モルが好ましく、0.5〜2モルがより好ましい。
他の添加剤としては、例えば、従来公知の脱水剤、脱酸剤等が挙げられる。具体的には、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ジブチルスルフィド、ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等が挙げられる。これらを非水系溶媒中に通常0.1重量%以上、5重量%以下の濃度で含有させると、高温保存後の容量維持特性やサイクル特性を向上できる。
正極は、例えば、正極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤を含有するペーストを正極集電体上に塗布、乾燥、加圧することにより作製できる。正極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤の配合量は、正極活物質を100重量部とすると、導電材を1〜20重量部、結着剤を1〜15重量部、有機溶剤を30〜60重量部とすることができる。
正極活物質としては、例えば、LiNiO2、LiCoO2、LiMn24のリチウム複合酸化物、及びこれら酸化物中の一部の元素を他元素(例えば、Fe、Si、Mo、Cu及びZn等)で置換した化合物を用いることができる。
導電材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素質材料が挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルピリジンや、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。
正極集電体としては、例えば、SUS、アルミニウム等の導電性金属の箔や薄板が挙げられる。
また、負極は、例えば、負極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤を含有するペーストを負極集電体上に塗布、乾燥、加圧することにより作製できる。負極活物質、導電材、結着剤及び有機溶剤の配合量は、負極活物質を100重量部とすると、導電材を1〜15重量部、結着剤を1〜10重量部、有機溶剤を40〜70重量部とすることができる。
負極活物質としては、例えば、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼結体、炭素繊維、活性炭等が挙げられる。
導電材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素質材料が挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジンやポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。
負極集電体としては、例えば、銅のような金属の箔が挙げられる。
負極と正極との間には、通常セパレータが介在している。
セパレータは、通常多孔質フィルムよりなり、耐溶剤性や耐還元性を考慮して材質が選定される。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂からなる多孔質フィルムあるいは不織布が好適である。このような材質からなるものを単層又は複数層にして用いることができる。複数層の場合は、サイクル特性、低温性能、負荷特性等の観点から少なくとも1枚は不織布を用いることが好ましい。
負極と正極間に、任意にセパレータを挟み、非水電解液を注入することで非水系二次電池が得られる。また、この非水系二次電池を一単位として、一単位を複数積層してもよい。
非水系二次電池のその他の構成部材としては、通常使用されている公知の部材を使用できる。
また、非水系二次電池の形態としては、特に制限されず、ボタン型、コイン型、角型、スパイラル構造の円筒型、ラミネート型電池等の種々の形態が挙げられ、これらは、その用途に応じて、薄型、大型等の種々の大きさにすることができる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例と比較例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒(混合比(体積比):エチレンカーボネート/ジエチレンカーボネート=1/2)(非プロトン性有機溶媒)80mlに、下記式(化8)で表される環状窒素含有化合物(一般式(3)において、R1〜R4がメチル基、Xが、炭素数2の炭化水素基(エチレン基)である6員環化合物(非水系二次電池用難燃剤、3,3,6,6−テトラメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリダジン:分解温度146℃)20mlを添加した。得られた混合溶媒に、リチウム塩として、LiPF6を1.0モル/kgの濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。
正極活物質としてLiMn24を100重量部、導電材としてアセチレンブラックを5重量部、結着剤としてPVdFを5重量部、溶剤としてNMP40重量部を、プラネタリーミキサーにより混練することで、分散させて正極形成用ペーストを作製した。作製したペーストを塗工装置にて正極の集電体である厚み20μmの帯状アルミニウム箔の両面に均一に塗工した。なお、アルミニウム箔の端部に、端子接続用の未塗工部を設定した。塗膜を130℃で8時間減圧乾燥して溶媒を除いた後、油圧プレス機を用いてプレスすることで正極板を形成した。得られた正極板は、所定のサイズに裁断して使用した。
負極活物質として、中国産の天然粉末黒鉛(平均粒径15μm)を100重量部、導電材として気相成長黒鉛繊維(VGCF)粉末(昭和電工社製VGCF高嵩品)を2重量部、結着剤としてPVdFを2重量部、溶剤としてNMP50重量部を、プラネタリーミキサーにより混練することで、分散させて負極形成用のペーストを作製した。作製したペーストを塗工装置にて負極の集電体である厚み10μmの銅箔の両面に均一に塗工した。なお、銅箔の端部に、端子接続用の未塗工部を設定した。更に、塗膜を100℃で8時間減圧乾燥して溶媒を除いた後、油圧プレス機を用いてプレスすることで負極板を形成した。得られた負極板は、所定のサイズに裁断して使用した。
得られた正極板と負極板とを、セパレータとしてのポリプロピレンの多孔質フィルムを介して積層し、次いで、積層体に前記非水電解液を注液することで、非水系二次電池を作製した。
(実施例2)
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒の使用量を99mlとし、環状窒素含有化合物の使用量をmlとしたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例3)
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒の使用量を40mlとし、環状窒素含有化合物の使用量を60mlとしたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例4)
環状窒素含有化合物として、6員環化合物を、一般式(3)においてXが炭素数1の炭化水素基(メチレン基)でありかつR1〜R4の内、2つが水素原子であって、2つが塩素原子である下記式(化9)で表される5員環化合物(ジクロロ−4,5−ジヒドロ−3H−ピラゾール:分解温度179℃)に代えたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。なお、5員環化合物は、R1とR3が水素原子かつR2とR4が塩素原子である化合物と、R1とR4が水素原子かつR2とR3が塩素原子である化合物の混合物を使用した。
(実施例5)
環状窒素含有化合物として、6員環化合物を、一般式(3)においてXが炭素数5の炭化水素基(ペンタメチレン基)でありかつR1〜R4が水素原子である下記式(化10)で表される9員環化合物(4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−[1,2]ジアゾニン:分解温度192℃)に代えたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例6)
環状窒素含有化合物として、下記式(化11)で表される環状窒素含有化合物(一般式(1)において、Xが酸素原子、A1、A2が炭素原子、R1〜R4がメチル基である5員環化合物(2,2,5,5−テトラメチル−1,3,4−オキサジアゾリン:分解温度127℃))に代えたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例7)
環状窒素含有化合物として、下記式(化12)で表される環状窒素含有化合物(一般式(3)において、Xが=C=O、R1〜R4がメチル基である5員環化合物(3,3,5,5−テトラメチル−1−ピラゾール−4−オン:分解温度141℃))に代えたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例8)
環状窒素含有化合物として、下記式(化13)で表される環状窒素含有化合物(一般式(1)において、Xがメチレン基、A1及びA2が=SO2である5員環環状化合物([1,4,2,3]ジチアジアゾール−1,1,4,4−テトラオキサイド:分解温度187℃))に代えたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(実施例9)
環状窒素含有化合物として、下記式(化14)で表される環状窒素含有化合物(一般式(2)において、Xがメチレン基、A1が=SO2、R1及びR2がメチル基である5員環環状化合物(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−[1,2,3]チアジアゾール−1,1−ジオキサイド:分解温度162℃))に代えたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(比較例1)
環状窒素含有化合物として、6員環化合物を、一般式(3)においてXが炭素数6の炭化水素基でありかつR1〜R4が水素原子である下記式(化15)で表される10員環化合物(3,4,5,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−[1,2]ジアゼシン:分解温度206℃)に代えたほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(比較例2)
環状窒素含有化合物を使用しないことのほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(比較例3)
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒の使用量を98mlとし、環状窒素含有化合物に代えてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を2mlとしたことのほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(比較例4)
エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとの混合溶媒の使用量を90mlとし、環状窒素含有化合物に代えて1−エチル−3−メチルイミダゾリウム/6フッ化リン酸アニオン(EMI−HF)を10mlとしたことのほかは、実施例1と同様に非水系二次電池を作製した。
(電池の性能の試験方法)
実施例1〜9及び比較例1〜4で得られた非水系二次電池について、20℃及び60℃における初回放電容量の測定、放電容量維持率の測定、安全性試験として釘刺し試験を以下の手順で行った。
(1)20℃における初回放電容量の測定
0.1CmAレートにて4.2Vになるまで非水系二次電池を充電した後、0.1CmAレートにて放電し、電圧が3.0Vになるまで放電したときの容量を初回放電容量(mAh/g)とする。なお、測定は、20℃一定の恒温器の中で実施する。
(2)20℃における放電容量維持率の測定
1CmAレートにて4.2Vになるまで非水系二次電池を充電した後、1CmAレートにて電圧が3.0Vになるまで放電することを1サイクルとし、このサイクルを99回行い、100回目として、初回放電容量と同一の充放電条件で充放電を1サイクル行ったときの容量を求める。
100回目測定終了後、1CmAレートにて4.2Vになるまで非水系二次電池を充電した後、1CmAレートにて電圧が3.0Vになるまで放電することを1サイクルとし、このサイクルを399回行い、トータル充放電サイクル500回目として、初回放電容量と同一の充放電条件で充放電を1サイクル行ったときの容量を求める。
100回目、及び500回目の放電容量維持率(%)は、それぞれ、初回放電容量に対する100回目、及び、初回放電容量に対する500回目の放電容量の割合とする。なお、測定は、20℃一定の恒温器の中で実施する。
(3)60℃における初回放電容量及び放電容量維持率
60℃における初回放電容量(mAh/g)及び放電容量維持率(%)は、恒温器の温度を60℃一定にすること以外は、20℃における初回放電容量及び放電容量維持率と同様にして測定した値とする。
(4)釘刺し試験
釘刺し試験は、0.1CmAレートにて4.2Vになるまで充電した非水系二次電池に、室温20℃において、直径3mmの釘を速度1mm/sで貫通させた時の状態を確認する試験である。
試験結果を表1に示す。
表1から、非水系溶媒として一般的な有機溶媒を用い、難燃剤を含まない一般的な非水系二次電池(比較例2)は、釘刺し試験において、発煙及び発火が生じている。これに対し、非水系溶媒に環状窒素含有化合物を添加した非水系二次電池(実施例1〜9)は、釘刺し試験でも発煙や発火のような異常が生じていない。更に、電池性能についても、実施例1〜9の非水系二次電池は、比較例2の一般的な非水系二次電池と比較して、遜色がない。
また、10員環化合物を有する環状窒素含有化合物を用いた比較例1の非水系二次電池は、釘刺し試験において、実施例1〜9と同様に発煙、発火のような異常が生じていない。しかし、電池性能が、比較例2の一般的な非水系二次電池と比較して、劣っている。特に、60℃に加温したときの比較例1の電池性能は、実施例1〜5よりも顕著に劣っている。
更に、比較例3から、AIBNを使用した非水系二次電池は、20℃の充放電時には、AIBNの電気分解によるサイクル特性の劣化が見られ、60℃の充放電時には、AIBNの熱分解により安定した電気特性が得られていない。更にまた、比較例3及び4は、釘刺し試験で、発煙及び発火を生じている。従って、AIBNやイミダゾール系化合物のような公知の難燃剤を使用した非水系二次電池では、充放電中の電池性能の悪化を防ぎつつ、異常時の難燃性を確保できていない。
以上のように、表1から、特定の構造の環状窒素含有化合物を非水電解液の難燃剤として使用することで、難燃性を向上できるだけなく、従来と同等程度の電気特性を備えた非水系二次電池が得られることが分かる。
(実施例1〜5及び比較例1中の環状窒素含有化合物の合成)
実施例1〜5及び比較例1の環状窒素含有化合物を以下の合成スキームで以下のようにして得た。
撹拌機、滴下漏斗、冷却管を備えた3口フラスコにアセトニトリル18.1g(0.44mol)、氷酢酸200ml、濃硫酸40gを加え、フラスコのまわりを氷冷した。次に、ジオール誘導体(2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジオール)58.4g(0.40mol)を撹拌しながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、一昼夜撹拌した後、水500mlに溶かし、炭酸ナトリウムでアルカリ性にした。その溶液をエーテルで抽出する。溶媒を留去するとアセトアミド誘導体が得られた。このアセトアミド誘導体を20%水酸化ナトリウムのエチレングリコール溶液600mlを加え、48時間還流した。反応終了後、反応溶液を180℃以下で蒸留し、留出液をエーテルで抽出した。乾燥後、溶媒を留去し、ジアミン誘導体(2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジアミン)30.6g(収率53.2%)を得た。
撹拌機、滴下漏斗、冷却管を備えた3口フラスコに得られたジアミン誘導体28.8g(0.20mol)を水/エタノール混合溶液(混合比1:1)500mlに溶かし、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.66g(0.002mol)加えた後、約60℃に加熱した。次に、35%過酸化水素水溶液90mlを徐々に滴下した。滴下終了後、78〜80℃において、約2時間撹拌した後、室温に冷却した。反応終了後、クロロホルムで抽出して得られた有機層を濃縮した後、減圧蒸留にて環状窒素含有化合物を12.1g(収率43.1%)得た。得られた環状窒素含有化合物のNMRとIRを測定し、その値を下記する。
1H-NMR(ppm,CDCl3) δ;1.56(s,4H)、1.29(s,12H)
IR;ν(KBr)cm-1;2966,2893,1576,1303,1242,1131,1004,962
上記値から、得られた環状窒素含有化合物が、3,3,6,6−テトラメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリダジンであることが確認できた。
実施例4については、ジオール誘導体を1,3−ジクロロプロパン−1,3−ジオールに、実施例5については、ヘプタン−1,7−ジオールに、比較例1については、オクタン−1,8−ジオールに、それぞれ変更すること以外は、実施例1と同様にして、環状窒素含有化合物(実施例4:ジクロロ−4,5−ジヒドロ−3H−ピラゾール、実施例5:4,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−3H−[1,2]ジアゾニン、比較例1:3,4,5,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−[1,2]ジアゼシン)が得られる。
(実施例6の環状窒素含有化合物の合成)
実施例6の環状窒素含有化合物を以下の合成スキームで以下のようにして得た。
撹拌機、滴下漏斗を備えた3口フラスコに出発物質61.3g(0.6mol)をクロロホルム150mlに溶かし、フラスコのまわりを氷冷した。次に、臭素105g(0.66mol)を撹拌しながら、ゆっくりと滴下した。滴下終了後、約1時間撹拌した後、水、Na2CO3水溶液、水で洗浄した。溶媒を留去し、ジブロモ誘導体139g(収率90.0%)を得た。
撹拌機、滴下漏斗、冷却管を備えた3口フラスコ中を窒素雰囲気下にした後、無水ヒドラジン14.4g(0.45mol)及び無水エタノールをml加え、撹拌する。次に、ジブロモ誘導体129g(0.5mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、約1時間還流した後、蒸留にてジアジリジン誘導体48.4g(収率82.7%)を得た。
撹拌機、滴下漏斗、冷却管を備えた3口フラスコに得られたジアジリジン誘導体39g(0.3mol)を水/エタノール混合溶液(混合比1:1)500mlに溶かし、タングステン酸ナトリウム・2水和物0.99g(0.003mol)加えた後、約60℃に加熱した。次に、35%過酸化水素水溶液90mlを徐々に滴下した。滴下終了後、78〜80℃において、約2時間撹拌した後、室温に冷却した。反応終了後、クロロホルムで抽出して得られた有機層を濃縮した後、減圧蒸留にて環状窒素含有化合物を16.4g(収率42.7%)得た。得られた環状窒素含有化合物のNMRとIRを測定し、その値を下記する。
1H-NMR(ppm,CDCl3) δ;1.37(s,12H)
IR;ν(KBr)cm-1;3081,1952,1390,1242,943,522
上記値から、得られた環状窒素含有化合物が、2,2,5,5−テトラメチル−1,3,4−オキサジアゾリンであることが確認できた。
(実施例7〜9の環状窒素含有化合物の合成)
実施例7については、出発原料を2,4−ジメチル−3−ペンタノンに、実施例8については、メタンジスルホニルジクロリドに、実施例9については、2−クロロ−2−メチルプロパンスルホニルクロリドに、それぞれ変更すること以外は、実施例6と同様にして、環状窒素含有化合物が得られる。

Claims (9)

  1. 正極と、負極と、非水電解液とを備え、前記非水電解液が、一般式(1)
    (式中、Xは、炭素数1〜5の分岐していてもよい鎖状の飽和炭化水素由来の二価の基、=C=CH2、=C=O、=C=S=O、=O又は=Sであり、A1及びA2は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいメチレン基、=C=O又は=SO2である)で表される環状窒素含有化合物を少なくとも含有し、
    前記置換基が、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、シクロアルキル基(ハロゲン原子や炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい)又はアリール基(ハロゲン原子や炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい)であることを特徴とする非水系二次電池。
  2. 前記環状窒素含有化合物が、一般式(2)
    (式中、X及びA1は、一般式(1)と同じであり、R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、シクロアルキル基(ハロゲン原子や炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい)又はアリール基(ハロゲン原子や炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい)である)で表される請求項1に記載の非水系二次電池。
  3. 前記環状窒素含有化合物が、一般式(3)
    (式中、X、R1及びR2は、一般式(2)と同じであり、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、シクロアルキル基(ハロゲン原子や炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい)又はアリール基(ハロゲン原子や炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい)である)で表される請求項2に記載の非水系二次電池。
  4. 前記環状窒素含有化合物が、一般式(4)
    (式中、nは1〜5の整数であり、R1〜R4は、一般式(3)と同じである)で表される請求項3に記載の非水系二次電池。
  5. 前記環状窒素含有化合物が、前記非水電解液中に、1〜60体積%で含まれる請求項1〜4のいずれか1つに記載の非水系二次電池。
  6. 前記環状窒素含有化合物が、分解温度以上の加熱で、窒素ガスを生じる化合物である請求項1〜5のいずれか1つに記載の非水系二次電池。
  7. 前記環状窒素含有化合物が、120〜250℃の分解温度を有する化合物である請求項6に記載の非水系二次電池。
  8. 前記R1〜R4が、メチル基又はフェニル基である請求項3〜7のいずれか1つに記載の非水系二次電池。
  9. 一般式(1)
    (式中、Xは、炭素数1〜5の分岐していてもよい鎖状の飽和炭化水素由来の二価の基、=C=CH2、=C=O、=C=S=O、=O又は=Sであり、A1及びA2は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいメチレン基、=C=O又は=SO2である)環状窒素含有化合物からなり、
    前記置換基が、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、エステル基、シクロアルキル基(ハロゲン原子や炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい)又はアリール基(ハロゲン原子や炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されていてもよい)である非水系二次電池用難燃剤。
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