JP5438738B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明はインクジェット記録装置に係り、特にインクジェットヘッドのノズル面を清掃する技術に関する。
インクジェット記録装置では、連続して記録作業を行うと、インクがノズル付近に付着、堆積し、吐出精度に悪影響を及ぼす。このため、インクジェット記録装置では、定期的にヘッドのノズル面の清掃が行われる。
特許文献1には、傾斜して設置されたヘッドのノズル面を払拭ウェブで払拭清掃する方法が記載されており、一方向に走行する払拭ウェブをノズル面と平行に設置された押圧ローラでノズル面に押圧当接させて、ノズル面を払拭する方法が記載されている。
また、特許文献2には、向きを変えることにより、液体吸収力が切り換わる払拭ウェブを使用し、払拭へ部の走行方向を切り換えてノズル面を2回払拭することにより、拭き残しを防止する方法が記載されている。
特開2010−241127号公報 特開2010−234667号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、払拭方向が常に一定となるため、払拭方向に撥液膜の劣化(撥液巻きの剥がれなど)や、ノズル内への付着物の押し込みが進行するという問題がある。
一方、特許文献2の方法では、払拭方向の切り換えが行われるが、2方向の切り換えのため、上記問題を解消するまでには至らず、依然として払拭方向に撥液膜の劣化や、ノズル内への付着物の押し込みが進行するという問題がある。また、特許文献2の方法では、装置全体の向きを変えて払拭方向を切り換えているため、装置が大型になるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ノズル面の清掃能力の高いインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、次のとおりである。
第1の態様は、記録メディアを搬送する搬送手段と、ノズルが配列されたノズル面を有し、前記搬送手段によって搬送される前記記録メディアに向けて前記ノズルからインクの液滴を吐出するインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドの前記ノズル面に沿って相対的に移動して、前記ノズル面を払拭する払拭装置と、を備え、前記払拭装置は、前記ノズル面に当接される払拭部材と、前記ノズル面に直交する軸を中心に前記払拭部材を回転させる回転駆動手段と、を備えるインクジェット記録装置である。
本態様によれば、ノズル面と直交する軸を中心に回転する払拭部材によってノズル面が払拭される。これにより、ノズル面を多方向に払拭することができ、同一方向にのみ払拭されることによって生じる撥液膜の劣化やノズル内への付着物の押し込みを効果的に防止することができる。また、払拭部材のみを回転させる構成のため、払拭装置の構成もコンパクトにすることができる。
第2の態様は、上記第1の態様のインクジェット記録装置において、前記払拭部材を前記ノズル面に直交する方向に移動可能に支持する支持手段と、前記払拭部材を前記ノズル面に向けて付勢する付勢手段と、を更に備える。
本態様によれば、払拭部材をノズル面に押圧当接させることができる(いわゆるサスペンション構造)。これにより、ノズル面に過剰な負荷を与えることなく、安定して払拭することができる。
第3の態様は、上記第2の態様のインクジェット記録装置において、前記支持手段が、前記払拭部材を前記ノズル面に直交する方向に移動可能に支持するとともに、首振り可能に支持する。
本態様によれば、払拭部材がノズル面に対して進退移動可能に設けられるとともに、首振り可能に設けられる。これにより、より安定した状態でノズル面に払拭部材を当接させることができる。
第4の態様は、上記第1の態様のインクジェット記録装置において、前記払拭部材に連結されるロッドと、前記回転駆動手段に駆動されて回転する回転ベースと、前記回転ベースに形成され、前記ロッドが挿通されて、該ロッドをガイドするガイド穴と、一端が前記払拭部材に連結されるとともに、他端が前記回転ベースに連結されるバネと、を更に備える。
本態様によれば、払拭部材をノズル面に押圧当接させることができる(いわゆるサスペンション構造)。これにより、ノズル面に過剰な負荷を与えることなく、安定して払拭することができる。
第5の態様は、上記第4の態様のインクジェット記録装置において、前記ガイド穴が、前記払拭部材側が拡がるように、テーパ状に形成される。
本態様によれば、テーパ状に形成されるガイド穴の作用により、払拭部材がノズル面に対して進退移動可能に設けられるとともに、首振り可能に設けられる。これにより、より安定した状態でノズル面に払拭部材を当接させることができる。
第6の態様は、上記第4又は5の態様のインクジェット記録装置において、前記ロッドと前記ガイド穴とが、前記払拭部材の回転中心を中心とした同心円上に複数配設される。
本態様によれば、ロッドとガイド穴とが、払拭部材の回転中心を中心とした同心円上に複数配設される。これにより、安定した状態で払拭部材をノズル面に当接させることができるとともに、安定した状態で払拭部材を回転させることができる。
第7の態様は、上記第1から6のいずれか1の態様のインクジェット記録装置において、前記払拭部材は、円盤状に形成され、周縁部が末広がりになるように、テーパ状に形成される。
本態様によれば、払拭部材が円盤状に形成され、周縁部が末広がりになるように、テーパ状に形成される。これにより、払拭装置とインクジェットヘッドとを相対的に移動させて、払拭部材をノズル面に当接させる際、簡単に払拭部材をノズル面に当接させることができる。すなわち、払拭部材の端面(払拭面)をノズル面の位置よりも若干高い位置に位置させた状態で払拭装置とインクジェットヘッドとを相対的に移動させると、ノズル面の端部がテーパ状に形成された払拭部材の周縁部に当接し、周縁部の傾斜に沿って払拭部材を押し下げる。これにより、簡単に払拭部材をノズル面に当接させることができる。
第8の態様は、上記第7の態様のインクジェット記録装置において、前記払拭部材の中央に凹部が形成される。
本態様によれば、払拭部材の中央(回転中心)に凹部が形成される。これにより、払拭部材の特定箇所がノズル面に当接し続けるのを防止することができる。
第9の態様は、上記第1から8のいずれか1の態様のインクジェット記録装置において、前記払拭部材が、パッドと、前記パッドの表面に被覆される交換可能な払拭布と、を備える。
本態様によれば、払拭布を交換することにより、容易にクリーニング性能を回復することができる。
第10の態様は、上記第9の態様のインクジェット記録装置において、前記パッドが着脱自在に設けられる。
本態様によれば、パッドが着脱自在に設けられる。これにより、払拭布の交換を容易に行うことができる。
第11の態様は、上記第10の態様のインクジェット記録装置において、前記パッドが、パッド本体と、前記パッド本体に着脱自在に設けられ、前記パッド本体の周縁部を覆う環状のカバー部材と、を備え、前記払拭布が、周縁部を前記パッド本体と前記カバー部材とで挟持して、前記パッド本体に取り付けられる。
本態様によれば、パッド本体とカバー部材との間で払拭布を挟んで、払拭布がパッドに装着される。これにより、簡単に払拭布の交換を行うことができる。
第12の態様は、上記第9から11のいずれか1の態様のインクジェット記録装置において、前記パッドが、少なくとも前記払拭布の被覆部が弾性体で形成される。
本態様によれば、パッドが弾性体で構成される。これにより、ノズル面に過剰な負荷を与えずに、払拭布を当接させることができる。
第13の態様は、上記第1から12のいずれか1の態様のインクジェット記録装置において、前記インクジェットヘッドの前記ノズル面に沿って相対的に移動して、前記ノズル面に洗浄液を付与する洗浄液付与手段を更に備える。
本態様によれば、ノズル面に洗浄液を付与する洗浄液付与手段が備えられる。これにより、ノズル面を湿潤させた状態で払拭することができ、洗浄性能をより向上させることができるとともに、ノズル面へのダメージを低減させることができる。
第14の態様は、上記第13の態様のインクジェット記録装置において、前記払拭装置が、前記払拭部材の下方に前記払拭部材から滴下する前記洗浄液を回収するトレイを有する。
本態様によれば、払拭部材の下方に払拭部材から滴下する洗浄液を回収するトレイが設けられる。これにより、洗浄液を付与してノズル面を払拭する場合であっても、周囲への洗浄液の飛散を防止することができる。
第15の態様は、上記第1から14のいずれか1の態様のインクジェット記録装置において、前記搬送手段が、回転するドラムの周面に前記記録メディアを巻き付けて、前記記録メディアを搬送し、前記インクジェットヘッドが、前記ノズル面が前記ドラムの周面に対向するように、水平面に対して傾けられて配置される。
本態様によれば、ノズル面が傾斜して設置されるインクジェットヘッドに対しても、コンパクトな構成で効率よくノズル面を払拭することができる。
本発明によれば、ノズル面に付着した汚れ等を確実に払拭することができる。また、撥液膜の劣化やノズル内への付着物の押し込みを防止できる。
インクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図(第1の実施の形態) インクジェット記録装置の要部の構成を示す平面図(第1の実施の形態) インクジェット記録装置の要部の構成を示す側面図(第1の実施の形態) 図4は、ヘッドの下面図 ヘッドの下端側面図 洗浄液付与ユニットの概略構成を示す正面図 払拭ユニットの概略構成を示す側面部分断面図 払拭装置の正面図 払拭装置の平面図 払拭装置の正面断面図 払拭装置の側面断面図 払拭布の取付方法の説明図 サスペンション機構の動作説明図 払拭パッドによる払拭動作の説明図 払拭パッドによる払拭動作の説明図 インクジェット記録装置の要部の構成を示す側面図(第2の実施の形態) 払拭ユニットの概略構成を示す側面部分断面図 払拭装置の構成を示す側面断面図 洗浄液付与ユニットの他の実施の形態の側面図 洗浄液付与装置の正面断面図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
≪第1の実施形態≫
〈インクジェット記録装置の装置構成〉
図1〜図3は、本実施の形態のインクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図、平面図、側面図である。
同図に示すように、このインクジェット記録装置10は、シングルパス方式のラインプリンタであり、主として、記録メディアとしての用紙(枚葉紙)Pを搬送する用紙搬送機構20と、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pに向けてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の各色インク滴を吐出するヘッドユニット30と、ヘッドユニット30に装着された各ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニット40と、ヘッドユニット30に装着された各ヘッドのノズル面を清掃するノズル面清掃ユニット50とで構成される。
用紙搬送機構20は、ベルト搬送機構で構成され、走行するベルト22に用紙Pを吸着させて、用紙Pを水平に搬送する。
ヘッドユニット30は、主として、シアンのインク滴を吐出するヘッド32Cと、マゼンタのインク滴を吐出するヘッド32Mと、イエロのインク滴を吐出するヘッド32Yと、クロのインク滴を吐出するヘッド32Kと、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kが取り付けられるヘッド支持フレーム34と、ヘッド支持フレーム34を移動させるヘッド支持フレーム移動機構(図示せず)とで構成される。
ヘッド(インクジェットヘッド)32C、32M、32Y、32Kは、印刷対象とする用紙Pの最大用紙幅に対応したラインヘッドで構成される。なお、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kの構成は同じなので、以下においては、特に区別する場合を除いて、ヘッド32と記載する。
ヘッド32(32C、32M、32Y、32K)は、矩形のブロック状に形成され、その下面部にノズルNが配列されたノズル面33(33C、33M、33Y、33K)が形成される。
図4は、ヘッドの下面図である。また、図5は、ヘッドの下端側面図である。
同図に示すように、ノズル面33は、ヘッド32の下面中央に帯状(長方形状)に形成される。ノズル面33の両側(ノズル面33長手方向と直交する方向の両側)には、ノズル面33を挟むようにして、帯状(長方形状)のノズル面保護部33aが設けられる。図5に示すように、ノズル面保護部33aは、ノズル面33を保護するために設けられ、ノズル面33よりも突出して形成される。ノズル面33には、撥液処理が施される(たとえば、表面に撥液膜が形成される。)。
ノズルNは、ノズル面33に二次元マトリクス状に配置される。すなわち、ノズル面33の長手方向に対して所定角度傾斜する方向に一定のピッチで配列されるともに、ノズル面33の長手方向に沿って一定のピッチで配列される。このようにノズルNを配列することにより、ヘッド32の長手方向に投影される実質的なノズルNの間隔を狭めることができ、ノズルNの高密度化を図ることができる。
ヘッド支持フレーム34は、各ヘッド32を取り付けるためのヘッド取付部(図示せず)を備えている。各ヘッド32は、このヘッド取付部に着脱自在に取り付けられる。
ヘッド支持フレーム34に取り付けられた各ヘッド32は、用紙Pの搬送方向に対して直交して配置される(用紙Pの搬送方向に対して各ヘッド32のノズル列が直交するように配置される。)。また、用紙Pの搬送方向に沿って所定の順で一定の間隔をもって配置される(本例では、シアン、マゼンタ、イエロ、クロの順で配置される。)。更に、ノズル面33が水平に配置される(用紙Pと平行に配置される。)。
また、ヘッド取付部は、ヘッド支持フレーム34に昇降自在に設けられており、図示しない昇降機構によって昇降する。ヘッド取付部に取り付けられた各ヘッド32は、この昇降機構によって、用紙Pの搬送面に対して垂直に昇降する。
ヘッド支持フレーム移動機構(図示せず)は、用紙搬送機構20の上方位置でヘッド支持フレーム34を用紙Pの搬送方向に対して直交する方向に水平にスライド移動させる。
このヘッド支持フレーム移動機構は、たとえば、用紙搬送機構20を跨いで水平に設置される天井フレームと、その天井フレームに敷設されるガイドレールと、ガイドレール上をスライド移動する走行体と、その走行体をガイドレールに沿って移動させる駆動手段(たとえば、送りねじ機構など)で構成される。ヘッド支持フレーム34は、走行体に取り付けられて、水平にスライド移動する。
ヘッド支持フレーム34は、このヘッド支持フレーム移動機構に駆動されて、所定の「画像記録位置」と「メンテナンス位置」との間を移動可能に設けられる。
ヘッド支持フレーム34は、画像記録位置に位置すると、用紙搬送機構20の上方に配置される。これにより、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pに対して印刷可能になる。
一方、メンテナンス位置に位置すると、メンテナンスユニット40の設置位置に配置される。
メンテナンスユニット40には、各ヘッド32のノズル面33を覆うキャップ42(42C、42M、42Y、42K)が備えられる。装置を長時間停止する場合などは、このメンテナンスユニット40の設置位置(メンテナンス位置)にヘッド32を移動させ、ノズル面33をキャップで覆う。これにより、乾燥による不吐出が防止される。
このキャップ42には、ノズル内を加圧・吸引するための加圧・吸引機構(図示せず)、及び、キャップ42内に洗浄液を供給するための洗浄液供給機構(図示せず)が備えられる。また、キャップ42の下方位置には廃液トレイ44が配置される。キャップ42に供給された洗浄液は、この廃液トレイ44に廃棄され、廃液トレイ44から廃液回収配管46を介して廃液タンク48に回収される。
ノズル面清掃ユニット50は、用紙搬送機構20とメンテナンスユニット40との間に配置される。ノズル面清掃ユニット50は、ヘッド支持フレーム34が、メンテナンス位置から画像記録位置に移動する間にヘッド32のノズル面33を清掃する。
ノズル面清掃ユニット50は、ヘッド支持フレーム34が、メンテナンス位置から画像記録位置に向かって移動する際、各ヘッド32のノズル面33に洗浄液を付与する洗浄液付与ユニット60と、洗浄液が付与された各ヘッド32のノズル面33を払拭する払拭ユニット80とで構成される。
図6は、洗浄液付与ユニットの概略構成を示す正面図である。
同図示すように、洗浄液付与ユニット60は、主として、洗浄液付与ユニット本体フレーム62と、その洗浄液付与ユニット本体フレーム62に取り付けられる洗浄液ノズル64C、64M、64Y、64Kと、洗浄液が貯留される洗浄液タンク66と、洗浄液タンク66と洗浄液ノズル64C、64M、64Y、64Kとを繋ぐ洗浄液配管68と、洗浄液タンク66から洗浄液ノズル64C、64M、64Y、64Kに洗浄液を送液する洗浄液ポンプ70と、洗浄液配管68を開閉する洗浄液バルブ72とで構成される。
洗浄液付与ユニット本体フレーム62は、廃液トレイ44の上に水平に設置される。
洗浄液ノズル64C、64M、64Y、64Kは、ヘッドごとに設けられ、ヘッド32の設置間隔に合わせて、洗浄液付与ユニット本体フレーム62に取り付けられる。
なお、洗浄液ノズル64C、64M、64Y、64Kの各構成は同じなので、特に区別する場合を除いて洗浄液ノズル64と記載する。
洗浄液ノズル64は、ノズル面33の幅に対応した幅を有する噴出口を有しており、この噴出口から洗浄液を噴き出す。各洗浄液ノズル64は、上方に向けて洗浄液を噴射するようにして、洗浄液付与ユニット本体フレーム62に設置される。
各ヘッド32は、この洗浄液ノズル64の上を通過する際、噴出口から噴き出される洗浄液がノズル面33に当たり、ノズル面33が湿潤される(ノズル面33に洗浄液が付与される)。
各洗浄液ノズル64は、それぞれ洗浄液配管68を介して洗浄液タンク66に接続される。洗浄液ポンプ70は、洗浄液配管68の途中に設けられ、洗浄液タンク66に貯留された洗浄液を各洗浄液ノズル64に送液する。洗浄液バルブ72は、洗浄液配管68の途中に設けられ、洗浄液配管68の管路を開閉する。
なお、洗浄液ポンプは、洗浄液ノズルごとに個別に設ける構成としてもよいし、一つの洗浄液ポンプを共通して使用する構成としてもよい。洗浄液バルブについても同様である。
洗浄液付与ユニット60は、以上のように構成される。洗浄液付与ユニット60の動作は、インクジェット記録装置の全体を制御する制御装置(図示せず)によって制御される。制御装置は、洗浄液ポンプ70及び洗浄液バルブ72の駆動を制御して、洗浄液の付与を制御する。
なお、洗浄液としては、たとえば、ジエチレンモノブチルエーテルを主成分とする洗浄液が用いられる。この種の洗浄液をノズル面33に付与することで、ノズル面33に付着したインク由来の固着物を溶解し除去しやすくすることができる。
図7は、払拭ユニットの概略構成を示す側面図である。
払拭ユニット80は、主として、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kのノズル面33C、33M、33Y、33Kを払拭する払拭装置100C、100M、100Y、100Kと、各払拭装置100C、100M、100Y、100Kが装填される払拭ユニット本体82とで構成される。
払拭装置100C、100M、100Y、100Kは、円盤状に形成された払拭パッドを回転させながらヘッド32のノズル面33に当接させて、ノズル面33を払拭する。払拭装置100C、100M、100Y、100Kは、ヘッドごとに設けられ、ヘッド32の設置間隔に合わせて、払拭ユニット本体82に設置される。なお、各払拭装置100C、100M、100Y、100Kの構成は同じなので、ここでは払拭装置100として、その構成を説明する。
図8、図9は、それぞれ払拭装置の正面図と平面図である。また、図10、図11は、それぞれ払拭装置の正面断面図と側面断面図である。
同図に示すように、払拭装置100は、払拭装置本体ケース110を備え、その払拭装置本体ケース110に払拭パッド120と、払拭パッド120を回転させる回転駆動機構140と、払拭パッド120を軸方向に変位させるサスペンション機構160とを備えて構成される。
払拭装置本体ケース110は、縦方向に長い直方体のボックス状に形成され、上部が開口して形成される。
払拭装置本体ケース110の内部には、上端部近傍にトレイ112が設置される。トレイ112は、払拭装置本体ケース110の上部開口部を遮蔽するように設置され、その底部は払拭装置本体ケース110の背面側に傾斜して形成される。払拭時に払拭パッド120から滴下する洗浄液は、このトレイ112で回収される。
トレイ112には、傾斜方向の下側に廃液口114が形成される。トレイ112に回収された洗浄液は、この廃液口114から廃液される。
廃液口114には、払拭装置本体ケース110の内側に配設された廃液管122が接続される。廃液管122は、廃液口114から下側に延びるように配設され、その下端部は、払拭装置本体ケース110の下面部から突出して配置される。後述するように、払拭装置100は、払拭ユニット本体82に装填すると、その払拭ユニット本体82に形成された廃液口に廃液管122の下端が接続される。
払拭装置本体ケース110の内部には、トレイ112の下側にブラケット116が配設される。後述するように、回転駆動機構140は、このブラケット116に取り付けられる。
払拭パッド120は、円盤状に形成され、周縁部がテーパ状に形成されて、末広がりの形状に形成される。この払拭パッド120は、主として、パッド本体124と、パッド本体124に着脱自在に取り付けられて、パッド本体124の表面を被覆する払拭布126と、払拭布126をパッド本体124に固定するパッドカバー128とで構成される。
パッド本体124は、主として、ベースプレート124Aと、ベースプレート124Aの上に配置されるパッド124Bとで構成され、全体として円盤状に形成される。
ベースプレート124Aは、剛体で構成され、所定の厚さをもって円盤状に形成される。
パッド124Bは、ベースプレート124Aの上面部に取り付けられて、ベースプレート124Aに一体化される。パッド124Bは、円盤状に形成され、周縁部がテーパ状に形成されて、末広がりの形状に形成される。すなわち、中心の円形部124B1と、その円形部124B1の周囲に形成されるリング状のテーパ部(傾斜部)124B2とで構成される。円形部124B1は、平坦に形成される。この円形部124B1は、ノズル面33の払拭部とされ、その直径は、少なくともノズル面33の幅(長手方向と直交する方向の幅)よりも大きく形成される。また、円形部124B1には、中心部に半球状の凹部124B3が形成される。このパッド124Bは、所定の硬度を有するゴム材(たとば、硬度5°のゴム)で形成され、弾性変形可能に形成される。
パッド124Bは、ベースプレート124Aよりも小径に形成される。ベースプレート124Aは、パッド124Bの周囲からリング状に突出して設けられる。このベースプレート124Aの突出部124A1は、テーパ状に形成される。
払拭布126は、図12に示すように、円形状に形成され、パッド本体124の上面形状に倣うように末広がりの形状に形成される。この払拭布126は、たとえば、PET、PE、NY等の極微細繊維を用いた編み又は織りからなるシートで形成される。
パッドカバー128は、筒状に形成され、その上端部に挟持部128Aが形成される。挟持部128Aは、リング状に形成され、ベースプレート124Aの突出部124A1の形状に倣って傾斜して形成される。パッドカバー128の内径は、ベースプレート124Aの外形とほぼ同じ径で形成され、挟持部128Aの内径は、パッド124Bの外形とほぼ同じ径で形成される。したがって、パッドカバー128をパッド本体124の上に被せると、パッド124Bが露出した状態でパッド本体124がパッドカバー128に収容される。このとき、パッドカバー128の挟持部128Aは、ベースプレート124Aの突出部124A1の上に載置される。したがって、パッド本体124の上に払拭布126を被せ、更に、その上からパッドカバー128を被せると、払拭布126の周縁部が、パッドカバー128の挟持部128Aとベースプレート124Aの突出部124A1との間に挟まれて、払拭布126がパッド本体124に固定される。
パッド本体124のベースプレート124Aには、外周部に板状のロック爪130が突出して設けられる。
一方、パッドカバー128には、このロック爪130が嵌まるロック溝132が形成される。ロック溝132は、垂直部132Aと水平部132Bとで構成される。垂直部132Aは、パッドカバー128の下縁部から上方(軸方向)に延びるように形成され、ロック爪130の幅とほぼ同じになる幅をもって形成される。水平部132Bは、垂直部132Aの上端から横方向(周方向)に延びるように形成され、ロック爪130の厚さとほぼ同じになる幅をもって形成される。
パッドカバー128をパッド本体124に嵌める際、ロック爪130の位置とロック溝132の垂直部132Aの位置とを合わせて嵌めることにより、ロック爪130がロック溝132の垂直部132Aに嵌まる。上記のように、パッドカバー128をパッド本体124に嵌めると、パッドカバー128の挟持部128Aが、ベースプレート124Aの突出部124A1に当たる。これと同時にロック爪130がロック溝132の垂直部132Aの上端に到達する。この状態でパッドカバー128を周方向に回転させると、ロック爪130がロック溝132の水平部132Bに嵌まる。ロック爪130がロック溝132の水平部132Bの先端に到達するまでパッドカバー128を回転させることにより、パッドカバー128がパッド本体124にロックされる。また、これにより、払拭布126がパッド本体124に固定される。
回転駆動機構140は、主として、パッド回転用モータ142と、そのパッド回転用モータ142の回転を伝達する回転伝達機構144とで構成される。
パッド回転用モータ142は、ブラケット116の下面部に取り付けられる。パッド回転用モータ142は、その出力軸142Aが鉛直上向きに配置され、ブラケット116の上側に突出して配置される。
回転伝達機構144は、主として、パッド回転用モータ142の出力軸に取り付けられる駆動ギア146と、駆動ギア146に噛み合わされる従動ギア148と、従動ギア148が取り付けられる駆動軸150と、駆動軸150と後述する回転ベース162の回転軸162Aとを連結するカップリング152とで構成される。
駆動ギア146は、パッド回転用モータ142の出力軸に取り付けられる。
従動ギア148は、駆動軸150に取り付けられて、駆動ギア146に噛み合わされる。
駆動軸150は、カップリング152の入力軸(不図示)に接続されて、回転自在に支持される。
カップリング152は、トレイ112に取り付けられる。トレイ112には、このカップリング152を取り付けるためのカップリング取付部112Aが設けられる。カップリング取付部112Aは、円形状の開口部として、トレイ112の中央に設けられる。カップリング152は、このカップリング取付部112Aに液密状態で嵌められて、トレイ112に取り付けられる。
カップリング152は、筒状のケース152Aを有し、このケース152A内に図示しない入力軸と出力軸とが配設される。入力軸と出力軸とは、ケース内に配設された図示しない軸受に回転自在に支持されるとともに、互いに回転伝達可能に接続される。
上記のように、駆動軸150は、カップリング152の入力軸に接続される。したがって、駆動軸150を回転させると、入力軸が回転する。そして、入力軸が回転すると、その回転が出力軸に伝達されて、出力軸が回転する。
サスペンション機構160は、主として、回転ベース162と、付勢バネ164と、4本のスライドロッド166とで構成される。
回転ベース162は、円盤状に形成され、水平に配置される(ノズル面33と平行に配置される。)。回転ベース162の下面には、回転軸162Aが連結される。回転軸162Aは、回転ベース162の同軸上に連結される。
回転軸162Aは、垂直に配置(ノズル面33と直交して配置)され、カップリング152の出力軸(不図示)に着脱自在に取り付けられる。したがって、カップリング152の出力軸が回転すると、回転軸162Aが回転する。この結果、回転ベース162が垂直な軸の回りを回転する(ノズル面33と直交する軸の回りを回転する。)。
付勢バネ164は、コイルスプリングで構成され、垂直に配置(ノズル面33と直交して配置)される。付勢バネ164は、一端(上端)が払拭パッド120の下面(パッド本体124のベースプレート124Aの下面)の中央に連結され、他端(下端)が回転ベース162の上面の中央に連結される。
スライドロッド166は、円柱状に形成され、払拭パッド120に一体的に設けられる。すなわち、払拭パッド120を構成するパッド本体124のベースプレート124Aの下面に一体的に設けられる。各スライドロッド166は、ベースプレート124Aの中心を中心とした同心円上に一定の間隔をもって配置(90°間隔で配置)され、ベースプレート124Aの下面から鉛直下向きに延びるように配設される。
回転ベース162には、各スライドロッド166が挿通されるガイド穴168が、スライドロッド166の形成位置に対応して4カ所に形成される。各スライドロッド166は、この回転ベース162に形成されたガイド穴168に挿通される。
各ガイド穴168は、テーパ状に形成され、上端側(払拭パッド側)が拡げられて形成される。また、各ガイド穴168の下端部の内径は、スライドロッド166をスライド自在に支持できるように、スライドロッド166の外径とほぼ同径(ないし若干大径)に形成される。
ガイド穴168に挿通されたスライドロッド166には、先端に抜け止め板170が取り付けられる。抜け止め板170は、円盤状に形成され、ガイド穴168の下端部の内径よりも大きく形成される。
ここで、付勢バネ164は、平常状態で所定量圧縮された状態で回転ベース162とベースプレート124Aとの間に取り付けられる。したがって、平常状態において、抜け止め板170は、回転ベース162の下面に密着する。
払拭パッド120を下向きに押圧すると、払拭パッド120は、付勢バネ164の付勢力に抗して下側に沈む。この押圧力を開放すると、払拭パッド120は、付勢バネ164の付勢力によって元の位置に復元する。このように、払拭パッド120は、付勢バネ164に付勢されて、上下動自在に設けられる。
この際、払拭パッド120は、スライドロッド166がガイド穴168にガイドされることにより、上下方向に移動する。
ここで、上記のように、各ガイド穴168は、上端部に向かって拡がるように形成されている。このため、各スライドロッド166は、所定の角度範囲で傾斜可能に保持される。この結果、図13に示すように、払拭パッド120は、上下方向に移動可能に保持されるとともに、所定の角度範囲で首振り可能に保持される。これにより、払拭パッド120をノズル面33に容易に密着させることができる。
払拭装置100は、以上のように構成される。払拭装置100は、パッド回転用モータ142を駆動することにより、払拭パッド120が垂直な軸を中心に回転する(ノズル面33と直交する軸を中心に回転する)。この回転する払拭パッド120をノズル面33に当接させることにより、ノズル面33が払拭される。
払拭ユニット本体82は、主として、払拭装置100C、100M、100Y、100Kを収容する払拭ユニット本体ケース180と、その払拭ユニット本体ケース180を昇降させる昇降装置(不図示)とで構成される。
払拭ユニット本体ケース180は、直方体のボックス状に形成され、払拭装置100C、100M、100Y、100Kを収容する払拭装置収容部182C、182M、182Y、182Kが形成される。払拭装置収容部182C、182M、182Y、182Kは、払拭装置100C、100M、100Y、100Kを縦方向に収容可能な凹部として形成され、上部が開口して形成される。また、払拭装置収容部182C、182M、182Y、182Kは、ヘッド支持フレーム34に取り付けられる各ヘッド32の設置間隔と同じ間隔で直線上に配列される。払拭装置100C、100M、100Y、100Kは、払拭装置収容部182C、182M、182Y、182Kに垂直に起立した状態で収容される。
払拭装置100C、100M、100Y、100Kが、払拭装置収容部182C、182M、182Y、182Kに収容されると、払拭パッド120C、120M、120Y、120Kが、払拭装置収容部182C、182M、182Y、182Kから露出する。また、その払拭パッド120C、120M、120Y、120Kが、水平な状態(ヘッド32のノズル面33と平行な状態)で保持される。
払拭装置収容部182C、182M、182Y、182Kの底部には、カプラ184C、184M、184Y、184Kが設けられる。払拭装置100C、100M、100Y、100Kが、払拭装置収容部182C、182M、182Y、182Kに収容されると、各払拭装置100C、100M、100Y、100Kに備えられた廃液管122C、122M、122Y、122Kがカプラ184C、184M、184Y、184Kに接続される。
カプラ184C、184M、184Y、184Kには、払拭ユニット本体82の内部に形成された廃液路186が接続される。廃液路186は、払拭ユニット本体82に形成された廃液配管接続口188に連通される。廃液配管接続口188には、図示しない廃液配管が接続される。廃液配管は、廃液タンク48に接続される。
払拭パッド120C、120M、120Y、120Kから滴下し、トレイ112C、112M、112Y、112Kで回収された洗浄液は、廃液管122C、122M、122Y、122K、カプラ184C、184M、184Y、184K、廃液配管を介して、廃液タンク48に回収される。
昇降装置は、払拭ユニット本体ケース180を垂直に昇降移動させる。払拭ユニット本体ケース180に収容された各払拭装置100C、100M、100Y、100Kは、この昇降装置によって払拭ユニット本体ケース180を昇降させることにより、所定の「払拭位置」と「待機位置」との間を移動する。
各払拭装置100C、100M、100Y、100Kは、「払拭位置」に移動することにより、「画像記録位置」と「メンテナンス位置」との間を移動するヘッド32C、32M、32Y、32Kのノズル面33C、33M、33Y、33Kに払拭パッド120C、120M、120Y、120Kが当接可能な位置に位置する。一方、「待機位置」に移動することにより、「画像記録位置」と「メンテナンス位置」との間を移動するヘッド32C、32M、32Y、32Kのノズル面33C、33M、33Y、33Kに払拭パッド120C、120M、120Y、120Kが当接しない位置に位置する。
〈インクジェット記録装置の作用〉
次に、本実施の形態のインクジェット記録装置10の作用について説明する。
[画像記録方法]
はじめに、本実施の形態のインクジェット記録装置10による画像記録方法について説明する。
まず、画像記録前の準備として、ヘッド支持フレーム34を画像記録位置に移動させる。これにより、各ヘッド32が、用紙搬送機構20の上方にセットされ、画像の記録が可能になる。
用紙Pは、図示しない給紙機構によって用紙搬送機構20に給紙される。なお、必要に応じて、所定の前処理(たとえば、所定の処理液の塗布等)が施される。
用紙搬送機構20は、給紙機構によって給紙された用紙Pを受け取り、水平に搬送する。
各ヘッド32は、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pに向けてインク滴を吐出し、用紙Pの表面に画像を記録する。
画像が記録された用紙Pは、図示しない回収機構によって回収される。なお、必要に応じて、乾燥、定着等の処理が行われる。
用紙Pを連続的に給紙することにより、連続的に画像の記録処理が行われる。
[ノズル面の清掃方法]
次に、本実施の形態のインクジェット記録装置10によるノズル面33の清掃方法について説明する。
上記のように、本実施の形態のインクジェット記録装置では、ヘッド支持フレーム34が、メンテナンス位置から画像記録位置に移動する時のヘッド32の移動を利用して、ノズル面33を清掃する。
まず、制御装置は、昇降装置を駆動して、待機位置に位置している払拭装置100を作動位置に移動させる。これにより、ヘッド32がメンテナンス位置から画像記録位置に移動する際、ヘッド32のノズル面33に払拭パッド120を当接させることが可能になる。
ここで、図14(a)に示すように、払拭装置100が作動位置に位置すると、払拭パッド120の上面(パッド本体124の円形部124B1)が、ヘッド32の下面(ノズル面33)によりも所定高さ(H)だけ高い位置に配置される(オーバーラップして配置される)。すなわち、パッド本体124のテーパ部(傾斜部)124B2の間にヘッド32の下面(ノズル面33)が位置するように配置される。
次に、制御装置は、メンテナンス位置に位置しているヘッド支持フレーム34を画像記録位置に向けて一定の速度で移動させる。
次に、制御装置は、ヘッド32の先端(ここでは、画像記録位置側の端部)が、洗浄液ノズル64に到達するタイミングに合わせて、洗浄液バルブ72を開くとともに、洗浄液ポンプ70を駆動する。これにより、洗浄液が洗浄液ノズル64から噴射される。そして、この洗浄液が噴射された洗浄液ノズル64の上をヘッド32が通過することにより、洗浄液ノズル64から噴射される洗浄液がノズル面33に当たり、ノズル面33に洗浄液が付与される(ノズル面33が湿潤される。)。
また、制御装置は、ヘッド32の先端が払拭装置100に到達するタイミングに合わせて、パッド回転用モータ142を駆動する。これにより、払拭パッド120が一定の速度で回転する。ヘッド32は、この払拭装置100の上を通過することにより、回転する払拭パッド120がノズル面33に当接され、ノズル面33が払拭される。
ここで、上記のように、払拭パッド120は、その上面(パッド本体124の円形部124B1)の位置が、ヘッド32の下面(ノズル面33)の位置よりも高い位置に位置している。
しかしながら、払拭パッド120には、周縁部にテーパ部124B2が形成されており、かつ、サスペンション機構160によって上下方向に移動可能に保持されているため、ヘッド32が払拭パッド120に到達すると、図14(b)に示すように、そのヘッド32の先端で払拭パッド120を押し下げることができる。
また、払拭パッド120は、テーパ部124B2にヘッド32の先端が当接する際、スラスト方向の力を受けるが、払拭パッド120は、首振り可能に支持されており、かつ、回転しながら当接するため、このスラスト方向の力を逃がすことができる。これにより、無理な力を掛けずにスムーズに払拭パッド120をヘッド32のノズル面33に当接させることができる。
ヘッド32の先端が、テーパ部124B2を乗り越えると、図14(c)に示すように、払拭パッド120の円形部124B1がノズル面33に密着される。この際、付勢バネ164の付勢力で払拭パッド120がノズル面33に一定の圧力で押し当てられる。これにより、無理な力を掛けずに安定して、払拭パッド120をノズル面33に当接させることができる。
また、払拭パッド120は、回転しながらノズル面33に当接されるため、多方向に払拭される。これにより、同一方向にのみ払拭されることによって生じる撥液膜の劣化やノズル内への付着物の押し込みを効果的に防止することができる。
また、払拭パッド120の中心(円形部124B1の中心)には、凹部124B3成されているため、同一個所で払拭されることによる影響を排除して、全体として均一に払拭することができる。
上記のように、ノズル面33には洗浄液が付与され、湿潤された状態で払拭される。このため、払拭に伴い払拭パッド120から洗浄液が滴下する。払拭パッド120から滴下した洗浄液は、トレイ112で回収され、廃液管122から廃液タンク48に回収される。これにより、周囲に洗浄液を飛散させることなく、クリーンな状態でノズル面33を払拭することができる。
制御装置は、ヘッド32の後端(ここでは、メンテナンス位置側の端部)が、洗浄液ノズル64を通過するタイミングに合わせて、洗浄液ポンプ70の駆動を停止するとともに、洗浄液バルブ72を閉じる。これにより、洗浄液の噴射が停止される。
また、制御装置は、ヘッド32の後端が払拭装置100を通過するタイミングに合わせて、パッド回転用モータ142の駆動を停止する。これにより、払拭パッド120の回転が停止する。
ここで、図15(a)に示すように、払拭パッド120は、ヘッド32の後端が、払拭パッド120の円形部124B1を通過するまでは、ヘッド32のノズル面33に押されて、一定位置で回転し続ける。
一方、ヘッド32の後端が、払拭パッド120の円形部124B1を通過すると、図15(b)に示すように、テーパ部124B2がヘッド32の後端に当接し、そのテーパ部124B2に倣って、付勢バネ164の付勢力で徐々に上昇する。これにより、ノズル面33の最後(後端)まで払拭パッド120をノズル面33に安定して当接させることができる。
また、払拭パッド120は、回転しながらノズル面33から離間するため、不要な振動を発生させることなく、ノズル面33から離間させることができる。これにより、離間時に洗浄液が跳ねるのを防止でき、跳ねた洗浄液によって清掃済みのノズル面33が汚染させるのを防止できる。
ヘッド32の後端が、完全に払拭パッド120を通過すると、図15(c)に示すように、払拭パッド120は、元の位置、すなわち、上面がヘッド32の下面よりも高い位置に復帰する。そして、回転が停止される。
この後、制御装置は、昇降装置を駆動して、払拭ユニット本体ケース180を下降させ、払拭装置100を退避位置に移動させる。
以上により、ノズル面の清掃が完了する。
以上説明したように、本実施の形態のインクジェット記録装置10によれば、回転する払拭パッド120によりノズル面33を払拭する。これにより、多方向からノズル面33を払拭することができ、同一方向にのみ払拭されることによって生じる撥液膜の劣化やノズル内への付着物の押し込みを効果的に防止することができる。
また、サスペンション機構160を有することにより、ノズル面33に払拭パッド120をスムーズに当接させることができる(いわゆるカジリなどを生じさせることなく当接させることができる。)。また、無理な力を掛けずに安定して当接させることができる。
また、払拭装置100は、払拭パッド120のみを回転させる構成であるため、コンパクトな構成とすることができる。
なお、払拭布126は、使用により汚れるため、適宜交換される(通常は、1回使用するたびに交換する。)。
払拭布126の交換作業は、払拭パッド120を払拭装置100から取り外して行われる。上記のように、サスペンション機構160を構成する回転ベース162は、その回転軸162Aがカップリング152に対して着脱自在に設けられているため、この回転軸162Aの部分からサスペンション機構160ごと払拭パッド120を取り外して、払拭布126の交換作業が行われる。これにより、交換作業を容易に行うことができる。
また、払拭布126の交換は、パッドカバー128を取り外し、古い払拭布126を取り除いた後、新しい払拭布126をパッド本体124に被せて、パッドカバー128を再度取り付けるだけなので、簡単に行うことができる。
≪第2の実施形態≫
図16は、第2の実施の形態のインクジェット記録装置の要部の構成を示す側面図である。
同図に示すように、本実施の形態のインクジェット記録装置は、用紙搬送機構200が、ドラム搬送機構で構成される。ドラム搬送機構では、ドラム202の周面に用紙Pを吸着させ、ドラム202を回転させることにより、用紙Pを搬送する。
この場合、ヘッド32C、32M、32Y、32Kは、ドラム202の周囲に放射状に配置される。この結果、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kは、ノズル面33C、33M、33Y、33Kが傾斜して配置される。
各ヘッド32C、32M、32Y、32Kのノズル面33C、33M、33Y、33Kが傾斜して配置される結果、図17に示すように、払拭ユニット80も各払拭装置100C、100M、100Y、100Kの払拭パッド120C、120M、120Y、120Kが傾斜して設置される。
図18は、払拭装置の構成を示す側面断面図である。
同図に示すように、払拭装置100は、傾斜して配置されたヘッド32のノズル面33に対応して、払拭パッド120が傾斜して配置される。すなわち、ヘッド32のノズル面33と払拭パッド120の上面(円形部124B1)とが平行になるように設定される。
このように、ヘッド32のノズル面33が傾斜して配置される場合は、そのノズル面33に合わせて、払拭パッド120を傾斜させて配置する。これにより、傾斜したノズル面33に払拭パッド120を当接させて回転させることができる。
この場合、払拭装置本体ケース110は、垂直に配置されるため、狭いスペースであっても、各払拭装置100C、100M、100Y、100Kを互いに干渉させることなく配置することができる。
≪洗浄液付与ユニットの他の実施の形態≫
上記実施の形態では、ノズル面33に向けて洗浄液を吹き付けて、ノズル面33を湿潤させる構成としているが、ノズル面33を湿潤させる方法は、これに限定されるものではない。
図19は、洗浄液付与ユニットの他の実施の形態の側面図である。
この洗浄液付与ユニット60は、ノズル面33との間で洗浄液を膜状に保持して、ノズル面33に洗浄液を付与する(ノズル面33を湿潤させる。)。
なお、同図に示す例は、傾斜して配置されたヘッド32のノズル面33に洗浄液を付与する場合(第2の実施の形態のインクジェット記録装置に適用される洗浄液付与ユニット)の例を示している。
同図に示すように、洗浄液付与ユニット260は、主として、各ヘッド32C、32M、32Y、32Kに対応して設けられる洗浄液付与装置270C、270M、270Y、270Kと、その洗浄液付与装置270C、270M、270Y、270Kが搭載されるベース272とで構成される。
ベース272は、水平に設置され、図示しない昇降装置によって昇降自在に設けられる。このベース272の上面部分には、洗浄液付与装置取付部272C、272M、272Y、272Kが形成される。各洗浄液付与装置270C、270M、270Y、270Kは、このベース272に形成された洗浄液付与装置取付部272C、272M、272Y、272Kにボルト等で固定されて取り付けられる。
各洗浄液付与装置270C、270M、270Y、270Kは、ベース272に取り付けられることにより、対応するヘッド32C、32M、32Y、32Kの移動経路上に配置される。
図20は、洗浄液付与装置の正面断面図である。
なお、各洗浄液付与装置270C、270M、270Y、270Kの構成は同じなので、ここでは洗浄液付与装置270として、その構成を説明する。
洗浄液付与装置270は、ノズル面33に洗浄液を付与する洗浄液付与ヘッド274と、ノズル面33から落ちる洗浄液を回収する洗浄液回収皿276とを備えて構成される。
洗浄液回収皿276は、上部が開口した矩形の箱状に形成されている。洗浄液付与ヘッド274は、この洗浄液回収皿276の内部に垂直に立設される。
洗浄液付与ヘッド274は、上面が傾斜した四角いブロック状に形成されており、その上部に傾斜した洗浄液保持面274Aを有している。この洗浄液保持面274Aは、清掃対象とするヘッドのノズル面33と同じ傾斜角度で形成されており、ノズル面33の幅(用紙搬送方向の幅)よりも若干広い幅をもって形成されている。
洗浄液保持面274Aの上部近傍には、洗浄液噴出口278が形成されており、この洗浄液噴出口278から洗浄液が流れ出る。洗浄液噴出口278から流れ出た洗浄液は、傾斜した洗浄液保持面274Aを流れ落ちる。これにより、洗浄液保持面274Aの上に洗浄液の層(膜)が形成される。ヘッド32は、この洗浄液保持面274Aの上に形成される洗浄液の層にノズル面33を接触させることにより、ノズル面33に洗浄液が付与される。
洗浄液付与ヘッド274の内部には、洗浄液噴出口278に連通する供給流路280が形成されている。この供給流路280は、洗浄液回収皿276に形成された連通流路276Aに連通されており、連通流路276Aは、洗浄液回収皿276に形成された洗浄液供給口276Bに連通されている。洗浄液付与ヘッド274は、この洗浄液供給口276Bに洗浄液が供給されることにより、洗浄液噴出口278から洗浄液が流れ出る。
洗浄液は、洗浄液タンク(図示せず)から供給される。洗浄液供給口276Bには、この洗浄液タンクに接続された配管(図示せず)が接続される。この配管には洗浄液供給ポンプ(図示せず)及びバルブ(図示せず)が設けられ、このバルブを開けて、洗浄液供給ポンプを駆動することにより、洗浄液タンクから洗浄液付与ヘッド274に洗浄液が供給される。
洗浄液回収皿276は、上記のように上部が開口した矩形の箱状に形成されている。この洗浄液回収皿276の底部は、傾斜して形成されており、その傾斜方向の下端部に回収穴288が形成されている。この回収穴288は、洗浄液回収皿276の内部に形成された回収流路276Cを介して、洗浄液回収皿276の側面部に形成された洗浄液排出口276Dに連通されている。
洗浄液付与ヘッド274の洗浄液噴出口278から噴出させた洗浄液は、洗浄液保持面274Aから流れ落ちて洗浄液回収皿276に回収される。この洗浄液回収皿276で回収された洗浄液は、洗浄液排出口276Dに接続された図示しない廃液配管を通って排液タンク58に回収される。
洗浄液付与ユニット260は、以上のように構成される。この洗浄液付与ユニット60による洗浄液の付与は、次のように行われる。
上記のように、ベース272は、昇降可能に設けられている。清掃時以外、ベース272は、所定の待機位置に位置している。清掃時、ベース272は、待機位置から所定量上昇して、所定の作動位置に移動する。
ベース272が、作動位置に移動すると、洗浄液付与装置270が、所定の洗浄液付与位置にセットされる。これにより、洗浄液付与ユニット260備えられた洗浄液付与ヘッド274によって各ヘッド32のノズル面33に洗浄液を付与することが可能になる。すなわち、洗浄液付与装置270が、洗浄液付与位置にセットされると、洗浄液付与ヘッド274の洗浄液保持面274Aを流れる洗浄液が、ノズル面33に接触する位置(洗浄液保持面274Aとノズル面33とのギャップが所定範囲になる位置)に洗浄液付与装置270がセットされる。
洗浄液付与装置270が、所定の洗浄液付与位置にセットされると、制御装置は、ヘッド支持フレーム34をメンテナンス位置から画像記録位置に向けて移動させる。
制御装置は、ヘッド32が洗浄液付与ヘッド274に到達するタイミングに合わせて、洗浄液供給ポンプを駆動する。これにより、洗浄液付与ヘッド274の洗浄液噴出口278から洗浄液が所定の流量で流れ出る。洗浄液噴出口278から流れ出た洗浄液は、洗浄液保持面274Aを流れ落ちる。これにより、洗浄液保持面274Aの上に洗浄液の層(膜)が形成される。
画像記録位置に向かうヘッド32は、この洗浄液付与ヘッド274を通過する際、そのノズル面33が、洗浄液付与ヘッド274の洗浄液保持面274Aの上に形成された洗浄液の層に接触する。これにより、ノズル面33に洗浄液が付与される。
このように、ノズル面33と平行な面の上に形成された洗浄液の層(膜)にノズル面33を接触させて、ノズル面33を湿潤させることもできる。
この他、ノズル面33に形成されたノズルからインクを染みださせて、ノズル面33を湿潤させることもできる。
《その他の実施の形態》
上記実施の形態では、払拭布でノズル面を払拭する構成としているが、ノズル面を払拭する部材は、これに限定されるものではない。この他、たとえばスポンジ等で払拭する構成とすることもできる。
また、上記実施の形態では、パッド本体とパッドカバーとの間に挟んで払拭布を固定する構成としているが、払拭布を固定する構成は、これに限定されるものではない。たとえば、剥離可能な接着剤等を用いて固定する構成とすることもできる。また、パッドカバーは、ネジ等を用いてパッド本体に固定する構成とすることもできる。
また、上記実施の形態では、サスペンション機構ごと払拭パッドを取り外せる構成としているが、払拭パッドのみ取り外せる構成とすることもできる。
また、上記実施の形態では、4本のスライドロッドで払拭パッドを上下動自在かつ首振り可能に支持しているが、スライドロッドの設置本数は、これに限定されるものではない。少なくとも2本設置されていればよい。
また、上記実施の形態では、ラインヘッドのノズル面を払拭する場合を例に説明したが、シャトルヘッドのノズル面を払拭する場合にも同様に適用することができる。
また、上記実施の形態では、ヘッド側を移動させて、ノズル面を払拭する構成としているが、払拭ユニット側(払拭装置側)を移動させて、ノズル面を払拭する構成としてもよい。同様に、ヘッドと払拭ユニット(払拭装置)の双方を移動させて、ノズル面を払拭する構成としてもよい。
P…用紙、10…インクジェット記録装置、20…用紙搬送機構、22…ベルト、30…ヘッドユニット、32(32C、32M、32Y、32K)…ヘッド(インクジェットヘッド)、33(33C、33M、33Y、33K)…ノズル面、33a…ノズル面保護部、34…ヘッド支持フレーム、40…メンテナンスユニット、42(42C、42M、42Y、42K)…キャップ、44…廃液トレイ、46…廃液回収配管、48…廃液タンク、50…ノズル面清掃ユニット、60…洗浄液付与ユニット、62…洗浄液付与ユニット本体フレーム、64(64C、64M、64Y、64K)…洗浄液ノズル、66…洗浄液タンク、68…洗浄液配管、70…洗浄液ポンプ、72…洗浄液バルブ、80…払拭ユニット、82…払拭ユニット本体、100(100C、100M、100Y、100K)…払拭装置、110…払拭装置本体ケース、112…トレイ、112A…カップリング取付部、114…廃液口、116…ブラケット、120(120C、120M、120Y、120K)…払拭パッド、122(122C、122M、122Y、122K)…廃液管、124…パッド本体、124A…ベースプレート、124A1…突出部、124B…パッド、124B1…パッドの円形部、124B2…パッドのテーパ部、124B3…パッドの凹部、126…払拭布、128…パッドカバー、128A…パッドカバーの挟持部、130…ロック爪、132…ロック溝、132A…ロック溝の垂直部、132B…ロック溝の水平部、140…回転駆動機構、142…パッド回転用モータ、142A…パッド回転用モータの出力軸、144…回転伝達機構、146…駆動ギア、148…従動ギア、150…駆動軸、152…カップリング、152A…カップリングのケース、160…サスペンション機構、162…回転ベース、162A…回転ベースの回転軸、164…付勢バネ、166…スライドロッド、168…ガイド穴、170…抜け止め板、180…払拭ユニット本体ケース、182C、182M、182Y、182K…払拭装置収容部、184C、184M、184Y、184K…カプラ、186…廃液路、188…廃液配管接続口、200…用紙搬送機構、202…ドラム、260…洗浄液付与ユニット、270(270C、270M、270Y、270K)…洗浄液付与装置、272C、272M、272Y、272K…洗浄液付与装置取付部、274…洗浄液付与ヘッド、274A…洗浄液保持面、276…洗浄液回収皿、276A…連通流路、276B…洗浄液供給口、276C…回収流路、276D…洗浄液排出口、278…洗浄液噴出口、280…供給流路、288…回収穴、N…ノズル

Claims (16)

  1. 記録メディアを搬送する搬送手段と、
    ノズルが配列されたノズル面を有し、前記搬送手段によって搬送される前記記録メディアに向けて前記ノズルからインクの液滴を吐出するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドの前記ノズル面に沿って相対的に移動して、前記ノズル面を払拭する払拭装置と、
    を備え、
    前記払拭装置は、
    前記ノズル面に当接される払拭部材と、
    前記ノズル面に直交する軸を中心に前記払拭部材を回転させる回転駆動手段と、
    を備え、前記払拭部材を前記回転駆動手段によって回転させながら前記ノズル面に当接させて、前記ノズル面を払拭するインクジェット記録装置。
  2. 前記払拭部材が一定の速度で回転しながら前記ノズル面に当接するように、前記回転駆動手段を制御する制御手段を更に備える請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記払拭部材を前記ノズル面に直交する方向に移動可能に支持する支持手段と、
    前記払拭部材を前記ノズル面に向けて付勢する付勢手段と、
    を更に備える請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記支持手段は、前記払拭部材を前記ノズル面に直交する方向に移動可能に支持するとともに、首振り可能に支持する請求項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記払拭部材に連結されるロッドと、
    前記回転駆動手段に駆動されて回転する回転ベースと、
    前記回転ベースに形成され、前記ロッドが挿通されて、該ロッドをガイドするガイド穴と、
    一端が前記払拭部材に連結されるとともに、他端が前記回転ベースに連結されるバネと、
    を更に備える請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記ガイド穴は、前記払拭部材側が拡がるように、テーパ状に形成される請求項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記ロッドと前記ガイド穴とは、前記払拭部材の回転中心を中心とした同心円上に複数配設される請求項又はに記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記払拭部材は、円盤状に形成され、周縁部が末広がりになるように、テーパ状に形成される請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記払拭部材は、中央に凹部が形成される請求項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記払拭部材は、
    パッドと、
    前記パッドの表面に被覆される交換可能な払拭布と、
    を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記パッドが着脱自在に設けられる請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記パッドは、
    パッド本体と、
    前記パッド本体に着脱自在に設けられ、前記パッド本体の周縁部を覆う環状のカバー部材と、
    を備え、前記払拭布は、周縁部を前記パッド本体と前記カバー部材とで挟持して、前記パッド本体に取り付けられる請求項11に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記パッドは、少なくとも前記払拭布の被覆部が弾性体で形成される請求項10から12のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記インクジェットヘッドの前記ノズル面に沿って相対的に移動して、前記ノズル面に洗浄液を付与する洗浄液付与手段を更に備える請求項1から13のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記払拭装置は、前記払拭部材の下方に前記払拭部材から滴下する前記洗浄液を回収するトレイを有する請求項14に記載のインクジェット記録装置。
  16. 前記搬送手段は、回転するドラムの周面に前記記録メディアを巻き付けて、前記記録メディアを搬送し、
    前記インクジェットヘッドは、前記ノズル面が前記ドラムの周面に対向するように、水平面に対して傾けられて配置される請求項1から15のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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