JP2013139088A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル面に洗浄液を残留させることなく、ノズル面に強固に付着した汚れを良好に除去できるインクジェット記録装置を提供する
【解決手段】ノズル面50Aはブレード112に払拭されてクリーニングされる。ブレード112には、先端部に洗浄液を供給する洗浄液個別供給流路132、先端部に供給された洗浄液を回収する洗浄液回収流路138が形成される。また、ブレード112の先端部には、先端部に供給された洗浄液を保持するための凹部130が形成される。ノズル面50Aは、ブレード112の先端から洗浄液が供給されながら払拭される。これにより、ノズル面に強固に付着した汚れも簡単に除去することができる。また、洗浄液は洗浄液回収流路138を介して回収されるので、ノズル面に洗浄液が残留するのを防止できる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、インクジェット記録装置に係り、特にインクジェットヘッドのノズル面をクリーニングする技術に関する。
インクジェットヘッドは、使用によりノズル面にインクの残渣、紙粉などさまざまな異物が付着する。ノズル面に異物が付着すると、インクの吐出方向にバラツキが生じ、画像品質が劣化する。このため、インクジェットヘッドは、ノズル面のクリーニングが行われる。
特許文献1には、非接触でノズル面に洗浄液を供給し、ワイパでノズル面を払拭する方法が記載されている。
また、特許文献2には、多孔質体で構成される清掃部材でノズル面を払拭すること、払拭時に清掃部材に吸引力を生じさせてノズル内から増粘したインク等を引き出し、クリーニング効果を高めることが記載されている。また、特許文献2には、清掃部材を常に清潔に保つため、清掃部材に洗浄液を供給して洗浄すること、及び、洗浄部材を吸引して、洗浄部材内の洗浄液を吸引排出することが記載されている。
また、特許文献3には、洗浄液を含浸した円筒形の払拭部材を回転させてノズル面を払拭すること、及び、払拭部材の中の洗浄液の含浸量を適切にするため、払拭部材を絞りローラで絞ることが記載されている。
特開平10−146984号公報 特開平6−79880号公報 特開平11−334095号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、洗浄液をそのままノズル面に付与するため、複数のモジュールを繋ぎ合わせた構成のインクジェットヘッドの場合、モジュール間の隙間に洗浄液(インクを溶解した洗浄液)が浸入し、ワイパで払拭した後も残留してしまうという問題がある。そして、このようにモジュール間の隙間に残留した洗浄液は、画像の描画中に滴下したり、氷柱状に固化(溶解したインクを含有しているため固化する)して、搬送中の記録メディアに接触したりするという問題を生じさせる。
また、特許文献2の方法は、洗浄部材中に一部洗浄液が含まれるが、その洗浄液によってノズル面に付着したインクなどの汚れを溶かすことはできないため、ノズル面に強固に付着した汚れなどは除去することはできないという欠点がある。また、吸引によってノズル内部の増粘したインクの除去はできるが、ノズル面上で強固に付着した汚れまでは除去できないという欠点がある。
また、特許文献3は、円筒形の面で接触し払拭する構成のため、ノズル面に強固に付着した汚れを完全に除去することは難しいという欠点がある。また、洗浄液を吸収可能な部材で払拭しているため、洗浄液がノズル面に十分に供給されず、洗浄液による洗浄作用(洗浄液でノズル面に付着したインク等の汚れを溶解させる作用)を十分に発揮させることができないという欠点もある。このため、ノズル面に強固に付着した汚れを除去できないという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ノズル面に洗浄液を残留させることなく、ノズル面に強固に付着した汚れを良好に除去できるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、次のとおりである。
第1の態様は、インクジェット記録装置において、記録メディアを搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送されるメディアにノズル面に形成されたノズルから液滴を吐出するインクジェットヘッドと、先端部がインクジェットヘッドのノズル面に当接され、インクジェットヘッドに対して相対的に移動して、ノズル面を払拭するブレードであって、先端部に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、先端部に供給された洗浄液を保持する洗浄液保持部と、洗浄液保持部に保持された洗浄液を回収する洗浄液回収部とを備えたブレードと、洗浄液供給部に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、洗浄液回収部から洗浄液を回収する洗浄液回収手段と、を備えた態様である。
本態様によれば、ノズル面はブレードに払拭されてクリーニングされる。ブレードには洗浄液供給部が備えられ、先端部に洗浄液が供給される。また、ブレードには洗浄液保持部が備えられ、先端部に供給された洗浄液が保持される。これにより、洗浄液を保持しながらノズル面を払拭することができ、洗浄液による洗浄作用を十分に機能させながらノズル面をクリーニングすることができる。また、これにより、ノズル面に強固に付着した汚れも簡単に除去することができる。また、ブレードには、洗浄液回収部が備えられ、洗浄液保持部に保持された洗浄液を回収することができる。これにより、ノズル面に洗浄液が残留するのを防止できる。また、これにより、複数のモジュールを繋ぎ合わせた構成のインクジェットヘッドであっても、モジュール間の隙間に洗浄液が溜まるのを防止できる。
第2の態様は、第1の態様のインクジェット記録装置において、ブレードの先端部に凹部を形成して洗浄液保持部とする態様である。
本態様によれば、洗浄液保持部がブレードの先端部に形成された凹部で構成される。これにより、簡単な構成で効率よく洗浄液を保持することができる。
第3の態様は、第1の態様のインクジェット記録装置において、ブレードの先端部に親水処理を施して洗浄液保持部とする態様である。
本態様によれば、ブレードの先端部に親水処理を施すことにより、洗浄液保持部が形成される。これにより、簡単な構成で効率よく洗浄液を保持することができる。
第4の態様は、第1の態様のインクジェット記録装置において、前記ブレードは、前記洗浄液供給部を有する第1の板状部材と、前記洗浄液回収部を有する第2の板状部材と、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材との間に配置され、前記洗浄液保持部を構成する板状の洗浄液保持部材と、を備える態様である。
本態様によれば、洗浄液供給部を有する第1の板状部材と、洗浄液回収部を有する第2の板状部材と、その第1の板状部材と第2の板状部材との間に配置され、洗浄液保持部を構成する洗浄液保持部材とを備えてブレードが構成される。すなわち、本態様では、ブレードが三層で構成される(洗浄液供給部を構成する層と、洗浄液保持部を構成する層と、洗浄液回収部を構成する層の三層)。洗浄液保持部は洗浄液保持部材によって構成され、第1の板状部材と第2の板状部材との間で洗浄液を保持する。これにより、簡単な構成で洗浄液を保持することができる。
第5の態様は、第1から4のいずれか1の態様のインクジェット記録装置において、ブレードの先端部に連通する洗浄液供給流路をブレードに形成して洗浄液供給部とする態様である。
本態様によれば、ブレードに流路(洗浄液供給流路)が形成され(第4の態様のインクジェット記録装置では、第1の板状部材に流路が形成される。)、この流路を介してブレードの先端部に洗浄液が供給される。
第6の態様は、第4の態様のインクジェット記録装置において、第1の板状部材を多孔質体で構成して洗浄液供給部とする態様である。
本態様によれば、洗浄液供給部を成す第1の板状部材が多孔質体で構成される。洗浄液は第1の板状部材に染み込ませて供給される。これにより、ブレードをノズル面に当接させることにより、第1の板状部材から洗浄液が排出され、適切にノズル面に洗浄液を付与することができる。
第7の態様は、第6の態様のインクジェット記録装置において、洗浄液供給手段は、洗浄液が貯留され、該洗浄液中に第1の板状部材の一部が浸漬される洗浄液貯留槽を備えて構成される態様である。
本態様によれば、第1の板状部材の一部を洗浄液中に浸漬させて、第1の板状部材に洗浄液が供給される。これにより、簡単な構成で洗浄液をブレードに供給することができる。
第8の態様は、第7の態様のインクジェット記録装置において、洗浄液供給手段は、第1の板状部材を圧搾し、洗浄液貯留槽に貯留された洗浄液をブレードの先端部の先端に導く洗浄液供給部圧搾手段を更に備える態様である。
本態様によれば、第1の板状部材を圧搾する手段が備えられる。これにより、より効率よく洗浄液を供給することができる。
第9の態様は、第1から8のいずれか1の態様のインクジェット記録装置において、洗浄液保持部に連通する洗浄液回収流路をブレードに形成して洗浄液回収部とし、洗浄液回収手段は、洗浄液回収流路を吸引して洗浄液を回収する吸引手段を備える態様である。
本態様によれば、ブレードに流路(洗浄液回収流路)が形成され(第4の態様のインクジェット記録装置では、第2の板状部材に流路が形成される。)、この流路を吸引することにより、洗浄液保持部に保持された洗浄液の回収が行われる。
第10の態様は、第4、6、7又は8の態様のインクジェット記録装置において、第2の板状部材を多孔質体で構成して洗浄液回収部とする態様である。
本態様によれば、洗浄液回収部を成す第2の板状部材が多孔質体で構成される。洗浄液保持部に保持された洗浄液は、第2の板状部材に染み込ませることにより回収される。これにより、簡単な構成で余剰洗浄液を回収することができる。
第11の態様は、第10の態様のインクジェット記録装置において、洗浄液回収手段は、第2の板状部材を吸引して洗浄液を回収する態様である。
本態様によれば、多孔質体で構成される第2の板状部材を吸引して洗浄液を回収する。これにより、より効率よく洗浄液を回収することができる。
第12の態様は、第10の態様のインクジェット記録装置において、洗浄液回収手段は、第2の板状部材を圧搾して洗浄液を回収する洗浄液回収部圧搾手段を備える態様である。
本態様によれば、第2の板状部材を圧搾して第2の板状部材に吸収された洗浄液が排出される。これにより、より効率よく洗浄液を回収することができる。また、これにより、第2の板状部材をクリーニングすることができ、常に清浄に保つことができる。
本発明によれば、ノズル面に洗浄液を残留させることなく、ノズル面に強固に付着した汚れを良好に除去できる。
本発明が適用されたインクジェット記録装置の一実施形態の要部の構成を示す正面図 本発明が適用されたインクジェット記録装置の一実施形態の要部の構成を示す平面図 本発明が適用されたインクジェット記録装置の一実施形態の要部の構成を示す側面図 ヘッドの概略構成を示す底面図 図4の一部を拡大した拡大図 ヘッドクリーニング装置の側面断面図 図6の7−7断面図 図6の8−8断面図 ヘッドクリーニング装置の作用の説明図 ヘッドクリーニング装置の変形例の説明図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(1)の構成を示す側面断面図 図11の12−12断面図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(1)の作用の説明図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(1)の変形例を示す側面断面図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(2)の構成を示す側面断面図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(2)の変形例を示す側面断面図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(3)の構成を示す側面断面図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(3)の変形例を示す側面断面図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(4)の構成を示す側面断面図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(4)の変形例を示す側面断面図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(4)の変形例を示す側面断面図 ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(4)の変形例を示す側面断面図 インクジェット記録装置の他の例を示す概略構成図 ヘッドクリーニング装置の他の例の説明図 ヘッドクリーニング装置の他の例の説明図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。
≪インクジェット記録装置の構成≫
図1、図2、図3は、本発明が適用されたインクジェット記録装置の一実施形態の要部の構成を示す正面図、平面図、側面図である。
このインクジェット記録装置10は、ラインヘッドを用いたシングルパス方式のインクジェット記録装置である。このインクジェット記録装置10には、記録メディアとしての枚葉の用紙Pを搬送する用紙搬送機構20と、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pに向けてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の各色インク滴を吐出して画像を描画するヘッドユニット30と、ヘッドユニット30に装着された各ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス部40と、ヘッドユニット30に装着された各ヘッドのノズル面をクリーニングするヘッドクリーニングユニット100とが備えられる。
用紙搬送機構20は、ベルト搬送機構で構成され、走行するベルト22の表面に用紙Pを吸着させて、用紙Pを搬送する。ベルト22は水平に設置され、用紙Pを水平に搬送する。
なお、用紙Pは、必要に応じて所要の前処理(たとえば、所定の処理液の塗布、乾燥処理など)が行われた後、用紙搬送機構20に給紙される。
用紙Pは、この用紙搬送機構20で搬送される過程でヘッドユニット30からC、M、Y、Kの各色のインクの液滴が吐出されて、表面に画像が描画される。
ヘッドユニット30は、シアンのインク滴を吐出するインクジェットヘッド50Cと、マゼンタのインク滴を吐出するインクジェットヘッド50Mと、イエロのインク滴を吐出するインクジェットヘッド50Yと、クロのインク滴を吐出するインクジェットヘッド50Kの各インクジェットヘッド(以下、単にヘッドという)が、ヘッド支持フレーム32に取り付けられて構成される。このヘッドユニット30は、ヘッドユニット移動機構(不図示)によって、描画位置とメンテナンス位置との間を移動可能に設けられる。
各ヘッド50C、50M、50Y、50Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成される。なお、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kの構成は同じなので、以下においては、特に区別する場合などを除いて、ヘッド50C、50M、50Y、50Kはヘッド50と記載し、その構成について説明する。
図4は、ヘッドの概略構成を示す底面図である。また、図5は、図4の一部を拡大した拡大図である。
図4に示すように、ヘッド50は、同一構成の複数のヘッドモジュール52を同一直線上に並列させて繋ぎ合わせることにより構成される。各ヘッドモジュール52は、ヘッドモジュール支持部材54に取り付けることにより、一体化されて長尺状のヘッド50を構成する。なお、各ヘッドモジュール52は、ヘッドモジュール支持部材54に着脱自在に取り付けられる。したがって、各ヘッドモジュール52は、必要に応じて交換することができる。
各ヘッドモジュール52の底面部にはノズル面52Aが形成される。このようなヘッドモジュール52が繋ぎ合わされることにより、一つの長尺状のノズル面50Aが形成される。
各ヘッドモジュール52のノズル面52Aには、インクを吐出するためのノズルNが形成される。ノズルNは、ヘッドモジュール52の長手方向(ヘッド50の長手方向(X方向))に沿ってノズル列を成すように形成される。
ここで、本実施の形態のヘッド50は、ノズルNがノズル面52Aにマトリクス状に配置される(いわゆるマトリクスヘッド)。具体的には、用紙Pの搬送方向(Y方向)に対して所定角度傾斜した方向にノズルNが一定ピッチで配置されるとともに、用紙Pの搬送方向(Y方向)と直交する方向(ヘッドの長手方向(X方向))にノズルNが一定ピッチで配置される。このようなノズルNの配置構成とすることにより、ヘッド50の長手方向(用紙Pの搬送方向と直交する方向(X方向))に投影される実質的なノズルNの間隔を狭めることができる。すなわち、ノズルNの高密度化を図ることができる。このようなマトリクスヘッドの場合、ヘッド50の長手方向(X方向)に投影されるノズルNの列が実質的なノズル列とされる。
なお、本実施の形態のヘッド50において、ノズルNはノズル面50A(52A)の中央の帯状の領域に配置されて形成される。このノズルNが配置される領域(ノズル形成領域)には、撥液処理が施される。
ヘッド支持フレーム32は、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kを取り付けるためのヘッド取付部(不図示)を備えている。各ヘッド50C、50M、50Y、50Kは、このヘッド取付部に着脱自在に取り付けられる。
ヘッド支持フレーム32に取り付けられた各ヘッド50C、50M、50Y、50Kは、ノズル面を用紙Pの搬送面に向けて配置されるとともに、用紙Pの搬送方向(Y方向)に対して直交して配置される。また、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kは、用紙Pの搬送方向(Y方向)に沿って所定の順で一定の間隔をもって配置される(本例では、シアン、マゼンタ、イエロ、クロの順で配置)。更に、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kは、そのノズル面が用紙搬送機構20の搬送面(XY平面)と平行に配置される(本例では水平に配置)。
なお、ヘッド取付部は、図示しない昇降機構によって上下方向(Z方向)に昇降可能に設けられている。ヘッド取付部に取り付けられた各ヘッド50C、50M、50Y、50Kは、この昇降機構によって垂直に昇降する。これにより、用紙搬送機構20の搬送面からノズル面までの高さを調整することができる(スローディスタンスの調整を行うことができる。)。
上記のように、ヘッドユニット30は、ヘッドユニット移動機構(不図示)によって移動可能に設けられる。ヘッドユニット移動機構は、ヘッド支持フレーム32を用紙搬送機構20による用紙Pの搬送方向(Y方向)に対して直交する方向(X方向)に水平にスライド移動させて、ヘッドユニット30を水平に移動させる。このヘッドユニット移動機構は、たとえば、用紙搬送機構20を跨いで水平に設置される天井フレームと、その天井フレームに敷設されるガイドレールと、ガイドレール上をスライド移動する走行体と、その走行体をガイドレールに沿って移動させる駆動手段(たとえば、送りねじ機構など)で構成される。ガイドレールは、用紙搬送機構20による用紙Pの搬送方向(Y方向)に直交して敷設される。したがって、走行体は、用紙Pの搬送方向(Y方向)に対して直交する方向(X方向)に水平移動する。ヘッド支持フレーム32は、走行体に取り付けられて、用紙Pの搬送方向(Y方向)に直交する方向(X方向)に水平にスライド移動する。各ヘッド50C、50M、50Y、50Kは、その長手方向が用紙Pの搬送方向(Y方向)に直交するように配置されるので、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kは、ヘッドユニット30が移動することにより、長手方向に沿って水平に移動する。
上記のように、ヘッドユニット30は、このヘッドユニット移動機構によって「描画位置」と「メンテナンス位置」との間を移動する。
ヘッドユニット30が描画位置に位置すると、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kは用紙搬送機構20の上方に配置される。これにより、用紙搬送機構20によって搬送される用紙Pに対して画像を描画することが可能になる。
一方、ヘッドユニット30がメンテナンス位置に位置すると、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kはメンテナンス部40の上に配置される。
メンテナンス部40には、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kのノズル面を覆うキャップ42C、42M、42Y、42Kが備えられる。装置を長時間停止する場合などは、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kをメンテナンス部40に移動させ、ノズル面をキャップで覆う。これにより、乾燥による不吐出等が防止される。
ヘッドクリーニングユニット100は、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kのノズル面をブレードで払拭してクリーニングする。ヘッドクリーニングユニット100には、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kのノズル面を個別にクリーニングするヘッドクリーニング装置110C、110M、110Y、110Kが備えられる。
ヘッドクリーニング装置110C、110M、110Y、110Kは、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kの移動経路上に設けられ、ヘッドユニット30がメンテナンス位置から描画位置に移動する過程で各ヘッド50C、50M、50Y、50Kのノズル面にブレードを当接させて、各ヘッド50C、50M、50Y、50Kのノズル面を払拭清掃する。この際、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110C、110M、110Y、110Kでは、ブレードの先端部に洗浄液を供給しながらヘッド50C、50M、50Y、50Kのノズル面を払拭する。
《ヘッドクリーニング装置》
以下、ヘッドクリーニング装置110C、110M、110Y、110Kの説明を行う。
なお、各ヘッドクリーニング装置110C、110M、110Y、110Kの構成は同じなので、以下においては、ヘッドクリーニング装置110として、その説明を行う。
〈構成〉
図6は、ヘッドクリーニング装置の側面断面図である。また、図7、図8は、それぞれ図6の7−7断面図、8−8断面図である。
ヘッドクリーニングユニット100は、ヘッド50のノズル面50Aを払拭するブレード112と、ブレード112に洗浄液を供給する洗浄液供給ユニット114と、ブレード112から洗浄液を回収する洗浄液回収ユニット116とを備えて構成される。
ブレード112は、弾性を有する素材(たとえば、ゴムなど)で可撓性をもって形成され、矩形の板状に形成される。ブレード112の幅(ブレード112の長手方向の幅)は、ヘッド50の幅(ヘッド50の長手方向に直交する方向の幅)に対応して形成される。すなわち、ブレード112は、ノズル面50Aの幅方向の全域に当接するように、その幅がヘッド50の幅とほぼ同じ幅で形成される。
ブレード112は、基端部(下端部)をブレードホルダ118に保持されて、垂直に配設される(先端面がノズル面50Aと平行に配設される。)。また、ヘッド50の長手方向に対して直交するように配設される(ブレード112の長手方向が用紙Pの搬送方向(Y方向)に沿って配置される。)。
ブレード112を保持するブレードホルダ118は、洗浄液受皿120の内側に取り付けられる。洗浄液受皿120は、架台122の上に水平に設置される。この洗浄液受皿120は、ブレード112から滴下する洗浄液を回収する。洗浄液受皿120には、排液口120Aが形成される。排液口120Aは排液管124を介して排液タンク126に接続される。洗浄液受皿120で回収された洗浄液は、排液口120Aから排液管124を介して排液タンク126に回収される。
洗浄液受皿120が設置される架台122は、図示しない昇降装置によって上下方向(Z方向)に昇降可能に設けられる。ブレード112は、この昇降装置によって架台122が上下方向(Z方向)に移動することにより、当接位置と退避位置との間を移動する。
ここで、当接位置は、ブレード112の先端部がヘッド50のノズル面50Aに当接する位置に設定され、退避位置は、ブレード112の先端部をヘッド50のノズル面50Aに当接しない位置(当接位置から所定量下側に退避した位置)に設定される。したがって、ブレード112を当接位置に移動させれば、移動するヘッド50のノズル面50Aにブレード112の先端部を当接させることができ、ヘッド50のノズル面50Aをブレード112で払拭することができる。
昇降装置の駆動は、図示しない制御装置によって行われ、制御装置は、所定の制御プログラムを実行して、架台122の昇降、すなわち、ブレード112の移動を制御する。
上記のように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110では、ブレード112の先端部に洗浄液を供給しながらヘッド50のノズル面50Aを払拭する。
ブレード112の先端面には、洗浄液の供給部としての噴出口128がブレード112の長手方向に沿って一定ピッチで複数形成される。また、ブレード112の先端面には、洗浄液の保持部としての凹部130がブレード112の長手方向に沿って形成される。
凹部130はブレード112の長手方向にわたって直線状に形成される。この凹部130は、噴出口128に対して払拭方向の下流側に配置される。本実施の形態のインクジェット記録装置10では、ヘッドユニット30がメンテナンス位置から描画位置に移動する過程でヘッド50のノズル面50Aがクリーニングされるので、メンテナンス位置側に噴出口128が配置され、描画位置側に凹部130が配置される。噴出口128から噴き出された洗浄液は、この凹部130に貯留されて保持される。
ブレード112の内部には、各噴出口128に連通する洗浄液個別供給流路132が形成される。各洗浄液個別供給流路132は、ブレード112の高さ方向(Z方向)に沿って配設され、各噴出口128に個別に連通される。
各洗浄液個別供給流路132の下端は、ブレードホルダ118に形成された洗浄液共通供給流路134に連通される。洗浄液共通供給流路134は、架台122に形成された洗浄液供給口136に連通される。洗浄液供給ユニット114は、この洗浄液供給口136に洗浄液を供給する。
また、ブレード112の内部には、凹部130に連通する洗浄液回収流路138が形成される。洗浄液回収流路138は、洗浄液個別供給流路132とは独立した流路で構成され、凹部130の長手方向(Y方向)に沿って一定ピッチで複数本配設される。また、各洗浄液回収流路138は、ブレード112の高さ方向(Z方向)に沿って配設される。
各洗浄液回収流路138は、ブレードホルダ118に形成された洗浄液共通回収流路140に連通される。洗浄液共通回収流路140も洗浄液共通供給流路134とは独立した流路で構成され、架台122に形成された洗浄液回収口142に連通される。洗浄液回収ユニット116は、この洗浄液回収口142から洗浄液を回収する。
洗浄液供給ユニット114は、洗浄液供給口136を介してブレード112に洗浄液を供給する。洗浄液供給ユニット114は、洗浄液供給タンク144と、洗浄液供給管146と、洗浄液供給ポンプ148と、洗浄液供給バルブ150とを備えて構成される。
洗浄液供給タンク144には、ブレード112に供給する洗浄液が貯留される。使用する洗浄液は特に限定されないが、ノズル面に付着した汚れを効率よく除去できるように、汚れ(インク等)を溶解させることができる成分を含む液体が好ましい。
洗浄液供給管146は、一端が洗浄液供給タンク144に接続され、他端が洗浄液供給口136に接続される。
洗浄液供給ポンプ148は、洗浄液供給管146の途中に設置され、洗浄液供給タンク144に貯留された洗浄液をブレード112に送液する。
洗浄液供給バルブ150は、洗浄液供給管146の途中に設置され、洗浄液供給管146の流路を開閉する。
洗浄液供給バルブ150を開け、洗浄液供給ポンプ148を駆動することにより、洗浄液供給タンク144に貯留された洗浄液がブレード112に供給される。これにより、ブレード112の先端部に設けられた噴出口128から洗浄液が噴出される。
洗浄液供給ポンプ148の駆動及び洗浄液供給バルブ150の開閉は、制御装置(不図示)によって制御される。制御装置は、所定の制御プログラムを実行して、洗浄液供給ポンプ148の駆動及び洗浄液供給バルブ150の開閉を制御し、洗浄液の供給を制御する。
洗浄液回収ユニット116は、洗浄液回収口142を介してブレード112から洗浄液を回収する。洗浄液回収ユニット116は、排液タンク126と、洗浄液回収管152と、洗浄液回収ポンプ154と、洗浄液回収バルブ156とを備えて構成される。
排液タンク126には、ブレード112から回収した洗浄液が貯留される。
洗浄液回収管152は、一端が排液タンク126に接続され、他端が洗浄液回収口142に接続される。
洗浄液回収ポンプ154は、洗浄液回収管152の途中に設置され、ブレード112から洗浄液を吸引し、排液タンク126に送液する。
洗浄液回収バルブ156は、洗浄液回収管152の途中に設置され、洗浄液回収管152の流路を開閉する。
洗浄液回収バルブ156を開け、洗浄液回収ポンプ154を駆動することにより、ブレード112から洗浄液が回収される。すなわち、凹部130に保持された洗浄液が吸引されて排液タンク126に回収される。
洗浄液回収ポンプ154の駆動及び洗浄液回収バルブ156の開閉は、制御装置(不図示)によって制御される。制御装置は、所定の制御プログラムを実行して、洗浄液回収ポンプ154の駆動及び洗浄液回収バルブ156の開閉を制御し、洗浄液の回収を制御する。
〈ヘッドのクリーニング動作〉
次に、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110によるヘッド50のクリーニング動作について説明する。
上記のように、ヘッド50のクリーニングは、ヘッド50をメンテナンス位置から描画位置に移動させる過程で行われる。
メンテナンス位置に位置しているヘッド50に対して描画位置への移動指示がなされると、制御装置(不図示)が架台122の昇降装置(不図示)を駆動し、ブレード112を当接位置に移動させる。これにより、ブレード112の先端をヘッド50のノズル面50Aに当接させることが可能になる。
ヘッド50の移動が開始されると、制御装置は、ヘッド50の先端(ここでは描画位置側の端部)がヘッドクリーニング装置110の設置位置に到達したか否かを判定する。
なお、ヘッド50は、一定の速度でメンテナンス位置から描画位置に向かって移動する。ヘッドクリーニング装置110は固定されているので、ヘッド50の移動開始からの経過時間からヘッド50の先端がヘッドクリーニング装置110の設置位置に到達したか否かを判定することができる。
ヘッド50の先端がヘッドクリーニング装置110の設置位置に到達すると、洗浄液供給ユニット114及び洗浄液回収ユニット116が駆動される。すなわち、洗浄液供給バルブ150が開けられ、洗浄液供給ポンプ148が駆動される。これにより、ブレード112の先端部に設けられた噴出口128から洗浄液が噴出される。また、洗浄液回収バルブ156が開けられ、洗浄液回収ポンプ154が駆動される。これにより、ブレード112の先端部に供給された洗浄液が回収される。
このように、ヘッド50の先端がヘッドクリーニング装置110の設置位置に到達すると、ブレード112に対して洗浄液の供給と回収とが行われる。
ここで、洗浄液は供給だけでなく回収も同時に行われるが、ブレード112の先端部には凹部130が形成されているため、ブレード112の先端部に供給された洗浄液は、この凹部130で保持される。すなわち、図9(A)に示すように、ブレード112の先端部には洗浄液の液溜まりLが形成される。
ヘッド50は、一定速度で描画位置に向かって移動し、その移動経路上に設置されたヘッドクリーニング装置110を通過する際、ノズル面50Aにブレード112の先端部が当接される。これにより、ノズル面50Aがブレード112によって払拭される。
上記のように、ブレード112の先端部には洗浄液の液溜まりが形成されている。このため、図9(B)に示すように、ノズル面50Aは、洗浄液が接触しながら払拭される。これにより、洗浄液による洗浄作用(汚れ(インク等)の溶解作用等)を十分に機能させながらノズル面50Aを払拭することができ、ノズル面50Aに付着した強固な汚れを効率よく除去することができる。
また、洗浄液は、供給と同時に吸引による回収も行っているので、ノズル面50Aに洗浄液が残留するのを防止することができる。特に、本実施の形態のヘッド50のように、複数のヘッドモジュール52を繋ぎ合わせて構成される場合であっても、洗浄液を残すことなく払拭することができる。すなわち、本実施の形態のヘッド50のように、複数のヘッドモジュール52を繋ぎ合わせてヘッドを構成すると、隣り合うヘッドモジュール間のつなぎ目の部分に隙間が形成される。このような隙間を有するヘッド50に洗浄液を直接付与して払拭すると、洗浄液が隙間に残留しやすい。しかし、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110のように、吸引しながら払拭することにより、ノズル面50Aに隙間部分があっても、洗浄液を残すことなく払拭することができる。
洗浄液の供給と回収とは、ヘッド50の後端(ここではメンテナンス位置側の端部)がヘッドクリーニング装置110を通過するまで行われる。ヘッド50の後端が、ヘッドクリーニング装置110の設置位置を通過すると、洗浄液の供給と回収とが停止される。すなわち、洗浄液供給ポンプ148の駆動が停止されるとともに、洗浄液供給バルブ150が閉じられる。また、洗浄液回収ポンプ154の駆動が停止されるとともに、洗浄液回収バルブ156が閉じられる。これにより、ブレード112への洗浄液の供給と回収とが停止される。
また、洗浄液の供給と回収とが停止されると、架台122の昇降装置(不図示)が駆動され、ブレード112が退避位置に移動する。
以上により、ヘッド50のクリーニングが完了する。
上記のように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110では、ブレード112の先端部に洗浄液の液溜まりを形成しながらノズル面50Aを払拭する。これにより、洗浄液の洗浄作用を十分に作用させながらノズル面50Aを払拭することができ、ノズル面50Aに付着した強固な汚れを効率よく除去することができる。
また、供給した洗浄液を回収しながらノズル面50Aを払拭するので、ノズル面50Aに洗浄液を残留させることなく払拭することができる。
なお、本実施の形態では、ブレード112の先端部で洗浄液を保持するために、ブレード112の先端部に凹部130を形成しているが、ブレード112は、一定の厚みをもって形成されるので、凹部130を設けなくても、ある程度は洗浄液を保持することができる。したがって、ブレード112の先端は平坦に形成することもできる。しかし、本実施の形態のブレード112のように、凹部130を形成することにより、より効率よく洗浄液を保持することができ、洗浄液の洗浄機能を効果的にノズル面に作用させることができる。
なお、洗浄液を保持するための構造は、凹部に限定されるものではない。この他、たとえば、図10に示すように、ブレード112の先端面に親水処理を施すことにより、洗浄液を保持しやすい構造とすることもできる。
≪ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態≫
〈他の実施の形態(1)〉
〔構成〕
図11は、ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(1)の構成を示す側面断面図である。また、図12は、図11の12−12断面図である。
図11、図12に示すように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置は、ブレード112の構成が上述した実施の形態のヘッドクリーニング装置と相違している。したがって、ここではブレード112の構成についてのみ説明する。
ブレード112は、洗浄液の供給部を構成する洗浄液供給層160と、洗浄液の回収部を構成する洗浄液回収層162と、その洗浄液供給層160と洗浄液回収層162との間に挟まれて、洗浄液供給層160と洗浄液回収層162とを分離するとともに、その先端部で洗浄液を保持する洗浄液保持層164との三層で構成され、全体として可撓性を有する板状に形成される。
洗浄液供給層160は、可撓性を有する板状の多孔質体(たとえば、スポンジなど)で構成される。したがって、この洗浄液供給層160には洗浄液を含浸させることができる。
洗浄液回収層162も洗浄液供給層160と同様に可撓性を有する板状の多孔質体(たとえば、スポンジなど)で構成される。したがって、この洗浄液回収層162も洗浄液を含浸させることができる。
洗浄液保持層164は、洗浄液供給層160と洗浄液回収層162とを分離するため、可撓性を有し、かつ、浸透性のない素材(たとえば、非浸透性のゴムなど)で板状に形成される。ブレード112は、この洗浄液保持層164を洗浄液供給層160と洗浄液回収層162とで挟んで一体化(たとえば、接着など)することにより層状に形成される。
ブレード112は、上記実施の形態のヘッドクリーニング装置110と同様に、ブレードホルダ118に取り付けられる。すなわち、基端部がブレードホルダ118に保持される。この際、ブレード112は、洗浄液供給層160が払拭方向の上流側に位置するように取り付けられる。ここでは、描画位置側に洗浄液供給層160が位置するように取り付けられる。
ブレードホルダ118に保持されたブレード112は、洗浄液供給層160に洗浄液共通供給流路134が連通され、洗浄液回収層162に洗浄液共通回収流路140が連通される。
したがって、洗浄液供給ユニット114を駆動すると、洗浄液共通供給流路134を介して、洗浄液供給層160に洗浄液が供給される。また、洗浄液回収ユニット116を駆動すると、洗浄液共通回収流路140を介して、洗浄液回収層162から洗浄液が吸引される。
洗浄液供給層160に洗浄液が供給されることにより、洗浄液供給層160に洗浄液が含浸される。この状態でブレード112をヘッド50のノズル面50Aに当接させると、極微量の洗浄液がノズル面50Aに排出され(染み出す)、ノズル面50Aに洗浄液が付与される。また、洗浄液回収層162が吸引されることにより、ノズル面50Aに付与された洗浄液が洗浄液回収層162に吸引されて回収される。
〔ヘッドのクリーニング動作〕
次に、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110によるヘッド50のクリーニング動作について説明する。
メンテナンス位置に位置しているヘッド50に対して描画位置への移動指示がなされると、制御装置(不図示)が架台122の昇降装置(不図示)を駆動し、ブレード112を当接位置に移動させる。これにより、ブレード112の先端をヘッド50のノズル面50Aに当接させることが可能になる。
ヘッド50の移動が開始されると、制御装置はヘッド50の先端(ここでは描画位置側の端部)がヘッドクリーニング装置110の設置位置に到達したか否かを判定する。
ヘッド50の先端がヘッドクリーニング装置110の設置位置に到達すると、洗浄液供給ユニット114及び洗浄液回収ユニット116が駆動される。すなわち、洗浄液供給バルブ150が開けられ、洗浄液供給ポンプ148が駆動される。これにより、洗浄液供給層160に洗浄液が供給される。また、洗浄液回収バルブ156が開けられ、洗浄液回収ポンプ154が駆動される。これにより、洗浄液回収層162が吸引される。
ヘッド50は、一定速度で描画位置に向かって移動し、その移動経路上に設置されたヘッドクリーニング装置110を通過する際、ノズル面50Aにブレード112の先端部が当接される。これにより、ノズル面50Aがブレード112によって払拭される。
ここで、ブレード112の洗浄液供給層160には洗浄液が含浸されているため、ブレード112の先端部がノズル面50Aに当接すると、図13に示すように、洗浄液供給層160の先端部から洗浄液Lが排出される(極微量)。したがって、ノズル面50Aは、洗浄液が付与されながら払拭される。これにより、洗浄液による洗浄作用を十分に機能させながらノズル面50Aを払拭することができ、ノズル面50Aに付着した強固な汚れを効率よく除去することができる。
この際、本実施の形態のブレード112は、洗浄液供給層160と洗浄液回収層162との間に洗浄液保持層164が配置されているので、洗浄液供給層160から排出された洗浄液をブレード112の先端部で保持することができる。これにより、より効率よく洗浄液の洗浄作用を機能させることができる。
また、洗浄液は供給と同時に回収も行われているので、ノズル面50Aに洗浄液が残留するのを防止することができる。ノズル面50Aに供給された洗浄液は、洗浄液回収層162で吸収され、回収される。
洗浄液の供給と回収とは、ヘッド50の後端(ここではメンテナンス位置側の端部)がヘッドクリーニング装置110を通過するまで行われる。ヘッド50の後端が、ヘッドクリーニング装置110の設置位置を通過すると、洗浄液の供給と回収とが停止される。すなわち、洗浄液供給ポンプ148の駆動が停止されるとともに、洗浄液供給バルブ150が閉じられる。また、洗浄液回収ポンプ154の駆動が停止されるとともに、洗浄液回収バルブ156が閉じられる。これにより、ブレード112への洗浄液の供給と回収とが停止される。
また、洗浄液の供給と回収とが停止されると、架台122の昇降装置(不図示)が駆動され、ブレード112が退避位置に移動する。
以上により、ヘッド50のクリーニングが完了する。
上記のように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110では、洗浄液を含浸させたブレード112でノズル面50Aを払拭するので、洗浄液の洗浄作用を十分に作用させながらノズル面50Aを払拭することができる。これにより、ノズル面50Aに付着した強固な汚れを効率よく除去することができる。
また、供給した洗浄液を回収しながらノズル面50Aを払拭するので、ノズル面50Aに洗浄液を残留させることなく払拭することができる。
なお、本実施の形態では、ブレード112の先端を平坦に形成しているが、図14に示すように、洗浄液保持層164の先端部を洗浄液供給層160及び洗浄液回収層162の先端から退避させ、ブレード112の先端部に凹部166を形成してもよい。これにより、より効率よく洗浄液を保持することができる。
また、洗浄液保持層164の先端部に親水処理を施すことにより、洗浄液を保持しやすい構造とすることもできる。
なお、本実施の形態では、洗浄液回収層162を洗浄液回収ポンプ154で積極的に吸引して洗浄液を回収する構成としているが、洗浄液回収層162を多孔質体で構成した場合、洗浄液回収層自身の吸収能力で洗浄液を回収することができる。したがって、本例のように、洗浄液回収層を多孔質体で構成した場合は、図14に示すように、洗浄液回収ユニット116を設けない構成とすることもできる。この場合、たとえば、定期的にブレード112を交換したり、ブレード112のメンテナンス(洗浄液回収層に吸収された洗浄液の除去など)を行ったりして、洗浄液回収層の洗浄液の吸収能力を回復させる。
また、ブレード112は、全体として可撓性を有して構成されていればよく、必ずしもすべての層が可撓性を有する素材で形成される必要はない。たとえば、洗浄液保持層164についてのみ可撓性を有する素材で形成し、洗浄液供給層160及び洗浄液保持層164については、変形可能な多孔質体(洗浄液を含浸可能で変形できる素材)で形成するようにしてもよい。
〈他の実施の形態(2)〉
〔構成〕
図15は、ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(2)の構成を示す側面断面図である。
図15に示すように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置は、ブレード112の構成が上述した実施の形態のヘッドクリーニング装置と相違している。したがって、ここではブレード112の構成についてのみ説明する。
ブレード112は、洗浄液の供給部を構成する洗浄液供給層170と、洗浄液の保持・回収部を構成する洗浄液保持・回収層172との二層で構成され、全体として可撓性を有する板状に形成される。
洗浄液供給層170は、可撓性を有する板状の多孔質体で構成される。したがって、この洗浄液供給層170には洗浄液を含浸させることができる。
洗浄液保持・回収層172は、可撓性を有し、かつ、浸透性のない素材(たとえば、非浸透性のゴムなど)で板状に形成される。この洗浄液保持・回収層172には、洗浄液回収流路174が形成される。洗浄液回収流路174は、ブレード112の長手方向(Y方向)に沿って一定ピッチで複数本配設され、洗浄液保持・回収層172の先端部から基端部に向けて貫通して形成される。
ブレード112は、上記実施の形態のヘッドクリーニング装置110と同様に、ブレードホルダ118に取り付けられる。すなわち、基端部がブレードホルダ118に保持される。この際、ブレード112は、洗浄液供給層160が払拭方向の上流側に位置するように取り付けられる。ここでは、描画位置側に洗浄液供給層170が位置するように取り付けられる。
ブレードホルダ118に保持されたブレード112は、洗浄液供給層170に洗浄液共通供給流路134が連通され、洗浄液保持・回収層172の洗浄液回収流路174に洗浄液共通回収流路140が連通される。
したがって、洗浄液供給ユニット114を駆動すると、洗浄液共通供給流路134を介して、洗浄液供給層160に洗浄液が供給される。また、洗浄液回収ユニット116を駆動すると、洗浄液回収流路174から洗浄液が吸引される。
洗浄液供給層160に洗浄液が供給されることにより、洗浄液供給層160に洗浄液が含浸される。この状態でブレード112をヘッド50のノズル面50Aに当接させると、極微量の洗浄液がノズル面50Aに排出され、ノズル面50Aに洗浄液が付与される。また、洗浄液回収流路174が吸引されることにより、ノズル面50Aに付与された洗浄液が洗浄液回収流路174から回収される。
〔ヘッドのクリーニング動作〕
次に、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110によるヘッド50のクリーニング動作について説明する。
メンテナンス位置に位置しているヘッド50に対して描画位置への移動指示がなされると、制御装置(不図示)が架台122の昇降装置(不図示)を駆動し、ブレード112を当接位置に移動させる。これにより、ブレード112の先端をヘッド50のノズル面50Aに当接させることが可能になる。
ヘッド50の移動が開始されると、制御装置はヘッド50の先端(ここでは描画位置側の端部)がヘッドクリーニング装置110の設置位置に到達したか否かを判定する。
ヘッド50の先端がヘッドクリーニング装置110の設置位置に到達すると、洗浄液供給ユニット114及び洗浄液回収ユニット116が駆動される。すなわち、洗浄液供給バルブ150が開けられ、洗浄液供給ポンプ148が駆動される。これにより、洗浄液供給層170に洗浄液が供給される。また、洗浄液回収バルブ156が開けられ、洗浄液回収ポンプ154が駆動される。これにより、洗浄液回収流路174が吸引される。
ヘッド50は、一定速度で描画位置に向かって移動し、その移動経路上に設置されたヘッドクリーニング装置110を通過する際、ノズル面50Aにブレード112の先端部が当接される。これにより、ノズル面50Aがブレード112によって払拭される。
ここで、ブレード112の洗浄液供給層170には洗浄液が含浸されているため、ブレード112の先端部がノズル面50Aに当接すると、洗浄液供給層170の先端部から洗浄液Lが排出される(極微量)。したがって、ノズル面50Aは、洗浄液が付与されながら払拭される。これにより、洗浄液による洗浄作用を十分に機能させながらノズル面50Aを払拭することができ、ノズル面50Aに付着した強固な汚れを効率よく除去することができる。
この際、本実施の形態のブレード112は、洗浄液供給層170の払拭方向下流側に洗浄液保持・回収層172が配置されているので、洗浄液供給層170から排出された洗浄液をブレード112の先端部で保持することができる。これにより、より効率よく洗浄液の洗浄作用を機能させることができる。
また、洗浄液は供給と同時に回収も行われているので、ノズル面50Aに洗浄液が残留するのを防止することができる。ノズル面50Aに供給された洗浄液は、洗浄液回収流路174で吸引され、回収される。
洗浄液の供給と回収とは、ヘッド50の後端(ここではメンテナンス位置側の端部)がヘッドクリーニング装置110を通過するまで行われる。ヘッド50の後端が、ヘッドクリーニング装置110の設置位置を通過すると、洗浄液の供給と回収とが停止される。すなわち、洗浄液供給ポンプ148の駆動が停止されるとともに、洗浄液供給バルブ150が閉じられる。また、洗浄液回収ポンプ154の駆動が停止されるとともに、洗浄液回収バルブ156が閉じられる。これにより、ブレード112への洗浄液の供給と回収とが停止される。
また、洗浄液の供給と回収とが停止されると、架台122の昇降装置(不図示)が駆動され、ブレード112が退避位置に移動する。
以上により、ヘッド50のクリーニングが完了する。
上記のように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110では、洗浄液を含浸させたブレード112でノズル面50Aを払拭するので、洗浄液の洗浄作用を十分に作用させながらノズル面50Aを払拭することができる。これにより、ノズル面50Aに付着した強固な汚れを効率よく除去することができる。
また、供給した洗浄液を回収しながらノズル面50Aを払拭するので、ノズル面50Aに洗浄液を残留させることなく払拭することができる。
なお、本実施の形態のブレード112においても、図16に示すように、ブレード112の先端部に凹部176を形成するようにしてもよい。これにより、より効率よく洗浄液を保持することができる。
また、洗浄液保持・回収層172の先端部に親水処理を施すことにより、洗浄液を保持しやすい構造とすることもできる。
なお、ブレード112は、全体として可撓性を有して構成されていればよく、必ずしもすべての層が可撓性を有する素材で形成される必要はない。たとえば、洗浄液保持・回収層172についてのみ可撓性を有する素材で形成し、洗浄液供給層170については、変形可能な多孔質体(洗浄液を含浸可能で変形できる素材)で形成するようにしてもよい。
〈他の実施の形態(3)〉
〔構成〕
図17は、ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(3)の構成を示す側面断面図である。
図17に示すように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置は、ブレード112の構成が上述した実施の形態のヘッドクリーニング装置と相違している。したがって、ここではブレード112の構成についてのみ説明する。
ブレード112は、洗浄液の供給・保持部を構成する洗浄液供給・保持層180と、洗浄液の回収部を構成する洗浄液回収層182との二層で構成され、全体として可撓性を有する板状に形成される。
洗浄液供給・保持層180は、可撓性を有し、かつ、浸透性のない素材(たとえば、非浸透性のゴムなど)で所定の厚さの板状に形成される。この洗浄液供給・保持層180には、先端部に通じる洗浄液個別供給流路184が形成される。洗浄液個別供給流路184は、ブレード112の長手方向(Y方向)に沿って一定ピッチで複数本配設され、洗浄液供給・保持層180の先端部から基端部に向けて貫通して形成される。
洗浄液回収層182は、可撓性を有する板状の多孔質体で構成される。したがって、この洗浄液回収層182には、洗浄液を含浸させることができる。
ブレード112は、上記実施の形態のヘッドクリーニング装置110と同様に、ブレードホルダ118に取り付けられる。すなわち、基端部がブレードホルダ118に保持される。この際、ブレード112は、洗浄液供給層160が払拭方向の上流側に位置するように取り付けられる。ここでは、描画位置側に洗浄液供給層170が位置するように取り付けられる。
ブレードホルダ118に保持されたブレード112は、洗浄液供給・保持層180の洗浄液個別供給流路184に洗浄液共通供給流路134が連通され、洗浄液回収層192に洗浄液共通回収流路140が連通される。
したがって、洗浄液供給ユニット114を駆動すると、洗浄液共通供給流路134を介して、洗浄液個別供給流路184に洗浄液が供給される。また、洗浄液回収ユニット116を駆動すると、洗浄液回収層182から洗浄液が吸引される。
洗浄液個別供給流路184に洗浄液が供給されることにより、ブレード112の先端から洗浄液が噴出される。また、洗浄液回収層182が吸引されることにより、ブレード112の先端部から洗浄液が回収される。
〔ヘッドのクリーニング動作〕
次に、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110によるヘッド50のクリーニング動作について説明する。
メンテナンス位置に位置しているヘッド50に対して描画位置への移動指示がなされると、制御装置(不図示)が架台122の昇降装置(不図示)を駆動し、ブレード112を当接位置に移動させる。これにより、ブレード112の先端をヘッド50のノズル面50Aに当接させることが可能になる。
ヘッド50の移動が開始されると、制御装置はヘッド50の先端(ここでは描画位置側の端部)がヘッドクリーニング装置110の設置位置に到達したか否かを判定する。
ヘッド50の先端がヘッドクリーニング装置110の設置位置に到達すると、洗浄液供給ユニット114及び洗浄液回収ユニット116が駆動される。すなわち、洗浄液供給バルブ150が開けられ、洗浄液供給ポンプ148が駆動される。これにより、洗浄液個別供給流路184に洗浄液が供給される。また、洗浄液回収バルブ156が開けられ、洗浄液回収ポンプ154が駆動される。これにより、洗浄液回収層182が吸引される。
ヘッド50は、一定速度で描画位置に向かって移動し、その移動経路上に設置されたヘッドクリーニング装置110を通過する際、ノズル面50Aにブレード112の先端部が当接される。これにより、ノズル面50Aがブレード112によって払拭される。
ここで、ブレード112の先端からは洗浄液個別供給流路184から洗浄液が噴出されているので、ノズル面50Aは、洗浄液が接触しながら払拭される。これにより、洗浄液による洗浄作用(汚れ(インク等)の溶解作用等)を十分に機能させながらノズル面50Aを払拭することができ、ノズル面50Aに付着した強固な汚れを効率よく除去することができる。
また、洗浄液は供給と同時に回収も行われているので、ノズル面50Aに洗浄液が残留するのを防止することができる。ノズル面50Aに供給された洗浄液は、洗浄液回収層182に吸収されて回収される。
洗浄液の供給と回収とは、ヘッド50の後端(ここではメンテナンス位置側の端部)がヘッドクリーニング装置110を通過するまで行われる。ヘッド50の後端が、ヘッドクリーニング装置110の設置位置を通過すると、洗浄液の供給と回収とが停止される。すなわち、洗浄液供給ポンプ148の駆動が停止されるとともに、洗浄液供給バルブ150が閉じられる。また、洗浄液回収ポンプ154の駆動が停止されるとともに、洗浄液回収バルブ156が閉じられる。これにより、ブレード112への洗浄液の供給と回収とが停止される。
また、洗浄液の供給と回収とが停止されると、架台122の昇降装置(不図示)が駆動され、ブレード112が退避位置に移動する。
以上により、ヘッド50のクリーニングが完了する。
上記のように、本実施の形態のヘッドクリーニング装置110では、洗浄液が供給されながらブレード112でノズル面50Aが払拭されるので、洗浄液の洗浄作用を十分に作用させながらノズル面50Aを払拭することができる。これにより、ノズル面50Aに付着した強固な汚れを効率よく除去することができる。
また、供給した洗浄液を回収しながらノズル面50Aを払拭するので、ノズル面50Aに洗浄液を残留させることなく払拭することができる。
なお、本実施の形態のブレード112においても、図18に示すように、ブレード112の先端部に凹部186を形成するようにしてもよい。これにより、より効率よく洗浄液を保持することができる。また、洗浄液供給・保持層180の先端部に親水処理を施すことにより、洗浄液を保持しやすい構造とすることもできる。
なお、ブレード112は、全体として可撓性を有して構成されていればよく、必ずしもすべての層が可撓性を有する素材で形成される必要はない。たとえば、洗浄液保持・回収層172についてのみ可撓性を有する素材で形成し、洗浄液供給層170については、変形可能な多孔質体(洗浄液を含浸可能で変形できる素材)で形成するようにしてもよい。
〈他の実施の形態(4)〉
図19は、ヘッドクリーニング装置のその他の実施の形態(4)の構成を示す側面断面図である。
本実施の形態のヘッドクリーニング装置110では、ブレード112に洗浄液を自然に吸収させて、洗浄液の供給と回収とが行われる。
図19に示すように、本実施の形態のブレード112は、先端側が洗浄液供給層190と、洗浄液回収層192と、洗浄液保持層194との三層で構成され、基端側が洗浄液供給層190と洗浄液保持層194との二層で構成される。
洗浄液供給層190は、可撓性を有する板状の多孔質体で構成される。したがって、この洗浄液供給層190には洗浄液を含浸させることができる。
洗浄液回収層192も洗浄液供給層190と同様に可撓性を有する板状の多孔質体で構成される。したがって、この洗浄液回収層192も洗浄液を含浸させることができる。
洗浄液保持層194は、洗浄液供給層190と洗浄液回収層192とを分離するため、可撓性を有し、かつ、浸透性のない素材(たとえば、非浸透性のゴムなど)で板状に形成される。
ブレード112は、基端部をブレードホルダ118に保持されて、垂直に配設される。
ブレード112を保持するブレードホルダ118は、洗浄液貯留槽196の底部に取り付けられる。洗浄液貯留槽196は、架台122の上に水平に設置される。洗浄液貯留槽196には、洗浄液供給ユニット114から洗浄液が供給されて、一定の水位で洗浄液が貯留される。
ブレード112は、この洗浄液貯留槽196に貯留された洗浄液に一部(洗浄液回収層192の下端よりも下側の領域)が浸漬される。このように、ブレード112が洗浄液中に浸漬されることにより、多孔質体で構成された洗浄液供給層190に洗浄液が自然に吸収される(洗浄液が含浸される。)。
洗浄液供給層190に洗浄液が吸収されたブレード112は、ノズル面50Aの払拭時にノズル面50Aに排出され(染み出す)、ノズル面50Aに付与される。これにより、洗浄液を供給しながらノズル面50Aを払拭でき、ノズル面50Aに付着した強固な汚れを効率よく除去できる。
また、ブレード112の先端から染み出した洗浄液は、洗浄液保持層194を有することにより、ノズル面上に効果的に保持され、洗浄液の洗浄作用をより効果的に機能させることができる。
また、ノズル面50Aに付与された洗浄液は、多孔質体で構成された洗浄液回収層192が接触することにより、洗浄液回収層192に吸収される。これにより、ノズル面上に洗浄液が残留するのを防止することができる。
このように、洗浄液の供給、回収は、多孔質体の吸収能力を利用して行うようにしてもよい。これにより、ヘッドクリーニング装置110の構成を簡略化することができる。
なお、本実施の形態では、ノズル面50Aに付与した洗浄液を洗浄液回収層192で吸収させる構成としているが、洗浄液回収層192の吸収能力には、限界があるので、ブレード112の交換を行ったり、適宜、メンテナンス(洗浄液回収層に吸収された洗浄液の除去など)を行ったりして、洗浄液回収層の吸収能力を回復させることが好ましい。
また、図20に示すように、洗浄液回収ユニット116を設けるとともに、洗浄液回収層192に連通する洗浄液回収流路198を洗浄液保持層194に形成し、洗浄液回収ユニット116で洗浄液回収層192を吸引できる構成としてもよい。これにより、より効率よく洗浄液を回収することができる。
また、ブレード112を圧搾する手段を設け、ブレード112を圧搾して、洗浄液回収層192の洗浄能力を回復させることもできる。図21は、この場合の一例を示す概念図である。同図に示すように、このヘッドクリーニング装置110は、ブレード112を圧搾するための一対のニップロール210、212を備えている。
一対のニップロール210、212は、ブレード112とほぼ同じ幅で形成され、ブレード112を挟んで配置される。ブレード112は、この一対のニップロール210、212でニップされる。
一対のニップロール210、212は、図示しない昇降装置によって上下方向(Z方向)に昇降可能に設けられる。この一対のニップロール210、212を昇降させることにより、ブレード112が圧搾される。これにより、洗浄液回収層192に吸収された洗浄液を除去でき、洗浄液回収層192の吸収能力を回復させることができる。また、これにより、ブレード112のクリーニングも行うことができる。また、ブレード112を初めて使用する場合などにニップロール210、212を昇降させることにより、洗浄液貯留槽196に貯留された洗浄液を洗浄液供給層190の先端まで素早く吸収させることができる(洗浄液供給層190の先端まで素早く洗浄液を送ることができる。)。
なお、圧搾時は、ニップロール210、212を複数回往復動させて圧搾することが好ましい。これにより、洗浄液回収層192に吸収された洗浄液を効果的に除去することができる。
また、図21の例では、一対のニップロール210、212でブレード112を挟持して、圧搾する構成としているが、図22に示すように、ニップロール210、212を個別に昇降させることができる構成とすることもできる。
この場合、洗浄液保持層194は剛体で構成し、撓まないように構成する。そして、洗浄液供給層190と洗浄液回収層192は、洗浄液保持層194の先端部から所定量突出させて配置する。これにより、ブレード112の先端部に可撓性を持たせることができる。また、洗浄液保持層194の先端部で効率よく洗浄液を保持することができる。
2つのニップロール210、212は、それぞれ洗浄液供給層190と洗浄液回収層192の表面に押圧当接させて設置され、個別に昇降可能に構成される。
ブレード112を初めて使用する場合など、洗浄液供給層190に洗浄液が含浸されていない場合は、洗浄液供給層190側に当接されたニップロール210を昇降させる。これにより、洗浄液貯留槽196に貯留された洗浄液を洗浄液供給層190の先端まで素早く吸収させることができる。
また、洗浄液回収層192の吸収能力が落ちた場合などには、洗浄液回収層192側に当接されたニップロール212を昇降させる。これにより、洗浄液回収層192が圧搾され、洗浄液回収層192に吸収された洗浄液を除去することができ、洗浄液回収層192の洗浄液の吸収能力を回復させることができる。また、同時にブレード112のクリーニングも行うことができる。
なお、このような圧搾機構は、多孔質体を含む他の構成のブレードにも適用することができる。
また、ポンプ等で強制的に洗浄液の供給、回収を行う場合にも圧搾機構を組み込むことができる。
〈その他〉
上記実施の形態では、用紙Pの搬送方式としてベルト搬送機構を採用したインクジェット記録装置に本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。たとえば、図24に示すように、回転するドラムの周面に用紙Pを保持して搬送する方式(いわゆるドラム搬送機構)のインクジェット記録装置にも適用することができる。この場合、描画部において、ヘッド50C、50M、50Y、50Kは、ドラム220の周面に傾斜して配置される(各ヘッドのノズル面が、各ヘッドの設置位置におけるドラムの接線と平行になるように配置される。)。
このように傾斜して設置されたヘッドのノズル面を払拭する場合、ヘッドクリーニング装置110は、図24に示すように、ブレード112の先端がノズル面50Aと平行になるように、ブレード112が傾斜して取り付けられる。あるいは、図25に示すように、ブレード112の先端がノズル面50Aと平行になるように、ブレード112の先端が傾斜して形成される。
なお、このようにブレード112の先端部を傾斜させた場合であっても、ブレード112の先端部に供給される洗浄液は極微量であるため、ブレード112の先端で有効に保持することができる。また、凹部や親水処理を施すことにより、更に有効に保持することができる。
また、上記実施の形態では、ヘッドクリーニング装置を固定し、ヘッド側を移動させて、ヘッドのノズル面をクリーニングする構成としているが、ヘッドクリーニング装置側を移動させて、ヘッドのノズル面をクリーニングする構成とすることもできる。また、ヘッドとヘッドクリーニング装置の双方を移動させて、ヘッドのノズル面をクリーニングする構成とすることもできる。
また、上記実施の形態では、ラインヘッドをクリーニングする場合を例に説明したが、いわゆるシャトルヘッドをクリーニングする場合にも同様に適用することができる。
10…インクジェット記録装置、20…用紙搬送機構、22…ベルト、30…ヘッドユニット、32…ヘッド支持フレーム、40…メンテナンス部、42C、42M、42Y、42K…キャップ、50(50C、50M、50Y、50K)…ヘッド(インクジェットヘッド)、50A…ヘッドのノズル面、52…ヘッドモジュール、52A…ヘッドモジュールのノズル面、54…ヘッドモジュール支持部材、100…ヘッドクリーニングユニット、110(110C、110M、110Y、110)…ヘッドクリーニング装置、112…ブレード、114…洗浄液供給ユニット、116…洗浄液回収ユニット、118…ブレードホルダ、120…洗浄液受皿、120A…排液口、122…架台、124…排液管、126…排液タンク、128…噴出口、130…凹部、132…洗浄液個別供給流路、134…洗浄液共通供給流路、136…洗浄液供給口、138…洗浄液回収流路、140…洗浄液共通回収流路、142…洗浄液回収口、144…洗浄液供給タンク、146…洗浄液供給管、148…洗浄液供給ポンプ、150…洗浄液供給バルブ、152…洗浄液回収管、154…洗浄液回収ポンプ、156…洗浄液回収バルブ、160…洗浄液供給層、162…洗浄液回収層、164…洗浄液保持層、166…凹部、170…洗浄液供給層、172…洗浄液保持・回収層、174…洗浄液回収流路、176…凹部、180…洗浄液供給・保持層、182…洗浄液回収層、184…洗浄液個別供給流路、186…凹部、190…洗浄液供給層、192…洗浄液回収層、194…洗浄液保持層、196…洗浄液貯留槽、198…洗浄液回収流路、210…ニップロール、212…ニップロール、220…ドラム、N…ノズル、P…用紙(記録メディア)

Claims (12)

  1. 記録メディアを搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送される前記メディアにノズル面に形成されたノズルから液滴を吐出するインクジェットヘッドと、
    先端部が前記インクジェットヘッドの前記ノズル面に当接され、前記インクジェットヘッドに対して相対的に移動して、前記ノズル面を払拭するブレードであって、前記先端部に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、前記先端部に供給された前記洗浄液を保持する洗浄液保持部と、前記洗浄液保持部に保持された前記洗浄液を回収する洗浄液回収部とを備えたブレードと、
    前記洗浄液供給部に前記洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、
    前記洗浄液回収部から前記洗浄液を回収する洗浄液回収手段と、
    を備えたインクジェット記録装置。
  2. 前記ブレードの先端部に凹部を形成して前記洗浄液保持部とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記ブレードの先端部に親水処理を施して前記洗浄液保持部とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記ブレードは、
    前記洗浄液供給部を有する第1の板状部材と、
    前記洗浄液回収部を有する第2の板状部材と、
    前記第1の板状部材と前記第2の板状部材との間に配置され、前記洗浄液保持部を構成する板状の洗浄液保持部材と、
    を備える請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記ブレードの先端部に連通する洗浄液供給流路を前記ブレードに形成して前記洗浄液供給部とする請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記第1の板状部材を多孔質体で構成して前記洗浄液供給部とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記洗浄液供給手段は、前記洗浄液が貯留され、該洗浄液中に前記第1の板状部材の一部が浸漬される洗浄液貯留槽を備えて構成される請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記洗浄液供給手段は、前記第1の板状部材を圧搾し、前記洗浄液貯留槽に貯留された前記洗浄液を前記ブレードの先端部の先端に導く洗浄液供給部圧搾手段を更に備える請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記洗浄液保持部に連通する洗浄液回収流路を前記ブレードに形成して前記洗浄液回収部とし、
    前記洗浄液回収手段は、前記洗浄液回収流路を吸引して前記洗浄液を回収する吸引手段を備える請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記第2の板状部材を多孔質体で構成して前記洗浄液回収部とする請求項4、6、7又は8に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記洗浄液回収手段は、前記第2の板状部材を吸引して前記洗浄液を回収する請求項10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記洗浄液回収手段は、前記第2の板状部材を圧搾して前記洗浄液を回収する洗浄液回収部圧搾手段を備える請求項10に記載のインクジェット記録装置。
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