JP6344861B2 - 液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの保湿装置 - Google Patents

液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの保湿装置 Download PDF

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Description

本発明は液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの保湿装置に係り、特に液体吐出ヘッドのノズルの目詰まりを防止するためにノズル部周囲を保湿する液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの保湿装置に関する。
インクジェットヘッドに代表される液体吐出ヘッドは、非稼働時や待機時などにノズル内の液が増粘して目詰まりを起こす場合がある。このような目詰まりを予防する目的で、保湿液収容部を設けた保湿キャップでノズル部周囲を密閉し、保湿液収容部に収容した保湿液でノズル部周囲を保湿する技術が知られている。
また、周面に保持した記録媒体を搬送する搬送ドラムの周面に沿って、水平に対して傾斜配置された液体吐出ヘッドを有する画像記録装置が知られている。このような液体吐出ヘッドを保湿キャップで保湿する場合、保湿液収容部に収容された保湿液の液面は水平になるため、傾斜配置されている液体吐出ヘッドの上方と液面との間の距離が大きくなり、十分な保湿性が確保できないという問題点がある。
この場合に保湿性を確保する方法として、液体吐出ヘッドと保湿キャップとの密閉度を高めることが考えられるが、液体吐出ヘッドの形状に凹凸がある場合や、交換性や量産性向上のために液体吐出ヘッドが複数のヘッドモジュールから構成されている場合には、密閉度を上げることは困難である。
このような課題に対し、特許文献1には、保湿液収容部を傾斜の方向に沿って複数の貯留部に区切り、複数の貯留部に保湿液を貯留することにより、傾斜の方向に高低差を持つ保湿液の液面を形成し、保湿液面と傾斜するノズル面との間の距離を小さくすることで、ノズル部周囲の湿度を高める技術が開示されている。
特開2014−019106号公報
しかしながら、特許文献1の技術のように液保持部を複数の貯留部に区切ると、それぞれの貯留部に保湿液を供給する供給手段や保湿液を排出する排出手段が必要となり、保湿キャップの構成が複雑になるという問題点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、簡素化した構成で保湿性を向上する液体吐出装置及び液体吐出ヘッドの保湿装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために液体吐出装置の一の態様は、液体を吐出するノズルが形成されたノズル領域と、ノズルが形成されない非ノズル領域と、を有するノズル面が水平面に対して傾斜して配置される液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドのノズル面と対向する位置に配置される液保持部であって、傾斜の方向に沿って、鉛直方向の最上段に配置されて非ノズル領域と対向する最上段液室と、鉛直方向の最下段に配置されて非ノズル領域と対向する最下段液室と、最上段液室と最下段液室との間に配置されてノズル領域と対向する中間液室と、に区切られて保湿液を貯留する液保持部と、中間液室に設けられた給液口に保湿液を供給する供給手段であって、中間液室からオーバーフローさせた保湿液を最下段液室へ流入させる供給手段と、中間液室に設けられた廃液口から保湿液を排出する排出手段と、を備え、液保持部は、保湿液を貯留した状態において最上段液室と最下段液室の気体空間とを中間液室の開口面側とは異なる側面側及び背面側のうち少なくとも一方の領域を介して連通する。
本態様によれば、中間液室に設けられた給液口に保湿液を供給するだけで中間液室及び最下段液室に保湿液が貯留される。したがって、この保湿液の液面により中間液室に対向するノズル領域及び最下段液室に対向する非ノズル領域を保湿することができる。また、保湿液を貯留した状態において最上段液室と最下段液室の気体空間とを中間液室の開口面側とは異なる側面側及び背面側のうち少なくとも一方の領域を介して連通しているため、最上段液室に対向する非ノズル領域も保湿することもできる。さらに、排出手段によりノズル領域に対向する中間液室から適切に保湿液を排出することができる。
液保持部は、傾斜の方向に沿って区切られた複数の中間液室を有し、給液口は、複数の中間液室のうち鉛直方向の最上段に位置する最上段中間液室に設けられ、最上段中間液室以外の複数の中間液室へは、最上段中間液室からオーバーフローした保湿液が順次鉛直方向下方の中間液室へ流入して供給されることが好ましい。これにより、中間液室に傾斜の方向に高低差を持つ保湿液の液面が形成されるため、適切にノズル領域を保湿することができる。
複数の中間液室にそれぞれ設けられた廃液口から保湿液を排出する排出手段を備えることが好ましい。これにより、複数の中間液室から適切に保湿液を排出することができる。
液保持部は、第1の底板と、第1の底板の周縁に立設される第1の側板と、からなる第1の箱状部材と、第2の底板と、第2の底板の周縁に立設される第2の側板と、からなる第2の箱状部材であって、第1の箱状部材の開口内に配置された第2の箱状部材と、を備え、第2の箱状部材が中間液室を構成し、第1の底板と第2の底板とが間隔を置いて配置され、保湿液を貯留した状態において第2の箱状部材の鉛直方向上方の最上段液室と鉛直方向下方の最下段液室の気体空間とを第1の底板と第2の底板との間の領域を介して連通することが好ましい。これにより、最上段液室と最下段液室とを中間液室の背面側の領域を介して連通させることができる。
保湿液を貯留した状態において最上段液室と最下段液室の気体空間とを、第1の側板と第2の側板との間の領域であって、最上段液室側の領域及び最下段液室側の領域とは異なる領域を介して連通することが好ましい。これにより、最上段液室と最下段液室とを中間液室の側面側の領域を介して連通させることができる。
液保持部は、第1の底板と、第1の底板の周縁に立設される第1の側板と、からなる第1の箱状部材と、第1の側板より内側に立設される第2の側板によって包囲された包囲領域と、を備え、包囲領域が中間液室を構成し、保湿液を貯留した状態において包囲領域の鉛直方向上方の最上段液室と鉛直方向下方の最下段液室の気体空間とを第1の側板と第2の側板との間の領域であって、最上段液室側の領域及び最下段液室側の領域とは異なる領域を介して連通することが好ましい。これにより、最上段液室と最下段液室とを中間液室の側面側の領域を介して連通させることができる。
液保持部の内側を傾斜の方向に沿って複数の液室に区切る第1の仕切部材と、最下段液室に設けられた給気口と、最上段液室に設けられた排気口と、給気口と排気口とを中間液室の側面側及び背面側のうち少なくとも一方の領域を介して連通する給気管と、を備えることが好ましい。これにより、最上段液室と最下段液室とを中間液室の側面側及び背面側のうち少なくとも一方の領域を介して連通させることができる。
最下段液室からオーバーフローさせた保湿液が流入する廃液保持部を備えることが好ましい。これにより、最下段液室に排出手段を備えることなく最下段液室の保湿液を排出することができる。
記録媒体を周面に保持して搬送する搬送ドラムを備え、液体吐出ヘッドは、搬送ドラムの周面に沿ってノズル面が水平面に対して傾斜して配置されることが好ましい。本態様は、搬送ドラムの周面に沿ってノズル面が水平面に対して傾斜して配置された液体吐出ヘッドに好適である。
液体吐出ヘッドは、一方向に配列された複数のヘッドモジュールから構成されるラインヘッドであることが好ましい。本態様は、複数のヘッドモジュールから構成されるためにノズル部周囲を密閉できない液体吐出ヘッドに好適である。
上記目的を達成するために液体吐出ヘッドの保湿装置の一の態様は、液体を吐出するノズルが形成されたノズル領域と、ノズルが形成されない非ノズル領域と、を有するノズル面が水平面に対して傾斜して配置される液体吐出ヘッドのノズル面と対向する位置に配置される液保持部であって、傾斜の方向に沿って、鉛直方向の最上段に配置されて非ノズル領域と対向する最上段液室と、鉛直方向の最下段に配置されて非ノズル領域と対向する最下段液室と、最上段液室と最下段液室との間に配置されてノズル領域と対向する中間液室と、に区切られて保湿液を貯留する液保持部と、中間液室に設けられた給液口に保湿液を供給する供給手段であって、中間液室からオーバーフローさせた保湿液を最下段液室へ流入させる供給手段と、中間液室に設けられた廃液口から保湿液を排出する排出手段と、を備え、液保持部は、保湿液を貯留した状態において最上段液室と最下段液室の気体空間とを中間液室の開口面側とは異なる側面側及び背面側のうち少なくとも一方の領域を介して連通する。
本態様によれば、中間液室に設けられた給液口に保湿液を供給するだけで中間液室及び最下段液室に保湿液が貯留される。したがって、この保湿液の液面により中間液室に対向するノズル領域及び最下段液室に対向する非ノズル領域を保湿することができる。また、保湿液を貯留した状態において最上段液室と最下段液室の気体空間とを中間液室の開口面側とは異なる側面側及び背面側のうち少なくとも一方の領域を介して連通しているため、最上段液室に対向する非ノズル領域も保湿することもできる。さらに、排出手段によりノズル領域に対向する中間液室から適切に保湿液を排出することができる。
本発明によれば、簡素化した構成で保湿性を向上することができる。
図1は、インクジェット記録装置の要部の構成を示す側面図である。 図2は、インクジェット記録装置の上面図である。 図3は、ヘッドユニットの拡大図である。 図4は、インクジェットヘッドの構造例を示す平面図であり、インクジェットヘッドをノズル面側から見た図である。 図5は、図4の一部拡大図である。 図6は、保湿ユニットと、保湿位置に移動したヘッドユニットとを模式的に示した図である。 図7は、キャップを開口面側から見た図(図8のA矢視図)である。 図8は、図7のキャップの8−8断面図である。 図9は、印刷待機時や電源オフ時等においてヘッドを保湿した状態を示す側面断面図である。 図10は、キャップを開口面側から見た図である。 図11は、図10のキャップの11−11断面図である。 図12は、キャップを開口面側から見た図(図13のB矢視図)である。 図13は、図12のキャップの13−13断面図である。 図14は、印刷待機時や電源オフ時等においてヘッドを保湿した状態を示す側面断面図である。 図15は、キャップを開口面側から見た図(図16のC矢視図)である。 図16は、図15のキャップの16−15断面図である。 図17は、印刷待機時や電源オフ時等においてヘッドを保湿した状態を示す側面断面図である。 図18は、比較例に係るキャップの液保持部を開口面側から見た図である。 図19は、比較例に係るキャップの保湿液の給液系及び廃液系を示す図である。 図20は、比較例に係るキャップの保湿液の給液系及び廃液系を示す図である。 図21は、比較例に係るキャップの保湿液の給液系及び廃液系を示す図である。 図22は、比較例に係るキャップの保湿液の給液系及び廃液系を示す図である。 図23は、比較例に係るキャップ及び本実施形態に係るキャップの各観点における評価結果を示す図である。
以下、添付図面にしたがって本発明の実施の形態について詳説する。
<インクジェット記録装置の構成>
図1、図2に示すように、インクジェット記録装置10(液体吐出装置の一例)は、シングルパス方式のラインプリンタであり、主として、記録媒体である用紙1を搬送する搬送ドラム20、搬送ドラム20によって搬送される用紙1に向けてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の各色の水性インクの液滴を吐出するヘッドユニット30、ヘッドユニット30に装着された各インクジェットヘッドの保湿を行う保湿ユニット60を備えて構成される。
搬送ドラム20は、モータ(不図示)に駆動されて回転する。搬送ドラム20の外周面には、グリッパ(不図示)が備えられており、用紙1は、このグリッパによって先端を把持されながら搬送される。また、この搬送ドラム20の外周面には、多数の吸引穴(不図示)が形成されており、この吸引穴から内部に向けてエアが吸引されている。用紙1は、この吸引穴に吸着保持されながら搬送される。
ヘッドユニット30は、シアン、マゼンタ、イエロ及びクロのインク滴をそれぞれ吐出するインクジェットヘッド50C,50M,50Y,50K(液体吐出ヘッドの一例、以下、単にヘッド50C,50M,50Y,50Kと呼ぶ)と、各ヘッド50C,50M,50Y,50Kが取り付けられるヘッド保持部40と、ヘッド保持部40を移動させる移動機構(不図示)とで構成される。
ヘッド50C,50M,50Y,50Kは、画像形成対象とする用紙1の最大用紙幅(X方向の幅)に対応したラインヘッドであり、矩形のブロック状に形成され、その底部にノズル面52C,52M,52Y,52Kが形成されている。
ヘッド保持部40は、各ヘッド50C,50M,50Y,50Kを取り付けるためのヘッド取付部(不図示)を備えている。各ヘッド50C,50M,50Y,50Kは、このヘッド取付部に着脱自在に取り付けられる。
ヘッド保持部40に取り付けられた各ヘッド50C,50M,50Y,50Kは、用紙1の搬送方向(Y方向)に対して直交して配置される。また、用紙1の搬送方向に沿って所定の順で一定の間隔をもって配置される。
また、各ヘッド50C,50M,50Y,50Kは、それぞれのノズル面52C,52M,52Y,52Kが対向する搬送ドラム20の周面の接線と平行になるように、ヘッド保持部40に取り付けられる。すなわち、各ヘッド50C,50M,50Y,50Kは、搬送ドラム20の周面に沿って、ノズル面52C,52M,52Y,52Kが水平面に対して傾斜して配置される。図3に示すように、各ノズル面52C,52M,52Y,52Kと水平面とが成す角を、それぞれθ、θ、θ、θとする。
また、ヘッド取付部は、ヘッド保持部40に昇降自在に設けられており、図示しない昇降機構によって昇降する。ヘッド取付部に取り付けられた各ヘッド50C,50M,50Y,50Kは、この昇降機構によって、水平面に対して垂直に昇降する。
図示しない移動機構は、ヘッド保持部40をX方向に水平にスライド移動させる。この移動機構は、搬送ドラム20及び保湿ユニット60を跨いで水平に設置される天井フレームと、その天井フレームに敷設されるガイドレールと、ガイドレール上をスライド移動する走行体と、その走行体をガイドレールに沿って移動させる駆動手段(例えば、送りねじ機構など)で構成される。ヘッド保持部40は、走行体に取り付けられて、水平にスライド移動する。
ヘッド保持部40は、この移動機構に駆動されて、「画像形成位置」と「保湿位置」との間を移動可能に設けられる。
ヘッド保持部40は、画像形成位置においては、搬送ドラム20の上方に配置される。これにより、搬送ドラム20によって搬送される用紙1の記録面に、各色のインクを吐出して画像を記録することが可能となる。一方、保湿位置においては、保湿ユニット60の設置位置に配置される。これにより、各ヘッド50C,50M,50Y,50Kを保湿し、ノズル内部のインクの固化を防止する。
<インクジェットヘッドの構成>
各ヘッド50C,50M,50Y,50Kの構造は同様であるため、各ヘッドを代表して、以下、符号50によってヘッドを示し、符号52によってノズル面を示す。
図4に示すように、ヘッド50は、n個のヘッドモジュール124−i(i=1,2,3,…,n)を、搬送ドラム20による用紙1の搬送方向(Y方向)に直交する方向(X方向、一方向の一例)に沿ってつなぎ合わせた構造を有し、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズル(図4中不図示)が設けられている。
図5に示すように、各ヘッドモジュール124−iは、ヘッド50における短手方向(Y方向)の両側からヘッドモジュール支持部材128Aによって支持されている。また、ヘッド50の長手方向(X方向)における両端部はヘッド支持部材128Bによって支持されている。各ヘッドモジュール124−iは、複数のノズル(図5中不図示)がマトリクス状に配列された構造を有しており、図5において符号129を付して図示した斜めの実線は、複数のノズルが一列に並べられたノズル列を表している。
ヘッド50のノズル面52に形成されるノズルの個数及びその配列形態については、特に限定されない。ヘッド50は、ピエゾ方式やサーマル方式でノズルからインクを吐出させる。
なお、ノズル面52のうち、ノズルが配置されたノズル領域を126A、ノズルが配置されていない非ノズル領域を126Bとする。また、ノズル領域126AのY方向の幅をWとする。
<保湿ユニットの構成>
図6に示すように、保湿ユニット60(保湿装置の一例)は、各ヘッド50C,50M,50Y,50Kのノズル面52C,52M,52Y,52Kをそれぞれ保湿するためのキャップ70C,70M,70Y,70Kを備えて構成される。キャップ70C,70M,70Y,70Kには、保湿液202(図9参照)が貯留される。保湿液202は、各ヘッド50C,50M,50Y,50Kのノズルから吐出するインクの溶媒と同じ溶媒を含む液体であり、例えば水を主成分とした液体である。
各キャップ70C,70M,70Y,70Kは、X方向に平行な軸を回転軸としてそれぞれ水平に対して角度θ、θ、θ、θだけ傾けて設けられている。即ち、各キャップ70C,70M,70Y,70Kの開口面は、各ヘッド50C,50M,50Y,50Kのノズル面52C,52M,52Y,52Kに対して平行に配置されている。また、各キャップ70C,70M,70Y,70Kは、それぞれ図示しない封止部材を有し、ヘッド50C,50M,50Y,50Kのノズル面52C,52M,52Y,52Kを密閉することが可能となっている。密閉されたノズル面52C,52M,52Y,52Kは、キャップ70C,70M,70Y,70Kの内部に貯留された保湿液202により保湿される。
<第1の実施形態>
(液保持部の構成)
上述のように、キャップ70C,70M,70Y,70Kは、水平面に対して傾斜するノズル面52C,52M,52Y,52Kの傾斜角度に合わせて、水平面に対して傾斜して配置される。傾斜角度以外の各キャップ70C,70M,70Y,70Kの構造は同様であるため、各キャップを代表して以下、符号70によってキャップを示す。
図7及び図8に示すように、キャップ70は、それぞれ1つの面が開放された中空の箱状部材である第1液保持部210と第2液保持部220とを備え、第1液保持部210の内側に第2液保持部220が設けられた二重構造を有している。
第1液保持部210(第1の箱状部材の一例)は、矩形の底板210Bと、底板210BのX方向に延在する辺の周縁に垂直に設けられ、それぞれ対向する一対の右側板210R及び左側板210Lと、底板210BのX方向に延在する辺に直交する辺の周縁に垂直に設けられ、それぞれ対向する一対の上側板210U及び下側板210Dと、から構成された直方体形状を有している。右側板210R、左側板210L、上側板210U、及び下側板210Dが第1の側板に相当する。
同様に、第2液保持部220(第2の箱状部材の一例)は、矩形の底板220Bと、底板220BのX方向に延在する辺の周縁に垂直に設けられ、それぞれ対向する一対の右側板220R及び左側板220Lと、底板220BのX方向に延在する辺に直交する辺の周縁に設けられ、それぞれ対向する一対の上側板220U及び下側板220Dと、から構成された直方体形状を有している。右側板220R、左側板220L、上側板220U、及び下側板220Dが第2の側板に相当する。ここで、一対の上側板220Uと下側板220Dとの間の距離は、インクジェットヘッド50のノズル領域126AのY方向の幅Wと同じである。なお、一対の上側板220Uと下側板220Dとの間の距離をWよりも大きく構成してもよい。
また、上側板220Uと下側板220Dとの間には、上側板220U及び下側板220Dと平行な方向に、底板220B、右側板220R及び左側板220Lと隙間なく当接する仕切板222が立設されている。
第2液保持部220は、右側板220R及び左側板220Lがそれぞれ第1液保持部210の右側板210R及び左側板210Lと当接することで、底板210Bと底板220Bとが一定の間隔をもって平行に配置された状態で、第1液保持部210に支持されている。
このように構成されたキャップ70には、底板220B、右側板220R、左側板220L、上側板220U、及び仕切板222によって区画された第1中間液室234と、底板220B、右側板220R、左側板220L、仕切板222、及び下側板220Dによって区画された第2中間液室236とが形成されている。すなわち、第2液保持部220は仕切板222によってキャップ70の傾斜方向に複数の領域に区切られており、傾斜方向の上側に第1中間液室234、下側に第2中間液室236が形成されている。
さらに、キャップ70には、底板210B、右側板210R、左側板210L、上側板210U、及び上側板220Uによって区画された最上段液室232と、底板210B、右側板210R、左側板210L、下側板220D、及び下側板210Dによって区画された最下段液室238とが形成されている。すなわち、第1中間液室234及び第2中間液室236は、最上段液室232と最下段液室238との間に配置されている。
この最上段液室232と最下段液室238とは、底板210Bと底板220Bとの間に形成された領域を介して連通している。
第1中間液室234には、底板220Bに給液口224及び廃液口226が設けられている。給液口224及び廃液口226には、それぞれ給液管244及び廃液管246が接続されており、給液管244及び廃液管246は、それぞれ底板210Bに設けられた貫通孔214及び貫通孔216を隙間なく貫通している。
また、第2中間液室236には、底板220Bに廃液口228が設けられている。廃液口228には、廃液管248が接続されており、廃液管248は底板210Bに設けられた貫通孔218を隙間なく貫通している。
なお、給液口224、廃液口226及び廃液口228は、右側板220Rや左側板220Lに設けてもよい。
最下段液室238には、下側板210Dにオーバーフロー口211が設けられている。
図9に示すように、給液管244は給液タンク260と連通している。また、給液管244には、給液ポンプ262が設けられている。給液ポンプ262は、給液タンク260に貯留された保湿液202を第1中間液室234に送液する。さらに、給液管244には、保湿液202の供給をオン(供給)/オフ(停止)できる給液バルブ(不図示)が設けられている。給液バルブは、例えば電磁弁で構成される。なお、給液口224の個数や配置場所については特に限定されず、給液タンク260に貯留された保湿液202を第1中間液室234に適切に供給できればよい。
廃液管246及び廃液管248は、ともに廃液トレイ154及び廃液タンク158を接続する廃液回収配管156に合流している。また、廃液回収配管156には、廃液ポンプ264が設けられている。廃液ポンプ264は、第1中間液室234、第2中間液室236、及び廃液トレイ154に貯留された保湿液202を廃液タンク158に送液する。さらに、廃液回収配管156には、保湿液202の回収をオン(回収)/オフ(停止)できる廃液バルブ(不図示)が設けられている。廃液バルブは、例えば電磁弁で構成される。
(保湿液の供給時)
以上のように構成されたキャップ70は、通常は給液バルブ及び廃液バルブが閉塞されている。
キャップ70に保湿液202を供給する場合は、給液バルブを開放し、給液ポンプ262(供給手段の一例)を動作させる。これにより、給液タンク260に貯留された保湿液202が第1中間液室234に供給され、貯留される。
給液ポンプ262による保湿液202の供給を継続すると、やがて第1中間液室234の最大貯留量を超え、保湿液202が仕切板222の上縁部からオーバーフローする(供給手段の一例)。第1中間液室234から仕切板222を越えてオーバーフローした保湿液202は、第2中間液室236に流れ込み、第2中間液室236に貯留される。
保湿液202の供給を継続すると、やがて第2中間液室236の最大貯留量を超え、保湿液202は第2液保持部220の下側板220Dの上縁部からオーバーフローする(供給手段の一例)。第2中間液室236から下側板220Dを越えてオーバーフローした保湿液202は、最下段液室238に流れ込み、最下段液室238に貯留される。
さらに保湿液202の供給を継続すると、やがて最下段液室238の最大貯留量を超え、保湿液202は第1液保持部210の下側板210Dのオーバーフロー口211からオーバーフローする。最下段液室238から下側板210Dを越えてオーバーフローした保湿液202は、廃液トレイ154(廃液保持部の一例)に流れ込む。
この保湿液202を貯留した状態において、最上段液室232と最下段液室238のうち保湿液202が貯留されていない気体空間238Aとは、第1中間液室234及び第2中間液室236の開口面側とは異なる領域であって、底板210Bと底板220Bとの間に形成された領域(中間液室の背面側の領域の一例、第1の底板と第2の底板との間の領域の一例)を介して連通している。
保湿液の供給を停止する場合は、給液ポンプ262を停止させ、給液バルブを閉塞する。
このように、キャップ70は、給液ポンプ262により鉛直方向の最上段側の第1中間液室234(最上段中間液室の一例)に保湿液202を供給し、鉛直方向下方の第2中間液室236及び最下段液室238には順次オーバーフローにより保湿液202を流入させる。これにより、給液タンク260から1つの給液系(給液タンク260〜給液管244〜第1中間液室234)のみでキャップ70の全体に保湿液202を供給することができる。したがって、簡素化した構成で保湿液202の供給を実現することができる。
(ヘッド保湿時)
電源オフ時や印刷待機時などは、ヘッド50は、図9に示すヘッド保湿位置に保持される。同図に示すように、ヘッド保湿位置では、ノズル面52のノズル領域126Aに対向する位置にはキャップ70の第1中間液室234及び第2中間液室236が配置され、非ノズル領域126Bに対向する位置にはキャップ70の最上段液室232及び最下段液室238が配置される。
ここで、第1中間液室234に貯留された保湿液202の液面と第2中間液室236に貯留された保湿液202の液面とは、仕切板222を挟んで段になる。同様に、第2中間液室236に貯留された保湿液202の液面と最下段液室238に貯留された保湿液202の液面とは、下側板220Dを挟んで段になる。このように、傾斜の方向に高低差を持つ保湿液202の液面が形成される。
したがって、第1中間液室234に貯留された保湿液202の液面と第2中間液室236に貯留された保湿液202の液面とが、ノズル領域126Aと近い位置で対向し、最下段液室238に貯留された保湿液202の液面が、ノズル面52の鉛直方向下方の非ノズル領域126Bと近い位置で対向する。このように、ノズル面52は水平面に対して傾いているが、仕切板222及び下側板220Dにより、保湿液202の液面をノズル面52と近い位置で対向させることができる。これにより、ノズル部周囲の相対湿度を高め、ノズル内部のインクの固化を防止することができる。
ここで、ノズル面52の鉛直方向上方の非ノズル領域126Bと近い位置で対向する最上段液室232には、保湿液202が貯留されていない。しかしながら、最上段液室232と最下段液室238の気体空間238Aとは、底板210Bと底板220Bとの間に形成された領域を介して連通しているため、最上段液室232に対向する非ノズル領域126Bについても、気体空間238Aの蒸気(最下段液室238に貯留された保湿液の蒸気)によって保湿することができる。
特に、キャップ70によれば、最上段液室232と最下段液室238の気体空間238Aとを連通する領域の断面積(連通面積)が大きいため、最上段液室232に対向する非ノズル領域126Bの保湿効果が大きい。
(保湿液の排出時)
ヘッド保湿位置において、定期的に或いは不定期にヘッド50内のインクを加圧パージすることができる。パージしたインクはノズル面52から分離して、ノズル領域126Aと対向する第1中間液室234及び第2中間液室236に受容される。また、加圧パージ時にミスト化したインクが、最下段液室238に貯留された保湿液に混入する場合がある。したがって、キャップ70の保湿液202がインクで汚染された場合には、保湿液202を排出する必要がある。
キャップ70の保湿液202を排出する場合は、廃液バルブを開放し、廃液ポンプ264(排出手段の一例)を動作させる。これにより、第1中間液室234、第2中間液室236、及び廃液トレイ154に貯留された保湿液が、廃液管246及び廃液管248から廃液回収配管156を経て廃液タンク158に回収される。保湿液の排出を停止する場合は、廃液ポンプ264を停止させ、廃液バルブを閉塞する。
ヘッド保湿位置において加圧パージを行った場合、ノズルから押し出されたインクは、ノズル面52のノズル領域126Aに対向する位置に配置された第1中間液室234及び第2中間液室236に排出される。したがって、第1中間液室234及び第2中間液室236に貯留された保湿液は、加圧パージ時にインクによって汚染されるが、この汚染された保湿液を廃液タンク158に回収することができる。
すなわち、キャップ70は、複数の中間液室にそれぞれ廃液系(第1中間液室234〜廃液管246〜廃液タンク158、第2中間液室236〜廃液管248〜廃液タンク158)を設けたため、保湿液202を適切に排出することができる。
一方、最上段液室232には保湿液が貯留されていない。また、最下段液室238に貯留された保湿液は、インクによって汚染された場合であっても、この汚染が第1中間液室234や第2中間液室236に伝播することはない。したがって、最上段液室232及び最下段液室238の廃液系を省略することができ、装置の簡素化を図ることができる。
本実施形態では傾斜の方向に沿って2つの中間液室(第1中間液室234及び第2中間液室236)を備えているが、中間液室は1つで構成してもよいし、3つ以上備えてもよい。
<第1の実施形態の変形例>
キャップ70の第2液保持部220は、右側板220R及び左側板220Lがそれぞれ第1液保持部210の右側板210R及び左側板210Lと当接することで、第1液保持部210に支持されていたが、第2液保持部220を支持する方法はこれに限定されない。
例えば、図10及び図11に示すキャップ71は、右側板210R及び左側板210Lに設けられた支持部材212R及び212Lによって、第1液保持部210に支持されている。このように構成することで、底板210Bと底板220Bとが一定の間隔をもって平行に配置された状態で第2液保持部220を支持してもよい。
キャップ71の場合、最上段液室232と最下段液室238の気体空間238Aとは、底板210Bと底板220Bとの間に形成された領域を介して連通しているとともに、底板210B、右側板210R、及び右側板220Rによって区画された領域及び底板210B、左側板210L、及び左側板220Lによって区画された領域(中間液室の側面側の領域の一例、第1の側板と第2の側板との間の領域であって、最上段液室側の領域及び最下段液室側の領域とは異なる領域の一例)を介して連通している。したがって、最上段液室232と最下段液室238の気体空間238Aとを連通する領域の断面積がキャップ70よりも大きく、より保湿効果が大きい。
また、底板210Bに立設した支持部材によって、底板210Bと底板220Bとが一定の間隔をもって平行に配置された状態で第2液保持部220を支持することも可能である。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係るキャップ72について説明する。なお、キャップ70と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第1の実施形態と同様に、キャップ72は、保湿ユニット60において各ヘッドに対応して設けられる。
キャップ72は、水平面に対して傾斜するノズル面52の傾斜角度に合わせて、水平面に対して傾斜して配置される。図12及び図13に示すように、キャップ72は、1つの面が開放された中空の箱状部材である第1液保持部210を備えている。
第1液保持部210の底板210Bには、右側板210R及び左側板210Lと平行な方向に、一対の右仕切板242R及び左仕切板242Lが立設されている。また、上側板210U及び下側板210Dと平行な方向に、底板210B、右仕切板242R及び左仕切板242Lと隙間なく当接する上仕切板242U、中仕切板242M、及び下仕切板242Dが立設されている。これにより、第1液保持部210の内部には、底板210Bと、上仕切板242U、右仕切板242R、下仕切板242D、及び左仕切板242L(第2の側板の一例)とによって包囲された包囲領域240が形成される。ここで、上仕切板242Uと下仕切板242Dとの間の距離は、インクジェットヘッド50のノズル領域126AのY方向の幅Wと同じである。なお、上仕切板242Uと下仕切板242Dとの間の距離をWよりも大きく構成してもよい。
このように構成されたキャップ72には、底板210B、右仕切板242R、左仕切板242L、上仕切板242U、及び中仕切板242Mによって区画された第1中間液室234と、底板210B、右仕切板242R、左仕切板242L、中仕切板242M、及び下仕切板242Dによって区画された第2中間液室236とが形成されている。すなわち、包囲領域240は、中仕切板242Mによってキャップ72の傾斜方向に複数の領域に区切られており、傾斜方向の上側に第1中間液室234、下側に第2中間液室236が形成されている。
さらに、キャップ72には、底板210B、右側板210R、左側板210L、上側板210U、及び上仕切板242Uによって区画された最上段液室232と、底板210B、右側板210R、左側板210L、下仕切板242D、及び下側板210Dによって区画された最下段液室238とが形成されている。すなわち、第1中間液室234及び第2中間液室236は、最上段液室232と最下段液室238との間に配置されている。
この最上段液室232と最下段液室238とは、第1中間液室234及び第2中間液室236の開口面側とは異なる領域であって、底板220B、右側板210R、及び右仕切板242Rによって区画された領域(中間液室の側面側の領域の一例、第1の側板と第2の側板との間の領域であって、最上段液室側の領域及び最下段液室側の領域とは異なる領域の一例)と、底板220B、左側板210L、及び左仕切板242Lによって区画された領域(中間液室の側面側の領域の一例、第1の側板と第2の側板との間の領域であって、最上段液室側の領域及び最下段液室側の領域とは異なる領域の一例)と、を介して連通している。
第1中間液室234には、底板210Bに給液口224及び廃液口226が設けられており、第2中間液室236には、底板220Bに廃液口228が設けられている。給液口224、廃液口226及び廃液口228には、それぞれ給液管244、廃液管246及び廃液管248が接続されている。
給液管244、廃液管246及び廃液管248の接続については、図14に示すように、図9に示したキャップ70と同様である。また、保湿液202の供給および排出についても、キャップ70の場合と同様に行うことができる。すなわち、第1中間液室234には給液ポンプ262により保湿液202を供給し、第2中間液室236及び最下段液室238にはオーバーフローにより保湿液202を供給する。第1中間液室234及び第2中間液室236の保湿液202は、廃液ポンプ264により排出する。
ヘッド保湿位置では、ノズル面52のノズル領域126Aに対向する位置にはキャップ72の第1中間液室234及び第2中間液室236が配置され、非ノズル領域126Bに対向する位置にはキャップ72の最上段液室232及び最下段液室238が配置される。
ここで、第1中間液室234に貯留された保湿液202の液面と第2中間液室236に貯留された保湿液202の液面とは、中仕切板242Mを挟んで段になる。同様に、第2中間液室236に貯留された保湿液202の液面と最下段液室238に貯留された保湿液202の液面とは、下仕切板242Dを挟んで段になる。このように、傾斜の方向に高低差を持つ保湿液202の液面が形成される。
したがって、第1中間液室234に貯留された保湿液202の液面と第2中間液室236に貯留された保湿液202の液面とが、ノズル領域126Aと近い位置で対向し、最下段液室238に貯留された保湿液202の液面が、ノズル面52の鉛直方向下方の非ノズル領域126Bと近い位置で対向する。このように、ノズル面52は水平面に対して傾いているが、中仕切板242M及び下仕切板242Dにより、保湿液202の液面をノズル面52と近い位置で対向させることができる。これにより、ノズル部周囲の相対湿度を高め、ノズル内部のインクの固化を防止することができる。
また、ノズル面52の鉛直方向上方の非ノズル領域126Bと近い位置で対向する最上段液室232には、保湿液202が貯留されていない。しかしながら、最上段液室232と最下段液室238の気体空間238Aとは、底板220B、右側板210R、及び右仕切板242Rによって区画された領域と、底板220B、左側板210L、及び左仕切板242Lによって区画された領域とを介して連通しているため、最上段液室232に対向する非ノズル領域126Bについても、気体空間238Aの蒸気によって保湿することができる。
キャップ72は、最上段液室232と最下段液室238とを連通する領域の断面積がキャップ70の場合よりも小さく、キャップ70と比較して保湿効果がやや劣る。しかしながら、キャップ72は、キャップ70の二重構造(第1液保持部210の内側に第2液保持部220が設けられた構造)よりも製作が容易であり、コストダウンが図れるという利点がある。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係るキャップ74について説明する。なお、キャップ70と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第1の実施形態と同様に、キャップ74は、保湿ユニット60において各ヘッドに対応して設けられる。
キャップ74は、水平面に対して傾斜するノズル面52の傾斜角度に合わせて、水平面に対して傾斜して配置される。図15及び図16に示すように、キャップ74は、1つの面が開放された中空の箱状部材である第1液保持部210を備えている。
第1液保持部210は、仕切部材250によって複数の液室に区切られている。具体的には、第1液保持部210には、上側板210U及び下側板210Dと平行な方向に、底板210B、右側板210R及び左側板210Lと隙間なく当接する上仕切板252U、中仕切板252M、及び下仕切板252Dが立設されている。ここで、上仕切板252Uと下仕切板252Dとの間の距離は、インクジェットヘッド50のノズル領域126AのY方向の幅Wと同じである。なお、上仕切板252Uと下仕切板252Dとの間の距離をWよりも大きく構成してもよい。
このように構成されたキャップ74には、底板210B、右側板210R、左側板210L、上側板210U、及び上仕切板252Uによって区画された最上段液室232と、底板210B、右側板210R、左側板210L、上仕切板252U、及び中仕切板252Mによって区画された第1中間液室234と、底板210B、右側板210R、左側板210L、中仕切板252M、及び下仕切板252Dによって区画された第2中間液室236と、底板210B、右側板210R、左側板210L、下仕切板252D、及び下側板210Dによって区画された最下段液室238とが形成される。
すなわち、第1液保持部210は、上仕切板252U、中仕切板252M、及び下仕切板252Dによって複数の領域に区切られており、キャップ74の傾斜の方向に沿って、鉛直方向の最上段に最上段液室232が、鉛直方向の最下段に最下段液室238が、最上段液室232と最下段液室238との間に第1中間液室234及び第2中間液室236が配置されている。
また、最上段液室232には、底板210Bに排気口254が設けられており、排気口254には給気管258が接続されている。この給気管258は、最下段液室238の底板210Bに設けられた貫通孔255を貫通し、先端の給気口256が最下段液室238の底板210Bから離れた位置に配置されている。したがって、最上段液室232と最下段液室238とは、第1中間液室234及び第2中間液室236の背面側の領域に設けられた給気管258を介して連通している。
排気口254及び貫通孔255を右側板210Rや左側板210Lに設け、給気管258を第1中間液室234及び第2中間液室236の側面側に設けてもよい。
第1中間液室234には、底板210Bに給液口224及び廃液口226が設けられており、第2中間液室236には、底板220Bに廃液口228が設けられている。給液口224、廃液口226及び廃液口228には、それぞれ給液管244、廃液管246及び廃液管248が接続されている。
給液管244、廃液管246及び廃液管248の接続については、図17に示すように、図9に示したキャップ70と同様である。また、保湿液202の供給および排出についても、キャップ70の場合と同様に行うことができる。すなわち、第1中間液室234には給液ポンプ262により保湿液202を供給し、第2中間液室236及び最下段液室238にはオーバーフローにより保湿液202を供給する。
なお、最下段液室238に保湿液202が貯留された状態において、給気管258の給気口256は、保湿液202の液面よりも鉛直方向上方に配置され、気体空間238Aと連通する。
第1中間液室234及び第2中間液室236の保湿液202は、廃液ポンプ264により排出する。
ヘッド保湿位置では、ノズル面52のノズル領域126Aに対向する位置にはキャップ74の第1中間液室234及び第2中間液室236が配置され、非ノズル領域126Bに対向する位置にはキャップ74の最上段液室232及び最下段液室238が配置される。
ここで、第1中間液室234に貯留された保湿液202の液面と第2中間液室236に貯留された保湿液202の液面とは、中仕切板252Mを挟んで段になる。同様に、第2中間液室236に貯留された保湿液202の液面と最下段液室238に貯留された保湿液202の液面とは、下仕切板252Dを挟んで段になる。このように、傾斜の方向に高低差を持つ保湿液202の液面が形成される。
したがって、第1中間液室234に貯留された保湿液202の液面と第2中間液室236に貯留された保湿液202の液面とが、ノズル領域126Aと近い位置で対向し、最下段液室238に貯留された保湿液202の液面が、ノズル面52の鉛直方向下方の非ノズル領域126Bと近い位置で対向する。このように、ノズル面52は水平面に対して傾いているが、中仕切板252M及び下仕切板252Dにより、保湿液202の液面をノズル面52と近い位置で対向させることができる。これにより、ノズル部周囲の相対湿度を高め、ノズル内部のインクの固化を防止することができる。
また、ノズル面52の鉛直方向上方の非ノズル領域126Bと近い位置で対向する最上段液室232には、保湿液202が貯留されていない。しかしながら、最上段液室232と最下段液室238の気体空間238Aとは、給気管258を介して連通しているため、最上段液室232に対向する非ノズル領域126Bについても、気体空間238Aの蒸気によって保湿することができる。
キャップ74は、最上段液室232と最下段液室238とを連通する領域の断面積がキャップ70やキャップ72の場合よりも小さく、キャップ70やキャップ72と比較して保湿効果がやや劣る。しかしながら、キャップ74は、給気管258のレイアウトの自由度が大きいという利点がある。
なお、排気口254及び貫通孔255の大きさ、個数や配置場所、給気管258の太さについては特に限定されない。排気口254及び貫通孔255が大きいほど、また数が多いほど最上段液室232と最下段液室238の気体空間238Aとを連通する領域の断面積が大きくなり、最上段液室232に対向する非ノズル領域126Bの保湿効果は大きい。
<比較例のキャップとの比較>
比較例に係るキャップ76,77,78、及び79(図19〜図22参照)は、図18に示すように、1つの面が開放された中空の箱状部材である液保持部300を備えている。液保持部300は、矩形の底板310Bと、底板310BのX方向に延在する辺の周縁に垂直に設けられ、それぞれ対向する一対の右側板310R及び左側板310Lと、底板310BのX方向に延在する辺に直交する辺の周縁に垂直に設けられ、それぞれ対向する一対の上側板310U及び下側板310Dと、から構成された直方体形状を有している。
また、液保持部300には、上側板310U及び下側板310Dと平行な方向に、底板310B、右側板310R及び左側板310Lと隙間なく当接する上仕切板312U、中仕切板312M、及び下仕切板312Dが立設されている。
これにより、液保持部300には、底板310B、右側板310R、左側板310L、上側板310U、及び上仕切板312Uによって区画された最上段液室322と、底板310B、右側板310R、左側板310L、上仕切板312U、及び中仕切板312Mによって区画された第1中間液室324と、底板310B、右側板310R、左側板310L、中仕切板312M、及び下仕切板312Dによって区画された第2中間液室326と、底板310B、右側板310R、左側板310L、下仕切板312D、及び下側板310Dによって区画された最下段液室328とが形成される。
比較例に係るキャップ76,77,78、及び79は、ヘッド50の保湿位置において、第1中間液室324及び第2中間液室326がノズル領域126Aと対向し、最上段液室322及び最下段液室328がノズル領域126Aと対向する。
以下、図19〜図22に示す比較例に係るキャップ76,77,78、及び79と、これまで説明した本実施の形態に係るキャップ70,71,72,74とについて、ヘッド50の保湿、保湿液202の給液系の数、保湿液202の廃液系の数、保湿液202の入れ替えにかかる時間、入れ替えにかかる保湿液202の量、保湿液202の入れ替え後の第1中間液室324及び第2中間液室326の保湿液202の汚れの観点について評価を行った。図23に、これらの評価の結果を示す。
キャップ76は、図19に示すように、液保持部300について、保湿液202の給液口を最上段液室322に、保湿液202の廃液口を第1中間液室324及び第2中間液室326に設けている。保湿液202の供給は、給液ポンプ(不図示)によって最上段液室322から供給し、第1中間液室324、第2中間液室326、及び最下段液室328へはそれぞれオーバーフローによって供給される。また、保湿液202の排出は、第1中間液室324及び第2中間液室326から廃液ポンプ(不図示)によって行われる。
このように構成されたキャップ76は、最上段液室322、第1中間液室324、第2中間液室326、及び最下段液室328に保湿液202が貯留されるため、ヘッド50の保湿の観点については好ましい(+++)。
次に、保湿液202の給液系の数は、最上段液室322への1箇所であり、簡素化できており好ましい(+++)。また、保湿液202の廃液系の数は、中間液室の2箇所であり、簡素化できており好ましい(+++)。
次に、キャップ76の内部の保湿液202の入れ替えにかかる時間は、最上段液室322に供給する分だけ時間がかかり、好ましくない(+)。同様に、入れ替えにかかる保湿液202の量についても、最上段液室322に供給する分だけ増え、好ましくない(+)。
最後に、保湿液202の入れ替え後の第1中間液室324及び第2中間液室326の保湿液202の汚れは、最上段液室322に貯留された保湿液202の汚れがオーバーフローにより第1中間液室324に伝播するため、やや好ましくない(++)。
キャップ77は、図20に示すように、液保持部300について、保湿液202の給液口を最上段液室322に、保湿液202の廃液口を最上段液室322、第1中間液室324及び第2中間液室326に設けている。保湿液202の供給は、給液ポンプ(不図示)によって最上段液室322から供給し、第1中間液室324、第2中間液室326、及び最下段液室328へはそれぞれオーバーフローによって供給される。また、保湿液202の排出は、最上段液室322、第1中間液室324及び第2中間液室326から廃液ポンプ(不図示)によって行われる。
このように構成されたキャップ77は、最上段液室322、第1中間液室324、第2中間液室326、及び最下段液室328に保湿液202が貯留されるため、ヘッド50の保湿の観点については好ましい(+++)。
次に、保湿液202の給液系の数は、最上段液室322への1箇所であり、簡素化できており好ましい(+++)。また、保湿液202の廃液系の数は、3箇所と多く、好ましくない(+)。
次に、キャップ77の内部の保湿液202の入れ替えにかかる時間は、最上段液室322に供給する分だけ時間がかかり、好ましくない(+)。同様に、入れ替えにかかる保湿液202の量についても、最上段液室322に供給する分だけ増え、好ましくない(+)。
最後に、保湿液202の入れ替え後の第1中間液室324及び第2中間液室326の保湿液202の汚れは、最上段液室322から直接廃液するため最上段液室322の汚れがオーバーフローにより伝播することがなく、きれいであり好ましい(+++)。
キャップ78は、図21に示すように、液保持部300について、保湿液202の給液口を最上段液室322及び第1中間液室324に、保湿液202の廃液口を第1中間液室324及び第2中間液室326に設けている。保湿液202の供給は、給液ポンプ(不図示)によって最上段液室322及び第1中間液室324から供給し、第2中間液室326及び最下段液室328へはそれぞれオーバーフローによって供給される。また、保湿液202の排出は、第1中間液室324及び第2中間液室326から廃液ポンプ(不図示)によって行われる。
このように構成されたキャップ78は、各貯留部に保湿液202が貯留されるため、ヘッド50の保湿の観点については好ましい(+++)。
次に、保湿液202の給液系の数は最上段液室322及び第1中間液室324への2箇所であり、好ましくない(+)。一方、保湿液202の廃液系の数は、中間液室の2箇所であり、簡素化できており好ましい(+++)。
次に、キャップ78の内部の保湿液202の入れ替えにかかる時間は、最上段液室322と第1中間液室324とに同時に供給することができるため、短時間で好ましい(+++)。一方、入れ替えにかかる保湿液202の量については、最上段液室322の内部の保湿液202が蒸発して減少した分だけ増加し、やや好ましくない(++)。
最後に、保湿液202の入れ替え後の第1中間液室324及び第2中間液室326の保湿液202の汚れは、最上段液室322から直接廃液するため最上段液室322の汚れがオーバーフローにより伝播することがなく、きれいであり好ましい(+++)。
キャップ79は、図22に示すように、液保持部300について、保湿液202の給液口を第1中間液室324に、保湿液202の廃液口を第1中間液室324及び第2中間液室326に設けている。保湿液202の供給は、給液ポンプ(不図示)によって第1中間液室324から供給し、第2中間液室326及び最下段液室328へはそれぞれオーバーフローによって供給される。また、保湿液202の排出は、第1中間液室324及び第2中間液室326から廃液ポンプ(不図示)によって行われる。
このように構成されたキャップ79は、最上段液室232に保湿液202が貯留されないため、最上段液室232に対向するノズル面を保湿することができず、ヘッド50の保湿の観点については好ましくない(+)。
給液系の数は最上段液室322への1箇所であり、簡素化できており好ましい(+++)。また、廃液系の数は、中間液室の2箇所であり、簡素化できており好ましい(+++)。
キャップ79の内部の保湿液202の入れ替えにかかる時間は、最上段液室322に供給する必要がないため、短時間で好ましい(+++)。入れ替えにかかる保湿液202の量についても、第1中間液室324、第2中間液室326、及び最下段液室328のみの保湿液202だけでよく、好ましい(+++)。
保湿液202の入れ替え後の第1中間液室324及び第2中間液室326の保湿液202の汚れは、最上段液室322からのオーバーフローがないため、きれいであり好ましい(+++)。
一方、本実施形態に係るキャップ70、71、72及び74によれば、第1中間液室234に貯留された保湿液202の液面と第2中間液室236に貯留された保湿液202の液面とがノズル領域126Aと近い位置で対向することで、ノズル面52のノズル領域126Aを保湿することができる。また、最下段液室238に貯留された保湿液202の液面がノズル面52の鉛直方向下方の非ノズル領域126Bと近い位置で対向することで、鉛直方向下方の非ノズル領域126Bを保湿することができる。さらに最上段液室232と最下段液室238の気体空間238Aとが、第1中間液室234及び第2中間液室236の側面側及び背面側のうち少なくとも一方の領域を介して連通することで、鉛直方向上方の非ノズル領域126Bについても気体空間238Aの蒸気によって保湿することができる。したがって、ヘッド50の保湿の観点については、好ましい(+++)。
また、給液系の数は最上段液室322への1箇所であり、簡素化できており好ましい(+++)。廃液系の数も中間液室の2箇所であり、簡素化できており好ましい(+++)。
さらに、キャップ78の内部の保湿液202の入れ替えにかかる時間は、最上段液室232に供給する必要がないため、短時間で好ましい(+++)。入れ替えにかかる保湿液202の量についても、最上段液室322に供給する必要がないため、少量で好ましい(+++)。
保湿液202の入れ替え後の第1中間液室234及び第2中間液室236の保湿液202の汚れは、最上段液室232からのオーバーフローがないため、きれいであり好ましい(+++)。
このように、本実施形態に係るキャップ70、71、72及び74によれば、保湿性、保湿液の給液系や廃液系の数、保湿液の入れ替えに係る時間及び量、保湿液の入れ替え後の中間液室の汚れの各観点について、好ましい結果を得ることができる。
<他の装置構成への適用について>
上記の実施形態では、カラー画像印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを得る液体吐出装置(インクジェット記録装置、インクジェットシステムを含む)に広く適用できる。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものでは無く、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
10…インクジェット記録装置、50C,50M,50Y,50K、50…インクジェットヘッド(ヘッド)、52C,52M,52Y,52K,52…ノズル面、70C,70M,70Y,70K,70,71,72,74…キャップ、154…廃液トレイ、156…廃液回収配管、158…廃液タンク、202…保湿液、210…第1液保持部、210B…底板、210R…右側板、210L…左側板、210U…上側板、210D…下側板、214,216,218…貫通孔、220…第2液保持部、220B…底板、220R…右側板、220L…左側板、220U…上側板、220D…下側板、222…仕切板、224…給液口、226,228…廃液口、232…最上段液室、234…第1中間液室、236…第2中間液室、238…最下段液室、244…給液管、246,248…廃液管、254…排気口、256…給気口、258…給気管、260…給液タンク、262…給液ポンプ、264…廃液ポンプ

Claims (11)

  1. 液体を吐出するノズルが形成されたノズル領域と、前記ノズルが形成されない非ノズル領域と、を有するノズル面が水平面に対して傾斜して配置される液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドの前記ノズル面と対向する位置に配置される液保持部であって、前記傾斜の方向に沿って、鉛直方向の最上段に配置されて前記非ノズル領域と対向する最上段液室と、鉛直方向の最下段に配置されて前記非ノズル領域と対向する最下段液室と、前記最上段液室と前記最下段液室との間に配置されて前記ノズル領域と対向する中間液室と、に区切られて保湿液を貯留する液保持部と、
    前記中間液室に設けられた給液口に前記保湿液を供給する供給手段であって、前記中間液室からオーバーフローさせた前記保湿液を前記最下段液室へ流入させる供給手段と、
    前記中間液室に設けられた廃液口から前記保湿液を排出する排出手段と、
    を備え、
    前記液保持部は、前記保湿液を貯留した状態において前記最上段液室と前記最下段液室の気体空間とを前記中間液室の開口面側とは異なる側面側及び背面側のうち少なくとも一方の領域を介して連通する液体吐出装置。
  2. 前記液保持部は、前記傾斜の方向に沿って区切られた複数の中間液室を有し、
    前記給液口は、前記複数の中間液室のうち鉛直方向の最上段に位置する最上段中間液室に設けられ、
    前記最上段中間液室以外の複数の中間液室へは、前記最上段中間液室からオーバーフローした保湿液が順次鉛直方向下方の中間液室へ流入して供給される請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記排出手段は、前記複数の中間液室にそれぞれ設けられた廃液口から前記保湿液を排出する請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記液保持部は、
    第1の底板と、前記第1の底板の周縁に立設される第1の側板と、からなる第1の箱状部材と、
    第2の底板と、前記第2の底板の周縁に立設される第2の側板と、からなる第2の箱状部材であって、前記第1の箱状部材の開口内に配置された第2の箱状部材と、
    を備え、
    前記第2の箱状部材が前記中間液室を構成し、前記第1の底板と前記第2の底板とが間隔を置いて配置され、前記保湿液を貯留した状態において前記第2の箱状部材の鉛直方向上方の前記最上段液室と鉛直方向下方の前記最下段液室の気体空間とを前記第1の底板と前記第2の底板との間の領域を介して連通する請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記保湿液を貯留した状態において前記最上段液室と前記最下段液室の気体空間とを、前記第1の側板と前記第2の側板との間の領域であって、前記最上段液室側の領域及び前記最下段液室側の領域とは異なる領域を介して連通する請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記液保持部は、
    第1の底板と、前記第1の底板の周縁に立設される第1の側板と、からなる第1の箱状部材と、
    前記第1の側板より内側に立設される第2の側板によって包囲された包囲領域と、
    を備え、
    前記包囲領域が前記中間液室を構成し、前記保湿液を貯留した状態において前記包囲領域の鉛直方向上方の前記最上段液室と鉛直方向下方の前記最下段液室の気体空間とを前記第1の側板と前記第2の側板との間の領域であって、前記最上段液室側の領域及び前記最下段液室側の領域とは異なる領域を介して連通する請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記液保持部の内側を前記傾斜の方向に沿って複数の液室に区切る第1の仕切部材と、
    前記最下段液室に設けられた給気口と、
    前記最上段液室に設けられた排気口と、
    前記給気口と前記排気口とを前記中間液室の前記側面側及び前記背面側のうち少なくとも一方の領域を介して連通する給気管と、
    を備えた請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記最下段液室からオーバーフローさせた前記保湿液が流入する廃液保持部を備えた請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 記録媒体を周面に保持して搬送する搬送ドラムを備え、
    前記液体吐出ヘッドは、前記搬送ドラムの周面に沿ってノズル面が水平面に対して傾斜して配置される請求項1から8のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記液体吐出ヘッドは、一方向に配列された複数のヘッドモジュールから構成されるラインヘッドである請求項1から9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 液体を吐出するノズルが形成されたノズル領域と、前記ノズルが形成されない非ノズル領域と、を有するノズル面が水平面に対して傾斜して配置される液体吐出ヘッドの前記ノズル面と対向する位置に配置される液保持部であって、前記傾斜の方向に沿って、鉛直方向の最上段に配置されて前記非ノズル領域と対向する最上段液室と、鉛直方向の最下段に配置されて前記非ノズル領域と対向する最下段液室と、前記最上段液室と前記最下段液室との間に配置されて前記ノズル領域と対向する中間液室と、に区切られて保湿液を貯留する液保持部と、
    前記中間液室に設けられた給液口に前記保湿液を供給する供給手段であって、前記中間液室からオーバーフローさせた前記保湿液を前記最下段液室へ流入させる供給手段と、
    前記中間液室に設けられた廃液口から前記保湿液を排出する排出手段と、
    を備え、
    前記液保持部は、前記保湿液を貯留した状態において前記最上段液室と前記最下段液室の気体空間とを前記中間液室の開口面側とは異なる側面側及び背面側のうち少なくとも一方の領域を介して連通する液体吐出ヘッドの保湿装置。
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