JP2006192679A - 液体噴射装置および液体噴射装置の液体吸引装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】傾斜して配置されているヘッド5のノズル55からの液体を吸引する液体吸引装置20を有する液体噴射装置10であって、液体吸引装置20は、ノズル5を封止するための本体と、本体内を吸引して負圧状態にしてノズル55から液体を吸引するための吸引手段81,82とを備え、本体の上部には吸引手段81に接続される第1吸引口91が設けられ、本体の下部には吸引手段82に接続される第2吸引口92が設けられている。
【選択図】図10
Description
図13は、従来の傾斜したヘッド1050と傾斜したキャップ1060を示している。このキャップ1060は、ヘッド1050のノズルプレート面1000を封止した状態である。キャップ1060の中には吸収材1025が収容されている。キャップ1060は、その下部に1つのインク吸引口1001を有しているだけである。このインク吸引口1001は、吸引ポンプに対して接続されている。
この状態では、下部1052のノズル1020近くの圧力が、空気層1071の圧力よりも低くなる。すなわち上部1051側のノズル1020に加わる吸引圧よりも下部1052側のノズル1020に加わる吸引圧の方が大きくなる。
この理由としては、吸収材1025内をインクが流れる場合に、インクの流体抵抗が発生するので、インク吸引口1001からの距離が下部1052側のノズル1020よりも空気層1071が遠く、空気層1071内にある上部1051側のノズル1020よりも、下部1052側のノズル1020の圧力が低くなるからである。
上部1051側のノズル1020と下部1052側のノズル1020が水平でないために、通常下部1052側のノズル1020の方が、上部1051側のノズル1020に比べて吸引圧力が高く、言い換えれば下部1052側のノズル1020側の方が低い吸引圧でもノズルからインクが出てくることになる。
このことから、ヘッド1050の上部1051側のノズル1020には空気が入ってしまい、この後キャップ1060を取り除いてヘッド1050が各ノズル1020からインクを吐出する場合に、たとえば上部1051側の数個のノズル1020からは空気が出てしまい、インクが適切に吐出されない、いわゆるドット抜けの現象を発生しやすいという問題がある。
本発明の構成によれば、液体吸引装置の本体は、ノズルを封止するためのものである。吸引手段は、本体内を吸引して負圧状態にしてノズルから液体を吸引する。
本体の上部には吸引手段に接続される第1吸引口が設けられ、本体の下部には吸引手段に接続される第2吸引口が設けられている。
これにより、本体がノズルを封止した状態で、吸引手段により本体内を吸引して負圧状態にすると、吸引手段は、本体の上部の第1吸引口と本体の下部の第2吸引口からそれぞれ本体内の液体および本体内の空気を吸引することができる。このために、インクを吸引する場合には、本体の上部側と本体の下部側から同時に吸引することができるために、ヘッドの上側に位置するノズルであってもヘッドの下側に位置するノズルであっても、圧力差が発生しないので上側のノズルに空気が入り込む現象を防ぐことができる。このため、傾斜して配置されているヘッドを吸引しても、ドット抜けを防いで良好な描画もしくは印刷を行うことができる。
本発明の構成によれば、本体内の液体を吸引する時に、吸引手段は、第1吸引口と第2吸引口の両方から本体内の液体を吸引するために、第1チューブと第2チューブを有している。第1チューブは、第1吸引口と吸引手段とを接続する。第2チューブは、第2吸引口と吸引手段を接続する。
これにより、第1チューブと第2チューブを用いて本体内の液体および空気は第1吸引口と第2吸引口を通じて確実に排出することができる。
本発明の構成によれば、第1吸引口を大気に開放した状態で、吸引手段が第2吸引口から本体内に残存している液体を吸引する際に、第1チューブには第1チューブを吸引手段に接続した状態から大気に開放するための切り換えバルブを有している。
これにより、切り換えバルブが第1チューブを吸引手段に接続した状態から大気に開放すると、本体内に残存している液体を空吸引することが確実にできる。
本発明の構成によれば、第1吸引口の大きさは、第2吸引口の大きさに比べて同じか大きい。しかも、第1チューブの流路の大きさは、第2チューブの流路の大きさに比べて同じか大きい。
これにより、吸引手段による吸引時の抵抗は、上下で同等にすることができるかあるいはヘッドの上側のノズルと下側のノズルの間の水頭差分を考慮して、上側のノズルに対応する第1吸引口および第1チューブの大きさを、第2吸引口および第2チューブの大きさに比べて大きくすることにより、上側の第1吸引口および第1チューブの吸引時の抵抗を、第2吸引口および第2チューブの吸引時の抵抗に比べて小さくすることができる。これによって、スムーズに本体内の液体および空気を排出することができる。
本発明の構成によれば、本体の上部には複数の第1吸引口が設けられており、本体の下部には複数の第2吸引口が設けられている。
これにより、複数の第1吸引口と複数の第2吸引口を設けることにより、より効率よく本体内の液体および空気を排出することができる。
これにより、本体がノズルを封止した状態で、吸引手段により本体内を吸引して負圧状態にすると、吸引手段は、本体の上部の第1吸引口と本体の下部の第2吸引口からそれぞれ本体内の液体および本体内の空気を吸引することができる。このために、インクを吸引する場合には、本体の上部側と本体の下部側から同時に吸引することができるために、ヘッドの上側に位置するノズルであってもヘッドの下側に位置するノズルであっても、圧力差が発生しないので上側のノズルに空気が入り込む現象を防ぐことができる。このため、傾斜して配置されているヘッドを吸引しても、ドット抜けを防いで良好な描画もしくは印刷を行うことができる。
図1は、本発明の液体噴射装置の好ましい実施形態を示している。
図1に示す液体噴射装置10は、たとえばいわゆるインクジェット式の大判プリンタ(Large−Format Printer)であり、インクジェット式記録装置である。
この液体噴射装置10は、本体部1、支持部2、巻き取り装置3、キャリッジ4、記録ヘッド5、プラテン6、吸着用ファン7、送りローラ8,9、操作パネル10A、そして制御部100を有している。
記録紙Mは、送りローラ8,9によりE方向に送られて巻き取り装置3により巻き取られる。たとえば送りローラ8はモータ8Aにより回転され、巻き取り装置3はモータ3Aにより回転される。
図1と図2に示すキャリッジ4は、ガイドレール4A,4Aにより主走査方向Tに走査することができる。
図2に示すようにホームポジションGにあるインク吸引装置20は、キャッピングシステムまたはキャッピング手段とも呼ぶことができる。ホームポジションGに位置決めされた記録ヘッド5のノズルプレート面61は、インク吸引装置20の本体21に対面する。この本体21は、キャップとも呼ぶことができる。ノズルプレート面61はノズル面の一例である。
この他に、図4に示すようにインク吸引装置20の横には、ワイピング部材400Wが設けられている。このワイピング部材400Wは、記録ヘッド5のノズルプレート面61の吸引を行った後に、ノズルプレート面61に付着したインクを払拭する。
なお、図2において紙面垂直方向は主走査方向Tであり、X方向と同じ方向である。Y方向は図2において左右方向であり水平方向である。Z方向は上下方向である。X方向,Y方向,Z方向は互いに直交している。
判りやすくするために、最も上側に位置するノズルは55Aで示し、最も下側に位置するノズルは55Bで示している。
図6に示すインク吸引装置20は、本体21、第1チューブ71、第2チューブ72、吸引ポンプ19、切り換えバルブ605、大気開放口606および廃液タンク99を有している。本体21は、ノズルプレート面61に対面しており、本体21はノズルプレート面61の各ノズルを封止することができるものである。
各インクカートリッジ50は、8つのノズル開口列に対応して接続されているが、たとえば各インクカートリッジ50は記録ヘッド5からは離れた位置に配置されている。したがって、図1に示す液体噴射装置10はいわゆるオフキャリッジ形のインクジェットプリンタである。
図7に示すように、インク吸引装置20の本体21は、金属あるいはプラスチックにより作られており、底部21Aと4つの側面部21Bを有している。本体21の上部には、開口部21Cが形成されている。この開口部21Cの大きさは、ノズルプレート面61の大きさよりやや小さくなっていて、図8に示すようにノズルプレート面61の全てのノズル55を囲うようにして封止することができる。
特徴的なのは、図7と図9に示すように、第1接続パイプ81の流路の大きさは、第2接続パイプ82の流路の大きさに比べて大きく設定されている。しかも、第1吸引口91の内径は、第2吸引口92の内径に比べて大きく設定されている。
吸引手段400は、本体21に対して接続されているのであるが、吸引手段400は、上述した第1チューブ71、第2チューブ72、吸引ポンプ19、大気開放口606および切り換えバルブ605を有している。
図7に示すように、本体21がノズルプレート面61から離れた状態から、図8に示すように本体21がノズルプレート面61に密着する。この場合に、本体21は弾性変形可能な密着部材29を有していることから、この密着部材29はノズルプレート面61の各ノズル55を封止することができる。
図8において、吸引ポンプ19を作動すると、各ノズル55からはインクが本体21内に吸引される。すなわち、図8と図10に示すように、吸引ポンプ19は、第1チューブ71、第2チューブ72を通じて、第1吸引口91と第2吸引口92から本体21内のインクおよび空気を同時に吸引して排出させることができる。
このために、記録ヘッド5の上部5U側のノズル55Aと下部5L側のノズル55Bを介して、ほぼ均等に本体21内のインクを吸引することができる。このことから、従来と異なり、上部5U側のノズル55A側から本体21内の空気が記録ヘッド5のリザーバ56側に入っていってしまうのを防ぐことができる。たとえば上部5U側のノズル55Aおよびその周辺のノズル55がインクを吐出する時に空吐出することなく、いわゆるインクのドット抜けを防ぐことができる。記録ヘッド5がインクを噴射して描画もしくは印刷する際の品質を向上できる。
図11と図12は本発明の別の実施形態を示している。
図11の実施形態では、本体21の上部21U側には、2つの第1接続パイプ81,81が設けられている。これらの接続パイプ81,81は、それぞれ第1吸引口91,91に接続されている。第1接続パイプ81と第1吸引口91は、本体21の底部21Aの上側の隅の部分に設けられている。これに対して、2つの第2接続パイプ82,82が、本体21の底面21Aの下部に突出して設けられている。第2接続パイプ82は、第2吸引口92に接続されている。
このようにして複数の第1接続パイプ81と第1吸引口91、および複数の第2接続パイプ82と複数の第2吸引口92を設けるようにしても構わない。各第1接続パイプ81は、図7に示す第1チューブ71をそれぞれ通じて吸引ポンプ19に接続されている。2つの第2接続パイプ82は、図7に示す第2チューブ72を通じて吸引ポンプ19に接続されている。第1チューブ71には大気開放バルブ605が設けられている。
図12の実施形態が図9の実施形態と異なるのは、第1接続パイプ81と第2接続パイプ82の流路の大きさが同じであり、第1吸引口91の大きさと第2吸引口92の大きさが同じである。このように上部21U側の第1接続パイプ81と第1吸引口91が、下部21L側の第2接続パイプ82と第2吸引口92と同じ大きさであっても構わない。
本発明の実施形態では、メディアMとして紙の例を挙げているがこれに限らず、紙以外の種類の記録媒体であっても勿論構わない。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせることができる。
Claims (6)
- 傾斜して配置されているヘッドのノズルからの液体を吸引する液体吸引装置を有する液体噴射装置であって、
前記液体吸引装置は、
前記ノズルを封止するための本体と、
前記本体内を吸引して負圧状態にして前記ノズルから前記液体を吸引するための吸引手段と、を備え、
前記本体の上部には前記吸引手段に接続される第1吸引口が設けられ、前記本体の下部には前記吸引手段に接続される第2吸引口が設けられていることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記本体内の前記液体を吸引する時に、前記吸引手段は、前記第1吸引口と前記第2吸引口の両方から前記本体内の前記液体を吸引するために、前記第1吸引口と前記吸引手段とを接続する第1チューブと、前記第2吸引口と前記吸引手段とを接続する第2チューブと、を有していることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
- 前記第1吸引口を大気に開放した状態で前記吸引手段が前記第2吸引口から前記本体内に残存している前記液体を吸引する際に、前記第1チューブには前記第1チューブを前記吸引手段に接続した状態から前記大気に開放するための切り換えバルブを有していることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
- 前記第1吸引口の大きさは、前記第2吸引口の大きさに比べて同じか大きく、前記第1チューブの流路の大きさは、前記第2チューブの流路の大きさに比べて同じか大きいことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液体噴射装置。
- 前記本体の上部には複数の前記第1吸引口が設けられ、前記本体の下部には複数の前記第2吸引口が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
- 液体噴射装置に設けられて、傾斜して配置されているヘッドのノズルからの液体を吸引する液体吸引装置であって、
前記ノズルを封止するための本体と、
前記本体内を吸引して負圧状態にして前記ノズルから前記液体を吸引するための吸引手段と、を備え、
前記本体の上部には前記吸引手段に接続される第1吸引口が設けられ、前記本体の下部には前記吸引手段に接続される第2吸引口が設けられていることを特徴とする液体噴射装置の液体吸引装置。
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