JP5435685B2 - 封止用樹脂フィルム - Google Patents

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本発明は、配線パターンが形成された基板上に搭載された電子部品を封止するための封止用樹脂フィルムに関する。
配線パターンが設けられた基板上に半導体素子等の電子部品が複数搭載された半導体装置においては、一般的に金属キャップを設ける形態が主流だったが、近年、パッケージの薄型化やコストダウンのために樹脂封止にてパッケージングされるものが増加してきている(例えば、特許文献1および2参照。)。
具体的には、特許文献1には、「金型の片方に一括封止型半導体の基板を、他の一方に半固形状のエポキシ樹脂組成物を配置し圧縮成形法にて加熱硬化させることを特徴とする半導体装置の樹脂封止方法。」が記載されている。
また、特許文献1と同一出願人により提案された特許文献2には、「フィルムのうえに品質特性の異なる複数種のエポキシ樹脂系組成物を並列又は及び積層したシート状接着体。」が記載されている。
特開2004−56141号公報 特開2006−117919号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載の樹脂封止方法およびシート状接着体であっても、封止する前に、ハンダ等を用いて半導体素子を基板上に実装しておく必要があり、半導体素子の実装と封止を一括で行うには至っておらず、生産効率が低い問題があることが明らかとなった。
また、特許文献1および2に記載の樹脂封止方法およびシート状接着体を用いると、圧縮形成に要する圧力が高くなり、薄型の電子部品や高周波電子部品に十分に対応できない場合があることが明らかとなった。
そこで、本発明は、電子部品(例えば、半導体素子等)の実装と封止を一括かつ低圧で行うことを可能とする封止用樹脂フィルムならびに該封止用樹脂フィルムを用いたモジュール(例えば、半導体装置等)およびモジュール前駆体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、60〜230℃での最低粘度が1〜107Pa・sとなる樹脂組成物を封止用のフィルムとして用いることにより、電子部品の実装と封止が一括かつ低圧で可能になることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(19)を提供する。
(1)配線パターンが形成された基板上に実装される電子部品を封止するための封止用樹脂フィルムであって、
60〜230℃での最低粘度が1〜107Pa・sとなる樹脂組成物からなる封止用樹脂フィルム。
(2)上記樹脂組成物が、
(A)下記式(1)で示されるビニル化合物、ならびに、
(B)ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー
を含有する熱硬化性樹脂組成物からなる上記(1)に記載の封止用樹脂フィルム。
式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはフェニル基を表し、複数のR1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であっても異なっていてもよい。
また、−(O−X−O)−は下記式(2)で表される構造であり、−(Y−O)−は下記式(3)で表される繰返し単位であり、Zは酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1以上の有機基を表す。
また、aおよびbは、少なくとも一方が0でない0〜300の整数を表し、cおよびdは、それぞれ独立に0または1の整数を表す。
式(2)中、R8、R9、R10、R14およびR15は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表し、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。
また、式(3)中、R16およびR17は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表し、R18およびR19は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。
(3)上記−(O−X−O)−が、下記式(4)で表される構造であり、
上記−(Y−O)−が、下記式(5)または(6)で表される繰返し単位である上記(2)に記載の封止用樹脂フィルム。
(4)上記−(Y−O)−が、上記式(6)で表される繰返し単位である、上記(3)に記載の封止用樹脂フィルム。
(5)上記(B)成分が、スチレン系熱可塑性エラストマーである、上記(2)〜(4)のいずれかに記載の封止用樹脂フィルム。
(6)上記(A)成分と上記(B)成分との質量割合((A):(B))が、40:60〜60:40である、上記(2)〜(5)のいずれかに記載の封止用樹脂フィルム。
(7)上記樹脂組成物が、
(C)フェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂、および/または、重量平均分子量が10,000〜200,000であって水酸基を有する2官能型直鎖状エポキシ樹脂、ならびに、
(D)フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック
を含有するエポキシ樹脂組成物からなる上記(1)に記載の封止用樹脂フィルム。
(8)上記(D)成分の含有量が、上記(C)成分100質量部に対して30〜200質量部である、上記(7)に記載の封止用樹脂フィルム。
(9)上記(C)成分のノボラック型エポキシ樹脂が、下記式(7)で表されるエポキシ樹脂である、上記(7)または(8)に記載の封止用樹脂フィルム。

(式(7)中、nは1〜10の数(平均値)を表す。)
(10)上記(C)成分の2官能型直鎖状エポキシ樹脂が、下記式(8)で表されるエポキシ樹脂である、上記(7)〜(9)のいずれかに記載の封止用樹脂フィルム。
式(8)中、Qは、単結合、炭素数1〜7の炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−、−CO−または下記式で表される基を表し、複数のQは、同一であっても異なっていてもよい。R21は、炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン原子を表し、複数のR21は、同一であっても異なっていてもよい。eは、0〜4の整数を表し、複数のeは、同一であっても異なっていてもよい。nは、25〜500の数(平均値)を表す。
式中、R22は、炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン原子を表し、複数のR22は、同一であっても異なっていてもよい。R23は、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン原子を表し、fは、0〜5の整数を表す。
(11)上記(D)成分が、下記式(9)で表される変性フェノールノボラックである、上記(7)〜(10)のいずれかに記載の封止用樹脂フィルム。
式(9)中、R24は、炭素数1〜5のアルキル基を表し、複数のR24は、同一であっても異なっていてもよい。R25は、炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、複数のR25は、同一であっても異なっていてもよい。R26は、炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、複数のR26は、同一であっても異なっていてもよい。gは、0〜3の整数を表し、複数のgは、同一であっても異なっていてもよい。hは、0〜3の整数を表し、複数のhは、同一であっても異なっていてもよい。n:mは、1:1〜1.2:1である。
(12)上記(D)成分が、上記式(9)中のR24がメチル基である、上記(11)に記載の封止用樹脂フィルム。
(13)上記エポキシ樹脂組成物が、更に(E)イソシアナート化合物を含有する、上記(7)〜(12)のいずれかに記載の封止用樹脂フィルム。
(14)上記エポキシ樹脂組成物が、更に(F)無機フィラーを含有する、上記(7)〜(13)のいずれかに記載の封止用樹脂フィルム。
(15)上記(F)成分の無機フィラーが、平均粒径5μm以下のものである、上記(14)に記載の封止用樹脂フィルム。
(16)電子部品を封止してモジュールを得るモジュールの製造方法であって、少なくとも、
配線パターンが形成された基板上に電子部品を設置し、該電子部品を該基板上に固定する部品固定工程と、
上記部品固定工程後に、上記基板および上記電子部品の上に上記(1)〜(15)のいずれかに記載の封止用樹脂フィルムを設置するフィルム設置工程と、
上記フィルム設置工程後に、上記封止用樹脂フィルム上に基材を設置し、60〜300℃で加熱しながら、1MPa以下の圧力で、該基材と上記基板とをプレスする低圧加熱プレス工程と、を具備するモジュールの製造方法。
(17)上記(16)に記載のモジュールの製造方法により得られるモジュール。
(18)電子部品を封止してモジュール前駆体を得るモジュール前駆体の製造方法であって、少なくとも、
第1基材上に上記(1)〜(15)のいずれかに記載の封止用樹脂フィルムを設置する第1フィルム設置工程と、
上記第1フィルム設置工程後に、上記封止用樹脂フィルム上に電子部品を設置し、該封止用樹脂フィルムにより該電子部品を上記第1基材上に固定する部品固定工程と、
上記部品固定工程後に、上記封止用樹脂フィルムおよび上記電子部品の上に上記(1)〜(15)のいずれかに記載の封止用樹脂フィルムを設置する第2フィルム設置工程と、
上記第2フィルム設置工程により設置された上記封止用樹脂フィルム上に第2基材を設置し、60〜230℃で加熱しながら、1MPa以下の圧力で、該第2基材と上記第1基材とをプレスする低圧加熱プレス工程と、を具備するモジュール前駆体の製造方法。
(19)上記(18)に記載のモジュール前駆体の製造方法により得られるモジュール前駆体。
以下に示すように、本発明によれば、基板への電子部品(例えば、半導体素子等)の実装と電子部品の封止を一括かつ低圧で可能とする封止用樹脂フィルムならびに該封止用樹脂フィルムを用いたモジュール(例えば、半導体装置等)およびモジュール前駆体の製造方法を提供することができる。
また、本発明の封止用樹脂フィルムを用いれば、基板上の電子部品の実装と封止が一括かつ低圧で可能となるため、モジュールの生産効率が飛躍的に向上し、薄型電子部品や高周波電子部品の封止にも対応できる。
更に、本発明のモジュール前駆体の製造方法は、機能や種類、厚みや形状の異なる多数の電子部品を含んだ多機能のモジュール前駆体を容易に製造することができるため非常に有用である。
更にまた、本発明のモジュール前駆体は、多様な用途の基板への実装に適用でき、また基板への実装時に接続と封止が同時に形成することができるため非常に有用である。
本発明の第1の態様に係る封止用樹脂フィルム(以下、「本発明の封止用樹脂フィルム」ともいう。)は、配線パターンが形成された基板上に実装される電子部品を封止するための封止用樹脂フィルムであって、60〜230℃での最低粘度が1〜107Pa・sとなる樹脂組成物からなるフィルムである。
本発明においては、「60〜230℃での最低粘度」とは、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件で、粘度計(VAR−100、REOLOGICA社製)を用いて60〜230℃の範囲で測定することができる粘度の最低値のことをいう。
このような粘度物性を有する樹脂組成物を封止用樹脂フィルムに用いることにより、電子部品の実装と封止を一括かつ低圧で行うことが可能となる。これは、後述する本発明の第2の態様に係るモジュールの製造方法に示すように60〜300℃で電子部品を封止することにより、得られる本発明の封止用樹脂フィルムの電子部品間への埋め込み性が良好となり、かつ、樹脂流れ(圧着時の横方向へのはみ出し)も起きず、また、電子部品のバンプ(突起電極)と基板電極とが接触するように基板上に位置決めした電子部品がずれず、更に、厚みの設計精度も良好となるためであると考えられる。
また、このような粘度物性を有する樹脂組成物を封止用樹脂フィルムに用いることにより、薄型の電子部品や高周波電子部品であっても破損もなく、実装と封止を一括に行うことができる。
また、電子部品の実装と封止を一括かつ低圧でより容易に行える観点から、60〜230℃での最低粘度が1〜105Pa・sとなる樹脂組成物を用いるのが好ましく、1〜104Pa・sとなる樹脂組成物を用いるのがより好ましい。
本発明においては、上記樹脂組成物が、(A)上記式(1)で示されるビニル化合物、ならびに、(B)ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー、を含有する熱硬化性樹脂組成物からなるのが好ましい。
次に、各成分について詳述する。
<(A)成分:ビニル化合物>
上記(A)成分のビニル化合物は、下記式(1)で示されるものであり、特開2004−59644号公報に記載されたものと同様である。
上記式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはフェニル基を表し、複数のR1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であっても異なっていてもよい。
また、−(O−X−O)−は下記式(2)で表される構造であり、−(Y−O)−は下記式(3)で表される繰返し単位であり、Zは酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1以上の有機基を表す。
また、aおよびbは、少なくとも一方が0でない0〜300の整数を表し、cおよびdは、それぞれ独立に0または1の整数を表す。
ここで、上記式(2)中、R8、R9、R10、R14およびR15は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表し、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。
また、上記式(3)中、R16およびR17は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表し、R18およびR19は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。
また、上記式(1)中、Zは、炭素数3以下のアルキレン基であるのが好ましい。具体的には、メチレン基が好適に例示される。
更に、上記式(1)中、aおよびbは、少なくともいずれか一方が0でない0〜300の整数を表すが、0〜30の整数を表すのが好ましい。
本発明においては、上記式(2)中、R8、R9、R10、R14およびR15は、炭素数3以下のアルキル基であるのが好ましく、R11、R12およびR13は、水素原子または炭素数3以下のアルキル基であるのが好ましい。具体的には、下記式(4)で表される構造が好適に例示される。
また、上記式(3)中、R16およびR17は、炭素数3以下のアルキル基であるのが好ましく、R18およびR19は、水素原子または炭素数3以下のアルキル基であるのが好ましい。具体的には、下記式(5)または(6)で表される構造が好適に例示される。
本発明においては、(A)成分であるビニル化合物は、数平均分子量1000〜3000であるのが、得られる熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度がより低くなり、(A)成分間の反応性が良好になる理由から好ましい。なお、(A)成分間で反応が進むことにより、得られる熱硬化性樹脂組成物の硬化速度が向上し、本発明の封止用樹脂フィルムの硬化物の耐熱性や硬度等の物性も向上するため好ましい。
ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、標準ポリスチレンによる検量線を用いて求めた値とする。
また、本発明においては、このようなビニル化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(B)成分:ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー>
上記(B)成分のゴムとしては、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム等が挙げられる。
これらの中でも、スチレン−ブタジエンゴムを用いるのが、上記(A)成分との相溶性が良好となり、また、得られる熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムの硬化物の弾性率および誘電率が低くなり、更に、基板や電子部品との接着耐久性が良好となるため好ましい。
一方、上記(B)成分の熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、具体的には、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
本発明においては、上記(B)成分としては、得られる熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムの硬化物の弾性率の観点から熱可塑性エラストマーが好ましい。特に、得られる熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムの電子部品に対する流動性、低誘電率および低弾性率の観点から、スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
また、本発明においては、このようなゴムおよび/または熱可塑性エラストマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上述した(A)成分と(B)成分の質量割合((A):(B))は、10:90〜90:10であるのが好ましく、得られる熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムの封止後の硬化物が、低誘電率・低誘電正接と低弾性率をバランスよく備える観点から、40:60〜60:40であるのがより好ましく、45:55〜55:45であるのが更に好ましい。
本発明においては、上述した(A)成分および(B)成分を含有する熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、無機フィラー、粘着性付与剤、消泡剤、流動調整剤、成膜補助剤、分散助剤等の添加剤を含有していてもよい。
ここで、無機フィラーとしては、具体的には、例えば、後述する(F)成分として例示するものが挙げられる。
また、本発明においては、上記熱硬化性樹脂組成物は、硬化触媒を含有していてもよいが、加熱のみによって硬化することができる。
本発明においては、上記熱硬化性樹脂組成物は、公知の方法により製造することができる。
例えば、溶媒の存在下または非存在下で、上記(A)成分および上記(B)ならびに所望により含有してもよい各種添加剤の各々を加熱真空混合ニーダー等により混合する方法により製造することができる。
具体的には、所定の溶剤濃度に溶解し、それらを40〜100℃に加温された反応釜に所定量投入し、常圧混合を30分〜6時間行うことにより製造することができる。その後、真空下(最大1トール)で更に5分〜60分混合撹拌することができる。
このような熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムの製造方法としては、具体的には、例えば、熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に溶解または分散させてワニスとした後に、所望の支持体に塗布し、乾燥させる方法等が挙げられる。
上記有機溶剤としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ジオクチルフタレート、ジブチルフタレートなどの高沸点溶媒;等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ここで、有機溶剤の使用量は、特に限定されないが、固形分が20〜90質量%となるように使用するのが好ましく、20〜50質量%となるように使用するのがより好ましい。
また、作業性の観点から、ワニスは、100〜600mPa・sの粘度範囲であるのが好ましい。
ここで、粘度は、E型粘度計を用いて、回転数60rpm、25℃で測定した値とする。
上記支持体は特に限定されず、その具体例としては、銅、アルミニウム等の金属箔、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂等の有機フィルム等が挙げられる。
また、上記支持体はシリコーン系化合物等で離型処理されていてもよい。
また、ワニスを塗布する方法は特に限定されないが、薄膜化・膜厚制御の観点からマイクログラビア法、スロットダイ法、ドクターコ一夕一方式等が挙げられ、所望のフィルムの厚み等に応じて適宜選択されるが、特にマイクログラビア方式が、フィルムの厚みを薄く設計しうることから好ましい。マイクログラビア法により、例えば、厚み90μm以下のフィルムを得ることができる。
また、ワニスを塗布した後の乾燥条件は、ワニスに使用される有機溶剤の種類や量、塗布の厚み等に応じて、適宜、設定することができ、一般に、大気圧下、60〜120℃で、1〜30分程度で行うことが好ましく、防爆機能を有する乾燥機を使用することが安全上の観点から好ましい。また、乾燥は、大気中または窒素雰囲気中にて行うことができる。
このような熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムは、60〜230℃での最低粘度が1〜107Pa・sとなるため、電子部品の実装と封止を一括かつ低圧で行うことが可能となる。
また、このような熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムの厚みは、30〜500μmであるのが好ましく、30〜125μmであるがのより好ましい。
特に薄型化が要求されるような場合には、30〜100μmであるのが好ましい。本発明の封止用樹脂フィルムは、このような範囲においても、十分な物理的・電気的特性を保持することができる。
更に、このような熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムは、封止した後に硬化させた硬化物が、高周波領域で低誘電率・低誘電正接を有しており、例えば、温度25℃、周波数5GHzの条件で、誘電率4以下、誘電正接0.025以下のレベルとすることができる。また、例えば、(A)成分および(B)成分の配合割合等の制御を通じて、誘電率2.6以下、誘電正接0.005以下のレベルを達成することもできる。
更に、このような熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムは、封止した後に硬化させた硬化物が、低弾性率であり、応力緩和にも寄与することができ、加工上、ハンドリングがしやすい。例えば、動的粘弾性測定による弾性率として、温度25℃で、3.5GPa以下にすることができる。また、例えば、(A)成分および(B)成分の配合割合等の制御を通じて、1.5GPa以下のレベルを達成することもできる。
更に、このような熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムは、硬化前後の厚みがほぼ均一であるため、硬化後の厚みの均一性に優れたものとなる。
本発明においては、このような熱硬化性樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムの封止した後の硬化条件は、適宜、設定することができ、例えば、150〜250℃で、10〜120分程度とすることができる。
本発明においては、上記樹脂組成物が、(C)フェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂、および/または、重量平均分子量が10,000〜200,000であって水酸基を有する2官能型直鎖状エポキシ樹脂、ならびに、(D)フェノール性水酸基の少なくとも一部を脂肪酸でエステル化した変性フェノールノボラック、を含有するエポキシ樹脂組成物からなるのが好ましい。
次に、各成分について詳述する。
<(C)成分:ノボラック型エポキシ樹脂および/または2官能型直鎖状エポキシ樹脂>
上記(C)成分のノボラック型エポキシ樹脂は、分子骨格および側鎖が剛直で、硬化後のポリマーの運動性を落とす方向に働くものである。
上記(C)成分のノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、下記式(7)で表されるエポキシ樹脂が好適に挙げられる。
上記式(7)中、nは1〜10の数(平均値)を表し、1〜5であるのが好ましく、1であるのがより好ましい。
これらの中でも、下記式(7′)で表されるエポキシ樹脂であるのがより好ましい。
上記式(7′)中、nは上記式(7)と同様である。
上記(C)成分の2官能型直鎖状エポキシ樹脂は、分子骨格および側鎖が剛直で、硬化後のポリマーの運動性を落とす方向に働くものである。
本発明においては、上記(C)成分の2官能型直鎖状エポキシ樹脂の重量平均分子量は、10,000〜200,000であり、15,000〜70,000であるのが好ましい。
また、上記(C)成分の2官能型直鎖状エポキシ樹脂の数平均分子量は、3,700〜74,000であるのが好ましく、5,500〜26,000であるのがより好ましい。
更に、上記(C)成分の2官能型直鎖状エポキシ樹脂のエポキシ当量は、5000g/当量以上であるのが好ましい。
更に、上記(C)成分の2官能型直鎖状エポキシ樹脂は、重量平均分子量/数平均分子量が2〜3の範囲のものが特に好ましい。
ここで、重量平均分子量および数平均分子量は、上述した(A)成分であるビニル化合物の測定と同様、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、標準ポリスチレンによる検量線を用いて求めた値とする。
上記(C)成分の2官能型直鎖状エポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、下記式(8)で表されるエポキシ樹脂が好適に挙げられる。
上記式(8)中、Qは、単結合、炭素数1〜7の炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−、−CO−または下記式で表される基を表し、複数のQは、同一であっても異なっていてもよい。
上記式中、R22は、炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン原子を表し、複数のR22は、同一であっても異なっていてもよい。
23は、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン原子を表す。
fは、0〜5の整数を表す。
上記式(8)中、R21は、炭素数1〜10の炭化水素基またはハロゲン原子を表し、複数のR21は、同一であっても異なっていてもよい。
eは、0〜4の整数を表し、複数のeは、同一であっても異なっていてもよい。
nは、25〜500の数(平均値)を表す。
上記(C)成分の2官能型直鎖状エポキシ樹脂としては、下記式(8′)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。
上記式(8′)中、Qおよびnは、それぞれ、上記式(8)のQおよびnと同様である。
本発明においては、このようなエポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(D)成分:変性フェノールノボラック>
上記(D)成分の変性フェノールノボラックは、フェノール性ヒドロキシ基の少なくとも一部を脂肪酸エステル化したものである。
上記(D)成分の変性フェノールノボラックとしては、例えば、下記式(9)で表される変性フェノールノボラックが好適に挙げられる。
上記式(9)中、R24は、炭素数1〜5のアルキル基を表し、メチル基であるのが好ましく、複数のR24は、同一であっても異なっていてもよい。
また、R25は、炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、複数のR25は、同一であっても異なっていてもよい。
また、R26は、炭素数1〜5のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、複数のR26は、同一であっても異なっていてもよい。
gは、0〜3の整数を表し、複数のgは、同一であっても異なっていてもよい。
hは、0〜3の整数を表し、複数のhは、同一であっても異なっていてもよい。
n:mは、1:1〜1.2:1であり、約1:1であることが好ましい。
nとmの合計としては、例えば2〜4とすることができる。
上記式(9)におけるn、mは、繰り返し単位の平均値であり、繰り返し単位の順序は限定されず、ブロックでもランダムでもよい。
上記(D)成分の変性フェノールノボラックとしては、下記式(9′)で表される変性フェノールノボラックが好適に挙げられる。
上記式(9′)中、R24、nおよびmは、それぞれ、上記式(9)のR24、nおよびmと同様である。
特に好ましくは、上記式(9′)においてR24がメチル基のアセチル化フェノールノボラックである。
本発明においては、このような変性フェノールノボラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(D)成分の含有量は、上記(C)成分100質量部に対して30〜200質量部であるのが好ましく、50〜180質量部であるのがより好ましい。(D)成分の含有量がこの範囲であると、得られるエポキシ樹脂組成物からなる封止用樹脂フィルムの封止後の硬化性が良好となり、かつ、硬化後に良好な誘電特性が期待できる。
なお、上記(C)成分が上述したフェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂である場合は、上記(D)成分を30〜70質量部配合することが特に好ましい。また、上記(C)成分が上述した2官能型直鎖状エポキシ樹脂である場合は、上記(D)成分を120〜180質量部配合することが特に好ましい。
<(E)成分:イソシアナート化合物>
本発明においては、上述した成分(C)および成分(D)を含有するエポキシ樹脂組成物は、更に、(E)イソシアナート化合物を含有するのが好ましい態様の1つである。
エポキシ樹脂中にヒドロキシ基がある場合は、そのヒドロキシ基やエポキシ樹脂が開環した際に生成するヒドロキシ基と、イソシアナート化合物中のイソシアナート基とが反応して、ウレタン結合を形成し、硬化後(封止後)のポリマーの架橋密度を上げ、分子の運動性を更に低下させることができるため好ましい。また、極性の大きいヒドロキシ基が減少するため、一層の誘電率の低下、誘電正接の低下が可能になると考えられる。更に、一般にエポキシ樹脂は分子間力が大きく、フィルム化する場合に均一な成膜が困難であり、かつフィルム化してもフィルム強度が弱く、フィルム形成時にクラックが入りやすい傾向があるが、イソシアナート化することにより、これらの欠点を除くことができるため、加工性の点からも好ましい。
上記(E)成分のイソシアナート化合物としては、例えば、2個以上のイソシアナート基を有するイソシアナート化合物が挙げられる。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロへキシルメタンジイソシアナート、テトラメチルキシリレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、トリジンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、シクロへキシレンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート、水素化キシリレンジイソシアナート、リシンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、トリ(イソシアナートフェニル)トリホスフアート等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナートが好ましい。
また、上記(E)成分のイソシアナート化合物には、イソシアナート化合物の一部が環化反応により、イソシアヌレート環を形成したプレポリマーを含むものとする。例えば、イソシアナート化合物の3量体を含むプレポリマーが挙げられる。
上記(E)成分のイソシアナート化合物は、特に、上述した(C)成分の2官能型直鎖状エポキシ樹脂との組み合わせで使用することが好ましい。エポキシ樹脂の開環反応に伴なう生成したヒドロキシ基と(E)成分のイソシアナート基との反応に加えて、2官能型直鎖状エポキシ樹脂中にはヒドロキシ基が存在するため、このヒドロキシ基とイソシアナート基とが反応できるため、より大きな効果が得られる。
上記(E)成分のイソシアナート化合物の含有量は、上記(C)成分100質量部に対して100〜400質量部であるのが好ましく、300〜350質量部であるのがより好ましい。(E)成分の含有量がこの範囲であると、フィルム形成時に、発泡が抑えられ均一なフィルムになりやすく、またハジキ現象が生じにくい。更に、形成したフィルムを乾燥させた後クラックが生じにくく、フィルムの操作性に優れ、誘電特性も良好となることが期待できる。
<(F)成分:無機フィラー>
上記エポキシ樹脂組成物は、更に、(F)無機フィラーを含有するのが好ましい態様の1つである。
上記(F)成分の無機フィラーは、特に限定されず、上記エポキシ樹脂組成物に、更に所望の特性を付与するものである。例えば、熱膨張率を調整する物質、熱伝導性を調整する物質等が挙げられる。
熱膨張率を調整する物質としては、具体的には、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等が挙げられる。
また、上記熱伝導性を調整する物質のうち、上記熱伝導性物質としては、具体的には、例えば、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、ダイヤモンドなどの酸化物;窒化アルミニウム、窒化ホウ素などの窒化物;等が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、上記無機フィラーとしては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素が好ましい。
上記無機フィラーの含有量は、所望の性質を発揮させるのに必要な量であって、かつフィルム形成が可能な量であれば、特に制限されるものではないが、上記成分(C)〜(E)の合計100質量部に対して、200〜500質量部であるのが好ましく、350〜470質量部であるのがより好ましく、380〜420質量部であるのが更に好ましい。無機フィラーの含有量がこの範囲であると、無機フィラーの樹脂組成物に対する分散性や、得られる樹脂組成物の加工性の点から好ましい。
上記無機フィラーは、粒状、粉末状、りん片等のいずれの形態であってもよい。
上記無機フィラーの平均粒径(粒状でない場合は、その平均最大径)は、0.5μm以下であることが、無機フィラーの樹脂組成物に対する分散性や、得られる樹脂組成物の加工性の点から好ましく、0.3μm以下であることがより薄いフィルムを成形可能となる点からより好ましい。
上記無機フィラーは、必要に応じて、表面処理を施されたものであってもよい。例えば、粒子表面に酸化皮膜を形成させたものであってもよい。
本発明においては、上記エポキシ樹脂組成物は、任意の成分として硬化促進剤を含有してもよい。
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂組成物の硬化促進剤として公知のものを使用することができ、具体的には、例えば、2−メチルイミダゾ−ル、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどの複素環化合物イミダゾール類;トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどのリン化合物類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン類;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンやその塩などのジアザビシクロウンデセン(DBU)類;アミン類やイミダゾ−ル類をエポキシ、尿素、酸などでアダクトさせたアダクト型促進剤類;等が挙げられる。
硬化促進剤の含有量は、上記(C)成分100質量部に対して、1〜10質量部であるのが好ましい。
また、本発明においては、上記エポキシ樹脂組成物は、任意の成分として重合開始剤を含有してもよい。
重合開始剤としては、公知の重合開始剤を使用することができ、具体的には、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3−テトラメチルプチルベルオキシ−2−エチルヘキサノアート等が挙げられる。
重合開始剤の含有量は、上記(C)成分100質量部に対して、1〜10質量部であるのが好ましい。
本発明においては、上記エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、粘着性付与剤、消泡剤、流動調整剤、成膜補助剤、分散助剤等の添加剤を含有してもよい。
上記成膜補助剤としては、具体的には、例えば、ジビニルベンゼンが挙げられる。
成膜補助剤の含有量は、上記(C)成分100質量部に対して、50〜150質量部であるのが好ましい。
また、本発明においては、上記エポキシ樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、弾性率の向上、膨張係数の低下、ガラス転移温度(Tg値)の変更等を目的として、必要に応じて、上記(C)成分以外のエポキシ樹脂を含有してもよい。
上記(C)成分以外のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、上記エポキシ樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、脂肪酸エステル化されていないフェノールノボラック、クレゾールノボラック樹脂、フェノール多核体等の公知のエポキシ樹脂硬化剤を含有してもよい。
フェノール多核体としては、例えば、3〜5核体程度等のフェノール類が挙げられる。
本発明においては、上記エポキシ樹脂組成物は、公知の方法により製造することができる。
例えば、溶媒の存在下または非存在下で、上記(C)成分および上記(D)成分ならびに所望により含有してもよい上記(E)成分の各々をプロペラ撹拌機、バンバリー式ミキサー、遊星式ミキサー、加熱真空混合ニーダー等により混合する方法により製造することができる。なお、所望により含有してもよい上記(F)成分は、上記(C)〜(E)成分を混合した後に添加してもよく、上記(C)〜(E)成分と同時に添加してもよい。
具体的には、所定の溶剤濃度に溶解し、それらを25〜60℃に加温された反応釜に所定量投入し、常圧混合を30〜60分行うことにより製造することができる。その後、真空下(最大1トール)で更に5分〜60分混合撹拌することができる。ただし(F)成分を他の成分と同時に捷拝する場合は、真空下での混合撹拌時間を30〜60分延長するのが好ましい。
このようなエポキシ樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムの製造方法としては、具体的には、例えば、エポキシ樹脂組成物を有機溶剤に溶解または分散させてワニスとした後に、所望の支持体に塗布し、乾燥させる方法等が挙げられる。
ここで、有機溶剤の種類や使用量については、上述した熱硬化性樹脂組成物におけるものと同様である。
また、支持体、ワニスの塗布方法や乾燥条件についても、上述した熱硬化性樹脂組成物におけるものと同様である。
このようなエポキシ樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムは、60〜230℃での最低粘度が1〜107Pa・sとなるため、電子部品の実装と封止を一括かつ低圧で行うことが可能となる。
また、このようなエポキシ樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムの厚みは、上記エポキシ樹脂組成物が(F)成分を含まない場合、30〜500μmであるのが好ましく、30〜125μmであるがのより好ましい。
特に薄型化が要求されるような場合には、30〜100μmであるのが好ましい。本発明の封止用樹脂フィルムは、このような範囲においても、十分な物理的・電気的特性を保持することができる。
一方、上記エポキシ樹脂組成物が(F)成分を含む場合、得られる本発明の封止用樹脂フィルムの厚みは、30〜500μmであるのが好ましく、30〜125μmであるのがより好ましい。
更に、このようなエポキシ樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムは、封止した後に硬化させた硬化物が、高周波領域で低誘電率・低誘電正接を有しており、例えば、温度25℃、周波数5GHzの条件で、誘電率4以下、誘電正接0.025以下のレベルとすることができる。また、例えば、(C)成分および(D)成分の配合割合等の制御を通じて、誘電率2.6以下、誘電正接0.005以下のレベルを達成することもできる。
更に、このようなエポキシ樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムは、封止した後に硬化させた硬化物が、低弾性率であり、応力緩和にも寄与することができ、加工上、ハンドリングがしやすい。例えば、動的粘弾性測定による弾性率として、温度25℃で、3.5GPa以下にすることができる。また、例えば、(C)成分および(D)成分の配合割合等の制御を通じて、1.5GPa以下のレベルを達成することもできる。
更に、このようなエポキシ樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムは、硬化前後の厚みがほぼ均一であるため、硬化後の厚みの均一性に優れたものとなる。
本発明においては、このようなエポキシ樹脂組成物からなる本発明の封止用樹脂フィルムの封止した後の硬化条件は、特に限定されないが、例えば、硬化温度を段階的に上昇させることができ、具体的には80℃、100℃、150℃、180℃に段階的に温度を引き上げることができる。また、硬化時間はフィルムの完全な硬化状態を維持する条件とすることができる。
本発明の第2の態様に係るモジュールの製造方法(以下、「本発明のモジュール製造方法」ともいう。)は、電子部品を封止してモジュールを得るモジュールの製造方法であって、少なくとも、
配線パターンが形成された基板上に電子部品を設置し、該電子部品を該基板上に固定する部品固定工程と、
上記部品固定工程後に、上記基板および上記電子部品の上に本発明の第1の態様に係る封止用樹脂フィルムを設置するフィルム設置工程と、
上記フィルム設置工程後に、上記封止用樹脂フィルム上に基材を設置し、60〜300℃で加熱しながら、1MPa以下の圧力で、該基材と上記基板とをプレスする低圧加熱プレス工程と、を具備するモジュールの製造方法である。
次に、各工程について、図1を用いて詳述する。
図1は、モジュールの製造方法の実施態様の一例を模式的に説明する断面図である。
<部品固定工程>
上記部品固定工程は、配線パターンが形成された基板上に電子部品を設置し、該電子部品を該基板上に固定する工程である。
具体的には、所定の配線パターン(図示せず)が形成された基板1上に電子部品2を設置し、電子部品2を基板1上に固定する工程である(図1(A)参照。)。
ここで、基板1としては、モジュール(例えば、半導体装置)に用いられる公知の基板を用いることができる。
また、電子部品2としては、モジュール基板に搭載される公知の電子部品を用いることができ、具体的には、例えば、半導体素子(例えば、フィリップチップ)、コンデンサー等を用いるのが好ましい。
更に、固定する方法は特に限定されず、例えば、本発明の第1の態様に係る封止用樹脂フィルムを予め基板上に設置し、電子部品を該封止用樹脂フィルムに押し付ける方法;仮固定用の樹脂を予め基板に設置し、電子部品を該仮固定用の樹脂と接着または粘着させる方法;電子部品のバンプ(突起電極)に予めフラックス材を付着させる方法;等が挙げられる。
<フィルム設置工程>
上記フィルム設置工程は、上記部品固定工程後に、上記基板および上記電子部品の上に本発明の第1の態様に係る封止用樹脂フィルムを設置する工程である。
具体的には、基板1および基板1上に固定された電子部品2の上部に本発明の封止用樹脂フィルム3を設置する工程である(図1(B)参照。)。
<低圧加熱プレス工程>
上記低圧加熱プレス工程は、上記フィルム設置工程後に、上記封止用樹脂フィルム上に基材を設置し、60〜300℃で加熱しながら、1MPa以下の圧力で、該基材と上記基板とをプレスする工程である。
具体的には、上記フィルム設置工程後に、上記封止用樹脂フィルム3上に基材4を設置し、上記基材4と基板1とを矢印の方向にプレスする工程である(図1(B)および(C)参照。)。
上記基材4としては、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)等を用いることができる。
また、上記基材4には、後述するように封止用樹脂フィルム3上から取り除くことを考慮して、封止用樹脂フィルム3と接する面に、離型効果のある部材(例えば、テフロンクッション等)が付いているのが好ましい。
本発明においては、上記低圧加熱プレス工程において本発明の封止用樹脂フィルムを用いているため、1MPa以下の低圧であっても、電子部品の実装と封止を一括に行うことが可能となる。これは、60〜300℃で加熱することにより、本発明の封止用樹脂フィルムの電子部品間への埋め込み性が良好になるとともに、電子部品の実装もなされるためである。
また、1MPa以下の低圧で封止を行うことが可能となるため、薄型電子部品の封止にも対応することができる。
更に、60〜300℃で加熱により本発明の封止用樹脂フィルムの電子部品間への埋め込み性が良好になるため、電子部品の低背化が可能となる。
ここで、低圧加熱プレスの条件は、使用する封止用樹脂フィルム3の種類により、60〜300℃の温度範囲、1MPa以下の圧力で適宜、設定することができる。例えば、封止用樹脂フィルムとして上述した熱硬化性樹脂組成物からなるものを用いた場合は、温度150〜300℃、実圧力0.50〜1.00MPaとすることができ、上述したエポキシ樹脂組成物からなるものを用いた場合は、温度60〜230℃、実圧力0.05〜1.00MPaとすることができる。
また、この温度は、電子部品に使用されているバンプ(突起電極)および基板電極の材質(例えば、銅や、銅表面にメッキしたハンダ、金、スズ等)により60〜300℃の範囲内で適宜、設定するのが望ましい。
本発明においては、上記低圧加熱プレス工程は、大気圧下で行うこともできるが、減圧下(例えば、10kPa以下)で行うのが好ましく、1kPa以下の減圧下で行うのがより好ましい。
本発明のモジュール製造方法のおいては、上記低圧加熱プレス工程の後に、所定の条件で硬化させ、必要に応じて基材4を取り除くことにより、モジュールを製造することができる(図1(D)参照。)。
ここで、硬化条件は、使用する封止用樹脂フィルム3の種類により、適宜、設定することがでる。例えば、封止用樹脂フィルムとして上述した熱硬化性樹脂組成物からなるものを用いた場合は、180〜200℃で30〜240分間加熱することにより硬化させることができ、上述したエポキシ樹脂組成物からなるものを用いた場合は、180〜200℃で30〜240分間加熱することにより硬化させることができる。
本発明の第3の態様に係るモジュール(以下、「本発明のモジュール」ともいう。)は、本発明の第2の態様に係るモジュールの製造方法により得られるモジュールである。
本発明のモジュールは、上述したように、本発明の封止用樹脂フィルムの封止した後の硬化物が、高周波領域で低誘電率・低誘電正接を有しているため、例えば、温度25℃、周波数5GHzの条件で、誘電率4以下、誘電正接0.025以下のレベルとすることができる。
また、本発明のモジュールは、上述したように、本発明の封止用樹脂フィルムの封止した後の硬化物が、低弾性率であり、応力緩和にも寄与することができ、加工上、ハンドリングがしやすい。例えば、動的粘弾性測定による弾性率として、温度25℃で、3.5GPa以下にすることができる。
本発明の第4の態様に係るモジュール前駆体の製造方法(以下、「本発明のモジュール前駆体の製造方法」ともいう。)は、電子部品を封止してモジュール前駆体を得るモジュール前駆体の製造方法であって、少なくとも、
第1基材上に本発明の第1の態様に係る封止用樹脂フィルムを設置する第1フィルム設置工程と、
上記第1フィルム設置工程後に、上記封止用樹脂フィルム上に電子部品を設置し、該封止用樹脂フィルムにより該電子部品を上記第1基材上に固定する部品固定工程と、
上記部品固定工程後に、上記封止用樹脂フィルムおよび上記電子部品の上に本発明の第1の態様に係る封止用樹脂フィルムを設置する第2フィルム設置工程と、
上記第2フィルム設置工程により設置された上記封止用樹脂フィルム上に第2基材を設置し、60〜230℃で加熱しながら、1MPa以下の圧力で、該第2基材と上記第1基材とをプレスする低圧加熱プレス工程と、を具備するモジュール前駆体の製造方法である。
次に、各工程について、図2を用いて詳述する。
図2は、モジュール前駆体の製造方法の実施態様の一例を模式的に説明する断面図である。
ここで、モジュール前駆体とは、本発明の第1の態様に係る封止用樹脂フィルムによって基材間に電子部品が挟み込まれた構造を有するものをいう。
<第1フィルム設置工程>
上記第1フィルム設置工程は、第1基材上に本発明の第1の態様に係る封止用樹脂フィルム(以下、「第1封止フィルム」ともいう。)を設置する工程である。
具体的には、基材5上に第1封止フィルム6を設置する工程である(図2(A)参照。)。
ここで、上記基材5としては、上記基材4と同様のものを用いることができる。
<部品固定工程>
上記部品固定工程は、上記第1フィルム設置工程後に、上記第1封止フィルム上に電子部品を設置し、該第1封止フィルムにより該電子部品を上記第1基材上に固定する工程である。
具体的には、第1封止フィルム6上に電子部品7を設置し、第1封止フィルム6中に電子部品7の一部が埋め込まれることにより、電子部品7を第1基材5上に固定する工程である(図2(A)(B)参照。)。
<第2フィルム設置工程>
上記第2フィルム設置工程は、上記部品固定工程後に、上記第1封止フィルムおよび上記電子部品の上に本発明の第1の態様に係る封止用樹脂フィルム(以下、「第2封止フィルム」ともいう。)を設置する工程である。
具体的には、第1封止フィルム6および電子部品7上に第2封止フィルム8を設置する工程である(図2(C)参照。)。
<低圧加熱プレス工程>
上記低圧加熱プレス工程は、上記第2フィルム設置工程により設置された上記第2封止フィルム上に第2基材を設置し、60〜230℃で加熱しながら、1MPa以下の圧力で、該第2基材と上記第1基材とをプレスする工程である。
具体的には、上記第2封止フィルム8上に第2基材9を設置し、第2基材9と第1基材5とを矢印の方向にプレスする工程である(図2(C)および(D)参照。)。
ここで、第2基材9としては、上記基材4と同様のものを用いることができる。
ここで、低圧加熱プレスの条件は、使用する封止フィルム6および8の種類により、60〜230℃の温度範囲、1MPa以下の圧力で適宜、設定することができる。例えば、封止フィルムとして上述した熱硬化性樹脂組成物からなるものを用いた場合は、温度60〜230℃、実圧力0.50〜1.00MPaとすることができ、上述したエポキシ樹脂組成物からなるものを用いた場合は、温度60〜230℃、実圧力0.05〜1.00MPaとすることができる。
ここで、この温度範囲は、上述した本発明のモジュール製造方法の低圧加熱プレスの温度範囲(60〜300℃)とは異なり、上述した熱硬化性樹脂組成物の硬化反応や、上述した本発明の封止用樹脂フィルムの電子部品間への埋め込み性によって適宜、設定するのが望ましい。
本発明においては、上記低圧加熱プレス工程は、大気圧下で行うこともできるが、減圧下(例えば、10kPa以下)で行うのが好ましく、1kPa以下の減圧下で行うのがより好ましい。
本発明のモジュール前駆体の製造方法においては、上記低圧加熱プレスを施すによりモジュール前駆体を製造することができる(図2(D)および(E)参照。)。この際、モジュールの用途に応じてモジュール前駆体を切断(個片化)することができる(図2(E)参照。)。
このような本発明のモジュール前駆体の製造方法は、機能や種類、厚みや形状の異なる多数の電子部品を含んだ多機能のモジュール前駆体を容易に製造することができるため非常に有用である。
本発明の第5の態様に係るモジュール前駆体(以下、「本発明のモジュール前駆体」ともいう。)は、本発明の第4の態様に係るモジュール前駆体の製造方法により得られるモジュール前駆体である(図2(F)参照。)。
このような本発明のモジュール前駆体を用いることにより、例えば、図2(D)または(E)に示す第1基材5および第2基材9を取り除き、基板10上に実装することにより、容易にモジュールを製造することができる。
このような本発明のモジュール前駆体は、上述したように個片化することもできるため多様な用途の基板への実装に適用でき、また基板への実装時に接続と封止が同時に形成することができるため非常に有用である。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1)
下記表1に示す配合(質量部)で、メチルエチルケトンを溶剤として熱硬化性樹脂組成物のワニスを調製した(固形分約30重量%)。得られたワニスを、支持体(PET)上に、厚み30μmとなるようマイクログラビアコーターで塗布した後、80〜120℃、10分間の条件で乾燥させて、封止用樹脂フィルムを得た。
なお、熱硬化性樹脂組成物の60〜230℃での最低粘度は、ワニスを調製し、乾燥させた後の組成物で測定した。具体的には、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件で、粘度計(VAR−100、REOLOGICA社製)を用いて測定したところ、それぞれ、下記第1表に示す結果であった。
得られた各封止用樹脂フィルムを、200℃、60分間の条件で硬化させた。
硬化後の各フィルムを40mm×100mmに切り取り、直径約2mmの筒状試験体とした。
各試験体の誘電率(ε)および誘電正接(tanδ)を、空洞共振器を用いて、温度25℃、周波数5GHzで測定した。その結果を第1表に示す。
また、同様の各試験体のガラス転移温度(Tg)および弾性率(GPa)を、動的粘弾性測定(DMA)により、周波数10Hz(引張りモード)で測定した。その結果を表1に示す。
上記第1表に示す各組成成分としては、以下に示すものを用いた。
・ビニル化合物A1:OPE−2st(一般式(1)において、R1〜R7が水素であり、−(O−X−O)−が構造式(4)であり、−(Y−O)−が構造式(6)であり、Zがメチレン基であり、cおよびdが1である。)、数平均分子量2200、三菱ガス化学社製
・ビニル化合物A2:OPE−2st(一般式(1)において、R1〜R7が水素であり、−(O−X−O)−が構造式(4)であり、−(Y−O)−が構造式(6)であり、Zがメチレン基であり、cおよびdが1である。)、数平均分子量30000、三菱ガス化学社製
・熱可塑性エラストマーB1:TR2003、JSR社製
参考例1および2
下記表2に示す配合(質量部)で、メチルエチルケトンを溶剤としてエポキシ樹脂組成物のワニスを調製した(固形分約30重量%)。得られたワニスを、支持体(PET)上に、厚み30μmとなるようマイクログラビアコーターで塗布した後、80〜120℃、10分間の条件で乾燥させて、封止用樹脂フィルムを得た。
なお、熱硬化性樹脂組成物の60〜230℃での最低粘度は、ワニスを調製し、乾燥させた後の組成物で測定した。具体的には、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件で、粘度計(VAR−100、REOLOGICA社製)を用いて測定したところ、それぞれ、下記第2表に示す結果であった。
上記第2表に示す各組成成分としては、以下に示すものを用いた。
・エポキシ樹脂C1:フェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型樹脂。式(7′)でn=1〜1.2のもの。
・エポキシ樹脂C2:重量平均分子量が39000であり、かつ水酸基を有する2官能型直鎖状エポキシ樹脂。エポキシ当量12000g/当量、数平均分子量14500。
・アセチル化フェノールノボラックD1:(n:m=1:1)
・硬化剤:2−エチル−4−メチルイミダゾール
・成膜補助剤:ジビニルベンゼン(DVB960、新日鉄化学社製)
・開始剤:1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノアート
・溶剤:エチルメチルケトン
(実施例
得られた封止用樹脂フィルムのうち、実施例2で調製した封止用樹脂フィルムを用いて、電子部品1(Siチップ、t250μm、5mm□)および電子部品2(Siチップ、t125μm、7.5mm□)の封止を行った。
具体的には、まず、テフロンクッション付きPET基材のテフロンクッション表面上に封止用樹脂フィルムを厚さ10μmで設置した後に、180℃下において、該封止用樹脂フィルム上に電子部品1および2を設置し、該封止用樹脂フィルムにより該電子部品をテフロンクッション付きPET基材上に固定した(図2(A)および(B)参照。)。
次に、該封止用樹脂フィルムおよび該電子部品の上に、封止用樹脂フィルムを厚さ135μmで設置し、更にその上にテフロンクッション付き熱盤(基材)を設置した。
その後、高温真空プレス機(北川精機社製)を用い、200℃、プレス圧1MPa、真空度1.0kPaの条件で、60分間、PET基材と熱盤とを真空プレスし、モジュール前駆体を得た(図2(C)および(D)参照。)。
図1は、モジュールの製造方法の実施態様の一例を模式的に説明する断面図である。 図2は、モジュール前駆体の製造方法の実施態様の一例を模式的に説明する断面図である。
符号の説明
1,10 基板
2,7 電子部品
3,封止用樹脂フィルム
4 基材
5 第1基材
6 第1封止フィルム
8 第2封止フィルム
9 第2基材

Claims (5)

  1. 配線パターンが形成された基板上に実装される電子部品を封止するための封止用樹脂フィルムであって、
    60〜230℃での最低粘度が1〜107Pa・sとなる樹脂組成物からなり、
    前記樹脂組成物が、
    (A)下記式(1)で示されるビニル化合物、ならびに、
    (B)スチレン系熱可塑性エラストマー
    を含有し、
    前記(A)成分と前記(B)成分との質量割合((A):(B))が、40:60〜60:40である、熱硬化性樹脂組成物からなる封止用樹脂フィルム。

    (式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基またはフェニル基を表し、複数のR1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、同一であっても異なっていてもよい。
    また、−(O−X−O)−は下記式(2)で表される構造であり、−(Y−O)−は下記式(3)で表される繰返し単位であり、Zは酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1以上の有機基を表す。
    また、aおよびbは、少なくとも一方が0でない0〜300の整数を表し、cおよびdは、それぞれ独立に0または1の整数を表す。)

    (式(2)中、R8、R9、R10、R14およびR15は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表し、R11、R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。
    また、式(3)中、R16およびR17は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表し、R18およびR19は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基を表す。)
  2. 前記−(O−X−O)−が、下記式(4)で表される構造であり、
    前記−(Y−O)−が、下記式(5)または(6)で表される繰返し単位である請求項1に記載の封止用樹脂フィルム。
  3. 前記−(Y−O)−が、前記式(6)で表される繰返し単位である、請求項2に記載の封止用樹脂フィルム。
  4. 電子部品を封止してモジュールを得るモジュールの製造方法であって、少なくとも、
    配線パターンが形成された基板上に電子部品を設置し、該電子部品を該基板上に固定する部品固定工程と、
    前記部品固定工程後に、前記基板および前記電子部品の上に請求項1〜のいずれかに記載の封止用樹脂フィルムを設置するフィルム設置工程と、
    前記フィルム設置工程後に、前記封止用樹脂フィルム上に基材を設置し、60〜300℃で加熱しながら、1MPa以下の圧力で、該基材と前記基板とをプレスする低圧加熱プレス工程と、を具備するモジュールの製造方法。
  5. 請求項に記載のモジュールの製造方法により得られるモジュール。
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