JP6685080B2 - 電子デバイス封止用シート、及び、電子デバイスパッケージの製造方法 - Google Patents

電子デバイス封止用シート、及び、電子デバイスパッケージの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子デバイス封止用シート、及び、電子デバイスパッケージの製造方法に関する。
電子デバイスパッケージの作製には、代表的に、バンプ等を介して基板などに固定された1又は複数の電子デバイスを封止樹脂にて封止し、必要に応じて封止体を電子デバイス単位のパッケージとなるようにダイシングするという手順が採用されている。このような封止樹脂として、シート状の封止樹脂が用いられることがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−19714号公報
上記パッケージの製造方法としては、被着体上に配置された1又は複数の電子デバイスを覆うように封止用シートを積層し、その後、封止用シートを熱硬化させる方法が挙げられる。このようにして製造されるパッケージには、封止用シートの樹脂と電子デバイスとの熱膨張係数の差に起因して熱硬化時等にパッケージが反るという問題がある。
パッケージの反りを抑制する方法としては、例えば、封止用シート中の無機充填剤の含有量を多くする方法が考えられる。これにより、封止用シートの熱膨張係数を電子デバイスに近づけることができる。
しかしながら、封止用シート中の無機充填剤の含有量を多くするほど、封止用シートの粘度が大きくなるため、一定量以上含有させることはできないといった問題がある。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低粘度であり、無機充填剤を高充填することが可能な電子デバイス封止用シートを提供することにある。
本願発明者等は、下記の構成を採用することにより、前記の課題を解決できることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る電子デバイス封止用シートは、
メタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物がシランカップリング剤として用いられており、
無機充填剤を69〜86体積%の範囲内で含有し、
最低粘度が、10〜1000000Pa・sの範囲内であることを特徴とする。
前記構成によれば、熱硬化性樹脂と非反応なメタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物がシランカップリング剤として用いられている。従って、熱硬化性樹脂との反応による粘度の上昇を抑制することができる。また、熱硬化性樹脂との反応による粘度の上昇を抑制することができるため、無機充填剤の含有量を多くすることができる。
また、無機充填剤を69〜86体積%の範囲内で含有するため、熱膨張係数を電子デバイスに近づけることができる。その結果、パッケージの反りを抑制することができる。さらに、無機充填剤を69〜86体積%の範囲内で含有するため、吸水率を低くすることができる。また、最低粘度が、10〜1000000Pa・sの範囲内であり、粘度上昇が抑制されている。その結果、当該電子デバイス封止用シートを用いて製造される電子デバイスパッケージの信頼性を向上させることができる。
前記構成において、50℃での引張貯蔵弾性率をX、最低粘度をYとしたとき、比X/Yが、15〜100の範囲であることが好ましい。
本発明者らは、実験結果などに基づいて鋭意検討を行った結果、前記比X/Yを15以上とすれば、シートとしてのハンドリング性と成型時の部品への追従性が両立でき、歩留り良く成型を行うことができることを見出した。一方、前記比X/Yを100以下とすればシートが硬すぎないため、成型時のシート割れや欠けを防止することができることを見出した。
前記構成において、前記無機充填剤は、前記シランカップリング剤で予め表面処理されていることが好ましい。
無機充填剤の表面をシランカップリング剤で処理する場合、アウトガス(例えば、メタノール)が発生する。そこで、当該電子デバイス封止用シートを作成する前段階で、予め無機充填剤をシランカップリング剤で表面処理しておけば、この段階である程度のアウトガスを排除することができる。その結果、電子デバイス封止用シートの作成時にシート内に閉じ込められるアウトガスの量を抑制することができ、ボイドの発生が低減できる。
前記構成において、前記無機充填剤は、前記無機充填剤100重量部に対して0.5〜2重量部の前記シランカップリング剤により予め表面処理されていることが好ましい。
シランカップリング剤により無機充填剤の表面処理をすれば、電子デバイス封止用シートの粘度を低下させることができるが、シランカップリング剤の量が多いとアウトガス発生量も増加する。そのため、無機充填剤を予め表面処理したとしても、電子デバイス封止用シートの作成時に発生するアウトガスにより、電子デバイス封止用シートの性能が低下することとなる。一方、シランカップリング剤の量が少ないと粘度を好適に低下させることができない。そこで、前記無機充填剤100重量部に対して0.5〜2重量部のシランカップリング剤により無機充填剤を予め表面処理すれば、好適に粘度を低下させることができるとともに、アウトガスによる性能低下を抑制することができる。
また、本発明に係る電子デバイスパッケージの製造方法は、
前記の電子デバイス封止用シートを準備する工程と、
被着体上に配置された1又は複数の電子デバイスを覆うように前記電子デバイス封止用シートを積層する積層工程と、
前記電子デバイス封止用シートを硬化させて封止体を形成する封止体形成工程と
を含む。
前記構成によれば、前記電子デバイス封止用シートを用いているため、本電子デバイスパッケージの製造方法により製造される電子デバイスパッケージは、反りが抑制される。その結果、製造される電子デバイスパッケージの信頼性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る電子デバイス封止用シートを模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る中空パッケージの製造方法の一工程を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る中空パッケージの製造方法の一工程を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る中空パッケージの製造方法の一工程を模式的に示す図である。
以下に実施形態を掲げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
[電子デバイス封止用シート]
図1は、本発明の一実施形態に係る電子デバイス封止用シート11(以下、単に「封止用シート11」ともいう。)を模式的に示す断面図である。封止用シート11は、代表的に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの支持体11a上に積層された状態で提供される。なお、支持体11aには封止用シート11の剥離を容易に行うために離型処理が施されていてもよい。
封止用シート11は、メタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物がシランカップリング剤として用いられている。熱硬化性樹脂と非反応なメタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物がシランカップリング剤として用いられているため、熱硬化性樹脂との反応による粘度の上昇を抑制することができる。
本明細書において、「メタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物がシランカップリング剤として用いられている」とは、
(1)シランカップリング剤としてのメタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物で予め表面処理された無機充填剤を含有する場合、及び、
(2)メタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物をシランカップリング剤として封止用シート11中に含有する場合、を含む。
前記シランカップリング剤としては、メタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有しており、無機充填剤の表面処理をすることが可能なものであれば特に限定されない。前記シランカップリング剤の具体例としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、メタクリロキシオクチルトリエトキシシランを挙げることができる。なかでも、反応性とコストの観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
封止用シート11は、無機充填剤を含有する。
前記無機充填剤は、特に限定されるものではなく、従来公知の各種充填剤を用いることができ、例えば、石英ガラス、タルク、シリカ(溶融シリカや結晶性シリカなど)、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素の粉末が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。なかでも、線膨張係数を良好に低減できるという理由から、シリカ、アルミナが好ましく、シリカがより好ましい。
シリカとしては、シリカ粉末が好ましく、溶融シリカ粉末がより好ましい。溶融シリカ粉末としては、球状溶融シリカ粉末、破砕溶融シリカ粉末が挙げられるが、流動性という観点から、球状溶融シリカ粉末が好ましい。
封止用シート11は、無機充填剤を69〜86体積%の範囲内で含有する。上記含有量は、75体積%以上が好ましく、78体積%以上がより好ましい。無機充填剤を69〜86体積%の範囲内で含有するため、熱膨張係数をSAWチップ13に近づけることができる。その結果、パッケージの反りを抑制することができる。さらに、無機充填剤を69〜86体積%の範囲内で含有するため、吸水率を低くすることができる。
前記無機充填剤がシリカである場合、前記無機充填剤の含有量は、「重量%」を単位としても説明できる。封止用シート11中のシリカの含有量は、80〜92重量%であることが好ましく、85〜92重量%であることがより好ましい。
無機充填剤の平均粒径は20μm以下の範囲のものを用いることが好ましく、0.1〜15μmの範囲のものを用いることがより好ましく、0.5〜10μmの範囲のものを用いることが特に好ましい。
また、前記無機充填剤としては、平均粒子径の異なる2種以上の無機充填剤を用いてもよい。平均粒径の異なる2種以上の無機充填剤を用いる場合、前記の「無機充填剤の平均粒径は20μm以下」とは、無機充填剤全体の平均粒径が20μm以下のことをいう。
前記無機充填剤の形状は特に限定されず、球状(楕円体状を含む。)、多面体状、多角柱状、扁平形状、不定形状等の任意の形状であってもよいが、中空構造付近での高充填状態の達成や適度な流動性の観点から、球状が好ましい。
封止用シート11に含有される前記無機充填剤は、レーザー回折散乱法により測定した粒度分布において、2つのピークを有していることが好ましい。このような無機充填剤は、例えば、平均粒径の異なる2種類の無機充填剤を混合することにより得ることができる。
粒度分布において2つのピークを有する無機充填剤を用いると、無機充填剤を高密度で充填することができる。その結果、無機充填剤の含有量をより多くすることが可能となる。
前記2つのピークは、特に限定されないが、粒径の大きい側のピークが、3〜30μmの範囲内にあり、粒径の小さい側のピークが0.1〜1μmの範囲内にあることが好ましい。前記2つのピークが前記数値範囲内にあると、無機充填剤の含有量をさらに多くすることが可能となる。
上記粒度分布は、具体的には、以下の方法により得られる。
(a)封止用シート11をるつぼに入れ、大気雰囲気下、700℃で2時間強熱して灰化させる。
(b)得られた灰分を純水中に分散させて10分間超音波処理し、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製、「LS 13 320」;湿式法)を用いて粒度分布(体積基準)を求める。
なお、封止用シート11の組成として無機充填剤以外は有機成分であり、上記の強熱処理により実質的に全ての有機成分が焼失することから、得られる灰分を無機充填剤とみなして測定を行う。なお、平均粒径の算出も粒度分布と同時に行うことができる。
封止用シート11は、無機充填剤が前記シランカップリング剤で予め表面処理されていることが好ましい。すなわち、上記(1)の場合が好ましい。無機充填剤の表面をシランカップリング剤で処理する場合、アウトガス(例えば、メタノール)が発生する。そこで、封止用シート11を作成する前段階で、予め無機充填剤をシランカップリング剤で表面処理しておけば、この段階である程度のアウトガスを排除することができる。その結果、封止用シート11の作成時にシート内に閉じ込められるアウトガスの量を抑制することができ、ボイドの発生が低減できる。
封止用シート11が、シランカップリング剤としてのメタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物で予め予め表面処理された無機充填剤を含有する場合(上記(1)の場合)、前記無機充填剤は、無機充填剤100重量部に対して0.5〜2重量部のシランカップリング剤により予め表面処理されていることが好ましい。
シランカップリング剤により無機充填剤の表面処理をすれば、封止用シート11の粘度を低下させることができるが、シランカップリング剤の量が多いとアウトガス発生量も増加する。そのため、無機充填剤を予め表面処理したとしても、封止用シート11の作成時に発生するアウトガスにより、封止用シート11の性能が低下することとなる。一方、シランカップリング剤の量が少ないと粘度を好適に低下させることができない。そこで、無機充填剤100重量部に対して0.5〜2重量部のシランカップリング剤により無機充填剤を予め表面処理すれば、好適に粘度を低下させることができるとともに、アウトガスによる性能低下を抑制することができる。
封止用シート11が、シランカップリング剤としてのメタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物で予め予め表面処理された無機充填剤を含有する場合(上記(1)の場合)、であり、且つ、前記無機充填剤として、平均粒径の異なる2種類の無機充填剤を混合したものを用いる場合、少なくとも、平均粒径の小さい方の無機充填剤を予めシランカップリング剤で表面処理しておくことが好ましい。平均粒径の小さい方の無機充填剤の方が、比表面積は大きいため、粘度の上昇をより抑制することが可能となる。
また、前記無機充填剤として、平均粒径の異なる2種類の無機充填剤を混合したものを用いる場合、平均粒径の小さい方の無機充填剤と大きい方の無機充填剤との両方を予めシランカップリング剤で表面処理しておくことがより好ましい。この場合、粘度の上昇をさらに抑制することが可能となる。
封止用シート11が、メタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物をシランカップリング剤として含有する場合(上記(2)の場合)、封止用シート11中のシランカップリング剤の含有量は、0.4〜1.8重量%が好ましい。0.4重量%以上であると、好適に粘度を低下させることができる。一方、上記含有量が1.8重量%以下であると、アウトガスの発生を抑制することができる。
封止用シート11は、最低粘度Yが、10〜1000000Pa・sの範囲内であり、5000〜800000Pa・sの範囲内であることが好ましく、10000〜700000Pa・sの範囲内であることがより好ましい。封止用シート11の最低粘度が、10〜1000000Pa・sの範囲内であるため、粘度上昇が抑制されている。
封止用シート11は、50℃での引張貯蔵弾性率をX、最低粘度をYとしたとき、比X/Yが、15〜100(1/s)の範囲であることが好ましく、20〜80(1/s)の範囲内であることがより好ましく、30〜60(1/s)の範囲内であることがさらに好ましい。前記比X/Yを15以上とすれば、シートとしてのハンドリング性と成型時の部品への追従性が両立でき、歩留り良く成型を行うことができる。一方、前記比X/Yを100以下とすれば、シートが硬すぎないため、成型時のシート割れや欠けを防止することができる。
封止用シート11の50℃での引張貯蔵弾性率Xは、200000〜40000000Paの範囲内であることが好ましく、500000〜13000000Paの範囲内であることがより好ましく、1000000〜12000000Paの範囲内であることがさらに好ましい。前記引張貯蔵弾性率Xが、200000Pa以上であると、シートとして腰がありハンドリング性が良好である。一方、前記引張貯蔵弾性率Xが、40000000Pa以下であると、取扱い時の割れや掛けを防ぐことができる。
封止用シート11は、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂を含むことが好ましい。これにより、良好な熱硬化性が得られる。
エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではない。例えば、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などの各種のエポキシ樹脂を用いることができる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。
エポキシ樹脂の硬化後の靭性及びエポキシ樹脂の反応性を確保する観点からは、エポキシ当量150〜250、軟化点もしくは融点が50〜130℃の常温で固形のものが好ましく、なかでも、成型性および信頼性の観点から、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などがより好ましい。
フェノール樹脂は、エポキシ樹脂との間で硬化反応を生起するものであれば特に限定されるものではない。例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、レゾール樹脂などが用いられる。これらフェノール樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
フェノール樹脂としては、エポキシ樹脂との反応性の観点から、水酸基当量が70〜250、軟化点が50〜110℃のものを用いることが好ましく、なかでも硬化反応性が高く安価であるという観点から、フェノールノボラック樹脂を好適に用いることができる。また、信頼性の観点から、フェノールアラルキル樹脂やビフェニルアラルキル樹脂のような低吸湿性のものも好適に用いることができる。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、硬化反応性という観点から、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対して、フェノール樹脂中の水酸基の合計が0.7〜1.5当量となるように配合することが好ましく、より好ましくは0.9〜1.2当量である。
封止用シート11中のエポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計含有量の下限は、5.0重量%以上が好ましく、7.0重量%以上がより好ましい。5.0重量%以上であると、電子デバイス、基板などに対する接着力が良好に得られる。一方、上記合計含有量の上限は、25重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。25重量%以下であると、封止用シートの吸湿性を低減させることができる。
封止用シート11は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。これにより、得られる中空封止用封止用シートの耐熱性、可撓性、強度を向上させることができる。
熱可塑性樹脂としては、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロンなどのポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBTなどの飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。なかでも、可とう性が得やすく、エポキシ樹脂との分散性が良好であるという観点から、アクリル樹脂が好ましい。
前記アクリル樹脂としては、特に限定されるものではなく、炭素数30以下、特に炭素数4〜18の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステルの1種又は2種以上を成分とする重合体(アクリル共重合体)等が挙げられる。前記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、又はドデシル基等が挙げられる。
前記アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以下が好ましく、−70〜20℃がより好ましく、−50〜0℃がさらに好ましい。50℃以下とすることにより、シートに可とう性を持たせることができる。
前記アクリル樹脂のなかでも、重量平均分子量が5万以上のものが好ましく、10万〜200万のものがより好ましく、30万〜160万のものがさらに好ましい。上記数値範囲内であると、封止用シート11の粘度と可とう性をより高くすることができる。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値である。
また、前記重合体を形成する他のモノマーとしては、特に限定されるものではなく、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸若しくはクロトン酸等の様なカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸若しくは無水イタコン酸等の様な酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル若しくは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等の様なヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の様なスルホン酸基含有モノマー、又は2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の様な燐酸基含有モノマーが挙げられる。なかでも、エポキシ樹脂と反応して、封止用シート11の粘度を高くできる観点から、カルボキシル基含有モノマー、グリシジル基(エポキシ基)含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。
封止用シート11中の熱可塑性樹脂の含有量は、0.5重量%以上が好ましく、1.0重量%以上がより好ましい。上記含有量が0.5重量%以上であると、封止用シートの柔軟性、可撓性が得られる。封止用シート11中の熱可塑性樹脂の含有量は、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。10重量%以下であると、電子デバイスや基板に対する封止用シートの接着性が良好である。
封止用シート11は、硬化促進剤を含むことが好ましい。
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の硬化を進行させるものであれば特に限定されず、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどの有機リン系化合物;2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール系化合物;などが挙げられる。なかでも、反応性が良好で硬化物のTgが高め易いという理由から、イミダゾール系化合物が好ましい。
硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の合計100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましい。
封止用シート11は、必要に応じ、難燃剤成分を含んでもよい。これにより、部品ショートや発熱などにより発火した際の、燃焼拡大を低減できる。難燃剤組成分としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、水酸化カルシウム、水酸化スズ、複合化金属水酸化物などの各種金属水酸化物;ホスファゼン系難燃剤などを用いることができる。
封止用シート11は、顔料を含むことが好ましい。顔料としては特に限定されず、カーボンブラックなどが挙げられる。
封止用シート11中の顔料の含有量は、0.1〜2重量%が好ましい。0.1重量%以上であると、良好なマーキング性が得られる。2重量%以下であると、硬化後の封止用シートの強度を確保することができる。
なお、樹脂組成物には、上記の各成分以外に必要に応じて、他の添加剤を適宜配合できる。
[封止用シートの製造方法]
封止用シート11は、適当な溶剤に封止用シート11を形成するための樹脂等を溶解、分散させてワニスを調整し、このワニスを支持体11a上に所定厚みとなる様に塗布して塗布膜を形成した後、該塗布膜を所定条件下で乾燥させて形成することができる。塗布方法としては特に限定されず、例えば、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等が挙げられる。また、乾燥条件としては、例えば乾燥温度70〜160℃、乾燥時間1〜30分間の範囲内で行われる。また、セパレータ上にワニスを塗布して塗布膜を形成した後、前記乾燥条件で塗布膜を乾燥させて封止用シート11を形成してもよい。その後、支持体11a上に封止用シート11をセパレータと共に貼り合わせる。封止用シート11が、特に、熱可塑性樹脂(アクリル樹脂)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を含む場合、これらすべてを溶剤に溶解させた上で、塗布、乾燥させる。溶剤としては、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン等を挙げることができる。
封止用シート11の厚さは特に限定されないが、例えば、100〜2000μmである。上記範囲内であると、良好に電子デバイスを封止することができる。
封止用シート11は、単層構造であってもよいし、2以上の封止用シートを積層した多層構造であってもよい。
[中空パッケージの製造方法]
以下では、封止用シート11でSAWチップを中空封止する場合について説明する。
図2A〜図2Cはそれぞれ、本発明の一実施形態に係る中空パッケージの製造方法の一工程を模式的に示す図である。中空封止方法としては特に限定されず、従来公知の方法で封止できる。例えば、被着体上の電子デバイスを覆うように未硬化の封止用シート11を基板上に中空構造を維持しながら積層(載置)し、次いで封止用シート11を硬化させて封止する方法などが挙げられる。被着体としては特に限定されず、例えば、プリント配線基板、セラミック基板、シリコン基板、金属基板等が挙げられる。本実施形態では、プリント配線基板12上に搭載されたSAWチップ13を封止用シート11により中空封止して中空パッケージを作製する。なお、SAWチップ13とは、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタを有するチップである。
(SAWチップ搭載基板準備工程)
SAWチップ搭載基板準備工程では、複数のSAWチップ13(SAWフィルタ13)が搭載されたプリント配線基板12を準備する(図2A参照)。SAWチップ13は、所定の櫛形電極が形成された圧電結晶を公知の方法でダイシングして個片化することにより形成できる。SAWチップ13のプリント配線基板12への搭載には、フリップチップボンダーやダイボンダーなどの公知の装置を用いることができる。SAWチップ13とプリント配線基板12とはバンプなどの突起電極13aを介して電気的に接続されている。また、SAWチップ13とプリント配線基板12との間は、SAWフィルタ表面での表面弾性波の伝播を阻害しないように中空部14を維持するようになっている。SAWチップ13とプリント配線基板12との間の距離(中空部の幅)は適宜設定でき、一般的には10〜100μm程度である。
(積層工程)
積層工程では、SAWチップ13を覆うようにプリント配線基板12へ封止用シート11を積層し、SAWチップ13を封止用シート11で樹脂封止する(図2B参照)。封止用シート11は、SAWチップ13及びそれに付随する要素を外部環境から保護するための封止樹脂として機能する。
封止用シート11をプリント配線基板12上に積層する方法は特に限定されず、熱プレスやラミネータなど公知の方法により行うことができる。熱プレス条件としては、温度が、例えば、40〜150℃、好ましくは50〜120℃であり、圧力が、例えば、0.1〜10MPa、好ましくは0.5〜8MPaであり、時間が、例えば0.3〜10分間、好ましくは0.5〜5分間である。また、封止用シート11のSAWチップ13及びプリント配線基板12への密着性および追従性の向上を考慮すると、減圧条件下(例えば0.01〜5kPa)においてプレスすることが好ましい。
(封止体形成工程)
封止体形成工程では、封止用シート11を熱硬化処理して封止体15を形成する(図2B参照)。熱硬化処理の条件として、加熱温度が好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上である。一方、加熱温度の上限が、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。加熱時間が、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上である。一方、加熱時間の上限が、好ましくは180分以下、より好ましくは120分以下である。また、必要に応じて加圧してもよく、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.5MPa以上である。一方、上限は好ましくは10MPa以下、より好ましくは5MPa以下である。
(ダイシング工程)
続いて、封止体15のダイシングを行ってもよい(図2C参照)。これにより、SAWチップ13単位での中空パッケージ18(電子デバイスパッケージ)を得ることができる。
(基板実装工程)
必要に応じて、中空パッケージ18に対してバンプを形成し、これを別途の基板(図示せず)に実装する基板実装工程を行うことができる。中空パッケージ18の基板への実装には、フリップチップボンダーやダイボンダーなどの公知の装置を用いることができる。
上述した実施形態では、電子デバイス封止用シート11が、被着体と電子デバイスとの間に中空部を残しつつ電子デバイスを封止することが可能な中空封止用シートである場合について説明した。しかしながら、本発明における電子デバイス封止用シートは、電子デバイスを封止できるものであれば特に限定されない。例えば、被着体と電子デバイスとの間に中空部を残さない態様で電子デバイスを封止するものであってもよい。
上述した実施形態では、本発明の電子デバイスが、可動部を有する半導体チップであるSAWチップ13である場合について説明した。しかしながら、本発明の電子デバイスは、この例に限定されない。例えば、可動部として圧力センサ、振動センサなどのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を有する半導体チップであってもよい。また、可動部を有さない半導体チップであってもよい。また、コンデンサー、抵抗等であってもよい。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている材料や配合量などは、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
実施例で使用した成分について説明する。
エポキシ樹脂:新日鐵化学(株)製のYSLV−80XY(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキン当量200g/eq.、軟化点80℃)
フェノール樹脂:群栄化学製のLVR8210DL(ノボラック型フェノール樹脂、水酸基当量104g/eq.、軟化点60℃)
熱可塑性樹脂:根上工業社製のHME−2006M(カルボキシル基含有のアクリル酸エステル共重合体、重量平均分子量:約60万、ガラス転移温度(Tg):−35℃)
無機充填剤A:電気化学工業社製のFB−5SDC(平均粒径5μm)を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の製品名:KBM−503)で表面処理したもの。無機充填剤Aの100重量部に対して1重量部のシランカップリング剤で表面処理。
無機充填剤B:アドマテックス社製のSO−25R(平均粒径0.5μm)を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の製品名:KBM−503)で表面処理したもの。無機充填剤Bの100重量部に対して1重量部のシランカップリング剤で表面処理。
無機充填剤C:電気化学工業社製のFB−5SDC(平均粒径5μm、表面処理ナシ)
無機充填剤D:アドマテックス社製のSO−25R(平均粒径0.5μm表面処理ナシ)
シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製の製品名:KBM−503)
カーボンブラック:三菱化学社製の#20
硬化促進剤:四国化成工業社製の2PHZ−PW(2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール)
[実施例、及び、比較例]
表1に記載の配合比に従い、各成分を溶剤としてのメチルエチルケトンに溶解、分散させ、濃度90重量%のワニスを得た。このワニスを、シリコーン離型処理した厚さが38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布した後、110℃で5分間乾燥させた。これにより、厚さ65μmのシートを得た。このシートを4層積層させて厚さ260μmの中空封止用封止用シートを作製した。
Figure 0006685080
(封止用シートの50℃での引張貯蔵弾性率)
実施例及び比較例で作製した封止用シートの50℃での引張貯蔵弾性率Xを、粘弾性測定装置(レオメトリックス社製:形式:RSA−II)を用いて測定した。具体的には、作製した封止用シートを切断してサンプルサイズを長さ30mm×幅5mmとし、測定試料をフィルム引っ張り測定用治具にセットし、−20℃〜100℃の温度域で周波数1Hz、歪み0.01%、昇温速度10℃/minの条件下で測定した。結果を表2に示す。
(封止用シートの最低粘度の測定)
実施例及び比較例で作製した封止用シートの最低粘度を、レオメーター(HAAKE社製、MARS III)を用いて、パラレルプレート法により測定した。より詳細には、ギャップ1mm、パラレルプレート直径8mm、回転速度5s−1、歪み0.05%、昇温速度10℃/分の条件にて、50℃から130℃の範囲で粘度を測定し、その際の粘度の最低値を最低粘度とした。結果を表2に示す。
なお、表2は、比X/Yも合わせて示した。
(封止用シートの可とう性、及び、タック性評価)
粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製のRSA−3)に25mmφ(直径25mm)のプレートを2枚装着した。2枚のプレートのうち下側のプレートに実施例及び比較例の封止用シートを両面テープで固定した後、25℃雰囲気下において上側のプレート(プローブ)を下降させることにより100gの荷重で上側のプレートを封止用シートに押し当てた。その後、上側のプレートを上昇させることにより上側のプレートを封止用シートから引き剥がすために必要な荷重を測定した。荷重が5g以上の場合を○、5g未満の場合を×として評価した。結果を表2に示す。
(硬化後の反り量の評価)
実施例及び比較例の封止用シートの硬化後の反り量を以下のようにして測定した。
100mm×100mmサイズ、厚み0.2mmのアルミナ基板に対し、同サイズ、同厚みの封止用シートを0.5kgf/cmの圧力で100℃30秒間圧着した。その後、150℃1時間オーブンで硬化後、室温に放冷した際の最大反り量をノギスで計測した。具体的には、封止用シートが上面になるように平坦な台の上に置き、台面から一番遠い部分までの厚さとして測定した。次に、得られた測定厚みからアルミナ基板の厚み:0.2mmと封止用シートの厚み:0.2mmとを差し引いた値を反り量とし、反り量2mm未満の場合を○、2mm以上の場合を×として評価した。結果を表2に示す。
(パッケージ中空部への樹脂進入性評価)
アルミニウム櫛形電極が形成された以下の仕様のSAWチップを下記ボンディング条件にてセラミック基板に実装したSAWチップ実装基板を作製した。SAWチップとセラミック基板との間のギャップ幅は、15μmであった。
<SAWチップ>
チップサイズ:1.2mm角(厚さ150μm)
バンプ材質:Au(高さ15μm)
バンプ数:6バンプ
チップ数:100個(10個×10個)
<ボンディング条件>
装置:パナソニック電工(株)製
ボンディング条件:200℃、3N、1sec、超音波出力2W
得られたSAWチップ実装基板上に、以下に示す加熱加圧条件下、各封止用シートを真空プレスにより貼付けた。
<貼り付け条件>
温度:60℃
加圧力:4MPa
真空度:1.6kPa
プレス時間:1分
大気圧に開放した後、熱風乾燥機中、150℃、1時間の条件で封止用シートを熱硬化させ、封止体を得た。得られた封止体の基板、封止樹脂界面を劈開し、KEYENCE社製、商品名「デジタルマイクロスコープ」(200倍)により、SAWチップとセラミック基板との間の中空部への樹脂の進入量を測定した。樹脂進入量は、SAWチップの端部から中空部へ進入した樹脂の最大到達距離を測定し、これを樹脂進入量とした。なお、進入がなく、中空部がSAWチップよりも外側に広がっている場合は、樹脂進入量をマイナスで表した。樹脂進入量が−50μm〜50μmであった場合を「○」、−50μm未満もしくは50μmより大であった場合を「×」として評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006685080
11 封止用シート(電子デバイス封止用シート)
11a 支持体
13 SAWチップ
15 封止体
18 中空パッケージ

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂とフェノール樹脂とを含み、
    メタクリロキシ基、又は、アクリロキシ基を有する化合物がシランカップリング剤として用いられており、
    無機充填剤を69〜86体積%の範囲内で含有し、
    最低粘度が、10〜1000000Pa・sの範囲内であることを特徴とする電子デバイス封止用シート(ただし、下記一般式(II)で表される化合物を含む場合を除く)。
    Figure 0006685080
    (一般式(II)中、Rは置換基を有してもよい炭化水素骨格、Rは水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、mは1〜4、nは2以上の整数を表す。)
  2. 50℃での引張貯蔵弾性率をX、最低粘度をYとしたとき、比X/Yが、15〜100の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス封止用シート。
  3. 前記無機充填剤は、前記シランカップリング剤で予め表面処理されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子デバイス封止用シート。
  4. 前記無機充填剤は、前記無機充填剤100重量部に対して0.5〜2重量部の前記シランカップリング剤により予め表面処理されていることを特徴とする請求項3に記載の電子デバイス封止用シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載の電子デバイス封止用シートを準備する工程と、
    被着体上に配置された1又は複数の電子デバイスを覆うように前記電子デバイス封止用シートを積層する積層工程と、
    前記電子デバイス封止用シートを硬化させて封止体を形成する封止体形成工程と
    を含むことを特徴とする電子デバイスパッケージの製造方法。
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