JPH10316847A - 耐熱ic部材用樹脂組成物および成形体 - Google Patents

耐熱ic部材用樹脂組成物および成形体

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JPH10316847A
JPH10316847A JP12876297A JP12876297A JPH10316847A JP H10316847 A JPH10316847 A JP H10316847A JP 12876297 A JP12876297 A JP 12876297A JP 12876297 A JP12876297 A JP 12876297A JP H10316847 A JPH10316847 A JP H10316847A
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polyphenylene ether
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resin
block copolymer
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JP12876297A
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Kazuo Yoshida
和郎 吉田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温時の捻れが著しく小さく、形状安定性、
耐熱性、耐衝撃性および成形加工性に優れた耐熱IC部
材用樹脂組成物およびその成形体を提供する。 【解決手段】 特定の固有粘度を有するポリフェニレン
エーテルまたは該ポリフェニレンエーテルとスチレン系
樹脂とから成るポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレ
ン化合物が特定量結合した特定分子量のスチレン系化合
物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体に水素添加
して得られる水添ブロック共重合体、および有効量の導
電性微粉体または導電性充填材とを含有してなることを
特徴としてなる樹脂組成物およびその成形体。 【効果】 本発明の耐熱IC部材用樹脂組成物およびそ
れから得られる成形体は、従来の成形体に比べ高温時の
捻れが著しく小さく、形状安定性に優れておりさらに、
耐熱性、耐衝撃性、成形加工性および導電性も良好であ
り、特にIC耐熱トレー、マガジン及び、キャリアテー
プ等の耐熱IC部材として適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温時の捻れが著
しく小さく、形状安定性、耐熱性、耐衝撃性および成形
加工性に優れ、さらに導電性を有する耐熱IC部材用樹
脂組成物およびその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】IC部品をエポキシ材で封入する際、1
00℃以上に加熱して硬化させると吸湿した水分が水蒸
気となり、部品にフクレ或いはクラックが生じ破損す
る。この為、100℃以上の温度で前もってベーキング
するのが通例である。このとき、IC部品保護のため、
107 Ω以下の導電性のある材質でつくられたICトレ
イが用いられる。従来、このトレイはポリプロピレン、
ポリアミド、ポリエステル樹脂等で作られていたが、近
年、生産性向上を目的にベーキング温度上昇による加熱
時間の短縮及び環境問題から従来の使い捨てタイプから
再使用可能な高温タイプが求められている。効率化およ
び高性能化のためベーキング温度は益々高くまた薄肉化
が望まれているため、形状安定性に劣る材料から得られ
た従来のICトレイではこれに対応できなくなってい
る。具体的には、IC部品を収納したトレイ20枚程度
を勘合・積層し、高温に加熱された恒温槽中でベーキン
グを行うが、ベーキング開始数分から20分程度の短時
間内に、トレイの変形、反りが生じて勘合がはずれるこ
とがあるため、収納したIC部品が散乱・落下する等の
トラブルが発生し、安定生産、品質、納期あるいはコス
ト等の面で大きな支障を来している。このような状況下
で、130℃以上の高温下においても反り変形が少な
く、形状安定と耐衝撃性にも優れ、かつ薄肉化が可能な
材料が求められている。このような高温での形状安定性
と耐衝撃性に優れた樹脂組成物は、その他の電気・電子
部品においても望まれているところである。
【0003】IC部材用成形材料として特開平2−17
5754号公報には、熱変形温度が130℃以上、メル
トフローインデックス(以下、MFRと略す)が3g/
10分(JIS−K7210準拠、300℃、10kg
荷重)以上、成形物の表面抵抗が107 以下でポリフェ
ニレンエーテル樹脂が少なくとも50重量%以上含まれ
る成形材料が提案されている。具体的には、これらの物
性を満たす手段としてポリフェニレンエーテル樹脂/導
電性カーボンの系に酸イミド化合物を添加するか、また
は固有粘度の低いポリフェニレンエーテル樹脂を用いる
等である。特開平2−180958号公報では、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂/導電性カーボンの系にA−B−
A型水素添加ブロック共重合体エラストマーを添加した
樹脂組成物から成形されるIC用耐熱トレイが提案され
ている。また、特開平4−366165号公報では、ポ
リフェニレンエーテル系樹脂/導電性カーボンの系に結
合スチレン量の異なる2種類の水素添加ブロック共重合
体エラストマーを添加した樹脂組成物およびIC用耐熱
トレイが提案されている。
【0004】しかしながら、これらの材料は耐衝撃性、
成形品の剥離等の問題も解決されていない上、高温での
形状安定性が十分でなく、高温下でのベーキングには満
足できる材料ではなかった。また、従来の材料は高温で
の形状安定性を保持するため、使用前にトレイに加重を
懸け、ベーキング温度よりも高い温度で予めアニーリン
グして寸法を安定させてから使用するなど煩雑な方法が
採られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
時の捻れが著しく小さく、形状安定性、耐熱性、耐衝撃
性および成形加工性に優れ、さらに導電性を有する耐熱
IC部材用樹脂組成物およびその成形体を提供するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、特定の固有粘度を有する
ポリフェニレンエーテルまたは該ポリフェニレンエーテ
ルと特定量以下のスチレン系樹脂とから成るポリフェニ
レンエーテル系樹脂、スチレン化合物が特定量結合した
特定分子量のスチレン系化合物と共役ジエン化合物との
ブロック共重合体に水素添加して得られる水添ブロック
共重合体、および有効量の導電性微粉体または導電性充
填材とを含有してなることを特徴としてなる樹脂組成物
およびその成形体が上記目的を達成することを見いだ
し、本発明に到ったものである。
【0007】即ち、本発明は、(a)30℃のクロロホ
ルム溶液中で測定した固有粘度が0.30〜0.48d
l/gのポリフェニレンエーテルまたは該ポリフェニレ
ンエーテル80重量%以上とスチレン系樹脂20重量%
以下との混合物からなるポリフェニレンエーテル系樹脂
55〜95重量%、(b)スチレン系化合物と共役ジエ
ン化合物とのブロック共重合体を水素添加して得られる
水添ブロック共重合体であって、スチレン系化合物の結
合量が15〜60重量%であり、かつ該共重合体のポリ
スチレン換算の重量平均分子量が17万以上の水添ブロ
ック共重合体5〜45重量%、さらに(a)および
(b)の合計量100重量部に対して、(c)導電性微
粉体または導電性充填材の1種以上を3〜40重量部含
有してなる耐熱IC部材用の樹脂組成物および成形体を
提供するものである。
【0008】本発明に用いる構成成分の中、(a)を構
成するポリフェニレンエーテルは、一般式(1)及び/
または(2)で表される繰り返し単位を有する単独重合
体、あるいは共重合体をいう。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】(ここで、R1、R2、R3、R4、R
5、R6は独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール
基、ハロゲン、水素を表す。但し、R5、R6は同時に
水素ではない。) その具体例としては、ポリ(2、6ージメチルー1、4
ーフェニレン)エーテル、ポリ(2ーメチルー6ーエチ
ルーフェニレン)エーテル、ポリ(2、6ージエチルー
1、4ーフェニレン)エーテル、ポリ(2ーエチルー6
ーnプロピルー1、4ーフェニレン)エーテル、ポリ
(2ーメチルー6ーnブチルー1、4ーフェニレン)エ
ーテル、ポリ(2ーエチルー6ーイソプロピルー1、4
ーフェニン)エーテル、ポリ(2ーメチルー6ークロル
ー1、4ーフェニレン)エーテル、ポリ(2ーメチルー
6ーヒドロキシエチルー1、4ーフェニレン)エーテ
ル、ポリ(2ーメチルー6ークロロエチルー1、4ーフ
ェニレン)エーテルなどの単独重合体及び、それらの繰
り返し単位からなる共重合体などが挙げられ、特開昭6
3−301222号公報等に記載されている、2−(ジ
アルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテ
ルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノ
メチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を
部分構造として含んでいるポリフェニレンエーテルは特
に好ましい。
【0012】また、特開平2−276823号公報、特
開昭63−108059号公報、特開昭59−5972
4号公報等に記載されている、炭素−炭素二重結合を持
つ化合物により変性されたポリフェニレンエーテルが好
適に用いられる。炭素−炭素二重結合を持つ化合物の具
体例としては、スチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルスチレン等のスチレン化合物、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチ
ルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フタル酸等の不飽和ジカル
ボン酸およびその無水物等が挙げられるがこれらに限定
されるものではない。その中で、ラウリルアクリレー
ト、トリデシルアクリレート、セチルアクリレート、ス
テアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フ
ェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキ
シポリエチレングリコールアクリレート、2−アクロイ
ルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレー
ト、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレー
ト、ステアリルメタクリレート、モルホリノエチルメタ
クリレート、トリブロモフェノール3エチレノキサイド
付加メタクリレートシクロヘキシルメタクリレート、メ
トキシポリエチレングリコールメタクリレート等の炭素
数9から22のアルキル、アルケニル、アラルキル、シ
クロアルキル基と結合した(メタ)アクリル酸エステル
が好ましく、炭素数12〜18のアルキル基と結合した
メタクリル酸エステルが特に好ましい。これら長鎖炭化
水素鎖の(メタ)アクリル酸エステルで変性されたポリ
フェニレンエーテルは、作業環境上問題とされる、発生
ガスによる臭いを低減することができる。
【0013】炭素−炭素二重結合を持つ化合物によりポ
リフェニレンエーテルを変性するには、ラジカル重合開
始剤の存在下または非存在下において、これらの混合物
をポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上の温度
で加熱溶融することによって製造できる。また、これら
のポリフェニレンエーテルは、その重合度が単独重合
体、共重合体ともに固有粘度〔η〕(クロロホルム溶
液、30℃)が0.30〜0.48の範囲、好ましくは
0.33〜0.43の範囲のものが好適に用いられる。
ポリフェニレンエーテルの固有粘度が0.30未満では
耐衝撃性と耐油性が十分でなく、0.48以上では成形
加工性のみならず成形体の高温下における形状安定性が
劣る。
【0014】本発明の(a)であるポリフェニレンエー
テルと混合して用いられるスチレン系樹脂とは、スチレ
ン系化合物および/またはスチレン系化合物と共重合可
能な化合物をゴム質重合体存在または非存在下に重合し
て得られる重合体である。スチレン系化合物の具体例と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等
が挙げられる。また、スチレン系化合物と共重合可能な
化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;
無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、スチレン系
化合物とともに使用される。共重合可能な化合物の使用
量は、スチレン系化合物との合計量に対して20重量%
以下が好ましく、さらに好ましくは15重量%以下であ
る。また、ゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムある
いは共役ジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体ある
いはエチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられ
る。具体的には特に、ポリブタジエンおよびスチレン−
ブタジエン共重合体が好ましい。また、不飽和ゴム質重
合体を用いる場合に、部分的に水添したゴムを用いるこ
とが好ましい。
【0015】該スチレン系樹脂として特に好ましいの
は、ポリスチレンおよびゴム変性ポリスチレンである。
(a)としてポリフェニレンエーテルとスチレン系樹脂
との混合物を用いる場合は、ポリフェニレンエーテル8
0重量%以上とスチレン系樹脂20重量%以下との割合
であることが好ましい。スチレン系樹脂の混合量が20
重量%を超える場合は所望の高温における形状安定性が
得られない。
【0016】本発明で用いられる(b)水添ブロック共
重合体とは、少なくとも1個のスチレン系化合物を主体
とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロ
ック共重合体を水素添加反応して得られる水添ブロック
共重合体であり、A−B−A、A−B−A−B、A−B
−A−B−A、(A−B−)4 −Si等の構造を有する
水添ブロック共重合体である。この(b)水添ブロック
共重合体は、水素添加する前のブロック共重合体におけ
るスチレン系化合物の重合体ブロックを合計で15〜6
0重量%、好ましくは20〜55重量%、さらに好まし
くは25〜50重量%含むものである。スチレン系化合
物の重合体ブロックが15重量%未満では成形体に層剥
離が起こりやすい為好ましくなく、60重量%を越える
と高温時の形状安定性および耐衝撃性が劣る。
【0017】また、これらのスチレン化合物を主体とす
る重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおける
分子鎖中の共役ジエン化合物またはスチレン系化合物の
分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー
成分が増加または減少するもの)、一部ブロック状また
はこれらの任意の組み合わせから成っていてもよく、該
スチレン系化合物を主体とする重合体ブロックおよび該
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックがそれぞ
れ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれ同
一構造・同一分子量であってもよく、異なる構造・異な
る分子量であってもよい。
【0018】このブロック共重合体を構成するスチレン
系化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレ
ン、ジフェニルエチレン等のうちから1種または2種以
上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役
ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン等のうちから1種または2種以上が選ば
れ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み
合わせが好ましい。
【0019】上記の構造を有する水添ブロック共重合体
の分子量は、ポリスチレンの分子量を基準として測定し
た重量平均分子量が170,000〜1、000,00
0、好ましくは200,000〜700,000、さら
に好ましくは22,000〜500,000の範囲であ
る。水添ブロック共重合体の重量平均分子量が170、
000未満では高温での形状安定性と成形体の層剥離が
劣り、1、000、000を越える場合は該水添ブロッ
ク共重合体を生産するのが難しくまた樹脂組成物中に微
分散させることが困難であり、成形加工性も劣る。
【0020】本発明で用いられる(b)水添ブロック共
重合体の水素添加率は、水素添加前の共役ジエン化合物
からなる重合体ブロックの全二重結合量の少なくとも8
0%を超え、好ましくは95%以上である。そしてこの
水素添加率は通常、赤外分光光度計やNMR等で知るこ
とができる。これらの上記した(b)水添ブロック共重
合体は、上記した構造を有するものであればどのような
製造方法で得られるものであってもかまわない。公知の
製造方法の例としては、例えば、特開昭47−1148
6号公報、特開昭49−66743号公報、特開昭50
−75651号公報、特開昭54−126255号公
報、特開昭56−10542号公報、特開昭56−62
847号公報、特開昭56−100840号公報、英国
特許第1130770号および米国特許第328138
3号および同第3639517号に記載された方法や英
国特許第1020720号および米国特許第33330
24号および同第4501857号に記載された方法が
ある。
【0021】また、本発明で用いる(b)成分の水添ブ
ロック共重合体は、上記した水添ブロック共重合体のほ
かに、該水添ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非
存在下で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で80〜3
50℃の温度下で反応させることによって得られる公知
の変性(該α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
が0.01〜10重量%グラフトまたは付加)水添ブロ
ック共重合体であってもよく、さらに上記した水添ブロ
ック共重合体と該変性水添ブロック共重合体の任意の割
合の混合物であってもかまわない。
【0022】本発明で用いる(c)導電性に有効量の導
電性微粉体、導電性充填材は下記ののものである。導電
性微粉体としては、金属微粉体も使用できるが代表例は
導電性カーボンとしてのアセチレンブラック及びファー
ネスブラック等である。また導電性充填材としては、カ
ーボン繊維のほか、アルミニウムや真鍮等の金属繊維あ
るいは金属フレーク等が挙げられる。
【0023】本発明を構成する各成分の割合は所望の性
能を得る任意の組成にすればよいが、(a)ポリフェニ
レンエーテル系樹脂が55〜95重量%、(b)水添ブ
ロック共重合体が5〜45重量%の範囲、さらに(a)
および(b)の合計量100重量部に対して、(c)導
電性微粉体または導電性充填材の1種以上を3〜40重
量部の範囲である。より好ましくは(a)ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂が65〜90重量%、(b)水添ブロ
ック共重合体が10〜35重量%、さらに(a)および
(b)の合計量100重量部に対して、(c)導電性微
粉体または導電性充填材の1種以上を5〜30重量部の
範囲である。
【0024】(a)と(b)の割合は、所望の耐衝撃性
を得るために適宜決定されるが、(a)および(b)の
合計量において、(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂
が55重量%未満あるいは(b)水添ブロック共重合体
が45重量%を越える場は、高温での形状安定性、耐熱
性および剛性等が劣り、また、(a)ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂が95重量%を越えるかあるいは(b)水
添ブロック共重合体が5重量%未満の場合は、形状安定
性と耐衝撃性が劣る。(b)の水添ブロック共重合体は
10重量%以上であることがより好ましいが、本発明の
特性を損なわない範囲であれば、本発明の(b)の水添
ブロック共重合体の一部を他の構造の水添ブロック共重
合体や他のゴム状物質で代用できる。
【0025】(c)導電性微粉体または導電性充填材の
配合量は、成形品に所望の導電性を得るための適当量を
配合すればよいが、(a)と(b)との合計100重量
部に対し3重量部未満では導電性が不充分であり又40
重量部を越えると流動性及び機械的強度の低下を招き良
好な成形体が得られにくい。本発明の組成物には他の添
加剤、例えば、可塑剤、安定剤、帯電防止剤、紫外線吸
収剤、難燃剤、着色剤、離型剤及びガラス繊維・チタン
酸カリウィスカー・酸化亜鉛ウィスカー等の繊維状補強
剤、更にはガラスビーズ、ガラスフレーク、マイカ、炭
酸カルシュウム、タルク等の充填剤を添加することがで
きる。安定剤としては、亜リン酸エステル類、ヒンダー
ドフェノール類、アルカノールアミン類、酸アミド類、
ジチオカルバミン酸金属塩類、無機硫化物、金属酸化物
類の中から単独でまたは組み合わせて使用することがで
きる。
【0026】本発明を構成する各成分を混合する方法は
公知の方法が利用できるが、例えば、押出機、加熱ロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダー等を使用することが
でき、これらを組み合わせて用いることもできる。 ま
た、本発明の組成物を構成する、各成分の配合方法は特
に限定されないものであるが、例えば、請求項記載の
(a)、(b)、および(c)を一括配合し溶融混練す
る方法、(a)と(b)とを押出機の前段で溶融混練し
た後、後段で(c)を混練する方法、(a)と(b)と
を溶融混練してペレットを得た後に更に(c)を配合し
て混練りする方法等があり、またこれに限定されない。
【0027】本発明の組成物を成形してIC部材用成形
品を得るには、通常公知の成形方法が採用できる。フィ
ルムあるいはテープ状物を得るにはTダイを備えた押出
機が利用でき、トレイ、マガジンのようにやや複雑な形
状を有す物品を成形する場合には射出成形により所望の
製品を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるもの
ではない。各測定は以下の条件により行った。 ポリフェニレンエーテルの固有粘度 30℃のクロロホルム溶液で、ウベローデ型粘度計を用
いて測定した。
【0029】測定の単位はdl/gである。 水添ブロック共重合体の重量平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い、市販
されている既知分子量の標準ポリスチレンを基準にして
測定した。 耐熱性 ASTM D−648に準拠し、18.6kg/cm2
下の荷重変形温度(以下、DTULと略す。)を測定し
た。 耐衝撃性 ASTM D−256に準拠し、アイゾット衝撃強さ
(以下、IZODと略す。)を測定した。 高温下形状安定性 射出成形された300mm×135mmのICトレイを
20枚を重ねて、130℃の熱風恒温槽中に素早く設置
し、10分後に該恒温槽より取り出し、室温で30分放
置、冷却後、トレイ間の間隙量(以下、トレイ捻れと略
す。)を測定した。 導電性 ASTM D−257に準拠し、表面抵抗率を測定し
た。
【0030】
【実施例1〜3および比較例1〜3】固有粘度の異なる
ポリフェニレンエーテルを用い、シリンダー温度300
℃に設定したスクリュー直径が25mmφの二軸押出機
で溶融混練して、表1に示す組成のペレット状の樹脂組
成物を得た。得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形
機を使用して物性測定用試験片およびICトレイ成形品
を得た。次に、上記の条件にて特性を評価し、表1に示
す結果を得た。
【0031】
【実施例4〜6および比較例4〜6】結合スチレン量お
よび分子量の異なる水添ブロック共重合体を用い、シリ
ンダー温度300℃に設定したスクリュー直径が25m
mφの二軸押出機で溶融混練して、表2に示す組成のペ
レット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物ペレ
ットを、射出成形機を使用して物性測定用試験片および
ICトレイ成形品を得た。次に、上記の条件にて特性を
評価し、表2に示す結果を得た。
【0032】
【実施例7〜10】未変性ポリフェニレンエーテルと変
性剤との混合物をシリンダー温度320℃、スクリュー
直径25mmφの二軸押出機で溶融混練して、それぞれ
スチレン(以下、STと略す)変性、無水マレイン酸
(以下、MAHと略す)変性およびステアリルアクリレ
ート(以下、SAと略す)変性のポリフェニレンエーテ
ルのペレットを得た。この変性ポリフェニレンエーテル
ペレットを表3に示す組成で、シリンダー温度300
℃、スクリュー直径25mmφの二軸押出機で溶融混練
し、ペレット状の樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成
物ペレットを、射出成形機を使用して、物性測定用試験
片およびICトレイ成形品を得た。次に、上記の条件に
て特性を評価し、表3に示す結果を得た。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明の耐熱IC部材用樹脂組成物およ
びそれから得られる成形体は、従来のICトレイ用樹脂
組成物およびそれらの成形体に比べ、高温時の捻れが著
しく小さく、形状安定性、耐熱性、耐衝撃性および成形
加工性に優れており、さらに、導電性も良好であり、導
電性を必要とする製品、特にIC耐熱トレー、マガジン
及び、キャリアテープ等の耐熱IC部材として適する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)30℃のクロロホルム溶液中で測
    定した固有粘度が0.30〜0.48dl/gのポリフ
    ェニレンエーテルまたは該ポリフェニレンエーテル80
    重量%以上とスチレン系樹脂20重量%以下との混合物
    からなるポリフェニレンエーテル系樹脂55〜95重量
    %、(b)スチレン系化合物と共役ジエン化合物とのブ
    ロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共
    重合体であって、スチレン系化合物の結合量が15〜6
    0重量%であり、かつ該共重合体のポリスチレン換算の
    重量平均分子量が17万以上の水添ブロック共重合体5
    〜45重量%、さらに(a)および(b)の合計量10
    0重量部に対して、(c)導電性微粉体または導電性充
    填材の1種以上を3〜40重量部含有してなる樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂が
    65〜90重量%、(b)水添ブロック共重合体が10
    〜35重量%、さらに(a)および(b)の合計量10
    0重量部に対して、(c)導電性微粉体または導電性充
    填材の1種以上を5〜30重量部含有してなる請求項1
    記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (b)水添ブロック共重合体のスチレン
    系化合物の結合量が25〜50重量%であり、かつ該共
    重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量が20万以
    上である請求項1および請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (c)の導電性微粉体が導電性カーボ
    ン、および導電性充填材がカーボン繊維である請求項1
    および請求項2記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (a)のポリフェニレンエーテルが1種
    以上の炭素−炭素二重結合を持つ化合物で変性されたポ
    リフェニレンエーテル系樹脂である請求項1および請求
    項2記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (a)のポリフェニレンエーテルがアク
    リル酸エステルで変性されたポリフェニレンエーテル系
    樹脂である請求項1および請求項2記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (a)のポリフェニレンエーテルがステ
    アリルアクリレートで変性されたポリフェニレンエーテ
    ル系樹脂である請求項1および請求項2記載の樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 請求項1および請求項2の樹脂組成物か
    ら成形された樹脂成形体。
  9. 【請求項9】 請求項1および請求項2の樹脂組成物か
    ら成形されたIC用耐熱トレイ、IC用マガジン、及び
    IC用エンボスキャリアテープ、チップトレイ、チップ
    ドライヤー、チップトレイ用カバー及び、チップトレイ
    用静電防止フィルム。
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