JP5429597B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような非加熱定着方式としては、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を記録媒体表面上のトナー像に付与してトナー像を定着させる湿式定着方式が知られている(例えば、特許文献1〜特許文献4に記載の定着装置で用いる定着方式)。このように、湿式定着方式の定着装置ではトナーを軟化させるために加熱処理を行う必要がないため、熱定着方式に比べて省エネルギー化を実現することができる。
このように、塗布ローラを用いて定着液を塗布する構成では、定着液の塗布量が多すぎると、トナー粒子が流されることによる画質劣化、定着液の乾燥時間が長くなることによる定着応答性の低下、記録媒体によっては紙詰まりが発生しやすくなる、といった問題が生じる。一方、これらの問題を防止するために定着液を微量塗布する構成とすると、上述したように塗布ローラの表面にトナー粒子がオフセットしてしまう。
よって、塗布ローラで定着液を塗布する構成では、定着応答性向上や残液感低減やカール防止のために記録媒体上のトナー層に定着液を微量塗布することと塗布ローラへのトナーオフセットを防止することとを両立することが極めて難しい。
泡状定着液を用いる定着装置では定着液が泡状と成ることを促す起泡剤を含有させており、泡状定着液に適する起泡剤としては、アニオン系界面活性剤が一般的である。また、定着液は軟化剤や起泡剤を希釈する希釈溶媒として水が含有されていることが一般的である。
このアニオン系界面活性剤の起泡性を最大限に発揮するのは液のpHが7以上の弱アルカリ性領域であるため、定着液は弱アルカリ性の状態とすることが望ましい。一方、ポリエステルの樹脂成分を含有するトナーを軟化する軟化剤としてはエステル基を有する軟化剤が一般的であるが、希釈溶媒として水を含有する定着液のpHが7以上となるアルカリ性領域では、エステル基が水と反応して加水分解し、軟化剤としての能力が低下する。また、エステル基を有する軟化剤が加水分解すると酸性の化合物が生じるため、pHが下がって6以下となって起泡剤の起泡性も低下する。このように、定着液が含有する軟化剤のエステル基が加水分解すると、定着液がトナー粒子を軟化させる性能や定着液が泡状となる起泡性などが低下し、定着液としての所望の性能が得られなくなる。
このため、エステル基を有する軟化剤と希釈溶媒としての水とを含有する定着液の起泡性を重視して定着液のpHを7以上とすると、定着液の長期保存における信頼性が得られなくなる問題がある。また、pHを6以下の弱酸性とすると軟化剤の加水分解が抑制され、軟化剤の化学的分解は抑制されるが、起泡剤の能力が低下し、定着液の泡化の性能が低下し、所望の泡膜の形成ができず、従来の液状の定着液を使用したものと同様に定着不良や画像不良となる。なお、エステル基はpHが7以上であると軟化剤の加水分解が起こり易いが、pHが6以下の場合では加水分解の反応速度が遅くなるだけであって加水分解は発生する。
また、上述した例では、軟化剤と希釈媒体としての水とが経時で反応し、定着性能が低下する構成について説明したが、複数の成分からなる定着液で、含有する成分間の経時での反応により定着性能が低下する定着液であれば同様の問題が生じる。
このような問題は、樹脂微粒子が記録媒体上のトナー像を形成するトナー粒子である場合に限るものではなく、記録媒体上の樹脂微粒子層に泡状の定着液を付与する構成ではどの場合も生じ得る問題点である。さらに、定着液を塗布する樹脂微粒子層を担持するものは記録媒体に限るものではなく、画像形成装置における中間転写ベルト等のトナー像担持体のように、表面に樹脂微粒子層を担持し、転写位置で樹脂微粒子層を記録媒体に転写する樹脂微粒子担持体であっても良い。このような場合は、樹脂微粒子担持体上で定着液を付与されて軟化した状態の樹脂微粒子層を転写位置で記録媒体に転写することで記録媒体に樹脂微粒子層を定着する。
また、請求項2の発明は、請求項1の定着装置において、上記定着液は、含有する成分間の経時での反応により一部の成分が減少するものであり、上記補助液は、該定着液を構成する複数成分のうち経時での反応により減少した成分を含有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の定着装置において、上記定着液は、経時で上記軟化剤と反応し、軟化剤を減少させる軟化剤反応成分を含有し、上記補助液は、該軟化剤を含有し、該軟化剤反応成分を含有しないことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の定着装置において、上記定着液は、含有する成分間の経時の反応により該定着液の定着性能に影響する特性を変化させる成分を含有し、上記補助液は、経時での反応により変化した定着液の特性をもとに戻す成分を含有することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の定着装置において、上記定着液は、経時の反応により該定着液を酸性に変化させる成分を含有し、上記起泡剤は、弱アルカリ性の環境で所望の起泡性を発揮するものであり、上記補助液は、酸性に変化した該定着液を弱アルカリ性特性に戻す成分を含有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の定着装置において、上記定着液が上記定着液収容手段から排出されてから、上記定着液泡化手段で上記泡状定着液となって排出されるまでの該定着液の搬送経路内に液体を攪拌する液体攪拌手段を有し、該定着液が該定着液収容手段から排出されてから、該液体攪拌手段に該定着液が到達するまでの該定着液の搬送経路内に上記補助液供給手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4または5の定着装置において、上記定着液泡化手段で定着液を泡状とする動作とともに該定着液泡化手段内に上記補助液を供給することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の定着装置において、上記定着液収容手段が収容する上記定着液の製造時の情報を記録する記録手段と、上記補助液供給手段が上記搬送経路内の該定着液に供給する上記補助液の供給量を制御する補助液供給制御手段とを有し、該補助液供給制御手段は該記録手段に記録された情報に基づき、該定着液の製造時からの経時時間に対応して該補助液の供給量を制御することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の定着装置において、上記定着液収容手段内、または、上記定着液が該定着液収容手段から排出されてから上記定着液泡化手段で上記泡状定着液となって排出されるまでの該定着液の搬送経路内の液体の電気抵抗を測定する電気抵抗測定手段と、上記補助液供給手段が該搬送経路内の該定着液に供給する上記補助液の供給量を制御する補助液供給制御手段とを有し、該補助液供給制御手段は該電気抵抗測定手段の測定結果に基づいて該補助液の供給量を制御することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の定着装置において、上記電気抵抗測定手段を上記定着液収容手段に配置し、該電気抵抗測定手段が該定着液収容手段内の上記定着液の残量を検知する液残量検知手段を兼ねることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、樹脂と色剤を含有する上記樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、該定着手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の定着装置を用いることを特徴とするものである。
まず、実施形態に係る複写機100の基本的な構成について説明する。図2は、実施形態に係る複写機100を示す概略構成図である。この複写機100は、プリンタ部1と、給紙装置40と、原稿搬送読取ユニット50とを備えている。原稿搬送読取ユニット50は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置たるスキャナ部150と、これに支持される原稿搬送装置たるADF51とを有している。
このように、スキャナ部150において原稿MSを走査し、画像読取センサ153で得られた画像情報に基づいて、後述するように光書込装置2では光源を駆動してドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。
現像ローラ12は回転可能に配置された非磁性の筒状の現像スリーブと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラとから構成される。マグネットローラは、現像スリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これら磁極は、それぞれ現像スリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、現像剤収容部内の二成分現像剤を現像スリーブ表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブの回転に伴って不図示の現像剤規制部材との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、現像領域に搬送される。そして、現像スリーブに印加される現像バイアスと、感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像を行う。更に、現像領域を通過した後、現像スリーブの回転に伴って再び現像装置6内に戻った磁気ブラシを構成する二成分現像剤は、マグネットローラの磁極間に形成される反発磁界の影響によって現像スリーブ表面から離脱した後、現像剤収容部内に戻される。現像剤収容部内には、不図示のトナー濃度センサが配置されており、このトナー濃度センサによる検知結果に基づいて、現像剤収容器内の二成分現像剤のトナー濃度が所定の範囲内となるように、不図示のトナー補給装置が制御され、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。
転写ユニット90では中間転写ベルト91感光体4(K,Y,M,C)に当接させながら図中時計回り方向(図3中の矢印A方向)に無端移動させる。これにより、感光体4(K,Y,M,C)と中間転写ベルト91とが当接するK,Y,M,C用の一次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写ローラ95(K,Y,M,C)によって中間転写ベルト91を感光体4(K,Y,M,C)に向けて押圧している。四つの一次転写ローラ95(K,Y,M,C)には、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップには、感光体4(K,Y,M,C)上のトナー像を転写体たる中間転写ベルト91に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト91の表面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト91の表面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
本実施形態の一次転写装置は、一次転写部材として一次転写ローラ95を備えた構成を採用しているが、一次転写部材としては導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
ここで、ドラムクリーニング装置15によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置6に回収され、再利用される。
図1は本実施形態の定着装置60を模式的に示す説明図である。なお、本発明における樹脂微粒子はトナー粒子である。
定着装置60は、軟化剤、起泡剤、及び、希釈液を含む定着液を、通常の液状から液中に気泡を分散させて泡を多く含んだ泡状とする定着液泡化手段としての定着液泡状化装置500を備える。また、定着液泡状化装置500の定着液供給口501から供給される泡状定着液を転写紙Pに付与する定着液付与手段としての塗布ローラ61を備える。さらに、定着液泡状化装置500に液状の定着液を供給する液状定着液供給部600を備える。
液状定着液供給部600は、少なくとも軟化剤、起泡剤、及び、希釈液からなる液状定着液210を収容する定着液収容手段である定着液ボトル200と、軟化剤を含有し、液状定着液210とは構成する液体の配分が異なる補助液310を液状定着液210とは独立して収容する補助液収容手段である補助液ボトル300とを有する。また、液状定着液供給部600は、定着液ボトル200内の液状定着液210を定着液泡状化装置500まで搬送する搬送経路を構成する定着液搬送管201と、液状定着液210が定着液搬送管201を通って定着液泡状化装置500に向かうように搬送力を付与する定着液搬送ポンプ410とを備える。さらに、液状定着液供給部600は、液状定着液210が定着液ボトル200から排出されてから、定着液泡状化装置500に搬送されるまでの定着液搬送管201内で、補助液310を液状定着液210に供給する補助液供給手段である補助液搬送ポンプ420と補助液搬送管301とを備える。また、定着液搬送ポンプ410の駆動を制御して定着液泡状化装置500への液状定着液210の供給量を制御し、且つ、補助液搬送ポンプ420を制御して定着液泡状化装置500へ供給される液状定着液210への補助液310の供給量を制御する制御部700を備える。
一方、定着液を塗布した後の記録媒体上の樹脂微粒子層上の定着液量は少ないほうが残液感に優れており、これは定着液の重量が少ないことが望ましいことを意味する。また、定着液の重量が少ない方が、定着液の水分による紙のカールを防止できたり、使用液量低減によるコストの低減を図ることができたり、といった利点がある。
記録媒体に塗布する際は定着液の体積が多く、かつ塗布後の記録媒体上の定着液重量は少ない条件を満たすためには、塗布時の定着液の密度が低ければよく、定着液のかさ密度を低くすることにより、塗布時に体積は多くても、実質的な塗布重量は小さくすることができる。即ち、かさ密度(定着液の重量をその体積で割った値)の低い定着液を使用すれば、定着液を塗布する際のオフセットを防止しつつ、残液感を良好にすることが可能であり、さらに、紙のカール防止や使用液量低減によるコスト低減等の利点がある。
図5に示すように、定着液泡状化装置500によって定着液を泡で構成された泡状定着液Fとすることで、定着液のカサ密度を低くでき、少量の定着液で塗布ローラ上の定着液の膜厚を厚くすることができる。これにより、定着液の表面張力による影響が抑えられるため、定着液の量が少量であっても塗布ローラ61への樹脂微粒子のオフセットを防止できることが分かった。
上述した特許文献1には、トナーを溶解または膨潤可能で、水に不溶または難溶な有機化合物が水に分散混合された水中油滴型の定着剤を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から噴霧または滴下してトナーを溶解または膨潤させた後、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方式が記載されている。
一方、特許文献5に記載の定着装置では、本実施形態の定着装置60と同様に、定着液を泡状とし、定着液のかさ密度を下げ、トナー像に対する定着液の表面張力の影響をなくすことで、従来よりも極微量の定着液塗布量でトナー画像を乱すことなく定着する技術が開示されている。
一般的に、通常の液状の液体から0.5[mm]〜1[mm]程度の大きな気泡を含んだ泡状液体を生成する場合、単なる撹拌や液層内への送風等により比較的容易に泡状液体を生成可能であり、大きな気泡を含んだ泡状液体は数秒以下の時間(0.1[s]もかからない)で生成することができる。一方、通常の液状の液体から5[μm]〜50[μm]程度の微小な気泡を含んだ泡状液体を生成する場合、気泡の小径化が困難であり、生成するために時間がかかるという問題があった。
そこで、本発明者らは、この所望の泡径(5[μm]〜50[μm]程度)よりも大きな気泡を含み、目視で観察できる程度の大きさの気泡を含んだ泡状液体の生成が容易で、且つ、すばやく得ることができる点に着目し、泡径が大きな泡状液体から泡径が5[μm]〜50[μm]程度の微小な気泡を含んだ泡状液体を素早く生成する方法を鋭意検討した。その結果、大きな気泡を含む泡状液体にせん断力を加えることで大きな泡を分泡すると、上述したように通常の液状の液体から起泡させて微小な気泡を含有する泡状液体を生成する方法に比べ、極めて素早く所望の大きさの微小な気泡を含有した泡状液体が生成できることがわかった。
図6に示す定着液泡状化装置500は、気体・液体混合部510で大きな気泡を含んだ泡状定着液を生成した後に、微小径泡生成部520でこの泡状定着液の大きな泡を分泡して微小な泡径の泡状定着液を生成する装置である。
図6に示すように、定着液が搬送される定着液搬送管201が接続された気体・液体混合部510は、そのケーシング内に多孔質部材である微小孔シート511を備え、このケーシングには空気口512が設けられている。そして、定着液搬送ポンプ410によって搬送力が付与された液状定着液210の流れとともに、空気口512に負圧が発生し、空気口512から発泡用の気体としての空気が気体・液体混合部510内に導入されることにより、液状定着液210と空気とが混合する。更に、混合したものが微小孔シート511を通過することで、泡径のそろった大きな泡の泡状定着液Fを生成することができる。微小孔シート511の孔径は、30[μm]〜100[μm]程度が望ましい。
なお、液状定着液210を泡状定着液Fとする部材としては、定着装置60が備えるような微小孔シート511に限らず、連泡構造の多孔質部材であればよく、孔径30[μm]〜100[μm]程度の孔を有する焼結セラミックス板や不織布や発泡樹脂シートであってもよい。また、別の大きな泡の生成方法としては、定着液搬送ポンプ410によって供給された液状定着液210と空気口512から供給される空気とを羽根状攪拌子で攪拌しながら、液状定着液210に気泡を巻き込み、大きな気泡を含有する泡状定着液Fを生成させる構成であってもよい。さらに、定着液搬送ポンプ410よって供給された液状定着液210に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を含有する泡状定着液Fを生成する構成であってもよい。
微小径泡生成部520は、泡状定着液Fの大きな泡を分割して2つ以上に分泡化するために大きな気泡を含有する泡状定着液Fにせん断力を加える構成であり、外側円筒部521と内側円筒部522とからなる閉じた二重円筒で、内側円筒部522が外側円筒部521に対して回転可能な構成となっている。外側円筒部521の一部に開けられた定着液流入孔には泡状化装置内搬送管515が接続されており、この定着液流入口から大きな気泡を含有する泡状定着液Fが外側円筒部521と内側円筒部522との間の隙間に供給される。気体・液体混合部510から微小径泡生成部520に供給された泡状定着液Fは、外側円筒部521と内側円筒部522との間の隙間(ここが流路となる)を通過しながら、内側円筒部522の回転によりせん断力を受ける。このせん断力によって、大きな泡は微小な泡へと変化し、外側円筒部の一部に設けられた定着液流出口から定着液供給口501へと搬送され、図6中の矢印βで示すように定着液供給口501から塗布ローラ61に小径の気泡を含有する泡状定着液Fが供給される。これにより、所望の微小な泡径を有する泡状定着液Fを得ることができる。
V={L×π×(d12−d22)/4}/(1000/R)・・・・(1)
図6に示す定着液泡状化装置500のように、液状の定着液を大きな泡径を含有する泡状定着液Fへと変化させる大径泡生成部である気体・液体混合部510と、大きな泡にせん断力を加えて微小な泡を含有する泡状定着液を生成する微小径泡生成部520とを組み合わせることで、液状の定着液から極めて短時間に、5[μm]〜50[μm]程度の微小な泡径を有する泡状定着液を生成させることができる。
図7は、定着装置60が備える塗布ローラ61及び膜厚規制ブレード63とを図1中の矢印B方向から見た斜視説明図である。
図1に示すように、塗布ローラ61の上方には定着液泡状化装置500が配置されており、塗布ローラ61は、定着液泡状化装置500によって生成された所望の微小泡径の泡状定着液Fを転写紙P上のトナー層T(未定着のトナー像)へ付与する定着液付与手段である。また、定着装置60は、塗布ローラ61と対向する位置に加圧ローラ62を備え、塗布ローラ61と加圧ローラ62とが対向する位置に対して塗布ローラ61の表面移動方向上流側の塗布ローラ61の表面に近接または圧接する膜厚規制ブレード63を備える。なお、本実施形態の定着装置60の膜厚規制ブレード63は塗布ローラ61の表面に対して近接して配置され、塗布ローラ61とのギャップ幅を制御可能となっている。膜厚規制ブレード63は塗布ローラ61とのギャップ幅を制御することによって塗布ローラ61表面上の泡状定着液Fの膜厚を制御するものである。
また、塗布ローラ61表面上の泡状定着液Fの膜厚を制御する構成としては、図1や図7を用いて説明した膜厚規制ブレード63のようなブレード部材に限らず、ワイヤーバーによって塗布ローラ61上の泡状定着液Fの厚みを制御してもよく、これに限定するものではない。
また、スポンジ素材の軟化等の不具合を防止するために、加圧ローラ62を、スポンジのローラ表面が可とう性フィルムで覆われた構成としてもよい。スポンジ素材が軟化剤で劣化する素材であっても、軟化剤によって軟化や膨潤を示さない可とう性フィルムで覆うことでスポンジ素材からなる加圧ローラ62の劣化を防止することができる。スポンジ素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、シリコンなどの樹脂の多孔質体などが適する。また、スポンジを覆う可とう性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、四フッ化エチレン・バーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などが適する。
このため、泡状定着液の膜の厚みが微粒子層の厚みよりも薄い場合、泡を押す力が途中で止まってしまい、泡は記録媒体まですばやく到達できないことも観察された。よって、樹脂含有微粒子層より泡状定着液層のほうを厚く制御する必要がある。
また、トナー等の樹脂含有微粒子層に定着液が浸透して記録媒体に到達するまでの時間は樹脂含有微粒子が5[μm]前後のトナーである場合、各種の泡状定着液及び塗布条件において、浸透時間はおおよそ50[ms]〜300[ms]の範囲にある。そこで、接触塗布手段における転写紙等の記録媒体との接触ニップ時間は、最低でも50[ms]から300[ms]の範囲を確保する必要がある。
定着液は、希釈媒としての水と樹脂を軟化させる軟化剤と定着液を泡化させる起泡剤を含有する。
起泡剤としてアニオン系界面活性剤は、優れた起泡性と泡沫安定性を実現することができ、起泡剤として優れている。アニオン系界面活性剤のなかでも、脂肪酸塩、特に脂肪酸アミン塩は最も泡沫安定性に優れ、定着液の起泡剤として最も適している。
このような軟化剤として、例えば、2塩基酸エステルや、脂肪酸アルコキシアルキルや炭酸プロピレンなどの環状エステルやクエン酸エステルなどは、トナー樹脂の軟化性に特に優れている。しかし、これらのエステル基を有する有機溶剤は、一般に、水中で加水分解しやすいことが知られている。特に、水のpHが8以上のアルカリ性水中で、加水分解が促進される。これは、アルカリ性水に含まれる塩基性の成分(ナトリウムイオン、カリウムイオン、アミンなど)の触媒作用によるためである。
このような加水分解により、カルボン酸化物およびアルコール化合物が生成される。このため軟化剤の軟化性能が低下するとともに、弱酸性液となり起泡性能も同時に低下することがわかった。
そして、このような問題を解決するための方法として、本実施形態の定着装置60では、上述した軟化性能および起泡性能の低下を補う必要があるため、これらを補う少なくとも第2の液体を定着液に供給し安定した定着性能となるように定着液を調節する。
詳しくは、定着液ボトル200内での長期保存により定着能力が低下した液状定着液210に対して補助液310として供給する液は、定着液を構成する成分で少なくとも軟化剤を含有する液である。
さらに、泡状の定着液を安定に生成するためには、加水分解により弱酸性化した定着液を弱アルカリ性にし起泡性を向上させることが望ましい。このため定着装置60では、補助液310にアミン類を混合させている。ここでは定着液に含有する起泡剤と同じものを用いているが、アルカリ性の材料であればよくこれに限るものではない。
また、補助液310により定着液の能力を少量で効率良く補うには液状定着液210のpHよりも補助液310のpHを高くする必要があることは明白である。
図1に示すように補助液310を収容する補助液ボトル300は、補助液搬送管301を介して補助液搬送ポンプ420に接続している。また、補助液搬送ポンプ420は、液状定着液210を搬送する搬送経路である定着液搬送管201の定着液搬送ポンプ410よりも上流側に補助液搬送管301を介して接続している。
なお、補助液ボトル300は、定着装置60に対して着脱可能となるように、補助液搬送管301の端部に接続するように不図示のボトル支持体で固定される。
補助液搬送ポンプ420としては、ギヤポンプ、ベローズポンプ等が使用可能であるが、チューブポンプが望ましい。チューブポンプは、チューブ内の液を、チューブを変形させながら押し出す機構であるため、補助液310と接する部材はチューブだけであり、チューブに補助液310に対し耐液性を有する部材を用いることで、補助液310の汚染や補助液310によるポンプ系部品の劣化がない。また、搬送する液量が少量の場合にも対応しやすい利点がある。
例えば、図8に示すように、補助液搬送ポンプ420に対して下流側の補助液搬送管301の端部を定着液搬送ポンプ410に接続した構成であってもよい。
ここで、液状定着液210に補助液310を供給する位置としては、液状定着液210が定着液ボトル200から排出されてから、定着液泡状化装置500の気体・液体混合部510で泡状定着液Fとなって排出されるまでの間の液状定着液210の搬送経路内であればよい。このため、図9に示すように、補助液搬送ポンプ420に対して下流側の補助液搬送管301の端部を気体・液体混合部510に接続しても同様の効果が得られる。すなわち、液状定着液210と補助液310とを混合させる作用を備えた部材に対して液状定着液210の搬送方向の上流側の搬送経路内であればその効果は得られる。
次に、本実施形態の定着装置60で、液状定着液210に供給する補助液310の供給量の制御を行う構成の一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)について説明する。
図10は、実施例1の定着装置60の定着液ボトル200の説明図であり、図11は、補助液310の供給量の制御を行う構成のブロック図である。
先に述べたように、定着液ボトル200内の液状定着液210の加水分解による変質は、軟化剤、起泡剤、及び、希釈液とを混合した液状定着液210の製造時からの経時により変化する。このため、実施例1の定着装置60では、この経時情報に基づいて補助液310の供給量を制御する。
定着装置60は、着脱可能な定着液ボトル200を不図示のボトル支持体に装着し、定着液ボトル200を定着液搬送管201に接続したときに、記録チップ220と対向する位置に、記録チップ220の情報を読み取る、読み取り部620を備えている。読み取り部620で読み取られた定着液の製造日時の情報は、図11で示す制御部700へと送られる。制御部700は、この情報に基づいて液状定着液210の製造時からの経過時間を算出する。また、制御部700には、経過時間と定着液の変質との関係に基づいて、経時時間に対する定着液への補助液の適切な供給量の関係を予め算出したデータのテーブルを備えている。
なお、実施例1では、製造日時の情報を定着液ボトル200に配置した記録チップ220に記録し、その情報を読み取り部620で読み取る構成であるが、制御部700に対して情報送信可能に接続したPCや複写機100に備えた入力部等の外部からその情報を入力してもよい。
次に、本実施形態の定着装置60で、液状定着液210に供給する補助液310の供給量の制御を行う構成の二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)について説明する。
実施例1では、液状定着液210の変質を製造時からの経過時間に起因するものとして、補助液310の供給量を制御するものであるが、液状定着液210の変質は保存環境にも影響される。実施例2では、このような点を鑑み、液状定着液210の変質状態を直接検知する方法である。
図12は、実施例2の定着装置60の定着液ボトル200の説明図であり、図13は、補助液310の供給量の制御を行う構成のブロック図である。
図12に示すように、定着装置60は、着脱可能な定着液ボトル200を不図示のボトル支持体に装着し、定着液ボトル200を定着液搬送管201に接続したときに、定着液ボトル200内の電気抵抗を測定できるようになる液センサ630を備えている。液センサ630は、定着液ボトル200内の所定の位置に設けられた2つの対向する電極の間の電気抵抗を測定することによって定着液ボトル200内の液状定着液210の有無を検出する。液センサ630の2つの電極間には所定の電圧が印加されており、2つの電極の間に液状定着液210が存在し、定着液ボトル200内の所定の位置に液状定着液210が存在する状態では、液センサ630の2つの電極間に電流が流れる。このため、電極間の電気抵抗があまり高くない状態を検出し、制御部700は液状定着液210の残量が十分であることを検出する。一方、定着液ボトル200内の所定の位置に液状定着液210が存在しなくなると、2つの電極間に電流が流れなくなり、液センサ630の2つの電極間の抵抗を無限大に大きくなる。これにより、制御部700は液状定着液210の残量が少なくなったことを検出できる。
このように、電気抵抗測定手段である液センサ630の測定部を定着液ボトル200に配置することによって、定着液ボトル200内の液状定着液210の残量を検出することができる。
本実施形態で用いる定着液はその成分によりアミン等イオンが多く含まれるため導電性をもつ。定着液の変質要因である加水分解によりイオン成分が増加するため電気伝導度が変化する。このため、定着液の電気抵抗を計測することで定着液の変質状態を検出することが可能になる。
なお、イオンによる電気伝導度を測定するので電極間に直流の電圧を印加すると計測される電気抵抗の値が安定しないが、交流とすることで安定した電気抵抗の値を検出できる。
また、図12に示すように、液センサ630の2つの電極は定着液ボトル200内の液状定着液210の液面に対して垂直方向に配置している。このように配置することで、液状定着液210の減少にともない電極と液状定着液210との接触部が減少することになる。これにより導電性が変化することで液状定着液210の減少が検知でき、定着液の残量を検知できる利点がある。
制御部700は、複写機100の画像形成開始による定着開始信号を受けると、液状定着液を泡状化する動作を開始する。すなわち、定着液泡状化装置500の駆動部である泡状化装置駆動部500a及び定着液搬送ポンプ410に駆動開始の信号が送られる。また、液センサ630の検出した液状定着液210の電気抵抗の情報に基づいて、制御部700が備える上記データテーブルから補助液310の供給量を算出し、算出した供給量となるように補助液搬送ポンプ420を駆動し、搬送経路内の液状定着液210に補助液310を適正量供給する。
なお、実施例2では、液状定着液210の電気抵抗を測定する箇所が定着液ボトル200内であったが、液状定着液210の電気抵抗を測定する箇所は、液状定着液210の搬送経路上であればその目的は達成できる。
泡状定着液は、上述したように、軟化剤を含有した液体中に気泡を含有した構成である。軟化剤を含有した液体は、気泡を安定に含有し、なるべく均一な気泡の大きさからなる気泡層を構成する泡状とするため、起泡剤及び増泡剤を有することが望ましい。また、ある程度粘度が高いほうが、気泡が安定して液体中に分散するため、増粘剤を含有することが望ましい。
また、起泡剤としては、陰イオン界面活性剤、特に、脂肪酸塩が望ましい。脂肪酸塩は界面活性を有するため、水を含有する定着液の表面張力を下げ、定着液を発泡しやすくするとともに、泡表面で脂肪酸塩が層状ラメラ構造をとるため泡壁(プラトー境界)が他の界面活性剤よりも強くなり、泡沫安定性が極めて高くなる。また、脂肪酸塩の起泡性を効果的にするため、定着液には水を含有することが望ましい。脂肪酸としては、大気中での長期安定性の観点から酸化に強い飽和脂肪酸が望ましい。但し、飽和脂肪酸塩を含有する定着液に若干の不飽和脂肪酸塩を含有することで脂肪酸塩の水に対する溶解・分散性を助け、5[℃]〜15[℃]までの低気温において、優れた起泡性を有することができ、広い環境温度範囲において定着の安定を可能とし、また、定着液長期放置中の脂肪酸塩の定着液中分離を防止することができる。
更に、記録媒体に対するトナーの定着は、密封された環境において頻繁に使用される機器で行われ、トナーを記録媒体への定着した後にも軟化剤はトナー中に残留するため、記録媒体に対するトナーの定着は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが好ましい。すなわち、軟化剤は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。
なお、オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10×log{物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率})を臭気の指標とすることができる。また、軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。この場合には、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。更に、軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
R1COOR2
の一般式で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基である。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記飽和脂肪族エステルが、一般式R1COOR2で表される化合物を含み、R1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基であり、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記化合物の臭気指数は、10以下であり、上記化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
よって、本発明における定着液において、好ましくは、上記脂肪族ジカルボン酸エステルは、
R3(COOR4)2
の一般式で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である。R3及びR4の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記脂肪族ジカルボン酸エステルが、一般式R3(COOR4)2で表される化合物を含み、R3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基であり、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記化合物の臭気指数は、10以下であり、上記化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。上記化合物であるこれらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
本発明における定着液において、好ましくは、上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、
R5(COOR6−O−R7)2
の一般式で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である。R5、R6及びR7の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
即ち、上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、一般式R5(COOR6−O−R7)2
で表される化合物を含み、R5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基であり、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基である場合には、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性又は膨潤性を向上させることができる。また、上記化合物の臭気指数は、10以下であり、上記化合物は、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
また、脂肪酸エステルではないが、クエン酸エステルや炭酸エチレンや炭酸プロピレンも軟化もしくは膨潤剤として適する。
ところで、泡状定着液において、塗布接触ニップ部にてトナー等の微粒子層に泡状定着液を押し込みながら浸透させる際に泡が破泡すると浸透阻害となる。そこで泡沫安定性に優れる泡が求められる。このため、定着液中に脂肪酸アルカノールアミド(1:1)型を含有することが望ましい。脂肪酸アルカノールアミドには(1:1)型と(1:2)型があるが、本発明における泡沫安定性には(1:1)型が適することがわかった。
また、定着液中に浸透性改善や紙等媒体のカール防止のために油性成分を含有してO/WエマルジョンやW/Oエマルジョンを形成する構成も望ましく、その場合、具体的な分散剤としては、ソルビタンモノオレエートやソルビタンモノステレートやソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸エステルやショ糖ラウリン酸エステルやショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステルなどが望ましい。
また、上述した実施形態の定着装置60では、補助液を収容する補助液収容手段を一つ備える構成であるが、補助液収容手段を複数備える構成であってもよい。さらに、補助液収容手段を複数備える構成の場合、各補助液収容手段によって収容する補助液の含有成分を異ならせて、必要に応じて、定着液に供給する補助液を選択するように構成しても良い。
さらに、上述した実施形態では、定着液付与手段である塗布ローラ61が記録媒体である転写紙P上の未定着トナー像に泡状定着液を付与する構成である。本発明の特徴部を備えた定着装置としては、定着液付与手段が転写紙Pなどの記録媒体に定着液を付与する定着装置に限るものではなく、例えば、特開2004−109749号公報に記載の定着装置のように、樹脂微粒子担持体である中間転写ベルト等のトナー像担持体上の未定着トナー像に定着液を塗布する定着装置にも適用可能である。
液状定着液210内の軟化剤の加水分解による定着能力の低下は保存期間により異なる。このため、経時時間に対応した補助液310の供給を行うことにより、保存期間によってことなる能力低下に応じた補助液を供給することができる。これにより、定着能力を維持しつつ、無駄に補助液310を消費しないという効果を奏することができる。
液状定着液210内の軟化剤の加水分解による定着能力の低下とは保存期間だけなく保存環境によっても異なる。そして、液状定着液210は軟化剤の加水分解により液体の電気的特性が変化する。これは加水分解によるイオン化生成物が増加するため、電気抵抗が小さくなる。これを測定することで必要な補助液を最適に供給し、安定した定着能力が得られる。
2 光書込装置
3 作像ユニット
4 感光体
5 帯電ローラ
6 現像装置
10 排紙トレイ
12 現像ローラ
15 ドラムクリーニング装置
16 クリーニングブレード
22 除電ランプ
28 紙搬送ユニット
29 紙搬送ベルト
30 駆動ローラ
31 二次転写ローラ
32 ベルトクリーニング装置
33 レジストローラ対
36 スイッチバック装置
37 紙搬送路
40 給紙装置
41 ペーパーバンク
42 給紙カセット
43 送出ローラ
44 給紙路
45 分離ローラ
47 搬送ローラ
50 原稿搬送読取ユニット
51 ADF
60 定着装置
61 塗布ローラ
62 加圧ローラ
63 膜厚規制ブレード
90 転写ユニット
91 中間転写ベルト
92 第一張架ローラ
94 下部張架ローラ
95 一次転写ローラ
100 複写機
150 スキャナ部
151 固定読取部
152 移動読取部
153 画像読取センサ
200 定着液ボトル
201 定着液搬送管
210 液状定着液
220 記録チップ
300 補助液ボトル
301 補助液搬送管
310 補助液
410 定着液搬送ポンプ
420 補助液搬送ポンプ
500 定着液泡状化装置
500a 泡状化装置駆動部
501 定着液供給口
510 気体・液体混合部
511 微小孔シート
512 空気口
515 泡状化装置内搬送管
520 微小径泡生成部
521 外側円筒部
522 内側円筒部
600 液状定着液供給部
620 読み取り部
630 液センサ
700 制御部
F 泡状定着液
MS 原稿
P 転写紙
T トナー層
Claims (11)
- 樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液泡化手段と、
表面に樹脂微粒子を担持する記録媒体または樹脂微粒子担持体の表面に該泡状定着液を付与する定着液付与手段とを有し、
該泡状定着液を付与することで軟化した該樹脂微粒子を該記録媒体に定着する定着装置において、
少なくとも、上記軟化剤と、上記定着液に含有させることで該定着液が泡状となることを促す起泡剤と、該軟化剤や該起泡剤を希釈する希釈液とを含む複数成分からなる定着液を収容する定着液収容手段を有し、
該定着液は含有する成分間の経時での反応により定着性能が低下する構成であり、
該定着液に供給することによって該定着液の成分間の経時の反応によって低下した定着性能を回復させる補助液を該定着液収容手段内の該定着液とは独立して収容する補助液収容手段と、
該定着液が該定着液収容手段から排出されてから、上記定着液泡化手段で上記泡状定着液となって排出されるまでの該定着液の搬送経路内で、該補助液収容手段内の該補助液を該定着液に供給する補助液供給手段とを有することを特徴とする定着装置。 - 請求項1の定着装置において、
上記定着液は、含有する成分間の経時での反応により一部の成分が減少するものであり、
上記補助液は、該定着液を構成する複数成分のうち経時での反応により減少した成分を含有することを特徴とする定着装置。 - 請求項2の定着装置において、
上記定着液は、経時で上記軟化剤と反応し、軟化剤を減少させる軟化剤反応成分を含有し、
上記補助液は、該軟化剤を含有し、該軟化剤反応成分を含有しないことを特徴とする定着装置。 - 請求項1、2または3の定着装置において、
上記定着液は、含有する成分間の経時の反応により該定着液の定着性能に影響する特性を変化させる成分を含有し、
上記補助液は、経時での反応により変化した定着液の特性をもとに戻す成分を含有することを特徴とする定着装置。 - 請求項4の定着装置において、
上記定着液は、経時の反応により該定着液を酸性に変化させる成分を含有し、
上記起泡剤は、弱アルカリ性の環境で所望の起泡性を発揮するものであり、
上記補助液は、酸性に変化した該定着液を弱アルカリ性特性に戻す成分を含有することを特徴とする定着装置。 - 請求項1、2、3、4または5の定着装置において、
上記定着液が上記定着液収容手段から排出されてから、上記定着液泡化手段で上記泡状定着液となって排出されるまでの該定着液の搬送経路内に液体を攪拌する液体攪拌手段を有し、
該定着液が該定着液収容手段から排出されてから、該液体攪拌手段に該定着液が到達するまでの該定着液の搬送経路内に上記補助液供給手段を備えることを特徴とする定着装置。 - 請求項1、2、3、4または5の定着装置において、
上記定着液泡化手段で定着液を泡状とする動作とともに該定着液泡化手段内に上記補助液を供給することを特徴とする定着装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6または7の定着装置において、
上記定着液収容手段が収容する上記定着液の製造時の情報を記録する記録手段と、
上記補助液供給手段が上記搬送経路内の該定着液に供給する上記補助液の供給量を制御する補助液供給制御手段とを有し、
該補助液供給制御手段は該記録手段に記録された情報に基づき、該定着液の製造時からの経時時間に対応して該補助液の供給量を制御することを特徴とする定着装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の定着装置において、
上記定着液収容手段内、または、上記定着液が該定着液収容手段から排出されてから上記定着液泡化手段で上記泡状定着液となって排出されるまでの該定着液の搬送経路内の液体の電気抵抗を測定する電気抵抗測定手段と、
上記補助液供給手段が該搬送経路内の該定着液に供給する上記補助液の供給量を制御する補助液供給制御手段とを有し、
該補助液供給制御手段は該電気抵抗測定手段の測定結果に基づいて該補助液の供給量を制御することを特徴とする定着装置。 - 請求項9の定着装置において、
上記電気抵抗測定手段を上記定着液収容手段に配置し、
該電気抵抗測定手段が該定着液収容手段内の上記定着液の残量を検知する液残量検知手段を兼ねることを特徴とする定着装置。 - 樹脂と色剤を含有する上記樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、
該定着手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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