JP2012022205A - 定着液、並びに定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置 - Google Patents

定着液、並びに定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012022205A
JP2012022205A JP2010161008A JP2010161008A JP2012022205A JP 2012022205 A JP2012022205 A JP 2012022205A JP 2010161008 A JP2010161008 A JP 2010161008A JP 2010161008 A JP2010161008 A JP 2010161008A JP 2012022205 A JP2012022205 A JP 2012022205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
liquid
fixing solution
foam
toner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010161008A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuko Arisumi
夕子 有住
Yasuo Katano
泰男 片野
Tsuneo Kurotori
恒夫 黒鳥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2010161008A priority Critical patent/JP2012022205A/ja
Publication of JP2012022205A publication Critical patent/JP2012022205A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、定着液を構成する成分が経時的に分離することを防止し、更に、泡状定着液とした際の泡沫安定性が良く、安定した定着性能を維持することができる定着液、並びに、定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置の提供。
【解決手段】樹脂微粒子の少なくとも一部を溶解乃至膨潤させる定着液であって、軟化剤と、起泡剤と、多糖類と、溶媒とを含有することを特徴とする定着液である。前記多糖類が、グアーガム誘導体、セルロース誘導体、及びバイオガムから選択される少なくとも1種である態様が好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着液、並びに定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置は、紙、布、OHP用シート等の記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができる点で、広くオフィスで使用されている。
前記電子写真方式の画像形成装置の中でも、記録媒体上のトナーを加熱して軟化乃至溶融させ、軟化等させたトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く普及している。前記熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質を提供することができる。
しかしながら、前記熱定着方式の画像形成装置の消費電力の大半は、定着装置でトナーを加熱するために消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の画像形成装置が望まれている。即ち、トナーの加熱温度を、今までより極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方式が、理想的である。
前記非加熱定着方式としては、例えば、トナーを溶解乃至膨潤可能で、水に不溶又は難溶な有機化合物が水に分散混合された水中油滴型の定着液を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から噴霧又は滴下してトナーを溶解乃至膨潤させた後、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記湿式定着方法は、水中油滴型の定着液を用いるため、多量の定着液を未定着トナーに付与した場合に、転写紙等の記録媒体が、定着液の水分を吸収し、シワやカールが発生するという問題がある。
また、静電気的方法で形成された未定着トナーを、容易に受像シート上に固着できる定着用溶液として、トナーを溶解し、かつシリコーンオイルと相溶性を有する溶剤に対して、シリコーンオイル8質量%〜120質量%を混合してなる相溶状態の未定着トナーの定着用溶液が提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような油性の定着液は、撥水処理された未定着トナーとの高い親和性を有する油性溶媒を含むため、撥水性処理されたトナーをはじくことなく、トナーを溶解乃至膨潤可能である。
しかしながら、前記定着用溶液は、多量の定着用溶液を未定着トナーに付与した場合には、トナー粒子が流されることによる画質劣化、定着液の乾燥時間が長くなることによる定着応答性の低下、記録媒体によっては紙詰まりが発生しやすくなる、といった問題がある。
上記問題を解決するために、記録材の内部に侵入する定着液の量を少なくすることで、省エネ対策のために湿式定着方式を採用しても記録材のカールやシワの発生を抑制することが可能な画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、前記画像形成装置は、接触型の定着液付与手段である塗布ローラを用いて、定着液を液状のまま、記録媒体に塗布することで、定着液を記録媒体上の未定着トナー像に付与する構成であり、定着応答性向上や残液感低減やカール防止のために記録媒体上のトナー像への定着液の微量塗布と塗布ローラへのトナーオフセット防止を両立させることが極めて難しいという問題がある。
上記問題を解決する定着方式として、定着液を、液中に気泡が分散した泡状定着液とし、該泡状定着液を記録媒体上のトナー像に塗布する泡状定着方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。前記泡状定着方法では、定着液の密度を下げることができるため、従来よりも少量の定着液で塗布ローラ表面上の定着液の膜の厚みを厚くすることができ、記録媒体上のトナー粒子に対する液体の表面張力の影響を軽減することができる。また、少量の定着液であるため、記録媒体上の残液量を低減することができ、泡状定着液は通常の液体状の定着液よりも流れ難いため、泡状定着液を用いることによって、通常の液体状の定着液よりも、該泡状定着液によるトナー粒子が流されることによる画像劣化も防止することができる。
しかしながら、前記泡状定着液は、起泡剤として脂肪酸アミン塩を含有し、一部の脂肪酸が遊離している液状定着液を用いて調製される。該液状定着液においては、経時的に、脂肪酸の分散安定性が低下し、脂肪酸が徐々に分離する。そして、脂肪酸が分離した液状定着液を泡状定着液にしようとしても、脂肪酸が分離した状態では定着液の起泡性や泡沫安定性が低下するため、所望の泡状定着液を得ることができず、定着不良が生じるという問題がある。
また、前記泡状定着液を構成する成分が、経時的に、分離する不具合は、脂肪酸アミン塩等の起泡剤中の成分に限らず、定着液に含有された軟化剤と水等溶媒とが分離することによっても生じる。軟化剤と溶媒とが分離すると液状定着液中の軟化剤の濃度に偏りが生じ、このような液状定着液を泡状定着液として定着を行おうとしても、所望の軟化性能を得ることができず、定着不良が生じるおそれがあるという問題がある。
さらに、前記泡状定着液を構成する成分が、経時的に、分離する不具合は、最終的な液状定着液の状態で保管する場合に限らず、液状定着液を構成する定着液成分液を各々個別に保管する場合であっても生じる。例えば、起泡剤含有液において、起泡剤成分の分散安定性が低下し、該起泡剤成分が分離した状態で、他の定着液成分液と混合して液状定着液とすると、定着液の起泡性や泡沫安定性が低下し、所望の泡状定着液を得ることができず、定着不良が生じる。また、軟化剤含有液において、軟化剤と溶媒とが分離した状態で、他の定着液成分液と混合して液状定着液とし、該液状定着液を泡状定着液として定着を行おうとしても、所望の軟化性能を得ることができず、定着不良が生じるという問題がある。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、定着液を構成する成分が経時的に分離することを防止し、更に、泡状定着液とした際の泡沫安定性が良く、安定した定着性能を維持することができる定着液、並びに定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、多糖類を含有する定着液は、長期に亘って定着液の分散安定性を維持できること、また、定着液を泡状にした際の泡沫安定性が改善されることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 樹脂微粒子の少なくとも一部を溶解乃至膨潤させる定着液であって、軟化剤と、起泡剤と、多糖類と、溶媒とを含有することを特徴とする定着液である。
<2> 多糖類が、グアーガム誘導体、セルロース誘導体、及びバイオガムから選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の定着液である。
<3> 定着液に対する多糖類の含有量が、0.01質量%〜1質量%である前記<1>から<2>のいずれかに記載の定着液である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成工程と、前記泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に一定の厚みの膜状で付与する付与工程と、を含むことを特徴とする定着方法である。
<5> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、前記泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に一定の厚みの膜状で付与する付与手段と、を有することを特徴とする定着装置である。
<6> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を、樹脂と着色剤を含有する樹脂微粒子を含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、を含む画像形成方法であって、前記定着工程が、前記<4>に記載の定着方法により行われることを特徴とする画像形成方法である。
<7> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、樹脂と着色剤を含有する樹脂微粒子を含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、を有する画像形成装置であって、前記定着手段が、前記<5>に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、定着液を構成する成分が経時的に分離することを防止し、更に、泡状定着液とした際の泡沫安定性が良く、安定した定着性能を維持することができる定着液、並びに定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る第1の実施形態の定着装置の一例を示す概略構成図である。 図2は、本発明に係る第1の実施形態の定着装置の定着液供給部の一例を示す構成図である。 図3は、本発明に係る第1の実施形態の定着装置の定着液塗布部の一例を示す構成図である。 図4は、本発明に係る第1の実施形態の定着装置における膜厚調整ブレードと塗布ローラの一例を示す拡大模式図である。 図5は、図4よりも膜厚調整ギャップを狭くした状態の膜厚調整ブレードと塗布ローラの一例を示す拡大模式図である。 図6は、塗布ニップにおける塗布ローラ表面と転写紙の一例を拡大して示す拡大模式図である。 図7は、泡状定着液の一例を示す拡大模式図である。 図8は、本発明に係る第2の実施形態の定着装置の一例を示す概略構成図である。 図9は、本発明に係る第2の実施形態の定着装置の定着液供給部の一例を示す構成図である。 図10は、本発明に係る第2の実施形態の定着装置で液混合部を備える定着液供給部の一例を示す構成図である。 図11は、流路のみからなる液混合部の一例を示す拡大説明図である。 図12は、本発明に係る第2の実施形態の定着装置で加圧部材がベルト状である構成の一例を示す説明図である。 図13Aは、従来の定着装置において、定着液の層を塗布ローラから転写紙に塗布している状態の一例を示す模式図(液層厚みが比較的薄いとき)である。 図13Bは、従来の定着装置において、定着液の層を塗布ローラから転写紙に塗布している状態の一例における、塗布ローラと転写紙との間を拡大して示す拡大模式図(液層厚みが比較的薄いとき)である。 図14は、従来の液定着方式の定着装置における定着液塗布部の一例を拡大して示す拡大構成図(液層厚みが比較的厚いとき)である。 図15は、本発明に係る第1の実施形態のプリンタの要部の一例を示す概略構成図である。 図16は、本発明に係る第1の実施形態のプリンタのプロセスユニットの一例を示す拡大構成図である。
(定着液)
本発明の定着液は、樹脂微粒子の少なくとも一部を溶解乃至膨潤させ、少なくとも軟化剤と、起泡剤と、多糖類と、溶媒と、を含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記定着液は、後述する泡状定着液生成手段によって、液状定着液から、泡状定着液とされる。
前記定着液は、媒体上のトナー等の樹脂微粒子を含む樹脂微粒子層への塗布時に泡状となっていればよく、定着液収容器内で泡状である必要はない。定着液収容器中では気泡を含有しない液体の状態にしておき、容器から液を供給する時点や、樹脂微粒子層へ付与するまでの液搬送経路で泡状にすることで、定着液の輸送体積、保存体積の減容を図り、輸送コストや保存コストを低減することができる。
−軟化剤−
前記軟化剤は、トナーに含まれる樹脂微粒子の少なくとも一部を軟化させる機能を有する。
前記軟化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エステル化合物が、樹脂微粒子の溶媒に対する溶解性乃至膨潤性を向上させることができる点で、好ましい。
前記エステル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、脂肪族エステル、炭酸エステルが、樹脂の軟化能力が優れている点、及び後述する起泡剤としてのアニオン系界面活性剤による起泡性を阻害しない点で、好ましい。
また、記録媒体に対する樹脂微粒子としてのトナーの定着は、密封された環境において頻繁に使用される機器で行われ、軟化剤はトナーの記録媒体への定着後にもトナー中に残留するため、記録媒体に対するトナーの定着は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが好ましい。即ち、前記軟化剤は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。
前記脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。
なお、オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数〔10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率)〕を臭気の指標とすることができる。また、前記軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。この場合、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。さらに、前記軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
前記脂肪族エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、飽和脂肪族エステル、脂肪族ジカルボン酸エステル、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキル、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記飽和脂肪族エステルは、軟化剤の保存安定性(酸化、加水分解などに対する耐性)を向上させることができる。
前記飽和脂肪族エステルの多くは、トナーに含まれる樹脂微粒子を、1秒間以内に、溶媒に溶解乃至膨潤させることができる。また、前記飽和脂肪族エステルは、溶解乃至膨潤したトナーの表面に油膜を形成するため、記録媒体に提供されたトナーの粘着性を低下させることができる。
前記飽和脂肪族エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、RCOORの一般式で表される化合物が、トナーに含まれる樹脂微粒子の溶媒に対する溶解性乃至膨潤性を向上させることができる点で、好ましい。
前記Rは、炭素数が11以上14以下のアルキル基を表し、前記Rは、炭素数が1以上6以下の直鎖型又は分岐型アルキル基を表す。前記R及び前記Rの炭素数が各々所望の範囲よりも少ないと、臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと、樹脂軟化能力が低下する。
また、前記一般式RCOORで表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
前記飽和脂肪族エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族モノカルボン酸エステル、などが挙げられる。
前記脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、などが挙げられる。
前記脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しないため、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
前記脂肪族ジカルボン酸エステルは、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶媒に溶解乃至膨潤させることができる。例えば、60ppm程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1秒間以内であることが好ましい。前記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、媒体における未定着のトナー等に定着液を付与し、トナーが媒体に定着するのに要する時間を、0.1秒間以内にすることが可能となる。
さらに、より少量の軟化剤を添加することによって、トナーに含まれる樹脂を溶媒に溶解乃至膨潤させることができるため、定着液に含まれる軟化剤の含有量を低減することができる。
前記脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、R(COORの一般式で表される化合物が、トナーに含まれる樹脂の溶媒に対する溶解性乃至膨潤性を向上させることができる点で、好ましい。前記Rは、炭素数が3以上8以下のアルキレン基を表し、前記Rは、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基を表す。前記R及び前記Rの炭素数が、各々所望の範囲よりも少ないと、臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと、樹脂軟化能力が低下する。
また、上記一般式R(COORで表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
前記脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸2−エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、などが挙げられる。
前記脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しないため、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
前記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルは、媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
前記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、R(COOR−O−Rの一般式で表される化合物が、トナーに含まれる樹脂の溶媒に対する溶解性乃至膨潤性を向上させることができる点で、好ましい。
前記Rは、炭素数が2以上8以下のアルキレン基を表し、前記Rは、炭素数が2以上4以下のアルキレン基を表し、前記Rは、炭素数が1以上4以下のアルキル基を表している。前記R、前記R及び前記Rの炭素数が、各々所望の範囲よりも少ないと、臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと、樹脂軟化能力が低下する。
また、前記一般式R(COOR−O−Rで表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
前記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジカルビトール、アジピン酸ジメトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル、などが挙げられる。
前記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを水性溶媒で用いる場合には、必要に応じてグリコール類を溶解助剤として定着液に含有させ、溶解又はマイクロエマルジョンの形態とする。
前記炭酸エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン(プロピレンカーボネート)、グリセロール1,2−カルボナート、4−メトキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、などが挙げられる。
前記脂肪族エステル、炭酸エステル以外のエステル化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル;エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールジアセタート、トリエチレングリコールジアセタート等のグリコールをエステル化した化合物;モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン等のグリセリンをエステル化した化合物、などが挙げられる。
前記軟化剤の定着液に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましい。前記軟化剤の含有量が、0.5質量%未満であると、トナーに含まれる樹脂を溶媒に溶解乃至膨潤させる効果が不十分になることがあり、50質量%を超えると、長時間に亘りトナーに含まれる樹脂の流動性を低下させることができず、定着トナー層が粘着性を有する可能性がある。
−−溶解助剤−−
前記軟化剤は、定着液中の濃度が高くなると、希釈溶媒である水に、軟化剤が溶解しにくくなる場合がある。このような場合には、軟化剤が高濃度でも溶解し、かつ後述する起泡剤である脂肪酸塩による起泡性を劣化させず、むしろ起泡性を向上させるものとして、溶解助剤を、定着液中に含有させることができる。
前記溶解助剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価のアルコール類、などが挙げられる。
前記多価のアルコール類の定着液に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができるが、1質量%〜30質量%が好ましい。前記多価のアルコール類の含有量が、30質量%を超えると、起泡性がむしろ劣化する。
−起泡剤−
前記起泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、などが挙げられる。これらの中でも、アニオン系界面活性剤が、優れた起泡性と泡沫安定性を実現することができる点で、好ましい。
前記アニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪酸塩が、泡沫安定性に優れる点で、好ましい。
一方、軟化剤は、消泡作用が強く、定着液中で軟化剤の濃度上昇と共に、定着液の起泡性及び泡沫安定性が悪くなり、なかなか起泡しなくなり、泡が直ぐに破泡するため泡密度の低い泡状定着液を得ることができなくなる。
そこで、この定着液中の軟化剤濃度を高めたときの起泡性劣化問題を解決するため、アニオン系界面活性剤の種類や濃度を因子として多種の試作を行った。また、『石井淑夫著,「泡のエンジニアリング」初版,株式会社テクノシステム,2005年3月25日発行,P.489』にも記載されている「スーパーファット」と呼称される技術、つまり固形洗浄剤(石鹸)に含有されている遊離脂肪酸に着目して試作を行った。ここで、スーパーファットと呼称される技術について概説すると、酸化されにくい遊離脂肪酸を少量加え、過剰油脂分を増やす方法であり、ケン化されない油脂を少量分残すことによって、例えば保湿作用を高めるなどの効果があるとされている。前記『石井淑夫著,「泡のエンジニアリング」初版,株式会社テクノシステム,2005年3月25日発行,P.489』には、石鹸水溶系に極少量の脂肪酸を添加すると、起泡性能が向上する上、泡質が一層クリーミィになることが知られており、スーパーファットソープと呼ばれていると記載されている。このスーパーファットと同様に軟化剤を有する定着液に極少量の脂肪酸を添加して泡化しようとしたが起泡性及び泡沫安定性のいずれも悪かった。
ところが、後述するように、起泡剤として炭素数12〜18の脂肪酸塩を用い、更に炭素数12〜18の脂肪酸を定着液中に含有することにより、軟化剤の濃度が高くなっても、定着液の起泡性が劣化しない泡状定着液を提供できることがわかった。
ここで、軟化剤を含有した定着液において、単に水を起泡する場合に比較して、脂肪酸塩の炭素数としては、12〜18が起泡性に優れている。具体的には、ラウリン酸塩(炭素数12)、ミリスチン酸塩(炭素数14)、パルミチン酸塩(炭素数16)、ステアリン酸塩(炭素数18)が、好ましい。また、ペンタデシル酸(炭素数15)、マルガリン酸(炭素数17)、なども好ましい。
一方、脂肪酸と軟化剤との作用について説明すると、軟化剤はエステル基を化学構造中に有しており、脂肪酸はカルボニル基を化学構造中に有している。この点から、軟化剤のエステル基と脂肪酸のカルボニル基が定着液の系内で、電気的な作用を示し、またそれが分子間の結合作用を生じさせ、定着液の特性として起泡性及び泡沫安定性を向上させている。
また、脂肪酸塩の炭素数12〜18の範囲においても、炭素数が少ないほうが起泡性に優れているが、泡沫安定性が悪く、炭素数が多いほうが起泡性にあまりよくないが泡沫安定性に極めて優れている。そこで、定着液中で、単独の脂肪酸塩でもよいが、炭素数12〜18の脂肪酸塩を混合する方が、好ましい。混合比率としては、ミリスチン酸塩(炭素数14)を最も多く含み、ラウリン酸塩(炭素数12)、ステアリン酸塩の割合を低くすることがより好ましい。より具体的な脂肪酸塩の比率としては、ラウリン酸塩:ミリスチン酸塩:パルミチン酸塩:ステアリン酸塩の質量比で、0:6:3:1、1:5:3:1、1:4:4:1が好ましい。
前記アニオン系界面活性剤の定着液に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜10質量%がより好ましい。前記アニオン系界面活性剤の含有量が、0.1質量%未満であると、起泡性が不十分になることがあり、20質量%を超えると、定着液の粘度が高くなり、起泡性が低下する可能性がある。
定着液中に起泡剤である脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有することで、軟化剤の含有量が高くなっても起泡性及び泡沫安定性を維持することができる。前記軟化剤の定着液に対する含有量としては、10質量%未満であると、脂肪酸を含有しなくても起泡性は問題ない。しかし、前記軟化剤の含有量が10質量%以上、特に軟化剤の含有量が30質量%以上になると、脂肪酸塩だけでは、ほとんど起泡しなくなり起泡性が悪くなる。
前記軟化剤の含有量が30質量%の場合には、脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有させると、起泡性を維持できる。
ただし、前記脂肪酸の含有量が多くなりすぎると、起泡剤である脂肪酸塩の比率が下がり、起泡性が再び悪くなる。そこで、後述する具体例からわかるように、脂肪酸塩のモル数として、脂肪酸のモル数と同じ乃至大きくすることが好ましい。または、脂肪酸と脂肪酸塩の比率として、5:5〜1:9が、起泡性が優れている点で、好ましい。
なお、同じ炭素数の脂肪酸と脂肪酸塩の組合せだけでなく、例えば、脂肪酸塩がミリスチン酸アミンで、脂肪酸がステアリン酸の組合せや脂肪酸塩がパルミチン酸カリウムで脂肪酸がステアリン酸のような炭素数が12〜18の範囲で、異なる組合せであってもよい。即ち、炭素数12〜18の範囲の脂肪酸を定着液に含有することで、高濃度の軟化剤を含有しても、起泡性が悪くならず、泡沫安定性に優れ、密度の極めて低い泡化を可能とする。
さらに、前記脂肪酸塩としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪酸ナトリウム塩、脂肪酸カリウム塩、脂肪酸アミン塩、などが挙げられる。これらの中でも、水を加熱し、脂肪酸を添加し、その後トリエタノールアミンを添加して、一定時間撹拌しながら加熱して中和反応させることで作製することができる点で、脂肪酸アミンが、好ましい。前記脂肪酸とトリエタノールアミンとのモル比は、1:0.5〜1:0.9と脂肪酸比率を高くすることで、中和反応後、未反応の脂肪酸が残留し、定着液中に脂肪酸と脂肪酸アミン塩を混合させることができる。なお、同じことは、ナトリウム塩やカリウム塩でも可能である。
前記脂肪酸塩としては、不飽和脂肪酸塩を用いてもよい。
前記不飽和脂肪酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等炭素数18で2重結合数が1〜3の不飽和脂肪酸、などが挙げられる。前記不飽和脂肪酸は、2重結合が4以上では反応性が強いため、定着液の放置安定性が劣ってしまう。
前記不飽和飽和脂肪酸による不飽和脂肪酸塩は、単独又は混合して起泡剤として用いることができる。また、前記飽和脂肪酸塩と前記不飽和脂肪酸塩を混合して、起泡剤として用いてもよい。
泡状定着液において、塗布接触ニップ部にてトナー等の微粒子層に泡状定着液を押し込みながら浸透させる際に泡が破泡すると浸透阻害となる。そこで、泡沫安定性に優れる泡が求められる。このため、定着液中に脂肪酸アルカノールアミド(1:1)型を含有することが好ましい。脂肪酸アルカノールアミドには(1:1)型と(1:2)型があるが、本発明における泡沫安定性には(1:1)型が、より好ましい。
前記起泡剤としては、前記脂肪酸塩以外のアニオン系界面活性剤として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩、スルホン酸塩、タウリン酸塩、サルコシン酸塩、グルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記起泡剤は起泡性に優れるものの、泡沫安定性は脂肪酸塩よりも、やや劣る。また、軟化剤濃度の増加による起泡性が悪くなることがある。そこで、これらの起泡剤に炭素数12〜18の脂肪酸や脂肪酸アルカノールアミドを含有した定着液とすることで、起泡性と泡沫安定性を維持することができる。
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸ベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤、などが挙げられる。
前記両面性界面活性剤を用いた場合にも、泡沫安定性に優れる泡ができる。
−多糖類−
前記多糖類は、静止状態では高粘度であるため、多糖類を含有する定着液は、静置状態の定着液は粘度が高く、定着液成分の分散安定性を維持(経時劣化を抑制)することができる。
また、前記多糖類は、せん断力を加えると粘度が低下(低粘度化)する性質を持っているため、多糖類を含有する定着液は、せん断力を加えると粘度が低下して、流動性を示し、所望の泡を作ることができる。高粘度の定着液は流動性が低いため起泡性が低下する傾向があるが、前記多糖類を含有する定着液は、滑らかな流動性を示すため、起泡性が低下することはない。
さらに、前記多糖類を含有する定着液では、多糖類の分子構造が定着液のミセル構造を強め、泡沫安定性を改善することができる。
前記多糖類は、定着液に限らず、定着液を構成する成分である軟化剤液及び起泡剤液の少なくともいずれかに添加することもできる。
前記多糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キサンタンガム、ウェランガム、ジェランガム等のバイオガム、グアーガム、グアーガム加水分解品、ヒドロキシプロピルグアーガム、カチオン化グアーガム等のグアーガム誘導体、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カチオン化セルロースなどのセルロース誘導体、などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、カチオン化セルロースが、定着液中において安定で、増粘効果が低下しない点で、好ましい。
前記多糖類の飽和水溶液の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記粘度の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、市販の粘度測定装置により測定することができる。
前記粘度測定装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TV−22形粘度計(東機産業株式会社製)、などが挙げられる。
前記多糖類の数平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記分子量の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロマトグラフィー法(GPC法)、沈降速度法、などが挙げられる。
前記多糖類の定着液に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜1質量%が好ましく、0.05質量%〜0.5質量%がより好ましい。前記多糖類の含有量が、0.01質量%未満であると、定着液の分散安定性の改善効果が不十分であり、1質量%を超えると、定着液の粘度が高くなり過ぎて流動性が低下し、起泡性が低下する可能性がある。
前記多糖類が定着液に含まれていることを分析する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多糖類を抽出した後にNMRで解析する方法、などが挙げられる。
−溶媒−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水、水にアルコール類等を添加した水性溶媒、などが挙げられる。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水、などが挙げられる。
前記水性溶媒を用いる場合には、界面活性剤を添加することで、表面張力を20mN/m〜30mN/mとすることが、好ましい。
前記アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、泡状定着液における気泡の安定性を高め破泡しにくくする点で、セタノール等の単価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、が好ましい。
また、これらの単価又は多価のアルコール類は、紙等媒体のカール防止をすることができる。
さらに、定着液中に、浸透性改善、紙等媒体のカール防止のため、油性成分を含有してO/Wエマルジョン、W/Oエマルジョンを形成する構成を含有することが、好ましい。 O/Wエマルジョン、W/Oエマルジョンの分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソルビタンモノオレエートやソルビタンモノステレートやソルビタンセスキオレート等のソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖エステル、などが挙げられる。
なお、定着液中での軟化剤を、溶解又はマイクロエマルジョン分散させるため方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、回転羽根によるホモミキサーやホモジナイザーのような機械的に攪拌する手段、及び超音波ホモジナイザーのような振動を与える手段、などが挙げられる。いずれにしても、強いせん断応力を定着液に加えることで軟化剤を溶解又はマイクロエマルジョン分散させる。
−その他成分−
前記その他成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、などが挙げられる。
−−pH調整剤−−
定着液は、pH7以上で良好な起泡性を有するため、必要に応じて、pH調整剤を添加しても良い。
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミン類や有機酸、などが挙げられる。
なお、定着液を、軟化剤を含有する軟化剤液と、起泡剤を含有する起泡剤液とに分けて保管する場合、その各々にpH調整剤を添加することが好ましい。
前記軟化剤液のpHは、軟化剤の加水分解が抑制される点で、6〜7の弱酸が好ましい。
前記軟化剤液に用いるpH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸、などが挙げられる。
前記起泡剤液のpHは、軟化剤と混合した際のpHが7以上になる点で、7〜10の弱アルカリ性が好ましい。
前記起泡剤液に用いるpH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類、などが挙げられる。
−樹脂微粒子−
定着の対象となる樹脂を含有する樹脂微粒子としては、トナーに限定されず、樹脂を含有する微粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性部材を含有した樹脂微粒子、などが挙げられる。
前記樹脂微粒子の中でも、電子写真プロセスで用いるトナーは、本発明の定着液との組合せにおいて最も定着に対する効果が高い。
−−トナー−−
前記トナーは、着色剤と、帯電制御剤と、結着樹脂と、離型剤と、を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカルバナウワックス、ポリエチレン等のワックス成分、などが挙げられる。
前記、着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、などが挙げられる。
また、トナーは、メチル基を有する疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子をトナーの粒子の表面に固着させることによって、撥水性処理されていることが好ましい。
また、泡状定着液は、撥水性処理されたトナー粒子に対して、十分な親和性を有することが好ましい。
前記親和性とは、液体が固体に接触したときに、固体の表面に対する液体の拡張濡れの程度を意味する。即ち、定着液が泡状となった泡状定着液は、撥水性処理されたトナーに対して十分な濡れ性を示すことが好ましい。
疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子で撥水性処理されたトナーの表面は、疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンの表面に存在するメチル基によって覆われており、おおよそ20mN/m程度の表面エネルギーを有する。現実には撥水性処理されたトナーの表面の全面が疎水性微粒子によって完全に覆われてはいないため、撥水性処理されたトナーの表面エネルギーは、おおよそ、20mN/m〜30mN/mであると推測される。よって、撥水性トナーに対して親和性を有する(十分な濡れ性を有する)ためには、泡状定着液の表面張力は、20mN/m〜30mN/mであることが好ましい。
(定着方法及び定着装置)
本発明の定着方法は、泡状定着液生成工程と、付与工程と、を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含んでなる。
本発明の定着装置は、泡状定着液生成手段と、付与手段と、を少なくとも有してなり、更に必要に応じて、その他の手段を含んでなる。
本発明の定着方法は、本発明の定着装置により好適に実施することができる。
本発明の定着装置は、定着液の分散安定性が高く、安定した定着性能を発揮させることができる。
−泡状定着液生成工程及び泡状定着液生成手段−
前記泡状定着液生成工程は、本発明の前記定着液を泡状化して、液状定着液を生成する工程であり、泡状定着液生成手段により実施される。
前記泡状定着液生成手段は、定着液供給部を備え、定着液収容器内に収容されている液状定着液を泡化させながら、得られた泡状定着液を塗布ローラに供給する。具体的には、定着液収容器内に収容されている液状定着液を、液搬送ポンプを備える定着液輸送手段によって気体/液体混合手段であるバブリング槽に搬送し、比較的大きな泡の泡状定着液を得て、泡微細化部で微細化させる手段である。
前記液搬送ポンプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ギヤポンプ、ベローズポンプ、チューブポンプ、などが挙げられる。これらの中でもチューブポンプが、好ましい。ギヤポンプのように、振動機構や回転機構といった定着液中で駆動する機構があると、ポンプ内で液が起泡し、液に圧縮性が出て、搬送能力が低下するおそれがある。また、前記駆動する機構の部品の材料によって、定着液を汚染したり、逆に前記駆動する機構の部品を定着液で劣化させたりするおそれもある。これに対し、チューブポンプは、チューブ内の液を、チューブを変形させながら押し出す機構であり、定着液内で駆動する機構がないため、チューブとして定着液に対して耐液性を有する部材を用いることで、定着液の汚染や液搬送ポンプを構成する部品の劣化を防止することができる。また、チューブを変形させるだけであるため、定着液が起泡せず、搬送能力の低下を防止できる。
なお、液搬送ポンプが搬送する液体が、液状定着液に限らず、混合することで定着液を生成する軟化剤液や起泡剤液であっても、チューブポンプを用いることが好ましい。この場合、チューブとして搬送する液に対して耐液性を有する部材を用いることで、液の汚染や液搬送ポンプを構成する部品の劣化を防止することができる。
前記気体/液体混合手段としては、泡化させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記搬送ポンプより供給された液状定着液に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を生成する手段、バブリング槽内で空気ともに液微小孔シート、連泡構造の多孔質部材等に通して泡径がそろった大きな泡を生成する手段、バブリング槽内で定着液と空気とを羽根状攪拌子で攪拌して大きな泡の泡状定着液を生成する手段、などが挙げられる。
前記微小孔シートの孔径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30μm〜100μm程度が好ましい。
前記連泡構造の多孔質部材としては、特に制限はなく、孔径が30μm〜100μm程度あれば目的に応じて適宜選択することができ、焼結セラミックス板、不織布、発泡樹脂シート、などが挙げられる。
前記気体/液体混合手段によると、0.5mm〜1mm程度の比較的大きな泡径の泡をごく短時間で生成することができる。一般的に、泡径が0.5mm〜1mm程度の大きな泡の場合、単なる撹拌等により比較的容易に泡を生成可能であり、大きな泡の生成には数秒間以下の時間(0.1秒間以下)で生成することができる。
前記微細化させる手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、大きな泡にせん断力を加えることで大きな泡を分泡し、極めて素早く5μm〜50μm程度の微小な泡径の泡状定着液を生成する手段が、液状態から起泡させて微小な泡径の泡状定着液を生成する方法に比べて所望の泡を素早く生成できる点で、好ましい。
前記泡状定着液のかさ密度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01g/cm〜0.1g/cmが好ましい。また、定着液付与時に媒体面に残液感を生じない点で、0.01g/cm〜0.02g/cmが好ましく、0.0125cm〜0.02cmがより好ましい。
−付与工程及び付与手段−
前記付与工程は、前記泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に一定の厚みの膜状で付与する工程であり、前記泡状定着液を媒体に塗布するために配設された塗布手段と、該塗布手段との間隔を調整可能な間隔調整手段との間に前記泡状定着液を塗布して、厚みが調整された前記泡状定着による膜を形成し、前記塗布手段が、前記膜状の泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に塗布する工程である。
前記付与手段は、前記泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に一定の厚みの膜状で付与する手段であり、前記泡状定着液を媒体に塗布するために配設された塗布手段と、該塗布手段と、該塗布手段との間隔を調整可能な間隔調整手段と、を有し、前記塗布手段が、該塗布手段と、前記間隔調整手段との間に前記泡状定着液を塗布することにより形成された膜状の泡状定着液を、媒体上の樹脂微粒子層に塗布する手段である。
−間隔調整手段−
前記間隔調整手段は、後述する塗布手段と、該塗布手段との間隔(間隙)を調整する手段である。
前記調整手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、膜厚調整ブレード、ワイヤーバー、などが挙げられる。
前記ワイヤーバーは、膜厚調整ブレードに比べ、塗布ローラ表面上における軸線方向の膜厚を均一にすることができる。
前記膜の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、媒体(転写紙)に膜状の泡状定着液を塗布する塗布ニップでの厚みが、媒体上の樹脂微粒子層の厚み以上であることが必須条件である点(樹脂微粒子層の隙間を泡状定着液で埋める点)で、約50μm〜80μmが好ましい。
-塗布工程及び塗布手段-
前記塗布工程は、厚みが調整された膜状の泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に塗布する工程である。
前記塗布手段は、泡状定着液を媒体に塗布するために配設された手段であり、前記塗布手段が、該塗布手段と前記間隔調整手段との間に泡状定着液を塗布することにより形成された膜状の泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に塗布する手段である。
前記塗布手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、塗布ローラ、などが挙げられる。
前記塗布ローラには、弾性ローラ部を具備する加圧ローラが当接し、塗布ニップを形成している。
前記塗布ニップでの膜状の泡状定着液の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、媒体上の樹脂微粒子層の厚み以上であることが必須条件であり、樹脂微粒子層の隙間を泡状定着液で埋めることができる点で、約50μm〜80μmが好ましい。
前記定着液付着量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、転写紙の表面への定着液の付与による定着後の残液感(ぬれたような感触)がない点で、0.1mg/cm以下が好ましい。
−−媒体−−
前記媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、転写紙、記録紙等の紙、金属、樹脂、セラミックス、などが挙げられる。これらの中でも、定着液に対し浸透性を有し、媒体基板が液浸透性を持たない場合は、基板上に液浸透層を有する媒体が好ましい。
前記媒体の形態は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シート状、平面及び曲面を有する立体物、などが挙げられる。例えば、紙等の媒体に透明樹脂微粒子を均一に定着させ紙面を保護する(所謂、ニスコート)用途においても、本発明は適用できる。
前記媒体のうち、記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、布、及び液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルム、などが挙げられる。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により、好適に実施することができる。 本発明の画像形成装置は、定着信頼性が高い。また、従来の画像形成装置に比べ、極めて低電力で定着が可能である。
−静電潜像形成工程及び静電潜像手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された転写像を定着させる工程であり、本発明の前記定着方法により行われる。
前記定着手段は、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であり、本発明の前記定着装置を用いて行われる。
−その他の工程及びその他の手段−
前記その他の工程として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程、などが挙げられる。
前記その他の手段として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段、などが挙げられる。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器、などが挙げられる。
<定着装置>
〔第1の実施形態〕
次に、本発明を適用した定着装置30の1つ目の実施形態(以下、第1の実施形態と呼ぶ)について説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施形態に係る定着装置30の概略構成図である。定着装置30は、定着液塗布部140と、定着液供給部130を備える。定着液塗布部140は、塗布ローラ41、加圧ローラ43、などを備える。定着液塗布部140は、転写紙Pに定着液を塗布する塗布手段であり、定着液供給部130は、泡状定着液生成手段である。
第1の実施形態の定着装置30は、軟化剤と起泡剤とを含有した液状定着液310を、定着液収容器31内で保管し、該液状定着液310から、泡状定着液生成手段によって泡状定着液Buを生成する。第1の実施形態の定着装置30では、複数の定着液成分液を、混合して定着液を作製する定着液作製手段が不要であるため、装置の構成を簡略化できる。
図1に示す定着装置30が備える定着液収容器31は密封容器であり、密閉容器の先端には、液状定着液310をバブリング槽35に供給するための供給口313が設けられており、液搬送パイプ34に接続されている。
定着液収容器31に用いる密封容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、樹脂フィルムからなる密閉容器、などが挙げられる。
前記樹脂フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、などが挙げられる。なお、これらを組み合わせて多層構造にしてもよく、樹脂フィルムにはガスバリア性を持たせるために、アルミ等の金属を蒸着してもよい。
図2は、本願発明に係る第1の実施形態の定着装置30の定着液供給部130を示す拡大構成図であり、図3は、本願発明に係る第1の実施形態の定着装置30の定着液塗布部140を示す拡大構成図である。
定着液供給部130は、泡状定着液生成手段であり、定着液収容器31内に収容されている液状定着液310を泡化させながら、得られた泡状定着液Buを塗布ローラ41に供給する。具体的には、定着液収容器31内に収容されている液状定着液310を、液搬送ポンプ33及び液搬送パイプ34等からなる定着液輸送手段によって気体/液体混合手段であるバブリング槽35に送る。
定着装置30の稼動時には、液搬送ポンプ33を駆動することにより、液状定着液310をバブリング槽35に搬送する。ここで、液状定着液310がバブリング槽35に到達するタイミングで空気ポンプ36を作動させることで、液状定着液310をバブリングして、定着液を泡化させる。このときに得られる泡状定着液Buは目視でも泡の粒が確認できるくらいの大きな泡からなる。
バブリング槽35で生成された比較的大きな泡の泡状定着液Buは、泡搬送パイプ38cを通って泡微細化部38に供給される。
泡微細化部(せん断力付加手段)38では、比較的大きな泡径の泡を、せん断力の付与によって2つ以上に分割して微細化させる。泡微細化部38は、閉じた外側円筒38aの中に内側円筒38bを内包する二重円筒構造になっており、泡搬送パイプ38cを通過した泡状定着液Buを、不動の外側円筒38aと、回転する内側円筒38bとの隙間に供給し、この隙間を通すことで、泡状定着液Buの比較的大きな泡径の泡に対して回転する内側円筒38bによりせん断力を付与する。該せん断力により、大きな泡を2つ以上の微小な泡に分割する。大きな泡を分割された泡状定着液Buは、外側円筒38aに設けられた排出パイプ38dからノズル39へと搬送される。ノズル39からは、所望の微小な泡径を有する泡状定着液Buが排出される。
前記液搬送速度は、回転する内側円筒38bの回転数や、内側円筒38bの軸線方向長さに基づいて決定することが好ましい。外側円筒38aの内径をd1mm、内側円筒38bの軸線方向長さをLmmで表し、且つ内側円筒38bの外径d2mm、回転数をRrpmで表すと、微小な泡を生成するための液搬送速度Vmm/秒は、下記式(1)で決まる。
V=L×π×(d1−d2)/4/(1,000/R) 式(1)
例えば、d1が10mm、d2が8mm、Lが50mm、回転数が1,000rpmとすると、液搬送速度は約1,400mm/秒(1.4cc/秒)となる。
A4サイズの転写紙Pに定着処理を施すために必要な泡状定着液の量が3ccであると仮定すると、液状定着液310から必要量の泡状定着液Buを生成するのに、約2秒間の立ち上がり時間ですみ、極めて素早く、所望の泡径を有する泡状定着液Buを生成可能となる。また、内側円筒38bにらせん状の溝を設けて、外側円筒38a内での搬送性を向上させてもよい。
第1の実施形態の定着装置30では、液状定着液310を大きな泡径の泡からなる泡状定着液Buへと泡化させる大きな泡生成部であるバブリング槽35と、大きな泡にせん断力を加えて微小な泡に分割する泡微細化部38とを組み合わせることで、液状定着液310を極めて短時間に5μm〜50μm程度の微小な泡径の泡からなる泡状定着液Buに変化させることができる。
図1及び図3に示すように、ノズル39から排出される所望の微小な泡径を有する泡状定着液Buは、定着液塗布部140の塗布ローラ41の表面に供給される。定着液塗布部140は、転写紙Pに定着液を塗布する塗布手段であり、図3に示すように、泡状定着液Buを転写紙P上の樹脂微粒子である未定着トナーTに付与する塗布ローラ41を備える。また、定着液塗布部140は、塗布ローラ41の表面上に供給された泡状定着液Buの膜の厚みを転写紙P上の未定着トナーTのトナー層の厚さに応じて調整し、泡状定着液Buの膜の厚みを最適な厚みに調整する間隔調整手段である膜厚調整ブレード42を備える。さらに、定着液塗布部140は、膜厚調整ブレード42が対向する位置に対して塗布ローラ41の表面移動方向下流側で、塗布ローラ41と対峙する位置に加圧ローラ43を備える。
図3に示すように、塗布ローラ41上の泡状定着液Buは、膜厚調整ブレード42との対向部を通過することにより、泡状定着液Buの気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーTの層厚に応じて、泡状定着液Buの未定着トナーTのトナー層への浸透時間に対して最適化した膜厚の泡状定着液膜Bu1となる。定着液供給部130で所望の泡径となった泡状定着液Buは、泡状定着液供給口を備えたノズル39より、塗布ローラ41と膜厚調整ブレード42との間に滴下される。
泡微細化部38で得られた微細な泡状定着液Buは、図1及び図3に示したように、ノズル39から、塗布ローラ41表面に供給される。供給された泡状定着液Buは、塗布ローラ41表面に対して自らの先端を所定の間隔(間隙)を介して対向させている膜厚調整ブレード42により、塗布ローラ41表面上での膜の厚みが調整される。この膜厚調整ブレード42は、図4、図5に示すように、片持ち支持された状態で、固定端側のブレード回動軸42aを中心にして回動することで、自らの先端と、塗布ローラ41との間隔を変化させる。図示しない調整部は、モータ駆動によってブレード回動軸42aを回転させることで、膜厚調整ブレード42を回転させて前記間隔を調整する。泡状定着液膜Bu1の膜の厚みを薄くするときには、図4に示すように膜厚調整ブレード42と塗布ローラ41表面との間の間隔を狭くし、泡状定着液膜Bu1の膜の厚みを厚くするときには、図5に示すように膜厚調整ブレード42と塗布ローラ41表面との間の間隔を広くする。このように、膜厚調整ブレード42と塗布ローラ41表面との間の間隔を調整することにより、トナー層の厚さや環境温度等、更には泡状定着液Buの気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーTのトナー層の厚みに応じた、膜状の泡状定着液の未定着トナー層での浸透時間を調整するための、最適な泡状定着液膜Bu1の膜の厚みを調整することができる。
また、定着装置30では、図示していない光書込装置で用いる画像情報に基づいて、膜厚調整ブレード42の回転を制御し、泡状定着液膜Bu1の膜厚を調整する。即ち、転写紙Pに転写されたトナー像を形成する未定着トナーTには、図示していない光書込装置で用いる画像情報(例えば、カラー画像又は黒ベタ画像)に基づいて、泡状定着液膜Bu1の膜厚が調整された泡状定着液Buが塗布される。これにより、各トナー像を形成する未定着トナーTのトナー層の層厚に応じた泡状定着液Buの塗布を行うことができ、適切な定着条件でトナー像を転写紙Pに定着させることができる。
トナー像が形成された転写紙Pに泡状定着液Buを塗布するための塗布ローラ41には、弾性ローラ部を具備する加圧ローラ43が当接して塗布ニップCを形成している。上述した紙搬送ベルト29によって二次転写ニップから定着装置30に向けて搬送される転写紙Pは、画像面を塗布ローラ41に向けた状態でこの塗布ニップC内に挟み込まれる。そして、塗布ニップC内において、塗布ローラ41上の泡状定着液Buが画像面に塗布される。
図13A、図13B、及び図14は、従来の湿式定着方式の液状定着液を塗布する定着装置60の説明図である。図13Aは液状定着液を塗布する定着装置60の概略説明図である。また、図13Bは、液状定着液を塗布する定着装置60における記録媒体である転写紙Pと転写紙Pに接触して液状定着液310を塗布する塗布部材である塗布ローラ41との近接部の拡大説明図である。
図13Aに示すように、塗布ローラ41を用いて転写紙P上の未定着トナーTへ液状定着液310を塗布する構成において、液状定着液310を転写紙Pに微量塗布するために、塗布ローラ41上の液状定着液310の膜の厚みが未定着トナーTの厚みよりも薄くなる場合、図13Bのようになる。塗布ローラ41上の液状定着液310には、塗布ローラ41の表面が転写紙Pと接触する塗布位置で塗布ローラ41から転写紙Pに付与されるものの他に、図13B中の矢印F1で示すように塗布位置を通過した後も塗布ローラ41の表面に残留するものがある。そして、塗布ローラ41の表面が転写紙Pから分離する位置で、塗布ローラ41表面に残留する液状定着液310の液膜によって生じる表面張力(図13B中の矢印F2方向に働く)で未定着トナーTのトナー粒子が引っ張られてしまう。これにより、塗布ローラ41の表面にオフセットトナーTaが付着し、塗布ローラ41と剥離した後の転写紙P上の定着トナー層Tbによって形成される画像が大幅に乱れてしまう。
逆に、塗布ローラ41上の液状定着液310の膜の厚みを未定着トナーTよりも、十分厚くすると、図14のようになる。塗布ローラ41の表面が転写紙Pから分離する位置では、液状定着液310の液量が多いため塗布ローラ41表面の液膜による表面張力が未定着トナーTのトナー粒子に作用しにくくなる。これにより、塗布ローラ41側にオフセットしたトナーが付着しにくくなるが、転写紙Pの紙面に多量の液状定着液310が塗布されるため、過剰な液状定着液310により転写紙P上のトナー粒子が流され、画質劣化を生じたり、転写紙Pに付与した液状定着液310の乾燥時間が長くなり定着応答性に問題が生じたりしてしまう。また、転写紙Pに著しい残液感(紙を手で触れたときの湿った感触)が発生する。さらに、液状定着液310が水を含有するものであると、記録媒体として紙等のセルロースを含有する転写紙Pへの液状定着液310の塗布量が多い場合、紙等の転写紙Pが著しくカールし、画像形成装置などの装置内における記録媒体搬送時に紙詰まりが発生する恐れがある。
このように、塗布ローラ41を用いて液状定着液310を塗布する構成では、液状定着液310の塗布量が多すぎると、トナー粒子が流されることによる画質劣化、液状定着液310の乾燥時間が長くなることによる定着応答性の低下という問題が生じる。さらに、記録媒体の材質によっては紙詰まりが発生しやすくなるという問題が生じる。
一方、これらの問題を防止するために液状定着液310を微量塗布する構成とすると、上述したように塗布ローラ41の表面にトナー粒子がオフセットしてしまう。よって、定着応答性向上や残液感低減やカール防止のために転写紙P上のトナー層に定着液を微量塗布することと塗布ローラ41へのトナーオフセットを防止すること、とを両立することが極めて難しい。なお、記録媒体に接触して定着液を塗布する接触塗布手段として、ダイコート手段、ブレード塗布手段、ワイヤーバー塗布手段を用いた場合も、定着液が微量になると接触塗布手段に表面張力でトナーが付着してしまい、画像劣化が生じる。
図6は、本願発明に係る第1の実施形態の定着装置30において、塗布ローラ41が転写紙Pと接触する部分(塗布ニップC)の拡大説明図である。
定着液を、少量であっても厚みの嵩張る泡状定着液Buの状態で転写紙Pに塗布することで、図示のように、液状の場合に比べてニップ出口から遠い位置で塗布ローラ41表面上の定着液と転写紙P上の定着液とを分離させる。更に、泡状にすることで、塗布ローラ41表面上の定着液の表面張力によるトナーの引き込みを解消する。これらの結果、塗布ローラ41へのトナーのオフセットを有効に抑えることができ、オフセットによる白抜け画像の発生を解消することができる。
未定着トナーTのトナー粒子Tpの体積平均粒径が5μm〜10μm程度である場合、未定着トナーTのトナー層を乱すことなく泡状定着液Buを未定着トナーTに付与するには、泡状定着液Buの泡径範囲を5μm〜50μm程度にすることが望ましい。プリンタ10では、泡微細化部38での泡微細化により、このような微細な径の泡ができる。
また、泡微細化部38で微細化した泡は、図7に示すように、気泡Bu−Aと、各々の気泡Bu−Aを区切る液膜境界Bu−B(以下、プラトー境界と称することがある)と、から構成されている。
定着装置30の加圧ローラ43は、弾性層としてスポンジ素材を用いている。
塗布ニップCでは、泡状定着液Buが樹脂微粒子である未定着トナーTのトナー層に浸透して、記録媒体である転写紙Pまで到達した後に、塗布ローラ41とトナー層とが分離するように、転写紙Pの塗布ニップ通過時間のタイミングを設定するする必要がある。
定着装置30では、転写紙Pの塗布ニップ通過時間(例えば先端が塗布ニップCの入口に進入してから先端が塗布ニップCの出口から排出される間での時間)を、50ms(ミリ秒)から300msの範囲に設定している。これにより、転写紙Pの塗布ニップ通過時間を、泡状定着液Buの浸透時間と同じかそれ以上にしている。そして、この範囲の転写紙Pの塗布ニップ通過時間を確保するために、小さな加圧力の変化で比較的大きく変形可能なスポンジ素材からなる弾性層を備えた加圧ローラ43を用いている。
塗布ニップ通過時間(以下、ニップ時間という)については、「ニップ時間=(ニップ幅)/(紙の搬送速度)」という数式によって算出することが可能である。転写紙Pの搬送速度は、紙搬送駆動機構の設計データにより求めることができる。ニップ幅は、塗布ローラ全面に乾燥しない着色塗料を薄くつけて、転写紙Pを塗布ローラ41及び対峙する加圧ローラ43に挟んで加圧(ローラは回転させない状態で)し、転写紙Pに着色塗料を付着させ、着色部(通常長方形の形に着色)における紙搬送方向の長さをニップ幅として測定することで求めることができる。転写紙Pの搬送速度に応じて、ニップ幅を調整することでニップ時間を泡状定着液のトナー層浸透時間と同じかそれ以上にする必要がある。
図1に示す定着装置30では、加圧ローラ43を弾性多孔質体(以下、スポンジと記す)とすることで、転写紙Pの搬送速度に応じて、塗布ローラ41とスポンジの加圧ローラ43の軸間距離を変更してニップ幅を変えることが容易となる。加圧ローラ43のスポンジの代わりに、弾性ゴムも適するが、スポンジは、弾性ゴムよりも弱い力で変形させることが可能であり、塗布ローラ41の加圧力を過剰に高くすることなく長いニップ幅を確保することができる。
スポンジ素材の樹脂剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着液中には樹脂軟化剤又は膨潤剤が含有されており、スポンジ素材で形成された加圧ローラ43に定着液が万が一付着した場合、スポンジ素材が軟化する等の不具合が発生する恐れがあるため、軟化剤又は膨潤剤に対し軟化乃至膨潤を示さない素材が望ましい。
また、ローラ部がスポンジ素材からなる加圧ローラ43については、スポンジ素材が軟化剤又は膨潤剤で劣化する素材であっても、軟化剤又は膨潤剤により軟化や膨潤を示さない可撓性フィルムで覆うことでスポンジローラの劣化を防止することができる点で、ローラ表面を可撓性フィルムで覆った構成であってもよい。
前記スポンジ素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの樹脂の多孔質体、などが挙げられる。
また、スポンジを覆う可撓性フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、四フッ化エチレン・バーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、などが挙げられる。
図1に示す定着装置30において、塗布ローラ41と、ローラ部がスポンジからなる加圧ローラ43とが、常時接触している場合、転写紙Pが搬送されていない時に塗布ローラ41上の泡状定着液Buがスポンジの加圧ローラ43に付着し汚す恐れがある。この付着を防止する狙いから、紙先端検知手段(図示せず)を塗布ニップCに転写紙Pが搬送される手前に設け、紙先端検知信号に応じて、転写紙Pの先端から後方にのみ泡状定着液Buが塗布されるようなタイミングで塗布ローラ41に泡状定着液Buを供給することが好ましい。
また、定着装置30においては、不図示の接離機構により、待機時には塗布ローラ41
と加圧ローラ43と、を互いに離間させ、塗布時のみ、塗布ローラ41と加圧ローラ43と、を当接させる構成とすることが好ましい。このような構成では、塗布ローラ41と加圧ローラ43と、を互いに離間させた待機時の状態から上記紙先端検知手段による転写紙Pの先端検知の検知結果に基づいて、接離機構を駆動し、塗布ローラ41と加圧ローラ43と、を当接させる。そして、紙先端検知手段による転写紙Pの後端検知、または、別に設けた不図示の紙後端検知手段による転写紙Pの後端検知の検知結果に基づいて、接離機構を駆動し、塗布ローラ41と加圧ローラ43とを離間させる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明を適用した定着装置30の2つ目の実施形態(以下、第2の実施形態と呼ぶ)について説明する。
図8は、本願発明に係る第2の実施形態に係る定着装置30の概略構成図であり、図9は、本願発明に係る第2の実施形態の定着装置30の定着液供給部130を示す拡大構成図である。
第2の実施形態の定着装置30は、液状定着液310を構成する軟化剤液610と起泡剤液620とを独立して保管し、泡状定着液Buを生成するときに軟化剤液610と起泡剤液620とを混合し、この混合によって得られた液状定着液310を定着液供給部130に供給して、泡状定着液Buを生成する構成である。第2の実施形態の定着装置30は、バブリング槽35に液状定着液310を供給する前の構成が、第1の実施形態の定着装置30と異なり、バブリング槽35で大きな泡の泡状定着液Buを生成した後の定着液供給部130や定着液塗布部140の構成は、第1の実施形態と同様の構成である。よって、第2の実施形態の定着装置30については、第1の実施形態の定着装置30との相違点について説明し、共通する構成については説明を省略する。
第2の実施形態の定着装置30は、定着液保持手段、定着液作製手段、泡状定着液生成手段及び付与手段を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
図8に示すように、第2の実施形態の定着装置30は、軟化剤液610を収容する軟化剤液収容器61と、起泡剤液620を収容する起泡剤液収容器62とを備え、軟化剤液610と起泡剤液620とを独立して保管する構成である。軟化剤液収容器61内の軟化剤液610は、軟化剤液搬送ポンプ33aを駆動することによって軟化剤液搬送パイプ34aを通ってバブリング槽35に供給される。また、起泡剤液収容器62内の起泡剤液620は、起泡剤液搬送ポンプ33bを駆動することによって起泡剤液搬送パイプ34bを通ってバブリング槽35に供給される。このとき、軟化剤液搬送ポンプ33aと起泡剤液搬送ポンプ33bとの駆動を制御して、軟化剤液610の搬送量と起泡剤液620の搬送量との比を調節することにより、2つの液を混合して成る液状定着液310における軟化剤液610と起泡剤液620との混合比を調節することができる。軟化剤液搬送ポンプ33a及び起泡剤液搬送ポンプ33bとしては、第1の実施形態の液搬送ポンプ33と同様のものを用いることができる。
軟化剤と起泡剤とを含有した液状定着液310の状態で長期保管すると、軟化剤の化学分解が生じるおそれがある。これに対して、第2の実施形態の定着装置30では、軟化剤液610と起泡剤液620とを独立して保管することにより、長期保管しても軟化剤の化学分解を防止することができる。
第2の実施形態の定着装置30では、稼動時に、軟化剤液搬送ポンプ33a及び起泡剤液搬送ポンプ33bにより、軟化剤液610及び起泡剤液620が所望の混合比となるようにバブリング槽35に供給され、バブリング槽35で供給された2つの液が混合する。
ここで、2つの液がバブリング槽35に到達するタイミングで空気ポンプ36を作動させることで、2つの液をバブリングの振動によって混合し、混合して得られる液状定着液310をバブリングして、定着液を泡状にする。このときに得られる泡状定着液Buは目視でも泡の粒が確認できるくらいの大きな泡からなる。
バブリング槽35で生成された比較的大きな泡の泡状定着液Buは、空気ポンプ36からの空気圧によって泡搬送パイプ38c内を搬送され、泡微細化部38に送られる。そして、泡微細化部38に送られた泡状定着液Buは第1の実施形態と同様に、二重円筒構造によって大きな泡にせん断力が加えられ細かな泡となり、ノズル39から所望の微小な泡径の泡状定着液Buとして排出される。
第2の実施形態の定着装置30では、バブリング槽35よりも下流側の液搬送路(バブリング槽35、泡搬送パイプ38c、外側円筒38aと、回転する内側円筒38bとの隙間、排出パイプ38d及びノズル39)内では、軟化剤液610と起泡剤液620とが混合した定着液の状態で存在する。定着液の状態で長期放置すると軟化剤の化学的分解が起こるおそれがある。このため、定着終了時又は、定着開始時に、バブリング槽35から泡状定着液供給口を備えたノズル39までの液搬送路内の定着液を廃棄しておくことが望ましい。
該液搬送路内の定着液を廃棄する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2つの液搬送ポンプ33a及び33bの駆動を停止した状態で空気ポンプ36を所定の時間駆動し続ける方法、などが挙げられる。これにより、この液搬送路内の定着液をノズル39から廃棄することができる。
さらに、この廃棄により定着液が無駄に消費されるため、バブリング槽35からノズル39までの液搬送路内の容積は極力小さいことが望ましい。
軟化剤液610と起泡剤液620とを混合して液状定着液310を生成する方法では、軟化剤液610と起泡剤液620とが、十分均一に混合されないと混合後の液状定着液310の泡化のときに起泡性が悪くなる。液状定着液310の起泡性が悪くなると泡化して得られる泡状定着液Buの密度が所望の値よりも高くなり、泡膜形成ができなくなる恐れがある。また、軟化剤が泡のプラトー境界にて不均一に分布し、定着が不均一になる恐れがある。
軟化剤液610と起泡剤液620とを混合して液状定着液310を得る方法としては、図9に示す構成のようにバブリングの振動によって軟化剤液610と起泡剤液620とを混合する方法もあるが、軟化剤液610と起泡剤液620とを混合する液混合部を別途設けることが望ましい。
図10は、2つの液搬送ポンプ33a及び33bとバブリング槽35との間に、軟化剤液610と起泡剤液620とを混合する液混合部63を備え、液混合部63とバブリング槽35とを定着液搬送パイプ34cで接続した構成の説明図である。液混合部63は、軟化剤液搬送パイプ34aを通過した軟化剤液610と起泡剤液搬送パイプ34bを通過した起泡剤液620とが合流する流路に回転する混合撹拌羽根を組み込んだ構成である。このような液混合部63を備えることにより、泡化を行うバブリング槽35に到達する前に軟化剤液610と起泡剤液620とを均一に混合した液状定着液310を得ることができる。このようにして得た液状定着液310をバブリング槽35で泡化することにより、所望の起泡性を得ることができるとともに、生成した泡状定着液Buのプラトー境界内の軟化剤の分布が均一になり、均一な定着を行うことができる。液混合部63において、2つの液を混合するために撹拌する構成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、混合撹拌羽根を組み込む構成、超音波振動を組み込む構成、などが挙げられる。
また、液混合部63としては、駆動する撹拌部材を設けず流路だけから構成されるものであってもよい。
図11は、流路のみからなる液混合部63の拡大説明図である。
図11に示す液混合部63は、軟化剤液搬送パイプ34aに接続された軟化剤液610の流路と、起泡剤液搬送パイプ34bに接続された起泡剤液620の流路と、定着液搬送パイプ34cに接続され、軟化剤液610の流路と起泡剤液620の流路とが合流する混合液の流路とから構成する。図11に示す液混合部63では、図中矢印G1及びG2で示すように2つの流路に軟化剤液610及び起泡剤液620が各々流入し、2つの流路が合流する一つの流路内で軟化剤液610と起泡剤液620とを混合し、液状定着液310として図中矢印Gで示すように定着液搬送パイプ34cに向けて排出する。この液混合部63では、軟化剤液610の流路の流体抵抗と起泡剤液620の流路の流体抵抗とに比べて混合液の流路の流体抵抗が小さくなるように設定する。このように設定することにより、混合液の流路内での流速が速くなって乱流が形成されるため、軟化剤液610と起泡剤液620とが十分に混合される。
第2の実施形態の定着装置30では、独立して保管された軟化剤液610と起泡剤液620とを混合して、液状定着液310を生成する構成が定着液作製手段である。また、図11に示すような流路のみからなる液混合部63であれば駆動部がないため、極めて簡便な構成で混合が可能となる。
第2の実施形態の定着装置30では、起泡剤液収容器62内に起泡剤液620を収容している。起泡剤液620が含有する起泡剤として脂肪酸アミン塩を含むものを用いると、軟化剤液610と混合したときに、起泡性に優れた液状定着液310を得ることができる。しかし、脂肪酸アミン塩を含む起泡剤を含有する起泡剤液620では、一部の脂肪酸が遊離しているため、起泡剤液620において経時で脂肪酸の分散安定性が低下し、脂肪酸が徐々に分離する。脂肪酸が分離した状態の起泡剤液620を軟化剤液610と混合して得た液状定着液310を泡化して、泡状定着液Buを生成しようとしても、液状定着液310の起泡性や泡沫安定性が低下しているため、所望の泡状定着液Buを生成することができず、定着不良が生じる。
また、第2の実施形態の定着装置30では、軟化剤液収容器61内に軟化剤液610を収容している。軟化剤液610に含有される軟化剤の中には溶媒である水に溶解しにくいものがあり、溶解助剤を添加することで軟化剤の水への溶解性を高めている。
しかし、軟化剤が高濃度になると溶解が不十分になり、軟化剤液610中で軟化剤と水との間で分離が発生していた。そして、軟化剤と水とが分離した状態の軟化剤液610を起泡剤液620と混合して得た液状定着液310を泡化して定着に用いると、泡状定着液Bu中に含まれる軟化剤の分布が不均一になり、定着性が不均一になる。
そこで、軟化剤液610や起泡剤液620のように、液状定着液310を構成する定着液成分を含有し、他の定着液成分を含有する液と混合して液状定着液310として機能する定着液成分液を、独立して保管する構成であっても、各々の液の分散安定性を維持するために、多糖類を添加することが好ましい。
図12は、第2の実施形態と同様に、液状定着液310を構成する軟化剤液610と起泡剤液620とを独立して保管する定着装置30の他の構成例の概略説明図である。
軟化剤液610及び起泡剤液620は定着液作製手段の液混合部63で十分に混合され、続く泡状定着液生成手段である定着液供給部130によって所望の泡径を有する泡状定着液Buとなり、付与手段である定着液塗布部140に供給される。そして、定着液塗布部140では泡状定着液Buの膜の厚みが調整され、膜の厚みが調整された泡状定着液Buが未定着トナーTに付与され、定着が行われる。
また、図12に示す定着装置30では、第2の実施形態の定着装置30が備える加圧ローラ43の代わりに、加圧ベルト430を備えている。加圧ベルト430としては、例えばシームレスニッケルベルト、シームレスPETファイルなどの基体にPFAのような離型性フッ素樹脂をコートした部材を用いる。
図12に示す定着装置30のように、塗布ニップCを形成する部材にベルトを用いる構成では、ニップ幅を容易に広くすることが可能となる。
塗布ニップCを形成する部材にベルトを用いる構成としては、図12に示すように加圧部材にベルト部材を用いる構成に限らず、塗布ローラ41の代わりにベルト状の塗布部材を用い、加圧部材をローラ状の部材を用いる構成であってもよい。
このように、塗布側及び加圧側の少なくともいずれか一方をベルト状の部材とする構成にすることで、ニップ幅を容易に広くすることが可能となり、紙にシワが発生するような無理な力をかけることもなく、ニップ時間は変わらないため紙の搬送速度を速くすることが可能となり、高速定着が可能となる。
また、定着装置30としては、トナーに定着液を付与する塗布ニップCを通過した転写紙Pに対して、転写紙P上で溶融また軟化したトナーを加圧する一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を配置してもよい。一対の平滑化ローラによって、転写紙P上で溶融乃至軟化したトナーを加圧することによって、溶融乃至軟化したトナーの層の表面を平滑化して、定着後のトナー像に光沢を与えることが可能となる。更に、溶融又は軟化したトナーを転写紙Pに押し込むことによって、転写紙Pに対するトナーの定着性を向上させることができる。
<画像形成装置>
以下、本発明を適用した画像形成装置の一例として、電子写真方式のタンデム方式のカラープリンタ(以下、単にプリンタ100という)の実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタ100の基本的な構成について説明する。図15は、本願発明に係る第1の実施形態のプリンタ100の要部を示す概略構成図である。図15において、プリンタ100は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),黒(K)のトナー像を形成する4つのプロセスユニット3Y,3M,3C,3K、転写ユニット20、紙搬送ユニット28、レジストローラ対15、定着装置30、図示しない光書込装置、などを備えている。また、転写ユニット20、トナー像担持体としての中間転写ベルト25を備えており、中間転写ベルト25の上部の張架面に沿って、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の画像形成ユニットである4つのプロセスユニット3Y,3M,3C,3Kが配列されている。
4つのプロセスユニット3Y,3M,3C,3Kの上方には、図示しない光書込装置が配置されている。例えば、プリンタ100が複写機である場合には、スキャナで原稿の画像情報を読み込み、画像情報に応じて、光書込装置のレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、プロセスユニット3Y,3M,3C,3Kにおけるドラム状の感光体4Y,4M,4C,4Kに向けて各レーザー光L1〜L4を照射する。該照射により、感光体4Y,4M,4C,4Kの表面には静電潜像が形成され、該潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像になる。なお、符号の後に付されたY,M,C,Kという添字は、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック用の仕様であることを示している。
プロセスユニット3Y,3M,3C,3Kは各々、潜像担持体たる感光体4と、その周囲に配設される各種機器とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ本体に対して着脱可能になっている。プロセスユニット3Y,3M,3C,3Kは使用するトナーの色が異なる点以外は同様の構成であり、図16は、4つのプロセスユニット3Y,3M,3C,3Kのうちの一つのプロセスユニット3の拡大説明図である。図16に示すように、4つのプロセスユニット3は各々、感光体4の他、現像装置6、帯電装置7、除電装置の除電ランプ8、ドラムクリーニング装置9等を備えている。また、中間転写ベルト25を挟んで感光体4と対向する位置には、一次転写装置の一次転写ローラ26が設けられている。
感光体4としては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。また、無端ベルト状のものを用いてもよい。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を用いて感光体4上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を得ることで、静電潜像を現像して可視化する二成分現象方式のものである。二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像を行うタイプのものを使用してもよい。感光体4の表面上で現像されたトナー像は、後述する一次転写ニップで中間転写ベルト25に一次転写される。
トナーは、各々の色に着色された樹脂微粒子を含み、前記樹脂微粒子は、定着液により溶解乃至膨潤する。現像装置6は、二成分現像剤を収容し撹拌する攪拌部と、現像ローラが配置された現像部とを有し、現像ローラの表面に供給され現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され、再利用される。攪拌部における二成分現像剤のトナー濃度は、トナー濃度センサによって検出され、トナー濃度が、一定であるように制御されている。
一次転写ニップを通過した後の感光体4表面に付着している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置9によって感光体4表面から除去される。ドラムクリーニング装置9によって感光体4表面から除去されたトナーは、不図示の回収スクリュ及びトナーリサイクル装置によって現像装置6に搬送され、再利用される。
ドラムクリーニング装置9としては、ポリウレタンゴム製のクリーニングブレードによって転写残トナーを掻き取る方式のものを図示しているが、他の方式による転写残トナーを除去するものを用いてもよい。
除電ランプ8は、光照射によって感光体4を除電する。除電された感光体4の表面は、帯電装置7によって一様に帯電せしめられることで、初期化する。
帯電装置7は、帯電バイアスが印加される帯電ローラを感光体4に当接させる接触型帯電方式である。帯電装置7は、帯電ローラに帯電バイアスを印加して感光体4に当接させることにより、感光体4の表面を一様に帯電する。なお、帯電装置7としては、接触型帯電方式に限るものではなく、感光体4に対して非接触で帯電処理を行うスコロトロンチャージャ等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を用いてもよい。
先に示した図15において、4つのプロセスユニット3Y,3M,3C,3Kの感光体4Y,4M,4C,4Kには、上記プロセスによりY,M,C,Kトナー像が形成される。4つのプロセスユニット3Y,3M,3C,3Kの下方には、転写ユニット20が配設されている。転写ユニット20は、複数の張架ローラ(21、22、23)によって張架している中間転写ベルト25を、感光体4Y,4M,4C,4Kに当接させてY,M,C,K用の一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト25は駆動ローラ21の回転駆動によって図中時計回り方向(図中の矢印A方向)に無端移動する。
Y,M,C,K用の一次転写ニップの近傍では、中間転写ベルト25のベルトループ内側に配設された一次転写ローラ26Y,26M,26C,26Kによって中間転写ベルト25を感光体4Y,4M,4C,4Kに向けて押圧している。これら一次転写ローラ26Y,26M,26C,26Kには、各々図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、Y,M,C,K用の一次転写ニップには、感光体4Y,4M,4C,4K上のトナー像を中間転写ベルト25に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってY,M,C,K用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト25のおもて面には、各一次転写ニップで各色トナー像が順次重ね合わせて一次転写される。該重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト25のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
本実施形態の一次転写装置は、ローラ状の一次転写ローラ26を備える構成であるが、一次転写装置としては、導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
転写ユニット20の図中下方の中間転写ベルト25を挟んで、転写バックアップローラ23に対向する位置には、二次転写装置として機能する紙搬送ユニット28が設けられている。紙搬送ユニット28は、駆動ローラ29bと二次転写ローラ29aとの間に、無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる構成である。この紙搬送ユニット28は、自らの二次転写ローラ29aと、転写ユニット20の中間転写ベルト25との間に、紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト25のおもて面と、紙搬送ベルト29のおもて面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写装置としては、ベルト状の部材を中間転写ベルト25に対向させる構成に限らず、ローラ状の部材を中間転写ベルト25に対向させる構成であってもよい。
紙搬送ユニット28の二次転写ローラには図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット20の中間転写ベルト25のループ内で、中間転写ベルト25が掛け回されている転写バックアップローラ23は、接地されている。これにより、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。
二次転写ニップの図中右側方には、レジストローラ対15が配設されており、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを中間転写ベルト25上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト25上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙Pに一括二次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過した転写紙Pは、中間転写ベルト25から離間して、紙搬送ベルト29のおもて面に保持されながら、その無端移動に伴って定着装置30へと搬送される。
中間転写ベルト25の複数の張架ローラ(21、22、23)のうち、クリーニング対向ローラ22に対して中間転写ベルト25を挟んで対向する位置には、ベルトクリーニング装置24が配置されている。二次転写ニップを通過した中間転写ベルト25のおもて面には、二次転写ニップで転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着しており、この転写残トナーは、中間転写ベルト25に当接するベルトクリーニング装置24(図15参照)によって掻き取り除去される。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
−定着液(1)[グアーガム誘導体添加]の調製−
下記成分からなる定着液(1)を、温度70℃で、攪拌速度500rpmの条件で、調製した。
軟化剤:コハク酸ジカルビトール(高級アルコール工業株式会社製、ハイアクオスターDCS) 20質量%
起泡剤:N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(旭化成ケミカルズ株式会社製、アミノサーファクトACMT−L) 10質量%
起泡剤:アルキルジメチルベタイン(花王株式会社製、アンヒトール86B) 4質量%
起泡助剤:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(松本油脂製薬株式会社製、マーポンCMA) 0.3質量%
起泡助剤:ミリスチン酸(関東化学株式会社製) 0.2質量%
分散安定剤(多糖類):グアーガム2−ヒドロキシプロピルエーテル(Rhodia Inc.製、JAGUAR HP−120) 0.3質量%
防腐剤:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(株式会社ケミクレア製、ZONEN−MT) 0.02質量%
溶媒助剤:トリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製) 5質量%
溶媒:イオン交換水 60.18質量%
<粘度測定>
前記定着液(1)の粘度を、25℃で、粘度計(東機産業株式会社製、TV−22形粘度計)を用いて測定した。測定条件は、回転速度5rpm及び20rpmとした。
結果を表1に示す。
<分散安定性の評価>
定着液の分散安定性を評価するために、前記定着液(1)、50mLをポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム製の密閉容器に収容し、室温で1ヶ月間放置した。調整直後、調整から7日後、調整から1ヵ月後と、経時的に、定着液の状態を目視で観察し、以下に示す評価基準で評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
分離なし:○(放置安定性良好)
分離あり:×(放置安定性不良)
〔実施例2〕
−定着液(2)[セルロース誘導体添加]の調製−
下記成分からなる定着液(2)を、実施例1と同様にして、調製した。
軟化剤:コハク酸ジカルビトール(高級アルコール工業株式会社、ハイアクオスターDCS) 15質量%
起泡剤:N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(旭化成ケミカルズ株式会社製、アミノサーファクトACMT−L) 10質量%
起泡助剤:ミリスチン酸(関東化学株式会社製) 0.1質量%
起泡助剤:ステアリン酸(関東化学株式会社製) 0.2質量%
起泡助剤:セタノール(高級アルコール工業株式会社製) 0.1質量%
分散安定剤(多糖類):塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシアチルセルロース(東邦化学株式会社製、カチナールLC−200) 0.3質量%
防腐剤:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(株式会社ケミクレア製、ZONEN−MT) 0.02質量%
溶媒助剤:トリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製) 5質量%
溶媒助剤:グリセリン(関東化学株式会社製) 5質量%
溶媒:イオン交換水 64.28質量%
前記定着液(2)について、実施例1と同様にして、粘度測定と分散安定性の評価を実施した。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
−定着液(3)[キサンタンガム添加]の調製−
下記成分からなる定着液(3)を、実施例1と同様にして、調製した。
軟化剤:コハク酸ジカルビトール(高級アルコール工業株式会社製、ハイアクオスターDCS) 20質量%
起泡剤:ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム(花王株式会社製、カオーアキポRLM−45NV) 16質量%
起泡剤:アルキルジメチルベタイン(花王株式会社製、アンヒトール86B)10質量%
起泡助剤:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(松本油脂製薬株式会社製、マーポンCMA) 0.3質量%
起泡助剤:ミリスチン酸(関東化学株式会社製) 0.2質量%
分散安定剤(多糖類):キサンタンガム(CP Kelco製、KELTOROL CG−T) 0.1質量%
防腐剤:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(株式会社ケミクレア製、ZONEN−MT) 0.02質量%
溶媒助剤:トリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製) 5質量%
溶媒助剤:グリセリン(関東化学株式会社製) 5質量%
溶媒:イオン交換水 43.38質量%
前記定着液(3)について、実施例1と同様にして、粘度測定と分散安定性の評価を実施した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
−定着液(4)[多糖類以外の分散安定剤添加]の調製−
下記成分からなる定着液(4)を、実施例1と同様にして、調製した。
軟化剤:コハク酸ジカルビトール(高級アルコール工業株式会社製、ハイアクオスターDCS) 20質量%
起泡剤:N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(旭化成ケミカルズ株式会社製、アミノサーファクトACMT−L) 10質量%
起泡剤:アルキルジメチルベタイン(花王株式会社製、アンヒトール86B) 4質量%
起泡助剤:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(松本油脂製薬株式会社製、マーポンCMA) 0.3質量%
起泡助剤:ミリスチン酸(関東化学株式会社製) 0.2質量%
分散安定剤:エチレンオキサイドポリマー(明成化学工業製、アルコックスR−1000) 0.1質量%
防腐剤:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(株式会社ケミクレア製、ZONEN−MT) 0.02質量%
溶媒助剤:トリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製) 5質量%
溶媒:イオン交換水 60.38質量%
前記定着液(4)について、実施例1と同様にして、粘度測定と分散安定性の評価を実施した。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
−定着液(5)[分散安定剤未添加]の調製−
下記成分からなる定着液(5)を、実施例1と同様にして、調製した。
軟化剤:コハク酸ジカルビトール(高級アルコール工業株式会社製、ハイアクオスターDCS) 20質量%
起泡剤:N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(旭化成ケミカルズ株式会社製、アミノサーファクトACMT−L) 10質量%
起泡剤:アルキルジメチルベタイン(花王株式会社製、アンヒトール86B) 4質量%
起泡助剤:ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(松本油脂製薬株式会社製、マーポンCMA) 0.3質量%
起泡助剤:ミリスチン酸(関東化学株式会社製) 0.2質量%
防腐剤:2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(株式会社ケミクレア製、ZONEN−MT) 0.02質量%
溶媒助剤:トリプロピレングリコール(旭硝子株式会社製) 5質量%
溶媒:イオン交換水 60.48質量%
前記定着液(5)について、実施例1と同様にして、粘度測定と分散安定性の評価を実施した。結果を表1に示す。
表1の結果から、多糖類を含有する定着液(1)〜(3)(実施例1〜3)は1ヶ月後も分離しておらず、分散安定性が維持されている。
〔実施例4〕
図1及び図2を用いて説明した第1の実施形態の定着装置30おいて、液状定着液310として、前記定着液(1)(実施例1で調製)、200mLをポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム製の密閉容器からなる定着液収容器31に収容し、定着装置30に装着した。
続いて、チューブポンプからなる液搬送ポンプ33を稼動させ、定着液(1)を流量6mL/分で5秒間バブリング槽35へ供給した。液搬送ポンプ33を停止した後、ダイヤフラム型エアーポンプからなる空気ポンプ36を稼動させ、バブリング槽35内で15秒間バブリングして大きな泡径の泡状定着液Buを作製した。その後、二重円筒構造の泡微細化部38を稼動させて、微小な泡径の泡状定着液Buを作製した。泡微細化部38の内側円筒38bは不図示の回転軸に固定されており、回転駆動モータにより回転する構造になっている。泡微細化部38の外側円筒38a及び内側円筒38bは、PET樹脂とした。外側円筒38aは内径d1を10mm、軸線方向の長さを120mmとし、内側円筒38bの外径d2を8mm、軸線方向の長さLを100mmとした。内側円筒38bの回転数は1,000rpmとし、回転時間は10秒間とした。
そして、得られた泡径の微小な泡状定着液Buについて、以下に示す評価基準に基づいて起泡性、泡沫安定性、定着性を評価した。また、定着液を調整してから7日後に、再度同じ評価を実施した。結果を表2に示す。
<起泡性の評価>
起泡性を評価するために、微小な泡状定着液の泡密度を測定した。
ここで、塗布ローラのように、付与手段面の泡状定着液の膜の厚みは、媒体上の樹脂微粒子層の厚み以上であることが必須条件であり(樹脂微粒子層の隙間を泡状定着液で埋めるため)、おおよそ、厚みは50μm〜80μmが望まれる。一方、媒体面への定着液付着における残液感(ぬれたような感触)をなくすためには、定着液付着量が、0.1mg/cm以下が好ましい。このことから、泡の密度としては、0.0200g/cm以下が好ましく、0.0125g/cm〜0.0200g/cmが、より好ましい。
そこで、微小な泡径の泡状定着液Buの泡密度の値から、起泡性を以下に示す評価基準で評価した。なお、泡密度は容積が既知である容器に泡を隙間なく充填して重量を測定し、算出した。
〔評価基準〕
0.0125g/cm〜0.0200g/cm:○(起泡性良好)
0.0201g/cm〜0.0300g/cm:△
0.0301g/cm〜0.0500g/cm:×(起泡性不良)
<泡沫安定性の評価>
泡沫安定性を評価するために、微小な泡径の泡状定着液Buを5分間放置し、泡の状態を目視で観察し、以下に示す評価基準で評価した。
〔評価基準〕
5分間放置後も泡の状態が変化しない場合:○(泡沫安定性良好)
5分間放置後に泡の一部が消泡した場合 :×(泡沫安定性不良)
<定着性の評価>
定着性を評価するために、未定着トナーTのトナー像が形成された転写紙Pの上に微小な泡径の泡状定着液Buを付与した。ここで、未定着トナーTのトナー像が形成された転写紙Pとしては、電子写真方式のプリンタ(株式会社リコー製、imagioMPC2500)を用い、未定着トナーのカラー画像をPPC用紙(株式会社リコー製、T−6200)に形成した。
このように形成したカラー画像において、未定着トナーTのトナー層の厚みは30μm〜40μmであった。続いて、定着開始にあわせ、図1を用いて説明した第1の実施形態のように、ノズル39から微小な泡径の泡状定着液Buを塗布ローラ41と膜厚調整ブレード42との間に供給した。微小な泡径の泡状定着液Buが塗布ローラ41と膜厚調整ブレード42との間に供給開始され始めたタイミングで、塗布ローラ41を駆動しながら、未定着トナーTからなる未定着画像が形成された転写紙Pを塗布ニップCに挿入した。
このとき、塗布ローラ41の表面には膜厚約80μmの泡状定着液膜Bu1が均一に形成され、転写紙Pの表面に均一に微小な泡径の泡状定着液Buが付与された。また、膜厚調整ブレード42と塗布ローラ41との間隙は50μmとし、転写紙Pに対する定着液の塗布量は100mg/A4前後とした。加圧ローラ43としては、アルミニウム合金製ローラ(直径10mm)を芯金とし、外径50mmのポリウレタンフォーム材(イノアック社製、カラーフォームEMO)を形成したスポンジローラを用いた。塗布ローラ41としては、PFA樹脂を焼付け塗装したSUS製ローラ(直径30mm)を用いた。そして、2つのローラの線速は300mm/sとした。
また、膜厚調整ブレード42は、アルミニウム合金製支持板に厚み1mmの並板ガラスを接着し、ガラス面を塗布ローラ41側に向け、10μm〜100μmの範囲で塗布ローラ41とガラス面の隙間を制御できるようにした。紙搬送速度は300mm/sとした。
このようにして定着された画像の定着性は、以下に示す評価基準で評価した。
〔評価基準〕
トナーが紙に定着している場合 :○(定着性良好)
トナーが紙に定着していない場合 :×(定着性不良)
〔実施例5〕
実施例4において、定着液(1)から定着液(2)(実施例2で調製)に代えた以外は、実施例4と同様にして、起泡性、泡沫安定性、定着性の評価を実施した。結果を表2に示す。
〔実施例6〕
実施例4において、定着液(1)から定着液(3)(実施例3で調製)に代えた以外は、実施例4と同様にして、起泡性、泡沫安定性、定着性の評価を実施した。結果を表2に示す。
〔比較例3〕
実施例4において、定着液(1)から定着液(4)(比較例1で調製)に代えた以外は、実施例4と同様にして、起泡性、泡沫安定性、定着性の評価を実施した。結果を表2に示す。
〔比較例4〕
実施例4において、定着液(1)から定着液(5)(比較例2で調製)に代えた以外は、実施例4と同様にして、起泡性、泡沫安定性、定着性の評価を実施した。結果を表2に示す。
表2の結果から、多糖類を含有する定着液(1)〜(3)(実施例4〜6)から得られた微小な泡径の泡状定着液Buは、良好な起泡性と泡沫安定性と定着性を維持した。
本発明の定着液、定着方法、及び定着装置を用いた画像形成方法及び画像形成装置は、例えばレーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機、直接又は間接の電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
本発明の定着液により、経時に渡って安定した定着性を維持することができるので、画像形成装置、経時に渡って定着不良や画像品質の低下を防止することができ、経時に渡って良好な画像形成を行うことができる。さらに、定着装置は非加熱の定着方式であるため、熱定着方式の定着装置を備えた構成よりも省エネルギー化を実現できる。
3 プロセスユニット
4 感光体
6 現像装置
7 帯電装置
8 除電ランプ
9 ドラムクリーニング装置
15 レジストローラ対
20 転写ユニット
21 駆動ローラ
23 転写バックアップローラ
24 ベルトクリーニング装置
25 中間転写ベルト
26 一次転写ローラ
28 紙搬送ユニット
29 紙搬送ベルト
29a 二次転写ローラ
29b 駆動ローラ
30 定着装置
31 定着液収容器
33 液搬送ポンプ
33a 軟化剤液搬送ポンプ
33b 起泡剤液搬送ポンプ
34 液搬送パイプ
34a 軟化剤液搬送パイプ
34b 起泡剤液搬送パイプ
34c 定着液搬送パイプ
35 バブリング槽
36 空気ポンプ
38 泡微細化部(せん断力付加手段)
38a 外側円筒
38b 内側円筒
38c 泡搬送パイプ
38d 排出パイプ
39 ノズル(泡状定着液供給口)
41 塗布ローラ
42 膜厚調整ブレード
42a ブレード回動軸
43 加圧ローラ
60 液状定着液を塗布する定着装置
63 液混合部
130 定着液供給部
140 定着液塗布部
310 液状定着液
313 供給口
430 加圧ベルト
610 軟化剤液
620 起泡剤液
Bu 泡状定着液
Bu1 泡状定着液膜
Bu−A 気泡
Bu−B 液膜境界
C 塗布ニップ
P 転写紙
T 未定着トナー
Ta オフセットトナー
Tb 定着トナー層
Tp トナー粒子
特許第3290513号 特開昭59−119364号公報 特開2004−109747号公報(特許第4354164号) 特開2009−008967号公報
「泡のエンジニアリング」初版(石井淑夫著,株式会社テクノシステム,2005年3月25日発行,P.489)

Claims (6)

  1. 樹脂微粒子の少なくとも一部を溶解乃至膨潤させる定着液であって、軟化剤と、起泡剤と、多糖類と、溶媒とを含有することを特徴とする定着液。
  2. 多糖類が、グアーガム誘導体、セルロース誘導体、及びバイオガムから選択される少なくとも1種である請求項1に記載の定着液。
  3. 請求項1から2のいずれかに記載の定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成工程と、
    前記泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に一定の厚みの膜状で付与する付与工程と、を含むことを特徴とする定着方法。
  4. 請求項1から2のいずれかに記載の定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、
    前記泡状定着液を媒体上の樹脂微粒子層に一定の厚みの膜状で付与する付与手段と、を有することを特徴とする定着装置。
  5. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を、樹脂と着色剤を含有する樹脂微粒子を含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、を含む画像形成方法であって、
    前記定着工程が、請求項3に記載の定着方法により行われることを特徴とする画像形成方法。
  6. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を、樹脂と着色剤を含有する樹脂微粒子を含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、を有する画像形成装置であって、
    前記定着手段が、請求項4に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
JP2010161008A 2010-07-15 2010-07-15 定着液、並びに定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置 Pending JP2012022205A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010161008A JP2012022205A (ja) 2010-07-15 2010-07-15 定着液、並びに定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010161008A JP2012022205A (ja) 2010-07-15 2010-07-15 定着液、並びに定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012022205A true JP2012022205A (ja) 2012-02-02

Family

ID=45776527

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010161008A Pending JP2012022205A (ja) 2010-07-15 2010-07-15 定着液、並びに定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012022205A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4948290B2 (ja) 定着装置
JP4795379B2 (ja) 定着液、定着方法、定着装置、画像形成方法及び画像形成装置
JP2011215563A (ja) 定着液、定着方法、定着装置、画像形成方法及び画像形成装置
JP2011215564A (ja) 定着液、定着方法、定着装置、画像形成方法及び画像形成装置
JP2008203361A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2011203712A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5263672B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2009110029A (ja) 定着液
JP2009092897A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2011128457A (ja) 定着液、定着方法、定着装置、画像形成方法及び画像形成装置
JP2011128449A (ja) 定着液、定着方法、定着装置、画像形成方法及び画像形成装置
JP2012022205A (ja) 定着液、並びに定着方法、定着装置、画像形成方法、及び画像形成装置
JP5429597B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5347435B2 (ja) 定着液、定着方法及び定着装置、並びに画像形成方法及び画像形成装置
JP2012242568A (ja) 定着液、定着装置及び画像形成装置
JP2011128452A (ja) 定着液、定着方法、定着装置、画像形成方法及び画像形成装置
JP2012053357A (ja) 定着液、定着装置及び画像形成装置
JP2012088597A (ja) 定着液、定着装置及び画像形成装置
JP5263678B2 (ja) 定着方法、定着装置及び画像形成装置
JP2010156908A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2012242569A (ja) 定着液、定着装置及び画像形成装置
JP2011185981A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2012242570A (ja) 定着液、定着装置及び画像形成装置
JP2010266747A (ja) 定着液、定着方法、定着装置、画像形成方法及び画像形成装置
JP2011053615A (ja) 定着装置及び画像形成装置