JP5424736B2 - 肉薄容器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ乳酸樹脂からなる肉薄容器及びその製造方法に関する。
近年、合成樹脂からなる廃棄物による環境に対する負荷を軽減するために、ポリ乳酸樹脂等のように廃棄後、土中等で細菌等の微生物の働きにより分解される生分解性樹脂が提案されている。
従来、ポリ乳酸樹脂からなり、カップ、椀、トレー等に用いられる食品容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
前記食品容器は、食品容器の外面形状に沿う形状の凹部を備える雌金型と、該凹部に対向して該食品容器の内面形状に沿う形状の凸部を備える雄金型とで形成されるキャビティに対して、ポリ乳酸の溶融樹脂を射出することにより成形され、2.5mm程度の厚さを備えている。ポリ乳酸樹脂の生分解性及び原材料コストを考慮すると、例えば0.7mm程度とより肉薄な食品容器が望まれる。
ところで、0.7mm程度の肉薄な射出成形品として、ポリカーボネイト樹脂に超臨界状態の二酸化炭素を含浸してなる溶融樹脂を射出してなるものが知られている(例えば特許文献2参照)。前記射出成形品は、超臨界状態の二酸化炭素を含浸した溶融樹脂が、含浸していない溶融樹脂と比較して高い流動性を備えるために、肉薄に成形できるとされている。
また、前記肉薄容器は、その色がポリ乳酸樹脂に含浸されるフィラーの色に支配されることから単色であるので、装飾として単調にならざるを得ない。そこで、肉薄容器の表面に塗装を施すことにより、装飾性を付与することが考えられる。
特開2006−137063号公報 特開2001−277280号公報
しかしながら、表面に塗装が施された肉薄容器は、塗装の種類によってはポリ乳酸樹脂の生分解性が妨げられるという不都合がある。
そこで、前記不都合を解消するために、本発明は、ポリ乳酸樹脂の生分解性を損なうことなく、装飾性を備える肉薄容器及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の肉薄容器は、ポリ乳酸樹脂に対して2.6〜4重量%の範囲の超臨界状態の二酸化炭素を含浸してなるポリ乳酸の溶融樹脂を0.45〜0.7mmの範囲の厚さに射出成形してなり、該超臨界状態の二酸化炭素から生じた気泡がキャビティの表面で破泡して形成された複数の凹部によるゆず肌の外表面を備えることを特徴とする。
本発明の肉薄容器は、超臨界状態の二酸化炭素を含浸してなるポリ乳酸の溶融樹脂が、金型に配設されたキャビティに対して射出成形することにより形成される。このとき、射出された前記ポリ乳酸の溶融樹脂は、前記範囲の超臨界状態の二酸化炭素が含浸されているために、0.45〜0.7mmの範囲と間隙の狭いキャビティの先端部にまで充填することができる十分な流動性を備えている。したがって、前前記範囲の超臨界状態の二酸化炭素を含浸してなるポリ乳酸の溶融樹脂を射出成形することにより、0.45〜0.7mmの範囲の厚さを備える肉薄な射出成形品を得ることができる。
また、キャビティ内部がシリンダー内部よりも低圧であることにより、射出されたポリ乳酸樹脂に含浸されている超臨界状態の二酸化炭素が、非超臨界状態となって気泡を生じる。前記気泡は、ポリ乳酸樹脂の流動に伴って射出方向の上流側から下流側に向かって移動しながら一体化して大きくなり、一部の気泡がキャビティの表面で破泡する。この結果、得られた肉薄容器は、外表面に前記破泡により生じた、ゆずの実の表皮のような複数の小さな凹部が形成され、ゆず肌の外表面を備えることとなる。
したがって、本発明の肉薄容器は、ゆず肌の外表面からなる装飾性を得ることができる。また、前記装飾性は前記破泡により得られたものであり、生分解性樹脂以外のものを用いて得られたものではないので、本発明の肉薄容器は、生分解性を確保することができる。
二酸化炭素の含浸量がポリ乳酸樹脂に対して2.6重量%未満の場合には、射出されたポリ乳酸樹脂中の気泡がキャビティの表面で破泡する前に、該ポリ乳酸樹脂がキャビティの表面で冷却、固化する。この結果、ポリ乳酸樹脂中の気泡の破泡が生じないため、破泡により生じるゆず肌の外表面を備える肉薄容器を得ることができない。
一方、二酸化炭素の含浸量がポリ乳酸樹脂に対して4.0重量%を超える場合には、破泡により厚さ方向に孔が開き、製品として十分な肉薄容器を得ることができない。
また、本発明の肉薄容器において、厚さが0.45mm未満の場合には、射出されたポリ乳酸樹脂中の超臨界状態の二酸化炭素が気泡を生じる前に、該ポリ乳酸樹脂が金型により冷却されて固化され、この結果、破泡が生じないことがある。一方、厚さが0.7mmを超える場合には、ポリ乳酸樹脂の生分解性を低下させる上に、原材料コストが高くなる。
本発明の肉薄容器は、金型に配設されたキャビティに対して、超臨界状態の二酸化炭素を含浸してなるポリ乳酸の溶融樹脂を射出成形する肉薄容器の製造方法であって、該ポリ乳酸樹脂に対して2.6〜4重量%の範囲の超臨界状態の二酸化炭素を含浸させて0.45〜0.7mmの範囲の厚さに射出し、該超臨界状態の二酸化炭素から生じた気泡をキャビティの表面で破泡させて該ポリ乳酸樹脂の外表面に複数の凹部を形成することにより、ゆず肌の外表面を備える肉薄容器を形成することを特徴とする肉薄容器の製造方法により製造することができる。
本発明の肉薄容器の製造方法において、前記キャビティは、該キャビティに開口するゲートと該キャビティの先端部との間に、該ゲートの周辺部よりも肉厚である肉厚部を備えることが好ましい。射出されたポリ乳酸樹脂中に生じた気泡は、該ポリ乳酸樹脂の流動に伴って射出方向の上流側から下流側に向かって移動する。前記キャビティが前記肉厚部を備えることにより、該肉厚部の内部が前記ゲートの周辺部の内部と比較して低圧となるため、該肉厚部に到達した前記気泡は、その径が急激に大きくなり破泡しやすくなる。
したがって、前記肉厚部を備えるキャビティを用いる肉薄容器の製造方法によれば、ゆず肌の外表面を備える肉薄容器を確実に成形することができる。
ところで、本発明の肉薄容器の製造方法において、金型に複数のキャビティを配設し、該複数のキャビティに射出することにより、複数の肉薄容器を一括で成形することが考えられる。しかしながら、溶融樹脂を個々のキャビティに対して均一に充填することができず、個々の肉薄容器を均一に成形することができないという問題がある。本発明者は、溶融樹脂を個々のキャビティに対して均一に充填することができない原因について鋭意検討した。
その結果、複数のキャビティは間隙がそれぞれ均一となるように形成されているとはいえ、加工精度、組み合わせの状態、キャビティ部内の流動方向及び重力方向との間隙等により、各キャビティの間隙に僅かながらばらつきが生じており、各キャビティに射出された溶融樹脂がキャビティ部内に残存する空気を外部へ排気する状態が異なるために、該溶融樹脂を各キャビティに均一に充填できないことが判明した。そこで、キャビティ内における溶融樹脂の流動性を確保することと、各キャビティに対する溶融樹脂の射出を個別に制御する必要があることとを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の肉薄容器の製造方法は、金型に配設された複数のキャビティに対して前記溶融樹脂を射出し、各キャビティにそれぞれ開口するゲートの開閉を電磁開閉弁により行うことが好ましい。電磁開閉弁は高速応答性に優れているので、複数のゲートの開閉をそれぞれ独立して行うことができる。よって、溶融樹脂を複数のキャビティに対して均一に射出することができる。したがって、本発明の肉薄容器の製造方法によれば、複数の肉薄容器を一括で成形することができ、個々の肉薄容器をばらつきなく均一に成形することができる。
本実施形態の肉薄容器を示す説明図であり、図1(a)は肉薄容器を示す画像、図1(b)は断面図。 図1に示す肉薄容器を製造する射出成形装置を示す説明的正面図。 図2に示す射出成形装置におけるキャビティの配置を示す説明的側面図。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。まず、本実施形態の肉薄容器について説明する。前記肉薄容器は、例えば食品容器であり、図1に示すアイスクリーム容器Wとすることができる。
アイスクリーム容器Wは、一方が開口する有底筒状体からなり、底部から開口部に向けて拡径している。アイスクリーム容器Wは、0.45〜0.7mmの範囲の厚さを備えるとともに、略楕円形状の複数の凹部からなるゆず肌の外表面を備えている。前記凹部は、樹脂の射出方向を長手方向とするとき、長軸が0.1〜5mm、横軸が0.1〜5mm、深さが10〜1,000μmの大きさを備えている。アイスクリーム容器Wは、図1(b)に示すように、底部の周縁部及び側壁部が、底部の中心部と比較して肉厚となっている。
本実施形態では、前記肉薄容器は、アイスクリーム容器Wであるとしているが、プリン容器、ケーキカップ、ヨーグルトカップ、豆腐容器、マーガリン容器、イクラやカズノコ等の魚卵容器、サラダ容器、総菜容器、飲料カップ等の食品容器とすることができる。また、食品容器に代えて、尿検査カップ等の使い捨て医療用具、粉体保存用容器等とすることも可能である。
次に、本実施形態の肉薄容器を製造する射出成形装置について説明する。図2に示す射出成形装置11は、ポリ乳酸樹脂を金型12に向けて搬送するシリンダー13と、シリンダー13内に配設された回転軸部14と、回転軸部14を回転駆動するモータ15とを備えている。
シリンダー13は、金型12と反対側の端部付近にポリ乳酸樹脂をシリンダー13内に供給するホッパー16を備えると共に、ホッパー16の下流側でシリンダー13の中央部付近に超臨界状態の二酸化炭素をシリンダー13内に供給する超臨界流体供給部17を備えている。
超臨界流体供給部17は、超臨界状態の二酸化炭素を発生させる超臨界流体発生装置18と、超臨界流体発生装置18で発生された超臨界状態の二酸化炭素をシリンダー13に向けて搬送する流体導管19と、流体導管19の途中に介装された計量装置20とを備える。流体導管19は遮断弁21を介してシリンダー13に接続されている。
また、シリンダー13は、金型12側の先端にノズル22を備えると共に、外周面に複数の加熱装置23aを備える。ノズル22は、外周面に加熱装置23bを備えると共に、遮断弁24を介して金型12に接続されている。
回転軸14は、金型12と反対側の端部でモータ15に接続されると共に、外周面に設けられた螺旋状のスクリュー25と、金型12側の最先端部に設けられたスクリューヘッド26とを備えている。スクリュー25は、モータ15側の端部から、ホッパー16の下部を通って超臨界流体供給部17の下部の手前までの部分に設けられた基端側連続スクリュー25aと、超臨界流体供給部17の下方部分に設けられた不連続スクリュー25bと、スクリューヘッド26と不連続スクリュー25bとの間に設けられた先端側連続スクリュー25cとからなる。不連続スクリュー25bは、回転軸14の周方向に沿って複数の不連続部を備えている。
金型12は、アイスクリーム容器Wの外側形状に沿う形状の凹部27aを複数備える固定式の雌金型27と、射出成形装置11により形成されるアイスクリーム容器Wの内側形状に沿う形状の凸部28aを複数備える可動式の雄金型28とからなり、複数の凹部27a及び凸部28aにより形成される複数のキャビティ部29を備えている。射出成形装置11においては、各キャビティ部29の間隙が0.45〜0.7mmの範囲となるように機械加工された雌金型27及び雄金型28が複数用意され、アイスクリーム容器Wの厚さに応じて、所望の間隙を備える雌金型27及び雄金型28が取り付けられるようになっている。
射出成形装置11のノズル22は、先端で3つに分岐し、さらにその先端で2つに分岐するホットランナー31を介して、各キャビティ部29にそれぞれ開口するゲート32に接続している。ホットランナー31は、雌金型27に設けられた分岐板33に配設されている。
各キャビティ部29は、図3に示すように、ホットランナー31のノズル22に接続された部分を円中心とする円周C上に等間隔に配置されている。各キャビティ部29は、ゲート32が、アイスクリーム容器Wの底部の中心に位置していて、ゲート32と、アイスクリーム容器Wの開口部に相当するキャビティ部29の先端部との間に、ゲート32の周辺部よりも肉厚である肉厚部29aを備えている。
各ホットランナー31の後方には、電源に接続されたソレノイド34と、ソレノイド34への通電のオン/オフにより進退可能なバルブピン35とが設けられ、各ソレノイド34への通電は互いに独立して制御できるようになっている。バルブピン34を前進させることによりゲート32が閉鎖し、バルブピン35を後退させることによりゲート32が開放するようになっている。すなわち、各キャビティ29のゲート32の開閉は、電磁開閉弁によりそれぞれ独立して行われるようになっている。
次に、射出成形装置11を用いてアイスクリーム容器Wを製造する方法について説明する。射出製造装置11では、まず、ホッパー16からシリンダー13内にポリ乳酸樹脂を投入する。前記ポリ乳酸樹脂として、例えば、ユニチカ株式会社製のテラマック(登録商標)TE−2000を用いることができる。
前記ポリ乳酸樹脂は、シリンダー13内で加熱装置23aの加熱下に連続スクリュー25aで攪拌されることにより溶融し、形成された溶融樹脂が金型12方向に搬送される。
次に、超臨界流体供給部17から、前記溶融樹脂に、ポリ乳酸樹脂に対して非反応性である超臨界状態の流体としての二酸化炭素を供給する。このとき、ポリ乳酸樹脂に対して2.6〜4.0重量%の範囲の二酸化炭素を含浸させるように、超臨界状態の二酸化炭素を供給する。
前記超臨界状態の二酸化炭素は、超臨界流体供給部17の下方部分に設けられた不連続スクリュー25bにより攪拌され、前記溶融樹脂と十分に混合される。この結果、スクリューヘッド26とノズル22との間のシリンダー13内に、前記溶融樹脂に前記超臨界状態の二酸化炭素が混合された単相溶液としてのポリ乳酸樹脂が形成される。このとき、前記単層溶液は、発泡のための核が未形成の状態にある。
次に、各キャビティ部29のバルブピン35を前進させることによりゲート32を閉鎖した状態で、前記溶融樹脂に前記超臨界状態の二酸化炭素が混合された単相溶液としてのポリ乳酸樹脂をノズル22から射出する。このとき、ノズル22内はシリンダー13内に比較して圧力が降下する領域となっており、この領域を通過する間に前記単相溶液に発泡のための核が形成される。尚、前記単相溶液は、ホットランナー31を満たしているものの、ゲート32が閉鎖されているのでキャビティ29には到達していない。
次に、射出を開始してから所定時間が経過した後に、各キャビティ部29のバルブピン35を後退させゲート32を開放する。このとき、複数のゲート32の開放をそれぞれ独立して行う。そして、前記ゲート32の開放により、前記単層溶液が、ゲート32を介して各キャビティ部29に射出される。
さらに所定時間が経過した後に、各キャビティ部29のバルブピン35を前進させゲート32を閉鎖すると、前記射出が停止する。このとき、複数のゲート32の閉鎖をそれぞれ独立して行う。そして、各キャビティ部29に射出された前記単相溶液は、金型12により冷却される。
このとき、キャビティ部29に射出された前記単相溶液は、ポリ乳酸樹脂に対して2.6〜4.0重量%の範囲の二酸化炭素が含浸されていることにより流動性に優れており、間隙の狭いキャビティ部29の先端部にまで充填されることとなる。
また、射出成形品の表面となる部分では、キャビティ部29に射出された前記単相溶液は、冷却、固化して非発泡体層を形成する。一方、射出成形品の内部側となる部分では、キャビティ部29内部がシリンダー13内部よりも低圧であることにより、前記単相溶液に含浸されている超臨界状態の二酸化炭素が非超臨界状態となって気泡を生じ、キャビティ部29に射出された単相溶液は、発泡体層を形成する。
前記単相溶液中に生じた気泡は、該単相溶液の流動に伴って射出方向の上流側から下流側に向かって移動しながら一体化して大きくなり、一部の気泡がキャビティの表面で破泡する。この結果、射出成形品は、外表面に前記破泡により生じた、ゆずの実の表皮のような複数の小さな凹部が形成され、ゆず肌の外表面を備えることとなる。
前記射出成形品からなる成形体は、金型12を開き、脱型することにより、製品としてのアイスクリーム容器Wとして取り出すことができる。
以上により製造された本実施形態のアイスクリーム容器Wは、ゆず肌の外表面からなる装飾性を得ることができる。また、前記装飾性は前記破泡により得られたものであり、生分解性樹脂以外のものを用いて得られたものではないので、本実施形態のアイスクリーム容器Wは、生分解性を確保することができる。
本実施形態の射出成形装置11では、キャビティ部29が、ゲート32と、アイスクリーム容器Wの開口部に相当するキャビティ部29の先端部との間に、ゲート32の周辺部よりも肉厚である肉厚部29aを備えている。これにより、肉厚部29aの内部がゲート32周辺部の内部よりも低圧となるため、前記単相溶液の流動に伴って移動し肉厚部29aに到達した気泡は、その径が急激に大きくなり破泡しやすくなる。したがって、本実施形態の射出成形装置11によれば、肉厚部29aを備えることにより、ゆず肌の外表面を備えるアイスクリーム容器Wを確実に成形することができる。
ところで、金型12は、複数のキャビティ部29の間隙がそれぞれ均一となるように機械加工されているとはいえ、加工精度、組み合わせの状態、キャビティ部29内の流動方向及び重力方向との間隙等により、各キャビティ部29の間隙に僅かながらばらつきが生じている。この間隙のばらつきにより、各キャビティ部29に射出された前記単相溶液が該キャビティ部29内に残存する空気を外部へ排気する状態が異なるために、前記流動性を備える単相溶液を各キャビティ部29に均一に充填することが困難である。
そこで、本実施形態の射出成形装置11では、複数のゲート32の開閉を、高速応答性に優れた前記電磁開閉弁を用いてそれぞれ独立して制御することにより、射出された前記単相溶液を複数のキャビティ部29に対して均一に射出することができる。したがって、本実施形態の射出成形装置11によれば、複数のアイスクリーム容器Wを一括で成形することができ、個々のアイスクリーム容器Wをばらつきなく均一に成形することができる。
次に、実施例及び比較例を示す。
本実施例では、図2に示す射出成形装置11を用いて、図1に示す形状のアイスクリーム容器Wを製造した。射出成形装置11は、図1に示す形状のアイスクリーム容器Wの製造に用いられる装置であり、該アイスクリーム容器Wに対応するキャビティ部29を6つ備る金型12が取り付けられている。アイスクリーム容器Wは、開口部の外径68mm、底部の外径45mm、高さ50mm、厚さ0.7mmの大きさを備えている。
本実施例では、まず、溶融したポリ乳酸樹脂(ユニチカ株式会社製、テラマック(登録商標)TE−8210)に、該ポリ乳酸樹脂に対して3.0重量%の超臨界状態の二酸化炭素を含浸させることにより、超臨界状態の二酸化炭素が混合された単相溶液としてのポリ乳酸樹脂を得た。
次に、各キャビティ部29のバルブピン35を前進させゲート32を閉鎖した状態で、単相溶液としてのポリ乳酸樹脂をノズル22から射出し、続いて、ノズル22からの射出開始後0.1秒後に、各キャビティ部29のバルブピン35を後退させゲート32を開放することにより、前記単相溶液の各キャビティ部29への射出を開始した。そして、ノズル22からの射出開始後1.8秒後に、各キャビティ部29のバルブピン35を前進させゲート32を閉鎖することにより、前記単相溶液の射出を停止した。以上により、本実施例のアイスクリーム容器Wを6個得た。
前記単相溶液の射出は、シリンダー温度210℃、射出圧力100MPa、射出速度80mm/秒とした。また、金型12のキャビティ部29における表面温度は30℃とし、背圧を17MPaとした。
本実施例で得られたアイスクリーム容器Wは、ゆず肌の外表面からなる装飾性を備えていた。
〔比較例1〕
本比較例では、ポリ乳酸樹脂に対して2.5重量%の超臨界状態の二酸化炭素を含浸させる点を除いて、実施例1と全く同一にして、単相溶液の射出を行うことにより、本比較例のアイスクリーム容器を6個製造した。
本比較例で得られたアイスクリーム容器は、外表面がゆず肌ではなく平坦となっていて、装飾性を備えておらず、製品として不十分であった。
〔比較例2〕
本比較例では、ポリ乳酸樹脂に対して4.1重量%の超臨界状態の二酸化炭素を含浸させる点を除いて、実施例1と全く同一にして、単相溶液の射出を行うことにより、本比較例のアイスクリーム容器を6個製造した。
本比較例で得られたアイスクリーム容器は、厚さ方向に孔が開いており、製品として不十分であった。
12…金型、 29…キャビティ、 29a…肉厚部、 32…ゲート、 W…肉薄容器。

Claims (4)

  1. ポリ乳酸樹脂に対して2.6〜4重量%の範囲の超臨界状態の二酸化炭素を含浸してなるポリ乳酸の溶融樹脂を0.45〜0.7mmの範囲の厚さに射出成形してなり、
    該超臨界状態の二酸化炭素から生じた気泡がキャビティの表面で破泡して形成された複数の凹部によるゆず肌の外表面を備えることを特徴とする肉薄容器。
  2. 金型に配設されたキャビティに対して、超臨界状態の二酸化炭素を含浸してなるポリ乳酸の溶融樹脂を射出成形する肉薄容器の製造方法であって、
    該ポリ乳酸樹脂に対して2.6〜4重量%の範囲の超臨界状態の二酸化炭素を含浸させて0.45〜0.7mmの範囲の厚さに射出し、該超臨界状態の二酸化炭素から生じた気泡をキャビティの表面で破泡させて該ポリ乳酸樹脂の外表面に複数の凹部を形成することにより、ゆず肌の外表面を備える肉薄容器を形成することを特徴とする肉薄容器の製造方法。
  3. 請求項記載の肉薄容器の製造方法において、前記キャビティは、該キャビティに開口するゲートと該キャビティの先端部との間に、該ゲートの周辺部よりも肉厚である肉厚部を備えることを特徴とする肉薄容器の製造方法。
  4. 請求項又は請求項記載の肉薄容器の製造方法において、金型に配設された複数のキャビティに対して前記溶融樹脂を射出し、各キャビティにそれぞれ開口するゲートの開閉を電磁開閉弁により行うことを特徴とする肉薄容器の製造方法。
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