JP5418501B2 - 廃水処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、廃水を嫌気性微生物で処理する廃水処理装置に関する。
高速嫌気性廃水処理法としてUASB(Upflow Anaerobic Sludge Bed)法が知られている。この方法は嫌気性の糸状メタン菌が絡み合って直径1〜5mm程度の粒状で沈降性の優れるグラニュールと呼ばれる自己造粒した微生物塊を処理装置内に保持した嫌気性微生物処理法である。UASB法の特徴は、微生物塊により微生物を高濃度に保持し、処理効率を高めたことにある。
UASB法のような上向流型嫌気性微生物処理法では、グラニュールのように微生物が自己造粒したものや微生物を担体に付着,固定化させたものを微生物塊として処理装置内に保持し廃水処理の効率化を図っている。また、微生物塊は大部分が処理装置の下方部に保持されており汚泥床を形成している。この処理法では、微生物の増殖,保持および処理水と微生物との分離を一つの装置内で行っている。
廃水を嫌気性微生物処理することにより廃水中の有機物や窒素化合物などは、嫌気性微生物からなる微生物塊において生物処理を受け、メタン,二酸化炭素,窒素などの各種ガスを生成する。汚泥床には微生物が多量に保持されているため、この汚泥床に廃水が注入されると生物処理が活発に行われ、気泡となったガスは汚泥床から処理装置の上方部へと上昇する。この気泡は汚泥床から単独で上昇するものもあれば微生物塊に付着し浮力を与え微生物塊を伴って処理装置内を上昇するものもある。廃水が処理装置で処理された後に処理水とともに微生物塊が装置外部へ流出することを防止するため、処理装置内には、微生物塊に付着した気泡を分離する気固分離装置(GSS)が設けられている。GSSは処理装置内の気液界面下に設置され、気泡が付着し上昇する微生物塊を捕捉し、気泡による上昇流ならびに気泡との衝突により微生物塊に付着した気泡を分離する機能を有する。GSSで気泡が分離された微生物塊は再び汚泥床に沈降し廃水と接触することにより生物処理に寄与する。
UASB法のような上向流型嫌気性廃水処理法においては、処理操作上、処理水から気泡と微生物塊とを分離するGSSの機能が重要となっている。
廃水処理の更なる高負荷,装置の小型化,処理水質の更なる向上の観点から、GSSの構造を改良したものとして、処理装置内にGSSを構成する隔壁の組み合わせに特徴を持った処理装置が提案されている(特許文献1)。
また、GSSで微生物塊が受ける衝撃により微生物塊を破壊しないようにするため、微生物塊に強度を持たせる方法として、処理装置内に嫌気性アンモニア酸化微生物からなるグラニュールを保持して生物脱窒処理を行うに当たり、処理装置内に有機凝集剤を添加することによって微生物同士の付着作用を強めて、沈降性に優れ、強固で緻密なグラニュールを形成することを特徴とする提案がされている(特許文献2)。
日本国の公開特許公報である特開2001−187394号公報 日本国の公開特許公報である特開2003−24988号公報
以下、従来技術の要約とともに、従来技術における課題を説明する。
UASB(Upflow Anaerobic Sludge Bed)法は、嫌気性の糸状のメタン菌が絡み合って直径1〜5mm程度の粒状で沈降性の優れるグラニュールと呼ばれる自己造粒した微生物塊を処理装置内に保持した嫌気性微生物処理法である。その特徴は、微生物を微生物塊として処理装置内に高濃度に保持でき廃水処理効率を高めることができることにある。
処理装置への廃水の流入負荷増加に伴い、微生物塊が集積する汚泥床で有機物などの生物処理が活発に行われ、微生物代謝に伴ったメタン,二酸化炭素,窒素などの各種ガスの発生量が増加する。この気泡は汚泥床から単独で上昇するものもあれば、微生物塊に付着し浮力を与え微生物塊に伴って処理装置内を上昇するものもある。廃水が処理装置で処理された後に処理水とともに微生物塊が処理装置の外へ流出することを防止するため、GSSは処理装置内の気液界面下に設置され、気泡が付着して上昇する微生物塊を捕捉し、気泡による上昇流ならびに気泡との衝突により微生物塊に付着した気泡を分離する機能を有する。GSSで気泡が分離された微生物塊は再び汚泥床に沈降し廃水と接触することにより生物処理に寄与する。
微生物塊としては、グラニュールのように微生物が自己造粒したもの、または、微生物を担体に付着,固定化させたものがある。この微生物塊を処理装置内に保持して廃水処理を行う嫌気性微生物処理方法により、高負荷の連続処理運転を行う場合、次のような課題がある。
気泡が付着した微生物塊はGSSで気泡が分離されたのちに処理装置内の水中を沈降するが、高負荷処理になるほど生物処理が活発となりガス発生量が増加する。これにより、気泡が分離され沈降する微生物塊よりも気泡を付着したままでGSSにとどまる微生物塊の量が増え、GSSに微生物塊が大量に滞留することになり、GSSが正常に機能しなくなる。これにより、汚泥床での微生物塊保持量が減少するため廃水処理効率が低下する問題がある。さらに、気泡と分離されGSSから沈降する微生物塊は、汚泥床から活発に発生する気泡および気泡流が衝突し続けることになるため、微生物塊が微細化されて破片となり沈降性が悪化しこの破片が水面に浮上して処理水に混入し、処理装置から流出して浮遊性物質(SS)値が上昇し、処理水質を劣化させる問題もある。また、気泡と分離されGSSから沈降する微生物塊に上昇する気泡が付着して、気泡付着微生物塊として再び上昇して沈降効率が低下する問題もある。
本発明は上記のような従来技術に鑑みて、汚泥床からの気泡の上昇現象とGSSからの微生物塊の沈降現象を注意深く観察し、課題を解決すべく、GSSについて熟慮,検討,試験した結果、理想的なGSSの構造を発明するに至った。本発明は、微生物塊を用いた廃水処理法において、気泡が付着した微生物塊から気泡を効率的に分離するとともに、上昇する気泡と下降する微生物塊の接触を最小限にすることにより、微生物塊の微細化による処理水への流出を防止し、廃水処理効率を低下させることなく処理水質が安定した高負荷運転可能な廃水処理装置を提供することを目的とするものである。
請求項1の発明に係わる廃水処理装置では、微生物塊を下層部に沈殿させたリアクター容器を備え、リアクター容器の下方部の注入口から注入された廃水を前記微生物塊によって生物処理し、生物処理後の処理水を処理水流出部から排出する廃水処理装置であって、前記注入口側から流出部側に向かって螺旋状のスパイラル板を設けたことを特徴とする。
請求項1に係わる廃水処理装置では、リアクター容器の下層部にグラニュールなどの微生物塊を保持して汚泥床とし、この汚泥床に下方部から外部ポンプにより廃水を導入し接触させて廃水に含まれる有機物,窒素化合物等を生物処理する。廃水の生物処理により汚泥床からメタン,二酸化炭素,窒素などの各種ガスが発生する。この発生したガスが気泡として微生物塊に付着すると微生物塊に浮力を与えリアクター容器内を上昇する。汚泥床から発生する気泡および気泡付着微生物塊は、螺旋状のスパイラル板の下側面に沿って上昇する。この際に、気泡との衝突やスパイラル板の下側面との接触衝撃などにより気泡付着微生物塊から気泡が剥がれると、微生物塊は下方のスパイラル板上側面に沈降する。沈降した微生物塊はスパイラル板の上側面を伝わって滑り降り、最終的に下部の汚泥床に戻り、ここで再度、流入廃水との接触により生物処理に寄与する。この際、スパイラル板下側面を上昇して来る気泡と衝突を避けられるため微生物塊の破砕が抑えられる。さらに下降する微生物塊に上昇する気泡が付着して再び上昇することがなく、沈降性の向上が図れる。
廃水の連続処理では、上記微生物塊の移動動作が繰り返される。したがって、汚泥床は微生物塊が自由度をもって浮遊している状態となる。処理水はリアクター容器上部に配置された処理水流出部から排出される。一方、スパイラル板で分離された気泡は、リアクター上部に設けられた空間に集められ外部へ排出される。
ここで、スパイラル板は、周方向に隙間が無く配置すれば、一体のものでも、複数のものでも良い。
また、前記スパイラル板には、リアクター容器の軸心に設けられた柱が貫装されることを特徴とする。
このように、スパイラル板に柱を貫装することにより、該柱があるため気泡および気泡付着微生物塊とが短絡して上昇せずにスパイラル板下側面に沿って螺旋状に上昇するため、滞留時間が長くなり気泡との衝突やスパイラル板下側面との接触衝撃が増加するため、気固分離効率の向上が図れる。
さらに、前記スパイラル板の上下側面は、軸心側からリアクター容器内壁側へ向かって上方へ傾斜していることを特徴とする。
このように、スパイラル板の上下側面が軸心側からリアクター容器内壁側へ向かって上方へ傾斜していることにより、気泡および気泡付着微生物塊の上昇流と微生物塊の下降流とを径方向に分離することができ、下降する微生物塊の破砕を抑制することが可能となる。また、気泡および気泡付着微生物塊がリアクター容器内壁側に集まるため、気泡の上昇と気泡付着微生物塊との衝突が密に行われ、気固分離効率の向上が図れるとともに、気泡の剥がれた微生物塊はスパイラル板の軸心付近に集合し滑り降りるため、軸心側とリアクター容器内壁側とが同一の高さとなる傾斜のないスパイラル板上側面を分散して滑り下りる場合と比較して移動距離が短縮化され、より迅速にリアクター容器下部の汚泥床に戻り、ここで再度、流入廃水との接触により生物処理に寄与し処理効率の向上が期待できる。
請求項2の発明に係わる廃水処理装置は、請求項1の発明において、前記スパイラル板は、複数のスパイラルユニットから成り、隣り合う各スパイラルユニット間の端部は周方向にオーバーラップしていることを特徴とする。
請求項2の発明に係わる廃水処理装置では請求項1の発明の作用に加え、スパイラル板を複数のスパイラルユニットから形成したことにより、スパイラル板の段差において上昇する気泡付着微生物塊がより激しくスパイラル板下側面と衝突し、微生物塊に付着した気泡が剥がれやすくなる。そのため、リアクター容器下部の汚泥床への微生物塊の戻りが迅速になり、汚泥床の微生物塊量が十分に確保できるため廃水の処理効率が向上する。
請求項3の発明に係わる廃水処理装置は、請求項1の発明において、前記スパイラル板は、複数のスパイラルユニットから成り、少なくとも一組の隣り合うスパイラルユニットは旋回方向が逆方向に形成され、その隣り合うスパイラルユニットの端部は周方向に角度を隔てて位置することを特徴とする。
請求項3の発明に係わる廃水処理装置では請求項1の発明の作用に加え、気泡および気泡付着微生物塊を伴う上昇流は、その旋回方向が逆方向に形成されたスパイラルユニットの端部で反転し激しく乱れることとなる。その結果、旋回方向が一定方向に形成されたスパイラルユニットのように一様な上昇流の場合と比較して、反転による上昇流の激しい乱れによって気泡付着微生物塊から気泡および微生物塊が振り落とされ、気泡付着微生物塊から気泡が分離されやすくなり、気固分離効率のさらなる向上が図れる。また、気泡が剥がれた微生物塊がスパイラルユニットの端部から下方に位置するスパイラルユニットに沈降する際の沈降点は、直下のスパイラルユニット上の上方側の端部付近にはなく、同一スパイラルユニット上の更に下方側に位置することとなる。前記沈降点に沈降した微生物塊はスパイラルユニットの上側面を伝って滑り降り、この動作を繰り返して最終的に汚泥床まで戻る。そのため、隣り合うスパイラルユニットの端部が周方向に角度を隔てて位置する場合には、微生物塊はスパイラルユニットの全ての上側面を伝わって滑り降りることがないため、その移動距離が短縮される。その結果、隣り合うスパイラルユニットの端部が周方向に角度を隔てて位置していない構成のスパイラル板に比べ、気泡が剥がれた微生物塊をより迅速に汚泥床に戻すことができる。これにより、リアクター容器下層部の汚泥床の微生物塊をより多く保持して生物処理が行えるため廃水処理の効率の更なる向上に寄与する。
請求項4の発明に係わる廃水処理装置は、請求項1乃至3の発明において、前記スパイラル板の下側面に、気泡および気泡付着微生物塊の上昇の障害となる邪魔板を設けることを特徴とする。
請求項4の発明に係わる廃水処理装置では、請求項1乃至3の発明の作用に加え、スパイラル板の下側面に気泡および気泡付着微生物塊の上昇の障害となる邪魔板を設けることにより、一定量以上の気泡および気泡付着微生物塊が留まると気泡塊として邪魔板から一気にスパイラル板下側面を上昇し、急激な上昇流が生成される。この上昇流による気泡塊は、スパイラル板下側面を上昇しながら順次連鎖的にスパイラル板の上方側に位置する邪魔板の気泡塊を巻き込み上昇することが望ましい。そのため、気泡付着微生物塊に上昇する気泡が激しく衝突し、微生物塊に付着した気泡が分離しやすくなる。その結果、リアクター下部の汚泥床への微生物塊の戻りが迅速になり、廃水の処理効率向上を図れる。ここで、邪魔板とは、スパイラル板下側面に沿って上昇する気泡付着微生物塊や気泡の上昇の障害となるものとし、極端に上昇流を妨げない高さを有する板状の部材であり、この部材における自由端側の形状は、直線状で平坦なものや鋸状のものが利用できる。
請求項5の発明に係わる廃水処理装置は、請求項1乃至4の発明において、前記リアクター容器の下層部に沈殿された微生物塊から成る汚泥床中に、スパイラル板を設けたことを特徴とする。
請求項5の発明に係わる廃水処理装置では、請求項1乃至4の発明の作用に加え、スパイラル板を汚泥床中に設けることにより、リアクター容器に流入する廃水はスパイラル板に沿って汚泥床内を移動する。その結果、汚泥床中での廃水が垂直方向に短時間で抜けてしまう短絡流を防止し、汚泥床内で廃水と微生物塊との接触時間を延ばすことが可能となり、接触混合効果の向上が図れる。また、廃水をスパイラル板に沿って強制的に導くことにより、高SSの廃水等の流れに淀みがなくなり、これに起因するリアクター容器の閉塞を抑制し、汚泥床中での接触混合効果が上がる。さらに、廃水の注入方法に係わらず、廃水の短絡流を防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、処理装置の内部に螺旋状のスパイラル板を配置しGSSの機能を持たせることにより、気泡が付着した微生物塊から気泡を効率的に分離し、また、気泡と沈降する微生物塊の接触を最小限にすることにより微生物塊の微細化による処理水への流出を防止することにより、廃水処理効率を低下させることなく処理水質が安定した高負荷運転可能な廃水処理装置を提供できる。
また、上昇する気泡が沈降する微生物塊に付着して気泡付着微生物塊として再び上昇することを抑制することができる。その結果、微生物塊の破砕を抑制することができるとともに、微生物塊の沈降効率が向上する。
本発明による廃水処理装置の第1の実施の形態を示す概略図(側面図) 本発明による廃水処理装置の第1の実施形態のリアクター内部拡大図 本発明による廃水処理装置の第2の実施の形態を示す概略図(側面図) 本発明による廃水処理装置の第2の実施形態のリアクター内部拡大図 本発明による廃水処理装置の第3の実施の形態を示す概略図(側面図) 本発明による廃水処理装置の第3の実施の形態を示す概略図(平面図) 本発明による廃水処理装置の第3の実施の形態の他例を示す概略図(平面図) 本発明による廃水処理装置の第4の実施の形態を示す概略図(側面図) 本発明による廃水処理装置の第5の実施の形態を示す概略図(側面図) 本発明による廃水処理装置の第6の実施の形態を示す概略図(側面図)
以下、図面を参照にして本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1および図2は本発明による廃水処理装置の第1の実施の形態を示す図である。
図1に示すように、廃水処理装置100は、リアクター容器1と、リアクター容器1内の下層部に保持された微生物塊からなる汚泥床9と、リアクター容器1の軸心部にリアクター容器1の下部から上部まで設置した柱2と、このリアクター容器1の内壁と柱2との間にリアクター容器1内の汚泥床9の上面9aからリアクター容器1内の気液界面下まで螺旋状に設置したスパイラル板3と、を有する。このスパイラル板3の上下側面は、リアクター容器1の底辺に対して、例えば10〜60度の角度でリアクター容器1の上部に向かって螺旋状に形成される。なお、前記角度は、気泡10,気泡付着微生物塊12,微生物塊11が支障なくスパイラル板3に沿って移動できる程度にあり、かつ、急角度すぎて微生物塊11が破砕されなければよく、設計により適宜決定される。また、スパイラル板3の上下側面は、柱2(軸心)側とリアクター容器1内壁側とが同一の高さとする。さらに、スパイラル板3の上下間隔は、気泡付着微生物塊12と微生物塊11が対向移動しても接触せず、相互干渉しない幅を持つ必要があることから、微生物塊11の大きさである1〜5mm程度の最大値の2倍となる10mm以上を最低限とし、リアクター容器1に投入する微生物塊11の大きさに基づき、気泡10と微生物塊11の動作が相互干渉しないように適宜設計される。なお、スパイラル板3をリアクター容器1の内壁のみで固定すれば、前記柱2は省略可能である。柱2を省略する場合は、気泡10および気泡付着微生物塊12がスパイラル板3の下側面から外れて短絡上昇しないようにスパイラル板3の半径の幅をリアクター容器1の半径以上とすることが好ましい。
廃水6は、流入ポンプ5により、リアクター容器1の下部からリアクター容器1内の汚泥床9に注入され、リアクター容器1で処理された処理水7はリアクター容器1の上部から外へ排出される。処理水7の排出方法としては、例えば、リアクター1容器の気液界面の内壁にSSトラップ4を設け、SSトラップ4を越流した処理水7を排出する方法等が挙げられる。
図2は、リアクター容器1内に配置されたスパイラル板3を示し、気泡10,気泡付着微生物塊12,気泡10が分離された微生物塊11の移動方向を説明するためにリアクター容器1内部を拡大した概念図である。
図2において、10は気泡,11は微生物塊,12は気泡付着微生物塊,13は気泡10および気泡付着微生物塊12の移動方向,14は微生物塊11の移動方向,16は気泡分離後の微生物塊11の沈降方向を示す。
次に、図1,図2により、このような構成からなる第1の実施の形態の作用について説明する。
廃水6は、流入ポンプ5により、リアクター容器1下部からリアクター容器1内の汚泥床9に注入される。リアクター容器1の下部から注入された廃水6は、汚泥床9にて、微生物塊11と接触混合されることにより生物処理を受ける。汚泥床9から生物処理に伴い発生したガスは気泡10となり、微生物塊11に付着して浮力を与えリアクター容器1内を上昇する。汚泥床9から上昇する気泡10や気泡付着微生物塊12は螺旋状のスパイラル板3の下側面に沿って、気泡10および気泡付着微生物塊12の移動方向13にしたがって上昇する。この際に、気泡10による流動,衝突やスパイラル板3との接触衝撃などにより微生物塊11から付着した気泡10が分離されると、気泡分離後の微生物塊の沈降方向16に示すように微生物塊11は前記のスパイラル板3よりも下方に位置するスパイラル板3上側面に沈降する。そして、微生物塊11はスパイラル板3の上側面を伝わって滑り降り、最終的にリアクター容器1下層部の汚泥床9に戻り、ここで再度、廃水6と混合接触し生物処理に寄与することとなる。この際、微生物塊11はスパイラル板3の上側面を伝わって滑り降り、上昇して来る気泡10との衝突を避けられるため、破砕が最小限に抑えられる。さらに、この微生物塊11に上昇する気泡10が付着して再び上昇することがなく、沈降性の向上が図れる。すなわち、気泡10と気泡10が分離された微生物塊11とは、気泡10および気泡付着微生物塊12の移動方向13と微生物塊11の移動方向14のように、スパイラル板3を挟んで対向移動するため接触することがない。
リアクター容器1内のスパイラル板3で微生物塊11から分離された気泡10はリアクター容器1上部に設けられた空間8aに集合し、リアクター1の上部から発生ガス8として排気される。また、廃水6は、リアクター容器1内で処理され、スパイラル板3で微生物塊11を分離した後に、処理水7としてリアクター容器1から排出(例えば、SSトラップ4から越流して排出)される。
また、前記スパイラル板3に、軸心に設けられた柱2を貫装するか、またはスパイラル板3の半径の幅をリアクター容器1の半径以上とすることにより、気泡10および気泡付着微生物塊12がスパイラル板3の下側面から外れて短絡上昇することを抑制することができる。
[第2の実施の形態]
図3は本発明による廃水処理装置の第2の実施の形態を示す図である。
図4は、図3のリアクター容器1,柱2,スパイラル板31の他に、気泡10,気泡10を分離した微生物塊11,気泡付着微生物塊12を示し、また、気泡や微生物塊の移動を説明するため、気液分離後の微生物塊の沈降方向16を示す。また、図3で第2の実施の形態のスパイラル板31の固定方法を説明する。
本第2の実施の形態における廃水処理装置100の構成は、スパイラル板31の形状を除き、第1の実施の形態と同様である。前記スパイラル板31の上下側面は柱2(軸心)側からリアクター容器1内壁側へ向かって上方へ(例えば30度の角度で)傾斜している。なお、この角度は、気泡10,気泡付着微生物塊12,微生物塊11が支障なくスパイラル板3に沿って移動できる程度にあり、かつ、急角度すぎて微生物塊11が破砕されなければよく、設計により適宜決定される。
次に、このような構成からなる第2の実施の形態の作用について図3および図4を参照にしながら説明する。
第1の実施の形態との作用の違いは、第2の実施の形態において、スパイラル板31を上記のように構成することにより、気泡10および気泡付着微生物塊12の上昇流と、微生物塊11の下降流をリアクター容器1の径方向に分離できる。また、気泡10と気泡付着微生物塊12とがスパイラル板31のリアクター容器1の内壁付近に集合して上昇するため、第1の実施の形態に比べてより多く接触衝撃を受けることとなり、気固分離効果が向上する。さらに、気泡10が剥がれた微生物塊12は柱2付近に集合してスパイラル板31上側面を伝わって滑り降り、より迅速にリアクター容器1下層部の汚泥床9に戻り生物処理に寄与するため、処理効率の向上が期待できる。
[第3の実施の形態]
図5および図6は本発明による廃水処理装置の第3の実施の形態を示す図である。
図5に示すように、廃水処理装置100の構成は、スパイラル板32の形状,構成を除き、第1の実施の形態と同様である。前記スパイラル板32は、複数のスパイラルユニットから成るものが適用される。例えば、前記スパイラルユニットは、柱2を中心に始点から終点まで180度の部材を螺旋状に形成されたものが適用される。この際、隣り合うスパイラルユニットの端部は周方向にオーバーラップするように設置する。
図6は、廃水処理装置100の平面図を示し、リアクター容器1の周りに記された数字(1〜12)は、スパイラルユニットの端部の位置関係を説明するために図面上で記したものであり、時計の文字盤に相当する。
前記スパイラル板32は、3つのスパイラルユニットから成り、柱2を中心に始点から終点までの角度が180度のスパイラルユニットを、周方向に30度の角度をもってオーバーラップさせた廃水処理装置100を想定している。このような構成のスパイラル板32において、例えば、下方に配置されたスパイラルユニットは、始点となる端部が12時の方向に位置すると、反時計周りに旋回し終点となる端部の位置は6時の方向に位置する。中間に配置されたスパイラルユニットの始点となる端部は7時の方向に位置し、下方に配置されたスパイラルユニットの終点となる端部と、周方向に30度の角度をもってオーバーラップする。同様に、中間に配置されたスパイラルユニットは反時計回りに旋回し終点となる端部は1時の方向に位置するため、上方に配置されたスパイラルユニットの始点となる端部は2時の方向に位置し、周方向に30度の角度をもってオーバーラップする。そして、上方に配置されたスパイラルユニットは反時計回りに旋回して終点となる端部は8時の方向に位置する。このように、隣り合うスパイラルユニットの端部を周方向にオーバーラップさせて設けることにより、気泡10と気泡付着微生物塊12とが短絡して上昇することを抑制することができる。
また、前記複数のスパイラルユニットの旋回方向は、全てのスパイラルユニットが一定方向に形成されるものに限定されるものではなく、少なくとも一組の隣り合うスパイラルユニットの旋回方向を逆方向に形成(例えば、下方に位置するスパイラルユニットの旋回方向が下方から上方に向かって時計回りに形成されていたとすれば、上方に位置するスパイラルユニットの旋回方向は下方から上方に向かって反時計周りに形成)させてもよい。
図7は、隣り合うスパイラルユニット毎に旋回方向が逆方向となるように形成された廃水処理装置の平面図を示す。図7では、柱2を中心に始点となる端部から終点となる端部までの角度が180度の3つのスパイラルユニットを有し、その隣り合うスパイラルユニットの端部を周方向に30度の角度を隔てて位置させた廃水処理装置100を想定している。
このような構成のスパイラル板32において、例えば、下方に配置されたスパイラルユニットは始点となる端部が12時の方向に位置すると、反時計周りに旋回し終点となる端部の位置は6時の方向に位置する。中間に配置されたスパイラルユニットの始点となる端部は5時の方向に位置し、下方に配置されたスパイラルユニットの終点となる端部と、周方向に30度の角度を隔てて位置する。そして、中間に配置されたスパイラルユニットは時計回りに旋回し終点となる端部は11時の方向に位置するため、上方に配置されたスパイラルユニットの始点となる端部は12時の方向に位置し、周方向に30度の角度を隔てて位置する。そして、上方に配置されたスパイラルユニットは反時計回りに旋回し終点となる端部は6時の方向に位置する。
上記のように、隣り合うスパイラルユニットの端部が周方向に角度を隔てて位置することにより、気泡10と気泡付着微生物塊12が短絡して上昇することを抑制することができる。ただし、ここでは、隣り合うスパイラルユニットの端部が隔てられる周方向の角度を30度としたが、気泡10と気泡付着微生物塊12は、下方に位置するスパイラルユニットから上方に位置するスパイラルユニットに上昇する際、気液の上昇気流と共に反転し激しく乱れることとなる。そのため、気泡10と気泡付着微生物塊12とが短絡して上昇することを確実に抑制するために、隣り合うスパイラルユニットの端部が隔てられる周方向の角度は30度以上とし、好ましくは90度程度とするとよい。
なお、図6,図7では特定の構成のスパイラル板32について記載したが、スパイラルユニットの数,スパイラルユニットの始点となる端部から終点となる端部までの角度,隣り合うスパイラルユニットが周方向にオーバーラップする角度,スパイラルユニットの旋回方向,隣り合うスパイラルユニットの端部が隔てられる周方向の角度等は、リアクター容器1のサイズ等により適宜設計される。また、各々のスパイラルユニットの端部における段差は、微生物塊11の大きさと同等以上で、微生物塊11が破砕されない範囲で適当に設計される。
次に、このような構成からなる第3の実施の形態の作用について説明する。
第1の実施の形態との作用の違いは、第3の実施の形態においては、スパイラル板32を上記のように構成することにより、各スパイラルユニットの端部における段差で上昇する気泡付着微生物塊12が、スパイラル板32に衝突する衝撃で気泡10がより分離しやすくなる効果がある。これにより、リアクター容器1下層部の汚泥床9へ微生物塊11が迅速に戻り生物処理に寄与するため、廃水処理の効率が向上する。
また、前記スパイラル板32において、少なくとも一組の隣り合うスパイラルユニットの旋回方向を逆方向に形成させた場合、気泡10および気泡付着微生物塊12を伴う上昇流は、その旋回方向が逆方向に形成されたスパイラルユニットの端部で反転し激しく乱れることとなる。その結果、旋回方向が一定方向に形成されたスパイラルユニットのように一様な上昇流の場合と比較して、反転による上昇流の激しい乱れによって気泡付着微生物塊12から気泡10および微生物塊11が振り落とされ、気泡付着微生物塊12から気泡10が分離されやすくなり、気固分離効率のさらなる向上が図れる。
さらに、隣り合うスパイラルユニットの端部が周方向に角度を隔てて位置するようにスパイラル板32を構成することにより、気泡10が剥がれた微生物塊12がスパイラルユニットの端部から下方に沈降する際の沈降点は、直下のスパイラルユニット上の上方側の端部付近にはなく、同一スパイラルユニット上の更に下方側に位置することとなる。(ただし、この沈降点の位置はスパイラルユニットの始点となる端部から終点となる端部までの角度と、隣り合うスパイラルユニットの端部が隔てられる周方向の角度によって異なる。例えばスパイラルユニットの始点となる端部から終点となる端部までの角度が360度,隣り合うスパイラルユニットの端部が隔てられる周方向の角度が30度の場合、沈降点は直下のスパイラルユニット上の下方側に位置する。一方、前記スパイラルユニットの始点となる端部から終点となる端部までの角度が270度,隣り合うスパイラルユニットの端部が隔てられる周方向の角度が90度の場合、沈降点は直下のスパイラルユニット上には存在せずに更に下方のスパイラルユニットに位置する。)前記沈降点に沈降した微生物塊12はスパイラルユニットの上側面を伝って滑り降り、この動作を繰り返して最終的に汚泥床9まで戻る。
そのため、隣り合うスパイラルユニットの端部が周方向に角度を隔てて位置する場合には、微生物塊12はスパイラルユニットの全ての上側面を伝わって滑り降りることがなく、その移動距離が短縮される。その結果、隣り合うスパイラルユニットの端部が周方向に角度を隔てて位置していない構成のスパイラル板32に比べ、気泡10が剥がれた微生物塊12をより迅速に汚泥床9に戻すことができる。これにより、リアクター容器1下層部の汚泥床9の微生物塊12をより多く保持して生物処理が行えるため廃水処理の効率の更なる向上に寄与する。
[第4の実施の形態]
図8は本発明による廃水処理装置の第4の実施の形態を示す図である。
廃水処理装置100の構成は、スパイラル板3の下側面に気泡10および気泡付着微生物塊12の上昇の障害となる邪魔板15を固定することを除き、第1の実施の形態と同様である。スパイラル板3は、柱2を中心に螺旋状に設置され、そのスパイラル板3の下側面に気泡10および気泡付着微生物塊12の上昇の障害となる邪魔板15が設けられる。前記邪魔板15の設置間隔は、リアクター容器1の大きさや微生物塊11の大きさに基づいて適当に設計され、例えば、スパイラル板3の始点から柱2を中心に60度毎に等間隔で設けられる。なお、邪魔板15の設置間隔は、設計により適宜決定され、順次間隔を広げる(あるいは、狭める)など等間隔でなくても良い。
邪魔板15で気泡10および気泡付着微生物塊12を保持できる限界量以上となり、気泡10および気泡付着微生物塊12がスパイラル板3の下側面を上昇する際に、気泡付着微生物塊12の気固分離が期待できる上昇速度となるように、気泡10および気泡付着微生物塊12を貯留するが、邪魔板15の高さは、廃水やガス(気泡)の種類および界面張力等に応じて適当に設計される。さらに、邪魔板15の高さは気泡10と気泡付着微生物塊12が邪魔板15を越えて一気にスパイラル板3を上昇する際に、気泡付着微生物塊12が破砕しない程度の高さとする。
スパイラル板3に取り付ける邪魔板15の幅はスパイラル板3と同一で柱2とリアクター容器1の間を隙間なく設置される。また、邪魔板15の自由端は、鋸状にしてもよく、邪魔板15で一端貯留した気泡10や気泡付着微生物塊12を、少量ずつ邪魔板15を越える改良をすることにより、微生物塊11の破砕を抑制することもできる。上記現象(気泡10および気泡付着微生物塊12が邪魔板15を越える現象)は連鎖的に発生することが望ましく邪魔板15の貯留量を調整することによって達成できる。
次に、このような構成からなる第4の実施の形態の作用について説明する。
第1の実施の形態との作用の違いは、第4の実施の形態においては、スパイラル板3に邪魔板15を設置することにより、邪魔板15が気泡10や気泡付着微生物塊12の上昇の障害となり一旦貯留される。そして、邪魔板15で保持できる限界量以上となると、気泡10や気泡付着微生物塊12は、邪魔板15を越えスパイラル板3の下側面に沿って一気に上昇する。気泡10および気泡付着微生物塊12が邪魔板15を越える際、急激な上昇流が生成され、この上昇流により気泡付着微生物塊12から気泡10がさらに分離される。
すなわち、気泡付着微生物塊12とともに気泡10が邪魔板15により捕捉され大きな気泡に成長してから上昇するため上昇速度が増し微生物塊11に与える衝撃がより強くなり気固分離効果が増大する。
さらに、下方に位置する邪魔板15において、気泡10および気泡付着微生物塊12が邪魔板15を越えると、気泡10がスパイラル板3の下側面に沿って上昇し、上方に位置する邪魔板15に急激な上昇流を伴って到達する。これによる衝撃により上方に位置する邪魔板15に貯留されている気泡10および気泡付着微生物塊12も連鎖的に邪魔板15を越えることが好ましい。この現象が上方に位置する各邪魔板15に向かって連鎖的に発生すると、気泡付着微生物塊12から気泡10が格段に分離しやすくなるため、さらなる気固分離効率の上昇が期待できる。
[第5の実施の形態]
図9は本発明による廃水処理装置の第5の実施の形態を示す図である。
廃水処理装置100の構成は、第1の実施の形態において、スパイラル板3を汚泥床9中まで延長し設置したものである。
次に、このような構成からなる第5の実施の形態の作用について説明する。
第1の実施の形態との作用の違いは、第5の実施の形態において、スパイラル板3を汚泥床9中まで延長し設置することにより、リアクター容器1へ流入する廃水6を、スパイラル板3に沿って汚泥床9内へ導く。すなわち、第1実施形態に比べて、廃水6の汚泥床9内で微生物塊11との接触時間を延ばせるため、結果として、汚泥床9中での廃水6が垂直方向に短時間で抜けてしまう短絡流を防止でき、汚泥床9中で微生物塊11との接触混合効果が上がる。また、廃水6の注入方法としては、リアクター容器1の底部の複数箇所から上方へ行う方法や、リアクター容器1の下部側面から汚泥床9の水平方向に向かって行う方法等が挙げられるが、廃水6の注入方法に係わらず、廃水6をスパイラル板3に沿って強制的に導くことにより、高SSの廃水等の流れに淀みがなくなり、これに起因するリアクター容器1の閉塞を抑制することができ、汚泥床9中での接触混合効果が上がる。なお、スパイラル板3は、汚泥床9中まで延長したものについて説明したが、汚泥床9中の部分は分割設置したものでもよい。
[第6の実施の形態]
図10は本発明による廃水処理装置の第6の実施の形態を示す図である。
廃水処理装置100の構成は、第1の実施の形態において、汚泥床9中に半円形状のスパイラル板32を設置したものである。このスパイラル板32は、第3の実施の形態のスパイラル板32と同一である。
第1の実施の形態の作用との違いは、第6の実施の形態においては、スパイラル板32を汚泥床9中に設置することにより、リアクター容器1へ流入する廃水6を、スパイラル板32に沿って汚泥床9内へ導く。すなわち、第1の実施の形態に比べて、廃水6の汚泥床9中で微生物塊11との接触時間を延ばせるため、結果として、汚泥床9中での廃水6の短絡流を防止でき、汚泥床9中での微生物塊11との接触混合効果が上がる。また、スパイラル板32が複数のスパイラルユニットから形成されていることにより、廃水6をスパイラル板32に沿って強制的に導き、高SSの廃水等の流れに淀みがなくなり、これに起因するリアクター容器1の閉塞を抑制することができ、汚泥床9中での接触混合効果が上がる。さらに汚泥床9内の気泡10および気泡付着微生物塊12をスパイラル板32の端部の段差を利用することで、気泡10が分離しやすくなり、気泡付着微生物塊12が汚泥床9から上昇することによる汚泥床9中の微生物塊11の減少を抑制でき、生物処理効率の向上が図れる。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
例えば、リアクター容器1は、円柱状の密閉構造を例示したが、形状は円柱状に限らず、角柱状などリアクター容器1の横断面が多角形でもよい。また、ガス回収不要ならば開放構造でもよい。
また、リアクター容器1,柱2,スパイラル板3,31,32の材質は、コンクリート,金属や樹脂等で耐腐食性のものが使用可能である。
また、第3の実施の形態では、スパイラル板32を始点から終点まで180度のものについて記載したが、始点から終点までの角度は設計により適宜決定される。
さらに、第1〜6の実施の形態では、一重のスパイラル板のみについて詳細に説明したが、リアクター容器1のサイズや廃水処理装置の負荷等に応じて二重以上のスパイラル板を適用し、多重螺旋構造としてもよい。すなわち、スパイラル板の始点をずらすことにより、二重以上のスパイラル板を設けることができ、リアクター容器1内の空間を2つ以上に分割することが可能となる。その結果、気固分離効果が向上し、廃水処理装置の機能が上昇される。
1 リアクター容器
2 柱
3,31,32 スパイラル板
4 SSトラップ
5 流入ポンプ
6 廃水
7 処理水
8 発生ガス
8a リアクター容器上部に設けた空間
9 汚泥床
9a 汚泥床の上面
10 気泡
11 微生物塊
12 気泡付着微生物塊
13 気泡および気泡付着微生物塊の移動方向
14 微生物塊の移動方向
15 邪魔板
16 気泡分離後の微生物塊の沈降方向

Claims (5)

  1. 微生物塊を下層部に沈殿させたリアクター容器を備え、リアクター容器の下方部の注入口から注入された廃水を前記微生物塊によって生物処理し、生物処理後の処理水を処理水流出部から排出する廃水処理装置であって、
    前記注入口側から流出部側に向かって螺旋状のスパイラル板を設け、
    前記スパイラル板には、リアクター容器の軸心に設けられた柱が貫装され、
    前記スパイラル板の上下側面は、軸心側からリアクター容器内壁側へ向かって上方へ傾斜していることを特徴とする廃水処理装置。
  2. 前記スパイラル板は、複数のスパイラルユニットから成り、隣り合うスパイラルユニット間の端部は周方向にオーバーラップしていることを特徴とする請求項1記載の廃水処理装置。
  3. 前記スパイラル板は、複数のスパイラルユニットから成り、少なくとも一組の隣り合うスパイラルユニットは旋回方向が逆方向に形成され、その隣り合うスパイラルユニットの端部は周方向に角度を隔てて位置することを特徴とする請求項1記載の廃水処理装置。
  4. 前記スパイラル板の下側面に、気泡および気泡付着微生物塊の上昇の障害となる邪魔板を設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の廃水処理装置。
  5. 前記リアクター容器の下層部に沈殿された微生物塊から成る汚泥床中に、スパイラル板を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の廃水処理装置。
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