JP5417921B2 - 研磨装置 - Google Patents
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Description
このような構成の連続溶融金属めっき装置を用いて、帯状体Sに溶融亜鉛Zをめっきする工程を連続して長時間行うと、めっき浴の一部が酸化してドロスと呼ばれる不純物が生成され、めっき浴中に懸濁するようになる。このドロスが各浴中ロールの周面に付着すると、各浴中ロールに接触する帯状体Sに転写され、製造された溶融金属めっき鋼板に押し疵という欠陥を生じさせる。
図7は、特許文献1に開示された研磨装置の構成を示す概略図である。図7(a)及び(b)に示すように、研磨装置116は、ワイパブレード部110と、ワイパブレード部110を支持する支持部材114と、支持部材114をサポートロール4の軸方向へ往復移動(以下、オシレート移動と呼ぶ)させる駆動手段115とを有する。
ここで、連続溶融金属めっき装置を用いて帯状体Sに溶融亜鉛Zをめっきする工程では、帯状体Sの板形状及び板振動が刻々と変化するため、これらが変化するたびにサポートロール4,5のいずれか一方をオフセット移動させる必要がある。また、研磨装置116に設けられたワイパブレード部110も鋼板表面に押し疵を発生させないために、サポートロール4の周面に対して、常時オシレート移動させる必要がある。
前記ブレード部を、略上下方向に延びるアーム部の下端部に対して、ヒンジ部を介して少なくとも上下方向に回動可能に支持してなり、
前記ブレード部が、前記ロールの周面に当接する底面及びこの底面に直接連結され、この底面に対して傾斜した傾斜面を有する本体部と、前記傾斜面に設けられ、前記ブレード部の底面を前記ロールの周面に押圧させる錘部とを有することを特徴としている。
0.3≦H/A≦1.3・・・・・式(1)
1/4≦I/L≦3/4・・・・・式(2)
本発明のうち請求項2に係る研磨装置によれば、前記錘部が、前記傾斜面に対して前記ブレード部の回動方向に50°〜150°をなす付勢面を有し、かつ上記式(1)及び式(2)を満たすことにより、錘部に形成された付勢面に誘導されためっき液の流れがブレード部の斜面を前記ロールの周面方向に付勢する。したがって、ブレード部の底面をサポートロールの周面により強く押圧させることができるので、ブレード部の底面がサポートロールの周面から浮くことを防ぎ、研磨力の低下を防ぐことができる。
以下、本発明に係る研磨装置の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る研磨装置の第1の実施形態における構成を示す概略図である。
図1に示すように、連続溶融金属めっき装置1は、溶融金属として溶融亜鉛Zを貯留しためっき浴槽2と、このめっき浴槽2内に設置された浴中ロールとして、シンクロール3、及び一対のサポートロール4,5とを有する。シンクロール3はめっき浴槽2中に導入される帯状体Sを案内するロールである。一対のサポートロール4,5は、シンクロール3の上方において、それぞれの軸の高さを相互にずらして配置される。サポートロール4,5は、案内された帯状体Sのパスや形状を矯正する矯正用ロールである。
一対のサポートロール4,5の少なくともいずれか一方は、帯状体Sの原板形状、板厚の変化による溶融亜鉛Zの付着量、分布、及び板振動を最適化するためにオフセット移動させることができる。
各浴中ロールには、研磨装置10,20,30が設置されている。研磨装置10は、シンクロール3の周面に対してオシレート移動する研磨装置である。研磨装置20は、サポートロール4の周面に対してオシレート移動する研磨装置である。研磨装置30と、サポートロール5の周面に対してオシレート移動する研磨装置である。
研磨装置20は、ブレード部21と、アーム部22と、連結片23と、ヒンジ部24とを有する。ブレード部21は、傾斜面21a及び底面21bを有し、該底面21bがサポートロール4の周面に当接する。連結片23は、ブレード部21に接続され、ヒンジ部24を介してアーム部22の一方(下端部)と連結される。すなわち、少なくとも上下方向にブレード部21が回動可能となるようにアーム部22と連結片23とがヒンジ部24によって連結されている。また、連結片23の長さは、当接部4aにおけるブレード部21の付勢力を考慮して設定されることが好ましい。当接部4aよりも下方にヒンジ部24を位置させ、連結片23を長くすることにより、アーム部22の回転モーメントが増大し、ブレード部21の自重のみによらず、ブレード部21をサポートロール4の周面に所定の圧力で付勢させることができる。
シンクロール3、サポートロール4、5、アーム部12の他方、アーム部22の他方(上端部)、及びアーム部32の他方は、連続溶融金属めっき装置1の上方に架設されたフレームにそれぞれ独立して固定されている。これらのうち、アーム部12の他方、アーム部22の他方、及びアーム部32の他方は、それぞれをオシレート移動させる駆動手段(図示せず)に接続される。
図2は、本発明に係る研磨装置の第1の実施形態におけるブレード部31の構造を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図である。また、図2(c)〜(f)は、ブレード部31の変形例の構造を示す図である。図2(a)及び図2(b)に示すように、ブレード部31は、本体部31aと錘部100とを有する。錘部100は、ロール5の周面に当接する本体部31aの底面31bに対して角度ψで傾斜した傾斜面31cに設置されている。錘部100は、めっき浴槽2内において、ヒンジ部34でブレード部31を下方に回転せしめる重さを有する部材である。
なお、傾斜面31cに対して付勢面100aがなす角度θは、50°≦θ≦150°を満たす範囲である。θが50°未満であると、付勢面100bで浴の流れを捉えられず、ブレード部31をロール5の周面5aに付勢させる付勢力が充分に与えられない結果、研磨能力が著しく落ちる。また、θが150°を超えると、操業中にブレード部31が浮き上がるため、研磨能力が著しく低下する。
さらに、錘部100は、ブレード部31と一体に形成されてもよい。例えば、略直方体形状の基材の前側(傾斜面31cを形成する側)を放電加工などで掘削することにより傾斜面31cと付勢面100aとが所定の角度θをなすような形状に形成してもよい。
図3に示すように、本実施形態では、錘部100の付勢面100aと上面100bとがなす角度をθ1とすると、前述の突出寸法Hと錘部100の厚み寸法Iとの関係は、H=I((1/tanθ1)+(1/tanψ))と表すことができ、ブレード部31の厚み寸法Lと錘部100の厚み寸法Iとの比(I/L)は、1/4≦I/L≦3/4を満たす。
図4(a)〜図4(c)は、本発明に係る研磨装置の第1の実施形態における動作を示す概略図である。図4(a)に示すように、サポートロール5がオフセット移動する前では、サポートロール5の周面に研磨装置30のブレード部31が当接するように、ヒンジ部34によってアーム部32及び連結片33が所定の角度をなして連結されている。そして、ヒンジ部34がサポートロール5の周面における当接部5aよりも下方に位置し、かつブレード部31に設けられた錘部100の自重によって、ブレード部31は、サポートロール5の周面に、より高い押し付け圧で付勢しながらオシレート移動する。
まず、上述した研磨装置において、角度ψ=30°、ブレード部31の厚み寸法L及び錘部100の厚み寸法Iの比(I/L)を1/2とし、ブレード部31の傾斜面31cと錘部100の付勢面100aとのなす角度θと、突出寸法A及び突出寸法Hの比(H/A)とを、表1に示すように変化させた場合の摩耗量を測定した。測定された摩耗量の結果を表1に示す。
また、他の比較例として、錘部100をブレード部31のいずれの面にも設けない比較例1(図5(a)参照)、錘部100をブレード部31の側面31eに設けた比較例2(図5(b)及び図5(c)参照)についても摩耗量を測定した。比較例1及び比較例2において測定された摩耗量の結果を表3に示す。
また、上記実施形態では、めっき浴槽2の浴面に近いサポートロール5に対して設置される研磨装置30について説明したが、めっき浴槽2の浴面から深く離れたサポートロール4に対して設置される研磨装置20に適用してもよい。
2 めっき浴槽
3 シンクロール
4 サポートロール
4a 当接部
5 サポートロール
20 研磨装置
30 研磨装置
31 ブレード部
32 アーム部
33 連結片
34 ヒンジ部
100 錘部
S 帯状体
Z 溶融亜鉛
Claims (2)
- めっき浴槽内のめっき液に浸漬されたロールであって、帯状体を案内するロール、及び帯状体の厚さ方向に進退可能なロールの周面に当接して前記ロールの周面に付着した付着物を除去するブレード部を備えた研磨装置において、
前記ブレード部を、略上下方向に延びるアーム部の下端部に対して、ヒンジ部を介して少なくとも上下方向に回動可能に支持してなり、
前記ブレード部が、前記ロールの周面に当接する底面及びこの底面に直接連結され、この底面に対して傾斜した傾斜面を有する本体部と、前記傾斜面に設けられ、前記ブレード部の底面を前記ロールの周面に押圧させる錘部とを有することを特徴とする研磨装置。 - 前記錘部が、前記傾斜面に対して前記ブレード部の回動方向に50°〜150°をなす付勢面を有し、所定の基準位置から前記本体部の先端部までの突出寸法をA、前記基準位置から前記錘部の先端部までの突出寸法をH、前記本体部の厚み寸法をL、前記錘部の厚み寸法をIとしたとき、下記式(1)及び式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
0.3≦H/A≦1.3・・・・・式(1)
1/4≦I/L≦3/4・・・・・式(2)
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