JP5410777B2 - インサートレピア - Google Patents

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Description

本発明は、両側レピア織機に用いられるインサートレピアに関する。
一般に、両側レピア織機の緯入れは、給糸側に設けられるインサートレピアと、反給糸側に設けられるキャリアレピアとによって行われる。給糸体に連なる緯糸は、インサートレピアによってその先端を保持されて経糸開口内を織幅の中央まで搬送され、その位置において、反緯入方向から開口に挿入されたキャリアレピアに受け渡され、キャリアレピアによって反緯入れ側まで搬送される。
インサートレピアの構成として、インサートレピアとキャリアレピアとの相対的な移動によって緯糸が自然に受け渡されるように構成されるものがある(例えば、特許文献1)。インサートレピアでは、安定した緯入れのために、緯糸を保持する機能と、経糸開口内を走行時に誤って経糸(特に、開口不良の経糸)を保持することのないように経糸をかき分ける機能とが要求される。
図16は、両側レピア織機で用いられる、従来のインサートレピアの一例を示している。ここで本明細書では、インサートレピアについて、経糸開口内に最初に進入する側を先端側(緯入れ側)とし、逆に経糸開口内から最初に退避する側を基端側(反緯入れ側)として捉えることとする。このインサートレピア81では、緯糸20を保持する緯糸保持部83は、レピアヘッド82の底部85に配置されている。緯糸保持部83は、上下に配置したキャッチベース83aおよびキャッチ片83bとから構成されており、それらは対向面83f,83eを互いに対向させている。キャッチベース83a、キャッチ片83bは、対向する対向面83f,83eの隙間がインサートレピアの先端側から基端に進むにつれて縮小するように設けられていて、対向する対向面83f,83eの間に緯糸保持可能なくさび状の隙間83cを形成している。キャッチベース83a、キャッチ片83bのうち一方は、他方に弾性的に圧接されており、キャッチベース83aとキャッチ片83bとの間に導かれる緯糸20を隙間83cに挟んで保持する。またキャリアレピアへの緯糸受渡し時には、緯糸20が緯糸保持部83の隙間83cから引出されることを許容する。
また、経糸をかき分ける経糸かき分け部は、緯糸保持部83よりもレピアヘッド82の先端側(緯入方向側)に設けられている。具体的には、レピアヘッド82の前壁86および後壁87と、ヘッドカバー80の先端側の舌片部88とにより上側の経糸かき分け部を構成し、またレピアヘッド82の底部85の下面によって下側の経糸かき分け部を構成する。前壁86および後壁87は、緯糸保持部83が設けられる位置よりもレピアヘッドの先端側の領域で、レピアヘッド82の底部85の幅方向の両側より上方に突出して設けられ、かつインサートレピア81の長手方向に延在する山型の形状を有している。前壁86および後壁87の稜線部には、頂部86aを有する上稜部86bおよび頂部87aを有する上稜部87bがそれぞれ形成されている。また、前壁86の先端側半部は、レピアヘッドの側方(経糸方向)から見て後壁87に対して重複するように設けられている。また、レピアヘッド82の底部85より先端側には、上下方向(肉厚方向)および前後方向に先細りに形成され、先端84に収斂する上側案内部84aおよび下側案内部84bが形成されており、上側案内部84aおよび下側案内部84bは、底部85の上面および下面にそれぞれ連続している。
また、レピアヘッド82は、キャリアレピアに緯糸を受け渡すために、緯糸20を張るヘッドカバー80を備えており、ヘッドカバー80と一体の舌片部88は、緯入方向、すなわち緯糸が挿入される方向へ延在する頂部88dを有している。この舌片部88の頂部88dは、レピアヘッド82の側方より見て、後壁87の頂部87aの高さよりも低く、かつレピアヘッド82の上方より見て前壁86と後壁87との間の領域に位置している。舌片部88は、緯糸保持部83よりも先端側に進むにつれて次第に前方向に向きを変えつつ、その先端に位置する頂部88dに向けて徐々に連続して下降するように設けられている。
図17ないし図19は、緯糸保持部83に緯糸20を保持させる際に、レピアヘッド82が緯糸20を導入する様子を示している。経糸方向に対して所定角度で交差するように架け渡された緯糸20は(図17)、インサートレピア81の走行に伴って、最初に後壁87の上稜部87bに接し、次いで後壁87の上稜部87bに接しながら前壁86の上稜部86bに接し、その後前壁86の上稜部86bに接しながら後壁87の上稜部87bを離れる。そのように緯糸20は、インサートレピア81に対し基端方向へ相対的に移動していき、その過程で舌片部88の頂部88dへ到達する(図18)。このとき、前壁86と後壁87との間に上方より見て斜めに架け渡された前記緯糸20よりも舌片部88の頂部88dが上に位置するように前壁86、後壁87、舌片部88の形状が定められている。したがって、緯糸20は、後壁87と舌片部88との間の隙間89に入り込み、インサートレピア81の移動に伴って、前記隙間89内を相対的に反緯入方向(基端側)へ移動して緯糸保持部83に案内され、緯糸保持部83の二つの部材(キャッチベース83a、キャッチ片83b)間に食い込み、保持される(図19)。
図20ないし図22は、緯入れ時にインサートレピア81が開口不良の経糸21をかき分ける様子を示している。開口を形成する経糸21は、緯入方向(インサートレピア51の進入方向)に対し直交している(図20)。毛羽搦みによって開口が不完全な経糸21が生じたとき、インサートレピア81の走行経路上にある開口不良の経糸21は、インサートレピア81の移動に伴って、前壁86および後壁87のいずれか一方の上稜部86b、87bに接しながら、インサートレピア81に対し基端側に相対的に移動していき、やがて舌片部の頂部88dへ到達する(図21)。このとき、前壁86と後壁87との間に架け渡された前記経糸21よりも舌片部88の頂部88dが下に位置するように前壁86、後壁87、舌片部88の形状が定められている。このため、開口不良の経糸21は、舌片部88の上稜部88bに接触し、インサートレピア81の移動に伴って、舌片部88の上稜部88bおよびヘッドカバー80の上稜部によって上方へはね上げられ、緯糸保持部83に侵入することなくインサートレピア81の上方を通過する(図22)。
以上説明したインサートレピア81は、緯糸20の保持を弾性的に圧接された二つの部材(キャッチベース83a、キャッチ片83b)間に緯糸20を食い込ませることにより行い、また、緯糸20をキャリアレピアに受け渡す時のインサートレピア81からの緯糸20の開放は、緯糸20を受け渡されたキャリアレピアの相対的な後退により、二つの部材間(キャッチベース83a、キャッチ片83b)から自然に引き出されることにより実現している。また、経糸21をかき分け、緯糸20のみを緯糸保持部83に導入する機能は、糸の角度と、レピアヘッド82に設けられた前壁86、後壁87、舌片部88の位置関係によって実現している。このようにして、単純な構成で緯糸20の保持および受け渡し(開放)を実現しつつ、経糸、特に開口が不完全な経糸21を誤って緯糸保持部83に保持しないようにしている。
特開平02−269835号公報 特公昭46−20112号公報
しかし、前述したインサートレピア81では、緯糸20の保持を、弾性的に圧接された二つの部材(キャッチベース83a、キャッチ片83b)間に食い込ませて行うので、例えば、多数のモノフィラメントからなるマルチフィラメント糸など全体的にまとまりのない(ばらけやすい)緯糸20を保持する場合、緯糸全体が二つの部材の対向面83e,83fによってつぶされ、緯糸20を構成するフィラメントが平面的にばらけた状態でくさび状の隙間83cに食い込むことになる。また、隙間の大きいところではフィラメントの保持力が低下する結果、フィラメントのうち保持が比較的に完全なフィラメントに屈曲ストレスが集中的に加わってフィラメント折れが発生したり、保持後のインサートレピア81の走行中に緯糸20が裂けるなどの問題が生じる。
また、前述したインサートレピア81では、経糸21が緯糸保持部83に誤って進入しないようにするため、後壁87と舌片部88との間の隙間89は極力狭く設けられる。この結果、全体的にまとまりのない緯糸20、あるいは特殊な緯糸形状を有する緯糸(扁平糸などテープ状(幅広)の緯糸)では、緯糸全体が舌片部88に引っ掛かって前記狭い隙間89に入らないことがあり、緯糸保持部83まで案内できずに緯糸20のキャッチミスが発生し、織布の生産性を損なうという問題がある。
ところで、従来のインサートレピアには、緯糸保持部を積極的に開閉駆動するものも存在する(特許文献2)。かかるインサートレピアは、把持ヘッド(本願でいうレピアヘッド)の先端側に設けられるベース面と、これに対向する対向面を有しベース面を押圧する方向に付勢される把持レバー(本願でいうキャッチレバー)とを備えており、緯入れに先立ち、把持レバーを積極的に開閉駆動してベース面と対向面との間に把持させるものである。しかし、緯糸保持部(把持レバー)がインサートレピアの先端側に設けられるため、糊カスや風綿が緯糸保持部に滞留しやすく、把持ヘッドと把持レバーの噛み合わせが悪くなることもあり、万が一レピアヘッドの先端にある緯糸保持部がわずかでも開口したまま経糸開口内に進入することにでもなれば、毛羽搦みによって開口が不完全な経糸を引っ掛けて切断してしまうという問題もある。
そこで、本発明の課題は、後壁、前壁およびヘッドカバーによって緯糸のみを緯糸保持部に案内可能でかつキャリアレピアとの相対的な後退によって自然に緯糸を受渡し可能なインサートレピアを改良することにある。より詳しくは、多数のモノフィラメントからなるマルチフィラメント糸など全体的にまとまりのない(ばらけやすい)緯糸や、扁平糸などテープ状(幅広)の特殊な緯糸を、緯糸にダメージを与えることなく確実に緯糸保持部に案内し、かつ保持することができるようにしつつ、毛羽搦み等によって開口が不完全な経糸に対しても、正常な経糸をかき分ける場合と比較して何ら遜色のなく経糸をかき分けることのできるインサートレピアを提供することである。
上記課題を解決するために、両側レピア織機に用いられ、キャリアレピアに緯糸(20)を受け渡すインサートレピア(1)を以下のように構成した。すなわち、インサートレピア(1)は、レピアヘッド(2)と、レピアヘッド(2)の底部(5)に設けられる緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)とを備え、レピアヘッド(2)には、前記緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)よりもレピアヘッド(2)の先端側に、レピアヘッド(2)の底部(5)の両側より上方に突出する山型の後壁(7)および前壁(6)が設けられており、また、レピアヘッド(2)には、前記後壁(7)および前記前壁(6)よりも緯糸保持部(3)側から前記後壁(7)と前記前壁(6)との間の領域へ向かって延在する舌片部(8,38,48,58,68,78)が設けられており、レピアヘッド(2)の側方より見て、前記前壁(6)および前記後壁(7)は互いに一部が重複するように設けられている。前記舌片部の先端部分(8a,38a,48a,58a,68a,78a)は、上記同様に側方より見て、その頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)が前記重複する領域に位置しており、かつ前記舌片部(8,38,48,58,68,78)の先端部分の上稜部(8b,38b,48b,58b,68b,78b)は、前記舌片部の頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)から前記舌片部(8,38,48,58,68,78)の基端側に進むにつれて高さ方向に徐々に上昇するように形成されて、前記前壁(6)と前記後壁(7)と前記舌片部(8,38,48,58,68,78)とにより経糸かき分け部を構成している。そして、レピアヘッド(2)の側方より見て、前記舌片部(8,38,48,58,68,78)は、待機位置(P1)からレピアヘッド(2)の上方ないし基端方向のいずれかの退避位置(P2)へ移動可能に設けられるとともに、緯糸(20)が前記舌片部の頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)を通過する前に、前記舌片部(8,38,48,58,68,78)が前記退避位置(P2)へ移動される。
前記舌片部(8,38,58)を、上下方向に回動可能なレバー(13,35,37,39)の先端に設けてもよい。
前記緯糸保持部(3,53)を、レピアヘッド(2)の底部(5)に設けられるキャッチベース(3a)と、前記キャッチベース(3a)のベース面(3h)に対向する下向き面(3m,53m)を有し緯糸(20)を前記ベース面(3h)と前記下向き面(3m,53m)との間で保持するキャッチ片(3b,53b)とを備えるようにし、前記キャッチ片(3b,53b)を、上下方向に回動可能なレバー(13,37,39)として構成し、前記舌片部(8,58)を、前記キャッチ片(3b,53b)の側部に設けてもよい。
前記舌片部の先端部分(8a,58a)に、前記舌片部の頂部(8d,58d)から基端側に延在する下稜部(8c,58c)を形成し、前記舌片部の下稜部(8c,58c)は、レピアヘッド(2)の側方より見て、前記キャッチ片の下稜部(3e,53e)に連続するようにしてもよい。
前記キャッチベース(3a)のベース面(3h)と、前記キャッチ片(3b,53b)の下向き面(3m,53m)との間に進入方向に開口して緯糸(20)を保持するくさび状の隙間(3c,53c)を形成し、前記舌片部(8,58)の前記退避位置(P2)への移動によって前記キャッチ片(3b,53b)の下向き面(3m,53m)が前記キャッチベース(3a)のベース面(3h)から離間することによってそのくさび状の隙間(3c,53c)が拡がるように設けられるとともに、前記くさび状の隙間(3c,53c)における緯糸(20)の保持位置を決定する緯糸ストッパ(9)を前記キャッチベース(3a)の側部に設け、前記くさび状の隙間(3c,53c)に導入された緯糸(20)が前記舌片部の頂部(8d,58d)を通過した後前記緯糸ストッパ(9)によって係止したときに、緯糸(20)が前記キャッチ片(3b,53b)の下向き面(3m,53m)上に位置するように前記緯糸ストッパ(9)を設けてもよい。
好適には、前記緯糸ストッパ(9)を前記キャッチベース(3a)に対してレピアヘッド(2)の長手方向に相対的に位置調節可能に設けてもよい。
レピアヘッド(2)の後壁(7)が設けられる側の側部にレピアヘッド(2)の長手方向に延在するヘッドカバー(10,40,60)を設け、前記ヘッドカバー(10,40,60)を、上壁部(10a)と、上壁部(10a,40a,60a)の両側から下方に突出する後側の側壁部(10b,40b,60b)ならびに前側の側壁部(10c,40c,60c)とを有するように構成し、前記後側の側壁部(10b,40b,60b)にキャリアレピアに緯糸(20)を受け渡す際に緯糸(20)の位置を規制する緯糸ガイド(10f,40f,60f)を形成し、前記前側の側壁部(10c,40c,60c)にレピアヘッド(2)の先端側に進むにつれて徐々に下降する上稜部(10d,40d,60d)およびこれに連なる頂部(10e,40e,60e)を有しており、前記舌片部(8,38,48,58,68,78)が前記待機位置(P1)に位置する状態において、レピアヘッド(2)の側方より見て、前記舌片部(8,38,48,58,68,78)の先端部分の上稜部(8b,38b,48b,58b,68b)を、前記ヘッドカバー(10)の上稜部(10d,40d,60d)に連続するように設け、前記上壁部(10a,40a,60a)と、前記前側の側壁部(10c,40c,60c)と、前記舌片部(8,38,48,58,68,78)の先端部分の上稜部(8b,38b,48b,58b,68b,78b)と、後壁の上稜部(7b)とがレピアヘッド(2)の先端部(4)に連続するようにしてもよい。
前記舌片部(8,38,58)を、インサートレピア(2)の上方側より見て、前記ヘッドカバー(10)と前記キャッチ片(3b,33b,53b)との間に配置するとともに、前記舌片部(8,38,58)が前記退避位置(P2)へ移動した状態において、レピアヘッド(2)の側方より見て、舌片部の下稜部(8c,38c,58c)を後壁の上稜部(7b)に対して離間し、舌片部の下稜部(8c,38c,58c)と、前記後壁の上稜部(7b)および前壁の上稜部(6b)とによって、前記緯糸保持部(3,33,53)に通ずる緯糸通路(11)を形成してもよい。
前記レピアヘッド(2)の後壁(7)に、後壁の頂部(7a)よりレピアヘッド(2)の基端側へ突出する凸部(7c)を形成し、また前記凸部(7c)の下向きの稜線が先端側から基端側に転向してレピアヘッド(2)の底部(5)に連続されるように設けられていて、キャリアレピアに緯糸(20)を受け渡す際に緯糸(20)に当接する凹状の緯糸当接部(7d)を形成しており、前記舌片部(8,38,58)が前記退避位置(P2)へ移動した状態において、レピアヘッド(2)の側方より見て、ヘッドカバー(10)の下稜部(10g)および舌片部の下稜部(8c,38c,58c)を、前記後壁(7)の凸部(7c)と重複しないように設け、前記ヘッドカバーの下稜部(10g)と、前記舌片部の下稜部(8c,38c,58c)と、前記後壁(7)の凸部(7c)と、前記前壁の上稜部(6b)とによって、緯糸保持部(3,33,53)に通ずる緯糸通路(11)を形成してもよい。
前記舌片部(8,38,48,58,68,78)が前記待機位置(P1)にあるときの前記舌片部の頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)を、経糸方向に対し所定角度で延在し、かつインサートレピア(1)の走行に伴って前記後壁(7)の上稜部(7b)および前壁(6)の上稜部(6b)に接触しながら相対移動する緯糸(20)の位置よりも高い位置に設けてもよい。
前記舌片部(8,38)が設けられるレバー(13、35)の端部に、レピアヘッド(2)の上部に突出する受圧部(12,36)を設け、前記レバー(13,35)および前記舌片部の先端部分(8a,38a)を付勢手段(14)により待機位置(P1)に戻す方向に付勢し、レピア織機のインサートレピア(1)の走行経路上にオープナカム(17)を前記受圧部(12,36)に当接可能に配置し、緯糸(20)が前記舌片部の頂部(8d,38d)を通過する前に、前記受圧部(12,36)を前記配置されたオープナカム(17)に当接させることによって舌片部(8,38)を前記退避位置(P2)へ移動させてもよい。
前記レピアヘッド(2)に、変位可能な受圧部材(15)および前記受圧部材(15)の変位に連動して舌片部(8)を移動させる運動伝達部(16)を設け、前記舌片部(8)を、付勢手段(14b)によって待機位置(P1)へ戻す方向に付勢し、レピア織機のインサートレピア(1)の走行経路上にオープナカム(17)を前記受圧部材(15)に当接可能に配置し、緯糸(20)が前記頂部(8d)を通過する前に、前記受圧部材(15)を前記配置されたオープナカム(17)に当接させることによって変位させ、前記受圧部材(15)は、前記運動伝達部(16)を介して前記舌片部(8)を前記退避位置(P2)へ移動させるようにしてもよい。
前記舌片部(48)を、長手方向に延在しかつ長手方向の移動を許容するように支持されるスライドレバー(49)の先端に設けてもよい。
前記レピアヘッド(2)に、変位可能な受圧部材(41)および前記受圧部材(41)の変位に連動して舌片部(48)を移動させる運動伝達部(46)を設け、前記舌片部(48)を、付勢手段(42)によって待機位置(P1)へ戻す方向に付勢し、レピア織機のインサートレピア(1)の走行経路上にオープナカム(17)を前記受圧部材(41)に当接可能に配置し、緯糸(20)が前記頂部(48d)を通過する前に、前記受圧部材(41)を前記配置されたオープナカム(17)に当接させることによって変位させ、前記受圧部材(41)は、前記運動伝達部(46)を介して前記舌片部(48)を前記退避位置(P2)へ移動させるようにしてもよい。
本発明によれば、レピアヘッドの先端側に設けられた後壁(7)および前壁(6)と、その間に設けられた舌片部(8,38,48,58,68,78)とにより構成された経糸かき分け部を有するインサートレピア(1)において、確実に経糸をかき分ける効果に加えて、以下の効果を得ることができる。すなわち、緯糸を保持させる際に、緯糸(20)が前記舌片部の頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)を通過する前に、経糸かき分け部を構成する前壁(6)、後壁(7)、舌片部(8,38,48,58,68,78)のうち、舌片部(8,38,48,58,68,78)を退避位置(P2)へ移動させることで、前壁(6)および後壁(7)と、舌片部の先端部分(8a,38a,48a,58a,68a,78a)との間隔を拡げて(具体的には、舌片部の頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)との間口を拡げて)緯糸(20)を緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)に案内することができる。これにより、全体的にまとまりのない(ばらけやすい)緯糸(20)、あるいはテープ状の緯糸(20)のようなこれまで緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)までの導入が困難であった緯糸(20)であっても、緯糸(20)を舌片部(8,38,48,58,68,78)等に引っ掛けることなく確実に緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)に案内できる。このため、インサートレピア(1)が緯糸をキャッチミスする頻度が減少するため、織布生産性が向上する。
舌片部(8,38,58)を上下方向に回動可能なレバー(13,35,37,39)の先端に設けることにより、舌片部(8,38,58)を変位させる構成を簡略化したインサートレピア(1)を提供できる。より好適には、緯糸保持部(3,53)を、キャッチベース(3a)と、キャッチ片(3b,53b)との間で緯糸(20)を保持する構成とし、前記キャッチ片(3b,53b)を上下方向に回動可能なレバー(13,37,39)の一部として構成する。これにより、緯糸保持部(3,53)に緯糸(20)を導入する際に前記キャッチ片(3b,53b)と前記キャッチベース(3a)との間の間隔を広げることができるので、従来に比べてより緯糸保持部(3,53)の奥部に緯糸(20)を導入して緯糸(20)を全体的に保持することができる。このため、緯糸保持部(3,53)の隙間の狭い領域に緯糸(20)食い込ませて保持した場合に生じていた、緯糸(20)の一部のフィラメントにストレスが集中的に働くことに起因するフィラメント折れや緯糸が裂けるといった問題を解消できる。
より好適には、前記舌片部(8,58)を前記キャッチ片(3b,53b)の側部に設ける。これにより、キャッチ片(3b,53b)を移動させる構成を舌片部(8,58)と兼用することができるため、構成がより簡略化され、舌片部(8,58)の移動と同時にキャッチ片(3b,53b)を移動させることができる。
前記舌片部(8,58)をキャッチ片(3b,53b)の側部に併設するインサートレピア(1)において、舌片部の下稜部(8c,58c)を、レピアヘッド(2)の側方より見て、前記キャッチ片の下稜部(3e,53e)に連続するように設けた。これにより、舌片部(8,58)が前記退避位置(P2)に位置にある状態のレピアヘッド(2)の走行にともない、経糸(21)に対して所定角度で交差するように配置される緯糸(20)を、舌片部の下稜部(8c,58c)に接触させて案内し、緯糸(20)を確実に緯糸保持部(3,53)に導くことができる。
舌片部(8,58)をキャッチ片(3b,53b)の側部に併設するインサートレピア(1)において、さらに緯糸保持部(3,53)を構成するキャッチベース(3a)のベース面(3h)と、キャッチ片(3b,53b)の下向き面(3m,53m)との間に、レピアヘッド(2)の先端方向に向かって開口するくさび状の隙間(3c,53c)を形成し、緯糸導入時に舌片部(8,58)の退避位置(P2)への移動に伴ってキャッチベース(3a)のベース面(3h)に対して前記キャッチ片(3b,53b)の下向き面(3m)を離間させることができるから、緯糸(20)にストレスを与えることなく拡大されたくさび状の隙間(3c,53c)に緯糸(20)を導入できる。また、その後舌片部(8,58)の待機位置(P1)への移動に伴ってくさび状の隙間(3c,53c)が通常の隙間に戻されることによって前記導入される緯糸(20)をくさび状の隙間(3c,53c)に保持することができる。
舌片部(8,58)をキャッチ片(3b,53b)の側部に併設するインサートレピア(1)において、さらに、前記くさび状の隙間(3c,53c)における緯糸(20)の保持位置を決定する緯糸ストッパ(9)を前記キャッチベース(3a)の側部に設け、くさび状の隙間(3c,53c)に導入された緯糸(20)が緯糸ストッパ(9)によって係止したときに、緯糸(20)が前記キャッチ片(3b,53b)の下向き面(3m,53m)上に位置するようにした。これにより、緯糸(20)が、緯糸(20)を引き出し可能なくさび状の隙間(3c,53c)よりも奥にある緯糸保持部(3,53)の当接領域まで入り込んでしまうことを規制し、キャリアレピアへの緯糸受渡しの際に緯糸(20)を引き出すことができずに受渡しミスが発生するといった不都合を防止できる。さらに好適には、前記緯糸ストッパ(9)をキャッチベース(3a)やキャッチ片(3b、53b)に対して、言い換えれば前記くさび状の隙間(3c,53c)に対してレピアヘッド(2)の長手方向に相対的に位置調節可能に設ける。これにより、長手方向に進むにつれて漸減する前記くさび状の隙間(3c,53c)に対して緯糸(20)の保持位置を緯糸ストッパ(9)の位置により適切に設定でき、これにより、くさび状の隙間(3c,53c)に対する緯糸(20)の食い込み具合(言い換えればインサートレピア(1)の緯糸保持力)を調節できる。
前記舌片部(8,38,48,58,68,78)が待機位置(P1)に位置する状態において、レピアヘッド(2)の側方より見て、レピアヘッド(2)の緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)よりも先端側の投影形状がレピアヘッド(2)の先端部(4)に収斂する先細り形状となるようにレピアヘッド(2)の上稜部および下稜部が形成されている。より詳しくは、舌片部の先端部分の上稜部(8b,38b,48b,58b,68b,78b)は、ヘッドカバーの上稜部(10d,40d,60d)に連続するように設けられ、ヘッドカバーの上壁部(10d,40d,60d)と、ヘッドカバーの前側の側壁部(10c,40c,60c)と、前記舌片部の先端部分の上稜部(8b,38b,48b,58b,68b,78b)と、後壁の上稜部(7b)とがレピアヘッドの先端部(4)に連続している。これにより、インサートレピア(1)が経糸開口内に進入する方向に走行時、仮に毛羽搦みによる開口不良の経糸があっても、レピアヘッド(2)の先端部(4)より上側に案内された経糸(21)を、後壁の上稜部(7b)、舌片部の先端部分の上稜部(8b,38b,48b,58b,68b,78b)、ヘッドカバーの上壁部(10d,40d,60d)の順に順次連続的に案内させることができ、確実に開口不良の経糸(21)をかき分けることができる。
その上で、インサートレピア(1)に緯糸(20)を保持させる際に、緯糸(20)の導入に先立ち、舌片部(8,38,58)を退避位置(P2)へ移動させた状態において、レピアヘッド(2)の側方より見て、舌片部の下稜部(8c,38c,58c)は、後壁の上稜部(7b)に対して離間し、前記舌片部の下稜部(8c,38c,58c)と、前記後壁の上稜部(7b)及び前壁の上稜部(6b)との間に緯糸保持部(3,33,53)に通ずる緯糸通路(11)を形成する。これにより、従来のインサートレピアでは、緯糸保持部への安定した導入が困難であった全体的にまとまりのない(ばらけやすい)緯糸(20)やテープ状の緯糸(20)であっても、まとまった状態のまま上記開放された緯糸通路(11)を通じて緯糸保持部(3,33,53)に確実に案内でき、より確実に緯糸(20)を保持できる。
レピアヘッド(2)の後壁(7)には、後壁の頂部(7a)よりレピアヘッド(2)の基端側に突出する凸部(7c)により、底部(5)との間に凹状の緯糸当接部(7d)が形成されている。これにより、キャリアレピアがインサートレピア(1)から緯糸(20)を引き取るに際し、インサートレピア(1)側の緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)に保持された緯糸(20)を前記緯糸当接部(7d)に当接させて位置規制して引き出すため、緯糸(20)に過剰なストレスを与えることなく緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)から緯糸(20)を引出すことができる。さらに、インサートレピア(1)に緯糸(20)を保持させる際に、舌片部(8,38,58)が退避位置(P2)へ移動した状態において、レピアヘッド(2)の側方より見て、ヘッドカバーの下稜部(10g)および舌片部の下稜部(8c,38c,58c)は、前記緯糸当接部(7d)の凸部(7c)から離間するように設けられている。そして、上記同様に側方より見て、前記ヘッドカバーの下稜部(10g)と、前記舌片部の下稜部(8c,38c,58c)と、前記緯糸当接部(7d)の凸部(7c)と、前記前壁の上稜部(6b)とによって、緯糸保持部(8,33,53)に通じ、かつ進入方向に開放された緯糸通路(11)を形成し、さらに、舌片部の下稜部(8c,38c,58c)が、後壁(7)の凸部(7c)に近接する領域で凸部(7c)に重複しないように設けられる。これにより、舌片部(8,38,58)の移動量を大きくすることなく、緯糸保持部(8,33,53)への緯糸通路(11)を広くでき、確実に緯糸(20)を緯糸保持部(8,33,53)に案内して保持できる。
待機位置(P1)にある舌片部の先端部分の頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)は、経糸方向に対し所定角度をなすように配置される緯糸(20)がインサートレピア(1)の走行に伴って後壁の上稜部(7b)および前壁の上稜部(6b)に接触しながら相対移動するときの緯糸(20)の位置よりも高い位置に設けられている。これにより、これまで製織に支障がなかった通常の緯糸(まとまりのある緯糸)(20)を緯入れするときは、舌片部(8,38,48,58,68,78)を退避位置(P2)へ移動させなくても緯糸(20)を従来通り保持できる。また、従来緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)への導入に問題が生じていた、上記まとまりのないあるいは特殊形状の緯糸緯入れ時には、舌片部(8,38,48,58,68,78)を退避位置(P2)に移動させて上記緯糸通路(11)を広くすることで緯糸(20)を確実に緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)に案内できる。従って、糸種の切り換わりに対応して、舌片部(8,38,48,58,68,78)の退避位置(P2)への移動の有無を切り換えることにより、舌片部(8,38,48,58,68,78)を移動させる駆動回数を減少できる分、インサートレピア(1)がより長命になる。
舌片部(8,38)の駆動を、舌片部(8,38)が設けられるレバー(13,35,36)の端部の受圧部(12,15,36)にインサートレピア(1)の走行経路上に設けたオープナカム(17)を当接させることによって行い、インサートレピア(1)の走行時に、インサートレピア(1)の先端が緯糸(20)を通過する前に舌片部(8,38)を退避位置(P2)に移動させるようにしたから、インサートレピア(1)にアクチュエータなどの駆動源を設けずに済むため、構成の簡略化とともに省エネに適している。
またインサートレピア(1)の舌片部(48)を長手方向に延在しかつ長手方向の移動を許容するように支持されるスライドレバー(49)の先端に設け、インサートレピア(1)の走行時に、前記同様に配置したオープナカム(17)に当接させることにより、舌片部(48)を運動伝達部(46)を介して待機位置(P1)からこれより長手方向基端側に位置する退避位置(P2)へ移動させるから、前記した上方の退避位置(P2)に移動させるものと同様、緯糸(20)を確実に緯糸保持部に案内できる。
本発明のインサートレピアの一実施例を示す全体斜視図である。 図1のインサートレピアの分解状態を示す斜視図である。 図1のインサートレピアのレピアヘッドの拡大斜視図である。 図1のインサートレピアのレピアヘッドの拡大平面図である。 舌片部8が待機位置P1にある図1のインサートレピアのレピアヘッドの拡大側面図である。 舌片部8が退避位置P2にある図1のインサートレピアのレピアヘッドの拡大側面図である。 (a)図4におけるA−A断面図である。(b)図4におけるB−B断面図である。 本発明のインサートレピアの他の実施例を示す拡大平面図および拡大側面図である。 本発明のインサートレピアのさらなる他の実施例を示す拡大側面図である。 本発明のインサートレピアのさらなる他の実施例を示す拡大側面図である。 本発明のインサートレピアのさらなる他の実施例を示す拡大側面図である。 本発明のインサートレピアのさらなる他の実施例を示す拡大側面図である。 本発明のインサートレピアのさらなる他の実施例を示す拡大側面図である。 本発明のインサートレピアの舌片部の拡大側面図である。 緯糸保持部を構成するキャッチベースおよびキャッチ片を経糸方向を含む垂直面で切った断面図である。 従来技術のインサートレピアの一例を示す斜視図である。 図16のインサートレピアの動作を示す斜視面図である。 図16のインサートレピアの動作を示す斜視面図である。 図16のインサートレピアの動作を示す斜視面図である。 図16のインサートレピアの動作を示す斜視面図である。 図16のインサートレピアの動作を示す斜視面図である。 図16のインサートレピアの動作を示す斜視面図である。
図1は、本発明が適用されるインサートレピアの一実施例を示している。ここで、本願においては、説明の便宜上、図1中に付記した座標軸の方向をもって前後、先端、基端及び上下方向を定義する。また、「レピアヘッドの側方から見て」とは、レピアヘッドを図示座標軸における前から後方向に見ることを意味する。
本発明のインサートレピア1は、両側レピア織機に用いられ、緯糸給糸側に配置されるレピアである。インサートレピア1の動作を概説すると、緯入方向へ走行を開始したインサートレピア1は、織布22と緯糸選択レバー23との間に架け渡され、図示しない緯糸給糸体に連なる緯糸20を緯糸保持部3で保持する。緯糸20は、インサートレピア1に保持されるのとほぼ同じタイミングで、インサートレピア1と織布22との間の位置で、給糸カッタ27の作動によって切断される。その後、インサートレピア1は、緯糸20を保持しながら経糸21が形成する開口内を走行し、織幅のほぼ中心位置で図示しないキャリアレピアに緯糸20を受け渡す。なお、本来、緯糸20および緯糸選択レバー23は、複数の緯糸給糸体に対応して多色緯入れ可能に複数設けられており、各緯糸の先端は織布22の先端に連なっているが、説明の都合上、複数の緯糸うち一つの緯糸に関係するもののみを代表的に図示している。緯糸選択レバー23は、糸種の選択信号に対応する当該選択緯糸を上下方向に変位させるものである。インサートレピア1の走行開始に先立ち、選択糸種に対応する緯糸選択レバー23を下方に移動させることにより、当該選択緯糸のみをインサートレピア1が保持可能な位置に移動させる。
図2を参照してインサートレピア1の全体構造を概説する。インサートレピア1は、インサートレピア1を往復運動させるレピアバンド24と、レピアバンド24の先端に取付治具25を介して取り付けられるレピアヘッド2と、レピアヘッド2に取り付けられる舌片部8、ヘッドカバー10、ヘッドチップ26とを主要部材として備えている。インサートレピア1は、その基端側が、取付治具25を介してレピアバンド24の先端側の上面に取り付けられており、ヘッドチップ26は、図示しない複数のねじを介してレピアヘッド2の下面に組み付けられている。このうち、ヘッドチップ26ならびにレピアバンド24は、インサートレピア1の往復運動時、図示しない織機本体のスレーあるいは複数のGRガイド上を摺動する部材であり、摩擦抵抗の少ない材料で製作されている。
レピアヘッド2は、インサートレピア1の本体となる部材であり、その先端側に、板状で幅方向(経糸方向)および先端側(緯入方向)に延び、かつ緯入方向ヘ向かって先端が尖った形状を有する底部5を有している。底部5には、その先端部4よりも基端側の位置に、後述するキャッチベース3aおよび緯糸ストッパ9(前側ストッパ9a、後側ストッパ9b)を受け入れ可能な有底状の十字溝5aが設けられている。また、レピアヘッド2の基端部5eは、取付治具25を介してレピアバンド24に固定されている。
図3ないし図5は、レピアヘッド2の先端側の詳細を示している。レピアヘッド2の先端側には、レピアヘッド2の底部5の幅方向(図示前後方向)の両側より上方に突出し、レピアヘッド2の側方より見て山型または略山型の後壁7および前壁6が設けられている。そのうち後壁7については、基端側の稜線を有する区間が短く設けられている。レピアヘッド2の側方(織前側すなわち図示前側)より見て、前壁6は、後壁7に対して、先端側半部の一部が互いに重複する領域を有するように設けられている(図5参照)。前壁6および後壁7は、その頂部6a,7aから先端側に進むにつれて底部5へ収斂する稜線をそれぞれを有しており、またレピアヘッド2の先端側における前壁6の稜線の始点が、後壁7の稜線の始点よりも位置的に基端側にずれるように設けられている。また、後壁7の頂部7aと前壁6の頂部6aの位置は、ほぼ一致するように設けられている。前壁6の稜線は、その頂部6aから先端側に進むにつれて、後壁7よりも先に底部5に収斂するように設けられている。このような稜線により、前壁6および後壁7の上稜部6b,7bが形成されている。レピアヘッド2の底部5は、先端部4に近づくにつれ、幅方向および厚み方向(上下方向)に収斂する先細り状に形成されている。先端部4は、上下方向への案内面として、上側案内部4aおよび下側案内部4bを形成する。また底部5には、図2に示すように、十字溝5aが設けられる位置よりも基端側に、ヘッドカバー10および緯糸ストッパ9a,9bの各取付座ならびにレバー13を支持する支持壁として機能する壁部5c、5dが、底部5の図示前後方向の両側より上方に、かつ組み付ける上記各部材に対応して長手方向に延びている。
図5に示すように、レピアヘッド2の後壁7は、後壁の頂部7aよりレピアヘッド2の基端側に延びる凸部7cを形成し、この凸部7cの上側の稜線は後壁の頂部7aに連続している。また、下側の稜線は、先端方向に向きその後基端方向に転向してレピアヘッド2の底部5に連続しており、図示しないキャリアレピアへ緯糸20を受け渡す際に緯糸20に当接し緯糸20の位置を規制する鉤状の緯糸当接部7dを形成している。なお、緯糸当接部7dで画定される内側空間は、底部5と後述するキャッチ片3bとの間に形成される空間(後述する緯糸通路11)に通じている。
また、図2に示すように、レピアヘッド2の後側の壁部5cには、レピアヘッド2の長手方向に延在するヘッドカバー10が、後壁7との間に空間を有するように設けられる。例えば板部材を折り曲げてなるヘッドカバー10は、上壁部10aと、上壁部10aの幅方向(図示前後方向)の両側から下方に延びる後側の側壁部10bおよび前側の側壁部10cとを有している。
図3に示すように、ヘッドカバー10の上壁部10aおよび前側の側壁部10cは、前側の側壁部10cの先端側を延長した位置で、かつ上壁部10aの高さよりも低い位置に頂部10eを有している。また、上壁部10aおよび前側の側壁部10cは、レピアヘッド2の先端側に進むにつれて徐々に下降して頂部10eに至る上稜部10dを形成している。また、前側の側壁部10cには、後述する緯糸ストッパ9として機能すべく下方に向けて延びる突出部(後側ストッパ9b)と、突出部から頂部10eに向けて曲線的に連続する下稜部10gとが形成されている。
一方、ヘッドカバー10の後側の側壁部10bには、先端側に開口するスリット状の緯糸ガイド10fが形成されている。この緯糸ガイド10fは、インサートレピア1が緯糸20を保持してから、図示しないキャリアレピアに緯糸20を受け渡すまでの間、緯糸20が上下方向に移動しないように規制する機能を有しており、後述する緯糸ストッパ9(後側ストッパ9b)とともに、後述する緯糸保持部3における緯糸20の保持位置を定める規制部を構成する。
底部5には、レピアヘッドの幅方向(前後方向)において後壁7と前壁6との間の位置であって、長手方向において前壁6と前側の壁部5dとの間の位置に、緯糸保持部3が設けられる。緯糸保持部3は、緯入れする緯糸20を保持するものであり、本実施例では、緯糸保持部3は、レピアヘッド2の底部5に設けられるキャッチベース3aのベース面(上面)3hと、上下方向に回動可能なレバー13の先端側に設けられるキャッチ片3bの下向き面3mとから構成されている。
キャッチベース3aは、レピアヘッド2の十字溝5aに埋め込まれた状態で、基端側に進むにつれて、そのベース面3hが底部5の上面から上方に突出するように設けられている。また、キャッチ片3bは、レバー13の先端側に設けられている。レバー13は、図2に示すとおり、レピアヘッド2を前後方向に貫通する支軸部材13c(ブッシュ13a、ピン13b)を回転軸として、レピアヘッド2に対して上下方向に回動自在に取り付けられている。なお、キャッチ片3bは、図5に示すとおり、キャッチベースのベース面3hに対向する対向面として、下向き面3mを有している。
レバー13は、支軸部材13cを挟んでキャッチ片3bとは反対側の端部に、レピアヘッド2の上方に突出する受圧部12を有している。受圧部12の下面には、付勢手段としての圧縮コイルばね14が配置されている。圧縮コイルばね14は、いくらか圧縮状態で一端がスプリングホルダ14aに収容され、他端が受圧部12の下面に当接するように配置されていて、受圧部12を上方に付勢している。これにより、支軸部材13cを挟んで受圧部12と反対側にあるキャッチ片3bは、その下向き面(対向面)3mの一部を、キャッチベース3aのベース面(上面)3hに弾性的に圧接した状態となっている。
この状態において、キャッチベース3aのベース面3hとキャッチ片3bの下向き面3mとが圧接している部分は、基端側の一部だけであり、キャッチベース3aのベース面3hと、キャッチ片3bの対向面3mとは、先端側(緯入れ側)に開口して緯糸20を保持するくさび状の隙間3cを形成している。このくさび状の隙間3cは、緯糸20を保持可能な程度の間隔を有しており、キャッチベース3aのベース面3hと、キャッチ片3bの対向面3mとの間に緯糸20を挟んで緯糸20を保持する。
なお、レバー13の受圧部12は、図示しない織機本体のインサートレピア1(レピアヘッド2)の走行経路上に設けられたオープナカム17に当接可能に設けられている。より詳しくは、オープナカム17は、インサートレピア1の先端部4が緯糸20を横切るタイミングの近傍で、所定区間にわたり、受圧部12をオープナカム17の下方向に突出するリフト面17aによって押すように形成されている。走行するインサートレピア1の受圧部12にオープナカム17が当接すると、受圧部12が押し下げられ、支軸部材13cを挟んで受圧部12と反対側にあるキャッチ片3bが上方に移動し、緯糸保持部3が開いた状態となる。
図4は、図3に示すインサートレピア1を図示上方からみたものである。舌片部8は、図から明らかなように、後壁7および前壁6よりも緯糸保持部3側から、後壁7と前壁6との間の領域へ向かって延在している。本実施例では、舌片部8は、前述した上下方向に回動可能なレバー13の先端において、キャッチ片3bの後側側部にキャッチ片3bと一体に設けられている。さらに舌片部8は、ヘッドカバー10とキャッチ片3bとの間に配置され、かつその頂部8dが後壁7および前壁6に対して適度に離間するように配置されている。なお、舌片部8をキャッチ片3bとは別部材とし、これをキャッチ片3bに対し固着する等により一体に設けても良い。
図5は、キャッチベース3aとキャッチ片3bとが圧接している状態(緯糸保持部3が閉じた状態)のレピアヘッド2をレピアヘッド2の側方より見たものである。この状態では、レバー13の受圧部12に対しオープナカム17のリフト面17aが当接していない。
舌片部8は、前述したとおり、キャッチ片3bと一体に形成されており、キャッチ片3bと一体に移動する。舌片部8は、キャッチ片3bの側部から舌状に先端方向および上下方向に延びており、その先端側に先端部分8aを有している。図5に示す状態(緯糸保持部3が閉じた状態)において、インサートレピア1の側方より見て、舌片部8の先端部分8aは、後壁7と前壁6の重複する領域に舌片部8の頂部8dを有している。具体的には、舌片部8の頂部8dは、ヘッドカバー10の頂部10eよりも先端側であってレピアヘッド2の先端部4よりも基端側に、かつ後壁7の頂部7aならびに前壁6の頂部6aよりも高さ方向に下方であって底部5の上面よりも上方に位置している。なお、本明細書では、図5に示すような、舌片部8の頂部8dが前記重複する領域に位置する状態を、舌片部8が「待機位置P1」にあるという。特許請求の範囲についても同様である。また、舌片部8の先端部分8aは、上に凸に形成される上稜部8bの基端側の変曲点8hから舌片部8の頂部8dまで(図14に示す区間S1)に存在する部分を指す。特許請求の範囲についても同様である。
図5において、舌片部8は、いずれも舌片部8の頂部8dから基端方向に曲線的に連続して設けられる上稜部8bおよび下稜部8cを有している。上稜部8bは、キャッチ片3bの側部から舌片部8の頂部8dの間で上に凸の形状を有しており、下稜部8cは、舌片部8の頂部8dから下方のキャッチ片3bの下向き面3m(下稜部3e)に向けて連続する形状を有している。舌片部8の上稜部8bは、舌片部8、言い換えればキャッチ片3bが待機位置P1に位置する状態(図5に示す状態)で、後壁7の上稜部7bおよびヘッドカバー10の上稜部10dを横断するように設けられるとともに、横断する2つの位置間で基端側に進むにつれて徐々に高さ方向(上方)に上昇するように設けられていて、後述する経糸かき分け部の一案内面として機能する。
図6は、緯糸保持部3が開いた状態のレピアヘッド2をレピアヘッド2の側方より見たものである。インサートレピア1の走行に伴って、オープナカム17のリフト面17aが受圧部12に当接し、受圧部12が押し下げられると、支軸部材13cを挟んで受圧部12と反対側にあるキャッチ片3bが上方に移動し、緯糸保持部3が開く。このとき、キャッチベース3aのベース面(上面)3hとキャッチ片3bの下向き面3m(対向面)とで構成されるくさび状の隙間3cは、キャッチ片3bがキャッチベース3aから離間することによりその隙間が拡大する。
また、キャッチ片3bの上方への移動と同時に、キャッチ片3bと一体の舌片部8も上方へ移動する。舌片部8が上方へ移動した状態において、レピアヘッド2の側方より見て、舌片部8の頂部8dは、レピアヘッド2の後壁7の頂部7aの高さよりも上方に位置し、舌片部8の下稜部8cは、後壁7の上稜部7bおよび凸部7cに対して離間する。この結果、舌片部8の下稜部8cと、後壁7の上稜部7bおよび凸部7cと、前壁6の上稜部6bと、ヘッドカバー10の下稜部10gとによって、インサートレピア1の進入方向つまりインサートレピア1の先端側に開口し、緯糸保持部3に通ずる緯糸通路11が形成される。なお、本明細書では、図6に示すようにキャッチ片3bを有するレバー13が移動した結果舌片部8が後壁7との間に緯糸通路11を形成する位置にあるとき、舌片部8が「退避位置P2」にあるという。特許請求の範囲についても同様である。
レバーの回転中心(軸受部材13c)から舌片部8の中心までを結ぶ補助線を1点鎖線で図6、図5およびこれ以降の図面に図示することで、舌片部8の待機位置P1および退避位置P2の関係を示す。図5に示すように、舌片部8が待機位置P1にあるとき、レピアヘッド2の側方より見て、舌片部8の先端部分8aの上稜部8bは、後壁7aの上稜部7bおよびヘッドカバー10の上稜部10dを横断しかつ横断する2つの位置間で舌片部8の頂部8dからインサートレピア1の基端側へ進むにつれて高さ方向に徐々に上昇され、ヘッドカバー10の上壁部10aに連続するように形成されている。そして、ヘッドカバー10の上壁部10aと、ヘッドカバー10の前側の側壁部10cと、舌片部8の先端部分8aの上稜部8bと、後壁の上稜部7bとは、インサートレピア1の側方より見て、レピアヘッド2の先端部4(上側案内部4a)に連続している。すなわち、レピアヘッド2をレピアヘッド2の側方より見て、前壁6と、後壁7と、舌片部8と、ヘッドカバー10とは、その投影形状がレピアヘッドの先端部4に収斂する先細り形状を呈し、経糸かき分け部を構成している。
一方、図6に示すように、舌片部8が退避位置P2にあるとき、舌片部8の頂部8dは、後壁の頂部7aおよび前壁の頂部6aのいずれに対しても、これらよりも高さ方向上方に位置している。また、舌片部8の下稜部8cは、頂部8dからキャッチ片3bの下向き面3mに連続するように形成されている。そして、インサートレピア1の側方より見て、舌片部8の下稜部8c、後壁7aの上稜部7bならびに凸部7cと、前壁6の上稜部6bとは、くさび状の隙間3cに通ずる緯糸通路11を形成している。
なお、図3に示すインサートレピア1は、経糸開口内への進入方向に走行をし始めた、オープナカム17に当接する直前の状態を示す図であり、図3に2点鎖線で図示する緯糸20は、その後保持された状態における糸経路を仮想的に示したものである。
図3において、キャッチベース3aの側部には、くさび状の隙間3cにおける緯糸20の保持位置を決定する緯糸ストッパ9(前側ストッパ9a、後側ストッパ9b)が組み付けられている。より詳しくは、前側ストッパ9aは、板部材にて製作されており、後側ストッパ9bは、ヘッドカバー10と一体に形成されている。前側ストッパ9a、後側ストッパ9bは、下向きに突出する突出部を底部5の十字溝5aに指向させた状態で、レピアヘッド2に対して組み付けられている。この緯糸ストッパ9のうち、前側ストッパ9aを構成する係止片9cは、プレート9d、および複数のねじ9e,9fを介して前側の壁部5dに固着されている。係止片9cには、ねじ貫通用の長手方向に延びる長穴が設けられていて、前側ストッパ9aをキャッチベース3aに対してレピアヘッド2の長手方向に相対的に位置調節可能にしている。基端側へ向かって隙間が漸減されるくさび状の隙間3cに対し、前側ストッパ9aの位置を長手方向の任意の位置に位置決めし、その位置より奥(基端側)への緯糸20の進入を規制して保持する。これにより緯糸保持部3の緯糸保持力を増減可能になっている。
より詳しくは、図3に示すとおり、キャッチベース3aの後側の側部近傍には、緯糸20に係合可能な後側ストッパ9bがその下向きの先端を十字溝5aに収容されるように設けられている。レピアヘッド2の走行にともなって、経糸方向に対して所定角度で架けわたされた緯糸20が後側ストッパ9bに当接すると、緯糸20は、キャッチベース3aのベース面3hとキャッチ片3bの対向面3mとの間のくさび状の隙間3cの間にちょうど位置するようになっている。なお、緯糸20の経糸方向に対する前記所定角度は、例えば50°〜60°である。
また、キャッチベース3aの前側の側部には、くさび状の隙間3cが設けられる(緯糸保持部3)領域内において、前側ストッパ9aがその下向きの先端を十字溝5aに収容されるように設けられている。前側ストッパ9aは、後側ストッパ9b同様に、くさび状の隙間3cにおける緯糸20の保持位置を定める。
前述した通り、緯糸ストッパ9としての前側ストッパ9aは、くさび状の隙間3cが設けられる領域内で、レピアヘッド2の長手方向に相対的位置調節可能に設けられており、これによりくさび状の隙間3cに対する緯糸20の保持位置(緯糸保持張力)を調節可能にしている。しかし、これに代えて後側ストッパ9bの保持位置を調節可能にしてもよく、双方ともに位置調節可能に構成してもよい。なお、前側ストッパ9a、後側ストッパ9bのいずれかを省略することも可能である。
ところで、緯糸20を緯糸保持部3へ安定して導く上で、緯糸通路11は、基端部へむけて一定の幅または幅が漸減し、かつ滑らかにその開口部から緯糸保持部3まで通じていることが好ましい。例えば、レピアヘッド2をレピアヘッド2の側方より見て、舌片部8の下稜部8cおよびヘッドカバーの下稜部10gは、前壁6と後壁7の凸型の投影形状に対応する凹型の投影形状を形成することが好ましい。
次に、本実施例のインサートレピア1の緯入れ動作について説明する。図1において、緯入れされる緯糸20は、織布22の端部と、緯糸選択レバー23との間で経糸21に対し所定の角度をなすように張架されており、この緯糸20に向けて緯入方向へ走行するインサートレピア1が接近する。このとき、架け渡された緯糸20が舌片部8の頂部8dに達する前までに、インサートレピア1は、レバー13の受圧部12の移動経路上に配置したオープナカム17(図1では省略)により受圧部12が押圧されて緯糸保持部3が開いた状態にされており、舌片部8が退避位置P2へ移動した状態となっている(図6に示す状態)。
なお、緯糸保持部3を開く(舌片部8を退避位置P2へ移動させる)タイミングは、遅くとも緯糸20が舌片部8の頂部8dを通過する前の時点に定められるが、緯糸20が舌片部8の頂部8dを通過する直前としてもよい。
インサートレピア1の緯入方向への走行に伴い、上記張架された緯糸20は、レピアヘッド2の先端部4、後壁7の上稜部7bの順に接触し、自身の張力により後壁7と接触した状態を保ちながら、レピアヘッド2の基端側に相対的に移動していき、後壁7の最も基端側に位置する凸部7cへ至る。このタイミングでは、舌片部8は既に退避位置P2に移動しており、舌片部8の頂部8dは、後壁7に接触した状態にある緯糸20よりも上方に位置している。このため、緯糸20は、上記相対的な移動によって頂部8dに接することなく通過する。凸部7cを通過した緯糸20は、自身の張力により底部5へ落ち込み、緯糸通路11へ導びかれる。
緯糸通路11へ導入された緯糸20は、次にインサートレピア1の前壁6の上稜部6aおよび頂部6bに接触して案内される。そして、緯糸20のさらなる相対的な移動によって、舌片部8の下稜部8c、ヘッドカバー10の下稜部10gに案内されつつ、前壁の上稜部6bにも案内されて最終的に緯糸保持部3へ導かれる。これと同時に、インサートレピア1は、オープナカム17を通過し、リフト面17aによる受圧部12への押圧が解除され、レバー13は、圧縮コイルばね14の付勢力によって舌片部8を退避位置P2から待機位置P1に移動させる。これにより、緯糸保持部3が閉じ、キャッチ片2bの下向き面3mとキャッチベース2aのベース3hとの間の隙間が通常の隙間に戻り、緯糸20は緯糸保持部3に保持されつつ緯糸ストッパ9(前側ストッパ9a,後側ストッパ9a)によって係止される。このとき、緯糸20は、キャッチ片3bの下向き面3m(対向面)上に位置している(図3の想像線に示す位置)。これにより、緯糸20の保持が完了する。
その後、インサートレピア1は、図示しない給糸体から緯糸20を引き出しながら、さらに経糸21の開口内に進入し、織幅の中央まで走行する(図1参照)。このとき、図5に示す通り、舌片部8は待機位置P1に位置しており、レピアヘッド2の側方より見て、レピアヘッド2の前壁6と、後壁7と、舌片部8と、ヘッドカバー10とは、その投影形状がレピアヘッドの先端部4に収斂する先細り状を呈し、経糸かき分け部を構成している。経糸かき分け部は、開口不良の経糸21をレピアヘッド2の先端部4(より詳しくは、上側案内部4aおよび下側案内部4bを含む)によって経糸21を上下にかき分ける。
また、段落番号〔0058〕で説明したとおり、舌片部8が待機位置P1にあるとき、レピアヘッド2の側方より見て、舌片部8の頂部8dは、前記前壁6および後壁7の重複する領域に位置している。すなわち、レピアヘッド2を緯入方向と直交する垂直面(図4のA−A)で切ると、図7(a)に示すとおり、舌片部の頂部8dは、後壁7の上稜部7bよりも下に位置するようになっている。したがって、仮に毛羽搦み等によって開口が不完全な経糸21がインサートレピア1の走行経路上にあったとしても、開口不良の経糸21は、舌片部8の頂部8dの上を通過し、舌片部8の上稜線部8bによって上方へはね上げられ、緯糸保持部3へ侵入することなくインサートレピア1の上方を通過する。したがって、開口不良の経糸21がインサートレピア1に引っ掛かったり、誤って緯糸保持部3に保持されることはない。
インサートレピア1によって織幅の中央まで搬送された緯糸20は、その位置において、反緯入方向(反給糸側)から経糸開口内に挿入された図示しないキャリアレピアに受け渡される。緯糸20を受け渡されたキャリアレピアは、緯入方向に後退し、緯糸20を織布22の反緯入れ側の端まで搬送する。緯糸20をキャリアレピアに受け渡したインサートレピア1は、反緯入方向に後退して経糸開口内から抜き出され、緯入れ動作が完了する。なお、インサートレピア1からキャリアレピアへの緯糸20の受け渡しは、キャリアレピアの後退にともない緯糸20が緯糸保持部3のくさび状の隙間3cから自然に引き出されるようにしてもよいし、受け渡し時に緯糸保持部3を開いて緯糸20を開放してもよい。
以上説明したとおり、本実施例のインサートレピア1によれば、緯糸20を緯糸保持部3に導入するときに、舌片部8を退避位置P2へ移動させ、緯糸20の径に対して十分に間口を拡げるとともに間隔の広い緯糸通路11を形成することができるから、従来のインサートレピアと比較して、緯糸20の緯糸保持部3への案内ミスが発生し難くなる。したがって、全体的にまとまりのない緯糸20や平らな断面形状などの特殊形状の緯糸20であっても、緯糸20を舌片部8等に引っ掛けることなく確実に緯糸保持部3を構成するくさび状の隙間3cに案内可能である。また、緯糸20を緯糸保持部3に導入するときに、緯糸保持部3を開き、キャッチベース3aとキャッチ片3bとが形成するくさび状の隙間3cの隙間を広げて緯糸20を導入し、その後通常の隙間に戻すようにしたから、全体的にまとまりのない緯糸20であっても平面的にばらけさせることなく、まとまった状態のまま全体的に保持することができる。これにより、インサートレピアの走行中に、従来のインサートレピアで発生しがちであった緯糸20の裂けを防止できる。また、緯糸20を構成するフィラメントの一部に屈曲ストレスが極度に加わることによって緯糸20を構成するモノフィラメントが切れたり、傷ついたりすることを防止できる。
ところで、以上の説明では、本発明の解決課題、すなわち、まとまりのない緯糸20の安定した保持を実現するために、緯入れ時に舌片部8を退避位置P2へ移動させ、緯糸保持部3を開く例を示した。しかしながら、本実施例では、従来製織可能であった緯糸(全体的にまとまりのある緯糸)を緯入れする場合は、舌片部8を移動させず、緯糸保持部3を閉じたまま緯糸20を緯糸保持部3に食い込ませて保持し、緯入れすることも可能である。この場合、本実施例のインサートレピア1は、図17〜19で示した従来のインサートレピアと同様に舌片部8および緯糸保持部3を開閉動作しない。
ここで、参考までに、本実施例において、舌片部8を移動させず、緯糸保持部3を開閉させずに緯入れする場合の緯糸保持について簡単に説明する。図1に示すように、経糸21に対して所定角度で交差するように架けわたされた緯糸20は、舌片部8(緯糸保持部3)を閉じた状態(図5に示す状態)のインサートレピア1の走行に伴って、レピアヘッド2の後壁7の上稜部7bに接触し、自身の張力により後壁7と接触した状態を保ちながら、レピアヘッド2の基端側へ相対的に移動していき、やがて舌片部8の頂部8dへ到達する。このとき、レピアヘッド2を前記緯糸20を含む垂直面(図4のB−B)で切ると、図7(b)に示すとおり、前壁6と後壁7との間に架け渡された前記緯糸20よりも舌片部の頂部8dが上に位置するように前壁6、後壁7、舌片部8の形状が定められている。しかも、図4に示すとおり、レピアヘッド2を上方から見て、舌片部8は、後壁7、前壁6に対しレピアヘッド2の幅方向に適度に離間されていて、舌片部8は、後壁7および前壁6との間に、緯糸20が通過可能な隙間7f,6fを形成している。したがって、緯糸20は、後壁7の凸部7cを通過すると、自身の張力により底部5側へ落ち込み、舌片部8の先端部8dに接することなく後壁7と、舌片部8との間の隙間7fに入り込む。インサートレピア1の移動に伴って、緯糸20は、前記隙間7f,6f内から舌片部8と底部5との間の空間をレピアヘッド2の基端側へ移動し、最終的に緯糸保持部3を構成するくさび状の隙間3cに案内され、そこで保持される。以上のように、本発明のインサートレピア1によれば、従来から製織可能であった緯糸についても対応可能であり、その上従来から製織が困難であった全体的にまとまりのない緯糸等についても対応可能になるため、これまでに比べより多種多様な織布を製織可能である。
なお、そのような舌片部8を移動させなくても保持可能な緯糸に対し、糸種に関係なく毎回舌片部8および緯糸保持部3を開閉駆動するように構成することも可能である。この場合には舌片部8の位置は、前記制限(すなわち舌片部8と後壁7との間に所定の距離(隙間7f)を設けるなどの)制限はなく、キャッチ片3bよりも後側の側方(後壁7側)でキャリアレピアに干渉しない位置であればよい(極論すれば、ヘッドカバー10の内側に設けても良い)。
また、舌片部8および緯糸保持部3の開閉駆動を緯糸糸種により切り換える手法としては、例えば、織物品種替わりによって、緯入れする緯糸が全て従来のインサートレピアでは把持が難しい糸種に切り換わったときは、織機の設定作業の中でオープナカム17をインサートレピア1の走行経路に、手動で装着すればよいし、その逆に、全ての緯糸が把持容易な緯糸に切り換わったときには、オープナカム17を手動で取り外すことで、本発明のインサートレピアをそのまま使うことも考えられる。これに対し、多色緯入れ時のように、従来のインサートレピアでは把持が困難な糸種とそうでない糸種とが混在し、緯入れステップ番号に対応して緯入れする糸種を切り換えるときには、緯糸選択信号によって、緯糸保持部3への案内が難しい緯糸選択時にのみ、オープナカム17を図示しない電動アクチュエータなどを介してインサートレピア1の走行経路上に進出配置させ、また案内が容易な緯糸選択時には、走行経路上から退避させることで、レバー13ならびに支軸部材13cの摩耗やインサートレピア1の衝撃を抑えるようにしてもよい。
本発明が適用されるインサートレピアの他の実施例を図8以降に示す。なお、図8に示す実施例は、緯糸保持部3を開閉させず、舌片部38のみを移動可能に設けるものであり、図8ないし図13に示す実施例は、舌片部8を移動させる機構に関する別の実施例である。
図8に示す実施例では、キャッチ片33bは、弾性的に変形可能な板部材で製作されている。キャッチ片33bは、その下向き面33mを、キャッチベース3aのベース面3hに対向するようにして、図示しないねじによりレピアヘッド2の底部5に固定されている。舌片部38は、舌片部38を先端に有するレバー35によって舌片部38のみを単独駆動する。なお、この実施例における舌片部38は、図2ないし図6に示す舌片部8とほぼ同様の形状を有しており、図8における舌片部38の先端部分38a、上稜部38b、下稜部38c、および頂部38dについても、図3に図示する舌片部8の先端部分8a、上稜部8b、下稜部8cおよび頂部8dと同様に設けられている。
キャッチ片33bは、キャッチベース3aのベース面3hに対し、下向き面33mを基端側で圧接するように設けられていて、図2ないし図6に示した緯糸保持部3と同様、キャッチ片33bの下向き面33m(対向面)とキャッチベース3aのベース面3hとで形成されるくさび状の隙間33cにより緯糸保持部33を構成している。また、緯糸保持部33より先端側ではくさび状の隙間33cとともに先端側に開口する緯糸通路11を形成している。この例では、図1〜6に示した実施例とは異なり、舌片部38と、緯糸保持部33を構成するキャッチ片33bとが別部材として構成されている。また、本実施例では、緯糸保持部33における開閉駆動を行わない。すなわち、緯糸の保持は、キャッチ片33bとキャッチレバー3aとが形成するくさび状の隙間33cに緯糸を食い込ませることにより行い、緯糸の開放は、緯糸を受け渡されたキャリアレピアの後退により緯糸がくさび状の隙間33cから自然に引き出される事により行う。このため、緯糸をキャリアレピアに受け渡すタイミングにおける、キャッチ片33bの開閉駆動を省略できる。
また、舌片部38と、キャッチ片33bとを別部材として構成する図8に示した実施例の変形例として、それらを個々に移動可能に設けることも考えられる。独立して回動する二つのレバーの各々に舌片部38と、キャッチ片33bとを設け、舌片部38と、緯糸保持部33とを異なるタイミングで駆動してもよい。そのようにすれば、舌片部38の移動、キャッチ片33bの閉鎖のタイミングを個々に設定できる分、緯糸保持状態(緯糸保持張力)をより精密に設定できる。このとき、レバーを駆動するオープナカム17は、緯入方向に相対的位置調節可能に織機フレーム側に設けるようにすれば、より好適である。
図9は、本発明が適用されるインサートレピアの他の実施例を示している。なお、この実施例における舌片部8、キャッチ片3bは、図2ないし図6に示す舌片部8とほぼ同様の形状を有するので、同じ符号を付し説明を省略する。この例では、変位可能な受圧部材15および受圧部材15の変位に連動する運動伝達部16がレピアヘッド2に設けられており、受圧部15がオープナカム17から受ける力を運動伝達部16としてのリンク16a、揺動レバー16bおよびリンク16cとによって向きを変えてレバー37に伝達し、舌片部8を上方向へ退避(退避位置P2へ移動)させている。
具体的には、後側の側壁部5cに設けられる支持部16eに挿入され上下方向にスライド可能な受圧部材15は、付勢手段である圧縮コイルばね14bによって上方向に付勢されており、オープナカム17と当接可能になっている。また、受圧部材15の端部は、リンク16aにより揺動レバー16bの一端に連結されている。
揺動レバー16bは、受圧部材15との連結点よりも先端側にある軸16dを中心として揺動可能になっており、軸16dを挟んで受圧部材15との連結点と反対側の端部において、リンク16cを介してレバー37と連結されている。圧縮コイルばね14bは、舌片部8の先端部分8aを待機位置P1に戻す方向に付勢している。インサートレピア1の走行にともなって、レピアヘッド2の走行経路上に設けられたオープナカム17が受圧部材15に当接し、受圧部材15が押圧されると、揺動レバー16bは軸16dを中心として時計回りに揺動し、リンク16cを介してレバー37を軸13bを中心に上方へ回動させる。これにより、舌片部8(緯糸保持部3)を上方向へ退避(退避位置P2へ移動)させる。
運動伝達部16の内部構成について、図9に図示した形態に限らず種々変形しても良い。例えば、受圧部材15を変位させる方向(押圧する方向)を図9のような上下方向に代えて、水平方向(前後方向)になるようにし、また受圧部材15の水平方向の運動を上下方向に変換する運動伝達部16を構成することにより、レバー37を駆動することも考えられる。
図10は、本発明が適用されるインサートレピアの他の実施例を示している。図1〜9に示した例では、舌片部8,38の退避位置P2は、レピアヘッド2の上方に設定されているが、本実施例では、舌片部48の退避位置P2は、レピアヘッド2の基端側に設定されている。つまり、舌片部48を移動させる方向(退避位置P2)は、レピアヘッド2の上方向に限らない。この例で、舌片部48は、インサートレピア1の長手方向に延在するスライドレバー49の先端に設けられており、スライドレバー49は、インサートレピア1の長手方向で往復運動可能に支持されている。また、スライドレバー49の基端側端部には係合ピン49dが設けられ、係合ピン49dはレバー状(略L字状)の受圧部材41と係合している。この実施例では、係合ピン49dおよび係合ピン49dと係合する受圧部材41の枝部41aが運動伝達部を構成している。
スライドレバー49は、付勢手段42によりレピアヘッド2の先端側へ付勢されており、これにより舌片部48はその先端部分48aを待機位置P1に戻す方向に付勢されている。また、受圧部材41は、後側の側壁部5cに設けられる回転軸41dを中心として時計回りに付勢され、スライドレバー49に係合する側とは反対側に形成される受圧部41cがオープナカム17と当接可能となっている。より詳しくは、フランジ部49bが支持部49aに当接することにより、舌片部48の前進位置(待機位置P1)を規制している。また、付勢手段として構成される圧縮コイルばね42が、いくらか圧縮された状態でスライドレバー49のフランジ部49bと基端側の支持部49cの端面とに当接するように配置されている。インサートレピア1の走行にともなって、レピアヘッド2の走行経路上に設けられたオープナカム17が受圧部材41に当接すると、受圧部材41は回転軸41dを中心として反時計回りに揺動し、係合ピン49dを介してスライドレバー49、すなわち舌片部48をレピアヘッド2の基端側の水平方向へ退避(退避位置P2へ移動)させる。このとき、レピアヘッド2の側方から見て、舌片部48の先端部分48aは、後壁7に重複しない位置まで移動、好ましくは、ヘッドカバー40の下稜部40gよりも基端側の位置まで移動する。つまり、この実施例では、受圧部材41の枝部41aに設けた係合部41b、これに係合されるスライドレバー49の係合ピン49d、およびスライドレバー49を支持する2つの支持部49a,49cにより、運動伝達部46を構成している。この運動伝達部46では、オープナカム17の当接に伴う受圧部材41の揺動運動により、係合部41bと係合ピン49dとの係合点が回動半径方向にスライドし、受圧部材41の水平方向の変位のみをスライドレバー49に伝達するスライダークランク機構、言い換えれば、受圧部材41の揺動運動をスライドレバー49の往復運動に変換して伝達する機構を構成する。なお、本例では、舌片部48と、キャッチ片43bとは別部材として構成されており、弾性変形可能なキャッチ43bは、図示しないねじ部材によって固着されていて開閉動作をしない。また、舌片部48は下稜部を有さず、ヘッドカバー40の下稜部10gによって緯糸20を緯糸保持部43へ案内する。
なお、舌片部8,38が退避位置P2へ移動した状態において、緯糸20を緯糸保持部3,33へ案内する舌片部8,38およびヘッドカバー10の下稜部の構成について、図1〜6、図8,9に示した実施例以外にもいくつか考えられる。図1〜6、図8,9に示した実施例では、インサートレピア1の側方より見て、舌片部8,38の下稜部8c,38c,およびヘッドカバー10の下稜部10gが連続するように設けられていて、緯糸20は、舌片部8,38の下稜部8c,38cとヘッドカバー10の下稜部10gに順次接触しながら緯糸保持部3,33へ導かれるものである。しかし以下の図11から図13に示す実施例のように、ヘッドカバー10とは異なる部材に緯糸20の緯糸保持部3、33への案内機能を持たせるようにしても良い。
具体的には、図11に示す実施例では、図3〜6に示した上下方向および長手方向に延びる舌状の舌片部8に対し、舌片部58を全体的にさらに先端側に延在させている。これにより、舌片部58が退避位置P2へ移動した状態でも、図3〜6に示す例よりも舌片部58の下稜部58cがヘッドカバー10の下稜部10gよりも先端側に位置するようにし、舌片部58の下稜部58cのみに緯糸20が接触するようにしている。
また、図12に示す実施例は、図10に示す実施例に対し、ヘッドカバー60の上稜部60dに連なる前側の側壁部60cをいくらか基端側および上壁側に縮小することで、ヘッドカバー60の下稜部60gを底部5から後退させ、また、キャッチ片63bの先端を後壁7の凸部7cとヘッドカバー60の頂部60dとの間の位置まで先端方向および上方向にさらに延在させている。これにより、キャッチ片63bの下稜部63eのみによって緯糸20を緯糸保持部63に案内する例である。
これらの実施例に対し、逆に、ヘッドカバー10,40,60の下稜部にのみ緯糸20を接触させることよって、緯糸20を緯糸保持部3まで案内するようにしても良い。例えば、図10に示した実施例では、ヘッドカバー40の上稜部40dに連なる前側の側壁40cを、頂部40eから基端側の領域でいくらか下方に延ばし、ヘッドカバー40の下稜部40gを緯糸保持部43のくさび状の隙間43cの近傍に設けている。これにより、緯糸20をヘッドカバー40の下稜部40gのみに接触するようにしている。
舌片部8,38,48,58,68について、図1から図12の実施例では、キャッチ片3b,53bの側部に設ける、あるいはキャッチ片33b,43b,63bとは別部材に設ける例を示したが、ヘッドカバー10,40,60側に設けるようにしてもよい。図13に示す実施例では、ヘッドカバー70を舌片部78としての先端部材70fと、基部部材70jの2つの部材で構成している。先端部材70fは、基部部材70jの前側の側壁70cに形成される図示しないガイド孔に挿入されて基部部材70jに支承されるとともに、先端部材70fは、上記実施例と同様、図示しない運動伝達部に連結されている。先端部材70fは、運動伝達部からの往復駆動を受け、前記ガイド孔に案内されて、待機位置P1から退避位置P2へ移動可能に設けられる。先端部材70fは、上方に移動して緯糸通路11を開放する。なお、この実施例でもキャッチ片73bの下稜部73eのみによって緯糸20を案内する。また、ヘッドカバー70の先端部材70fの上稜部78bが舌片部78の役割を担うが、上稜部78bを構成する上壁または側壁のいずれか一方のみとして舌片部78を構成することも考えられる。
また、舌片部8,38,58の下稜部8c,38c,58cの形状について、これまで具体的に触れていないが、以下この観点で好ましい例を具体的に詳説する。図14は、図1〜6で示した実施例の舌片部8である。舌片部8の下側形状は、インサートレピア1の側方より見て、舌片部8の頂部8dから舌片部8の下稜部8cを経てキャッチ片3bの下向き面3mに連続している。そして、この舌片部8の下稜部8cは、舌片部8の頂部8dから基端側に一定区間存在する区間S2と、区間S2に連続する区間S3とから構成されている。区間S2には、頂部8dから基端側に一定区間下降量を抑えられた退避部8eが形成されている。また、区間S3は、退避部8eに連続し、下降しつつキャッチ片3bの下向き面3mに連続する導入部8fが形成されている。これにより、舌片部8が退避位置P2へ移動した状態(図5に示す状態)において、例えば下稜部8cに退避部8eがなく舌片部の頂部8dから連続的に下降する下稜部と比較して、頂部8d近傍に当接した際の反発によって緯糸20が緯糸通路11から外れることを防止できる。しかも、退避位置P2にある舌片部8の下稜部8cと後壁7との間の空間である緯糸通路11を広くすることによって、緯糸20を確実に緯糸保持部3に案内可能となる。なお、退避部8eの形状について、図14に示した例のように頂部8dからほぼ直線的に延在するものに限らず、上に凸あるいは下降量を抑えた下に凸の曲線を描くように設けても良い。また、退避部8eの長さとして、その上限は舌片部8の全体的な形状の制約を受けるが、具体的な区間S2の長さとしては0.5mm以上であればよい。また、導入部8fについて、図5に示したように、ヘッドカバー10の下稜部10gによって案内される領域に至るまで連続する曲線状に設けてもよいし、図11のように、キャッチ片3bの下向き面3mに向けて直線状に設けてもよい。
また、緯糸保持部3,33,43,53,63,73を構成するキャッチベース3aのベース面(上面)3h、ならびにキャッチ片3b,33b,43b,53b,63b,73bの下向き面3m,33m,43m,53m,63m,73m(対向面)の形態について、双方とも平滑面にするもの以外にいくつかあり、後述するいずれも本願に含まれる。代表例として、緯糸保持部3について以下詳説するが、緯糸保持部33等についても同様である。図15(a)ないし(c)は、キャッチベース3aのベース面3h、キャッチ片3bの下向き面3m(対向面)を長手方向と直交する垂直面で切った緯糸保持部3の断面図であり、それら部材の断面形状とその組合せの例を示している。ここで図15(a)は、キャッチベース3aのベース面3h、キャッチ片3bの下向き面3mのいずれもが平滑面の例である。図15(b)は、キャッチベース3aのベース面3hのみに複数のV字溝を設けた例であるが、これに代えてキャッチ片3bの下向き面3mのみに設けてもよい。また、図15(c)は、キャッチベース3aのベース面3h、キャッチ片3bの下向き面3mのいずれにも複数のV字溝を設け、それらが噛み合うようにした例である。例えば、図15(c)について、互いのV字状の稜部が対向するように設けることも考えられる。このような平滑面あるいは複数のV字溝によって形成される三角波状の端面のいずれも緯糸を把持する際の緯糸保持面として機能し、このような面は、少なくともくさび状の隙間3cを形成する領域に設けられる。なお、キャッチベース3aのベース面3h、キャッチ片3bの下向き面3mの長手方向全面に連続的に形成することもできる。また溝の形状についても、V字状に限らず、矩形波状、鋸刃状、U字状、波状等も考えられる。
また、上記実施例では、緯糸保持部3を構成するキャッチベース3aおよびキャッチ片3bの対向面の一方または双方に複数の溝を設ける例だが、これに代えて、一方に溝を一つに設け、他方がその溝に嵌り合う凸部を形成して緯糸保持部3を構成してもよい。キャッチベース3aのベース面3h、キャッチ片3bの下向き面3mの少なくともいずれか一方に溝を付ければ、緯糸を噛み込むことができ、緯糸保持部3の緯糸保持力を高めることができる。
さらに、舌片部8の駆動について、前述したレピアヘッド2の走行経路上に設けたオープナカム17による開閉駆動に限らない。例えば、レピアヘッド2に組み込まれた駆動用の電動アクチュエータに給電することにより開閉駆動してもよい。また、他の例としては、電動アクチュエータによってオープナカム17の位置を制御する駆動装置を織機フレーム側に設けることで駆動することも考えられる。電動アクチュエータによって駆動する場合、さらに好適には、織機の緯糸選択信号を利用して、インサートレピア1の緯糸導入が難しい緯糸選択時のみ、舌片部8を移動駆動するように構成しても良い。これにより、舌片部8を運動させるレバー等の運動伝達部の運動回数が少なくて済む分、それらを支持する支軸部の摩耗が少なくなるから、インサートレピア1の寿命がより長命になる。
また、前述した例では、下側に突出したオープナカム17に、上方向に突出した受圧部12等を当接させているが、各々を側方に突出させて当接させるように構成しても良い。
1 インサートレピア
2 レピアヘッド
3 緯糸保持部
3a キャッチベース
3b キャッチ片
3c くさび状の隙間
3e キャッチ片の下稜部
3h ベース面
3m 下向き面
4 先端部
4a 上側案内部
4b 下側案内部
5 底部
5a 十字溝
5c 壁部
5d 壁部
5e 基端部
6 前壁
6a 前壁の頂部
6b 前壁の上稜部
6f 隙間
7 後壁
7a 後壁の頂部
7b 後壁の上稜部
7c 凸部
7d 緯糸当接部
7f 隙間
8 舌片部
8a 舌片部の先端部分
8b 先端部分の上稜部
8c 舌片部の下稜部
8d 舌片部の頂部
8e 退避部
8f 導入部
8h 変曲点
9 緯糸ストッパ
9a 前側ストッパ
9b 後側ストッパ
9c 係止片
9d プレート
9e ねじ
9f ねじ
10 ヘッドカバー
10a 上壁部
10b 後側の側壁部
10c 前側の側壁部
10d 上稜部
10e 頂部
10f 緯糸ガイド
10g 下稜部
11 緯糸通路
12 受圧部
13 レバー
13a ブッシュ
13b ピン
13c 支軸部材
14 付勢手段
14a スプリングホルダ
14b 圧縮コイルばね
15 受圧部
16 運動伝達部
16a リンク
16b 揺動レバー
16c リンク
16d 軸
16e 支持部
17 オープナカム
17a リフト面
20 緯糸
21 経糸
22 織布
23 緯糸選択レバー
24 レピアバンド
25 取付治具
26 ヘッドチップ
33 緯糸保持部
33b キャッチ片
33c くさび状の隙間
33m 下向き面
35 レバー
36 受圧部
37 レバー
37b 軸
38 舌片部
38a 舌片部の先端部分
38b 先端部分の上稜部
38c 舌片部の下稜部
38d 舌片部の頂部
39 レバー
40 ヘッドカバー
40a 上壁部
40b 後側の側壁部
40c 前側の側壁部
40d 上稜部
40e 頂部
40f 緯糸ガイド
40g 下稜部
41 受圧部材
41a 枝部
41b 係合部
41c 受圧部
41d 回転軸
42 付勢手段
43 緯糸保持部
43b キャッチ片
43c くさび状の隙間
43m 下向き案内面
46 運動伝達部
48 舌片部
48a 舌片部の先端部分
48b 舌片部の上稜部
48d 舌片部の頂部
49 スライドレバー
49a 支持部
49b フランジ部
49b 支持部
49d 係合ピン
53 緯糸保持部
53b キャッチ片
53e キャッチ片の下稜部
53m 下向き案内面
58 舌片部
58a 舌片部の先端部分
58b 舌片部の上稜部
58c 舌片部の下稜部
58d 舌片部の頂部
60 ヘッドカバー
60a 上壁部
60b 後側の側壁部
60c 前側の側壁部
60d 上稜部
60e 頂部
60f 緯糸ガイド
60g 下稜部
63 緯糸保持部
63b キャッチ片
63c くさび状の隙間
63e キャッチ片の下稜部
63m 下向き案内面
68 舌片部
68a 舌片部の先端部分
68b 舌片部の上稜部
68d 舌片部の頂部
70 ヘッドカバー
70a 上壁部
70f 先端部材
70j 基端部材
73 緯糸保持部
73b キャッチ片
73e キャッチ片の下稜部
73m 下向き案内面
78 舌片部
78a 先端部分
78b 上稜部
78d 頂部
80 ヘッドカバー
81 インサートレピア
82 レピアヘッド
83 緯糸保持部
83a キャッチベース
83b キャッチ片
83c くさび状の隙間
83e 対向面
83f 対向面
84 先端部
84a 上側案内部
84b 下側案内部
85 底部
86 前壁
86a 前壁の頂部
86b 前壁の上稜部
87 後壁
87a 後壁の頂部
87b 後壁の上稜部
88 舌片部
88b 舌片部の上稜部
88d 舌片部の頂部
89 隙間
P1 待機位置
P2 退避位置

Claims (14)

  1. 両側レピア織機に用いられ、キャリアレピアに緯糸(20)を受け渡すインサートレピア(1)であって、
    インサートレピア(1)は、レピアヘッド(2)と、レピアヘッド(2)の底部(5)に設けられる緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)とを備え、
    レピアヘッド(2)には、前記緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)よりもレピアヘッド(2)の先端側に、レピアヘッド(2)の底部(5)の両側より上方に突出する山型の後壁(7)および前壁(6)が設けられており、
    また、レピアヘッド(2)には、前記後壁(7)および前記前壁(6)よりも緯糸保持部(3,33,43,53,63,73)側から前記後壁(7)と前記前壁(6)との間の領域へ向かって延在する舌片部(8,38,48,58,68,78)が設けられており、レピアヘッド(2)の側方より見て、前記前壁(6)および前記後壁(7)は互いに一部が重複するように設けられるとともに、
    前記舌片部の先端部分(8a,38a,48a,58a,68a,78a)は、その頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)が前記重複する領域に位置しており、かつ前記舌片部(8,38,48,58,68,78)の先端部分の上稜部(8b,38b,48b,58b,68b,78b)は、前記舌片部の頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)から前記舌片部(8,38,48,58,68,78)の基端側に進むにつれて高さ方向に徐々に上昇するように形成されて、前記前壁(6)と前記後壁(7)と前記舌片部(8,38,48,58,68,78)とにより経糸かき分け部を構成するインサートレピア(1)において、
    インサートレピア(1)は、レピアヘッド(2)の側方より見て、前記舌片部(8,38,48,58,68,78)が、待機位置(P1)からレピアヘッド(2)の上方ないし基端方向のいずれかの退避位置(P2)へ移動可能に設けられるとともに、緯糸(20)が前記舌片部の頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)を通過する前に、前記舌片部(8,38,48,58,68,78)が前記退避位置(P2)へ移動されることを特徴とするインサートレピア(1)。
  2. 前記舌片部(8,38,58)は、上下方向に回動可能なレバー(13,35,37,39)の先端に設けられることを特徴とする請求項1記載のインサートレピア(1)。
  3. 前記緯糸保持部(3,53)は、
    レピアヘッド(2)の底部(5)に設けられるキャッチベース(3a)と、
    前記キャッチベース(3a)のベース面(3h)に対向する下向き面(3m,53m)を有し、緯糸(20)を前記ベース面(3h)と前記下向き面(3m,53m)との間で保持するキャッチ片(3b,53b)とを備え、
    前記キャッチ片(3b,53b)は、上下方向に回動可能なレバー(13,37,39)に設けられ、
    前記舌片部(8,58)は、前記キャッチ片(3b,53b)の側部に設けられることを特徴とする請求項2記載のインサートレピア(1)。
  4. 前記舌片部の先端部分(8a,58a)は、前記舌片部の頂部(8d,58d)から基端側に延在する下稜部(8c,58c)を有し、前記舌片部の下稜部(8c,58c)は、レピアヘッド(2)の側方より見て、前記キャッチ片の下稜部(3e,53e)に連続するように設けられることを特徴とする請求項3記載のインサートレピア(1)。
  5. 前記キャッチベース(3a)のベース面(3h)と、前記キャッチ片(3b,53b)の下向き面(3m,53m)との間に進入方向に開口して緯糸(20)を保持するくさび状の隙間(3c,53c)を形成し、
    前記舌片部(8,58)の前記退避位置(P2)への移動によって前記キャッチ片(3b,53b)の下向き面(3m,53m)が前記キャッチベース(3a)のベース面(3h)から離間することによりくさび状の隙間(3c,53c)が拡がるように設けられるとともに、
    前記くさび状の隙間(3c,53c)における緯糸(20)の保持位置を決定する緯糸ストッパ(9)を前記キャッチベース(3a)の側部に設け、前記くさび状の隙間(3c,53c)に導入された緯糸(20)が舌片部の頂部(8d,58d)を通過した後、前記緯糸ストッパ(9)によって係止したときに、緯糸(20)が前記キャッチ片(3b,53b)の下向き面(3m,53m)上に位置するように前記緯糸ストッパ(9)を設けたことを特徴とする請求項3または請求項4記載のインサートレピア(1)。
  6. 前記緯糸ストッパ(9)を前記キャッチベース(3a)に対してレピアヘッド(2)の長手方向に相対的に位置調節可能に設けたことを特徴とする請求項5記載のインサートレピア(1)。
  7. 前記レピアヘッド(2)の後壁(7)が設けられる側の側部には、レピアヘッド(2)の長手方向に延在するヘッドカバー(10,40,60)が設けられており、
    前記ヘッドカバー(10,40,60)は、上壁部(10a,40a,60a)と、上壁部(10a,40a,60a)の両側から下方に突出する後側の側壁部(10b,40b,60b)ならびに前側の側壁部(10c,40c,60c)とを有し、
    前記後側の側壁部(10b,40b,60b)にはキャリアレピアに緯糸(20)を受け渡す際に緯糸(20)の位置を規制する緯糸ガイド(10f,40f,60f)が形成されるとともに、
    前記前側の側壁部(10c,40c,60c)には、レピアヘッド(2)の先端側に進むにつれて徐々に下降する上稜部(10d,40d,60d)およびこれに連なる頂部(10e,40e,60e)を有しており、前記舌片部(8,38,48,58,68,78)が前記待機位置(P1)に位置する状態において、レピアヘッド(2)の側方より見て、前記舌片部(8,38,48,58,68,78)の先端部分の上稜部(8b,38b,48b,58b,68b,78b)は、前記ヘッドカバー(10)の上稜部(10d,40d,60d)に連続するように設けられ、前記上壁部(10a,40a,60a)と、前記前側の側壁部(10c,40c,60c)と、前記舌片部(8,38,48,58,68,78)の先端部分の上稜部(8b,38b,48b,58b,68b,78b)と、後壁の上稜部(7b)とがレピアヘッド(2)の先端部(4)に連続していることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のインサートレピア(1)。
  8. 前記舌片部(8,38,58)は、インサートレピア(2)の上方側より見て、前記ヘッドカバー(10)と前記キャッチ片(3b,33b,53b)との間に配置されるとともに、
    前記舌片部(8,38,58)が前記退避位置(P2)へ移動した状態において、レピアヘッド(2)の側方より見て、舌片部の下稜部(8c,38c,58c)は、後壁の上稜部(7b)に対して離間し、舌片部の下稜部(8c,38c,58c)と、前記後壁の上稜部(7b)および前壁の上稜部(6b)とによって、前記緯糸保持部(3,33,53)に通ずる緯糸通路(11)を形成することを特徴とする請求項から請求項のうちいずれか1項に記載のインサートレピア(1)。
  9. 前記レピアヘッド(2)の後壁(7)には、後壁の頂部(7a)よりレピアヘッド(2)の基端側に突出する凸部(7c)を有し、前記凸部(7c)の下向きの稜線が先端側から基端側に転向してレピアヘッド(2)の底部(5)に連続するように設けられていて、キャリアレピアへ緯糸(20)を受け渡す際に緯糸(20)に当接する凹状の緯糸当接部(7d)が形成されており、
    前記舌片部(8,38,58)が前記退避位置(P2)へ移動した状態において、レピアヘッド(2)の側方より見て、ヘッドカバー(10)の下稜部(10g)および舌片部の下稜部(8c,38c,58c)は、前記後壁(7)の凸部(7c)と重複しないように設けられていて、前記ヘッドカバーの下稜部(10g)と、前記舌片部の下稜部(8c,38c,58c)と、前記後壁の凸部(7c)と、前記前壁(7)の上稜部(6b)とによって、緯糸保持部(3,33,53)に通ずる緯糸通路(11)が形成されることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載のインサートレピア(1)。
  10. 前記舌片部(8,38,48,58,68,78)が前記待機位置(P1)にあるとき、前記舌片部の頂部(8d,38d,48d,58d,68d,78d)は、経糸方向に対し所定角度で延在する緯糸(20)がインサートレピア(1)の走行に伴って前記後壁(7)の上稜部(7b)および前壁(6)の上稜部(6b)に接触しながら相対移動するときの前記緯糸(20)の位置よりも高い位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載のインサートレピア(1)。
  11. 前記舌片部(8,38)が設けられるレバー(13,35)の端部に、レピアヘッド(2)の上部に突出する受圧部(12,36)を設け、前記レバー(13,35)は、付勢手段(14)により前記舌片部の先端部分(8a,38a)を待機位置(P1)に戻す方向に付勢されており、
    前記インサートレピア(1)は、レピアヘッド(2)の走行経路上にオープナカム(17)を前記受圧部(12,36)に当接可能に配置するレピア織機に用いられるインサートレピア(1)であって、
    緯糸(20)が前記舌片部の頂部(8d,38d)を通過する前に、舌片部(8,38)は、前記受圧部(12,36)が前記配置されたオープナカム(17)に当接することによって前記退避位置(P2)へ移動されることを特徴とする請求項2から請求項10のうちいずれか1項に記載のインサートレピア(1)。
  12. 前記レピアヘッド(2)には、変位可能な受圧部材(15)および前記受圧部材(15)の変位に連動して舌片部(8)を移動させる運動伝達部(16)が設けられるとともに、前記舌片部(8)は、付勢手段(14b)を介して前記舌片部の先端部分(8a)を待機位置(P1)に戻す方向に付勢されており、
    前記インサートレピア(1)は、レピアヘッド(2)の走行経路上にオープナカム(17)を前記受圧部材(15)に当接可能に配置するレピア織機に用いられるインサートレピア(1)であって、
    緯糸(20)が前記舌片部の頂部(8d)を通過する前に、前記受圧部材(15)が前記配置されたオープナカム(17)に当接することによって変位し、前記受圧部材(15)は、前記運動伝達部(16)を介して前記舌片部(8)を前記退避位置(P2)へ移動させることを特徴とする請求項2から請求項10のうちいずれか1項に記載のインサートレピア(1)。
  13. 前記舌片部(48)は、長手方向に延在しかつ長手方向の移動を許容するように支持されるスライドレバー(49)の先端に設けられることを特徴とする請求項1記載のインサートレピア(1)。
  14. 前記レピアヘッド(2)には、変位可能な受圧部材(41)および前記受圧部材(41)の変位に連動する運動伝達部(46)が設けられるとともに、前記舌片部(48)は、付勢手段(42)を介して前記舌片部の先端部分(48a)を待機位置(P1)に戻す方向に付勢されており、
    前記インサートレピア(1)は、レピアヘッド(2)の走行経路上にオープナカム(17)を前記受圧部材(41)に当接可能に配置するレピア織機に用いられるインサートレピア(1)であって、
    緯糸(20)が前記頂部(48d)を通過する前に、前記受圧部材(41)が前記配置されたオープナカム(17)に当接することによって変位し、前記受圧部材(41)は、前記運動伝達部(46)を介して前記舌片部(48)を前記退避位置(P2)へ移動させることを特徴とする請求項13に記載のインサートレピア(1)。
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