JP4245222B2 - ミシンの下糸切断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業用ミシン、特に洋服などのボタン穴かがり縫いを行う穴かがりミシン等の下糸切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8〜図11に基づいて従来のミシンの下糸切断装置について説明する。
図8は従来のミシンの下糸切断装置の縫製中の状態を示す底面図、図9は従来のミシンの下糸切断装置の動作時の状態を示す底面図、図10は従来のミシンの下糸切断装置の動作終了時の状態を示す底面図、図11は従来の下糸切断の状態を説明する針穴近傍の側断面図である。
【0003】
図8ないし図10に示されるように、針板15は長穴の針穴15aおよびメス挿通孔15bを有し、針板台8に固定されている。
下糸たぐりレバー140は、一連の縫製終了後に、次回縫製時用に所定量の下糸をボビンから引き出すためのものである。下糸捕捉板131は、下糸たぐりレバー140によりたぐり寄せられた下糸を下糸切断手段20により確実に切断することができるようにするためのものである。
【0004】
縫製中にはミシン針(図示省略)が長穴の針穴15aの長手方向に往復移動している。また、縫製中は図8に示されるように、はさみ開き機構10によりはさみが開いた状態である。
【0005】
縫製完了後、ミシン針が針穴15aの長手方向のいずれかの位置に対応して停止し、下糸はこの針から針穴15aを介してボビンに至る状態となる。このとき、ペダル等によりリンク5を図中上方へ動作させることにより、糸たぐりレバー140を反時計方向へ回動させ、次回縫製時に必要な所定量の下糸をボビン(図示省略)より繰り出すとともに、下糸を下糸捕捉板131の下糸案内部131aに案内する(図9)。
また、下糸切り下メス1、下糸切り上メス2、糸押さえバネ3等から構成される下糸切断手段20は軸1aを中心に時計方向に回動し、下糸切り下メス1に連結された下糸切り上メス2と糸押さえバネ3とは、針穴15aの長手方向に移動することで糸たぐりレバー140の糸たぐり板41の先端と協働して針穴15a付近で下糸を捕捉して下糸切断寸前の状態になる。(この状態では下糸切り下メス1の切断部1cと下糸切り上メス2の切断部2cとからなるはさみの間に下糸が存在する。)
糸たぐり板41は、さらに反時計方向に回動しつつ下糸をボビンから引き出す一方で、下糸切り手段20は、時計方向に回動する。そして遂には下糸切り上メス2の被付勢部2eがストッパー8aに当接し、このため切断部2cと切断部1cが閉じて下糸は切断されるとともに、下糸端部は糸押さえバネ3と下糸切り上メス2とに保持される。その後リンク5が図8に示す待機位置へ移動することにより次のサイクルの待機状態となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の下糸切断装置では、縫製中に下糸捕捉板131が針の動作の障害とならないようにするため図11に示すように、下糸捕捉板131を針板15の針穴15aから一定距離l以上ずらした位置とする必要があり、そのため、切断された下糸の被縫製物から切断端までの長さ、即ち下糸残り長さが長くなってしまい、非常に見栄えが悪くなるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、被縫製物の下糸残り長さを短くすることを可能とするミシンの下糸切断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく請求項1記載の発明は、
ミシンの針板に形成された針穴を介して被縫製物からボビンに至る下糸に係合してこの下糸に交差する方向に下糸をたぐり寄せ、所定量の下糸をボビンから引き出す糸たぐりレバーと、
この糸たぐりレバーにより引き出された下糸に所定位置で係合可能な下糸捕捉部材と、
前記糸たぐりレバーにより引き出された下糸を被縫製物の近傍で切断する下糸切断手段とを備えたミシンの下糸切断装置において、
縫製時には針の動作の障害とならない待機位置に前記下糸捕捉部材を移動させ、下糸切断時には前記待機位置で前記下糸捕捉部材により下糸を捕捉した状態よりも、被縫製物から前記下糸切断手段による下糸の切断位置までの経路が短くなる捕捉部材切断時位置に前記下糸捕捉部材を移動させる下糸捕捉部材移動手段を備え、
前記糸たぐりレバーおよび前記下糸捕捉部材はカム部を介して係合されており、
前記糸たぐりレバーの駆動により前記カム部の係合状態が変化して前記下糸捕捉部材が駆動することを特徴としている。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、縫製時には下糸捕捉部材移動手段により待機位置に下糸捕捉部材を移動させるので下糸捕捉部材が針の動作の障害とならないとともに、下糸切断時には下糸捕捉部材移動手段によって、待機位置で下糸捕捉部材により下糸を捕捉した状態よりも被縫製物から下糸切断手段による下糸の切断位置までの経路が短くなる捕捉部材切断時位置に下糸捕捉部材を移動させるので、下糸切断後の被縫製物からの下糸残り長さを短くすることができる。
また、糸たぐりレバーおよび下糸捕捉部材はカム部を介して係合されており、糸たぐりレバーの駆動によりカム部の係合状態が変化して下糸捕捉部材が駆動するので、糸たぐりレバーを駆動させるための駆動源と下糸捕捉部材を駆動させるための駆動源とを共通のものとすることができるとともに、これらの機構をコンパクトにすることができる。
【0010】
請求項2記載の発明は請求項1記載のミシンの下糸切断装置であって、
前記捕捉部材切断時位置は、前記下糸捕捉部材の下糸の捕捉部位が前記針穴と上下方向において重なり合う位置であることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、捕捉部材切断時位置に位置する下糸捕捉部材による下糸の捕捉部位と針穴とが上下方向において重なり合うので、被縫製物から下糸切断手段による切断位置までの経路をより短くすることができる。従って、下糸切断後の被縫製物からの下糸残り長さをより短くすることができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のミシンの下糸切断装置であって、
前記カム部は前記糸たぐりレバーの所定の移動範囲において前記下糸捕捉部材にほぼ運動を伝達しない形状をしており、
前記糸たぐりレバーの駆動中に前記下糸捕捉部材が前記捕捉部材切断時位置で停止することを特徴としている。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、カム部は糸たぐりレバーの所定の移動範囲において下糸捕捉部材にほぼ運動を伝達しない形状をしており、糸たぐりレバーの駆動中にこの糸たぐりレバーの駆動と切り離されて下糸捕捉部材が捕捉部材切断時位置で停止するので、下糸捕捉部材を捕捉部材切断時位置に位置決めした後も糸たぐりレバーにより下糸をたぐり寄せることができる。また、糸たぐりレバーの駆動量と下糸捕捉部材の駆動量とを一部独立して設定できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
<第一の実施の形態例>
以下に、本発明に係る第一の実施の形態例を図1から図4に基づいて説明する。なお、第一の実施の形態例において、従来の技術と同一の構成要素には同一の符号を付す。
【0019】
図1は本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置の縫製中の状態を示す底面図、図2は本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置による切断時の状態を示す底面図、図3は本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置の動作終了時の状態を示す底面図、図4は下糸切断の状態を説明する針穴近傍の側断面図である。
【0020】
本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置は、縫製時には針の動作の障害とならない待機位置に下糸捕捉部材を待機させ、下糸切断時には前記待機位置で下糸捕捉部材により下糸を捕捉した状態で下糸を切断するよりも下糸残り長さが短くなる捕捉部材切断時位置に下糸捕捉部材を移動させるための下糸捕捉板移動手段を備えることで、被縫製物からの下糸残り長さを短くすることを可能とすることを主な特徴としている。
さらに、第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置は、カム機構を設けることにより、下糸捕捉部材の動作を、被縫製物とボビンとの間の下糸に係合し所定量の下糸を引き出す糸たぐりレバーの動作と連動させて行うことを可能とすることをもう一つの主な特徴としている。
【0021】
第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置は、下糸を切断するための下糸切断手段20、下糸切断手段20のはさみを開くためのはさみ開き機構10、下糸切断手段20とリンク6により連結されて下糸切断手段20と連動する糸たぐりレバー4、詳細は後述するように糸たぐりレバー4と連動する下糸捕捉部材33等により概略構成されている。
【0022】
図1等に示されるように、針板台8には針板15が固定されている。この針板15には縫製中に針(図示省略)が通過する長穴の針穴15aと、ボタン孔を形成するためのメス(図示省略)が通過するメス挿通孔15bが形成されている。また、針板台8には下糸切断手段20の動作領域となるくり抜き部8bが形成されている。
【0023】
下糸切り下メス1は軸1aを中心に回動可能に針板台8に取付けられている。この下糸切り下メス1には、軸2aを中心に回動可能に下糸切り上メス2が取付けられている。また、下糸切り下メス1には糸押さえバネ3を下糸切り下メス1に対して位置決めするための固定ピン1bが形成されている。この固定ピン1bは下糸切り上メス2に形成された貫通孔2bを貫通して図における下糸切り上メス2の上方に位置する。そして、糸押さえバネ3は軸2aにおいて下糸切り下メス1に取付けられるとともに、この軸2aによる1点での取付のみでは糸押さえバネ3が下糸切り下メス1に対して回動してしまい不都合であるため、糸押さえバネ3は固定ピン1bにより下糸切り下メス1に対して位置決めされている。そして、下糸切り下メス1および糸押さえバネ3に対して下糸切り上メス2が回動する際に固定ピン1bが邪魔にならないように下糸切り上メス2には貫通孔2bが形成されている。従って、下糸切り上メス2は下糸切り下メス1および糸押さえバネ3に挟持された状態で回動可能である。
【0024】
そして、下糸切り上メス2が時計周りに回動することで下糸切り上メス2の端部に形成された切断部2cと下糸切り下メス1の端部に形成された切断部1cとの間隔が開く。同時に切断部2cと糸押さえバネ3の端部に形成された糸押さえ部3cの間隔が開く。また、下糸切り上メス2が反時計周りに回動することで切断部1cと切断部2cとの間隔が閉じて下糸を切断することができる。この下糸切り下メス1の切断部1cと下糸切り上メス2の切断部2cとではさみが構成されている。
また、切断部1cと切断部2cが閉じると同時に、切断部2cと糸押さえ部3cとの間隔が閉じて、これらにより、はさみよりもボビンよりの位置で下糸を挟持してボビン側の下糸を保持することができるようになっている。
【0025】
さらに、下糸切り上メス2には被付勢部2eが突出して形成されており、下糸切り下メス1の切断部1cと下糸切り上メス2の切断部2cとの間隔が開いた状態で下糸切断手段20を時計周りに回動させる。そして、被付勢部2eが針板台8に形成されたストッパー8aに当接した後もさらに下糸切断手段20を回動させると、下糸切り上メス2の被付勢部2eがストッパー8aに付勢されて下糸切り上メス2が反時計周りに回動する。この結果、切断部1cと切断部2cとの間隔が閉じられる。この下糸を切断する状態では、これら切断部1cと切断部2cによる切断位置が針穴15aと上下方向において重なり合うように設定されている。
このように、これら下糸切り下メス1、下糸切り上メス2および糸押さえバネ3により下糸切断手段20が構成されている。
【0026】
ここで、下糸切りメス1には段部1dが形成されており、これにより、下糸切断手段20の軸1aを中心とした回動の動作領域が針板台8のくり抜き部8bの内部にほぼ収容される。
【0027】
また、下糸切り上メス2には被付勢ピン2dが突設されている。また、軸11aを中心に付勢部材11が針板台8に回動可能に取付けられている。この付勢部材11は軸11bにおいてレバー12の一端と回動可能に連結されており、リンク12の他端は軸12aにおいて回動部材13と回動自在に連結されている。これにより、回動部材13を時計周りに回動させると、レバー12が平行に右上に移動するとともに付勢部材11がレバー12に引っ張られて反時計周りに回動する。そして付勢部材11の一端が下糸切り上メス2の被付勢ピン2dを付勢して下糸切り上メス2が下糸切り下メス1および糸押さえバネ3に対して時計周りに回動し、切断部1cと切断部2cとの間隔を開くことができる。
これら下糸切り上メス2の被付勢ピン2d、付勢部材11、リンク12、回動部材13によりはさみ開き機構10を構成している。
【0028】
糸たぐりレバー4は、軸4aを中心に回動可能に針板台8に対して固定された本体(下糸捕捉部材移動手段)40と、ネジ4bにより本体40の先端に取付けられた糸たぐり板41とを有している。さらに、下糸切り下メス1と糸たぐりレバー4とは、軸6a、6bにおいてそれぞれリンク6の両端に対して回動可能に連結されている。
従って、糸たぐりレバー4を反時計周りに回動させると、これに連動してリンク6を介して前記下糸切断手段20が時計周りに回動する。そして、糸たぐりレバー4を時計周りに回動させると下糸切断手段20が反時計周りに回動する。ここで、糸たぐりレバー4の糸たぐり板41は軸6bにより本体40に対して位置決めされているため、糸たぐりレバー4の本体40と糸たぐり板41とが一体的に動作する。
この糸たぐりレバー4を反時計回りに回動させると、糸たぐり板41の係合部41aが針穴15aを介して被縫製物からボビン(図示省略)に至る下糸に係合してこの下糸に交差する方向に下糸をたぐり寄せ、所定量の下糸をボビンから引き出すことができる。
【0029】
また、捕捉板台30は針板台8に回動可能に支持されている。この捕捉板台30の先端には、ネジ31b、31cにより下糸捕捉板31が固定されている。これら下糸捕捉板31と捕捉板台30とで本発明に係る下糸捕捉部材33を構成しているとする。
また、捕捉板台30の軸30aを挟んだ逆端には引張バネ(下糸捕捉部材移動手段)32が取付けられている。この引張バネ32は下糸捕捉部材33を時計周りに回動させる方向に付勢する。
下糸捕捉板31には、下糸捕捉時(下糸切断時)の下糸捕捉板31の移動方向の逆向きにくびれた下糸案内部31aが形成されている。この下糸案内部31aは下糸切断時に下糸を捕捉して下糸の経路を案内する部分である。
【0030】
糸たぐりレバー4には捕捉板台30方向に突出して形成されたカム部(下糸捕捉部材移動手段)40cと、このカム部40cに連続するとともに、図1左右方向に向けてカム部(下糸捕捉部材移動手段)40dがそれぞれ形成されている。一方、捕捉板台30には糸たぐりレバー4方向に突出して形成されたカム部(下糸捕捉部材移動手段)30cと、このカム部30cに連続するとともに、基部側に向けて(図1上下方向)にカム部(下糸捕捉部材移動手段)30bが形成されている。
下糸捕捉部材33が時計周りに回動するとカム部30cがカム部40dに当接した時点でカム部30cの動きがカム部40dにより規制され、下糸捕捉部材33の回動が停止するようになっている。このように下糸捕捉部材33が停止したときの下糸捕捉部材33の位置が捕捉部材切断時位置である。
いま、例えば、カム部40dによるカム部30cの動きの規制により下糸捕捉部材33の時計周りの回動が停止した状態では、下糸案内部31aが(換言すれば下糸捕捉部材33による下糸の捕捉部位が)針穴15aと上下方向において重なり合う。さらに、この状態では下糸案内部31aがほぼ針穴15aの中心の真下に位置するように設定すると好ましい。
【0031】
一方、糸たぐりレバー4が時計周りに回動するとカム部40cがカム部30bに当接した後は、カム部40cがカム部30bに対して僅かに摺動し、下糸捕捉部材33を反時計周りに回動させる。
つまり、糸たぐりレバー4および下糸捕捉部材33はカム部30b、30c、40c、40dを介して係合しており、糸たぐりレバー4の駆動によりカム部30b、30c、40c、40dの係合状態が変化して下糸捕捉部材33が駆動される。
【0032】
また、糸たぐりレバー4は軸5aにおいてリンク5の一端と回動可能に連結され、このリンク5の他端は揺動部材7と軸5bにおいて回動可能に連結されている。この揺動部材7は軸7aを中心に揺動可能である。この揺動部材7を時計回りに揺動させることによりリンク5を介して糸たぐりレバー4を反時計周りに回動させることができ、逆に揺動部材7を反時計回りに揺動させることにより糸たぐりレバー4を時計回りに回動させることができる。
【0033】
このように構成されたミシンの下糸装置の動作について以下に説明する。
先ず、縫製中は図1に示されるように、図示しない駆動手段により揺動部材7が反時計回りに揺動されており、リンク5を介した動作により糸たぐりレバー4が時計回りに振れた状態となっている。このとき、リンク6を介した動作により下糸切断手段20が反時計回りに振れた状態となり、はさみ(切断部1c、2c)が針穴15aから離れた状態となっている。また同時に、はさみ開き機構10により切断部1c,2cが互いに開かれている。
また、糸たぐりレバー4のカム部40cに下糸捕捉部材33のカム部30bが係合して、引張バネ32の引張力に抗して下糸捕捉部材33が反時計回りに振れた状態となっている。即ち、下糸捕捉部材33は、下糸捕捉板31が針穴15aを通過する針の動作の障害とならない待機位置にある。
【0034】
そして、一連の縫製作業終了後は、長穴の針穴15aの長手方向のいずれかの位置でミシン針が停止した状態となる。この状態で、下糸切断時には、前記図示しない駆動手段により(例えばペダル等の操作により)揺動部材7を時計回りに揺動することによって、リンク5を介して糸たぐりレバー4が反時計回りに回動する。このとき、以下に示す▲1▼〜▲3▼の動作が並行して起こる。
【0035】
▲1▼ 糸たぐりレバー4の糸たぐり板41の係合部41aが下糸に係合し、針からボビンに至る下糸を下糸の経路に交差する方向にたぐり寄せ、次回縫製に必要なだけの所定量の下糸をボビンから繰り出す。
ここで、下糸をたぐり寄せた後ではさみにより下糸を確実に捕捉することができるように、糸たぐりレバー4により下糸をたぐり寄せる方向は、ほぼ針穴15aの長手方向に一致する。
【0036】
▲2▼ 糸たぐりレバー4の反時計周りの回動にともない、捕捉板台30のカム部30bは糸たぐりレバー4のカム部40cによる規制から解放されるが、下糸捕捉部材33は引張バネ32により時計周りに回動するべく付勢されているので、カム部30bはカム部40cの動きに追従し、下糸捕捉部材33は引張バネ32の引張力に従って時計周りに回動する。そして、捕捉板台30のカム部30cが糸たぐりレバー4のカム部40dに当接したところで下糸捕捉部材33の時計周りの回動が停止される。即ち、下糸捕捉部材33は捕捉部材切断時位置に配置される。このとき図4に示すように下糸捕捉板31の下糸案内部31aの位置は針穴15aと上下方向において重なり合う。さらに、この際下糸案内部31aは針穴15aのほぼ中心の真下の位置にするとより好ましい。
この下糸捕捉部材33の回動動作のいずれかの時点で、下糸案内部31aが下糸を捕捉して、下糸の経路を変更する。
また、糸たぐりレバー4のカム部40c、40dまたは下糸捕捉部材33のカム部30b、30cのいずれかの形状を変更して、上記下糸捕捉部材33の回動動作の終了後、下糸案内部31aが下糸を捕捉して下糸の経路を変更するようにすることも容易にできる。
この下糸経路変更の際、下糸案内部31aは下糸捕捉板31の移動方向の逆向きにくびれているので、下糸を捕捉した瞬間の位置が下糸案内部31aから若干ずれていたとしても、このくびれ形状に沿って下糸が下糸案内部31aへと誘導されて、このずれが修正されて下糸の経路を案内することができる。
【0037】
なお、捕捉板台30のカム部30cが糸たぐりレバー4のカム部40dに当接して下糸捕捉部材33の回動が停止する。そして、下糸捕捉部材33が捕捉部材切断時位置に配置された時点で糸たぐりレバー4の駆動と下糸捕捉部材33の駆動とを切り離す。そして、糸たぐりレバー4だけは、なおも所定量だけ回動して所定量の下糸をボビンから引き出すことができる。
つまり、カム部30b,30c、40c,40dは糸たぐりレバー4の所定の移動範囲において下糸捕捉部材33に運動を伝達しない形状となっている。
【0038】
▲3▼ 糸たぐりレバー4の反時計回りの回動にともない、リンク6を介した動作により下糸切断手段20が時計回りに回動する。そして、切断部2cと糸押さえ部3cとではさみよりもボビンよりの位置で下糸を捕捉する。やがて被付勢部2eがストッパー8aに当接した後は被付勢部2eがストッパー8aに付勢されて下糸切り上メス2が下糸切り下メス1および糸押さえバネ3に対して反時計回りに回動し、切断部2cと糸押さえ部3cとの間隔が閉じてこれらにより下糸を保持する。また同時に切断部1cと切断部2cとの間隔が閉じる。ここで、切断部1cと切断部2cが閉じて下糸を切断する状態では、これら切断部1cと切断部2cによる切断位置が針穴15aと上下方向において重なり合うように設定されているため、針穴15aの真下で下糸が切断される。
この切断時の状態では、図4に示されるように、下糸案内部31aは針穴15aのほぼ中心の真下になり、切断時の下糸を同図のように案内している。
また、下糸が切断されるとともに、下糸端部が切断部よりもボビンよりの位置で糸押さえバネ3と、下糸切り上メス2とに保持されているため、糸たぐりレバー4によりたぐり寄せられて余裕長を持たせてボビンから引き出された下糸が次の縫製の待機状態となっている。
ここで、このときのはさみ(切断部2cおよび切断部1c)、並びに切断部2cと糸押さえ部3cの動きはほぼ針穴15aの長手方向と一致するため、縫製終了後の針の停止位置いかんに関わらず、常に下糸切断手段20の回動のいずれかの時点で切断及び保持のために下糸を捕捉することができる。
【0039】
このように、下糸案内部31aが針穴15aのほぼ中心の真下にある状態となるような捕捉部材切断時位置に下糸捕捉部材33を配置した状態で、下糸案内部31aにより下糸を案内して下糸を切断するので、被縫製物から下糸切断手段20による下糸の切断位置までの経路を最小限に短くすることができる。
ここで、詳細には、被縫製物から下糸切断手段20による下糸の切断位置までの経路は縫製終了後に針が停止した位置により変化するが、下糸案内部31aが針穴15aのほぼ中心の真下にある状態となっているので、針の停止位置が針穴15aの長手方向の片側に位置した場合と逆側に位置した場合とで下糸残り長さをほぼ等しくすることができる。よって、下糸案内部31aが針穴15aに対応していない場合のように、針の停止位置が針穴15aの長手方向の片側の時は極端に下糸残り長さが長くなってしまうと言った問題がない。さらには、針の停止位置を常に針穴15aの長手方向の中心にするようにしておけば、常時被縫製物の下糸残り長さを最短とすることができる。
【0040】
次ぎに、次の縫製作業を開始するためには、図示しない駆動手段により揺動部材7を反時計回りに揺動することでリンク5を介して糸たぐりレバー4を時計回りに回動させる。
このとき、以下に示す▲1▼,▲2▼の動作が並行して起こる。
【0041】
▲1▼ リンク6を介して下糸切断手段20が反時計回りに回動し、はさみが針穴15aから離れる。
【0042】
▲2▼ 糸たぐりレバー4の時計回りの回動にともない、糸たぐりレバー4のカム部40cにより捕捉板台30のカム部30bが反時計回りに付勢され、下糸捕捉部材33は引張バネ32の引張力に抗して反時計回りに回動し、下糸捕捉板31の下糸案内部31aが針穴15aから離れる。そして、縫製時に針の動作の障害とならない待機位置まで下糸捕捉部材33が移動する。
【0043】
このように、下糸捕捉部材移動手段(軸30a、カム部30b、カム部30c、本体40、カム部40c、カム部40d、引張バネ32、リンク5等)の作用により、下糸切断時、および縫製作業時には糸たぐりレバー4の回動に連動させて下糸捕捉部材33をそれぞれ捕捉部材切断時位置または待機位置に移動させることができるので、糸たぐりレバー4を駆動させるための駆動源と下糸捕捉部材33を駆動させるための駆動源とを共通のものとすることができるとともに、これらの機構をコンパクトにすることができる。
【0044】
本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置によれば、縫製時には下糸捕捉部材移動手段(軸30a、カム部30b、カム部30c、本体40、カム部40c、カム部40d、引張バネ32、リンク5等)により待機位置に下糸捕捉部材33を移動させるので下糸捕捉部材33が針の動作の障害とならないとともに、下糸切断時には下糸捕捉部材移動手段によって、待機位置で下糸捕捉部材33により下糸を捕捉した状態よりも被縫製物から下糸切断手段20による下糸の切断位置までの経路が短くなる捕捉部材切断時位置に下糸捕捉部材33を移動させるので、下糸切断後の被縫製物からの下糸残り長さを短くすることができる。従って、見栄えの良いボタン穴を縫製することができる。
【0045】
また、切断時捕捉位置に位置する下糸捕捉部材33による下糸の捕捉部位(下糸案内部31a)とミシン針穴とが上下方向において重なり合うので、被縫製物から下糸切断手段20による切断位置までの経路をより短くすることができる。従って、下糸切断後の被縫製物からの下糸残り長さをより短くすることができる。
【0046】
さらに、糸たぐりレバー4および下糸捕捉部材33はカム部30b,30c、40c,40dを介して連結されており、糸たぐりレバー4の駆動によりカム部30b,30c、40c,40dの連結状態が変化して下糸捕捉部材33が駆動して待機位置または捕捉部材切断時位置に移動するので、糸たぐりレバー4を駆動させるための駆動源と下糸捕捉部材33を駆動させるための駆動源とを共通のものとすることができるとともに、これらの機構をコンパクトにすることができる。
【0047】
加えて、カム部30b,30c、40c,40dは糸たぐりレバー4の所定の移動範囲において下糸捕捉部材33に運動を伝達しない形状を有しており、糸たぐりレバー4の駆動中にこの糸たぐりレバー4の駆動と切り離されて下糸捕捉部材33が捕捉部材切断時位置で停止するので、下糸捕捉部材33を捕捉部材切断時位置に位置決めした後も糸たぐりレバー4により下糸をたぐり寄せることができる。また、糸たぐりレバ4ーの駆動量と下糸捕捉部材33の駆動量とを一部独立して設定できる。
【0048】
なお、上記の第一の実施の形態例では、下糸案内部31aが下糸切断時には針穴15aと上下方向において重なり合うように設定することとしたが、下糸切断時には前記待機位置で下糸捕捉部材33により下糸を捕捉した状態よりも、被縫製物から下糸切断手段20による下糸の切断位置までの経路が短くなるような捕捉部材切断時位置であれば、その他の位置であっても良い。換言すれば、下糸切断時には図5における角度αが図11における角度βよりも小さくなるように下糸捕捉部材33を移動させる様にしたものであればその他であっても良い。
また、糸たぐりレバー4の回動に下糸捕捉部材33の回動が連動する構成としたが、必ずしも、糸たぐりレバー4の回動に下糸捕捉部材33の回動が連動する構成である必然性はなく、これらが独立して動作するものであっても良い。
さらに、下糸捕捉部材33が回動する構成としたが、例えば、下糸捕捉部材33は直線移動するものであっても良い。
なお、はさみ開き機構10により下糸切り上メス2の被付勢ピン2dを付勢し、下糸切り上メス2を下糸切り下メス1および糸押さえばね3に対して時計回りに回動させて切断部2cと切断部1cおよび糸押さえ部3cとの間隔を開けるのは、次の縫製が始まってすぐであり、縫い始めに下糸を保持しておくことにより縫い始めを安定させている。
【0049】
<第二の実施の形態例>
以下に、本発明に係る第二の実施の形態例を図5から図7に基づいて説明する。なお、第二の実施の形態例において、第一の実施の形態例と同一の構成要素には同一の符号を付す。
図5は本発明に係る第二の実施の形態例のミシンの下糸切断装置の縫製中の状態を示す底面図、図6は本発明に係る第二の実施の形態例のミシンの下糸切断装置の動作終了時の状態を示す底面図、図7は下糸捕捉板およびリンクを示す分解斜視図である。
【0050】
本発明に係る第二の実施の形態例のミシンの下糸切断装置は、第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置と同様に、下糸捕捉板移動手段を備えることで下糸残り長さを短くすることを可能とすることを主な特徴とするとともに、第一の実施の形態例のカム機構に変えてリンク機構を設けることにより、下糸捕捉部材の動作を糸たぐりレバーの動作と連動させて行うことを可能とすることをもう一つの主な特徴としている。
【0051】
先ず、図5に示されるように、下糸たぐりレバー400の本体440は、カム部(カム部40c、40d)が形成されていない点で第一の実施の形態例の下糸たぐりレバー4の本体40と異なる。
【0052】
揺動部材7は、軸50bにおいて軸5bよりも先端側でリンク50の一端と回動可能に連結されている。また、リンク50の他端には長穴部50aが形成され、下糸捕捉板31の段ネジ31bの段部31dがこの長穴部50a内で移動可能になっている。
【0053】
いま、縫製中には、揺動部材7が反時計回りに揺動され、リンク50が図の下方向に引っ張られ、従って、下糸捕捉板31の段部31dがリンク50の長穴部50aのリンク50の端部側に接触し、下糸捕捉部材33の時計回りの回動が規制されて下糸捕捉板31が針穴15aから離された状態となっている(図5)。
【0054】
下糸切断時には、図6に示すように、揺動部材7が時計回りに揺動されることで、糸たぐりレバー400が第一の実施の形態例の糸たぐりレバー4と同様に動作するとともに、下糸切断手段20も第一の実施の形態例と同様に動作する。
このとき、同時に、リンク50が図の上方向に移動させられ、段部31dが長穴部50aによる規制から解放される。従って、下糸捕捉部材33が引張バネ32により付勢されて時計回りに回動するが、この回動は下糸捕捉部材33の捕捉板台30のカム部30bがストッパーピン55に当接した時点で規制される。この動作により下糸捕捉部材33が捕捉部材切断時位置に移動される。このときの下糸捕捉板31の下糸案内部31aが針穴15aのほぼ中心の真下のに位置するように設定されている。
【0055】
逆に、縫製時には、図5に示されるように、揺動部材7が反時計回りに回動されることで、糸たぐりレバー400が第一の実施の形態例の糸たぐりレバー4と同様に動作するとともに、下糸切断手段20も第一の実施の形態例と同様に動作する。
このとき同時に、リンク50が図の下方向に移動させられ、段部31dが長穴部50aにより規制されて、下糸捕捉部材33が引張バネ32による付勢力に抗して反時計回りに回動する。これにより、下糸捕捉部材33の下糸捕捉板31が針の動作の障害とならない待機位置へと下糸捕捉部材33が移動される。
【0056】
このように、本発明に係る第二の実施の形態例によれば、操作により揺動する揺動部材7を備えるとともに、糸たぐりレバー400および下糸捕捉部材33はリンク5、リンク50を介して揺動部材7に連結されており、揺動部材7の駆動により糸たぐりレバー400と下糸捕捉部材33とが駆動される。従って、糸たぐりレバー400を駆動させるための駆動源と下糸捕捉部材33を駆動させるための駆動源とを共通のものとすることができる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1記載の発明に係るミシンの下糸切断装置によれば、縫製時には下糸捕捉部材移動手段により待機位置に下糸捕捉部材を移動させるので下糸捕捉部材が針の動作の障害とならないとともに、下糸切断時には下糸捕捉部材移動手段によって、待機位置で下糸捕捉部材により下糸を捕捉した状態よりも被縫製物から下糸切断手段による下糸の切断位置までの経路が短くなる捕捉部材切断時位置に下糸捕捉部材を移動させるので、下糸切断後の被縫製物からの下糸残り長さを短くすることができる。よって、見栄えの良い縫製をすることができる。
また、糸たぐりレバーおよび下糸捕捉部材はカム部を介して係合されており、糸たぐりレバーの駆動によりカム部の係合状態が変化して下糸捕捉部材が駆動するので、糸たぐりレバーを駆動させるための駆動源と下糸捕捉部材を駆動させるための駆動源とを共通のものとすることができるとともに、これらの機構をコンパクトにすることができる。
【0058】
請求項2記載の発明に係るミシンの下糸切断装置によれば、捕捉部材切断時位置に位置する下糸捕捉部材による下糸の捕捉部位と針穴とが上下方向において重なり合うので、下糸切断後の被縫製物からの下糸残り長さをより短くすることができる。
【0060】
請求項3記載の発明に係るミシンの下糸切断装置によれば、カム部は糸たぐりレバーの所定の移動範囲において下糸捕捉部材にほぼ運動を伝達しない形状をしており、糸たぐりレバーの駆動中にこの糸たぐりレバーの駆動と切り離されて下糸捕捉部材が捕捉部材切断時位置で停止するので、下糸捕捉部材を捕捉部材切断時位置に位置決めした後も糸たぐりレバーにより下糸をたぐり寄せることができる。また、糸たぐりレバーの駆動量と下糸捕捉部材の駆動量とを一部独立して設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置の縫製中の状態を示す底面図である。
【図2】本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置による切断時の状態を示す底面図である。
【図3】本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置の動作終了時の状態を示す底面図である。
【図4】下糸切断の状態を説明する針穴近傍の側断面図である。
【図5】本発明に係る第二の実施の形態例のミシンの下糸切断装置の縫製中の状態を示す底面図である。
【図6】本発明に係る第二の実施の形態例のミシンの下糸切断装置の動作終了時の状態を示す底面図である。
【図7】下糸捕捉板およびリンクを示す分解斜視図である。
【図8】従来のミシンの下糸切断装置の縫製中の状態を示す底面図である。
【図9】従来のミシンの下糸切断装置の動作時の状態を示す底面図である。
【図10】従来のミシンの下糸切断装置の動作終了時の状態を示す底面図である。
【図11】従来の下糸切断の状態を説明する針穴近傍の側断面図である。
【符号の説明】
1 下糸切り下メス(下糸切断手段を構成)
2 下糸切り上メス(下糸切断手段を構成)
3 糸押さえバネ
4 糸たぐりレバー
40 糸たぐりレバーの本体
40c カム部(下糸捕捉部材移動手段)
40d カム部(下糸捕捉部材移動手段)
41 糸たぐりレバーの糸たぐり板
400 糸たぐりレバー
440 糸たぐりレバーの本体
5 リンク(下糸捕捉部材移動手段)
7 揺動部材
8 針板台
15 針板
15a 針穴
30 下糸捕捉部材の捕捉板台
30b カム部(下糸捕捉部材移動手段)
30c カム部(下糸捕捉部材移動手段)
31 下糸捕捉部材の下糸捕捉板
31a 下糸案内部
33 下糸捕捉部材
50 リンク(下糸捕捉部材移動手段)
50a 下糸捕捉部材移動手段の長穴
Claims (3)
- ミシンの針板に形成された針穴を介して被縫製物からボビンに至る下糸に係合してこの下糸に交差する方向に下糸をたぐり寄せ、所定量の下糸をボビンから引き出す糸たぐりレバーと、
この糸たぐりレバーにより引き出された下糸に所定位置で係合可能な下糸捕捉部材と、
前記糸たぐりレバーにより引き出された下糸を被縫製物の近傍で切断する下糸切断手段とを備えたミシンの下糸切断装置において、
縫製時には針の動作の障害とならない待機位置に前記下糸捕捉部材を移動させ、下糸切断時には前記待機位置で前記下糸捕捉部材により下糸を捕捉した状態よりも、被縫製物から前記下糸切断手段による下糸の切断位置までの経路が短くなる捕捉部材切断時位置に前記下糸捕捉部材を移動させる下糸捕捉部材移動手段を備え、
前記糸たぐりレバーおよび前記下糸捕捉部材はカム部を介して係合されており、
前記糸たぐりレバーの駆動により前記カム部の係合状態が変化して前記下糸捕捉部材が駆動することを特徴とするミシンの下糸切断装置。 - 前記捕捉部材切断時位置は、前記下糸捕捉部材の下糸の捕捉部位が前記針穴と上下方向において重なり合う位置であることを特徴とする請求項1記載のミシンの下糸切断装置。
- 前記カム部は前記糸たぐりレバーの所定の移動範囲において前記下糸捕捉部材にほぼ運動を伝達しない形状をしており、
前記糸たぐりレバーの駆動中に前記下糸捕捉部材が前記捕捉部材切断時位置で停止することを特徴とする請求項1又は2記載のミシンの下糸切断装置。
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