JP2000271371A - ミシンの下糸切断装置 - Google Patents

ミシンの下糸切断装置

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JP2000271371A JP11080093A JP8009399A JP2000271371A JP 2000271371 A JP2000271371 A JP 2000271371A JP 11080093 A JP11080093 A JP 11080093A JP 8009399 A JP8009399 A JP 8009399A JP 2000271371 A JP2000271371 A JP 2000271371A
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    • D05BSEWING
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被縫製物の下糸残り長さを短くすることを可
能とするミシンの下糸切断装置を提供する。 【解決手段】 ミシンの針板15に形成された針穴15
aを介して被縫製物からボビンに至る下糸に係合してこ
の下糸に交差する方向に下糸をたぐり寄せ、所定量の下
糸をボビンから引き出す糸たぐりレバー4を備える。糸
たぐりレバー4により引き出された下糸を被縫製物の近
傍で切断する下糸切断手段20を備える。下糸を捕捉し
て糸たぐりレバー4によりたぐり寄せられた状態の下糸
の経路を案内することで、下糸切断手段20による下糸
の確実な切断を可能とする下糸捕捉部材33を備える。
縫製時には針の動作の障害とならない待機位置に下糸捕
捉部材33を移動させる。下糸切断時には前記待機位置
で下糸捕捉部材20により下糸を捕捉した状態よりも、
被縫製物から下糸切断手段20による下糸の切断位置ま
での経路が短くなる捕捉部材切断時位置に下糸捕捉部材
33を移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用ミシン、特
に洋服などのボタン穴かがり縫いを行う穴かがりミシン
等の下糸切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8〜図11に基づいて従来のミシンの
下糸切断装置について説明する。図8は従来のミシンの
下糸切断装置の縫製中の状態を示す底面図、図9は従来
のミシンの下糸切断装置の動作時の状態を示す底面図、
図10は従来のミシンの下糸切断装置の動作終了時の状
態を示す底面図、図11は従来の下糸切断の状態を説明
する針穴近傍の側断面図である。
【0003】図8ないし図10に示されるように、針板
15は長穴の針穴15aおよびメス挿通孔15bを有
し、針板台8に固定されている。下糸たぐりレバー14
0は、一連の縫製終了後に、次回縫製時用に所定量の下
糸をボビンから引き出すためのものである。下糸捕捉板
131は、下糸たぐりレバー140によりたぐり寄せら
れた下糸を下糸切断手段20により確実に切断すること
ができるようにするためのものである。
【0004】縫製中にはミシン針(図示省略)が長穴の
針穴15aの長手方向に往復移動している。また、縫製
中は図8に示されるように、はさみ開き機構10により
はさみが開いた状態である。
【0005】縫製完了後、ミシン針が針穴15aの長手
方向のいずれかの位置に対応して停止し、下糸はこの針
から針穴15aを介してボビンに至る状態となる。この
とき、ペダル等によりリンク5を図中上方へ動作させる
ことにより、糸たぐりレバー140を反時計方向へ回動
させ、次回縫製時に必要な所定量の下糸をボビン(図示
省略)より繰り出すとともに、下糸を下糸捕捉板131
の下糸案内部131aに案内する(図9)。また、下糸
切り下メス1、下糸切り上メス2、糸押さえバネ3等か
ら構成される下糸切断手段20は軸1aを中心に時計方
向に回動し、下糸切り下メス1に連結された下糸切り上
メス2と糸押さえバネ3とは、針穴15aの長手方向に
移動することで糸たぐりレバー140の糸たぐり板41
の先端と協働して針穴15a付近で下糸を捕捉して下糸
切断寸前の状態になる。(この状態では下糸切り下メス
1の切断部1cと下糸切り上メス2の切断部2cとから
なるはさみの間に下糸が存在する。)糸たぐり板41
は、さらに反時計方向に回動しつつ下糸をボビンから引
き出す一方で、下糸切り手段20は、時計方向に回動す
る。そして遂には下糸切り上メス2の被付勢部2eがス
トッパー8aに当接し、このため切断部2cと切断部1
cが閉じて下糸は切断されるとともに、下糸端部は糸押
さえバネ3と下糸切り上メス2とに保持される。その後
リンク5が図8に示す待機位置へ移動することにより次
のサイクルの待機状態となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の下糸切断装置では、縫製中に下糸捕捉板131が
針の動作の障害とならないようにするため図11に示す
ように、下糸捕捉板131を針板15の針穴15aから
一定距離l以上ずらした位置とする必要があり、そのた
め、切断された下糸の被縫製物から切断端までの長さ、
即ち下糸残り長さが長くなってしまい、非常に見栄えが
悪くなるという問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、被縫製物の下糸
残り長さを短くすることを可能とするミシンの下糸切断
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、ミシンの針板に形成された針穴
を介して被縫製物からボビンに至る下糸に係合してこの
下糸に交差する方向に下糸をたぐり寄せ、所定量の下糸
をボビンから引き出す糸たぐりレバーと、この糸たぐり
レバーにより引き出された下糸に所定位置で係合可能な
下糸捕捉部材と、前記糸たぐりレバーにより引き出され
た下糸を被縫製物の近傍で切断する下糸切断手段とを備
えたミシンの下糸切断装置において、縫製時には針の動
作の障害とならない待機位置に前記下糸捕捉部材を移動
させ、下糸切断時には前記待機位置で前記下糸捕捉部材
により下糸を捕捉した状態よりも、被縫製物から前記下
糸切断手段による下糸の切断位置までの経路が短くなる
捕捉部材切断時位置に前記下糸捕捉部材を移動させる下
糸捕捉部材移動手段を備えることを特徴としている。
【0009】請求項1記載の発明によれば、縫製時には
下糸捕捉部材移動手段により待機位置に下糸捕捉部材を
移動させるので下糸捕捉部材が針の動作の障害とならな
いとともに、下糸切断時には下糸捕捉部材移動手段によ
って、待機位置で下糸捕捉部材により下糸を捕捉した状
態よりも被縫製物から下糸切断手段による下糸の切断位
置までの経路が短くなる捕捉部材切断時位置に下糸捕捉
部材を移動させるので、下糸切断後の被縫製物からの下
糸残り長さを短くすることができる。
【0010】請求項2記載の発明は請求項1記載のミシ
ンの下糸切断装置であって、前記捕捉部材切断時位置
は、前記下糸捕捉部材の下糸の捕捉部位が前記針穴と上
下方向において重なり合う位置であることを特徴として
いる。
【0011】請求項2記載の発明によれば、捕捉部材切
断時位置に位置する下糸捕捉部材による下糸の捕捉部位
と針穴とが上下方向において重なり合うので、被縫製物
から下糸切断手段による切断位置までの経路をより短く
することができる。従って、下糸切断後の被縫製物から
の下糸残り長さをより短くすることができる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のミシンの下糸切断装置であって、前記糸たぐりレバ
ーおよび前記下糸捕捉部材はカム部を介して係合されて
おり、前記糸たぐりレバーの駆動により前記カム部の係
合状態が変化して前記下糸捕捉部材が駆動することを特
徴としている。
【0013】請求項3記載の発明によれば、糸たぐりレ
バーおよび下糸捕捉部材はカム部を介して係合されてお
り、糸たぐりレバーの駆動によりカム部の係合状態が変
化して下糸捕捉部材が駆動するので、糸たぐりレバーを
駆動させるための駆動源と下糸捕捉部材を駆動させるた
めの駆動源とを共通のものとすることができるととも
に、これらの機構をコンパクトにすることができる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項3記載のミ
シンの下糸切断装置であって、前記カム部は前記糸たぐ
りレバーの所定の移動範囲において前記下糸捕捉部材に
ほぼ運動を伝達しない形状をしており、前記糸たぐりレ
バーの駆動中に前記下糸捕捉部材が前記捕捉部材切断時
位置で停止することを特徴としている。
【0015】請求項4記載の発明によれば、カム部は糸
たぐりレバーの所定の移動範囲において下糸捕捉部材に
ほぼ運動を伝達しない形状をしており、糸たぐりレバー
の駆動中にこの糸たぐりレバーの駆動と切り離されて下
糸捕捉部材が捕捉部材切断時位置で停止するので、下糸
捕捉部材を捕捉部材切断時位置に位置決めした後も糸た
ぐりレバーにより下糸をたぐり寄せることができる。ま
た、糸たぐりレバーの駆動量と下糸捕捉部材の駆動量と
を一部独立して設定できる。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1又は2記
載のミシンの下糸切断装置であって、操作により駆動す
る揺動部材を備えると共に、前記糸たぐりレバーおよび
前記下糸捕捉部材はリンクを介して前記揺動部材に連結
されており、前記揺動部材の駆動により前記糸たぐりレ
バーと下糸捕捉部材とが駆動されることを特徴としてい
る。
【0017】請求項5記載の発明によれば、揺動部材を
操作して駆動することにより、リンクを介して揺動部材
に連結された糸たぐりレバーと下糸捕捉部材とが駆動さ
れるので、糸たぐりレバーを駆動させるための駆動源と
下糸捕捉部材を駆動させるための駆動源とを共通のもの
とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】<第一の実施の形態例>以下に、
本発明に係る第一の実施の形態例を図1から図4に基づ
いて説明する。なお、第一の実施の形態例において、従
来の技術と同一の構成要素には同一の符号を付す。
【0019】図1は本発明に係る第一の実施の形態例の
ミシンの下糸切断装置の縫製中の状態を示す底面図、図
2は本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下糸切
断装置による切断時の状態を示す底面図、図3は本発明
に係る第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装置の動
作終了時の状態を示す底面図、図4は下糸切断の状態を
説明する針穴近傍の側断面図である。
【0020】本発明に係る第一の実施の形態例のミシン
の下糸切断装置は、縫製時には針の動作の障害とならな
い待機位置に下糸捕捉部材を待機させ、下糸切断時には
前記待機位置で下糸捕捉部材により下糸を捕捉した状態
で下糸を切断するよりも下糸残り長さが短くなる捕捉部
材切断時位置に下糸捕捉部材を移動させるための下糸捕
捉板移動手段を備えることで、被縫製物からの下糸残り
長さを短くすることを可能とすることを主な特徴として
いる。さらに、第一の実施の形態例のミシンの下糸切断
装置は、カム機構を設けることにより、下糸捕捉部材の
動作を、被縫製物とボビンとの間の下糸に係合し所定量
の下糸を引き出す糸たぐりレバーの動作と連動させて行
うことを可能とすることをもう一つの主な特徴としてい
る。
【0021】第一の実施の形態例のミシンの下糸切断装
置は、下糸を切断するための下糸切断手段20、下糸切
断手段20のはさみを開くためのはさみ開き機構10、
下糸切断手段20とリンク6により連結されて下糸切断
手段20と連動する糸たぐりレバー4、詳細は後述する
ように糸たぐりレバー4と連動する下糸捕捉部材33等
により概略構成されている。
【0022】図1等に示されるように、針板台8には針
板15が固定されている。この針板15には縫製中に針
(図示省略)が通過する長穴の針穴15aと、ボタン孔
を形成するためのメス(図示省略)が通過するメス挿通
孔15bが形成されている。また、針板台8には下糸切
断手段20の動作領域となるくり抜き部8bが形成され
ている。
【0023】下糸切り下メス1は軸1aを中心に回動可
能に針板台8に取付けられている。この下糸切り下メス
1には、軸2aを中心に回動可能に下糸切り上メス2が
取付けられている。また、下糸切り下メス1には糸押さ
えバネ3を下糸切り下メス1に対して位置決めするため
の固定ピン1bが形成されている。この固定ピン1bは
下糸切り上メス2に形成された貫通孔2bを貫通して図
における下糸切り上メス2の上方に位置する。そして、
糸押さえバネ3は軸2aにおいて下糸切り下メス1に取
付けられるとともに、この軸2aによる1点での取付の
みでは糸押さえバネ3が下糸切り下メス1に対して回動
してしまい不都合であるため、糸押さえバネ3は固定ピ
ン1bにより下糸切り下メス1に対して位置決めされて
いる。そして、下糸切り下メス1および糸押さえバネ3
に対して下糸切り上メス2が回動する際に固定ピン1b
が邪魔にならないように下糸切り上メス2には貫通孔2
bが形成されている。従って、下糸切り上メス2は下糸
切り下メス1および糸押さえバネ3に挟持された状態で
回動可能である。
【0024】そして、下糸切り上メス2が時計周りに回
動することで下糸切り上メス2の端部に形成された切断
部2cと下糸切り下メス1の端部に形成された切断部1
cとの間隔が開く。同時に切断部2cと糸押さえバネ3
の端部に形成された糸押さえ部3cの間隔が開く。ま
た、下糸切り上メス2が反時計周りに回動することで切
断部1cと切断部2cとの間隔が閉じて下糸を切断する
ことができる。この下糸切り下メス1の切断部1cと下
糸切り上メス2の切断部2cとではさみが構成されてい
る。また、切断部1cと切断部2cが閉じると同時に、
切断部2cと糸押さえ部3cとの間隔が閉じて、これら
により、はさみよりもボビンよりの位置で下糸を挟持し
てボビン側の下糸を保持することができるようになって
いる。
【0025】さらに、下糸切り上メス2には被付勢部2
eが突出して形成されており、下糸切り下メス1の切断
部1cと下糸切り上メス2の切断部2cとの間隔が開い
た状態で下糸切断手段20を時計周りに回動させる。そ
して、被付勢部2eが針板台8に形成されたストッパー
8aに当接した後もさらに下糸切断手段20を回動させ
ると、下糸切り上メス2の被付勢部2eがストッパー8
aに付勢されて下糸切り上メス2が反時計周りに回動す
る。この結果、切断部1cと切断部2cとの間隔が閉じ
られる。この下糸を切断する状態では、これら切断部1
cと切断部2cによる切断位置が針穴15aと上下方向
において重なり合うように設定されている。このよう
に、これら下糸切り下メス1、下糸切り上メス2および
糸押さえバネ3により下糸切断手段20が構成されてい
る。
【0026】ここで、下糸切りメス1には段部1dが形
成されており、これにより、下糸切断手段20の軸1a
を中心とした回動の動作領域が針板台8のくり抜き部8
bの内部にほぼ収容される。
【0027】また、下糸切り上メス2には被付勢ピン2
dが突設されている。また、軸11aを中心に付勢部材
11が針板台8に回動可能に取付けられている。この付
勢部材11は軸11bにおいてレバー12の一端と回動
可能に連結されており、リンク12の他端は軸12aに
おいて回動部材13と回動自在に連結されている。これ
により、回動部材13を時計周りに回動させると、レバ
ー12が平行に右上に移動するとともに付勢部材11が
レバー12に引っ張られて反時計周りに回動する。そし
て付勢部材11の一端が下糸切り上メス2の被付勢ピン
2dを付勢して下糸切り上メス2が下糸切り下メス1お
よび糸押さえバネ3に対して時計周りに回動し、切断部
1cと切断部2cとの間隔を開くことができる。これら
下糸切り上メス2の被付勢ピン2d、付勢部材11、リ
ンク12、回動部材13によりはさみ開き機構10を構
成している。
【0028】糸たぐりレバー4は、軸4aを中心に回動
可能に針板台8に対して固定された本体(下糸捕捉部材
移動手段)40と、ネジ4bにより本体40の先端に取
付けられた糸たぐり板41とを有している。さらに、下
糸切り下メス1と糸たぐりレバー4とは、軸6a、6b
においてそれぞれリンク6の両端に対して回動可能に連
結されている。従って、糸たぐりレバー4を反時計周り
に回動させると、これに連動してリンク6を介して前記
下糸切断手段20が時計周りに回動する。そして、糸た
ぐりレバー4を時計周りに回動させると下糸切断手段2
0が反時計周りに回動する。ここで、糸たぐりレバー4
の糸たぐり板41は軸6bにより本体40に対して位置
決めされているため、糸たぐりレバー4の本体40と糸
たぐり板41とが一体的に動作する。この糸たぐりレバ
ー4を反時計回りに回動させると、糸たぐり板41の係
合部41aが針穴15aを介して被縫製物からボビン
(図示省略)に至る下糸に係合してこの下糸に交差する
方向に下糸をたぐり寄せ、所定量の下糸をボビンから引
き出すことができる。
【0029】また、捕捉板台30は針板台8に回動可能
に支持されている。この捕捉板台30の先端には、ネジ
31b、31cにより下糸捕捉板31が固定されてい
る。これら下糸捕捉板31と捕捉板台30とで本発明に
係る下糸捕捉部材33を構成しているとする。また、捕
捉板台30の軸30aを挟んだ逆端には引張バネ(下糸
捕捉部材移動手段)32が取付けられている。この引張
バネ32は下糸捕捉部材33を時計周りに回動させる方
向に付勢する。下糸捕捉板31には、下糸捕捉時(下糸
切断時)の下糸捕捉板31の移動方向の逆向きにくびれ
た下糸案内部31aが形成されている。この下糸案内部
31aは下糸切断時に下糸を捕捉して下糸の経路を案内
する部分である。
【0030】糸たぐりレバー4には捕捉板台30方向に
突出して形成されたカム部(下糸捕捉部材移動手段)4
0cと、このカム部40cに連続するとともに、図1左
右方向に向けてカム部(下糸捕捉部材移動手段)40d
がそれぞれ形成されている。一方、捕捉板台30には糸
たぐりレバー4方向に突出して形成されたカム部(下糸
捕捉部材移動手段)30cと、このカム部30cに連続
するとともに、基部側に向けて(図1上下方向)にカム
部(下糸捕捉部材移動手段)30bが形成されている。
下糸捕捉部材33が時計周りに回動するとカム部30c
がカム部40dに当接した時点でカム部30cの動きが
カム部40dにより規制され、下糸捕捉部材33の回動
が停止するようになっている。このように下糸捕捉部材
33が停止したときの下糸捕捉部材33の位置が捕捉部
材切断時位置である。いま、例えば、カム部40dによ
るカム部30cの動きの規制により下糸捕捉部材33の
時計周りの回動が停止した状態では、下糸案内部31a
が(換言すれば下糸捕捉部材33による下糸の捕捉部位
が)針穴15aと上下方向において重なり合う。さら
に、この状態では下糸案内部31aがほぼ針穴15aの
中心の真下に位置するように設定すると好ましい。
【0031】一方、糸たぐりレバー4が時計周りに回動
するとカム部40cがカム部30bに当接した後は、カ
ム部40cがカム部30bに対して僅かに摺動し、下糸
捕捉部材33を反時計周りに回動させる。つまり、糸た
ぐりレバー4および下糸捕捉部材33はカム部30b、
30c、40c、40dを介して係合しており、糸たぐ
りレバー4の駆動によりカム部30b、30c、40
c、40dの係合状態が変化して下糸捕捉部材33が駆
動される。
【0032】また、糸たぐりレバー4は軸5aにおいて
リンク5の一端と回動可能に連結され、このリンク5の
他端は揺動部材7と軸5bにおいて回動可能に連結され
ている。この揺動部材7は軸7aを中心に揺動可能であ
る。この揺動部材7を時計回りに揺動させることにより
リンク5を介して糸たぐりレバー4を反時計周りに回動
させることができ、逆に揺動部材7を反時計回りに揺動
させることにより糸たぐりレバー4を時計回りに回動さ
せることができる。
【0033】このように構成されたミシンの下糸装置の
動作について以下に説明する。先ず、縫製中は図1に示
されるように、図示しない駆動手段により揺動部材7が
反時計回りに揺動されており、リンク5を介した動作に
より糸たぐりレバー4が時計回りに振れた状態となって
いる。このとき、リンク6を介した動作により下糸切断
手段20が反時計回りに振れた状態となり、はさみ(切
断部1c、2c)が針穴15aから離れた状態となって
いる。また同時に、はさみ開き機構10により切断部1
c,2cが互いに開かれている。また、糸たぐりレバー
4のカム部40cに下糸捕捉部材33のカム部30bが
係合して、引張バネ32の引張力に抗して下糸捕捉部材
33が反時計回りに振れた状態となっている。即ち、下
糸捕捉部材33は、下糸捕捉板31が針穴15aを通過
する針の動作の障害とならない待機位置にある。
【0034】そして、一連の縫製作業終了後は、長穴の
針穴15aの長手方向のいずれかの位置でミシン針が停
止した状態となる。この状態で、下糸切断時には、前記
図示しない駆動手段により(例えばペダル等の操作によ
り)揺動部材7を時計回りに揺動することによって、リ
ンク5を介して糸たぐりレバー4が反時計回りに回動す
る。このとき、以下に示す〜の動作が並行して起こ
る。
【0035】 糸たぐりレバー4の糸たぐり板41の
係合部41aが下糸に係合し、針からボビンに至る下糸
を下糸の経路に交差する方向にたぐり寄せ、次回縫製に
必要なだけの所定量の下糸をボビンから繰り出す。ここ
で、下糸をたぐり寄せた後ではさみにより下糸を確実に
捕捉することができるように、糸たぐりレバー4により
下糸をたぐり寄せる方向は、ほぼ針穴15aの長手方向
に一致する。
【0036】 糸たぐりレバー4の反時計周りの回動
にともない、捕捉板台30のカム部30bは糸たぐりレ
バー4のカム部40cによる規制から解放されるが、下
糸捕捉部材33は引張バネ32により時計周りに回動す
るべく付勢されているので、カム部30bはカム部40
cの動きに追従し、下糸捕捉部材33は引張バネ32の
引張力に従って時計周りに回動する。そして、捕捉板台
30のカム部30cが糸たぐりレバー4のカム部40d
に当接したところで下糸捕捉部材33の時計周りの回動
が停止される。即ち、下糸捕捉部材33は捕捉部材切断
時位置に配置される。このとき図4に示すように下糸捕
捉板31の下糸案内部31aの位置は針穴15aと上下
方向において重なり合う。さらに、この際下糸案内部3
1aは針穴15aのほぼ中心の真下の位置にするとより
好ましい。この下糸捕捉部材33の回動動作のいずれか
の時点で、下糸案内部31aが下糸を捕捉して、下糸の
経路を変更する。また、糸たぐりレバー4のカム部40
c、40dまたは下糸捕捉部材33のカム部30b、3
0cのいずれかの形状を変更して、上記下糸捕捉部材3
3の回動動作の終了後、下糸案内部31aが下糸を捕捉
して下糸の経路を変更するようにすることも容易にでき
る。この下糸経路変更の際、下糸案内部31aは下糸捕
捉板31の移動方向の逆向きにくびれているので、下糸
を捕捉した瞬間の位置が下糸案内部31aから若干ずれ
ていたとしても、このくびれ形状に沿って下糸が下糸案
内部31aへと誘導されて、このずれが修正されて下糸
の経路を案内することができる。
【0037】なお、捕捉板台30のカム部30cが糸た
ぐりレバー4のカム部40dに当接して下糸捕捉部材3
3の回動が停止する。そして、下糸捕捉部材33が捕捉
部材切断時位置に配置された時点で糸たぐりレバー4の
駆動と下糸捕捉部材33の駆動とを切り離す。そして、
糸たぐりレバー4だけは、なおも所定量だけ回動して所
定量の下糸をボビンから引き出すことができる。つま
り、カム部30b,30c、40c,40dは糸たぐり
レバー4の所定の移動範囲において下糸捕捉部材33に
運動を伝達しない形状となっている。
【0038】 糸たぐりレバー4の反時計回りの回動
にともない、リンク6を介した動作により下糸切断手段
20が時計回りに回動する。そして、切断部2cと糸押
さえ部3cとではさみよりもボビンよりの位置で下糸を
捕捉する。やがて被付勢部2eがストッパー8aに当接
した後は被付勢部2eがストッパー8aに付勢されて下
糸切り上メス2が下糸切り下メス1および糸押さえバネ
3に対して反時計回りに回動し、切断部2cと糸押さえ
部3cとの間隔が閉じてこれらにより下糸を保持する。
また同時に切断部1cと切断部2cとの間隔が閉じる。
ここで、切断部1cと切断部2cが閉じて下糸を切断す
る状態では、これら切断部1cと切断部2cによる切断
位置が針穴15aと上下方向において重なり合うように
設定されているため、針穴15aの真下で下糸が切断さ
れる。この切断時の状態では、図4に示されるように、
下糸案内部31aは針穴15aのほぼ中心の真下にな
り、切断時の下糸を同図のように案内している。また、
下糸が切断されるとともに、下糸端部が切断部よりもボ
ビンよりの位置で糸押さえバネ3と、下糸切り上メス2
とに保持されているため、糸たぐりレバー4によりたぐ
り寄せられて余裕長を持たせてボビンから引き出された
下糸が次の縫製の待機状態となっている。ここで、この
ときのはさみ(切断部2cおよび切断部1c)、並びに
切断部2cと糸押さえ部3cの動きはほぼ針穴15aの
長手方向と一致するため、縫製終了後の針の停止位置い
かんに関わらず、常に下糸切断手段20の回動のいずれ
かの時点で切断及び保持のために下糸を捕捉することが
できる。
【0039】このように、下糸案内部31aが針穴15
aのほぼ中心の真下にある状態となるような捕捉部材切
断時位置に下糸捕捉部材33を配置した状態で、下糸案
内部31aにより下糸を案内して下糸を切断するので、
被縫製物から下糸切断手段20による下糸の切断位置ま
での経路を最小限に短くすることができる。ここで、詳
細には、被縫製物から下糸切断手段20による下糸の切
断位置までの経路は縫製終了後に針が停止した位置によ
り変化するが、下糸案内部31aが針穴15aのほぼ中
心の真下にある状態となっているので、針の停止位置が
針穴15aの長手方向の片側に位置した場合と逆側に位
置した場合とで下糸残り長さをほぼ等しくすることがで
きる。よって、下糸案内部31aが針穴15aに対応し
ていない場合のように、針の停止位置が針穴15aの長
手方向の片側の時は極端に下糸残り長さが長くなってし
まうと言った問題がない。さらには、針の停止位置を常
に針穴15aの長手方向の中心にするようにしておけ
ば、常時被縫製物の下糸残り長さを最短とすることがで
きる。
【0040】次ぎに、次の縫製作業を開始するために
は、図示しない駆動手段により揺動部材7を反時計回り
に揺動することでリンク5を介して糸たぐりレバー4を
時計回りに回動させる。このとき、以下に示す,の
動作が並行して起こる。
【0041】 リンク6を介して下糸切断手段20が
反時計回りに回動し、はさみが針穴15aから離れる。
【0042】 糸たぐりレバー4の時計回りの回動に
ともない、糸たぐりレバー4のカム部40cにより捕捉
板台30のカム部30bが反時計回りに付勢され、下糸
捕捉部材33は引張バネ32の引張力に抗して反時計回
りに回動し、下糸捕捉板31の下糸案内部31aが針穴
15aから離れる。そして、縫製時に針の動作の障害と
ならない待機位置まで下糸捕捉部材33が移動する。
【0043】このように、下糸捕捉部材移動手段(軸3
0a、カム部30b、カム部30c、本体40、カム部
40c、カム部40d、引張バネ32、リンク5等)の
作用により、下糸切断時、および縫製作業時には糸たぐ
りレバー4の回動に連動させて下糸捕捉部材33をそれ
ぞれ捕捉部材切断時位置または待機位置に移動させるこ
とができるので、糸たぐりレバー4を駆動させるための
駆動源と下糸捕捉部材33を駆動させるための駆動源と
を共通のものとすることができるとともに、これらの機
構をコンパクトにすることができる。
【0044】本発明に係る第一の実施の形態例のミシン
の下糸切断装置によれば、縫製時には下糸捕捉部材移動
手段(軸30a、カム部30b、カム部30c、本体4
0、カム部40c、カム部40d、引張バネ32、リン
ク5等)により待機位置に下糸捕捉部材33を移動させ
るので下糸捕捉部材33が針の動作の障害とならないと
ともに、下糸切断時には下糸捕捉部材移動手段によっ
て、待機位置で下糸捕捉部材33により下糸を捕捉した
状態よりも被縫製物から下糸切断手段20による下糸の
切断位置までの経路が短くなる捕捉部材切断時位置に下
糸捕捉部材33を移動させるので、下糸切断後の被縫製
物からの下糸残り長さを短くすることができる。従っ
て、見栄えの良いボタン穴を縫製することができる。
【0045】また、切断時捕捉位置に位置する下糸捕捉
部材33による下糸の捕捉部位(下糸案内部31a)と
ミシン針穴とが上下方向において重なり合うので、被縫
製物から下糸切断手段20による切断位置までの経路を
より短くすることができる。従って、下糸切断後の被縫
製物からの下糸残り長さをより短くすることができる。
【0046】さらに、糸たぐりレバー4および下糸捕捉
部材33はカム部30b,30c、40c,40dを介
して連結されており、糸たぐりレバー4の駆動によりカ
ム部30b,30c、40c,40dの連結状態が変化
して下糸捕捉部材33が駆動して待機位置または捕捉部
材切断時位置に移動するので、糸たぐりレバー4を駆動
させるための駆動源と下糸捕捉部材33を駆動させるた
めの駆動源とを共通のものとすることができるととも
に、これらの機構をコンパクトにすることができる。
【0047】加えて、カム部30b,30c、40c,
40dは糸たぐりレバー4の所定の移動範囲において下
糸捕捉部材33に運動を伝達しない形状を有しており、
糸たぐりレバー4の駆動中にこの糸たぐりレバー4の駆
動と切り離されて下糸捕捉部材33が捕捉部材切断時位
置で停止するので、下糸捕捉部材33を捕捉部材切断時
位置に位置決めした後も糸たぐりレバー4により下糸を
たぐり寄せることができる。また、糸たぐりレバ4ーの
駆動量と下糸捕捉部材33の駆動量とを一部独立して設
定できる。
【0048】なお、上記の第一の実施の形態例では、下
糸案内部31aが下糸切断時には針穴15aと上下方向
において重なり合うように設定することとしたが、下糸
切断時には前記待機位置で下糸捕捉部材33により下糸
を捕捉した状態よりも、被縫製物から下糸切断手段20
による下糸の切断位置までの経路が短くなるような捕捉
部材切断時位置であれば、その他の位置であっても良
い。換言すれば、下糸切断時には図5における角度αが
図11における角度βよりも小さくなるように下糸捕捉
部材33を移動させる様にしたものであればその他であ
っても良い。また、糸たぐりレバー4の回動に下糸捕捉
部材33の回動が連動する構成としたが、必ずしも、糸
たぐりレバー4の回動に下糸捕捉部材33の回動が連動
する構成である必然性はなく、これらが独立して動作す
るものであっても良い。さらに、下糸捕捉部材33が回
動する構成としたが、例えば、下糸捕捉部材33は直線
移動するものであっても良い。なお、はさみ開き機構1
0により下糸切り上メス2の被付勢ピン2dを付勢し、
下糸切り上メス2を下糸切り下メス1および糸押さえば
ね3に対して時計回りに回動させて切断部2cと切断部
1cおよび糸押さえ部3cとの間隔を開けるのは、次の
縫製が始まってすぐであり、縫い始めに下糸を保持して
おくことにより縫い始めを安定させている。
【0049】<第二の実施の形態例>以下に、本発明に
係る第二の実施の形態例を図5から図7に基づいて説明
する。なお、第二の実施の形態例において、第一の実施
の形態例と同一の構成要素には同一の符号を付す。図5
は本発明に係る第二の実施の形態例のミシンの下糸切断
装置の縫製中の状態を示す底面図、図6は本発明に係る
第二の実施の形態例のミシンの下糸切断装置の動作終了
時の状態を示す底面図、図7は下糸捕捉板およびリンク
を示す分解斜視図である。
【0050】本発明に係る第二の実施の形態例のミシン
の下糸切断装置は、第一の実施の形態例のミシンの下糸
切断装置と同様に、下糸捕捉板移動手段を備えることで
下糸残り長さを短くすることを可能とすることを主な特
徴とするとともに、第一の実施の形態例のカム機構に変
えてリンク機構を設けることにより、下糸捕捉部材の動
作を糸たぐりレバーの動作と連動させて行うことを可能
とすることをもう一つの主な特徴としている。
【0051】先ず、図5に示されるように、下糸たぐり
レバー400の本体440は、カム部(カム部40c、
40d)が形成されていない点で第一の実施の形態例の
下糸たぐりレバー4の本体40と異なる。
【0052】揺動部材7は、軸50bにおいて軸5bよ
りも先端側でリンク50の一端と回動可能に連結されて
いる。また、リンク50の他端には長穴部50aが形成
され、下糸捕捉板31の段ネジ31bの段部31dがこ
の長穴部50a内で移動可能になっている。
【0053】いま、縫製中には、揺動部材7が反時計回
りに揺動され、リンク50が図の下方向に引っ張られ、
従って、下糸捕捉板31の段部31dがリンク50の長
穴部50aのリンク50の端部側に接触し、下糸捕捉部
材33の時計回りの回動が規制されて下糸捕捉板31が
針穴15aから離された状態となっている(図5)。
【0054】下糸切断時には、図6に示すように、揺動
部材7が時計回りに揺動されることで、糸たぐりレバー
400が第一の実施の形態例の糸たぐりレバー4と同様
に動作するとともに、下糸切断手段20も第一の実施の
形態例と同様に動作する。このとき、同時に、リンク5
0が図の上方向に移動させられ、段部31dが長穴部5
0aによる規制から解放される。従って、下糸捕捉部材
33が引張バネ32により付勢されて時計回りに回動す
るが、この回動は下糸捕捉部材33の捕捉板台30のカ
ム部30bがストッパーピン55に当接した時点で規制
される。この動作により下糸捕捉部材33が捕捉部材切
断時位置に移動される。このときの下糸捕捉板31の下
糸案内部31aが針穴15aのほぼ中心の真下のに位置
するように設定されている。
【0055】逆に、縫製時には、図5に示されるよう
に、揺動部材7が反時計回りに回動されることで、糸た
ぐりレバー400が第一の実施の形態例の糸たぐりレバ
ー4と同様に動作するとともに、下糸切断手段20も第
一の実施の形態例と同様に動作する。このとき同時に、
リンク50が図の下方向に移動させられ、段部31dが
長穴部50aにより規制されて、下糸捕捉部材33が引
張バネ32による付勢力に抗して反時計回りに回動す
る。これにより、下糸捕捉部材33の下糸捕捉板31が
針の動作の障害とならない待機位置へと下糸捕捉部材3
3が移動される。
【0056】このように、本発明に係る第二の実施の形
態例によれば、操作により揺動する揺動部材7を備える
とともに、糸たぐりレバー400および下糸捕捉部材3
3はリンク5、リンク50を介して揺動部材7に連結さ
れており、揺動部材7の駆動により糸たぐりレバー40
0と下糸捕捉部材33とが駆動される。従って、糸たぐ
りレバー400を駆動させるための駆動源と下糸捕捉部
材33を駆動させるための駆動源とを共通のものとする
ことができる。
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係るミシンの下糸
切断装置によれば、縫製時には下糸捕捉部材移動手段に
より待機位置に下糸捕捉部材を移動させるので下糸捕捉
部材が針の動作の障害とならないとともに、下糸切断時
には下糸捕捉部材移動手段によって、待機位置で下糸捕
捉部材により下糸を捕捉した状態よりも被縫製物から下
糸切断手段による下糸の切断位置までの経路が短くなる
捕捉部材切断時位置に下糸捕捉部材を移動させるので、
下糸切断後の被縫製物からの下糸残り長さを短くするこ
とができる。よって、見栄えの良い縫製をすることがで
きる。
【0058】請求項2記載の発明に係るミシンの下糸切
断装置によれば、捕捉部材切断時位置に位置する下糸捕
捉部材による下糸の捕捉部位と針穴とが上下方向におい
て重なり合うので、下糸切断後の被縫製物からの下糸残
り長さをより短くすることができる。
【0059】請求項3記載の発明に係るミシンの下糸切
断装置によれば、糸たぐりレバーおよび下糸捕捉部材は
カム部を介して係合されており、糸たぐりレバーの駆動
によりカム部の係合状態が変化して下糸捕捉部材が駆動
するので、糸たぐりレバーを駆動させるための駆動源と
下糸捕捉部材を駆動させるための駆動源とを共通のもの
とすることができるとともに、これらの機構をコンパク
トにすることができる。
【0060】請求項4記載の発明に係るミシンの下糸切
断装置によれば、カム部は糸たぐりレバーの所定の移動
範囲において下糸捕捉部材にほぼ運動を伝達しない形状
をしており、糸たぐりレバーの駆動中にこの糸たぐりレ
バーの駆動と切り離されて下糸捕捉部材が捕捉部材切断
時位置で停止するので、下糸捕捉部材を捕捉部材切断時
位置に位置決めした後も糸たぐりレバーにより下糸をた
ぐり寄せることができる。また、糸たぐりレバーの駆動
量と下糸捕捉部材の駆動量とを一部独立して設定でき
る。
【0061】請求項5記載の発明に係るミシンの下糸切
断装置によれば、揺動部材を操作して駆動することによ
り、リンクを介して揺動部材に連結された糸たぐりレバ
ーと下糸捕捉部材とが駆動されるので、糸たぐりレバー
を駆動させるための駆動源と下糸捕捉部材を駆動させる
ための駆動源とを共通のものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下
糸切断装置の縫製中の状態を示す底面図である。
【図2】本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下
糸切断装置による切断時の状態を示す底面図である。
【図3】本発明に係る第一の実施の形態例のミシンの下
糸切断装置の動作終了時の状態を示す底面図である。
【図4】下糸切断の状態を説明する針穴近傍の側断面図
である。
【図5】本発明に係る第二の実施の形態例のミシンの下
糸切断装置の縫製中の状態を示す底面図である。
【図6】本発明に係る第二の実施の形態例のミシンの下
糸切断装置の動作終了時の状態を示す底面図である。
【図7】下糸捕捉板およびリンクを示す分解斜視図であ
る。
【図8】従来のミシンの下糸切断装置の縫製中の状態を
示す底面図である。
【図9】従来のミシンの下糸切断装置の動作時の状態を
示す底面図である。
【図10】従来のミシンの下糸切断装置の動作終了時の
状態を示す底面図である。
【図11】従来の下糸切断の状態を説明する針穴近傍の
側断面図である。
【符号の説明】
1 下糸切り下メス(下糸切断手段を構成) 2 下糸切り上メス(下糸切断手段を構成) 3 糸押さえバネ 4 糸たぐりレバー 40 糸たぐりレバーの本体 40c カム部(下糸捕捉部材移動手段) 40d カム部(下糸捕捉部材移動手段) 41 糸たぐりレバーの糸たぐり板 400 糸たぐりレバー 440 糸たぐりレバーの本体 5 リンク(下糸捕捉部材移動手段) 7 揺動部材 8 針板台 15 針板 15a 針穴 30 下糸捕捉部材の捕捉板台 30b カム部(下糸捕捉部材移動手段) 30c カム部(下糸捕捉部材移動手段) 31 下糸捕捉部材の下糸捕捉板 31a 下糸案内部 33 下糸捕捉部材 50 リンク(下糸捕捉部材移動手段) 50a 下糸捕捉部材移動手段の長穴

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミシンの針板に形成された針穴を介して被
    縫製物からボビンに至る下糸に係合してこの下糸に交差
    する方向に下糸をたぐり寄せ、所定量の下糸をボビンか
    ら引き出す糸たぐりレバーと、 この糸たぐりレバーにより引き出された下糸に所定位置
    で係合可能な下糸捕捉部材と、 前記糸たぐりレバーにより引き出された下糸を被縫製物
    の近傍で切断する下糸切断手段とを備えたミシンの下糸
    切断装置において、 縫製時には針の動作の障害とならない待機位置に前記下
    糸捕捉部材を移動させ、下糸切断時には前記待機位置で
    前記下糸捕捉部材により下糸を捕捉した状態よりも、被
    縫製物から前記下糸切断手段による下糸の切断位置まで
    の経路が短くなる捕捉部材切断時位置に前記下糸捕捉部
    材を移動させる下糸捕捉部材移動手段を備えることを特
    徴とするミシンの下糸切断装置。
  2. 【請求項2】前記捕捉部材切断時位置は、前記下糸捕捉
    部材の下糸の捕捉部位が前記針穴と上下方向において重
    なり合う位置であることを特徴とする請求項1記載のミ
    シンの下糸切断装置。
  3. 【請求項3】前記糸たぐりレバーおよび前記下糸捕捉部
    材はカム部を介して係合されており、 前記糸たぐりレバーの駆動により前記カム部の係合状態
    が変化して前記下糸捕捉部材が駆動することを特徴とす
    る請求項1又は2記載のミシンの下糸切断装置。
  4. 【請求項4】前記カム部は前記糸たぐりレバーの所定の
    移動範囲において前記下糸捕捉部材にほぼ運動を伝達し
    ない形状をしており、 前記糸たぐりレバーの駆動中に前記下糸捕捉部材が前記
    捕捉部材切断時位置で停止することを特徴とする請求項
    3記載のミシンの下糸切断装置。
  5. 【請求項5】操作により駆動する揺動部材を備えると共
    に、 前記糸たぐりレバーおよび前記下糸捕捉部材はリンクを
    介して前記揺動部材に連結されており、 前記揺動部材の駆動により前記糸たぐりレバーと下糸捕
    捉部材とが駆動されることを特徴とする請求項1又は2
    記載のミシンの下糸切断装置。
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