JP5403040B2 - 階調マスク - Google Patents

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JP5403040B2
JP5403040B2 JP2011264404A JP2011264404A JP5403040B2 JP 5403040 B2 JP5403040 B2 JP 5403040B2 JP 2011264404 A JP2011264404 A JP 2011264404A JP 2011264404 A JP2011264404 A JP 2011264404A JP 5403040 B2 JP5403040 B2 JP 5403040B2
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本発明は、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの製造過程等において、ハーフト
ーン露光に好適に用いられる階調マスクに関するものである。
透過率が3段階以上に段階的に変化する階調マスクの製造方法としては、例えば、図3
に示すように、透明基板1上に遮光膜2をパターン状に形成し(図3(a))、上記遮光
膜2および透明基板1上に半透明膜3を形成する(図3(b))。続いて、上記半透明膜
3上にレジスト4を塗布し(図3(c))、このレジスト4をパターン露光および現像す
る(図3(d))。その後、上記遮光膜2および半透明膜3をエッチングして不要な遮光
膜2および半透明膜3を除去し(図3(e))、上記レジスト4を除去する(図3(f)
)方法等が挙げられる(例えば特許文献1〜4参照)。上記方法により製造された階調マ
スクは、少なくとも遮光膜2が形成された領域を遮光領域a、半透明膜2のみが形成され
た領域を半透明領域b、遮光膜および半透明膜のいずれもが形成されていない領域を透過
領域cとして用いることが可能となる。
ここで、上記階調マスクを製造する際に上記遮光膜や半透明膜をエッチングする方法と
しては、大きく分けて、乾式エッチング(以下、ドライエッチングという場合がある。)
および湿式エッチング(以下、ウェットエッチングという場合がある。)の2種類がある
。ドライエッチングは、異方性エッチングが容易であるが、大掛かりな真空装置を必要と
する。そのため、ドライエッチングは高価であり、また大型の階調マスクを製造する場合
への適用が困難である。一方、ウェットエッチングは、安価であり、大面積での均一なエ
ッチングが容易である。なお、ウェットエッチングを行なう場合には、通常、下層に形成
される膜(ここでは遮光膜)が上層に形成される膜(ここでは半透明膜)に対して電気化
学的に卑となるように、それぞれの材料が選択されて用いられる。これにより、上層の膜
(半透明膜)および下層の膜(遮光膜)を一度にパターニングすることが可能となるから
である。
しかしながら、ウェットエッチングにより階調マスクを製造した場合、形成された下層
の膜(遮光膜)の端部の形状が荒れてしまう、という問題があった。これは、ウェットエ
ッチングはミクロな視点で見ると不均一であり、局所的にエッチングが早い部分と遅い部
分が存在する。この原因としては、膜の不均一性、プロセスの温度分布、拡散速度の分布
などが考えられる。また特に下層の膜(遮光膜)と上層の膜(半透明膜)との界面に応力
がかかった場合には、上層の膜の一部が欠落しやすい。したがって、上層の膜と下層の膜
とを一度にウェットエッチングした場合、例えば図4に示すように、上層の膜(半透明膜
)3に細かい孔部が生じて下層の膜(遮光膜)2が一部露出することがある(図4(a)
)。この状態からさらにエッチングをすすめた場合、下層の膜(遮光膜)2のエッチング
は急激に進むことから、本来、エッチングする目的でない領域の下層の膜(遮光膜)2ま
でエッチングされてしまうこととなる(図4(b),(c))(以下、この現象を孔食と
もいう。)。これは、下層の膜が微小に露出した場合、電気化学的に貴な膜の面積が卑な
膜の面積に比べて極めて大きくなる。貴な膜の方の面積が大きいと酸素を捕捉する量が多
いので、それに見合った酸化反応が卑な膜の小さな表面に集中するために卑な膜の腐食が
激しくなる。これを「捕捉面積の原理」という。捕捉面積の原理において、面積Acの貴
な膜に接触する面積Aoの卑な膜の侵食深さpは、卑な膜が単独のときの侵食深さpoに
比べて面積比Ac/Ao割増しの
p=po(1+Ac/Ao)
で表される。
図4に示す例においては、上層の半透明膜3と下層の遮光膜2とが接触する面積がAc
、下層の遮光膜2の開口部の面積がAoとなる。捕捉面積の原理により、Ac/Aoに比
例して急速に下層の膜の侵食が進むのである。
特開平5−94004号公報 特開2002−72445公報 特開2002−189280公報 特開2005−91855公報
そこで、効率よくウェットエッチング法により製造され、遮光膜の端部の形状に荒れの
ない階調マスクの提供が望まれている。
本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された遮光膜と、上記遮光
膜上および上記透明基板上にパターン状に形成された半透明膜とを有し、上記透明基板が
露出した透過領域、上記透明基板上に上記遮光膜が設けられた遮光領域、および上記透明
基板上に上記半透明膜のみが設けられた半透明領域を有する階調マスクであって、上記遮
光膜および上記半透明膜の結晶構造が、いずれも柱状である、またはいずれも粒状である
ことを特徴とする階調マスクを提供する。
本発明によれば、上記半透明膜の結晶構造と遮光膜の結晶構造とが、両方とも粒状また
は両方とも柱状とされていることから、遮光膜および半透明膜をエッチングする際に、上
記遮光膜と半透明膜との界面に応力がかかりづらいものとすることができる。これにより
、上述したような孔食が生じることがないものとすることができ、遮光部の端部の形状に
荒れがない、高品質な階調マスクとすることができる。
上記発明においては、上記遮光膜および上記半透明膜の結晶構造が柱状であり、上記遮
光膜の柱状結晶の幅を1とした場合に、上記半透明膜の柱状結晶の幅が0.2〜5の範囲
内であることが好ましい。これにより、上記遮光膜と半透明膜との間に、より応力がかか
りづらいものとすることができ、上記孔食がより生じ難いものとすることができるからで
ある。
上記発明においては、さらに、上記遮光膜および上記半透明膜の結晶構造が柱状であり
、上記遮光膜と上記半透明膜との結晶構造の間に界面が明確でないことが好ましい。これ
により、上記孔食が生じ難く、端部の形状に荒れがない、高品質な階調マスクを形成する
ことができるからである。
本発明によれば、遮光膜および半透明膜をエッチングする際に上記遮光膜と半透明膜と
の界面に応力がかかりづらいことから、階調マスクを製造する際に孔食が生じることがな
いものとすることができ、遮光部の端部の形状に荒れがない、高品質な階調マスクとする
ことができるという効果を奏する。
本発明の階調マスクを説明するための概略断面図である。 本発明の階調マスクの製造方法の一例を示す工程図である。 一般的な階調マスクの製造方法を説明するための工程図である。 孔食を説明するための説明図である。 実施例および比較例の階調マスクの断面をSEMにより観察した写真である。
以下、本発明の階調マスクについて詳細に説明する。
本発明の階調マスクは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成された遮光膜
と、上記遮光膜上および上記透明基板上にパターン状に形成された半透明膜とを有し、上
記透明基板が露出した透過領域、上記透明基板上に上記遮光膜が設けられた遮光領域、お
よび上記透明基板上に上記半透明膜のみが設けられた半透明領域を有する階調マスクであ
って、上記遮光膜および上記半透明膜の結晶構造が、いずれも柱状である、またはいずれ
も粒状であることを特徴とするものである。
本発明の階調マスクは、例えば図1に示すように、透明基板1と、その透明基板1上に
パターン状に形成された遮光膜2と、その遮光膜2および上記透明基板1上にパターン状
に形成された半透明膜3とを有するものである。なお、上記階調マスクは、遮光膜2が形
成された領域が遮光領域a、半透明膜2のみが形成された領域が半透明領域b、遮光膜お
よび半透明膜のいずれもが形成されていない領域が透過領域cとして用いられる。
ここで、本発明においては、上記遮光膜2の結晶構造と半透明膜3の結晶構造とが、同
一の構造、すなわち、いずれもが柱状、またはいずれもが粒状となるものとされる。なお
、上記遮光膜および半透明膜の結晶構造とは、上記半透明膜および遮光膜の断面を電子顕
微鏡により観察した構造とする。また本発明でいう、結晶構造が柱状であるとは、遮光膜
または半透明膜を構成する分子の結晶が、製膜方向(透明基板に垂直方向)に成長し、例
えば円柱状や角柱状等の柱形状になっていることをいう。なお、本発明では、多結晶体が
集まってグレイン(粒塊)を形成しており、このグレインが製膜方向に成長し、柱形状に
なっている高次構造も含むものとする。また結晶構造が粒状であるとは、上記グレインに
異方性がないものをいうこととする。
本発明によれば、上記遮光膜および半透明膜の結晶構造がいずれも柱状、またはいずれ
も粒状とされていることから、遮光膜と半透明膜との界面に応力がかかり難いものとする
ことができる。したがって、階調マスク製造時に、上記遮光膜および半透明膜が積層され
た領域をエッチングする際、半透明膜の一部が欠落し、遮光膜が一部露出してしまうこと
が少ないものとすることができる。これにより、遮光膜に上述したような孔食が生じない
ものとすることができ、形成される遮光膜の端部の形状に荒れがない、高品質な階調マス
クとすることができるのである。
本発明においては、特に上記遮光膜の結晶構造および半透明膜の結晶構造が柱状である
ことが好ましい。これにより、上記遮光膜および半透明膜の界面により応力がかかり難い
ものとすることができるからである。またこの場合、上記遮光膜の柱状の結晶構造の幅を
1とした場合に、上記半透明膜の柱状の結晶構造の幅が、0.2〜5の範囲内、中でも0
.5〜2の範囲内、特に0.67〜1.5であることが好ましく、また特に、遮光膜と半
透明膜との間に界面が明確でないものであることが好ましい。これにより、遮光膜と半透
明膜との間に応力がかかることが少なく、上記孔食が生じることの少ないものとすること
ができるからである。ここで、上記柱状の結晶構造の幅とは、電子顕微鏡で観察したとき
の、10個の柱状の結晶の平均値をいうこととする。また上記遮光膜と半透明膜との間に
界面が明確でないとは、電子顕微鏡で観察した際に、界面が認識できないことをいうこと
とする。
以下、本発明の階調マスクの各構成について詳しく説明する。
1.遮光膜
まず、本発明の階調マスクに用いられる遮光膜について説明する。本発明に用いられる
遮光膜は、本発明の階調マスクを用いて露光を行う際に、露光光を遮蔽することが可能な
膜とされ、遮光領域として用いられる領域に形成される。通常、遮光膜の波長250nm
〜600nmにおける平均透過率は、0.1%以下とされることが好ましい。なお、上記
、透過率の測定方法としては、マスクブランクに使用する透明基板の透過率をリファレン
ス(100%)として、半透明膜の透過率を測定する方法を採用することができる。装置
としては、紫外・可視分光光度計(例えば日立U-4000等)、フォトダイオードアレ
イを検出器としている装置(例えば大塚電子MCPD等)、またはマクベス濃度計等を用
いることができる。
また遮光膜としては、一般にフォトマスクに用いられる遮光膜と同様のものを用いるこ
とができる。例えばクロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム、モリブデンシリ
サイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、チタンなどの
膜が挙げられる。また、ニッケル合金、コバルト合金、ニッケル−コバルト合金、および
これらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物などの膜も用いることができる。
上記クロム系膜は、単層であってもよく、2層以上が積層されたものであってもよい。
上記遮光膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、
真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD)が用いられる。本発明において、上記遮光膜の結
晶構造を粒状とする場合には、例えば文献John A.Thornton, J. Vac. Sci. Technol., Vo
l. 11, No.4, July/Aug.1974 p666-p670に示されるように、T/T(ここで、Tは基板
の温度、Tは遮光膜を形成する材料の融点)を低くする、すなわち基板の温度を低い状
態で遮光膜を形成する方法等が挙げられる。
また、上記遮光膜の結晶構造を柱状とするためには、基板の温度を高くする方法が挙げ
られる。またさらに、上記柱状の幅を調整する方法としては、アルゴン圧力を高くする方
法が挙げられる。なお、それぞれの製膜条件は、用いられる材料や、目的とする結晶構造
等に応じて適宜選択されることとなる。
また、上記遮光膜の柱状の結晶構造の個々の結晶の幅としては、0.01μm〜0.1
μmの範囲内、中でも0.02μm〜0.07μmの範囲内、特に0.03μm〜0.0
5μmの範囲内とすることが好ましい。また柱状の結晶構造の個々の結晶の高さとしては
、0.03μm〜0.2μm程度、中でも0.05μm〜0.1μm程度とされることが
好ましく、特に遮光膜の膜厚と、上記高さが等しくなることが好ましい。
なお、上記遮光膜の膜厚としては、特に限定されるものではなく、遮光膜の種類等によ
って適宜選択されるものであるが、例えばクロム膜の場合には50nm〜150nm程度
であることが好ましい。また上記遮光膜のパターンについても特に限定されるものではな
く、本発明の階調マスクの用途等に応じて適宜選択される。
2.半透明膜
次に、本発明に用いられる半透明膜について説明する。本発明に用いられる半透明膜は
、上述した遮光膜に対して電気化学的に貴なものであり、上記遮光膜と同じ結晶構造を有
するものが用いられる。また上記半透明膜は、透明基板上および遮光膜上、すなわち半透
明領域として用いられる領域、および遮光領域に形成されている上記遮光膜上に形成され
る。このような半透明膜は、階調マスク内の透過率を制御することが可能な膜であれば、
特にその平均透過率は限定されるものではないが、通常、波長250nm〜600nmに
おける平均透過率が、5%〜80%の範囲内であることが好ましく、中でも10%〜60
%の範囲内であることが好ましい。半透明膜の平均透過率が上記範囲未満では、本発明の
階調マスクの半透明領域と遮光領域との透過率の差が出にくくなる場合があり、また平均
透過率が上記範囲を超えると、半透明領域と透過領域との透過率の差が出にくくなる場合
があるからである。
また、本発明においては、上記半透明膜の膜厚は、0.005μm〜0.150μm程
度、中でも0.005μm〜0.1μm程度、特に0.01μm〜0.07μm程度とさ
れることが好ましい。一般的に、このような膜厚の半透明膜を用いる場合に、上述したよ
うな孔食が生じやすく、本発明の利点を活かすことができるからである。
また本発明に用いられる半透明膜は、階調マスクの種類等によって適宜選択され、特に
限定されるものではないが、遮光膜に対してエッチング選択性を有していることが好まし
い。これにより階調マスクを製造する際、半透明膜のみを選択的にエッチングすることが
でき、製造効率等の面で好ましいものとすることができるからである。またアライメント
ずれ、あるいは、半透明膜の成膜時におけるパーティクル(塵など)、あるいは、半透明
膜のパターニング時における剥がれ、汚れ付着、パターニングむら等に起因して、半透明
膜のパターンに不具合が生じたとしても、半透明膜が遮光膜に対してエッチング選択性を
有していれば、半透明膜のみを除去することができるため、半透明膜のみを除去して、リ
サイクルすることが可能である。
このような半透明膜としては、上記遮光膜の結晶構造と同様の結晶構造とすることが可
能なものであればよく、例えばクロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム
、チタン、ケイ素、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、あるいは、これ
らの酸化物、窒化物、炭化物の膜などが挙げられる。
ニッケル合金系膜、コバルト合金系膜、ニッケル−コバルト合金系膜では、主成分であ
るニッケルおよびコバルト以外の元素の含有量を調整することにより、エッチング速度を
制御することができる。例えば、ニッケルおよびコバルト以外の元素の含有量が多くなる
と、エッチング速度が遅くなる。また、酸化窒化炭化物の膜では、炭素の含有量を調整す
ることにより、エッチング速度を制御することができる。具体的には、炭素の含有量が多
くなるにつれて、エッチング速度が遅くなる。
上記半透明膜の形成方法としては、上記遮光膜の形成方法と同様とすることができ、半
透明膜の種類や結晶構造により適宜、条件等は決定される。
ここで、上記半透明膜の柱状の結晶構造の個々の結晶の幅としては、0.005μm〜
0.1μmの範囲内、中でも0.02μm〜0.07μmの範囲内、特に0.03μm〜
0.05μmの範囲内とすることが好ましい。また柱状の結晶構造の個々の結晶の高さと
しては、0.005μm〜0.150μm程度、中でも0.05μm〜0.1μm程度と
されることが好ましく、特に半透明膜の膜厚と、上記高さが等しくなることが好ましい。
また特に、上記遮光膜の結晶構造と半透明膜の結晶構造との界面が明確でないものとす
るように、半透明膜を形成する方法としては、例えば遮光膜および半透明膜のそれぞれの
界面に近い領域の膜の組成を、近いものとする方法が挙げられる。例えば繋がったチャン
バー内で連続して2層(遮光膜および半透明膜)を成膜する場合、それぞれのチャンバー
をほぼ同じ圧力に調整すると、自然に相手側のガスが流れ込むものとすることができ、遮
光膜と半透明膜との界面を明確でないものとすることができる。また、例えば上記遮光膜
と半透明膜とを別々に成膜する場合には、ターゲット上のガスの分布を制御することによ
り界面近くの組成を調整する方法が挙げられる。
3.透明基板
本発明に用いられる透明基板は、一般にフォトマスクに用いられる基板を使用すること
ができる。例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等の光学研磨された低膨張
ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダライム
ガラス、ホワイトサファイアなどの可撓性のない透明なリジット材、あるいは、透明樹脂
フィルム、光学用樹脂フィルムなどの可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いること
ができる。中でも、石英ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温
加熱処理における特性に優れている。
4.階調マスク
本発明の階調マスクは、上記半透明膜、遮光膜、および透明基板を有するものであれば
特に限定されるものではなく、例えば半透明膜および遮光膜以外の、透過率調整機能を有
する膜等が形成されていてもよい。また上記透明基板と遮光膜との間には密着層が形成さ
れていることが好ましい。上記密着層としては、一般的な階調マスクに形成される密着層
と同様とすることができる。
本発明の階調マスクは、リソグラフィー法などのように、露光工程を経て製造される様
々な製品の製造に用いることができる。中でも、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラ
ズマディスプレイパネル等の表示装置の製造、特に大型の表示装置の製造に好適に用いら
れる。
本発明の階調マスクの大きさとしては、用途に応じて適宜調整されるが、例えば液晶表
示装置や有機EL表示装置等の表示装置の製造に用いられる場合には、300mm×40
0mm〜1,600mm×1,800mm程度とされる。
上述した階調マスクを製造する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば
下記の方法とすることができる。まず、図2に示すように、透明基板1上に遮光膜2を形
成する(図2(a))。次に、半透明領域とする領域bの遮光膜2を除去するようにパタ
ーニングする(図2(b))。上記パターニング方法としては、一般的なフォトリソグラ
フィー法とすることができる。続いて、上記遮光膜2および透明基板1を覆うように半透
明膜3を形成し(図2(c))、上記半透明膜3上にレジスト4を塗布する(図2(d)
)。このレジスト4をパターン露光および現像し(図2(e))、透過領域cとする領域
の上記遮光膜2および半透明膜3をエッチングした後(図2(f))、上記レジスト4を
除去する(図2(g))方法等とすることができる。
なお、上記レジストやエッチングに用いられるエッチャント等については、一般的なフ
ォトマスクの製造の際に用いられるものと同様とすることができ、また上記エッチングの
際の条件等についても、一般的な条件と同様とすることができる。
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であ
り、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様
な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例]
光学研磨された390mm×610mmの合成石英基板上に良く洗浄した後、密着層を
形成し、遮光膜となるクロム膜をスパッタリング法により以下の条件で、厚み100nm
成膜した。
<成膜条件>
(1)密着(リバース)層
・ガス流量比 Ar:CO:N=50:6:12
・パワー:1.0kW
・基板温度:170℃
・ガス圧力:0.3hPa
(2)遮光膜
・ガス流量比 Ar:CO:N=50:2:10
・パワー:10.0kW
・基板温度 :170℃
・ガス圧力 :0.25hPa
上記条件で得られたマスクブランク上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製
ip−3500(商品名))を厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプ
レートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置(マイクロニック社製LRS1
1000-TFT3)で、所望の遮光膜中間パターンを描画した。次に、専用のデベロッパー(東京
応化工業社製 NMD3(商品名))で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。
次に、上記レジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜をエッチングし、さ
らに残ったレジストパターンを剥膜することで、所望の遮光膜中間パターンを得た。クロ
ム膜のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック
社製 MR−ES(商品名))を用いた。クロム膜のエッチング時間は、70秒であった
次いで、遮光膜中間パターンが形成された基板について、パターン寸法検査、パターン
欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行い、よく洗浄した後、酸化窒化炭化クロム膜(
半透明膜)を下記の条件でスパッタリング法にて成膜した。
<成膜条件>
・ガス流量比 Ar:CO:N=50:8:60
・パワー:5.0kW
・基板温度:170℃
・ガス圧力:0.3hPa
得られた酸化窒化炭化クロム膜の膜厚は35nmであった。次に、酸化窒化炭化クロム
膜上に市販のフォトレジスト(東京応化製 ip−3500(商品名))を再度、厚み6
00nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレート上で15分ベークした。続いて
半透明膜パターンとなる像を再度、レーザ描画装置(マイクロニック社製LRS11000-TFT3)
で描画し、専用デベロッパー(東京応化社製 NMD3(商品名))で現像し、レジスト
パターンを得た。次に、レジストパターンをマスクとして、市販の硝酸セリウム系ウェッ
トエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES(商品名))で半透明膜および遮光
膜をエッチングし、目的とするパターン状に形成された半透明膜および目的とするパター
ン状に形成された遮光膜を得た。上記エッチングは半透明膜および遮光膜に対して行った
完成した階調マスクは孔食も見られず、シャープなパターンエッジが得られた。また、
断面形状をSEMで観察した結果、図5(a)に示すように遮光膜2および半透明膜3の
どちらも柱状形状であった。
[比較例]
光学研磨された390mm×610mmの合成石英基板上に良く洗浄した後、遮光膜と
なるクロム膜をスパッタリング法により以下の条件で、厚み100nm成膜した。
<成膜条件>
(1)密着(リバース)層
・ガス流量比 Ar:CO:N=50:6:12
・パワー:1.0kW
・基板温度:120℃
・ガス圧力:0.3hPa
(2)遮光膜
・ガス流量比 Ar:CO:N=50:0:20
・パワー:8.0kW
・基板温度 :120℃
・ガス圧力 :0.35hPa
上記条件で得られたマスクブランク上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製
ip−3500(商品名))を厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプ
レートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置(マイクロニック社製LRS1
1000-TFT3)で、所望の遮光膜中間パターンを描画した。次に、専用のデベロッパー(東京
応化工業社製 NMD3(商品名))で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜をエッチングし、さらに
残ったレジストパターンを剥膜することで、所望の遮光膜中間パターンを得た。クロム膜
のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製
MR−ES(商品名))を用いた。クロム膜のエッチング時間は、70秒であった。
次いで、遮光膜中間パターンが形成された基板について、パターン寸法検査、パターン
欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行い、よく洗浄した後、酸化窒化炭化クロム膜(
半透明膜)を下記の条件でスパッタリング法にて成膜した。
<成膜条件>
・ガス流量比 Ar:CO:N=50:8:60
・パワー:5.0kW
・基板温度:120℃
・ガス圧力:0.3hPa
得られた酸化窒化炭化クロム膜の膜厚は35nmであった。次に、酸化窒化炭化クロム
膜上に市販のフォトレジスト(東京応化製 ip−3500(商品名))を再度、厚み6
00nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレート上で15分ベークした。
続いて半透明膜パターンとなる像を再度、レーザ描画装置(マイクロニック社製LRS110
00-TFT3)で描画し、専用デベロッパー(東京応化社製 NMD3(商品名))で現像し、
レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをマスクとして、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント
(ザ・インクテック社製 MR−ES(商品名))で半透明膜および遮光膜をエッチング
し、目的とするパターン状に形成された半透明膜および目的とするパターン状に形成され
た遮光膜を得た。上記エッチングは半透明膜および遮光膜に対して行った。
完成した階調マスクは孔食が見られ、パターンエッジに荒れが生じた。また、断面形状
をSEMで観察した結果、図5(b)に示すように遮光膜2は粒子状、半透明膜3は柱状
形状であった。
1 … 透明基板
2 … 遮光膜
3 … 半透明膜

Claims (1)

  1. 透明基板と、前記透明基板上にパターン状に形成された遮光膜と、前記遮光膜上および前記透明基板上にパターン状に形成された半透明膜とを有し、前記透明基板が露出した透過領域、前記透明基板上に前記遮光膜が設けられた遮光領域、および前記透明基板上に前記半透明膜のみが設けられた半透明領域を有する階調マスクであって、
    前記遮光膜および前記半透明膜の結晶構造が、いずれも粒状であり、
    前記遮光膜の結晶構造と前記半透明膜の結晶構造との間に界面が明確でないことを特徴とする階調マスク。
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