JP7154626B2 - マスクブランク、転写用マスク、及び半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

マスクブランク、転写用マスク、及び半導体デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7154626B2
JP7154626B2 JP2020181494A JP2020181494A JP7154626B2 JP 7154626 B2 JP7154626 B2 JP 7154626B2 JP 2020181494 A JP2020181494 A JP 2020181494A JP 2020181494 A JP2020181494 A JP 2020181494A JP 7154626 B2 JP7154626 B2 JP 7154626B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
thin film
upper region
film
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020181494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021089422A (ja
Inventor
雅広 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to TW109138158A priority Critical patent/TW202125089A/zh
Priority to KR1020200157674A priority patent/KR20210065049A/ko
Priority to CN202011344580.8A priority patent/CN112946996A/zh
Publication of JP2021089422A publication Critical patent/JP2021089422A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7154626B2 publication Critical patent/JP7154626B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/50Mask blanks not covered by G03F1/20 - G03F1/34; Preparation thereof
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F1/00Originals for photomechanical production of textured or patterned surfaces, e.g., masks, photo-masks, reticles; Mask blanks or pellicles therefor; Containers specially adapted therefor; Preparation thereof
    • G03F1/26Phase shift masks [PSM]; PSM blanks; Preparation thereof
    • G03F1/32Attenuating PSM [att-PSM], e.g. halftone PSM or PSM having semi-transparent phase shift portion; Preparation thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/027Making masks on semiconductor bodies for further photolithographic processing not provided for in group H01L21/18 or H01L21/34

Description

本発明は、半導体デバイスの製造等に用いる転写用マスク、該転写用マスクの作製に用いるマスクブランク、及び転写用マスクを用いる半導体デバイスの製造方法に関する。
一般に、半導体デバイスの製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。この微細パターンの形成には通常、フォトマスク(転写用マスク)と呼ばれている基板が使用される。このフォトマスクは、一般に透光性のガラス基板上に、金属薄膜等からなる遮光性の微細パターンを設けたものである。このフォトマスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。
フォトリソグラフィー法によるフォトマスクの製造には、ガラス基板等の透光性基板(以下、基板と略称することがある。)上に遮光膜を有するマスクブランクが用いられる。このマスクブランクを用いたフォトマスクの製造においては、マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し、所望のパターン描画を施す描画工程と、描画後、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する現像工程と、このレジストパターンをマスクとして前記遮光膜をエッチングするエッチング工程と、残存したレジストパターンを剥離除去する工程が行われる。上記エッチング工程では、このレジストパターンをマスクとして、たとえばウェットエッチングによって、レジストパターンの形成されていない遮光膜が露出した部位を溶解し、これにより所望のマスクパターンを透光性基板上に形成する。こうして、フォトマスクが出来上がる。
特許文献1には、ウェットエッチングに適したマスクブランクとして、クロム系材料の遮光膜を備えるマスクブランクが開示されている。その遮光膜は、例えば、基板側から、第1遮光膜(CrN)/第2遮光膜(CrC)/反射防止膜(CrON)の積層構造であることが開示されている。
また、特許文献2には、同じくウェットエッチングに適したマスクブランクとして、クロム系材料の積層構造の遮光膜を備えるフォトマスク基板が開示されている。その遮光膜は、例えば、基板側から、第1層(クロム膜)/第2層(酸化クロム、窒化クロム混合組成膜)の積層構造や、第1層(酸化クロム、窒化クロム混合組成膜)/第2層(クロム膜)/第3層(酸化クロム、窒化クロム混合組成膜)の積層構造であることが開示されている。
特許第3276954号公報 特公昭61-46821号公報
硝酸第二セリウムアンモニウムを主成分とするエッチング液を用いたウェットエッチング(以下、単に「ウェットエッチング」という。)でクロム系材料の薄膜をパターニングする場合、酸化クロム膜は、クロム金属膜よりもエッチングレートが遅くなる傾向がある。
基板の上にパターン形成用薄膜としてクロム金属膜をスパッタリング法で形成してマスクブランクを製造した場合、その後の製造プロセスの過程で、その薄膜は基板側とは反対側の表面から酸化が進んでいくことが避けられない。
例えば、基板上に薄膜を形成した後、欠陥除去等を目的とする水洗浄を行うのが一般的であり、このとき薄膜の表面から酸素が入り込む(薄膜の上部領域の酸化が進む。)。このマスクブランクを用いて転写用マスクを製造する場合、レジストパターンをエッチングマスクとするウェットエッチングで薄膜をパターニングする。そのレジスト膜を薄膜の上に形成する工程では、薄膜の表面にレジスト液を塗布した後、マスクブランクの全体に対してベーク処理を行うことで、その塗布されたレジストを硬化させることが行われる。このベーク処理時に、薄膜の表面から酸素が入り込む(薄膜の上部領域の酸化がさらに進む。)。
一般に、マスクブランクのパターン形成用薄膜は、露光光(このマスクブランクから製造される転写用マスクが、露光装置にセットされたときに照射される露光光)に対する表面反射率が低いことが求められる。薄膜の表層(上部領域)に窒素を含有させることで、露光光に対する表面反射率をある程度低下させることは可能であるが、その表面反射率では不十分である場合が多い。薄膜の上部領域に酸素を含有させると、露光光に対する表面反射率を大幅に低下させることができる。しかし、表面反射率を十分に下げる効果を得るには、薄膜の上部領域に酸素を比較的多く含有させる必要がある。このような薄膜の上部領域は酸素を比較的多く含有することにより、構造がアモルファス化し緻密な構造となり、ウェットエッチングに対するエッチングレートが遅くなるため、薄膜にパターンを形成する際に問題となっていた。
一方、パターン形成用薄膜の基板側の領域(下部領域)は、ウェットエッチングに対するエッチングレートが、その薄膜の内部領域(中部領域)のエッチングレートよりも速いことが望まれる。一般に、ウェットエッチングは等方性エッチングの傾向が強い。それで、薄膜の基板側とは反対側の表面から基板側の表面までウェットエッチングを行った場合、薄膜パターンの側壁がテーパー状(薄膜パターンの線幅が基板側に向かうにつれて広がる形状)になりやすい。このため、一般に、基板の表面が露出するまで薄膜に対するウェットエッチングが進行した後も、薄膜の主に下部領域に対して側壁方向のエッチングを進めるためのエッチング(いわゆるオーバーエッチング)が引き続き行われる。しかし、等方性ウェットエッチングではアンダーカットが大きくなるだけで、薄膜パターンの側壁の垂直性を高くする事はできない。そのため、薄膜の下部領域のエッチングレートを向上させることが望まれていた。ここで、薄膜パターンの側壁の垂直性を高くするとは、薄膜パターンの断面形状を膜面に対して垂直に近づけて良好に仕上げることを意味する。
本発明は、従来の問題点を解決するべくなされたものであり、その目的とするところは、パターン形成用の薄膜全体でのウェットエッチングに対するエッチングレートを向上させ、さらに、薄膜に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができるマスクブランクを提供することである。
本発明はまた、薄膜パターンの側壁の垂直性を高めた転写用マスクを提供することも目的とする。
本発明はさらに、この転写用マスクを用いる半導体デバイスの製造方法を提供することも目的とする。
前述したように、従来は、ウェットエッチング処理により形成される薄膜パターンの断面形状を良好に仕上げることが困難であるとの問題に鑑み、本発明者は鋭意研究した結果、たとえば、パターン形成用薄膜の基板側とは反対側の上部領域と、該上部領域を除く領域とで、パターン形成用薄膜を構成するクロム系材料の結晶サイズを調節することにより、パターン形成用の薄膜全体でのウェットエッチングに対するエッチングレートを向上させ、さらに、薄膜に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができることを見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
基板上に、パターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクであって、前記薄膜は、クロムを含有する材料からなり、前記薄膜は、基板側とは反対側の上部領域と、該上部領域を除く領域とからなり、前記上部領域の結晶サイズは、前記上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きいことを特徴とするマスクブランクである。
(構成2)
前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも多結晶構造であることを特徴とする構成1に記載のマスクブランクである。
(構成3)
電子回折法を用いて取得される前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域のそれぞれの結晶面間隔は、いずれも0.2nm以上であることを特徴とする構成1又は2に記載のマスクブランクである。
(構成4)
前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも柱状構造を有することを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のマスクブランクである。
(構成5)
前記薄膜の上部領域を除く領域は、基板側から下部領域および中部領域の2つの領域からなり、前記薄膜の結晶サイズは、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくなっていくことを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載のマスクブランクである。
(構成6)
前記薄膜は、厚さ方向で前記クロムの含有量が変化する組成傾斜膜であることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載のマスクブランクである。
(構成7)
前記薄膜は、露光光に対して3以上の光学濃度を有する遮光膜であることを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載のマスクブランクである。
(構成8)
基板上に、転写パターンを有する薄膜を備える転写用マスクであって、前記薄膜は、クロムを含有する材料からなり、前記薄膜は、基板側とは反対側の上部領域と、該上部領域を除く領域とからなり、前記上部領域の結晶サイズは、前記上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きいことを特徴とする転写用マスクである。
(構成9)
前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも多結晶構造であることを特徴とする構成8に記載の転写用マスクである。
(構成10)
電子回折法を用いて取得される前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域のそれぞれの結晶面間隔は、いずれも0.2nm以上であることを特徴とする構成8又は9に記載の転写用マスクである。
(構成11)
前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも柱状構造を有することを特徴とする構成8乃至10のいずれかに記載の転写用マスクである。
(構成12)
前記薄膜の上部領域を除く領域は、基板側から下部領域および中部領域の2つの領域からなり、前記薄膜の結晶サイズは、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくなっていくことを特徴とする構成8乃至11のいずれかに記載の転写用マスクである。
(構成13)
前記薄膜は、厚さ方向で前記クロムの含有量が変化する組成傾斜膜であることを特徴とする構成8乃至12のいずれかに記載の転写用マスクである。
(構成14)
前記薄膜は、露光光に対して3以上の光学濃度を有する遮光膜であることを特徴とする構成8乃至13のいずれかに記載の転写用マスクである。
(構成15)
構成8乃至14のいずれかに記載の転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法である。
本発明によれば、パターン形成用の薄膜全体でのウェットエッチングに対するエッチングレートを向上させ、さらに、薄膜に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができるマスクブランクを提供することができる。
また、本発明によれば、薄膜パターンの側壁の垂直性を高めた転写用マスクを提供することができる。
さらに、本発明によれば、上記の転写用マスクを用いて、良好な転写パターンを形成できる半導体デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明によるマスクブランクの一実施形態を示す断面図である。 本発明による転写用マスクの一実施形態を示す断面図である。 本発明によるマスクブランクを用いた転写用マスクの製造工程を示す断面図である。 本発明の実施例1のマスクブランクにおける遮光膜の上部領域の電子回折像を示す。 本発明の実施例1のマスクブランクにおける遮光膜の中部領域の電子回折像を示す。 本発明の実施例1のマスクブランクにおける遮光膜の下部領域の電子回折像を示す。 本発明の実施例1のマスクブランクにおける遮光膜の断面TEM像を示す。 本発明の実施例2のマスクブランクにおける遮光膜の上部領域の電子回折像を示す。 本発明の実施例2のマスクブランクにおける遮光膜の中部領域の電子回折像を示す。 本発明の実施例2のマスクブランクにおける遮光膜の下部領域の電子回折像を示す。 本発明の実施例2のマスクブランクにおける遮光膜の断面TEM像を示す。 本発明の実施例3のマスクブランクにおける遮光膜の上部領域の電子回折像を示す。 本発明の実施例3のマスクブランクにおける遮光膜の中部領域の電子回折像を示す。 本発明の実施例3のマスクブランクにおける遮光膜の下部領域の電子回折像を示す。 本発明の実施例3のマスクブランクにおける遮光膜の断面TEM像を示す。 比較例のマスクブランクにおける遮光膜の上部領域の電子回折像を示す図である。 比較例のマスクブランクにおける遮光膜の中部領域の電子回折像を示す。 比較例のマスクブランクにおける遮光膜の下部領域の電子回折像を示す。 比較例のマスクブランクにおける遮光膜の断面TEM像を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳述する。
[マスクブランク]
はじめに、本発明のマスクブランクについて説明する。
図1は本発明のマスクブランクの一実施形態を示す断面図である。
図1に示すマスクブランク10は、基板1上に、パターン形成用の薄膜2を備える形態のマスクブランクである。
本実施形態のマスクブランク10では、上記薄膜2はクロムを含有する材料からなる。また、上記薄膜2は、基板1側とは反対側の上部領域と、該上部領域を除く領域の2つの領域からなり、上部領域の結晶サイズは、上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きいことを特徴としている。
ここで、上記基板1としては、透光性基板が好適である。この透光性基板としては、一般にガラス基板が挙げられる。ガラス基板は、平坦度及び平滑度に優れるため、転写用マスクを使用して被転写基板上へのパターン転写を行う場合、転写パターンの歪み等が生じないで高精度のパターン転写が行える。透光性基板としては、合成石英ガラスのほか、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラス(SiO-TiOガラス等)などのガラス材料で形成することができる。これらの中でも、合成石英ガラスは、例えば露光光であるArFエキシマレーザー光(波長193nm)に対する透過率が高く、マスクブランク10の基板1を形成する材料として特に好ましい。
上記パターン形成用の薄膜2は、クロムを含有する材料からなり、例えば遮光膜である。具体的な上記薄膜2の材料としては、クロム単体、または、クロムに酸素、窒素、炭素等の元素を含むクロム化合物材料が挙げられる。薄膜2を構成する材料には、ケイ素などのようなウェットエッチングレートが大きく低下する元素は含有しないことが好ましい。薄膜2を構成する材料は、クロムと非金属元素の合計含有量が95原子%以上であることが好ましく、98原子%以上であることがより好ましく、99原子%以上であるとさらに好ましい。また、薄膜2を構成する材料は、クロム、酸素、窒素、および炭素の合計含有量が95原子%以上であることが好ましく、98原子%以上であることがより好ましく、99原子%以上であるとさらに好ましい。本実施形態では、薄膜2の厚さは、特に制約されないが、80nm~150nmの範囲であることが好適である。
上記のとおり、本実施形態では、上記薄膜2は、基板1側とは反対側の上部領域と、該上部領域を除く領域の2つの領域からなる。
マスクブランク10におけるパターン形成用の薄膜2は、露光光(このマスクブランク10から製造される転写用マスクが、露光装置にセットされたときに照射される露光光)に対する表面反射率が低いことが求められる。したがって、本実施形態では、上記の上部領域に反射防止機能を持たせることが望ましい。上記薄膜2の上部領域に例えば窒素を含有させることで、露光光に対する表面反射率をある程度低下させることが可能である。また、上記薄膜2の上部領域に酸素を含有させると、露光光に対する表面反射率を大幅に低下させることが可能である。したがって、上記薄膜2の上部領域は、例えば、CrO、CrON、CrOC、CrOCN等の材料が好ましく用いられる。この場合、酸素や窒素の含有量は、露光光に対する上記薄膜2の表面反射率を考慮して、適宜調節することができる。
本実施形態では、上記薄膜2の上部領域の厚さは、特に制約されないが、10nm~50nmの範囲であることが好適である。
また、上記薄膜2の上部領域を除く領域は、この薄膜2の全体での露光光に対する遮光性能を高める観点から、薄膜2の上部領域よりも酸素の含有量が少ないことが好ましく、酸素を実質的に含有しないとさらに好ましい。また、薄膜2の上部領域を除く領域でのクロムの含有量は、薄膜2の上部領域のクロム含有量よりも多いことが好ましい。薄膜2の上部領域を除く領域は、例えば、Cr、CrN、CrC、CrCN等の材料が好ましく用いられる。
本実施形態のマスクブランク10では、上記薄膜2の上部領域の結晶サイズは、上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きいことを特徴としている。
クロム系材料の薄膜2をウェットエッチングでパターニングする場合、結晶サイズが大きい方が、薄膜内にウェットエッチング液がより浸透しやすく、ウェットエッチングレートが向上する。薄膜2の上部領域は、酸化しやすく、また表面反射防止機能を持たせるために酸素を含有させる必要がある。クロムに酸素を含有させるとウェットエッチングレートが低下することが知られている。本発明では、この上部領域の結晶サイズを、上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きくすることで、上部領域のウェットエッチングレートを向上させることができる。すなわち、上記薄膜2内の上部領域の結晶サイズを、上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きくすることにより、パターン形成用の薄膜2内の領域のウェットエッチングに対するエッチングレートは、上部領域を除く領域よりも、上部領域の方を速くすることができる。ウェットエッチングにより形成される薄膜パターンの断面形状は、膜面に対して出来るだけ垂直となる形状であることが望ましいが、上記構成とすることにより、薄膜2全体でのエッチングレートが向上するとともに、薄膜2に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができる。
本実施形態では、上記薄膜2の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも多結晶構造であることが好ましい。上記薄膜2の各領域を、クロム金属あるいはクロム化合物の様々な結晶が混在する多結晶構造とすることにより、結晶サイズが過大になり難くなる。また、この薄膜2にパターンを形成したときのパターン側壁のラインエッジラフネスを低減することができる。
また、本実施形態では、電子回折法を用いて取得される上記薄膜2の上部領域と上部領域を除く領域のそれぞれの結晶面間隔は、いずれも0.2nm以上であることが好ましい。結晶面間隔が小さいと、より密な結晶構造となるが、ウェットエッチングレートが過度に低下してしまい、薄膜2全体でのエッチングレートを向上させることが難しくなる。
また、本実施形態では、上記薄膜2の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも柱状構造を有することが好ましい。上記薄膜2の各領域は柱状構造である方が、薄膜2内にウェットエッチング液がより浸透しやすくなり、ウェットエッチングレートがより向上する。
上記薄膜2の各領域の結晶サイズは、薄膜2を例えばスパッタリング成膜法で形成する場合には、チャンバー内に導入するスパッタガスのガス圧や、チャンバー内の温度、成膜レート、ターゲットに印加する電圧、電流値等のコントロールにより調節することが可能である。
上記薄膜2の形成方法は、特に制約する必要はないが、なかでもスパッタリング成膜法が好ましく挙げられる。スパッタリング成膜法によると、面内での分布が均一で膜厚の一定な膜を形成することができる。上記基板1上に、スパッタリング成膜法によって上記薄膜2を成膜する場合、スパッタターゲットとしてクロム(Cr)ターゲットを用い、チャンバー内に導入するスパッタガスは、アルゴンガスやヘリウムガスなどの不活性ガスに酸素、窒素もしくは二酸化炭素、一酸化窒素等のガスを混合したものを用いる。アルゴンガス等の不活性ガスに酸素ガス或いは二酸化炭素ガスを混合したスパッタガスを用いると、クロムに酸素を含む薄膜を形成することができ、アルゴンガス等の不活性ガスに窒素ガスを混合したスパッタガスを用いると、クロムに窒素を含む薄膜を形成することができる。また、アルゴンガス等の不活性ガスに一酸化窒素ガスを混合したスパッタガスを用いると、クロムに窒素と酸素を含む薄膜を形成することができる。さらに、アルゴンガス等の不活性ガスにメタンガスを混合したスパッタガスを用いると、クロムに炭素を含む薄膜を形成することができる。
また、本実施形態では、上記薄膜2は、厚さ方向でクロムの含有量が変化する組成傾斜膜であることが好ましい。これにより、ウェットエッチングで薄膜2にパターンを形成したときに、パターンの側壁形状に段差が生じにくい。このような薄膜2を組成傾斜膜とするためには、例えば前述のスパッタリング成膜時のスパッタガスの種類(組成)を成膜中に適宜切替える方法が好適である。
また、本実施形態では、上記薄膜2は、例えば、露光光に対して3以上の光学濃度を有する上述のクロム系材料からなる遮光膜とすることができる。なお、本実施形態のマスクブランクから製造される転写用マスクに対して照射される露光光は、例えば、g線(波長 約436nm)を含む光、i線(波長 約365nm)を含む光、KrFエキシマレーザー光(波長 約248nm)、ArFエキシマレーザー光(波長 約193nm)が挙げられる。
一方、本実施形態の薄膜2は、基板1上に、光半透過膜と遮光膜がこの順に積層した構造のマスクブランクにおける遮光膜として用いることができる。この場合、光半透過膜と遮光膜との積層構造で、上記露光光に対する光学濃度が3以上になるようにすることが好ましい。この場合における光半透過膜は、露光光を所定の透過率(例えば、1%以上30%以下の透過率。)で透過する機能と、その膜を透過する露光光に対し、その膜の厚さと同じ距離だけ空気中を透過した露光光との間で所定の位相差(例えば、150度以上210度以下の位相差)を生じさせる機能を有する位相シフト膜であることが好ましい。
次に、他の実施形態について説明する。
この他の実施形態は、前述の実施形態における上記薄膜2の上部領域を除く領域が、さらに基板1側から下部領域および中部領域の2つの領域からなる態様である。つまり、この他の実施形態では、クロムを含有する材料からなる上記薄膜2は、基板1側から下部領域、中部領域、および上部領域の3つの領域からなる。この場合、上記薄膜2の結晶サイズは、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくなっていくことが好ましい。
上記したように、クロム系材料の薄膜2をウェットエッチングでパターニングする場合、結晶サイズが大きい方が、薄膜内にウェットエッチング液がより浸透しやすく、ウェットエッチングレートが向上する。薄膜2の上部領域は、酸化しやすく、また表面反射防止機能を持たせるために酸素を含有させる必要がある。クロムに酸素を含有させるとウェットエッチングレートが低下することが知られている。他の実施形態では、この上部領域の結晶サイズを、薄膜2全体の中で最も大きくすることで、上部領域のウェットエッチングレートを向上させることができる。また、従来、ウェットエッチングの場合、薄膜2に形成されるパターンの側壁形状の垂直性が低い傾向があるため、薄膜2の基板1側の領域(上記下部領域)のウェットエッチングレートを向上させることが望まれる。他の実施形態では、薄膜2の下部領域の結晶サイズを薄膜2の上部領域と下部領域を除いた内部(上記中部領域)の結晶サイズよりも大きくすることで、下部領域のウェットエッチングレートを向上させることができる。このように、薄膜2の結晶サイズは、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくすることで、ウェットエッチングでパターンを形成した時のパターン側壁の垂直性を高くすることができる。
以上のように、他の実施形態のマスクブランクの構成とすることにより、パターン形成用の薄膜2内の各領域のウェットエッチングに対するエッチングレートは、中部領域、下部領域、上部領域の順に速くすることができる。これにより、マスクブランク10の薄膜2全体でのエッチングレートが向上するとともに、薄膜2に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができる。
上記薄膜2の上部領域は、前述の実施形態の場合と同様のクロム系材料が用いられる。
上記薄膜2の中部領域は、この薄膜2の全体での露光光に対する遮光性能を高める観点から、薄膜2の上部領域および下部領域よりも酸素の含有量が少ないことが好ましく、酸素を実質的に含有しないとさらに好ましい。また、薄膜2の中部領域でのクロムの含有量は、薄膜2の上部領域および下部領域のクロム含有量よりも多いことが好ましい。薄膜2の中部領域は、例えば、Cr、CrN、CrC、CrCN等の材料が好ましく用いられる。
上記薄膜2の下部領域は、薄膜2の全体での露光光に対する遮光性能を高める観点から、薄膜2の上部領域よりも酸素の含有量が少ないことが好ましい。また、薄膜2の下部領域は、薄膜2の裏面側(基板と接している面側)の反射率を低減する観点から、薄膜2の上部領域および中部領域よりも窒素の含有量が多いことが好ましい。薄膜2の下部領域には、例えば、CrN、CrCN、CrON等の材料が好ましく用いられる。
この他の実施形態では、上記薄膜2の上部領域の厚みは、特に制約されないが、10nm~50nmの範囲であることが好適である。
上記薄膜2の中部領域の厚みは、特に制約されないが、薄膜2の全体での露光光に対する遮光性能を高める観点からは、25nm~70nmの範囲であることが好適である。
上記薄膜2の下部領域の厚みは、特に制約されないが、薄膜2の裏面側の反射率を低減する観点からは、5nm~30nmの範囲であることが好適である。
他の実施形態についても、前述の実施形態の場合と同様の理由により、上記薄膜2の下部領域、中部領域、および上部領域は、いずれも多結晶構造であることが好ましい。
他の実施形態についても、前述の実施形態の場合と同様の理由により、電子回折法を用いて取得される上記薄膜2の下部領域、中部領域、および上部領域のそれぞれの結晶面間隔は、いずれも0.2nm以上であることが好ましい。
他の実施形態についても、前述の実施形態の場合と同様の理由により、上記薄膜2の下部領域、中部領域、および上部領域は、いずれも柱状構造を有することが好ましい。
他の実施形態についても、前述の実施形態の場合と同様の理由により、上記薄膜2は、厚さ方向で前記クロムの含有量が変化する組成傾斜膜であることが好ましい。
他の実施形態についても、上記薄膜2は、例えば、露光光に対して3以上の光学濃度を有するクロム系材料からなる遮光膜とすることができる。この他の実施形態のマスクブランクに係るその他の事項については、前述の実施形態のマスクブランクの場合と同様である。
以上の各実施形態により説明したように、本発明のマスクブランクによれば、パターン形成用の薄膜全体でのウェットエッチングに対するエッチングレートを向上させ、さらに、薄膜に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができる。
以上の各実施形態では、基板1上に、パターン形成用の薄膜2を備える形態のマスクブランクについて説明したが、本発明はこのような実施形態には限られない。たとえば、透光性基板1とパターン形成用の薄膜(遮光膜)2との間に露光光を所定の透過率(例えば、1%以上40%以下の透過率)で透過する機能を有する光半透過膜をさらに備える態様のものも本発明のマスクブランクに含まれる。この光半透過膜は、その光半透過膜の内部を透過した露光光に対し、その光半透過膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した露光光との間で所定の位相差(例えば、150度以上210度以下の位相差)を生じさせる機能をさらに有する位相シフト膜であってもよい。これらの構成の場合、光半透過膜(あるいは位相シフト膜)と遮光膜との積層構造で、上記露光光に対する光学濃度が3以上になるようにすることが好ましい。
一方、本発明のマスクブランクは、半導体デバイスを製造するときに用いられる転写用マスクを製造する用途に限定されない。たとえば、本発明のマスクブランクは、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diode)等を代表とするFPD(Flat Panel Display)等の表示装置を製造するときに用いられる転写用マスクを製造する用途にも適用できる。
[転写用マスク]
次に、本発明の転写用マスクについて説明する。
図2は、本発明の転写用マスクの一実施形態を示す断面図である。
図2に示される本発明の一実施形態の転写用マスク20は、基板1上に、転写パターン(薄膜パターン、以下ではパターンと略称することがある。)2aを有する薄膜2を備えている。この転写用マスク20では、上記薄膜2は、クロムを含有する材料からなる。また、この薄膜2は、基板1側とは反対側の上部領域と、該上部領域を除く領域とからなり、上部領域の結晶サイズは、上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きいことを特徴としている。この場合の基板1および薄膜2の構成は、上述のマスクブランク10の場合と同様である。
このような本発明の転写用マスク20は、たとえば、上述の本発明のマスクブランク10を用いて製造することができる。転写用マスクの製造方法に関する詳細は後述する。
上述したように、図1に示すような本発明の一実施形態のマスクブランク10は、基板1上に、パターン形成用の薄膜2を備える。この薄膜2はクロムを含有する材料からなる。また、この薄膜2は、基板1側とは反対側の上部領域と、該上部領域を除く領域とからなり、上部領域の結晶サイズは、上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きい構成としている。マスクブランク10をこのような構成とすることにより、パターン形成用の薄膜2全体でのウェットエッチングに対するエッチングレートを向上させ、さらに、薄膜2に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高めることができる。その結果、このマスクブランク10から作製された転写用マスク20は、パターン側壁の垂直性を高めた断面形状の良好な転写パターンが精度良く形成された転写用マスクとなっている。また、この転写用マスク20においても、転写パターン2aを有する薄膜2はクロムを含有する材料からなる。また、この薄膜2は、基板1側とは反対側の上部領域と、該上部領域を除く領域とからなり、上部領域の結晶サイズは、上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きい構成となっている。
前述したように、マスクブランク10においては、上記薄膜2の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも多結晶構造であることが好ましい。また、このマスクブランク10から作製される転写用マスク20においても、上記薄膜2の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも多結晶構造であることが好ましい。これにより、形成された転写パターン側壁のラインエッジラフネスが低減されたものとなっている。
また、前述のマスクブランク10の場合と同様に、転写用マスク20においても、電子回折法を用いて取得される上記薄膜2の上部領域と上部領域を除く領域のそれぞれの結晶面間隔は、いずれも0.2nm以上であることが好ましい。
また、前述のマスクブランク10の場合と同様に、転写用マスク20においても、上記薄膜2の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも柱状構造を有することが好ましい。これにより、マスクブランク10での薄膜2のウェットエッチングに対するエッチングレートが向上し、転写用マスク20では形成された転写パターン側壁の垂直性を高めたものとなっている。
また、前述のマスクブランク10の場合と同様に、転写用マスク20においても、上記薄膜2は、厚さ方向でクロムの含有量が変化する組成傾斜膜であることが好ましい。これにより、形成された転写パターンの側壁形状は段差の生じていないものとなっている。
また、前述のマスクブランク10の場合と同様に、転写用マスク20においても、上記薄膜2は、例えば、露光光に対して3以上の光学濃度を有するクロム系材料からなる遮光膜とすることができる。この場合の遮光膜は、上述のマスクブランク10の場合と同様である。
次に、上記転写用マスク20の他の実施形態について説明する。
この他の実施形態は、上述の上記薄膜2の上部領域を除く領域が、さらに基板側から下部領域および中部領域の2つの領域からなる態様である。つまり、他の実施形態の転写用マスク20では、クロムを含有する材料からなる上記薄膜2は、基板1側から下部領域、中部領域、および上部領域の3つの領域からなる。この場合、上記薄膜2の結晶サイズは、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくなる構成としている。
このような他の実施形態の転写用マスク20は、たとえば、上述の他の実施形態のマスクブランク10を用いて製造することができる。
上述したように、他の実施形態のマスクブランクでは、薄膜2の結晶サイズを、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくすることで、薄膜2内の各領域のウェットエッチングに対するエッチングレートは、中部領域、下部領域、上部領域の順に速くすることができる。これにより、マスクブランク10の薄膜2全体でのエッチングレートが向上するとともに、薄膜2に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができる。その結果、他の実施形態のマスクブランク10から製造された転写用マスク20は、パターン側壁の垂直性を高めた断面形状の良好な転写パターンが精度良く形成された転写用マスクとなっている。
本発明の転写用マスクは、上述の本発明のマスクブランクを用いて製造することが好適である。
次に、図1に示す本発明のマスクブランク10を用いた転写用マスク20の製造方法について説明する。
このマスクブランク10を用いた転写用マスク20の製造方法は、たとえば、マスクブランンク10上に形成されたレジスト膜に対し、所望のパターン描画を施す工程と、パターン描画後に上記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程と、上記レジストパターンをマスクとして、マスクブランク10のパターン形成用の薄膜2を、ウェットエッチングを用いてパターニングする工程と、残存したレジストパターンを剥離除去する工程とを有する。
図3は、本発明のマスクブランクを用いた転写用マスクの製造工程を示す断面図である。
図3(a)は、図1のマスクブランク10のパターン形成用薄膜2上にレジスト膜3を形成した状態を示している。なお、レジスト材料としては、ポジ型レジスト材料でも、ネガ型レジスト材料でも用いることができるが、半導体デバイス製造に用いる転写用マスクの作製には通常、ポジ型レジスト材料が好適である。
次に、図3(b)は、マスクブランク10上に形成されたレジスト膜3に対し、所望のパターン描画を施す工程を示す。パターン描画は、レーザー描画装置、電子線描画装置などを用いて行われる。
次に、図3(c)は、所望のパターン描画後、上記レジスト膜3を現像してレジストパターン3aを形成する工程を示す。
次に、図3(d)は、上記レジストパターン3aをマスクとして、マスクブランク10のパターン形成用の薄膜2を、ウェットエッチングを用いてパターニングするエッチング工程を示す。このエッチング工程によって、薄膜2には所望の転写パターン(薄膜パターン)2aが形成される。
ウェットエッチングの際使用するエッチング液としては、一般に硝酸第二セリウムアンモニウムに過塩素酸を加えた水溶液が使用される。エッチング液の濃度や温度、処理時間等のウェットエッチングの条件は、薄膜2のエッチング特性などから適宜設定される。
図3(e)は、残存したレジストパターン3aを剥離除去することにより得られた転写用マスク20を示す。
こうして、基板1上に、転写パターン2aを有する薄膜2を備える転写用マスク20が出来上がる。本発明により、パターン側壁の垂直性を高めた断面形状の良好な転写パターンが精度良く形成された転写用マスク20が出来上がる。
以上の各実施形態では、基板1上に、転写パターン(薄膜パターン)2aを有する薄膜2を備える形態の転写用マスクおよびその製造方法について説明したが、本発明はこのような実施形態には限られない。上述のマスクブランクの場合と同様、たとえば、透光性基板1と薄膜パターン(遮光パターン)2aとの間に露光光を所定の透過率(例えば、1%以上40%以下の透過率)で透過する機能を有する光半透過パターン(光半透過膜のパターン)をさらに備える態様のものも本発明の転写用マスクに含まれる。この光半透過パターンは、そのパターンの内部を透過した露光光に対し、そのパターン(光半透過膜)の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した露光光との間で所定の位相差(例えば、150度以上210度以下の位相差)を生じさせる機能をさらに有する位相シフトパターン(位相シフト膜のパターン)であってもよい。これらの構成の場合、光半透過パターン(あるいは位相シフトパターン)と遮光パターンとの積層構造で、上記露光光に対する光学濃度が3以上になるようにすることが好ましい。
一方、本発明の転写用マスクは、半導体デバイスを製造するときに用いられる転写用マスクの用途に限定されない。たとえば、本発明の転写用マスクは、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diode)等を代表とするFPD(Flat Panel Display)等の表示装置を製造するときに用いられる転写用マスクにも適用できる。
[半導体デバイスの製造方法]
また、本発明は、半導体デバイスの製造方法も提供する。
本発明に係る半導体デバイスの製造方法は、上記の転写用マスク20を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴としている。
本発明による上記の転写用マスク20は、パターン側壁の垂直性を高めた転写パターンが形成されている。その結果、例えばi線の光を露光光とする露光装置のマスクステージに、上記転写用マスク20をセットし、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する際も、半導体基板上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを転写することができる。
本発明によれば、本発明の転写用マスクを用いて、高精細な転写パターンを形成した半導体デバイスを製造することができる。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、パターン形成用の薄膜全体でのウェットエッチングに対するエッチングレートを向上させ、さらに、薄膜に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高めることができるマスクブランクを提供することができる。
また、本発明によれば、薄膜パターン側壁の垂直性を高めた転写用マスクを提供することができる。
さらに、本発明によれば、本発明の転写用マスクを用いて、良好な転写パターンを形成できる半導体デバイスの製造方法を提供することができる。
以下、実施例により、本発明の実施形態を更に具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1のマスクブランク10は、透光性基板1上にパターン形成用の薄膜(遮光膜)2を備える構造のものである。このマスクブランク10は、以下のようにして作製した。
合成石英ガラスからなる透光性基板1(大きさ約152mm×152mm×厚さ約6.35mm)を3枚準備した。この透光性基板1は、主表面及び端面が所定の表面粗さ(例えば主表面は、二乗平均平方根粗さRqで0.2nm以下)に研磨されている。
次に、上記の3枚の透光性基板1上に、下部領域、中部領域および上部領域の3つの領域からなる遮光膜2を以下の手順でそれぞれ形成した。
まず、スパッタ室に、透光性基板1の搬送方向に複数のクロム(Cr)ターゲットを設置したインラインスパッタ装置を準備した。そのスパッタ室内で透光性基板1を搬送しつつ、アルゴン(Ar)及び窒素(N)の混合ガス(流量比 Ar:N=22:4、圧力=3.0×10-4Pa)の雰囲気で、電流値0.8Aの定電流制御でCrターゲットに電圧を印加し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、上記透光性基板1上に遮光膜2の下部領域を形成した。
引き続き、そのスパッタ室内で、下部領域まで成膜された透光性基板1を搬送しつつ、アルゴン(Ar)、メタン(CH)、及びヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:CH:He=10:1:20、圧力=3.0×10-4Pa)の雰囲気で、電流値3.6Aの定電流制御でCrターゲットに電圧を印加し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、遮光膜2の下部領域に接して中部領域を形成した。
引き続き、そのスパッタ室内で、中部領域まで形成された透光性基板1を搬送しつつ、アルゴン(Ar)及び一酸化窒素(NO)の混合ガス(流量比 Ar:NO=100:7、圧力=3.0×10-4Pa)の雰囲気で、電流値0Aの定電流制御でCrターゲットに電圧を印加し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、遮光膜2の中部領域に接して上部領域を形成した。以上の手順で、上記透光性基板1上に、下部領域、中部領域、および上部領域の3つの領域からなる遮光膜2を備えた実施例1のマスクブランク10を作製した。
なお、この実施例1の遮光膜2の光学濃度は、例えばi線の波長(365nm)の光において3.0以上であった。
次に、1枚目の実施例1のマスクブランク10の遮光膜に対してX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)による分析を行った。その結果、遮光膜2の膜厚は100nmであり、各領域の膜厚と組成は、下部領域(膜厚 約9nm,組成 Cr:C:O:N=76原子%:2原子%:2原子%:20原子%)、中部領域(膜厚 約54nm,組成 Cr:C:O:N=85原子%:4原子%:1原子%:10原子%)、上部領域(膜厚 約37nm,組成 Cr:O:N=55原子%:28原子%:17原子%)であった。
続いて、2枚目の実施例1のマスクブランク10の遮光膜2に対し、断面TEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)像の観察と、電子回折法による結晶性の観察を行った。図4は、実施例1のマスクブランク10における遮光膜2の上部領域の電子回折像である。図5は、実施例1のマスクブランク10における遮光膜2の中部領域の電子回折像である。また、図6は、実施例1のマスクブランク10における遮光膜2の下部領域の電子回折像である。
また、図7は、実施例1のマスクブランク10における遮光膜2の断面TEM像である。
図4に示す遮光膜2の上部領域の電子回折像では、結晶性が良く、回折像が明瞭である。上部領域は、結晶粒が大きいことで、回折パターンが明瞭に現れている。上部領域は、3つの領域の中では最も結晶粒が大きい。
図5に示す遮光膜2の中部領域の電子回折像では、結晶性が小さく、回折像があまり明瞭ではない。中部領域は、3つの領域の中では最も結晶粒が小さい。
図6に示す遮光膜2の下部領域の電子回折像では、図5の中部領域に比べて格子点が見られ、中部領域に比べて結晶粒がやや大きいことがわかる。
以上のことから、本実施例1のマスクブランク10における遮光膜の結晶サイズは、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくなっていくことが確認できた。このことにより、遮光膜2内の各領域のウェットエッチングに対するエッチングレートは、中部領域、下部領域、上部領域の順に速くすることができる。これにより、本実施例1のマスクブランク10の遮光膜2全体でのエッチングレートが向上するとともに、遮光膜2に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができる。
また、上述の電子回折像の結果から、本実施例1の上記遮光膜2の下部領域、中部領域、および上部領域は、いずれも多結晶構造であることが確認できた。また、上述の電子回折像と断面TEM像の各結果から、本実施例1の上記遮光膜2の下部領域、中部領域、および上部領域は、いずれも柱状構造を有することが確認できた。
電子回折法を用いて取得される本実施例1の上記遮光膜2の下部領域の結晶面間隔d=0.220nm、中部領域の結晶面間隔d=0.219nm、上部領域の結晶面間隔d=0.216nmであり、いずれも0.2nm以上であった。
次に、残った3枚目の実施例1のマスクブランク10を用いて、前述の図3に示される製造工程に従って、転写用マスク20を製造した。
まず、上記マスクブランク10の上面に、スピン塗布法によって、レーザー描画用のポジ型レジスト(東京応化工業製 TMHR-iP3500)を塗布し、所定のベーク処理を行って、膜厚300nmのレジスト膜3を形成した(図3(a)参照)。
次に、レーザー描画機を用いて、上記レジスト膜3に対して所定のデバイスパターン(遮光膜2に形成すべき転写パターンに対応するパターン)を描画した後、レジスト膜を現像してレジストパターン3aを形成した(図3(b)、(c)参照)。
次に、上記レジストパターン3aをマスクとして、遮光膜2のウェットエッチングを行い、遮光膜2に遮光膜パターン(転写パターン)2aを形成した(図3(d)参照)。ウェットエッチングのエッチング液として、硝酸第二セリウムアンモニウムに過塩素酸を加えた水溶液を用いた。なお、この遮光膜2に対するウェットエッチング時に、遮光膜2の各領域のエッチングレートを測定した。その結果、下部領域が1.7nm/sec、中部領域が1.5nm/sec、上部領域が2.3nm/secであった。すなわち、この実施例1の遮光膜2のウェットエッチングレートは、中部領域、下部領域、上部領域の順に速くなる構成になっていることがわかった。
最後に、残存するレジストパターン3aを除去することにより、透光性基板1上に転写パターンとなる遮光膜パターン2aを備えた実施例1の転写用マスク20を作製した(図3(e)参照)。
上述したように、本実施例1のマスクブランクでは、遮光膜2の結晶サイズを、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくすることで、遮光膜2内の各領域のウェットエッチングに対するエッチングレートは、中部領域、下部領域、上部領域の順に速くすることができる。これにより、遮光膜2に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができる。その結果、本実施例1のマスクブランクから製造された上記転写用マスク20では、パターン側壁の垂直性を高めた断面形状の良好な転写パターンが形成されていた。
さらに、この実施例1の転写用マスク20をi線の光を露光光とする露光装置のマスクステージにセットし、転写用マスク20の透光性基板1側から露光光を照射し、半導体デバイスのレジスト膜にパターンを露光転写した。そして、露光転写後のレジスト膜に対して所定の処理を施してレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをCD-SEM(Critical Dimension Scanning Electron Microscope)で観察した。その結果、高いCD(Critical Dimension)精度でレジストパターンが形成されていることが確認できた。以上のことから、本実施例1のマスクブランク10から製造された上記転写用マスク20は、半導体デバイス上のレジスト膜に対して高精度で露光転写を行うことができるといえる。
(実施例2)
実施例2のマスクブランク10は、以下のようにして作製した。
実施例1と同様、合成石英ガラスからなる透光性基板1(大きさ約152mm×152mm×厚さ約6.35mm)を3枚準備した。この透光性基板は、主表面及び端面が所定の表面粗さ(例えば主表面は二乗平均平方根粗さRqで0.2nm以下)に研磨されている。
次に、上記の3枚の透光性基板1上に、下部領域、中部領域および上部領域の3つの領域からなる遮光膜2を以下の手順でそれぞれ形成した。
まず、スパッタ室に、透光性基板1の搬送方向に複数のクロム(Cr)ターゲットを設置したインラインスパッタ装置を準備した。そのスパッタ室内で透光性基板1を搬送しつつ、アルゴン(Ar)及び窒素(N)の混合ガス(流量比 Ar:N=9:4、圧力=3.0×10-4Pa)の雰囲気で、電流値1.6Aの定電流制御でCrターゲットに電圧を印加し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、透光性基板1上に遮光膜2の下部領域を形成した。
引き続き、そのスパッタ室内で、下部領域まで成膜された透光性基板1を搬送しつつ、アルゴン(Ar)及びメタン(CH)の混合ガス(流量比 Ar:CH=30:1、圧力=3.0×10-4Pa)の雰囲気で、電流値2.5Aの定電流制御でCrターゲットに電圧を印加し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、遮光膜2の下部領域に接して中部領域を形成した。
引き続き、そのスパッタ室内で、中部領域まで形成された透光性基板1を搬送しつつ、アルゴン(Ar)及び一酸化窒素(NO)の混合ガス(流量比 Ar:NO=100:4、圧力=3.0×10-4Pa)の雰囲気で、電流値0Aの定電流制御でCrターゲットに電圧を印加し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、遮光膜2の中部領域に接して上部領域を形成した。以上の手順で、上記透光性基板1上に、下部領域、中部領域、および上部領域の3つの領域からなる遮光膜2を備えた実施例2のマスクブランク10を作製した。
なお、この実施例2の遮光膜2の光学濃度は、例えばi線の波長(365nm)の光において3.0以上であった。
次に、1枚目の実施例2のマスクブランク10の遮光膜2に対してX線光電子分光法(XPS)による分析を行った。その結果、遮光膜2の膜厚は71nmであり、各領域の膜厚と組成は、下部領域(膜厚 約21nm,組成 Cr:C:N=72原子%:2原子%:26原子%)、中部領域(膜厚 約32nm,組成 Cr:C:O:N=82原子%:6原子%:1原子%:11原子%)、上部領域(膜厚 約18nm,組成 Cr:O:N=55原子%:25原子%:20原子%)であった。
続いて、2枚目の実施例2のマスクブランク10の遮光膜2に対し、断面TEM像の観察と、電子回折法による結晶性の観察を行った。図8は、実施例2のマスクブランク10における遮光膜2の上部領域の電子回折像を示す。図9は、実施例2のマスクブランク10における遮光膜2の中部領域の電子回折像を示す。また、図10は、実施例2のマスクブランク10における遮光膜2の下部領域の電子回折像を示す。
また、図11は、実施例2のマスクブランクにおける遮光膜の断面TEM像を示す。
図8に示す遮光膜2の上部領域の電子回折像では、結晶性が良く、回折像が明瞭である。結晶粒が大きいことで、回折パターンが明瞭に現れている。上部領域は、3つの領域の中では最も結晶粒が大きい。
図9に示す遮光膜2の中部領域の電子回折像では、結晶性が小さく、回折像があまり明瞭ではない。中部領域は、3つの領域の中では最も結晶粒が小さい。
図10に示す遮光膜2の下部領域の電子回折像では、図9の中部領域に比べて格子点が明瞭に見られ、中部領域に比べて結晶粒が大きいことがわかる。
以上のことから、本実施例2のマスクブランク10における遮光膜2の結晶サイズは、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくなっていくことが確認できた。このことにより、遮光膜2内の各領域のウェットエッチングに対するエッチングレートは、中部領域、下部領域、上部領域の順に速くすることができる。これにより、本実施例2のマスクブランクの遮光膜2全体でのエッチングレートが向上するとともに、遮光膜2に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができる。
また、上述の電子回折像の結果から、本実施例2の上記遮光膜2の下部領域、中部領域、および上部領域は、いずれも多結晶構造であることが確認できた。また、上述の電子回折像と断面TEM像の各結果から、本実施例2の上記遮光膜2の下部領域、中部領域、および上部領域は、いずれも柱状構造を有することが確認できた。
また、電子回折法を用いて取得される本実施例2の上記遮光膜2の下部領域の結晶面間隔d=0.212nm、中部領域の結晶面間隔d=0.220nm、上部領域の結晶面間隔d=0.248nmであり、いずれも0.2nm以上であった。
次に、3枚目の本実施例2のマスクブランク10を用いて、前述の実施例1と同様に図3に示される製造工程に従って、透光性基板1上に転写パターンとなる遮光膜パターン2aを備えた転写用マスク20を製造した。なお、遮光膜2に対するウェットエッチング時に、遮光膜2の各領域のエッチングレートを測定した。その結果、下部領域が1.3nm/sec、中部領域が1.2nm/sec、上部領域が1.8nm/secであった。すなわち、この実施例2の遮光膜のウェットエッチングレートは、中部領域、下部領域、上部領域の順に速くなる構成になっていることがわかった。
本実施例2のマスクブランク10は、遮光膜2の結晶サイズを、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくすることで、遮光膜2内の各領域のウェットエッチングに対するエッチングレートは、中部領域、下部領域、上部領域の順に速くすることができる。そのため、本実施例2のマスクブランク10から製造された上記の転写用マスク20では、パターン側壁の垂直性を高めた断面形状の良好な転写パターンが形成されていた。
さらに、この実施例2の転写用マスク20をi線の光を露光光とする露光装置のマスクステージにセットし、転写用マスク20の透光性基板1側から露光光を照射し、半導体デバイスのレジスト膜にパターンを露光転写した。そして、露光転写後のレジスト膜に対して所定の処理を施してレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをCD-SEMで観察した。その結果、高いCD精度でレジストパターンが形成されていることが確認できた。以上のことから、本実施例2のマスクブランク10から製造された上記転写用マスク20は、半導体デバイス上のレジスト膜に対して高精度で露光転写を行うことができるといえる。
(実施例3)
実施例のマスクブランクは、以下のようにして作製した。
実施例1と同様、合成石英ガラスからなる透光性基板1(大きさ約152mm×152mm×厚さ約6.35mm)を3枚準備した。この透光性基板1は、主表面及び端面が所定の表面粗さ(例えば主表面はRqで0.2nm以下)に研磨されている。
次に、上記3枚の透光性基板上1に、下部領域、中部領域および上部領域の3つの領域からなる遮光膜2を以下の手順でそれぞれ形成した。
まず、スパッタ室に、透光性基板1の搬送方向に複数のクロム(Cr)ターゲットを設置したインラインスパッタ装置を準備した。そのスパッタ室内で透光性基板1を搬送しつつ、アルゴン(Ar)及び窒素(N)の混合ガス(流量比 Ar:N=4:1、圧力=4.0×10-4Pa)の雰囲気で、電力値0.5Wの定電圧制御でCrターゲットに電圧を印加し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、上記透光性基板1上に遮光膜2の下部領域を形成した。
引き続き、そのスパッタ室内で、下部領域まで成膜された透光性基板1を搬送しつつ、アルゴン(Ar)及びメタン(CH)の混合ガス(流量比 Ar:CH=17:1、圧力=4.0×10-4Pa)の雰囲気で、電流値5Aの定電流制御でCrターゲットに電圧を印加し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、遮光膜2の下部領域に接して中部領域を形成した。
引き続き、そのスパッタ室内で、中部領域まで形成された透光性基板1を搬送しつつ、アルゴン(Ar)及び一酸化窒素(NO)の混合ガス(流量比 Ar:NO=11:2、圧力=4.0×10-4Pa)の雰囲気で、定電流制御でCrターゲットに電圧を印加し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、遮光膜2の中部領域に接して上部領域を形成した。以上の手順で、上記透光性基板上に、下部領域、中部領域、および上部領域の3つの領域からなる遮光膜2を備えた実施例3のマスクブランク10を作製した。
なお、この実施例3の遮光膜2の光学濃度は、例えばi線の波長(365nm)の光において3.0以上であった。
次に、1枚目の実施例3のマスクブランク10の遮光膜に対してX線光電子分光法(XPS)による分析を行った。その結果、遮光膜2の膜厚は100nmであり、各領域の膜厚と組成は、下部領域(膜厚 約12nm,組成 Cr:C:N=78原子%:10原子%:12原子%)、中部領域(膜厚 約58nm,組成 Cr:C:O:N=65原子%:10原子%:5原子%:20原子%)、上部領域(膜厚 約30nm,組成 Cr:C:O:N=50原子%:5原子%:20原子%:25原子%)であった。
続いて、2枚目の本実施例3のマスクブランク10の遮光膜に対し、断面TEM像の観察と、電子回折法による結晶性の観察を行った。図12は、実施例3のマスクブランク10における遮光膜2の上部領域の電子回折像を示す。図13は、実施例3のマスクブランク10における遮光膜2の中部領域の電子回折像を示す。また、図14は、実施例3のマスクブランク10における遮光膜2の下部領域の電子回折像を示す。
また、図15は、実施例3のマスクブランク10における遮光膜2の断面TEM(透過型電子顕微鏡)像を示す。
図12に示す遮光膜2の上部領域の電子回折像では、結晶性が良く、回折像が明瞭である。結晶粒が大きいことで、回折パターンが明瞭に現れている。上部領域は、3つの領域の中では最も結晶粒が大きい。
図13に示す遮光膜2の中部領域の電子回折像では、図14の下部領域に比べて格子点がやや明瞭に見られ、下部領域に比べて結晶粒がやや大きいことがわかる。
図14に示す遮光膜2の下部領域の電子回折像では、結晶性が小さく、回折像があまり明瞭ではない。下部領域は、3つの領域の中では最も結晶粒が小さい可能性もあるが、図13の中部領域との差異は小さいと考えられる。
以上のことから、本実施例3のマスクブランク10における遮光膜2の結晶サイズは、上部領域の結晶サイズが、それ以外の中部領域及び下部領域の結晶サイズよりも大きいことが確認できた。このことにより、遮光膜2内の各領域のウェットエッチングに対するエッチングレートは、中部領域及び下部領域よりも、上部領域の方が速くすることができる。これにより、本実施例3のマスクブランクの遮光膜2全体でのエッチングレートが向上するとともに、遮光膜2に対してウェットエッチングでパターンを形成したときのパターン側壁の垂直性を高くすることができる。
また、上述の電子回折像の結果から、本実施例3の上記遮光膜2の下部領域、中部領域、および上部領域は、いずれも多結晶構造であることが確認できた。また、上述の電子回折像と断面TEM像の各結果から、本実施例3の上記遮光膜2の下部領域、中部領域、および上部領域は、いずれも柱状構造を有することが確認できた。
また、電子回折法を用いて取得される本実施例3の上記遮光膜2の下部領域の結晶面間隔d=0.233nm、中部領域の結晶面間隔d=0.223nm、上部領域の結晶面間隔d=0.208nmであり、いずれも0.2nm以上であった。
次に、3枚目の本実施例3のマスクブランク10を用いて、前述の実施例1と同様に図3に示される製造工程に従って、透光性基板1上に転写パターンとなる遮光膜パターン2aを備えた転写用マスク20を製造した。なお、遮光膜2に対するウェットエッチング時に、遮光膜2の各領域のエッチングレートを測定した。その結果、下部領域が1.4nm/sec、中部領域が1.7nm/sec、上部領域が2.3nm/secであった。すなわち、この実施例3の遮光膜のウェットエッチングレートは、下部領域、中部領域、上部領域の順に速くなる構成になっていることがわかった。
本実施例3のマスクブランク10は、遮光膜2の結晶サイズを、上部領域の結晶サイズが、それ以外の中部領域及び下部領域の結晶サイズよりも大きくすることで、遮光膜内の各領域のウェットエッチングに対するエッチングレートは、中部領域及び下部領域よりも、上部領域の方が速くなるようにすることができる。そのため、本実施例3のマスクブランク10から製造された上記の転写用マスク20では、パターン側壁の垂直性を高めた断面形状の良好な転写パターンが形成されていた。
さらに、この実施例3の転写用マスク20をi線の光を露光光とする露光装置のマスクステージにセットし、転写用マスク20の透光性基板1側から露光光を照射し、半導体デバイスのレジスト膜にパターンを露光転写した。そして、露光転写後のレジスト膜に対して所定の処理を施してレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをCD-SEMで観察した。その結果、高いCD精度でレジストパターンが形成されていることが確認できた。以上のことから、本実施例3のマスクブランク10から製造された上記転写用マスク20は、半導体デバイス上のレジスト膜に対して高精度で露光転写を行うことができるといえる。
(比較例1)
比較例1のマスクブランクは、以下のようにして作製した。
実施例1と同様、合成石英ガラスからなる透光性基板(大きさ約152mm×152mm×厚さ約6.35mm)を3枚準備した。この透光性基板は、主表面及び端面が所定の表面粗さ(例えば主表面はRqで0.2nm以下)に研磨されている。
次に、上記の3枚の透光性基板上に、下部領域、中部領域および上部領域の3つの領域からなる遮光膜を以下の手順でそれぞれ形成した。
まず、スパッタ室に透光性基板1を置く回転ステージとクロム(Cr)ターゲットを備える枚葉式スパッタ装置を準備した。そのスパッタ室内の回転ステージに上記透光性基板を設置し、アルゴン(Ar)、窒素(N)、二酸化炭素(CO)、及びヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:N:CO:He=4:3:6:8、圧力=1.0×10-4Pa)の雰囲気で、Crターゲットに印加するDC電力を2.0kW(定電流制御)とし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、上記透光性基板上に遮光膜の下部領域を形成した。
次に、CrターゲットへのDC電力印加を停止し、スパッタ室内をアルゴン(Ar)、一酸化窒素(NO)、及びヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:NO:He=1:1:2、圧力=1.0×10-4Pa)をスパッタリングガスの雰囲気に変えた後、CrターゲットへのDC電力印加(電力:2.0kW、定電流制御)を開始し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、上記下部領域に接して中部領域を形成した。
続いて、CrターゲットへのDC電力印加を停止し、スパッタ室内をアルゴン(Ar)、窒素(N)、二酸化炭素(CO)、及びヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:N:CO:He=4:3:8:8、圧力=1.0×10-4Pa)の雰囲気に変えた後、CrターゲットへのDC電力印加(電力:2.0kW、定電流制御)を開始し、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)を行うことにより、上記中部領域に接して、上部領域を形成した。以上の手順で、上記透光性基板上に、下部領域、中部領域、および上部領域の3つの領域からなる遮光膜を備えた比較例1のマスクブランクを作製した。
なお、この比較例1の遮光膜の光学濃度は、例えばi線の波長(365nm)において3.0以上であった。
次に、1枚目の比較例1のマスクブランクの遮光膜に対してX線光電子分光法(XPS)による分析を行った。その結果、遮光膜の膜厚は86nmであり、各領域の膜厚と組成は、下部領域(膜厚 約41nm,組成 Cr:C:O:N=56原子%:11原子%:22原子%:11原子%)、中部領域(膜厚 約31nm,組成 Cr:O:N=85原子%:7原子%:8原子%)、上部領域(膜厚 約14nm,組成 Cr:C:O:N=47原子%:9原子%:34原子%:10原子%)であった。
続いて、2枚目の本比較例1のマスクブランクの遮光膜に対し、断面TEM像の観察と、電子回折法による結晶性の観察を行った。図16は、比較例1のマスクブランクにおける遮光膜の上部領域の電子回折像を示す。図17は、比較例1のマスクブランクにおける遮光膜の中部領域の電子回折像を示す。また、図18は、比較例1のマスクブランクにおける遮光膜の下部領域の電子回折像を示す。
また、図19は、比較例1のマスクブランクにおける遮光膜の断面TEM像を示す。
図16に示す遮光膜の上部領域の電子回折像では、結晶構造由来の回折像は見られず、上部領域はアモルファス構造であることがわかる。
図17に示す遮光膜の中部領域の電子回折像では、結晶性が小さく、回折像があまり明瞭ではない。
図18に示す遮光膜の下部領域の電子回折像では、図17の中部領域に比べて格子点がやや明瞭に見られ、中部領域に比べて結晶粒がやや大きいことがわかる。
また、上述の電子回折像の結果から、本比較例1の上記遮光膜の上部領域はアモルファス構造であるが、下部領域および中部領域はいずれも多結晶構造であることが確認できた。また、上述の電子回折像と断面TEM像の各結果から、比較例1の上記遮光膜は、そのいずれの領域も柱状構造を有していないことが確認できた。
また、電子回折法を用いて取得される本比較例1の上記遮光膜の下部領域の結晶面間隔d=0.217nm、中部領域の結晶面間隔d=0.218nmであった。
次に、3枚目の本比較例1のマスクブランクを用いて、前述の実施例1と同様に図3に示される製造工程に従って、透光性基板上に転写パターンとなる遮光膜パターンを備えた転写用マスクを製造した。なお、遮光膜に対するウェットエッチング時に、遮光膜の各領域のエッチングレートを測定した。その結果、下部領域が1.0nm/sec、中部領域が0.6nm/sec、上部領域が0.9nm/secであった。すなわち、この比較例1の遮光膜のウェットエッチングレートは、中部領域、上部領域、下部領域の順に速くなる構成になっていることがわかった。しかし、上述の実施例1~3の遮光膜2に比べて、全ての領域でウェットエッチングレートが大幅に遅いことがわかった。
本比較例1のマスクブランクは、特に遮光膜の上部領域はアモルファス構造であるため、ウェットエッチングに対するエッチングレートが、実施例1~3の遮光膜2の上部領域に比べて大幅に遅い。そのため、本比較例1のマスクブランクから製造された上記の転写用マスクでは、パターン側壁の垂直性を高めることができず、断面形状の良好な転写パターンを形成することは困難であった。
さらに、この比較例1の転写用マスクを、i線の光を露光光とする露光装置のマスクステージにセットし、転写用マスクの透光性基板側から露光光を照射し、半導体デバイスのレジスト膜にパターンを露光転写した。そして、露光転写後のレジスト膜に対して所定の処理を施してレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをCD-SEMで観察した。その結果、レジストパターンのCD精度は低いことが確認された。この結果から、本比較例1のマスクブランクから製造された上記転写用マスクを露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合、最終的に半導体デバイス上に回路パターンを高精度で形成することは困難といえる。
1 基板
2 パターン形成用の薄膜
3 レジスト膜
2a 薄膜パターン(転写パターン、遮光膜パターン)
3a レジストパターン
10 マスクブランク
20 転写用マスク

Claims (15)

  1. 基板上に、パターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクであって、
    前記薄膜は、クロムを含有する材料からなり、
    前記薄膜は、基板側とは反対側の上部領域と、該上部領域を除く領域とからなり、
    前記上部領域の結晶サイズは、前記上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きく、
    硝酸第二セリウムアンモニウムを含むエッチング液を用いた場合、前記上部領域のエッチングレートは、前記上部領域を除く領域のエッチングレートよりも速いことを特徴とするマスクブランク。
  2. 前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも多結晶構造であることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランク。
  3. 電子回折法を用いて取得される前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域の各結晶面間隔は、いずれも0.2nm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスクブランク。
  4. 前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも柱状構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のマスクブランク。
  5. 前記薄膜の上部領域を除く領域は、基板側から下部領域および中部領域の2つの領域からなり、
    前記薄膜の結晶サイズは、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくなっていくことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマスクブランク。
  6. 前記薄膜は、厚さ方向で前記クロムの含有量が変化する組成傾斜膜であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマスクブランク。
  7. 前記薄膜は、露光光に対して3以上の光学濃度を有する遮光膜であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のマスクブランク。
  8. 基板上に、転写パターンを有する薄膜を備える転写用マスクであって、
    前記薄膜は、クロムを含有する材料からなり、
    前記薄膜は、基板側とは反対側の上部領域と、該上部領域を除く領域とからなり、
    前記上部領域の結晶サイズは、前記上部領域を除く領域の結晶サイズよりも大きく、
    硝酸第二セリウムアンモニウムを含むエッチング液を用いた場合、前記上部領域のエッチングレートは、前記上部領域を除く領域のエッチングレートよりも速いことを特徴とする転写用マスク。
  9. 前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも多結晶構造であることを特徴とする請求項8に記載の転写用マスク。
  10. 電子回折法を用いて取得される前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域の各結晶面間隔は、いずれも0.2nm以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の転写用マスク。
  11. 前記薄膜の上部領域と上部領域を除く領域は、いずれも柱状構造を有することを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の転写用マスク。
  12. 前記薄膜の上部領域を除く領域は、基板側から下部領域および中部領域の2つの領域からなり、
    前記薄膜の結晶サイズは、中部領域、下部領域、上部領域の順に大きくなっていくことを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の転写用マスク。
  13. 前記薄膜は、厚さ方向で前記クロムの含有量が変化する組成傾斜膜であることを特徴とする請求項8乃至12のいずれかに記載の転写用マスク。
  14. 前記薄膜は、露光光に対して3以上の光学濃度を有する遮光膜であることを特徴とする請求項8乃至13のいずれかに記載の転写用マスク。
  15. 請求項8乃至14のいずれかに記載の転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
JP2020181494A 2019-11-26 2020-10-29 マスクブランク、転写用マスク、及び半導体デバイスの製造方法 Active JP7154626B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW109138158A TW202125089A (zh) 2019-11-26 2020-11-03 光罩基底、轉印用光罩、及半導體裝置之製造方法
KR1020200157674A KR20210065049A (ko) 2019-11-26 2020-11-23 마스크 블랭크, 전사용 마스크, 및 반도체 디바이스의 제조 방법
CN202011344580.8A CN112946996A (zh) 2019-11-26 2020-11-26 掩模坯料、转印用掩模、及半导体器件的制造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019213349 2019-11-26
JP2019213349 2019-11-26

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021089422A JP2021089422A (ja) 2021-06-10
JP7154626B2 true JP7154626B2 (ja) 2022-10-18

Family

ID=76220233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020181494A Active JP7154626B2 (ja) 2019-11-26 2020-10-29 マスクブランク、転写用マスク、及び半導体デバイスの製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP7154626B2 (ja)
KR (1) KR20210065049A (ja)
CN (1) CN112946996A (ja)
TW (1) TW202125089A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102554083B1 (ko) 2022-06-23 2023-07-10 에스케이엔펄스 주식회사 블랭크 마스크 및 이를 이용한 포토마스크

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030013023A1 (en) 1999-09-30 2003-01-16 Chan David Y. Disposable hard mask for photomask plasma etching
WO2007099910A1 (ja) 2006-02-28 2007-09-07 Hoya Corporation フォトマスクブランク及びフォトマスク、並びにそれらの製造方法
JP2009294682A (ja) 2009-09-24 2009-12-17 Hoya Corp マスクブランク及びフォトマスク
JP2012042983A (ja) 2011-12-02 2012-03-01 Dainippon Printing Co Ltd 階調マスク
JP2015156037A (ja) 2008-03-31 2015-08-27 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクおよびフォトマスクブランクの製造方法
JP2018087998A (ja) 2014-03-30 2018-06-07 Hoya株式会社 マスクブランク、転写用マスクの製造方法及び半導体装置の製造方法
JP2018205441A (ja) 2017-05-31 2018-12-27 アルバック成膜株式会社 位相シフトマスクの製造方法および位相シフトマスク
JP2019003109A (ja) 2017-06-16 2019-01-10 アルバック成膜株式会社 位相シフトマスクの製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6146821A (ja) 1984-08-10 1986-03-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電気スト−ブ
JPH10213893A (ja) * 1997-01-30 1998-08-11 Toshiba Corp 露光用マスク及びその製造方法
JP2000007072A (ja) * 1998-06-25 2000-01-11 Nec Home Electron Ltd 環形蛍光ランプ梱包装置
EP1022614B1 (en) 1998-07-31 2012-11-14 Hoya Corporation Photomask blank, photomask, methods of manufacturing the same, and method of forming micropattern
KR100864375B1 (ko) * 2006-01-03 2008-10-21 주식회사 에스앤에스텍 블랭크 마스크 및 이를 이용한 포토마스크의 제조방법

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20030013023A1 (en) 1999-09-30 2003-01-16 Chan David Y. Disposable hard mask for photomask plasma etching
WO2007099910A1 (ja) 2006-02-28 2007-09-07 Hoya Corporation フォトマスクブランク及びフォトマスク、並びにそれらの製造方法
JP2015156037A (ja) 2008-03-31 2015-08-27 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクおよびフォトマスクブランクの製造方法
JP2009294682A (ja) 2009-09-24 2009-12-17 Hoya Corp マスクブランク及びフォトマスク
JP2012042983A (ja) 2011-12-02 2012-03-01 Dainippon Printing Co Ltd 階調マスク
JP2018087998A (ja) 2014-03-30 2018-06-07 Hoya株式会社 マスクブランク、転写用マスクの製造方法及び半導体装置の製造方法
JP2018205441A (ja) 2017-05-31 2018-12-27 アルバック成膜株式会社 位相シフトマスクの製造方法および位相シフトマスク
JP2019003109A (ja) 2017-06-16 2019-01-10 アルバック成膜株式会社 位相シフトマスクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20210065049A (ko) 2021-06-03
CN112946996A (zh) 2021-06-11
JP2021089422A (ja) 2021-06-10
TW202125089A (zh) 2021-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102297223B1 (ko) 위상 시프트 마스크 블랭크 및 그 제조 방법, 위상 시프트 마스크 및 그 제조 방법과 표시 장치의 제조 방법
JP5455147B2 (ja) フォトマスクブランクの製造方法及びフォトマスクの製造方法、並びに半導体装置の製造方法
JP6823703B2 (ja) フォトマスクブランクおよびその製造方法、フォトマスクの製造方法、並びに表示装置の製造方法
US7838180B2 (en) Mask blank, method of manufacturing an exposure mask, and method of manufacturing an imprint template
JP7204496B2 (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP5412107B2 (ja) フォトマスクブランクの製造方法、及びフォトマスクの製造方法
TW201735161A (zh) 相位偏移光罩基底、相位偏移光罩及顯示裝置之製造方法
JP7154626B2 (ja) マスクブランク、転写用マスク、及び半導体デバイスの製造方法
KR20210116244A (ko) 포토마스크 블랭크, 포토마스크 블랭크의 제조 방법, 포토마스크의 제조 방법 및 표시 장치의 제조 방법
KR20190103001A (ko) 위상 시프트 마스크 블랭크, 위상 시프트 마스크의 제조 방법, 및 표시 장치의 제조 방법
TWI828864B (zh) 光罩基底、光罩之製造方法、及顯示裝置之製造方法
TW201928093A (zh) 空白光罩及光罩之製造方法
TWI774840B (zh) 光罩坯料及其製造方法、光罩及其製造方法、曝光方法、及元件製造方法
JP7371198B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
WO2022230694A1 (ja) 位相シフトマスクブランクス、位相シフトマスク、露光方法、及びデバイスの製造方法
JP7258717B2 (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクブランクの製造方法、フォトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP7254470B2 (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP2022153264A (ja) フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法、および表示装置の製造方法
KR20220071910A (ko) 위상 시프트 마스크 블랭크, 위상 시프트 마스크의 제조 방법 및 표시 장치의 제조 방법
JP2022083394A (ja) 位相シフトマスクブランク、位相シフトマスクの製造方法及び表示装置の製造方法
JP2023122806A (ja) マスクブランク、転写用マスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP2023077629A (ja) マスクブランク、転写用マスク、マスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP2023051759A (ja) フォトマスクブランク、フォトマスク、フォトマスクの製造方法、および表示装置の製造方法
CN117311083A (zh) 掩模坯料、转印用掩模及其制作方法、显示装置的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211221

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7154626

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150