JP6903878B2 - 位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスク - Google Patents

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Description

本発明は、半導体集積回路、CCD(電荷結合素子)、LCD(液晶表示素子)用カラーフィルタ、および磁気ヘッドなどの微細加工に用いられる位相シフトマスク技術に関する。
近年では、大規模集積回路の高集積化に伴う回路パターンの微細化要求などに応えるために、高度の半導体微細加工技術が極めて重要な要素技術となってきている。それに伴い、フォトリソグラフィ技術に用いられる位相シフトマスクに対する要求も厳しくなっており、特にCDU(Critical Dimension Uniformity)や解像性が課題となっている。
高精度の位相シフトマスクパターンを位相シフトマスク基板上に形成するためには、位相シフトマスクブランク上に形成するレジストパターンを高精度でパターニングすることが前提となる。特に解像性の向上を図るためには、レジストの薄膜化が重要となるが、従来のガラス基板上に位相シフト膜と遮光膜を順次積層した位相シフトブランクにおいては、1500Å程度まで薄膜化が進んでおり、レジストと遮光膜のエッチング選択比から、これ以上の薄膜化は難しいのが現状である。
そこで、提案されたのが、遮光膜の上にハードマスク層を積層した位相シフトマスクブランクである(例えば、特許文献1参照)。ハードマスク層は、下層の遮光膜に対してのエッチングマスクとして機能する材料が選択され、膜厚は5nmから20nm程度と、遮光膜と比べ、薄く成膜される。
従来型のハードマスク層のない位相シフトマスクブランクでは、遮光膜をエッチングする際に、エッチングが終わるまで、ある程度のレジストが残っている必要があるため、レジスト膜厚を十分に厚くしなければならなかったが、ハードマスク層を設けた場合、それがマスクとして機能するため、遮光膜エッチング時にレジストが必要ない。
それにより、レジストはハードマスク層をエッチングする分だけでよくなり、前述したようにハードマスク層は5nmから20nmと非常に薄いため、レジストの薄膜化が可能となる。このレジストの薄膜化によって、ハードマスク層を設けた位相シフトマスクブランクでは、レジストパターンの解像性向上が実現できる。
位相シフトマスクブランクの遮光膜の材料としては主にクロム化合物が使用されており、特にハードマスクを設けたものにおいて、エッチング後のクロムの形状不良の改善が課題とされている。この形状不良が引き起こす問題として、解像性の低下が挙げられ、その原因としては、次のようなことが考えられている。
ハードマスク層のない位相シフトマスクブランクとは異なり、ハードマスクを設けたものでは、遮光膜エッチング時にレジストが存在しないため、従来、レジストがあることで得られていた側壁保護効果が得られなくなり、等方的にエッチングされ、遮光膜がくびれるような形になる場合や、エッチング条件によっては、裾引き形状や、庇形状になる場合もあり、その遮光膜の形状不良により、微細寸法部ではパターンが折れて、解像不良となってしまう(形状不良の例:図8(b)〜(e)参照)。
ハードマスク層を設けた位相シフトマスクでは、レジスト薄膜化によってレジストパタ
ーンの解像性が向上したにも関わらず、この課題によって、最終的な解像性の向上には繋がっていないのが、現状である。
国際公開第2004/090635号
本発明は、以上のような事情の下になされたものであり、ハードマスクを用いて製造された位相シフトマスクの遮光膜のエッチング後の形状を改善することで、パターン折れを低減し、高解像を可能とするハードマスク層を設けた位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスクを提供することを課題とする。
(構成1)
上記の課題を解決する手段として、請求項1に記載の発明は、透明基板上に、フッ素系のガスによってドライエッチング可能な位相シフト膜と、その上にフッ素系のガスでは実質的にエッチングされないクロムを主成分とする遮光膜と、更にその上に、フッ素系のガスでエッチング可能で、かつ塩素系および酸素系のガスにより実質的にエッチングされないハードマスク層と、をこの順に備えた位相シフトマスクブランクにおいて、深さ方向に対し、膜組成の違いによりエッチングレートが調整された遮光膜を有することを特徴とし、
前記遮光膜のエッチングレートが、前記遮光膜中の窒素含有量と酸素含有量を、膜厚方向に変化させることにより、変化していることを特徴とし、前記遮光膜の酸素含有量が、前記遮光膜の上部の方が下部よりも少なく、遮光膜の下部においては40at%であることを特徴とする位相シフトマスクブランクである。
(構成2)
また、請求項2に記載の発明は、前記遮光膜の窒素含有量が、前記遮光膜の上部の方が下部よりも多く、前記遮光膜の下部においては5at%であることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクブランクである。
(構成3)
また、請求項3に記載の発明は、前記遮光膜の上部(ハードマスク層側)10〜20%の厚さにおけるエッチングレートが、前記遮光膜の残りの部分のエッチングレートよりも、5%以上速い材料であり、前記遮光膜の窒素含有量が、前記遮光膜の上部において10at%で、遮光膜の残りの部分においては上部よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクブランクである。
(構成4)
また、請求項4に記載の発明は、前記遮光膜の下部(位相シフト膜側)10〜20%の厚さにおけるエッチングレートが、前記遮光膜の残りの部分のエッチングレートよりも、5%以上速い材料であり、前記遮光膜の酸素含有量が、前記遮光膜の下部において40at%で、前記遮光膜の残りの部分においては下部よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクブランクである。
本発明の位相シフトマスクブランクによれば、ハードマスク層を設けた位相シフトマスクブランクにおいて、遮光膜のエッチングレートを上部から下部にかけて漸次的に速くなるように変化させるか、または、上部にエッチングレートの速い層を設けるか、もしくは、下部にエッチングレートの速い層を設けるか、などのエッチングレート勾配を与えることで、遮光膜の形状不良を抑え、遮光膜でのパターン折れを改善することにより、高解像位相シフトマスクの作製を可能にする。
本発明の位相シフトマスクブランクの基本構造例を説明するための概略断面図である。 位相シフトマスクブランクの遮光膜の概略断面図の例であって、(a)は従来の遮光膜、(b)〜(e)は本発明の位相シフトマスクブランクの遮光膜の層構成の例を示す概略断面図であって、(b)は漸次的にエッチングレートを変化させた例、(c)は上部のエッチングレートを速くした例、(d)は下部のエッチングレートを速くした例、(e)は構成2と3を組み合わせた例、を示している。 位相シフトマスクの製造プロセスを説明するための概略説明図であって、図3(a)は本発明の位相シフトマスクブランクのハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成した状態、図3(b)はフォトレジスト層をパターン化した状態、図3(c)はパターン化したフォトレジスト層をマスクにして下地のハードマスク層をパターン化した状態、図3(d)はパターン化されたハードマスク層の上のフォトレジスト層を除去した状態、をそれぞれ示している。 図4(e)はパターン化されたハードマスク層をマスクとしてその下地の遮光膜をパターン化した状態、図4(f)はパターン化されたハードマスク層を除去した状態、図4(g)は図4(f)の上からフォトレジスト膜を形成した状態、図4(h)は図4(f)のフォトレジスト膜をパターン化した状態、をそれぞれ示している。 図5(i)はパターン化されたフォトレジスト膜をマスクとして、露出したパターン化された遮光膜を除去した状態、図5(j)はパターン化されたフォトレジスト膜を除去することによって本発明の位相シフトマスクが完成した状態、を示している。 位相シフトマスクのパターンの断面形状を例示する走査型電子顕微鏡写真であって、(a)は従来の位相シフトマスクブランクを使用した場合の断面形状、(b)は本発明の位相シフトマスクブランクを使用した場合の断面形状を示している。 本発明の位相シフトマスクブランクを用いて作製した位相シフトマスクの解像性の測定結果を示す表とグラフの例。 遮光膜のエッチング後の断面形状を例示する概略断面図であって、(a)は理想的な遮光膜の形状、(b)〜(e)は従来の遮光膜を用いた場合の形状不良の例、を示している。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<位相シフトマスクブランク>
本発明の位相シフトマスクブランクは、透明基板上に、フッ素系のガスによってドライエッチング可能な位相シフト膜と、その上にフッ素系のガスでは実質的にエッチングされないクロムを主成分とする遮光膜と、更にその上に、フッ素系のガスでエッチング可能で、かつ塩素系および酸素系のガスにより実質的にエッチングされないハードマスク層と、をこの順に備えた位相シフトマスクブランクにおいて、深さ方向に対し、膜組成の違いによりエッチングレートが調整された遮光膜を有する。
このような深さ方向に対し、膜組成の違いによりエッチングレートが調整された遮光膜とすることにより、遮光膜のエッチングレートを上部から下部にかけて漸次的に速くなるように変化させるか、または、上部にレートの速い層を設けるか、もしくは、下部にレートの速い層を設けるか、などのレート差を与えることで、遮光膜でのくびれの発生を抑え、遮光膜でのパターン折れを改善することにより、高解像位相シフトマスクの作製を可能にする。
図1は、本発明の実施形態に係る位相シフトマスクブランクを示す断面図である。図1
に示す位相シフトマスクブランク10は、露光波長に対して透明な基板11と、基板11上に成膜された位相シフト膜12と、位相シフト膜12上に成膜された遮光膜13と、遮光膜13上に成膜されたハードマスク層14とからなる。
ここで、露光波長に対して透明な基板11は、特に限定されず、石英ガラスなどを一般的に使用できる。
位相シフト膜12としては、(1)Siの酸化膜、窒化膜もしくは酸窒化膜、(2)SiおよびMoの酸化膜、窒化膜、もしくは酸窒化膜、(3)これらの複数層膜もしくは傾斜膜、のいずれかであって、含有量の比率と膜厚を適宜選択することで露光波長に対する透過率と位相差を調整したものが挙げられる。透過率の値は、最終的な位相シフトマスク作製終了時に好ましくは2%以上40%以下、より好ましくは5%以上20%以下であり、位相差の値は、最終的な位相シフトマスク作製終了時に好ましくは170度以上190度以下、より好ましくは175度以上180度以下である。膜厚は、好ましくは30nm以上80nm以下である。
遮光膜13は、Cr酸化物、Cr窒化物もしくはCr酸窒化物を主成分とする金属化合物や、Crを主成分とする金属もしくは合金、などが主な材料として考えられる。従来の遮光膜は、組成が均一な単層膜(図2(a))、もしくは、エッチングレートが考慮されていない多層膜が用いられるが、本発明では、図2(b)〜(e)に示す遮光膜13(b)〜(e)のように、形状不良が改善されるようにエッチングレートを調整した組成傾斜膜などを用いることを特徴とし、特に遮光膜エッチング時にレジストが存在しない場合に良い形状を示す。
以下に、本発明の遮光膜の特徴を示す。
(1)遮光膜の上部(ハードマスク側)から下部(位相シフト膜側)にかけて、エッチングレートが漸次的に速くなる(図2(b))
(2)遮光膜の上部(ハードマスク側)10〜20%の厚さにおけるエッチングレートが、遮光膜の残りの部分のエッチングレートよりも、5%以上速い(図2(c))
(3)遮光膜の下部(位相シフト膜側)10〜20%の厚さにおけるエッチングレートが、遮光膜の残りの部分のエッチングレートよりも、5%以上速い(図2(d))
(4)(1)から(3)の組み合わせであっても良い(図2(e))。
エッチングレートを変化させる具体的な手法は、以下のものが考えられる。
(1)炭素含有量を変える(増やすほどエッチングレートが速くなる。)。
(2)窒素含有量を変える(増やすほどエッチングレートが速くなる。)。
(3)酸素含有量を変える(増やすほどエッチングレートが速くなる。)。
スパッタ法を用いて成膜を行うことができ、成膜する際に投入するガスの量などを調整することで、含有量をコントロールすることができる。ここでは、含有物の例として炭素、窒素、酸素を挙げたが、Crへの含有物はこれらに限ったものではない。
遮光膜13の膜厚は、好ましくは30nm以上60nm以下であり、この値は、露光波長に対する透過率が下層の位相シフト膜を含めて0.1%以下になるように選択することが好ましい。また、遮光膜は、露光波長に対して反射率の低い材料を最上層に配置することが好ましい。この場合、露光波長に対する反射率を例えば20%以下、好ましくは15%以下に抑えることが、露光の際に位相シフトマスクと投影露光面との間での多重反射を抑制する上で望ましい。
ハードマスク層14としては、SiOやSiONなどが主な材料として使用されているが、塩素系および酸素系のガスによって実質的にエッチングされないものであれば、ハードマスクとして使用できる。ハードマスク層14の膜厚は、好ましくは1nm以上30nm以下であり、より好ましくは、ハードマスク層のドライエッチングの際のレジストダメージを低減し、レジストの薄膜化を実現するために、15nm以下であることが望ましい。また、さらに好ましくは、成膜での安定性確保とピンホールの防止のために、2nm以上であるのがよい。ハードマスク層14には、電子ビーム描画機でのチャージングを防止するために、シート抵抗の低い膜を積層させてもよい。この場合、積層する膜はハードマスク層のドライエッチングと同一の条件でエッチング可能であることが望ましく、ハードマスク層を含めたトータルのシート抵抗が10kΩ/cm以下であることが望ましい。
図3〜図5は、本発明に係る位相シフトマスクブランクを用いて、位相シフトマスクを製造する際の製造方法を示した概略図である。
図3(a)は本発明の位相シフトマスクブランクのハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成した状態、図3(b)はフォトレジスト層をパターン化した状態、図3(c)はパターン化したフォトレジスト層をマスクにして下地のハードマスク層をパターン化した状態、図3(d)はパターン化されたハードマスク層の上のフォトレジスト層を除去した状態、図4(e)はパターン化されたハードマスク層をマスクとしてその下地の遮光膜をパターン化した状態、図4(f)はパターン化されたハードマスク層を除去した状態、図4(g)は図4(f)の上からフォトレジスト膜を形成した状態、図4(h)は図4(f)のフォトレジスト膜をパターン化した状態、図5(i)はパターン化されたフォトレジスト膜をマスクとして、露出したパターン化された遮光膜を除去した状態、図5(j)はパターン化されたフォトレジスト膜を除去することによって本発明の位相シフトマスクが完成した状態、を示している。以上の様にして、本発明の位相シフトマスクブランクを用いて、本発明の位相シフトマスクを製造することができる。
以下に、実施例により、本発明をより詳細に説明する。
<実施例1>
(位相シフトマスクブランクの製造プロセス)
本実施例では、本発明の位相シフトマスクブランクを得るための製造プロセスを説明する。特に、遮光膜の下部から上部にかけての酸素含有量を変化させることで、漸次的にエッチングレートを変化させた場合について記載する。
〔位相シフト膜〕
位相シフト膜の成膜は、マグネトロンスパッタリング装置を用いて行った。この位相シフト膜は、珪素の酸化物、窒化物、または酸化窒化物、もしくは珪素と遷移金属の酸化物、窒化物、または酸化窒化物で成膜することが好ましい。したがって、位相シフト膜をどの化合物で形成するかに応じてスパッタリング用のターゲットが選択され、ハードマスク層と概ね同様の条件下で成膜がなされる。
位相シフト膜は、互いに異なる組成の膜を積層させた複合膜とすることもできる。このような位相シフト膜は、上記で列挙した材料からなる単層膜あるいは多層膜の透過率が2〜40%、位相シフト量が約180°となるように膜組成が設計される。具体的な成膜例は以下のとおりである。
先ず、マグネトロンスパッタ装置を用いて成膜した。スパッタリングターゲット(スパッタリング面の面積:直径6インチ)としてMoSi焼結体を使用し、MoSiターゲットに直流モードで1000Wの放電電力を印加して、フォトマスクブランク用基板を30rpmで回転させながらスパッタ成膜を行い、基板上に70nmの厚みの光学調整層を成膜した。スパッタガスは、流量8sccmのAr、流量20sccmのN、および流量5sccmのOの混合ガスとした。また、スパッタ時のチャンバ内ガス圧力は0.15Paに設定した。なお、スパッタガスを導入する直前の到達真空度は、1.0×10−4Paとし、基板温度は、制御しなかった。また、スパッタリングターゲットと基板間の距離は、30mmとした。
次に、スパッタガスを15sccmのAr、100sccmのN、および1sccmのOの混合ガスに変更し、基板を30rpmで回転させながら、ガス圧力0.25Pa(その他は、光学調整層の条件と同じ)にて厚み40nmの低応力層を成膜した。
更に、スパッタガスを5sccmのAr、50sccmのN、および5sccmのOの混合ガスに変更し、基板を30rpmで回転させながら、ガス圧力0.10Pa(その他は、光学調整層の条件と同じ)にて20nmに示される厚みの表面層を成膜した。位相シフト膜は、光学調整層、低応力層、表面層のこれら3層からなる。
〔遮光膜〕
次に位相シフト膜上に成膜する遮光膜の成膜方法を示す。
同じマグネトロンスパッタ装置を用いて真空を破らずに、クロムターゲットを用い、位相シフト膜上にクロムを主な材料とした遮光膜を成膜した。スパッタリングガスとしてはArを用い、流量はArガスを10sccm、Nガスを2sccm、Oガスを2sccmから10sccmの範囲でチャンバ内に導入し、チャンバ内ガス圧が0.1Paになるように設定した。そして、成膜前加熱温度を120℃とし、クロムターゲットに直流モードで1000Wの放電電力を印加して、基板を30rpmで回転させながら、膜厚50nmの酸化窒化クロム膜を成膜し、これを遮光膜とした。この際に、Oガスの流量を、成膜開始時を10sccmに設定し、連続的に徐々に2sccmまで変化させながら成膜を行うことで、O含有量が漸次的に変化する組成勾配を持った膜(下部の位相シフト膜付近はO含有量が多く、上部のハードマスク層付近に行くにつれて、O含有量が少なくなる膜)を作製することができた。なお、この酸化窒化クロム膜の組成は、クロム(Cr)と酸素(O)と窒素(N)の組成比(原子比)が5.5:4.0:0.5〜8.0:1.0:1.0のCrON膜であった。
下部(位相シフト膜側)における組成比⇒ Cr:O:N=5.5:4.0:0.5
上部(ハードマスク側)における組成比⇒ Cr:O:N=8.0:1.0:1.0
〔ハードマスク層〕
続いて、同じマグネトロンスパッタ装置を用いて真空を破らずに、遮光膜上にハードマスク層を成膜した。なお、ここでのスパッタリングターゲットには珪素(Si)単結晶を用いた。成膜中のチャンバ内ガス圧が0.1Paとなるようにガス流量の設定を行い、基板を30rpmで回転させながら、酸化シリコン膜(SiO膜)を成膜した。
具体的には、スパッタガスとしてArガスを20sccm、Oガスを0sccmの流量でチャンバ内に導入してチャンバ内ガス圧を0.1Paとし、SiターゲットにRFモードで1000Wの放電電力を印加して、基板を30rpmで回転させながら成膜を開始し、次第に、Arガスを5sccm、Oガスを50sccm、の流量でチャンバ内に導入してチャンバ内ガス圧を0.1Paとなるように設定した。成膜条件を連続的に変化させながら膜厚がほぼ10nmとなるように成膜した。
<実施例2>
(位相シフトマスクの製造プロセス)
実施例2では、本発明の位相シフトマスクブランクを使用して位相シフトマスクを得るための製造プロセスを説明する。ここでは、遮光膜の上部から下部にかけての酸素含有量を変化させることで、漸次的にエッチングレートを変化させた本発明の位相シフトマスクブランクを用いた場合の例を挙げるが、製造プロセスは従来のものと同様で良い。
図3から図5は、位相シフトマスクの製造プロセスを説明するための図で、先ず、基板11に位相シフト膜12、遮光膜13b、ハードマスク層14が順次、積層された位相シフトマスクブランクの上にフォトレジスト膜15を塗布して(図3(a))、このフォトレジスト膜15に、電子線描画機を用いて描画し、続けて、PEB(Post Exposure Bake)を110度で600秒、現像を60秒実施することで、レジストパターン15´を形成する(図3(b))。なお、フォトレジスト膜15を塗布する前にハードマスク層14の表面エネルギーを下げるための表面処理を施しておくことが好ましい。これは、その後のプロセスにおいて、微細なパターンが形成されたレジストマスクが剥がれたり倒れたりすることを防止するための処理である。
この表面処理方法として最も好ましい方法は、半導体製造工程で常用されるヘキサメチルジシラザン(HMDS)やその他の有機シリコン系の表面処理剤で基板表面(実際には遮光性膜表面)をアルキルシリル化する方法で、これらの表面処理剤を含有したガス中に基板表面を暴露させるか、あるいは基板表面に表面処理剤を直接塗布するなどの方法がある。
こうして得られたレジストパターン15´をマスクとして、ハードマスク層14のパターニングをフッ素系ドライエッチングで行う(図3(c))。
その後、剥膜洗浄によって、残ったレジストパターン15´を剥離し(図3(d))、ハードマスクパターン14´をマスクとして、遮光膜13bを酸素含有塩素系ガスにてドライエッチングする(図4(e))。なお、この遮光膜13bのエッチング条件は、すでに公知の一般的な手法によることができる。
従来の位相シフトマスクブランクを用いた場合の遮光膜エッチング後の断面SEM写真(図6(a))と、本発明の位相シフトマスクブランクを用いた場合の遮光膜エッチング後の断面SEM(図6(b))を比較すると、遮光膜の形状が改善していることが分かる。
次に、パターニングされた遮光膜である遮光膜パターン13b´をエッチングマスクとして、位相シフト膜12をフッ素系ドライエッチングしてパターニングする。この際に、遮光膜上に残っているハードマスク層14´も同時にエッチングされ、除去される(図4(f))。
本実施例では、ハードマスク層14と同一条件下でフッ素系ドライエッチングを施した場合の位相シフト膜12のクリアタイム(エッチング除去される時間)が、ハードマスク層14のクリアタイムよりも長くなるように組成や膜厚が設計されている。このようなクリアタイムの設定を行うと、ハードマスク層14は位相シフト膜12のエッチング工程中に完全に除去され、エッチング終了段階では、位相シフト膜パターン12´の上にはクロム系材料からなる遮光膜パターン13b´のみが残ることとなる。なお、この位相シフト膜12のエッチング条件は、すでに公知の一般的な手法によることができる。
そして、不要となった遮光膜パターン13b´はクロム系材料の一般的なエッチング条件のもとで除去されるが、一部遮光膜を残す必要がある場合は、再度レジスト塗布、レジストパターニングを行った後、エッチングを行う(図4(g)〜(h)、図5(i))。
最後に、不要となったレジストパターン16´を剥膜洗浄にて剥離し、硫酸と過酸化水素水の混合液やアンモニア水と過酸化水素水の混合液などの洗浄液で最終洗浄して位相シフトマスク20が完成する(図5(j))。
本発明に係る位相シフトマスクブランク10を用いて作製した位相シフトマスク20における解像限界を確認した結果を図7に示した。従来の位相シフトマスクブランクを用いたものが、Iso−Line 50nm、LS−Line 50nm、Iso−Space 45nmであるのに対し、Iso−Line 35nm、LS−Line 35nm、Iso−Space 40nmと、大幅な改善が確認された。
以上、本発明の実施形態に係る位相シフトマスクブランク、位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法について説明したが、上記実施形態は本発明を実施するための一例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの実施形態を種々変形することは本発明の範囲内であり、本発明の範囲内において他の様々な実施形態が可能であることは上記記載から自明である。
10 位相シフトマスクブランク
11 基板
12 位相シフト膜
12´ 位相シフト膜パターン
13 遮光膜
13a 従来の遮光膜
13b 遮光膜
13b´ 遮光膜パターン
13b´´ 遮光膜パターン
13c 遮光膜
13c−1 高エッチングレート部
13c−2 その他の部分
13d 遮光膜
13d−1 その他の部分
13d−2 高エッチングレート部
13e 遮光膜
13e−1 高エッチングレート部
13e−2 遮光膜
14 ハードマスク層
14´ ハードマスクパターン
15 フォトレジスト膜
15´ レジストパターン
16 フォトレジスト膜
16´ レジストパターン
20 位相シフトマスク

Claims (4)

  1. 透明基板上に、フッ素系のガスによってドライエッチング可能な位相シフト膜と、その上にフッ素系のガスでは実質的にエッチングされないクロムを主成分とする遮光膜と、更にその上に、フッ素系のガスでエッチング可能で、かつ塩素系および酸素系のガスにより実質的にエッチングされないハードマスク層と、をこの順に備えた位相シフトマスクブランクにおいて、深さ方向に対し、膜組成の違いによりエッチングレートが調整された遮光膜を有することを特徴とし、
    前記遮光膜のエッチングレートが、前記遮光膜中の窒素含有量と酸素含有量を、膜厚方向に変化させることにより、変化していることを特徴とし、
    前記遮光膜の酸素含有量が、前記遮光膜の上部の方が下部よりも少なく、前記遮光膜の下部においては40at%であることを特徴とする位相シフトマスクブランク。
  2. 前記遮光膜の窒素含有量が、前記遮光膜の上部の方が下部よりも多く、前記遮光膜の下部においては5at%であることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクブランク。
  3. 前記遮光膜の上部(ハードマスク層側)10〜20%の厚さにおけるエッチングレートが、前記遮光膜の残りの部分のエッチングレートよりも、5%以上速い材料であり、
    前記遮光膜の窒素含有量が、前記遮光膜の上部において10at%で、前記遮光膜の残りの部分においては上部よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクブランク。
  4. 前記遮光膜の下部(位相シフト膜側)10〜20%の厚さにおけるエッチングレートが、前記遮光膜の残りの部分のエッチングレートよりも、5%以上速い材料であり、
    前記遮光膜の酸素含有量が、前記遮光膜の下部において40at%で、前記遮光膜の残りの部分においては下部よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトマスクブランク。
JP2016134915A 2016-07-07 2016-07-07 位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスク Active JP6903878B2 (ja)

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