JP3818171B2 - 位相シフトマスクブランク及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、位相シフターによる光の干渉作用を利用して転写パターンの解像度を向上できるようにした位相シフトマスク及びその素材としての位相シフトマスクブランク等に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体分野における高集積化のニーズに伴うパターンの微細化及び寸法精度制御の要求は日々厳しいものとなっている。従来の露光波長の短波長化に加え、光の位相差をも利用した位相シフト技術の導入も定着しつつある。
フォトリソグラフィーにおける光の解像限界は一般にR=k1・λ/(NA)によって表される。ここで、λは露光光源の波長、NAはレンズの開口数、k1はプロセス係数を示している。解像度の改善として短波長化によるλの減少、レンズ系改善による開口数NAの増加などが論じられている。露光波長より微細なパターンの解像については光の干渉による精度低下などが問題となっており、その対策として位相シフト法などが採用されている。位相シフト法はフォトマスクに形成されたパターンを通過する光の位相差を変化させ、透過光の回折を位相の異なる光の干渉によって相殺する効果を利用したものである。この位相シフト技術では位相を変化させ得る材料は、露光波長に対する透過性などの光学的特性を有することを主要な要件として選択されてきた。
位相シフトマスクの具体的な例としては、例えば特開平4−136854号公報に示されるような単層タイプのものや2層構造を有するものもある。いずれのタイプにおいても、位相制御に充分なドライエッチング特性を有する材料が選択されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような位相シフトの効果を用いたフォトマスクでは、パターン形成部及び除去部における位相差の制御に高い精度が求められる。例えば、フォトマスクにおける透明基板の厚さが変化した場合においても位相の変化は生じてしまい、相対的に光の位相が変化してしまう。位相φと厚さとの関係は φ=2(n−1)d・2π/λにて表せる。波長が短波長化することで、許容位相差によって限定される厚さの変化量はより厳しいものになる。また、露光波長の短波長化により要求される光学特性を満たす材料も限定され、単層タイプの場合ドライエッチング特性における透明基板に対する選択性の確保が難しくなってきている。上述の2層構造は単層材料の選択が困難になったことに対する解決策の例である。ここで示されるように、パターン加工におけるドライエッチング特性に優れ、従来のプロセスに対する適合性を有する材料の選定が望まれている。
例えば、特開平4−136854号公報に示される吸光剤を添加した塗布ガラス/ガラス基板の構成の場合、塗布ガラスと下地ガラス基板との間において材質が類似しているため、充分なエッチング特性の差が得られない。また、塗布ガラス/薄いCr層/ガラス基板の構成においては、塗布ガラス上に遮光部を形成するための遮光Cr層が通常形成される。この場合、パターン加工の際に一般に用いられるレジストパターンを転写した遮光Cr層/塗布ガラス/薄いCr層の3層構造のマスクパターンが作製され、その後遮光Cr層を通常ウエットエッチングにて選択的に除去するのであるが、遮光Cr層と薄いCr層とは材質が共通している点から遮光Cr層の選択的除去プロセスにおいて薄いCr層への影響が課題となる。具体的には、薄いCr層がエッチングされ、リフトオフと同様の原理でパターンが根こそぎ取れてしまうことがあり、薄いCr層がサイドエッチングされるとパターンエッジ付近の透過率が変化する等の問題が生じる。
ドライエッチング特性に優れた材料の要求は上述の位相シフトマスクに限らず、下地層の保護を目的としたエッチング停止層、高い選択性やパターンの微細化に伴う薄膜化を要求されるエッチングマスク材料への適用等広い利用範囲に及ぶものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の構成を有する。
(構成1) 透明基板上に、露光光を通過させる光透過部と、露光光の一部を通過させると同時に透過した光の位相を所定量シフトさせる位相シフター部を有し、前記光透過部と位相シフター部の境界近傍にて各々を通過した光が互いに打ち消し合うように光学設計することで、被露光体表面に転写される露光パターン境界部のコントラストを良好に保持、改善できるようにしたハーフトーン型位相シフトマスクを製造するために用いられるハーフトーン型位相シフトマスクブランクであり、透明基板上に位相シフター部を形成するための位相シフター膜を有するハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおいて、
前記位相シフター膜は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングを用いてエッチングが行われる上層と、前記上層と透明基板との間に形成され、前記フッ素系ガスに対して耐性を有しかつ前記フッ素系ガスと異なるガスを用いたドライエッチングを用いてエッチング可能な下層とを少なくとも有し、
前記下層の材料が、Al、Ga、Hf、Ti、V、及びZrからなる第1の群から選ばれる金属単体又はこれらの金属を二種以上を含む材料(第1材料)からなる、
又は、前記下層の材料が、Cr、Ge、Pd、Si、Ta、Nb、Sb、Pt、Au、Po、Mo及びWからなる第2の群から選ばれる一種の金属に、前記第1の群から選ばれる少なくとも一種を添加した材料(第2材料)からなる、
あるいは,前記下層の材料が、前記金属単体、前記第1材料又は前記第2材料に、窒素及び/又は炭素を含有させた材料からなることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
【0005】
(構成2) 上層が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、及びシリコン炭窒化物から選ばれる材料からなることを特徴とする請求項1に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
【0006】
(構成3) 請求項1又は2に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する方法であって、
前記方法は、
上層を所望のレジストパターンをマスクとしてフッ素系ガスを用いたドライエッチングを用いてエッチングする工程と、
引き続き下層を塩素系ガスを用いたドライエッチングを用いてエッチングする工程と、
前記レジストパターンを除去する工程と、
を少なくとも有することを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。
【0007】
(構成4) 請求項3に記載の方法を用いて製造されたことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
【0008】
(構成5) 積層の上下関係を問わず、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにて加工可能である第1層と、塩素系ガスを用いたドライエッチングにて加工可能であり、前記フッ素系ガスに対して耐性を有する第2層とを少なくとも有する積層体において、
前記第2層の材料が、Al、Ga、Hf、Ti、V、及びZrからなる第1の群から選ばれる金属単体又はこれらの金属を二種以上を含む材料(第1材料)からなる、
又は、前記第2層の材料が、Cr、Ge、Pd、Si、Ta、Nb、Sb、Pt、Au、Po、Mo及びWからなる第2の群から選ばれる一種の金属に、前記第1の群から選ばれる少なくとも一種を添加した材料(第2材料)からなる、
あるいは,前記第2層の材料が、前記金属単体、前記第1材料又は前記第2材料に、窒素及び/又は炭素を含有させた材料からなることを特徴とする積層体。
【0009】
(構成6) 第1層が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、及びシリコン炭窒化物から選ばれる材料からなることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
【0010】
(構成7) 前記第2層が、前記第1層の上に形成され、前記第2層が前記第1層のエッチングマスク層として用いられることを特徴とする請求項5又は6に記載の積層体。
【0011】
(構成8) 前記第2層が、前記第1層の下に形成され、前記第2層が前記第1層のエッチングストッパーとして用いられることを特徴とする請求項5又は6に記載の積層体。
【0012】
(構成9) 積層の上下関係を問わず、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにて加工可能である第1層と、塩素系ガスを用いたドライエッチングにて加工可能であり、前記フッ素系ガスに対して耐性を有する第2層とを少なくとも有するパターンを、前記第1層のフッ素系ガスを用いたドライエッチングと前記第2層の塩素系ガスを用いたドライエッチングとを積層順に応じてそれぞれ行うことによって形成する工程を含むパターン形成方法において、
前記第2層の材料が、Al、Ga、Hf、Ti、V、及びZrからなる第1の群から選ばれる金属単体又はこれらの金属を二種以上を含む材料(第1材料)からなる、
又は、前記第2層の材料が、Cr、Ge、Pd、Si、Ta、Nb、Sb、Pt、Au、Po、Mo及びWからなる第2の群から選ばれる一種の金属に、前記第1の群から選ばれる少なくとも一種を添加した材料(第2材料)からなる、
あるいは,前記第2層の材料が、前記金属単体、前記第1材料又は前記第2材料に、窒素及び/又は炭素を含有させた材料からなることを特徴とするパターン形成方法。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
構成1は位相シフター膜が上層と下層の2層タイプであて、上層がフッ素系ガスを用いたドライエッチングを用いてエッチングが行われる層である場合に、下層材料として、フッ素系ガスに対して耐性を有しかつフッ素系ガスと異なるガス(例えば塩素系ガス)を用いたドライエッチングを用いてエッチング可能な所定の材料を用いることを特徴とするものである。
このような所定の材料としては、第1に、Al、Ga、Hf、Ti、V、及びZrからなる第1の群から選ばれる金属単体、又はこれらの金属を二種以上を含む材料(合金の他混合体等を含む)(以下第1材料と言う)が挙げられる。これら第1の群から選ばれる金属単体又は第1材料は、フッ素系ガスに対して耐性を有しかつフッ素系ガスと異なるガス(例えば塩素系ガス)を用いたドライエッチングを用いてエッチング可能な材料である。これら第1の群から選ばれる金属単体又は材料は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにおいてエッチング耐性が高く、フッ素系ガスと異なるガス(例えば塩素系ガス、臭素系ガス、ヨウ素系ガス等)を用いたドライエッチングにおいて容易にエッチングが可能な材料である。下層は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングに対しては、上層に対するエッチング停止層としての効果が得られる程度の耐性が必要であり、下層材料のエッチングレートは、下層の厚さ、上層とのエッチングレート比(以後、選択比と記述)によって異なるが、0〜数十オングストローム/min程度が好ましい。また、下層の塩素系ガスを用いたドライエッチングにおいては、所望のエッチングプロセスにおいて許容される程度にエッチング除去が可能であり、基板材料との選択比にて、5倍以上の高いエッチングレートを有することが好ましく、さらに好ましくは10倍以上のエッチングレートを有する材料がよい。第1の群から選ばれる金属単体において、耐薬品性の高さの観点からは、Hf、Zr等が好ましい。スパッタリング用ターゲットの作製が容易である観点からは、Al、Ti、V等が好ましい。
上記所定の材料としては、第2に、Cr、Ge、Pd、Si、Ta、Nb、Sb、Pt、Au、Po、Mo及びWからなる第2の群から選ばれる一種の金属に、上記第1の群(Al、Ga、Hf、Ti、V、及びZr)から選ばれる少なくとも一種を添加した材料(合金の他混合体等を含む)(以下第2材料と言う)が挙げられる。これらの材料は、第1の群から選ばれる金属を、第2の群から選ばれる金属に添加することによって、フッ素系ガスに対する耐性を十分に発現し、しかもフッ素系ガスと異なるガス(例えば塩素系ガス、臭素系ガス、ヨウ素系ガス等)を用いたドライエッチングを用いてエッチング可能な材料である。つまり、第1の材料と同様の作用を奏し得る材料である。ここで、第2の群に挙げた金属(但しCrは除く)は、第1の群に挙げた金属と比較するとフッ素系ガスに対する耐性に劣り、第1の群から選ばれる金属を添加した場合、添加しない場合に比べ、フッ素系ガスに対する耐性が向上するものであって、しかも、第1の群から選ばれる金属を添加した場合フッ素系ガスに対する所望の耐性を十分に発現するものである。尚、Crについては、第1群に挙げた金属と同等のフッ素系ガスに対する耐性を有している。また、第2群の金属は塩素系ガスに対するエッチングレートとして、第1郡の金属と同等または、第1の群の添加によって補うことができる程度にやや劣るような材料であり、第1の群に挙げた金属は上述したように例えば塩素系ガスに対して容易にエッチング可能な材料であるので、第2の群に挙げた金属に第1の群に挙げた金属を添加した材料は、例えば塩素系ガスに対してエッチング特性を保持又は向上した材料となる。
このように、本発明者らは、第2の群から選ばれる金属に、第1の群から選ばれる金属を少量添加することによって、塩素系ガスに対するエッチング特性を保持しつつ、フッ素系ガスに対する耐性が著しく向上することを見出した。第2の群から選ばれる金属に対する第1の群から選ばれる金属の添加量については、2%以上とする。これ以下の添加量においては、添加材料の特性が十分に現れず、上述したフッ素系ガスに対する耐性の向上等の十分な効果が得られないためである。
上記所定の材料としては、第3に、上記金属単体、前記第1材料又は前記第2材料に、窒素及び/又は炭素を含有させた材料が挙げられる。窒素及び/又は炭素は所望の特性を損なわない範囲で含有させることが好ましい。
ここで、フッ素系ガスとしては、例えばCxFy(例えば、CF4、C2F6)、CHF3、これらの混合ガス又はこれらに添加ガスとしてO2、希ガス(He,Ar,Xe)を含むもの等が挙げられる。また、フッ素系ガス以外のガスとしては、フッ素以外のハロゲン系ガス(塩素系、臭素系、ヨウ素系又はこれらの混合ガス)を用いることができる。塩素系ガスとしては、Cl2、BCl3、HCl、これらの混合ガス又はこれらに添加ガスとして希ガス(He,Ar,Xe)を含むもの等が挙げられる。臭素系ガスとしては、Br2、HBr、これらの混合ガス又はこれらに添加ガスとして希ガス(He,Ar,Xe)を含むもの等が挙げられる。ヨウ素系ガスとしてほ、I2、HI、これらの混合ガス又はこれらに添加ガスとして希ガス(He,Ar,Xe)を含むもの等が挙げられる。ここで、フッ素系ガスとは異なるガスとしては、塩素系ガスを用いることが、エッチングレートが臭素系ガスやヨウ素系ガスよりも早くできることが考えられるため、好ましい。尚、フッ素とフッ素以外のガスを同時に含むガスを用いることもできるがその場合は、プラズマ中の活性種における励起種の割合が多い方を優位とし、フッ素励起種が多い場合はフッ素系ガスと規定し、フッ素系ガス以外のガスの励起種(例えば塩素)が多い場合はそのフッ素系以外のガス(例えば塩素系ガス)と規定する。また、単体ガス組成においてフッ素とそれ以外のハロゲン元素を含む場合(例えばClF3等)については、フッ素系ガスとする。
フッ素系ガス以外のガスとしては、添加ガスとして酸素は入れない方が好ましい。その理由は、酸素を入れると表面酸化によってエッチングレートが下がることが考えられるからである。また、例えば、Crのエッチングに通常用いられるエッチングガスCl2十O2は、反応が複雑でエッチング分布が出やすいため、例えばCl2のような単ガスによるドライエッチングを行うことが高精度のパターンを得る上で好ましい。
【0014】
次に、上記要件を満たす各層の作用を説明する。
下層がフッ素系ガスに対する耐性を有することによって、上層をフッ素系ガスを用いてドライエッチング加工を進めていき下層表面が露出しても下層の膜減りが遅いため、パターン疎密差等で生ずるエッチング分布から生じる上層の残膜の除去を考慮した十分な上層のオーバーエッチング時間を設定することができる。その結果、マスクパターンに忠実なパターン形成が可能となり、寸法精度の向上が見込める。
下層がフッ素系ガスと異なるガス(例えば塩素系ガス)を用いたドライエッチングを用いてエッチング可能な(塩素系ガスに対してある程度のエッチングレートを有するような)材料であることによって、下層を例えば塩素系ガスを用いてドライエッチング加工を進めていき透明基板表面が露出しても透明基板表層の堀込みが殆どない。したがって、基板表層の堀込みによる位相差変動及びエッチングばらつきによる面内位相差ばらつきを回避でき、高い位相差制御性を得ることができる。これは位相シフトマスクの基板として多く用いられる石英基板は下層材料に比べて下層除去のドライエッチングに対してエッチングレートが小さいためである。下層の塩素系ガスに対するエッチングレートは高いほど好ましく、CD寸法精度要求値やエッチング条件によっても多少異なるが、2500オングストローム/min以上、3000オングストローム/min以上、4000オングストローム/min以上であることが好ましい。具体的には、位相シフトマスクにおける下層は通常100オングストローム以下であり、下層はエッチングレートが高いので下層のエッチングは数秒で終了するため、オーバーエッチング時間も極めて短くて済み、エッチングレートが360オングストローム/minであっても1秒間では6オングストローム/secでありエッチング量(堀込み量)が極めて少なくて済むからである。
【0015】
また、従来技術で説明した遮光Cr層/塗布ガラス/薄いCr層/透明基板の構成と異なり、本発明の遮光Cr層/上層/下層/透明基板の構成では、遮光Cr層と下層材料とが異なる材料からなるため遮光Cr層の除去プロセスにおいて選択的な取扱いが可能となる。この除去プロセスは一般的に用いられている硝酸セリウム第2アンモニウム液を主体としたウエットプロセスに限らず、ドライエッチングを用いても対応可能である。つまり、ウエットエッチングかドライエッチングかにかかわらず、遮光Cr層の選択的除去プロセスにおいて下層がエッチングされることによる悪影響を回避可能となる。つまりこのようなプロセスに対する適合性を有する。
【0016】
なお、構成1において、下層及び上層の成膜を行う上で、これらの膜構造をアモルファス構造あるいは粒界の極めて小さい構造になるように成膜することによりパターン精度向上に寄与することもできる。これは、これらの膜構造が柱状構造や結晶構造となっている場合、エッチング加工した際のパターン側壁に凹凸(ギザギザ)が生じるが、これらの膜構造がアモルファス構造あるいは粒界の極めて小さい構造であると、エッチング加工した際のパターン側壁が略平面(略直線)となるからである。また、これらの膜構造が柱状構造や結晶構造となっている場合、膜応力が発生し問題となることがあるが、これらの膜構造がアモルファス構造あるいは粒界の極めて小さい構造であると、膜応力の制御がしやすくなる。
【0017】
構成2のように、位相シフター膜の上層が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、シリコン炭窒化物等の材料からなる場合、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにて容易に加工可能であり、塩素系ガスを用いたドライエッチングに対して高い耐性を有するので好ましい。また、上層がこれらの材料からなる場合、露光波長がArFエキシマレーザ(193nm)やF2エキシマレーザ(157nm)へ短波長化した場合でも、所定の透過率及び位相シフト量を満たすことが可能となり、短波長化に対応可能である。
【0018】
構成3は上記位相シフトマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造方法に関する。
位相シフトマスクブランクは、例えば、SiOx及びSiOxNy層/上記所定の材料からなる下層(上記エッチング特性を有する層)/透明基板からなる構成を有し、SiOx及びSiOxNy層をフッ素系ガスを用いたドライエッチングにてパターン加工し、下層に当たる部分を塩素系ガスを用いたドライエッチングによって加工することで下地へのダメージの低減を可能にしている。この構成のブランクスの利用により、短波長化が進んだ世代においても、光学特性の制御が可能であり、位相シフト効果が得られる。具体的には、上層であるSiOx及びSiOxNy層の厚さや組成などによって主に位相シフト量を制御し、上記所定の材料からなる下層の厚さ等によって主に透過率を制御することにより、光学特性の制御が可能である。また、下層を塩素系ガスを用いたドライエッチングによって加工することで、下地である透明基板へのダメージを回避でき、透明基板の堀込みによる位相シフト量の変化を回避できる点と、上述した光学特性の制御が可能である点から、所定の位相シフト効果が得られる。
尚、本発明では、位相シフトマスクブランク上に、遮光Cr層を有し、遮光Cr層上にレジストパターンを形成して遮光Cr層パターンを形成し、レジストパターンと遮光Crパターン、又は遮光Crパターンのみをマスクとして位相シフター膜をエッチングすることが好ましい。位相シフター膜のエッチング後は、遮光Crパターンは位相シフトマスクの非転写領域の遮光帯部分を残し、またはそれに加えて、転写領域内外のアライメントマーク形成部、若しくはパターンの境界近傍を除く所望の領域を除いて除去する。尚、遮光Cr層は、Cr、もしくは、Crに酸素、炭素、窒素等を含む単層、又は多層膜とすることができる。
【0019】
構成5では、上述した上層及び下層のドライエッチング特性を活かし、上下関係の限定及び用途限定を除くことによって、エッチングマスク材料への適用、エッチングストッパー材料としての利用など他分野におけるドライエッチング用積層体材料(ドライエッチング加工前の積層体材料)としての活用を可能としたものである。
ドライエッチング特性に優れた材料の要求は上述の位相シフトを用いたフォトマスクに限らず、下地層の保護を目的としたエッチングストッパー層(エッチング停止層)、高い選択性やパターンの微細化に伴う薄膜化を要求されるエッチングマスク材料への適用等広い利用範囲に及ぶものである。
構成5では、第2層材料は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにおいてエッチング耐性が高く、塩素系ガスを用いた条件において容易にエッチングが可能な材料(以下所定の作用を示す材料)である。このような第2層材料とは、Al、Ga、Hf、Ti、V、Zrのいずれか一つ以上を含むものであり、これらの元素単体からなる膜及び他金属へのこれらの元素添加により上記所定の作用が得られる膜である。他金属への添加量については、2%以上とする。これ以下の添加量においては、添加材料の特性が十分に現れずエッチングにおいて上記所定の作用が得られないためである。ここで示した他金属としては塩素系ガスに対してエッチング可能な材料とする。他金属の例として、Cr、Ge、Pd、Si、Ta、Nb、Sb、Pt、Au、Po、Mo、W等が挙げられる。
これらの材料を用いることで、ガス種によるドライエッチング特性の違いを利用した高選択比エッチングが可能となる。この効果は構成層の薄膜化(例えばエッチングマスク層の薄膜化)にも寄与するものであり、微細パターンの精度向上につながる。
さらに、第1層材料及び第2層材料の成膜を行う上で、これらの膜構造をアモルファス構造あるいは粒界の極めて小さい構造になるように成膜することによりパターン精度向上に寄与することもできる。これは、これらの膜構造が柱状構造や結晶構造となっている場合、エッチング加工した際のパターン側壁に凹凸(ギザギザ)が生じるが、これらの膜構造がアモルファス構造あるいは粒界の極めて小さい構造であると、エッチング加工した際のパターン側壁が略平面(略直線)となるからである。また、これらの膜構造が柱状構造や結晶構造となっている場合、膜応力が発生し問題となることがあるが、これらの膜構造がアモルファス構造あるいは粒界の極めて小さい構造であると、膜応力の制御がしやすくなる。
構成5で言う第1層には、基板の上層部が第1層に相当する場合も含む。つまり、第2層をエッチングマスク層として、基板表層部に堀込み(彫込み)パターンを形成する場合を含む。また、構成5で言う積層体には、第2層と基板(上層部が第1層に相当)との積層体を含む。
【0020】
構成6のように、第1層が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、シリコン炭窒化物等の材料からなる場合、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにて容易に加工可能であり、塩素系ガスを用いたドライエッチングに対して高い耐性を有するので好ましい。
【0021】
構成7は、前記第2層が、前記第1層の上に形成された積層体の態様を示す。構成7は、前記第2層が前記第1層のエッチングマスク層として用いられる態様を示す。
例えば、石英基板上に形成された第1層が構成6に示すシリコン化合物材料からなる場合、この第1層を第2層をエッチングマスク層としてエッチングして第1層のパターンを形成し第2層を除去することによって、単層タイプの位相シフターを有する位相シフトマスクを作製できる。
構成7で言う第1層には、基板の上層部が第1層に相当する場合も含む。つまり、第2層をエッチングマスク層として、基板表層部に堀込み(彫込み)パターンを形成する場合を含む。また、構成7で言う積層体には、第2層と基板との積層体を含む。例えば、エッチングマスク層/基板の構成で、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにより基板表層部の掘込みを行う際、エッチングマスク材料のダメージが殆ど無い状態で加工が可能である。ダメージが殆ど無いということは、エッチングマスク材料のエッチングによる寸法変化が抑えられるとともに、エッチングマスク層の薄膜化が可能となり寸法精度の向上につながると考えられる。
【0022】
構成8は、前記第2層が、前記第1層の下に形成された積層体の態様を示す。構成8は、前記第2層が前記第1層のエッチングストッパー層として用いられる態様を示す。
構成8の具体例としては、構成1等で説明した2層タイプの位相シフターを有する位相シフトマスクを作製する場合が挙げられる。
【0023】
構成5〜8の他の応用例としては、以下の例が挙げられる。エッチングマスク層/X線吸収体層/エッチング停止層/X線反射用多層膜層/基板材料の層構成からなるEUV(Extreme Ultra Violet)リソグラフィー用反射型マスクにおいて、X線反射用多層膜層はX線反射率および薬液耐性の観点から膜損失に対して厳しい。
そこで、例えばエッチング停止層としてSiO2(本件第1層材料)を用いた場合、その除去工程におけるX線吸収体層保護のためX線吸収体層に本件の合金(本件第2層材料)等を用いることでフッ素系ガスによるSiO2層の除去においてX線吸収体層へのダメージを低減できる。
また、SiO2エッチング停止層(本件第1層材料)とX線反射用多層膜間にさらに本件の特徴を有する膜(本件第2層材料)を配することで、フッ素系ガスによるエッチング停止層除去で生じるX線反射用多層膜のダメージ(膜減り)を減少させることも可能である(追加した本件第2層材料膜は塩素系ガスで高速エッチングが可能なため、X線反射用多層膜の最上層との高選択比加工効果が期待できる)。
さらに、エッチング停止層に本件の材料(本件第2層材料)を用いX線吸収体層にフッ素系ガスを用いた加工に適した材料(Wおよびその化合物など)を持つ構成にすることで、より簡便にX線反射用多層膜へのダメージを抑制することも可能である。この場合、エッチング停止における高い選択性により、X線吸収体パターン形状のオーバーエッチングによる制御に有利であると考えられる。同様にこのX線吸収体の加工を行う際のエッチングマスク層として本件第2層材料を利用することも可能である。
【0024】
構成9はパターン形成方法に関するものであり、ガス系を使い分けることによる加工手段である点を除いて構成5と同様である。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1
表1はフッ素系及び塩素系ガスを用いたドライエッチングを行った際のTaZrx(TaとZrを含む材料であることを示し、TaとZrの組成比を示すものではない。以下同様。)、Zrのエッチング特性を確認した結果である。表2はフッ素系及び塩素系ガスを用いたドライエッチングを行った際のTaAl、TaHfのエッチング特性を確認した結果である。つまり、本実施例では、主に、Taを主材料とし、本件の効果に関わると考えられる材料(Al、Hf、Zr)を添加した膜のドライエッチング特性を中心に確認した。各膜材料はスパッタリング法を用いて成膜したものである。材料添加についてはTaターゲット上に対象材料の金属片を乗せ、成膜を実施した。膜中への添加の有無については、X線光電子分光法(XPS)を用いて添加の有無を確認した。ドライエッチングには表に示されたガスを用いた。なお、本実施例では誘導結合型プラズマ源を用いた高密度プラズマによるエッチングを行った。
実験の結果、本件に係る材料(Al、Hf、Zr)を少量添加することより、塩素系特性を保持しつつフッ素系ガス耐性が向上することが確認された。また、本件に係るZr単体金属膜は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングにおいてエッチング耐性が高く(エッチングレートが低い)、塩素系ガスを用いたドライエッチングにおいて容易にエッチングが可能な(エッチングレートが高い)材料であることが確認された。
【0026】
比較例1
実施例1における添加効果を確認するため、比較例として上記材料を添加しないTa単体金属膜に関するドライエッチング特性の確認を行った。表3に示されるようにTa単体金属膜に関してはフッ素系ガスに関して石英基板との選択性が不充分であった。なお、本比較例のエッチング条件は実施例1に準じて実施している。
【0027】
【表1】
【表2】
【表3】
【0028】
実施例2
本実施例では、Zr膜をエッチングマスクとしてSiON層の加工を試みた。膜構成をレジスト/Zr/SiONとし(図1(a))、Si基板上に成膜した各層の加工を行い、エッチングマスク材料としての効果を確認した。本実施例における各層の膜厚はZr層200オングストローム、SiON層800オングストロームとした。レジストパターンをマスクとしてZr層を塩素ガスにて加工した後(図1(b))、レジスト剥離液によるレジスト除去を行った(図1(c))。露出したZrパターン層をマスクとしてSiON層の加工をC2F6ガスにて実施した(図1(d))。SiON層の加工後Zr層の残膜を測定した結果、60%以上の残膜が確認され、エッチングマスク材料として十分なドライエッチング耐性を示すことが判った。
【0029】
実施例3
本実施例では、位相シフト効果を有するフォトマスクの作製を試みた。ここでは、材料間選択比を考慮し、SiON/TaZr/QZ基板の構成からなるブランクスの微細加工を実施した。
QZ基板上の2層膜はRFマグネトロンスパッタを用い、SiON層約800オングストローム、TaZr層約60オングストロームを成膜した。パターン加工(又は遮光Cr層形成)のため、SiON層上にCr膜約500オングストロームを成膜したのち電子線用ZEPレジストを塗布し、電子線描画及び現像工程を経て0.5μm幅のテストパターンを形成した(図2(a))。
ここで各層の膜厚はマスク透過光の位相差を考慮して設定した。
このレジストパターンをもとに、Cr加工を塩素+酸素の混合ガス(酸素比約20%)にて実施した(図2(b))。
この後、SiON層をC2F6ガスを用いて加工した(図2(c))。その後、TaZr層を塩素ガスによりエッチングし(図2(d))、硝酸セリウム第2アンモニウム液を主体としたウエットプロセスによってCr層(レジスト膜を含む)を除去(又は遮光帯部を残して選択的除去)し(図2(e))、所望のテストパターンの形成に至った。
パターン加工には誘導結合型プラズマ源を用いた高密度プラズマエッチング装置を用いた。
加工後のパターン形状の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察した結果、QZ基板への掘り込みが殆ど無い良好なパターン形成を確認した。
なお、SiON層の加工にて加工処理を止めたサンプルについて同様なパターン観察を試みた結果、TaZr層の膜減りが殆ど無いことを確認するとともに、所定のドライエッチング時間に分布を考慮したオーバーエッチング時間を設けることでSiON層の残膜の無いパターン形成を実現した。さらに、Cr層の除去によるTaZr層のサイドエッチングも認められなかった。
【0030】
比較例2
本比較例では、実施例3におけるTaZr層をフッ素系ガスによるエッチング耐性がSiON層に近いTaNとしたものである。QZ基板上の材料を変えた以外は実施例3と同じ処理を行った。なお、TaN膜については、アルゴン+窒素の混合ガスによる反応性スパッタリングにて成膜を行った。具体的には、レジストパターンをもとに、Cr加工を実施し(図3(a)、(b))、その後、SiON層をC2F6ガスを用いて加工した(図3(c))。その後、TaN層を塩素ガスによりエッチングし(図3(d))、硝酸セリウム第2アンモニウム液を主体としたウエットプロセスにCr層(レジスト膜を含む)を除去し(図3(e))、所望のテストパターンの形成に至った。
実施例3と同様、0.5μmテストパターンの形成を行った結果、パターン形状については上述のものと同様に良好な形状を示す加工ができたが、下地QZ基板への掘込みが確認された。なお、フッ素系ガスによるTaN膜のエッチングレートはQZとほぼ同等であった。
【0031】
実施例4
本比較例では、実施例3に記載のTaZr層をHf層、Zr層に変えた点以外は同じ処理を行ったものである。
同様の処理にて微細パターンを形成し、パターン形状をSEMにより観察した結果、実施例3と同程度のパターンが形成されていることを確認した。QZ基板へのダメージについて差異は殆ど見られず、良好なパターン形成が行われたことを確認した。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えばフォトマスクに代表される石英等の透明基板及びこれに類するシリコン化合物材料に対し、下地層の保護を目的としたエッチングストッパー層(エッチング停止層)、高い選択性やパターンの微細化に伴う薄膜化を要求されるエッチングマスク材料などのドライエッチング特性に優れた材料を提供でき、ガス種によるドライエッチング特性の違いを利用した高選択比エッチングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2における各層の加工手順を説明するための模式図である。
【図2】実施例3における各層の加工手順を説明するための模式図である。
【図3】比較例2における各層の加工手順を説明するための模式図である。
Claims (4)
- 透明基板上に、露光光を通過させる光透過部と、露光光の一部を通過させると同時に透過した光の位相を所定量シフトさせる位相シフター部を有し、前記光透過部と位相シフター部の境界近傍にて各々を通過した光が互いに打ち消し合うように光学設計することで、被露光体表面に転写される露光パターン境界部のコントラストを良好に保持、改善できるようにしたハーフトーン型位相シフトマスクを製造するために用いられるハーフトーン型位相シフトマスクブランクであり、
透明基板上に位相シフター部を形成するための位相シフター膜と遮光層を有するハーフトーン型位相シフトマスクブランクにおいて、
前記遮光層は、Cr又は、Crに酸素、炭素、窒素のいずれかを含み、硝酸セリウム第二アンモニウムを主体としたウエットエッチング又はCl 2 とO 2 をエッチングガスとするドライエッチングによってエッチングされるものであり、
前記位相シフター膜は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングを用いてエッチングが行われる上層と、前記上層と透明基板との間に形成され、前記フッ素系ガスに対して耐性を有しかつCl 2 、BCl 3 、HCl、これらの混合ガス、又はこれらのいずれかにHe、Ar、Xeの少なくとも一種を含むガスを用いたドライエッチングを用いてエッチング可能な下層とを少なくとも有し、
上層が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、及びシリコン炭窒化物から選ばれる材料からなり、
前記下層の材料が、Hf、Zrからなる、又はTaにこれらの少なくとも一種を添加した材料からなることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランク。 - 前記位相シフター膜において、前記上層は、主として位相シフト量を制御し、前記下層は、主として透過率を制御することを特徴とする、請求項1に記載のハーフトーン型位相シフトマスクブランク。
- 透明基板上に、露光光を通過させる光透過部と、露光光の一部を通過させると同時に透過した光の位相を所定量シフトさせる位相シフター部を有し、前記光透過部と位相シフター部の境界近傍にて各々を通過した光が互いに打ち消し合うように光学設計することで、被露光体表面に転写される露光パターン境界部のコントラストを良好に保持、改善できるようにしたハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、
透明基板上に位相シフター部を形成するための位相シフター膜と遮光層を有し、
前記遮光層は、Cr又は、Crに酸素、炭素、窒素のいずれかを含むものであり、
前記位相シフター膜は、フッ素系ガスを用いたドライエッチングを用いてエッチングが行われる上層と、前記上層と透明基板との間に形成され、前記フッ素系ガスに対して耐性を有しかつ塩素系ガスを用いたドライエッチングを用いてエッチング可能な下層とを少なくとも有し、
上層が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、シリコン炭化物、及びシリコン炭窒化物から選ばれる材料からなり、
前記下層の材料が、Hf、Zrからなる、又はTaにこれらの少なくとも一種を添加した材料からなることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクブランクを用いて位相シフトマスクを製造する方法において、
上層を、レジストパターンと遮光層パターン又は遮光層パターンをマスクとして、フッ素系ガスを用いたドライエッチングを用いてエッチングする工程と、
引き続き下層を、Cl 2 、BCl 3 、HCl、これらの混合ガス、又はこれらのいずれかにHe、Ar、Xeの少なくとも一種を含むガスを用いたドライエッチングを用いてエッチングする工程と、
硝酸セリウム第二アンモニウムを主体としたウエットエッチング又はCl 2 とO 2 をエッチングガスとするドライエッチングを用いて、所望の領域を除いた前記遮光層を除去する工程
を有することを特徴とする、ハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。 - 請求項3に記載の方法を用いて製造されたことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
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