JP4390418B2 - Euv露光用反射型マスクブランクおよびeuv露光用反射型マスク並びに半導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造等に使用されるEUV光の光露光に用いる、EUV露光用反射型マスクブランク、EUV露光用反射型マスクおよびその製造方法、並びに半導体の製造方法に関する。
尚、本発明に記載するEUV(Extreme Ultra Violet)光とは、軟X線領域または真空紫外領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体産業において、Si基板等に微細なパターンからなる集積回路を形成する上で必要な微細パターンの転写技術として、可視光や紫外光を用いたフォトリソグラフィ法が用いられてきた。しかし、半導体デバイスの微細化が加速している一方で、従来の光露光の短波長化は露光限界に近づいてきた。
そして光露光の場合、パターンの解像限界は露光波長の1/2と言われ、F2レーザー(157nm)を用いても70nm程度が限界と予想される。そこで70nm以降の露光技術として、F2レーザーよりさらに短波長のEUV光(13nm)を用いた露光技術であるEUVリソグラフィ(以下、「EUVL」と記載する。)が有望視されている。
【0003】
EUVLの像形成原理は、フォトリソグラフィと同じであるが、EUV光に対する、あらゆる物質の吸収は大きく、また屈折率が1に近いため、光露光のような屈折光学系は使用できず、すべて反射光学系を用いる。
また、その際用いられるマスクとしては、メンブレンを用いた透過型マスクが提案されてきているが、EUV光に対するメンブレンの吸収が大きいため露光時間が長くなり、スループットが確保できないという問題がある。その為、現状では露光用反射型マスクが一般的に使用されている。
このようなEUV露光用反射型マスクを得るための従来の技術1〜3を、図2を参照しながら簡単に説明し、次にこの製造工程で用いられるエッチングストッパーの必要性と、その問題点について説明する。
【0004】
図2は従来の技術に係るEUV露光用反射型マスクの製造の概略を示すフロー図である。
従来の技術1
EUV露光用反射型マスクを得るための従来の製造工程例は、(1)基板の準備工程、(2)基板上への多層膜の成膜工程、(3)中間層の成膜工程、(4)吸収体層の成膜工程、(5)EBレジスト塗布工程、(6)EB描画工程、(7)ドライエッチング工程、(8)中間層の除去工程、を有する。以下これら各工程について説明する。
【0005】
(1)基板の準備工程
基板11としては、低熱膨張係数を有し、平滑性、平坦度、およびEUVマスクの洗浄等に用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましく、低熱膨張係数を有するガラス、等が用いられる。
【0006】
(2)基板上への多層膜の成膜工程
多層膜12としては、MoとSiを含む多層膜が多用されている。
例えば、Moが28Å、Siが42Åを1周期として、30周期以上積層することで、13.4nmでピーク波長をもつEUV光を反射する多層膜が実現できる。MoとSiを含む多層膜の場合、最上層にSi膜が成膜される。
【0007】
(3)中間層の成膜工程
EUV光を反射する多層膜12上に、中間層であるエッチングストッパー23としてSiO2膜を成膜する。
成膜には、例えばSiO2ターゲットを用いたRFマグネトロンスパッタ法を用いる。
【0008】
(4)吸収体層の成膜工程
EUV光を吸収する吸収体層14をスパッタリング法により成膜する。
成膜材料としては、Ta、Crが用いられ、成膜には、例えばDCマグネトロンスパッタ法が用いられる。
この工程により、EUVマスクブランクが得られる。
【0009】
(5)EBレジスト塗布工程
得られたEUVマスクブランクの吸収体層14にパターンを形成することによりEUVマスクを製造することができる。
工程(4)で得られたEUVマスクブランクにEBレジストを塗布し200℃でベーキングを行う。
【0010】
(6)EB描画工程
EBレジストを塗布したEUVマスクブランクにEB描画機を用いてレジストパターン作成を実施する。
【0011】
(7)ドライエッチング工程
前記レジストパターンをマスクとして、EUV吸収体層14を塩素を用いてドライエッチングし吸収層をパターン形成する。
【0012】
(8)中間層の除去工程
EUV光反射面上に残留している中間層、すなわちSiO2膜からなるエッチングストッパー23を、希HF水溶液により除去すると、EUV露光用反射型マスクが完成する。
【0013】
(エッチングストッパーの必要性とその問題点)
前記EUV光を反射する多層膜12は、製造完了後に高い反射率を有している必要がある。したがって製造工程、特にパターンニングの工程において、EUV光を反射する多層膜12へ膜厚減少や表面粗化、等のダメージを与えることなくパターニングを実施する必要がある。
一方、EUV光を吸収する吸収体層14へのパターンニングは、ドライエッチングで加工すると高い寸法精度が得られるものの、EUV光を吸収する吸収体層14の下層をダメージなくエッチングすることは不可能であるため、多層膜12とEUV吸収体層14との間に中間層としてエッチングストッパー23の成膜が必要となる。
このエッチングストッパー23としては、膜厚が数100Å以上のSiO2膜を用いることが一般的で、Cl2ガスを用いたドライエッチングにおいては、ストッパーとして充分機能する。しかし、パターンのない部分に残留するSiO2膜は、パターンニングの工程終了時において、完全に除去されていないとEUV光を反射する多層膜12の反射率を大幅に低下させてしまう。
【0014】
ところが、SiO2膜の除去にドライエッチングを用いると、EUV光を反射する多層膜12の最上層のSi膜をもエッチングしてしまうため、やはり反射率の低下を招く。したがって、SiO2膜はHF溶液、等のウエットエッチングで除去する必要がある。HF溶液、等を用いたウエットエッチングは、下層のSi膜にダメージを与えないので効果的であるが、反面、等方エッチング性を有するためパターン横方向への侵食があり、パターンの剥離が起こる可能性がある。
この他にも、膜厚が数100Å以上のSiO2膜は表面粗さが大きく、且つ高い圧縮応力を有している上、スパッタ法によるSiO2膜成膜中には異常放電が起こりやすくEUVマスクに求められる低欠陥化が困難であるといった問題点を有している。
【0015】
従来の技術2
特開平8−213303に、吸収体層とのエッチング比が5以上であるCrまたはTiを主成分とする中間層を、多層膜上に設ける反射型X線マスクが開示されている。前記中間層は、吸収体層へエッチングによりパターンを形成する際、エッチングストッパー層及び多層反射膜の保護層としての機能を有し、吸収体パターン形成後は反射領域にある前記中間層は除去されることが記載されている。
【0016】
従来の技術3
特開平7−333829には吸収体層と多層膜の間にCr、Al、Ni、等のX線もしくは極紫外線といった露光光の吸収が小さく、吸収体層よりエッチング速度の遅い材料で中間層を成膜することにより、前記吸収体層へのエッチングによるパターン形成後も前記中間膜を除去することなく、前記多層膜の反射率低下を防ぐ技術が記載されている。
【0017】
しかしながら、前記従来の技術1〜3に記載された中間膜のSiO2、Cr、Al、Ni、等はいずれも表面が平滑性に欠け荒れている。
このため、表面が荒れた中間層上に成膜された吸収体層も、中間層と同等以上に吸収体層表面が荒れてしまい、この結果として吸収体パターンのエッジ荒れが生じ、EUV露光用反射型マスクの転写精度へ悪影響を及ぼすという問題が判明した。
さらに本願発明者らは、前記従来の技術1〜3の中でも、特に従来の技術3に記載されているような、中間層をエッチングによるパターン形成後も残す構造のEUV露光用反射型マスクにおいては、前記中間層の表面の荒れが、EUV露光用反射型マスクの転写精度へ大きな影響を与えることを見出した。
【0018】
すなわち、まず第1に反射領域に残留する中間層としてCr、Al、Ni、等のような表面粗さが大きい材料を用いると中間層表面での露光光の散乱が起こり、結局反射率が低下してしまうのである。
第2に中間層の材料がCr、Al、Ni、等の様にEUV露光用反射型マスクの洗浄工程、等で用いられる薬品に対し耐性がないと、中間層が劣化またはパターンの剥離が生じてしまい、露光光の反射が不均一になってしまうのである。
第3に中間層の材料の膜応力が大きいと、EUV露光用反射型マスクの反射面に反り等、が生じパターン転写精度が悪化してしまうのである。
従来、これらの問題点には全く考慮がされておらず、これらを解決する材料も見出されていなかった。
【0019】
本発明は、上述した背景の下になされたものであり、高精度なパターン形成を可能とするEUV露光用反射型マスクブランク、および高反射率を有するEUV露光用反射型マスク並びにその製造方法、そして高反射率を有するEUV露光用反射型マスクを用いて、半導体基板上にパターンを転写することを特徴とする半導体の製造方法の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための第1の発明は、基板上にEUV光を反射する多層膜を有し、前記多層膜上に中間層を有し、前記中間層上にEUV光を吸収する吸収体層を有するEUV露光用反射型マスクブランクであって、
前記中間層としてCrと、N、O、C、のいずれかより選ばれる少なくとも1つ以上の元素と、を含む材料を用いたことを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランクである。
【0021】
第2の発明は、前記吸収体層がTaを含む材料であることを特徴とする第1の発明に記載のEUV露光用反射型マスクブランクである。
【0022】
第3の発明は、基板上にEUV光を反射する多層膜を有し、前記多層膜上に中間層を有し、前記中間層上にパターンに形成されたEUV光を吸収する吸収体層を有するEUV露光用反射型マスクであって、
前記中間層としてCrと、N、O、C、のいずれかより選ばれる少なくとも1つ以上の元素と、を含む材料を用いたことを特徴とするEUV露光用反射型マスクである。
【0023】
第4の発明は、前記吸収体層がTaを含む材料であることを特徴とする第3の発明に記載のEUV露光用反射型マスクである。
【0024】
第5の発明は、第1または第2の発明に記載のEUV露光用反射型マスクブランクを用いて、EUV露光用反射型マスクを製造することを特徴とするEUV露光用反射型マスクを製造方法である。
【0025】
第6の発明は、第3または第4の発明に記載のEUV露光用反射型マスクを用いて、半導体基板上にパターンを転写することを特徴とする半導体の製造方法である。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態にかかるEUV露光用反射型マスク(以下、EUV露光用反射型マスクは「EUVマスク」、EUV露光用反射型マスクブランクは「EUVマスクブランク」と記載する。)の製造の概略を示すフロー図であり、図3は製造されたEUVマスクを用いて、例えばSiウエハ上にパターンを露光転写を行っている概念図である。
【0027】
(実施の形態)
以下、図1を参照しながら本発明の一実施の形態にかかるEUVマスクの製造、および前記EUVマスクによる半導体基板上へのパターン転写について説明する。
尚、図1、2において対応する部分には、同一の番号を付して示した。
EUVマスクの製造、および前記EUVマスクによる半導体基板上へのパターン転写は(1)基板の準備工程、(2)基板上への多層膜の成膜工程、(3)中間層の成膜工程、(4)吸収体層の成膜工程、(5)EBレジスト塗布工程、(6)EB描画工程、(7)ドライエッチング工程、(8)中間層の除去工程、(9)EUVマスクによる半導体基板上へのパターン転写、の各工程を有する。
【0028】
(1)基板の準備工程。
基板11としては、低熱膨張係数を有し、平滑性、平坦度、およびEUVマスクの洗浄等に用いる洗浄液への耐性に優れたものが好ましく、低熱膨張係数を有するガラス、例えばSiO2−TiO2系ガラス等を用いるが、これに限定されず、β石英固溶体を析出した結晶化ガラスや石英ガラスやシリコンや金属などの基板を用いることも出来る。
金属基板の例としては、インバー合金(Fe−Ni系合金)等を用いることができる。
基板11は0.2nmRms以下の平滑な表面と100nm以下の平坦度を有していることが高反射率および転写精度を得るために好ましい。
【0029】
(2)基板上への多層膜の成膜工程。
多層膜12としては、MoとSiを含む多層膜が多用されているが、特定の波長域で高い反射率が得られる材料として、Ru/Si周期多層膜、Mo/Be周期多層膜、Mo化合物/Si化合物周期多層膜、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜およびSi/Ru/Mo/Ru周期多層膜、等でも良い。ただし、材料によって最適な膜厚は異なる。
MoとSiを含む多層膜12の場合、DCマグネトロンスパッタ法により、まずSiターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でSi膜を成膜し、その後、Moターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でMo膜を成膜し、これを1周期として、30〜60周期、好ましくは40周期積層した後、最後にSi膜を成膜する。
【0030】
(3)中間層の成膜工程。
上述した本発明の目的を達成するために本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、多層膜12とEUV吸収体層14との間の中間層として、エッチングストッパー層13を形成する材料が満たすべき条件に想達した。
すなわち第1に、Taを主成分とするEUV吸収体層14に対して10以上の高いエッチング選択比をもつ材料であること。
第2に、成膜時の表面粗さが十分に小さいこと。
第3に、EUVマスク製造工程において洗浄液として用いられる熱濃硫酸/過酸化水素水、やアンモニア/過酸化水素水等の薬品に対し耐性があること。
第4に、成膜後のエッチングストッパー膜の膜応力が小さいこと。
エッチングストッパー13層を形成する材料は、以上のような条件を満たしている必要がある。
【0031】
上記の条件を満足する材料として本発明者らは、Crと、N、O、C、のいずれかより選ばれる少なくとも1つ以上の元素と、を含む材料を見出した。
すなわち、Crと、N、O、C、のいずれかより選ばれる少なくとも1つ以上の元素と、を含む材料を中間層の成膜材料とすることで、高精度のパターン形成を可能とするEUVマスクが製造可能であることを見出し、本発明を完成したものである。
例えば、Nを選択してCr1-XNXとした場合は、特に耐酸性が向上し、EUVマスク製造工程における洗浄液に対し耐久性の向上が図れる。
またOを選択してCr1-XOXとした場合は、特に成膜時における低応力制御性が向上する。
さらにCを選択してCr1-XCXとした場合は、特にドライエッチング耐性が向上する。
【0032】
さらに、詳細は後述する「(8)中間層の除去工程」にて説明するが、上記EUVマスクを製造する際、上記中間層をEUVマスクの反射領域(吸収体層のパターンが形成されない部分。)上に残す工程と、除去する工程との両工程を選択することができる。
【0033】
まず、上記中間層をEUVマスクの反射領域上に残す構成をとる場合、作製されたEUVマスクの露光時には、露光光が上記中間層を通過することになる。そこでEUVマスクの反射領域の反射率低下を抑えるためには、上記中間層を形成する材料の吸収係数が小さいことが好ましい。
具体的には、露光光(この場合EUV領域の波長(13nm))に対する吸収係数が0.05以下の材料が好ましく、さらに好ましくは、0.035以下の材料が良い。
【0034】
他方、上記中間層をEUVマスクの反射領域上より除去する構成をとる場合、上記中間層を形成する材料には、比較的吸収係数の大きい材料を用いることが好ましい。
何となれば、反射型のマスクにおいては、通常、露光光はマスクに対して垂直に入射されるのではなく、数°の入射角をもって入射される。そのため、マスクのパターンの有する厚みが大きいとマスクパターンの影が生じて形状精度や寸法精度が悪化し、露光時に反射されるパターン像にぼやけが生じ、その結果、パターンの寸法精度が悪化してしまうという問題が発生するからである。このため、パターン自身の厚さはできるだけ薄くするのが好ましい。
ここで、マスクの吸収パターン領域は、EUV吸収体層14と中間層の積層構造となっているのことから、上述の問題を解決するには、EUV吸収体層14と中間層との合計膜厚を小さくすれば良いことになる。
このためには、EUV吸収体層14のみで露光光の吸収を行わせるのではなく、中間層にも露光光の吸収機能を担わせることによって、EUV吸収体層14と中間層との両層で十分に露光光の吸収を行わせるという着想に基づいて中間層及びEUV吸収体層14の膜厚の設計をすることが好ましい。
【0035】
例えば、中間層に吸収係数の比較的大きな材料を使用するならば、中間層の膜厚は薄くすることができる。
また例えば、中間層に吸収係数の比較的大きな材料を使用しながら膜厚を変えない場合は、中間層での吸収能力が上がるため、EUV吸収体層14の膜厚を薄くすることができる。
以上、いずれの構成をとるにしても、中間層とEUV吸収体層14との合計膜厚を小さくすることができ、パターンの影の影響により発生する問題を低減することができる。
この観点より、中間層とEUV吸収体層14の合計膜厚は100nm以下とするのが好ましい。
このように、中間層をEUVマスクの反射領域上より除去する構成をとる場合には、中間層に比較的吸収係数の大きい材料を用いることによって、パターンの影の影響により発生する問題を低減することが可能になる。ここで、中間層を除去する構成をとる場合、中間層の材料には、露光光に対する吸収係数が0.030以上のものが好ましく用いられる。
【0036】
以下、好ましい中間層の具体例を記載する。
(Cr1-XNXの場合)
成膜方法は、例えばDCマグネトロンスパッタ法により、Crターゲットを用い、Arに窒素を10〜60%添加した混合ガス雰囲気中で成膜する。
膜厚は40〜100Åとするのが好ましいが、後で中間層をEUVマスクの反射領域上より除去する工程を採るならば膜厚を30〜500Åとするのが好ましく、さらに好ましくは40〜400Åである。
さらに加えて、上述したパターンの影による影響を考慮する場合、中間層と吸収体層との合計膜厚は、100nm以下であることが好ましく、さらに好ましくは30〜50nmの範囲である。
【0037】
一方、好ましいXの範囲は、0.05≦X≦0.5さらに好ましくは0.07≦X≦0.4である。Xが0.05よりも大きいと、応力が抑制され、表面粗さが改善する。また、Xが0.5より小さければ十分なエッチング選択比を得ることができる。
また、Nの含有量が増えると、表面粗さは小さくなり、吸収係数も小さくなる傾向がある。
後工程にて、中間層をEUVマスクの反射領域上より除去しない場合は、反射率の低下を抑制するため中間層の吸収係数を小さくする方が好ましい。
一方、中間層をEUVマスクの反射領域上より除去する場合は、上述したようにパターンの影による影響を低減するために、中間層と吸収体層の合計膜厚を小さくするには、中間層の吸収係数は大きいほうが有利なので、必要な表面粗さを確保できる範囲で、Nの含有量を小さくするほうが好ましい。
以上のことより、中間層をEUVマスクの反射領域上より除去する場合には、Nが5〜20%(0.05≦X≦0.2)が好ましく、さらに好ましくは、Nが5〜15%(0.05≦X≦0.15)である。
【0038】
(Cr1-XOXの場合)
成膜方法は、例えばDCマグネトロンスパッタ法により、Crターゲットを用い、Arに酸素を添加した混合ガス雰囲気中で成膜する。
膜厚は40〜120Åとするのが好ましいが、後で中間層を除去する工程を採るならば、膜厚を30〜500Åさらには40〜300Åとするのが好ましい。
一方、好ましいXの範囲は、0.05≦X≦0.6である。
【0039】
(Cr1-XCXの場合)
成膜方法は、例えばDCマグネトロンスパッタ法により、Crターゲットを用い、Arにメタンガスを添加した混合ガス雰囲気中で成膜する。
膜厚は40〜100Åとするのが好ましいが、後で中間層を除去する工程を採るならば、膜厚を30〜500Åさらには40〜300Åとするのが好ましい。
一方、好ましいXの範囲は、0.05≦X≦0.4である。
【0040】
(Cr1-X-YNXCYの場合)
成膜方法は、例えばDCマグネトロンスパッタ法により、Crターゲットを用い、Arに窒素およびメタンガスを添加した混合ガス雰囲気中で成膜する。
膜厚は40〜100Åとするのが好ましいが、後で中間層を除去する工程を採るならば、膜厚を30〜500Åさらには40〜300Åとするのが好ましい。
一方、好ましいXの範囲は、0.05≦X≦0.45、好ましいYの範囲は、0.01≦Y≦0.3、である。
【0041】
(Cr1-X-Y-ZNXOYCZの場合)
成膜方法は、例えばDCマグネトロンスパッタ法により、Crターゲットを用い、Arに窒素、酸素およびメタンガスを添加した混合ガス雰囲気中で成膜する。
膜厚は40〜120Åとするのが好ましいが、後で中間層を除去する工程を採るならば、膜厚を30〜500Åさらには40〜300Åとするのが好ましい。
一方、好ましいXの範囲は、0.05≦X≦0.40、好ましいYの範囲は、0.02≦Y≦0.3、好ましいZの範囲は、0.01≦Z≦0.2、である。
【0042】
以降に記載する実施の形態においては、中間層としてCr1-XNXを用いた場合を例として説明する。
この構成を採った場合、得られた中間層の、露光光波長13.4nmにおける吸収係数を0.038〜0.032とすることができた。
【0043】
(4)吸収体層の成膜工程。
EUV吸収体層14の材料としては、以下のものが好ましい。
1)Taを主成分とする材料。
2)Taを主成分とし少なくともBを含む材料。
3)Taを主成分とするアモルファス構造の材料。
4)Taを主成分とし少なくともBを含んだアモルファス構造の材料。(例えば、Ta4Bで表されるBを25%程度含んだアモルファス構造の材料)
5)TaとBとNとを含む材料(例えば、Taを主成分としBを15%、Nを10%程度含んだアモルファス構造の材料)
しかし、上記の材料に限定されず、TaSi、TaSiN、TaGe、TaGeN、WN、Cr、TiN、等も使用可能である。
【0044】
EUV吸収体層14の材料としてTaB化合物薄膜を用いる例では、DCマグネトロンスパッタ法により、まずTa4Bターゲットを用いて、Arガス雰囲気下でTa4B膜を成膜することが好ましい。
この工程により、EUVマスクブランクが得られる。
【0045】
(5)EBレジスト塗布工程。
得られたEUVマスクブランクの吸収体層14にパターンを形成することによりEUVマスクを製造することができる。
工程(5)で得られたEUVマスクブランクにEBレジストを塗布し200℃でベーキングを行う。
【0046】
(6)EB描画工程。
EBレジストを塗布したEUVマスクブランクに30keVのEB描画機を用いてレジストパターン作成を実施した。
【0047】
(7)ドライエッチング工程。
ICP−RIE装置を用い、このレジストパターンをマスクとして、EUV吸収体層14を塩素を用いて基板温度20℃にてドライエッチングし吸収体層14をパターン形成した。その際、下地のCr1-XNX膜も若干エッチングされ30〜60Åの膜厚となった。さらに吸収体層14パターン上に残ったレジストを100℃の熱濃硫酸で除去した。
【0048】
(8)中間層の除去工程
(a)中間層をEUVマスクの反射面上より除去する工程を採る場合
EUV光反射面上に残留している中間層であるエッチングストッパー13を、(NH4)2Ce(NO3)6「硝酸第2セリウムアンモニウム」+HClO4+H2Oによるウェットエッチングにより除去すると、EUV露光用反射型マスクが完成する。
【0049】
(b)中間層をEUVマスクの反射面上に残す工程を採る場合
「(3)中間層の成膜工程」にて記載したように、Crと、N、O、C、のいずれかより選ばれる少なくとも1つ以上の元素と、を含む中間層であるエッチングストッパー13は、 EUV領域の波長(13nm)の光に対して、吸収係数が0.05以下である、成膜時の表面粗さが十分に小さい、成膜後のエッチングストッパー膜の膜応力が小さい、という特性を有しているので、このままEUV光反射面上に残留しても充分に良好なEUV露光用反射型マスクを完成することが出来る。
但し、この場合は「(3)中間層の成膜工程」にて記載したように、できるだけ反射率の低下を抑えるため、より吸収係数の小さい材料を中間層とするのが好ましい。
この工程を採る場合、「(8)中間層の除去工程」を省略できるので、工数の観点から好ましい実施の形態である。
【0050】
(9)EUVマスクによる半導体基板上へのパターン転写。
ここで図3を参照しながら、EUVマスクによる半導体基板上へのパターン転写について説明する。
EUVマスクによる半導体基板上へのパターン転写装置は、レーザープラズマX線源31、EUVマスク32、縮小光学系33等から構成される。
レーザープラズマX線源31からえられたEUV光(軟X線)をEUVマスク32に入射し、ここで反射された光を縮小光学系33を通して例えばSiウエハ34上に転写する。
【0051】
縮小光学系33としてはX線反射ミラーを用いることができる、縮小光学系によりEUVマスク32で反射されたパターンは通常1/4程度に縮小される。
例えばSiウエハ34へのパターンの転写は、Siウエハ34上に形成させたレジスト層にパターンを露光しこれを現像することによって行うことができる。
露光波長として13〜14nmの波長帯を使用する場合には、通常光路が真空中になるように転写が行われる。13〜14nmの波長帯域における多層膜の材料として、この波長帯域にピーク波長を有するMo/Si多層膜を用いることができる。
このようにして本実施の形態で得られたEUVマスクを用いて、例えばSiウエハ上にパターンを形成することにより、例えば集積度の高いLSI、等の半導体装置を製造することができる。
【0052】
(実施例1)
図1を参照しながら本発明にかかる、EUVマスクブランク及びEUVマスク製造の実施例1を説明する。
尚、図1において実施例1の製造工程を実線で記載した。
ガラス基板11として、外形6インチ角、厚さが6.3mmの低膨張のSiO2−TiO2系のガラス基板を用いた。また、ガラス基板11は、機械研磨により、10μm角で0.12nmRmsの平滑な表面と、142mm角で100nm以下の平坦度を有している。
【0053】
多層膜12として、MoとSiを積層した。DCマグネトロンスパッタ法により、まずSiターゲットを用いて、Arガス圧0.1PaでSi膜を4.2nm成膜し、その後、Moターゲットを用いて、Arガス圧0.1PaでMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として、40周期積層した後、最後にSi膜を4nm成膜する。
ここで多層膜上の表面粗さは0.12nmRmsであった。
【0054】
次に、多層膜12上にCrターゲットを用いて、スパッタガスとして、Arに窒素を20%添加したガスを用いて、Cr1-XNX膜より構成されるエッチングストッパー13をDCマグネトロンスパッタ法によって、6nmの厚さに成膜し中間層とした。
成膜されたCr1-XNX膜において、xは0.25であり、13.4nmの波長での吸収係数は0.035であり、膜応力は100nm膜厚換算で+40MPaであり、表面粗さは0.23nmRmsであった。
【0055】
次に、Cr1-XNX膜より構成されるエッチングストッパー13の上に、EUV吸収体層14として、Ta及びBを含む膜をDCマグネトロンスパッタ法によって、0.1μmの厚さで成膜しEUVマスクブランクを得た。この際、スパッタ条件を制御することで前記EUV吸収体層14の有する応力は、+50MPaとした。
【0056】
次に、このEUVマスクブランクを用いて、デザインルールが0.07μmの16Gbit−DRAM用のパターンを有するEUVマスクを、次に記載する方法により作製した。
まず、前記EUVマスクブランク上にEBレジストをコートし、EB描画と現像によりレジストパターンを形成した。
このレジストパターンをマスクとして、EUV吸収体層14を塩素を用いてドライエッチングし、EUVマスクブランク上に吸収パターンを形成しEUVマスクを得た。その際、下地のCr1-XNX膜より構成された中間層であるエッチングストッパー13は、オーバーエッチングにより塩素プラズマに曝されて膜厚が減少し4nmとなった。
ここでエッチングストッパー13を除去することなく、波長13.4nm、入射角2°のEUV光により反射率を測定したところ、130mmエリア内で55%±0.5%と良好な反射特性を得た。
【0057】
上記で得られたEUVマスクの、吸収体層14のパターンのエッジラフネスは十分に小さく、図3に示す半導体基板上へのEUV光によるパターン転写装置を用いて露光転写をおこなった結果、十分な露光特性を有していることを確認した。EUVマスクの精度は70nmデザインルールの要求精度である16nm以下であることを確認した。
【0058】
(実施例2)
図1を参照しながら本発明にかかる、EUVマスクブランク及びEUVマスク製造の実施例2を説明する。
尚、図1において実施例2の製造工程を一点鎖線で記載した。
ガラス基板11として、外形6インチ角、厚さが6.3mmの低膨張のSiO2−TiO2系のガラス基板を用いた。また、ガラス基板11は、機械研磨により、0.12nmRmsの平滑な表面と100nm以下の平坦度を有している。
【0059】
多層膜12として、MoとSiを積層した。DCマグネトロンスパッタ法により、まずSiターゲットを用いて、Arガス圧0.1PaでSi膜を4.2nm成膜し、その後、Moターゲットを用いて、Arガス圧0.1PaでMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として、40周期積層した後、最後にSi膜を4nm成膜する。
ここで多層膜上の表面粗さは0.12nmRmsであった。
【0060】
次に、多層膜12上にCrターゲットを用いて、スパッタガスとして、Arに窒素を30%添加したガスを用いて、Cr1-XNX膜より構成された中間層であるエッチングストッパー13をDCマグネトロンスパッタ法によって、15nmの厚さに成膜した。
成膜されたCr1-XNX膜において、xは0.4であり、13.4nmの波長での吸収係数は0.033であり、膜応力は100nm膜厚換算で+30MPaであった。
またこのときCr1-XNX膜上の表面粗さは0.14nmRmsであった。
【0061】
次に、Cr1-XNX膜より構成されるエッチングストッパー13の上に、EUV吸収体層14として、Ta及びBを含む膜14をDCマグネトロンスパッタ法によって、100nmの厚さで成膜しEUVマスクブランクを得た。
このとき、TaB膜の応力は、100nm膜厚換算で+30MPaとした。
またこのときTaB膜上の表面粗さは0.18nmRmsであった。
【0062】
次に、このEUVマスクブランクを用いて、デザインルールが70nmの16Gbit−DRAM用のパターンを有するEUVマスクを、次に記載する方法により作製した。
まず、前記EUVマスクブランク上にEBレジストをコートし、EB描画によりレジストパターンを形成した。
このレジストパターンをマスクとして、EUV吸収体層14を塩素を用いてドライエッチングし、EUVマスクブランク上に吸収パターンを形成し、さらにCr1-XNX膜はウエットエッチングにより除去してEUVマスクを得た。得られたEUVマスクに対し、波長13.4nm、入射角2°のEUV光により反射率を測定したところ、65%と良好な反射特性を有していた。
このEUVマスクの吸収体層14のパターンのエッジラフネスは十分に小さく、図3に示す半導体基板上へのEUV光によるパターン転写装置を用いて露光転写をおこなった結果、十分な露光均一性を有していることを確認した。
またEUVマスクの精度は70nmデザインルールの要求精度である16nm以下であることも確認できた。
【0063】
(実施例3)
エッチングストッパー13としてCr1-XCX膜(x=0.2)を用いた他は、実施例1と同様にしてEUVマスクブランク及びEUVマスクを製造し実施例3とした。
但し、中間層の成膜はDCマグネトロンスパッタ法により、雰囲気はAr90%+メタンガス10%とし、膜厚は50nmとした。
その結果、成膜された中間層の波長13.4nmの光に対する吸収係数は0.034であった
また、中間層の有する応力は100nm膜厚換算で+20MPaであり、中間層上の表面粗さは0.25nmRmsであった。
エッチング後のエッチングストッパー13は、吸収体パターン形成時のオーバーエッチングで膜厚が減少し、40nmとなった。
ここでエッチングストッパー13を除去することなく、波長13.4nm、入射角2°のEUV光の反射率を測定したところ130mmエリア内で57±0.5%と良好な反射特性を得ることが出来た。
【0064】
(実施例4)
実施例2と同様に、ガラス基板11上にMoとSiとからなる多層膜12を成膜した。
次に、この多層膜12上へCrターゲットを用い、スパッタガスとしてArに窒素を30%添加したガスを用い、Cr1-XNX膜より構成された中間層であるエッチングストッパー13をマグネトロンスパッタ法によって、40nmの厚さに成膜した。このとき、xは0.08であった。
また、このCr1-XNX膜の波長13.4nmの光に対する吸収係数は0.036であり、中間層上の表面粗さは0.28nmRmsであった。
【0065】
次に、上記Cr1-XNX膜より構成されるエッチングストッパー13の上に、吸収体層14として、Ta及びBを含む膜をDCマグネトロンスパッタ法によって、55nmの厚さで成膜した。ここで、中間層と吸収体層の合計膜厚は95nmであった。またTaB膜中のBの組成比は15at%であり、TaB膜上の表面粗さは0.3nmRmsであった。さらに、このTaB膜の波長13.4nmのEUV光に対する吸収係数は0.039であった。
以上のようにして、本実施例のEUVマスクブランクを得た。
【0066】
このEUVマスクブランクを用いて、デザインルールが70nmの16bit−DRAM用のパターンを有するEUVマスクを以下のように作製した。
まず、前記EUVマスクブランク上にEBレジストをコートし、EB描画によりレジストパターンを形成した。
このレジストパターンをマスクとし、塩素ガスを用いて吸収体層14をドライエッチングして吸収パターンを形成した。そして吸収体層14上に残ったレジストを熱濃硫酸で除去し、さらにマスク反射領域上のCr1-XNX膜を塩素ガスと酸素ガスとのドライエッチングにより除去してEUVマスクを得た。
【0067】
得られたEUVマスクに対し、波長13.4nm、入射角2°のEUV光に対する反射率を測定したところ65%と良好な反射率を示した。
さらに、得られたEUVマスクは、吸収体層14のエッジラフネスが十分小さいことに加え、吸収体層と中間層との合計膜厚すなわち吸収パターンの高さを95nmと小さくすることができた。この結果、露光時におけるパターンのぼやけの問題が低減でき、図3に示す半導体基板上へのパターン転写において、良好な露光特性を有していることを確認した。また、得られたEUVマスクの精度は、70nmデザインルールの要求精度である16nmを満足するものであった。
【0068】
(比較例)
図1を参照しながら本発明にかかる、EUVマスクブランク及びEUVマスク製造の比較例を説明する。
尚、図1において比較例の製造工程を点線で記載した。
ガラス基板11として、外形6インチ角、厚さが6.3mmの低膨張のSiO2−TiO2系のガラス基板を用いた。また、ガラス基板11は、機械研磨により、0.12nmRmsの平滑な表面と100nm以下の平坦度を有している。
【0069】
多層膜12として、MoとSiを積層した。DCマグネトロンスパッタ法により、まずSiターゲットを用いて、Arガス圧0.1PaでSi膜を4.2nm成膜し、その後、Moターゲットを用いて、Arガス圧0.1PaでMo膜を2.8nm成膜し、これを1周期として、40周期積層した後、最後にSi膜を4nm成膜する。
ここで多層膜上の表面粗さは0.12nmRmsであった。
【0070】
次に、多層膜12上にCrターゲットを用いて、スパッタガスとして、Arガスを用いて、エッチングストッパー13としてCr膜をDCマグネトロンスパッタ法によって、15nmの厚さに成膜した。
このとき、Cr膜の13.4nmの波長での吸収係数は0.039であり、膜応力は100nm膜厚換算で+500MPaと高い引っ張り応力を示した。
またこのときCr膜上の表面粗さは0.29nmRmsであった。
【0071】
次に、エッチングストッパー13の上に、EUV吸収体層14として、Ta及びBを含む膜14をDCマグネトロンスパッタ法によって、100nmの厚さで成膜しEUVマスクブランクを得た。
このとき、EUV吸収体層14の応力は、100nm膜厚換算で+40MPaとした。
またこのとき、EUV吸収体層14上の表面粗さは0.45nmRmsであった。
【0072】
次に、このEUVマスクブランクを用いて、デザインルールが70nmの16Gbit−DRAM用のパターンを有するEUVマスクを、次に記載する方法により作製した。
まず、前記EUVマスクブランク上にEBレジストをコートし、EB描画によりレジストパターンを形成した。
このレジストパターンをマスクとして、EUV吸収体層14を塩素を用いてドライエッチングし、EUVマスクブランク上に吸収パターンを形成し、さらにCr膜はウエットエッチングにより除去してEUVマスクを得た。得られたEUVマスクに対し、波長13.4nm、入射角2°のEUV光により反射率を測定したところ、Cr膜の除去効果により65%の反射特性を有していた。
一方、このEUVマスクの位置精度は、前記Cr膜の高い応力に起因して25nmと大きな歪みを生じた。
さらに加えてCr膜の表面粗さに起因したEUV吸収体層14の粗い表面によりエッジラフネスが大きくなった。このため、図3に示す半導体基板上へのEUV光によるパターン転写装置を用いて露光転写をおこなった結果、比較例で製造されたEUVマスクでは十分な露光特性は得られないことが判明した。
【0073】
【発明の効果】
EUVマスク等の製造工程において、高精度なパターン形成を可能とするEUVマスク等を製造するため、中間層としてCrと、N、O、C、のいずれかより選ばれる少なくとも1つ以上の元素と、を含む材料を用いることで、高精度および高反射率を有するEUVマスク等が製造可能となり、このEUVマスクを用いて半導体基板上にパターンを転写することを特徴とする、半導体の製造方法の提供を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るEUVマスクの製造フロー図である。
【図2】従来の技術1に係るEUVマスクの製造フロー図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る半導体基板上へのEUV光によるパターン転写装置の概念図である。
【符号の説明】
11.ガラス基板
12.多層膜
13.エッチングストッパー
14.吸収体層
23.エッチングストッパー
31.レーザープラズマX線源
32.EUVマスク
33.縮小光学系
34.半導体ウエハ
Claims (3)
- 基板上にEUV光を反射する多層膜を有し、前記多層膜上に中間層を有し、前記中間層上にEUV光を吸収する吸収体層を有するEUV露光用反射型マスクブランクであって、
前記基板の表面粗さが0.2nmRms以下であり、
前記中間層がCr 1−X N X (0.05≦X≦0.5)で構成されていることを特徴とするEUV露光用反射型マスクブランク。 - 請求項1記載のEUV露光用反射型マスクブランクにおける前記吸収体層をパターンニングして吸収パターンが形成されていることを特徴とするEUV露光用反射型マスク。
- 請求項2記載のEUV露光用反射型マスクを用いて、半導体基板上にパターンを転写することを特徴とする半導体の製造方法。
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