JP3989367B2 - 露光用反射型マスクブランク、その製造方法及び露光用反射型マスク - Google Patents

露光用反射型マスクブランク、その製造方法及び露光用反射型マスク Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体のパターン転写等に用いられる露光用反射型マスクブランク、その製造方法及び反射型マスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体産業において、Si基板等に微細なパターンからなる集積回路を形成する上で必要な微細パターンの転写技術として、可視光や紫外光を用いたフォトリソグラフィー法が用いられてきた。しかし、半導体デバイスの微細化が加速している一方で、従来の光露光の短波長化は露光限界に近づいてきた。
【0003】
そして、光露光の場合、パターンの解像限界は露光波長の1/2と言われ、F2レーザー(157nm)を用いても、70nm程度が限界と予想される。そこで70nm以降の露光技術として、F2レーザーよりもさらに短波長のEUV(Extreme Ultra Violet)光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィーが有望視されている。なお、ここで、EUV光とは、軟X線領域又は真空紫外線領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。
【0004】
EUVリソグラフィーにおいては、EUV光に対するあらゆる物質の吸収が大きく、又屈折率が1に近いため、光露光のような屈折光学系が使用できず、すべて反射光学系を用いる。その際用いられるマスクとして、特開平8−213303号公報に開示されたような反射型マスクが提案されている。
【0005】
このような反射型マスクは、基板上に光を反射する多層反射膜が形成され、多層反射膜上に中間層が形成され、さらに中間層上に光を吸収する吸収膜がパターン状に形成されたものである。反射型マスクに入射した光は、吸収膜のある部分では吸収され、吸収膜のない多層反射膜により反射された像が反射光学系を通してウエハ上に転写される。ここで、中間層は、マスクの製造工程において、ドライエッチング等を用いて吸収膜のパターンを形成する際に、多層反射膜を保護するために形成されるものである。中間層の材料としては、Cr等の吸収膜とのエッチング選択比が良く、入手や扱いが容易であるとの理由によりSiO2がよく用いられている。マスクの反射領域上(吸収膜のパターンが形成されない部分)に形成された中間層は、露光光の反射率を上げるために通常、吸収膜のパターン形成後に完全に除去される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したSiO2のような材料で中間層を形成した場合、中間層の内部応力の制御が困難なため残存応力が発生し、これによって多層反射膜にゆがみ、反り等の変形等が生じ、結果として反射特性が低下してしまうという問題があった。又、上述したSiO2は、表面粗さが大きいため、その上に形成される吸収膜の表面が荒れてしまい、結果として、吸収膜のパターンエッジラフネスが大きくなり、パターン寸法精度が悪くなるという問題があった。
【0007】
本発明は上述の課題を解決するために案出されたものであり中間層に膜応力制御が容易な材料を採用することにより、反射型マスクの変形に起因する転写精度の劣化を防止することにある。さらに他の目的は、高い平滑性と平坦性を有する中間層を採用することにより、パターン寸法精度の低下を防止することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、中間層として新規な膜材料であるTaを主要な金属元素とする材料を使用することで、上記目的が達成できることを見出した。
第一発明は、
基板と、該基板上に順次形成された、露光光を反射する多層反射膜と、露光光を選択的に吸収する吸収膜とを備え、前記多層反射膜と吸収膜との間に吸収膜のエッチング環境に耐性を有する中間層を形成した露光用反射型マスクブランクであって、
前記中間層は、Taを主要な金属元素として含む材料であることを特徴とする露光用反射型マスクブランクである。
第二発明は、
前記中間層が、金属成分はTaとBを含む材料であることを特徴とする第一発明に記載の露光用反射型マスクブランクである。
第三発明は、
中間層が、アモルファス又は微細結晶であることを特徴とする第一又は第二発明に記載の露光用反射型マスクブランクである。
第四発明は、
前記吸収膜が、Crを主要な金属成分とする材料であることを特徴とする第一乃至第三発明の何れかに記載の露光用反射型マスクブランクである。
第五発明は、
前記吸収膜が、CrとN、O、Cより選ばれる少なくとも一つ以上の元素とを含む材料であることを特徴とする第四発明に記載の露光用反射型マスクブランクである。
第六発明は
第一乃至第五発明に記載された露光用反射型マスクブランクの光吸収膜に転写パターンを形成したことを特徴とする露光用反射型マスクである。
第七発明は、
基板上に光を反射する多層反射膜と、光を吸収する吸収膜とを順次形成し、前記多層反射膜と吸収膜との間に吸収膜のエッチング環境に耐性を有する中間膜を形成する露光用反射型マスクブランクの製造方法であって、
前記中間層は、Taを主要な金属元素とする材料を使用し、成膜の際、予め最終的に作成する露光用反射型マスクの応力分布を求め、該マスクの変形を抑制するように膜応力を制御することを特徴とする露光用反射型マスクブランクの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の反射型マスクブランク及び反射型マスクの実施の形態について説明する。本発明の反射型マスクブランクは、基板上に、多層反射膜が形成されている。又、多層反射膜上にTaを主要な金属元素とする材料からなる中間層、中間層上に吸収膜が形成されている。本発明の反射型マスクブランクは、基板上に多層反射膜,中間層,吸収膜を順次スパッタリング法等で成膜することで製作できる。
【0010】
(基板)
基板としては、露光時の熱によるパターンのひずみを防止するため、0±1.0×10-7/℃の範囲内、より好ましくは0±0.3×10-7/℃の範囲内の低熱膨張係数を有するものが好ましい。、この範囲の低熱膨張係数を有する素材としては、アモルファスガラス、セラミック、金属の何れでも使用できる。例えばアモルファスガラスであればSiO2−TiO2系ガラス、石英ガラス、結晶化ガラスであればβ石英固溶体を析出した結晶化ガラス、を用いることができる。金属としては、インバー合金(Fe−Ni系合金)等を用いることができる。又、基板は、高い反射率及び転写精度を得るために、高い平滑性と平坦性を備えた基板が好ましい。特に、0.2nmRms以下の平滑性(10μm角エリアでの平滑性)、100nm以下の平坦度(142mm角エリアでの平坦度)を有していることが好ましい。
【0011】
また、基板は、その上に形成される膜の膜応力による変形を防止するために、高い剛性を有しているものが好ましい。特に、65GPa以上の高いヤング率を有しているものが好ましい。なお、本発明において平滑性を示す単位Rmsは、二乗平均平方根粗さであり、原子間力顕微鏡で測定することができる。又本発明における平坦度は、TIR(total indicated reading)で示される表面の反り(変形量)を示す値である。これは、基板表面を元に最小二乗法で定められる平面を焦平面としたとき、この焦平面より上にある基板表面の最も高い位置と、焦平面より下にある最も低い位置の高低差の絶対値である。
【0012】
(多層反射膜)
次に、本発明の多層反射膜は、屈折率の異なる物質を周期的に積層させた構造をしており、特定の波長の光を反射することができる。例えば、約13nmの波長の露光光に対しては、MoとSiを交互に40周期程度積層された多層反射膜を用いることができる。
【0013】
例えば、EUV光の領域で使用される多層反射膜の例としては、Ru/Si周期多層反射膜、Mo/Be周期多層反射膜、Mo化合物/Si化合物周期多層反射膜、Si/Nb周期多層反射膜、Si/Mo/Ru周期多層反射膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層反射膜及びSi/Ru/Mo/Ru多層反射膜等が挙げられる。多層反射膜の材料は使用する光の波長に応じて、適宜選択すればよい。
【0014】
多層反射膜は、基板上に例えば、DCマグネトロンスパッタ法により形成できる。例えばMoとSiを含む場合、Arガス雰囲気下で、SiターゲットとMoターゲットを交互に用いて、30〜60周期、好ましくは40周期積層し、最後にSi膜を成膜すればよい。他の成膜方法としては、IBD(イオン・ビーム・デポディション)法等が使用できる。
【0015】
(中間層)
本発明の中間層は、吸収膜を選択的にエッチングする際使用するエッチャントに対して耐性を有する、Taを主要な金属元素を含む材料で構成される。ここで、Taを主要な金属元素とは、成分中の金属元素のうち、もっとも組成比の大きい金属がTaであるという意味である。本発明の中間層に用いられるTaを主要な金属元素とする材料は、Ta単体の金属またはTa合金である。Taを主要な金属元素とする材料は、内部応力の制御が容易であり、又表面の平滑性・平坦性に優れている。
【0016】
このようにTaを主要な金属元素とする材料を中間層の材料とすることにより、多層反射膜表面にゆがみ等を生じず、平滑性、平坦性に優れた反射特性の低下を抑えた反射型マスク及びそれを得るための反射型マスクブランクを得ることができる。そして、これらの作用効果は、アモルファス状または微結晶の構造にすることによって、より優れたものになる。この種のアモルファス材料や微結晶構造にするには、例えばTaにBやSi,Ge等を加えることにより容易に実現できる。このようなアモルファス状または微結晶の構造にした場合、0.2nmRms以下の平滑性を得ることができる。
【0017】
特に好ましいのは、TaとBを含む材料である。この材料の場合、TaとBの比率は原子数比で、Ta/Bが8.5/1.5〜7.5/2.5に選定することにより、微結晶あるいはアモルファス構造を得ることができる。特にBを25%含んだTa4Bは容易にアモルファス構造にすることができるので良好な平滑性と平坦性が得られる。Ta4Bの波長13.4nmの光に対する吸収係数は0.038である。
【0018】
Taを主要な金属元素として含む材料としては、上述の金属成分以外に種々の特性を付与するために、金属元素以外に酸素及び/又は窒素を含有させることができる。例えば、TaとNを含む材料、TaとBとOを含む材料、TaとBとNを含む材料、TaとBとNとOを含む材料、TaとSiを含む材料、TaとSiとNを含む材料、TaとGeを含む材料、TaとGeとNを含む材料等が挙げられる。例えば、TaにNやOを加えれば、酸化に対する耐性が向上するため、経時的な安定性を向上させることができるという効果が得られる。
【0019】
この種の材料の中では、TaとBとNを含む材料が応力制御の観点から好ましい材料である。この材料の場合Nが5〜30at%であり、残りの成分を100とした時、Bが10〜30at%となるように選定すれば、アモルファス構造又は微小結晶を容易に得ることができる。例えば、Taを主成分とし、Bを15at%,Nを10at%にすると、アモルファス構造の材料を得ることができる。この材料の波長13.4nmの露光光に対する吸収係数は0.036である。そして、Nを含有しているので、耐酸化性が向上する。
【0020】
本発明の中間層は、マスクの反射領域(吸収体層のパターンが形成されない部分)上に残存させても完全に除去しても良い。残す場合には、露光光が中間層を通過することになるため、反射率の低下を抑えるために、中間層を形成する材料の吸収係数はできるだけ小さくしたほうが良いが、逆に、マスクの反射領域上の中間層を除去できる場合には、比較的吸収係数が大きい材料を採用でき、吸収係数以外の他の優れた特性の材料を使用することができるので、材料選択の幅が広くなる。
【0021】
本発明の中間膜には、吸収特性が優れているので下記の利点もある。反射型マスクでは、通常、露光光はマスクに対して垂直に入射されるのではなく、数度の入射角で入射される。そのため、マスクのパターンの厚みが大きいと、そのエッジ部分でパターン自身の影が生じ、パターンの寸法精度が悪くなったり、反射される像にぼやけが生じてしまうという問題がある。このため、パターン自身の厚さをできるだけ薄くするのが好ましい。マスクの吸収パターン領域は、吸収体層と中間層の積層構造となっているので、吸収体層と中間層の合計膜厚を小さくできれば良いことになる。
【0022】
このためには、吸収体層のみで露光光の吸収を行わせるというのではなく、中間層にも露光光の吸収機能を担わせることによって、吸収体層と中間層の全体で十分な露光光の吸収を行わせるという思想に基づいて中間層及び吸収体層の膜厚の設計をすればよい。この時、中間層に吸収係数の比較的大きな材料を使用すれば、中間層の膜厚は薄くて良いことになり、また、中間層を同じ膜厚とする場合においても、中間層での吸収能力が上がるため、吸収体層を薄くできる。結果として、中間層と吸収体層の合計膜厚を小さくでき、パターンの影の問題を低減することができる。中間層と吸収体層の合計膜厚は100nm以下とするのが好ましい。
【0023】
このような観点から、吸収体層以外の中間層を後で除去する場合には、中間層の露光波長に対する吸収係数は、0.025以上、さらに好ましくは0.030〜0.041であるのが好ましい。Ta単体の波長13.4nmの光に対する光の吸収係数は、0.041である。露光波長に対する吸収係数が高いほど、中間層を薄くすることができ、前述したパターン自身の影が生じる問題を解消できる。なお、本発明の中間層は、例えば、CrN吸収膜を50nmとした場合、膜厚を50nm以下とすることが可能である。
【0024】
逆に、中間層をマスクの反射領域上に残す場合には、反射率の低下を押さえるため、中間層の膜厚はエッチングストッパとして必要な厚さを確保した上で、できるだけ薄くするほうが良い。好ましくは、10nm以下、さらに好ましくは5nm以下とするのが良い。
【0025】
Taを主要な金属元素として含有する膜を製作するのは、スパッタ法で形成するのが好ましい。スパッタ法で形成した場合には、スパッタターゲットに投入するパワーや成膜圧力を変化させることにより、容易に内部応力を制御できる。この内部応力の制御は、反射型マスクブランクの吸収膜を選択的にエッチングして製作する反射型マスクにした状態での、基板、吸収体膜パターン、多層反射膜、中間層の各要素の応力の合力がマスクに変形を与えない状態で均衡するように実行される。スパッタの他の利点としては、室温程度の低温での形成が可能であるので、多層反射膜等への熱の影響を低減できる。
【0026】
(中間層の内部応力制御)
反射型マスクの種々の膜及び基板の応力の合力が、反射型マスクの変形の原因になる。各種の膜及び基板は、材料の種類、膜厚、板厚等によって最終マスクにおいてどのような応力を有するかは、実験、シュミレーション等によって予め求めることができる。本発明の中間層は内部応力の制御が容易なので、他の膜、基板の応力の状態を予め求めておけば、容易に中間層の内部応力の制御によって、最終製品たるマスクの状態で変形を抑制した合成応力を形成することができる。
【0027】
最初に、中間層だけがマスクの変形の原因となっている場合の内部応力の制御について詳述する。例えばTaとBを含む膜の場合、スパッタターゲットとして、タンタルとホウ素含むターゲットを用いるか、タンタル単体のターゲットを用い、スパッタガスにホウ素原子を含むガス(例えばジボラン等)を混合する反応性スパッタを用いてもよい。例えば、Ta4B膜の場合、ターゲットへの投入パワーを上げることで、内部応力は、圧縮となり、投入パワーを下げると、内部応力は、引っ張りとなる傾向にある。投入パワーの制御はきわめて精密な制御が可能であり、投入パワーを正確に設定することにより、得られる膜の内部応力をほぼ0にすることもできる。この結果、最終製品のマスクは膜応力による変形を防止できる。
【0028】
次に、中間層以外の膜にマスクの変形の原因となる応力が発生する場合の中間層の内部応力の制御について説明する。例えば、この種の内部応力が吸収体層に発生する場合、中間層の応力を、中間層上に形成される吸収膜の有する応力を相殺するような値に制御すればよい。つまり、中間層の膜応力と吸収体層の膜応力を打ち消すように合成する事で、両者の膜応力が互いに相殺され、多層膜上に形成される中間層及び吸収体層の膜応力を全体として抑制できる。このように、反射多層膜上のパターンを形成している層の膜応力を調整して、その合力が、全体としてほぼ0となるようにすれば、転写パターンの位置精度を高精度に保つ事が可能になる。
【0029】
中間層と吸収体層の膜応力を全体としてほぼ0とする場合には、中間層の膜応力を吸収膜の有する膜応力と向きが反対で大きさが同じ膜応力とすればよい。膜の有する応力は、単位膜厚あたりの内部応力と膜厚の積で決まるため、これらを調整することで、所望の膜応力を得ることができる。
【0030】
例えば、吸収膜として引っ張り応力を有するCrを主要な金属とする材料(例えばCrとNを含む膜等)を用いた場合には、Taを主要な金属元素として含有する中間膜(例えばTaとBを含む膜等)には圧縮応力を持たせることにより、全体として、応力を0にすることが可能である。このようにすれば、各層の材料自身の膜応力を0とする必要なしに、多層反射膜のゆがみ、反り等を有効に防ぎ、パターンの位置精度を高精度に保つことができる。
【0031】
本発明の吸収膜は、露光光を吸収する材料で形成される。この種の材料としてはCr,Ti,W等を主成分とする材料が挙げられる。この種の吸収膜は、例えばDCマグネトロンスパッタ法等のスパッタ法により形成できる。又、中間層であるTaを主要な金属元素として含有する膜とのエッチング選択比が大きいものが好ましく、この点から、吸収膜の材料としては、Crを主要な金属とする材料が好適である。吸収膜をCrを主要な金属とする材料とすることにより、Taを主要な金属元素とする材料からなる中間層と吸収膜のエッチング選択比を十分大きくすることができ、中間層の厚さを更に薄くすることができる。
【0032】
中間層の厚さを薄くすることができるので、露光時のパターン自身の影の問題を解消させることができる。又マスク形成時にマスクの反射領域上に残った中間層を除去する場合においても、オーバーエッチングの量を少なくすることができ、多層反射膜がエッチングにされる時間を短縮して多層反射膜へのダメージを最小限に抑えることができる。
【0033】
(中間層の下地層)
上述したように、本発明の反射領域上の中間層は完全に除去してもいいが、この場合、中間層と反射多層膜の間に、中間層のエッチング環境に耐性を有する下地層をエッチング停止層として設けてもよい。下地層を設ける事により、中間層の除去を反射多層膜にダメージを与えずに行う事が可能になる。
【0034】
下地層としては、本発明のTaを主要な金属元素とする中間層とのエッチング選択比が大きく、(好ましくは10以上)、低応力でマスク洗浄に用いられる薬液に耐性を有する材料が用いられる。このような材料としては、Crを主要な金属元素とする材料があげられる。Cr単体やCrとN,O,Cから選ばれる少なくとも一つ以上の元素を含む材料が好ましく、具体的には、前述した本発明の吸収膜に用いられる材料と同じ材料が使用できる。
【0035】
Crを主要な金属元素とする材料は又、容易にCr剥離液でウエットエッチングによる除去ができるため、後述する下地層の除去において反射多層膜に全くダメージを与えずに除去できる点や、反射多層膜の再利用の際に、反射多層膜上のパターンを容易に剥離できるという利点も有する。マスクの反射領域上の下地層は、最終的に反射型マスクとする際、反射多層膜上に残しても良いし、吸収膜及び中間層のパターンに従って除去しても良い。
【0036】
反射多層膜上に下地層を残す場合には、反射率の低下を抑えるため、下地層は中間層のエッチングに対する耐性を確保できる範囲で、できるだけ薄く形成するのが良い。この場合、下地層の好ましい膜厚は、1nm〜5nm程度である。又、この場合、下地層の吸収係数は反射率低下を抑えるため、0.038以下とするのが好ましい。このように下地層を反射多層膜上に残す事により、マスク洗浄時における反射多層膜の保護膜としても機能する。
【0037】
一方、下地層を吸収膜及び中間層のパターンに従って除去する場合には、必要なエッチング耐性及びパターン精度を確保するという点から、下地層の好ましい膜厚は1〜10nmである。又、この場合には、下地層の吸収係数は、前述したパターン自身の影の問題のため、0.030以上とするのが好ましい。又、この場合、下地層の膜応力、中間層の膜応力、吸収膜の膜応力が互いに相殺され、全体としてほぼ0になるように、各層の膜応力を設計する事により、マスクの変形を防止し、パターンの位置精度を高精度に保つことができる。
【0038】
下地層の除去はウエットエッチング又はドライエッチングで行う事ができる。ウエットエッチングを用いれば、反射多層膜に全くダメージを与えずに下地層の除去が行える。又、ドライエッチングで除去する場合においても、薄い下地層を除去すればよいのでエッチング時間が少なくてすみ、下地層なしに直接厚い中間層を除去する場合に比較して、反射多層膜に与えるダメージを少なくできる。
【0039】
このように、下地層を除去する場合においても、多層反射膜にダメージをほとんど与えずに、反射率の低下を最小限にした反射型マスクを得る事ができる。
又、本発明の反射型マスクブランク及び反射型マスクブランクは、前述したEUV 光(波長0.2〜100nm程度)を露光光として想定しているものであるが、他波長の光に対しても適宜用いることができる。本発明の吸収膜に用いられる材料の例としては、Cr単体のほかに、CrとN、O、Cから選ばれる少なくとも1つ以上の元素を含む材料が挙げられる。例えば、Cr1-XX(好ましくは0.05≦X≦0.5),Cr1-XX(好ましくは0.05≦X≦0.6),Cr1-XX(好ましくは0.05≦X≦0.4),Cr1-X-YXY(好ましくは0.05≦X≦0.45,0.01≦Y≦0.3),Cr1-X-Y-ZXYZ(好ましくは0.05≦X≦0.40,0.02≦Y≦0.3,0.01≦Z≦0.2)等が挙げられる。
【0040】
(中間層と吸収膜の組み合わせ)
本発明において、好ましい吸収膜と中間層の組み合わせは、CrとOとNを含む吸収膜と、TaとBとNを含む中間層である。吸収膜の選択にあたっては、Taを主要な金属元素とする中間層とのエッチング選択比は5以上、好ましくは10以上さらに好ましくは20以上になるようにするのが中間層を薄く形成する観点から好ましい。本発明の吸収膜の膜厚は 通常50nm程度形成される。又、吸収膜と中間層の合計膜厚は、パターン自身の影の問題を防止するため100nm以下となるようにするのが良い。
【0041】
(反射型マスクの製造方法)
次に、本発明の反射型マスクについて説明する。本発明の反射型マスクは、上述した反射型マスクブランクの吸収膜にパターンを形成することで製造できる。パターン形成は、反射型マスクブランク上にEBレジスト層を形成し、EB描画によりレジストパターンを形成し、このパターンをマスクとして、吸収膜をドライエッチング等の方法でエッチングする。吸収膜がCrを主要な金属とする材料の場合、中間層を多層反射膜の保護層として、例えば、塩素+酸素を用いたドライエッチングでパターン形成することができる。
【0042】
次に、マスクの反射領域上の中間層を除去する場合には、光の反射領域上のTaを主要な金属元素とする中間層を塩素を用いたドライエッチングで除去することができる。マスクの反射領域上の中間層は必ずしも除去する必要はない。その場合、マスクの反射領域(吸収膜のパターンがない領域)にも中間層が残った状態で反射型マスクとして使用される。吸収膜のパターン形成後、吸収体パターン上に残ったレジスト層を除去して、本発明の反射型マスクが得られる。
【0043】
以上のように、中間層として、応力の制御が容易にでき、光に対する吸収係数が高く、又、表面の平滑性に優れたTaを主要な金属元素を含む材料を用いることにより、多層反射膜のゆがみや反りを防止することができる。又、中間層を十分薄くすることでパターン自身の影によるコントラスト・位置精度の低下を生じることがなく、さらには、吸収膜の表面のエッジラフネスを増加することなく高精度のパターン転写が可能な反射型マスク及び、それを製造するための反射型マスクブランクが得られる。
【0044】
【実施例】
以下、図1ないし図5に基づき本発明の実施例を詳細に説明する。なお、図1は本発明の実施例に係る反射型マスクブランクの断面図、図2及び図3はそれぞれ本発明の他の実施例にかかる反射型マスクの断面図、図5は本発明の反射型マスクを使用した露光方法を示す図である。
【0045】
(実施例1)
図1において、本実施例の基板1はSiO2−TiO2系のガラス基板(外形6インチ角、厚さが6.3mm)である。この基板の熱膨張率は0.2×10-7/℃、ヤング率は67GPaである。そして、ガラス基板は機械研磨により、0.12nmRmsの平滑な表面と100nm以下の平坦度に形成した。
【0046】
次に、多層反射膜2は、13〜14nmの露光光波長帯域に適した多層反射膜を形成するために、本例ではMo/Si周期多層反射膜を採用した。多層反射膜2は、Mo膜とSi膜を交互に積層した多層反射膜(合計膜厚284nm)であり波長13.4nm、入射角2度の露光光に対する反射率は65%である。この多層反射膜2は、MoとSiをDCマグネトロンスパッタ法により基板上に交互に積層した。Siターゲットを用いて、Arガス圧0.1PaでSi膜を4.2nm成膜し、その後Moターゲットを用いて、Arガス圧0.1PaでMo膜を2.8nm成膜し、これを一周期として、40積層した後、最後にSi膜を4nm成膜した。
【0047】
多層反射膜2上に形成された中間層3は、Ta4Bから構成され、膜厚は3nmである。この中間層3は、Ta4B焼結体をターゲットにしてDCマグネトロンスパッタ法により、成膜した。成膜に先立ち予め膜応力とターゲットへの投入パワーとの関係を求め、膜応力が実質的に0になるターゲットの投入パワーを決定した(2kW)。成膜は、スパッタガスとしてArガスを用い、スパッタガス圧力0.2Pa,ターゲットへの投入パワーは2kW、堆積開始温度は22℃として行なった。このようにして形成された中間層3は、ターゲットとほぼ同じ組成比であり、結晶状態はアモルファスであることをX線回折法にて確認した。
【0048】
中間層3の表面粗さは、0.15nmRmsであった。又、中間層の波長13.4nmの光に対する吸収係数は0.037であった。中間層3上に形成された吸収膜4はCrNから構成され膜厚は90nmである。吸収膜4は、Crターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により成膜した。この際、予め、実験で中間層3以外の膜、基板の合成応力が変形の原因にならないことを確認したので、中間層3の内部応力をほぼ0になるように制御した。又、予め、内部応力とガス圧力との相関関係を求めておいた。
【0049】
スパッタガスは、Arに窒素を20%添加したガスを用い、スパッタガス圧力は0.3Paとした。成膜した膜は、Cr1-XXにおいて、Xが0.1であり、結晶状態は微結晶であることをX線回折法にて確認した。又、レーザー干渉計で基板の反りを測定することにより求めた膜応力は、ほぼ0であった。又、吸収膜4の表面粗さは0.2nmRmsであった。中間層3と吸収膜4の合計膜厚は53nmであった。このようにして、本実施例の反射型マスクブランク10を得た。
【0050】
次に、上述の反射型マスクブランクから図3に示す反射型マスク20を製作する方法を説明する。この反射型マスク20はデザインルールが0.07μmの16Gbit−DRAM用のパターンを有している。まず、前記反射型マスクブランク10の吸収膜4上に電子線照射用レジストを塗布し、電子線により描画を行って現像し、レジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとして、塩素+酸素ガスを用いて吸収膜をドライエッチングし、吸収膜4にパターンを形成した。ドライエッチングの条件は、ガス圧0.5Pa,基板温度20℃、RFバイアス5Wとした。
【0051】
中間層であるTa4B膜はオーバーエッチングによりエッチングガスにさらされたが、膜厚の減少は1nm程度であり実質的に残存している。又、エッチング後のTa4B膜の表面粗さは、0.16nmRmsであった。次に、吸収膜パターン上に残ったレジストパターンを100℃の熱硫酸で除去し、これにより、図3に示す構造の反射型マスク20を得た。この反射型マスク20を用い、波長13.4nm、入射角2°のEUV光により反射率を反射率計で測定したところ、反射率は62%であった。
【0052】
次に図5を参照して、反射型マスク20を用いてレジスト付き半導体基板34にEUV光によってパターンを転写する方法を説明する。反射型マスクを搭載したパターン転写装置50は、レーザープラズマX線源31,反射型マスク20,縮小光学系33等から概略構成される。縮小光学系33は、X線反射ミラーを用た。縮小光学系33により、反射型マスク20で反射されたパターンは通常1/4程度に縮小される。尚、露光波長として13〜14nmの波長帯を使用するので、光路が真空中になるように予め設定した。
【0053】
このような状態で、レーザープラズマX線源31から得られたEUV光を反射型マスク20に入射し、ここで反射された光を縮小光学系33を通してSiウエハ34上に転写する。反射型マスク32に入射した光は、吸収膜のパターンのある部分では、吸収膜に吸収されて反射されず、一方、吸収膜のない部分に入射した光は多層反射膜により反射される。このようにして、反射型マスク20から反射される光により形成される像が縮小光学系33に入射する。この様にして、Siウエハ34上のレジスト層にパターンを露光し、これを現像することによってレジストパターンを形成した。このようにして半導体基板上へのパターン転写を行ったところ、反射型マスクの精度は70nmデザインルールの要求精度である16nm以下であることが確認できた。
【0054】
(実施例2)
図2に示す本実施例の反射型マスク30は、中間層も吸収膜のパターンに従って、除去する点が上述の実施例1との基本的な相違点である。他の相違点としてはTa4B中間層を50nmの厚さとした点、CrN吸収膜を50nmの厚さとした点、Ta4B中間層及び、CrN吸収膜の内部応力をそれぞれ100nm膜厚換算で−100MPa,+100MPaとした点である。それ以外は、実施例1と同様して反射型マスクブランクを製作した。
【0055】
次に、前記反射型マスクブランクから図2に示す反射型マスク30を製作するが、実施例1とは異なり反射領域上の中間層を吸収膜パターンに従って、塩素によるドライエッチングによって除去し、中間膜パターン6を形成し、図2に示す反射型マスクを得た。ドライエッチングの条件は、ガス圧0.1Pa,基板温度20℃、RFバイアス50Wとした。
【0056】
この反射型マスク30を用い、波長13.4nm、入射角2°のEUV光により反射率を測定したところ、反射率は63%であった。又、実施例1と同様、図5に示す転写装置を使用してSiウエハ上へのパターン転写を行ったところ、本実施例の反射型マスクの精度は70nmデザインルールの要求精度である16nm以下であることが確認できた。
【0057】
(実施例3)
図4に示す本実施例の反射型マスク40は、中間層と反射多層膜の間に、下地層7として、中間層をエッチング除去する際に多層膜を保護するためのエッチング停止層を設けた点が上述の実施例2との基本的な相違点である。他の相違点としては、Ta4B中間層を45nmの厚さとした点、CrN吸収膜の厚さを50nmとした点、Ta4B中間層及びCrN吸収膜の内部応力をそれぞれ100nm膜厚換算で、+200MPa、−200MPaとした点である。それ以外は、実施例2と同様にして反射型マスクブランクを製作した。
【0058】
下地層7はCrN膜から構成され、膜厚は3nmとして、反射多層膜上に形成した。この下地層7はCrターゲットを用いたDCマグネトロンスパッタ法により成膜した。その際、スパッタガスはArに窒素を20%添加したガスを用い、スパッタガス圧力は0.3Paとした。成膜した膜は、Cr1-XXにおいてXが0.1であり、結晶状態は微結晶であった。また、膜応力はほぼ0であった。次に、下地層7上に、実施例2と同様の方法を用い、上述した厚さ及び膜応力のTa4B中間層、CrN吸収膜を形成し、本実施例の反射型マスクブランクを得た。
【0059】
吸収膜5上の表面粗さは、0,20nmRmsであった。次に、前記反射型マスクブランクから図4に示す反射型マスク40を製作した。吸収膜及び中間層のパターン形成は、実施例1及び2と同様の方法で行った。ただし、中間層の除去時には下地層7をエッチング停止層として、中間層のパターニングを行った点が実施例2と異なる。以上のようにして本実施例の反射型マスク40を得た。この反射型マスク40では、下地層7は除去されず、反射多層膜上に残存している。
【0060】
この反射型マスク40を用い、波長13.4nm、入射角2°のEUV光により反射率を測定したところ、反射率は63%であった。又、実施例1と同様、図5に示す転写装置を使用してSiウエハ上へのパターン転写を行ったところ、本実施例の反射型マスクの精度は70nmデザインルールの要求精度である16nm以下であることが確認できた。
【0061】
本実施例の様に、中間層と反射多層膜の間に中間層のエッチング条件に耐性を有する下地層を挿入する事により、反射多層膜に全くダメージを与えずに中間層のパターニングを行う事ができる。この事により反射多層膜の再利用が可能になる。又、下地層はマスク洗浄時の反射多層膜の保護膜としても機能する。
【0062】
(比較例)
本比較例では、中間層としてSiO2を用いた他は、実施例2と同様の構成の反射型マスクブランクを作成した。中間層であるSiO2層は、SiO2ターゲットを用いて、RFマグネトロンスパッタ法で膜応力の制御をせずに成膜した。SiO2中間層の波長13.4nmの光に対する吸収係数は0.012と小さいためCrNの吸収膜を50nmとした場合、十分な光吸収性を得るために、SiO2層の膜厚は100nmと厚くした。又、形成されたSiO2の表面粗さは0.5nmRmsと表面粗さが大きかった。応力は100nm膜厚換算で −600MPaと非常に大きかった。
【0063】
SiO2中間層上に実施例1と同様の吸収膜を形成したが、吸収膜の表面粗さは0.65nmRmsと非常に大きくなった。中間層と吸収膜の合計膜厚は150nmと厚くなった。吸収膜4のパターニングは、中間層であるSiO2層をエッチング停止層として、塩素+酸素ガスを用いたドライエッチングで行った。パターン形成後のSiO2層は、膜厚が約1nm減少した。又、表面粗さは0.55nmRmsとなった。
【0064】
次に、CF4+O2ガスを用いたドライエッチングにより、マスクの反射領域上のSiO2層を除去した。このようにして、波長13.4nm、入射角2°のEUV光により反射率を測定したところ、反射率は60%であった。
又、図5に示す半導体基板上へのパターン転写を行ったところ、中間層の残留応力の大きさによる多層膜表面の変形や、吸収膜表面の表面粗さ等により、十分な位置精度とコントラストを得ることができず、70nmデザインルールの要求精度である16nmを満たすことができなかった。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、Taを主要な金属元素とする材料を中間層の材料とすることにより、膜応力等が原因となる変形を防止した反射型マスク及びブランクを提供することができる。又、パターン精度の低下を防止した反射型マスク及びブランクを提供することができる。更に、反射特性の低下を抑えた信頼性の高い反射型マスク及びブランクを得ることができる。又、本発明の反射型マスクにより半導体基板等への高精度なパターン転写が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射型マスクブランクの構造を示す断面図である。
【図2】本発明の反射型マスクの構造を示す断面図である。
【図3】本発明の反射型マスクの構造を示す断面図である。
【図4】本発明の反射型マスクの構造を示す断面図である。
【図5】反射型マスクを用いてパターンを転写する方法を示した模式図である。
【符号の説明】
1.基板
2.多層反射膜
3.中間層
4.吸収膜
5.吸収体パターン
6.中間膜パターン
7.下地層
20,30,40.反射型マスク
31.レーザープラズマX線源
33.縮小光学系
34.Siウエハ
50.パターン転写装置

Claims (7)

  1. 基板と、該基板上に順次形成された、露光光を反射する多層反射膜と、露光光を選択的に吸収する吸収膜とを備え、前記多層反射膜と吸収膜との間に吸収膜のエッチング環境に耐性を有する中間層を形成した露光用反射型マスクブランクであって、
    前記中間層は、Taを主要な金属成分として含む材料であることを特徴とする露光用反射型マスクブランク。
  2. 前記中間層は、金属成分がTaとBを含むことを特徴とする請求項1記載の露光用反射型マスクブランク。
  3. 前記中間層は、アモルファス結晶又は微細結晶であることを特徴とする請求項1又は2記載の露光用反射型マスクブランク。
  4. 前記吸収膜は、Crを主要な金属成分とする材料であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の露光用反射型マスクブランク。
  5. 前記吸収膜は、Crと、N、O、Cより選ばれる少なくとも一つ以上の元素とを含む材料であることを特徴とする請求項4記載の露光用反射型マスクブランク。
  6. 請求項1〜5に記載された露光用反射型マスクブランクの光吸収膜に転写パターンを形成したことを特徴とする露光用反射型マスク。
  7. 基板上に露光光を反射する多層反射膜と、前記露光光を吸収する吸収膜とを順次形成し、前記多層反射膜と吸収膜との間に吸収膜のエッチング環境に耐性を有する中間膜を形成する露光用反射型マスクブランクの製造方法であって、
    前記中間層は、Taを主要な金属材料とする材料を使用し、成膜の際、予め最終的に作成する露光用反射型マスクの応力分布を求め、該マスクの変形を抑制するように膜応力を制御することを特徴とする露光用反射型マスクブランクの製造方法。
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