JP4826842B2 - フォトマスクの製造方法及びフォトマスクブランク - Google Patents
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請求項1:
透明基板上に、少なくとも遮光膜と接する側がケイ素系材料である位相シフト膜が形成され、更に該位相シフト膜上に、ケイ素系材料からなる遮光膜、又は表層側にクロム系材料層を有し、該クロム系材料層以外の層がケイ素系材料からなる遮光膜が形成され、
上記位相シフト膜及び遮光膜が、酸素及び/又は窒素を含有し、かつ遷移金属を含有するケイ素系材料層を最表層に有する単層又は多層からなる位相シフト膜と、酸素及び/又は窒素を含有し、かつ遷移金属を含有するケイ素系材料層を有する単層又は多層からなる遮光膜との組み合わせであり、かつ
上記位相シフト膜のケイ素系材料層と上記遮光膜のケイ素系材料層とが互いに隣接するフォトマスクブランクから、位相シフト膜のケイ素系材料層上に形成された遮光膜のケイ素系材料層を、位相シフト膜のケイ素系材料層を残して選択エッチング除去する工程を含むフォトマスクの製造方法であって、
フォトマスクブランクとして、上記位相シフト膜中のケイ素系材料層中の窒素及び酸素の合計の含有率C1(モル%)と、上記遮光膜のケイ素系材料層中の窒素及び酸素の合計の含有率C2(モル%)との差(C1−C2)が5以上であるフォトマスクブランクを用い、
塩素系ガスと酸素ガスとの比率(酸素ガス/塩素系ガス(モル比))を0.0001〜1とした塩素系ドライエッチングにより、上記遮光膜のケイ素系材料層を選択エッチング除去することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
請求項2:
更に、上記遮光膜のケイ素系材料層と上記位相シフト膜のケイ素系材料層とをフッ素系ドライエッチングによってエッチング除去することにより、位相シフト膜のケイ素系材料層のパターン形成加工を行う工程を含み、
該工程の後、上記選択エッチング除去工程によって、上記位相シフト膜のケイ素系材料層上に形成された上記遮光膜のケイ素系材料層を、位相シフト膜のケイ素系材料層を残して選択エッチング除去することを特徴とする請求項1記載のフォトマスクの製造方法。
請求項3:
上記フォトマスクブランクが、更に、上記遮光膜の一部としてクロム系材料層、又は遮光膜と異なる膜としてクロム系材料で構成されたエッチングマスク膜を上記遮光膜上に有し、
該クロム系材料層をパターン形成加工した後、パターン形成されたクロム系材料層をハードマスクとして、上記位相シフト膜のケイ素系材料層のパターン形成加工を行う工程を実施することを特徴とする請求項2記載のフォトマスクの製造方法。
請求項4:
上記フォトマスクブランクが、上記遮光膜の一部としてクロム系材料層を有し、該クロム系材料層が、フォトマスクとしたときに、反射防止膜として機能するものであることを特徴とする請求項3記載のフォトマスクの製造方法。
請求項5:
上記フォトマスクブランクが、遮光膜と異なる膜としてクロム系材料で構成されたエッチングマスク膜を上記遮光膜上に有し、該エッチングマスク膜が、上記位相シフト膜のケイ素系材料層のパターン形成加工が終了した後のいずれかの工程で、全てが除去されるものであることを特徴とする請求項3記載のフォトマスクの製造方法。
請求項6:
上記位相シフト膜が、ハーフトーン位相シフト膜であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のフォトマスクの製造方法。
請求項7:
透明基板上に、少なくとも遮光膜と接する側がケイ素系材料である位相シフト膜が形成され、更に該位相シフト膜上に、ケイ素系材料からなる遮光膜、又は表層側にクロム系材料層を有し、該クロム系材料層以外の層がケイ素系材料からなる遮光膜が形成されたフォトマスクブランクであって、
上記位相シフト膜及び遮光膜が、酸素及び/又は窒素を含有し、かつ遷移金属を含有するケイ素系材料層を最表層に有する単層又は多層からなる位相シフト膜と、酸素及び/又は窒素を含有し、かつ遷移金属を含有するケイ素系材料層を有する単層又は多層からなる遮光膜との組み合わせであり、
上記位相シフト膜の露光光に対する透過率が1〜40%の半透明であり、
上記遮光膜の露光光に対する反射率が露光光に対して30%以下であり、
上記位相シフト膜中のケイ素系材料層中の窒素及び酸素の合計の含有率C1(モル%)と、上記遮光膜のケイ素系材料層中の窒素及び酸素の合計の含有率C2(モル%)との差(C1−C2)が5以上であることを特徴とするフォトマスクブランク。
請求項8:
上記遮光膜が、ケイ素系材料層のみで構成され、上記遮光膜上に、更にクロム系材料で形成されたエッチングマスク膜を有することを特徴とする請求項7記載のフォトマスクブランク。
請求項9:
上記遮光膜が、ケイ素系材料層と該ケイ素系材料層上に形成されたクロム系材料層とで構成され、該クロム系材料層が、酸素、窒素及び炭素から選ばれる1,2又は3種の元素を含み、膜厚が20nm以下であることを特徴とする請求項7記載のフォトマスクブランク。
請求項10:
上記位相シフト膜が、ハーフトーン位相シフト膜であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
透明基板上に位相シフト膜を有し、更にその上に遮光膜を有するフォトマスクブランクを、遮光部と位相シフト部を有するフォトマスクに加工する場合、それらの膜が積層された順番の関係から、一般には、必要とする位相シフト部パターンを得るためには、位相シフト膜が不要な部位の遮光膜及び位相シフト膜の除去をこの順番で行い、次いで、遮光部パターンを得るために、残された位相シフト部パターン上の不用な遮光膜を除去することにより目的のフォトマスクが得られる。
石英基板上に形成した波長193nmの光で透過率6%、位相差180°となる膜厚75nmのMoSiON(Mo:Si:O:N=1:4:1:4(モル比)、酸素と窒素の合計含有率は50モル%)よりなるケイ素系材料の膜を用い、塩素系ドライエッチング条件でのエッチングガス中の酸素量とエッチング速度を評価するため、下記条件に従い、酸素量を0〜10.0sccmの間で変化させ、波長675nmの検査光に対する反射率変化を経時的に測定した。得られた結果を図1に示した。なお、図4に、用いたエッチング装置の概略を示した。図4中、1はチャンバー、2はアース、3は下部電極、4はアンテナコイル、5は被処理基板、RF1,RF2は高周波電源である。
RF1(RIE:リアクティブイオンエッチング):パルス 700V
RF2(ICP:誘導結合プラズマ):CW(連続放電) 400W
圧力:6mTorr
Cl2:185sccm
O2:0〜10.0sccm
He:9.25sccm
膜を、膜厚46nmのMoSiN(Mo:Si:N=1:3:1.5(モル比)、酸素と窒素の合計の含有率は27モル%)からなるケイ素系材料の膜として、実験例1と同様にして反射率変化を経時的に測定した。得られた結果を図2に示した。
膜を、44nmのCrN(Cr:N=9:1(モル比))からなるクロム系材料の膜として、実験例1と同様にして反射率変化を経時的に測定した。得られた結果を図3に示した。
石英基板上に、波長193nmの光で透過率6%、位相差180°となる膜厚75nmのMoSiON(Mo:Si:O:N=1:4:1:4(モル比))よりなる位相シフト膜が成膜され、その上に膜厚31nmのMoSiN(Mo:Si:N=1:3:1.5(モル比))からなる遮光膜が形成されたフォトマスクブランクを準備し、その上にスピンコーターを用いて1500Å膜厚のEB露光用化学増幅型レジスト膜を形成した。このレジスト膜に、EB露光装置でパターン描画後、現像し、位相シフト膜を残す部位を保護するレジストパターンを形成した。
次に、レジストパターンをエッチングマスクとして、下記の条件のフッ素系ドライエッチングで、位相シフト膜を残さない部分をエッチングして、遮光膜及び位相シフト膜を、所定の位相シフトパターン形状に形成した。
RF1(RIE):CW 54V
RF2(ICP):CW 325W
圧力:5mTorr
SF6:18sccm
O2:45sccm
エッチング時間:2min
次に、下記の条件の酸素を含有する塩素系ドライエッチング条件を用いて遮光膜をエッチングしたところ、遮光膜のみが選択的に除去された。
RF1(RIE):パルス 700V
RF2(ICP):CW 400W
圧力:6mTorr
Cl2:185sccm
O2:2sccm
He:9.25sccm
エッチング時間:12min
石英基板上に、波長193nmの光で透過率6%、位相差180°となる膜厚75nmのMoSiON(Mo:Si:O:N=1:4:1:4(モル比))からなる位相シフト膜が形成され、その上に、膜厚31nmのMoSiN(Mo:Si:N=1:3:1.5(モル比))からなる遮光膜が形成され、更にエッチングマスク膜(ハードマスク膜)として10nmのCrN膜(Cr:N=9:1(モル比))が成膜されたフォトマスクブランクを準備し、その上にスピンコーターを用いて1500Å膜厚のEB露光用化学増幅型レジスト膜を形成した。このレジスト膜に、EB露光装置でパターン描画後、現像し、位相シフト膜を残す部位を保護するレジストパターンを形成した。
次に、レジストパターンをエッチングマスクとして、下記の条件の塩素系ドライエッチングで、位相シフト膜を残さない部分のハードマスク膜と遮光膜の一部をエッチングした。
RF1(RIE):パルス 700V
RF2(ICP):CW 400W
圧力:6mTorr
Cl2:185sccm
O2:2sccm
He:9.25sccm
エッチング時間:5min
次に、ハードマスク膜をエッチングマスクとして、下記の条件のフッ素系ドライエッチングでエッチングして、遮光膜の残部と位相シフト膜を、所定の位相シフトパターン形状に形成した。
RF1(RIE):CW 54V
RF2(ICP):CW 325W
圧力:5mTorr
SF6:18sccm
O2:45sccm
エッチング時間:2min
次に、再度レジストを塗布し、露光、現像を行い、遮光膜を残す部位を保護するレジストパターンを形成した後に、下記の条件の塩素系ドライエッチングでエッチングしたところ、位相シフト膜を損なうことなく、ハードマスク膜及び遮光膜のみが1回のエッチングで選択的に除去された。この方法によって、位相シフト部上の遮光膜パターンやパターン周辺部の遮光帯を設けることができる。
RF1(RIE):パルス 700V
RF2(ICP):CW 400W
圧力:6mTorr
Cl2:185sccm
O2:2sccm
エッチング時間:15min
次に、下記の条件の塩素系ドライエッチングでエッチングしたところ、ハードマスク膜のみが選択的に除去された。
RF1(RIE):パルス 700V
RF2(ICP):CW 400W
圧力:6mTorr
Cl2:185sccm
O2:55sccm
He:9.25sccm
エッチング時間:2min
石英基板上に、波長193nmの光で透過率6%、位相差180°となる膜厚75nmのMoSiON(Mo:Si:O:N=1:4:1:4(モル比))からなる位相シフト膜が形成され、その上に、膜厚31nmのMoSiN(Mo:Si:N=1:3:1.5(モル比))からなる遮光膜が形成され、更にエッチングマスク膜(ハードマスク膜)として10nmのCrN膜(Cr:N=9:1(モル比))が成膜されたフォトマスクブランクを準備し、その上にスピンコーターを用いて1500Å膜厚のEB露光用化学増幅型レジスト膜を形成した。このレジスト膜に、EB露光装置でパターン描画後、現像し、位相シフト膜を残す部位を保護するレジストパターンを形成した。
次に、レジストパターンをエッチングマスクとして、下記の条件の塩素系ドライエッチングで、位相シフト膜を残さない部分のハードマスク膜をエッチングした。
RF1(RIE):パルス 700V
RF2(ICP):CW 400W
圧力:6mTorr
Cl2:185sccm
O2:55sccm
He:9.25sccm
エッチング時間:2min
次に、ハードマスク膜をエッチングマスクとして、下記の条件のフッ素系ドライエッチングでエッチングして、遮光膜と位相シフト膜を、所定の位相シフトパターン形状に形成した。
RF1(RIE):CW 54V
RF2(ICP):CW 325W
圧力:5mTorr
SF6:18sccm
O2:45sccm
エッチング時間:2min
次に、再度レジストを塗布し、露光、現像を行い、遮光膜を残す部位を保護するレジストパターンを形成した後に、下記の条件の塩素系ドライエッチングでエッチングしたところ、位相シフト膜を損なうことなく、ハードマスク膜及び遮光膜のみが1回のエッチングで選択的に除去された。
RF1(RIE):パルス 700V
RF2(ICP):CW 400W
圧力:6mTorr
Cl2:185sccm
O2:2sccm
エッチング時間:15min
次に、下記の条件の塩素系ドライエッチングでエッチングしたところ、ハードマスク膜のみが選択的に除去された。この方法によって、位相シフト部上の遮光膜パターンやパターン周辺部の遮光帯を設けることができる。
RF1(RIE):パルス 700V
RF2(ICP):CW 400W
圧力:6mTorr
Cl2:185sccm
O2:55sccm
He:9.25sccm
エッチング時間:2min
2 アース
3 下部電極
4 アンテナコイル
5 被処理基板
RF1,RF2 高周波電源
Claims (10)
- 透明基板上に、少なくとも遮光膜と接する側がケイ素系材料である位相シフト膜が形成され、更に該位相シフト膜上に、ケイ素系材料からなる遮光膜、又は表層側にクロム系材料層を有し、該クロム系材料層以外の層がケイ素系材料からなる遮光膜が形成され、
上記位相シフト膜及び遮光膜が、酸素及び/又は窒素を含有し、かつ遷移金属を含有するケイ素系材料層を最表層に有する単層又は多層からなる位相シフト膜と、酸素及び/又は窒素を含有し、かつ遷移金属を含有するケイ素系材料層を有する単層又は多層からなる遮光膜との組み合わせであり、かつ
上記位相シフト膜のケイ素系材料層と上記遮光膜のケイ素系材料層とが互いに隣接するフォトマスクブランクから、位相シフト膜のケイ素系材料層上に形成された遮光膜のケイ素系材料層を、位相シフト膜のケイ素系材料層を残して選択エッチング除去する工程を含むフォトマスクの製造方法であって、
フォトマスクブランクとして、上記位相シフト膜中のケイ素系材料層中の窒素及び酸素の合計の含有率C1(モル%)と、上記遮光膜のケイ素系材料層中の窒素及び酸素の合計の含有率C2(モル%)との差(C1−C2)が5以上であるフォトマスクブランクを用い、
塩素系ガスと酸素ガスとの比率(酸素ガス/塩素系ガス(モル比))を0.0001〜1とした塩素系ドライエッチングにより、上記遮光膜のケイ素系材料層を選択エッチング除去することを特徴とするフォトマスクの製造方法。 - 更に、上記遮光膜のケイ素系材料層と上記位相シフト膜のケイ素系材料層とをフッ素系ドライエッチングによってエッチング除去することにより、位相シフト膜のケイ素系材料層のパターン形成加工を行う工程を含み、
該工程の後、上記選択エッチング除去工程によって、上記位相シフト膜のケイ素系材料層上に形成された上記遮光膜のケイ素系材料層を、位相シフト膜のケイ素系材料層を残して選択エッチング除去することを特徴とする請求項1記載のフォトマスクの製造方法。 - 上記フォトマスクブランクが、更に、上記遮光膜の一部としてクロム系材料層、又は遮光膜と異なる膜としてクロム系材料で構成されたエッチングマスク膜を上記遮光膜上に有し、
該クロム系材料層をパターン形成加工した後、パターン形成されたクロム系材料層をハードマスクとして、上記位相シフト膜のケイ素系材料層のパターン形成加工を行う工程を実施することを特徴とする請求項2記載のフォトマスクの製造方法。 - 上記フォトマスクブランクが、上記遮光膜の一部としてクロム系材料層を有し、該クロム系材料層が、フォトマスクとしたときに、反射防止膜として機能するものであることを特徴とする請求項3記載のフォトマスクの製造方法。
- 上記フォトマスクブランクが、遮光膜と異なる膜としてクロム系材料で構成されたエッチングマスク膜を上記遮光膜上に有し、該エッチングマスク膜が、上記位相シフト膜のケイ素系材料層のパターン形成加工が終了した後のいずれかの工程で、全てが除去されるものであることを特徴とする請求項3記載のフォトマスクの製造方法。
- 上記位相シフト膜が、ハーフトーン位相シフト膜であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のフォトマスクの製造方法。
- 透明基板上に、少なくとも遮光膜と接する側がケイ素系材料である位相シフト膜が形成され、更に該位相シフト膜上に、ケイ素系材料からなる遮光膜、又は表層側にクロム系材料層を有し、該クロム系材料層以外の層がケイ素系材料からなる遮光膜が形成されたフォトマスクブランクであって、
上記位相シフト膜及び遮光膜が、酸素及び/又は窒素を含有し、かつ遷移金属を含有するケイ素系材料層を最表層に有する単層又は多層からなる位相シフト膜と、酸素及び/又は窒素を含有し、かつ遷移金属を含有するケイ素系材料層を有する単層又は多層からなる遮光膜との組み合わせであり、
上記位相シフト膜の露光光に対する透過率が1〜40%の半透明であり、
上記遮光膜の露光光に対する反射率が露光光に対して30%以下であり、
上記位相シフト膜中のケイ素系材料層中の窒素及び酸素の合計の含有率C1(モル%)と、上記遮光膜のケイ素系材料層中の窒素及び酸素の合計の含有率C2(モル%)との差(C1−C2)が5以上であることを特徴とするフォトマスクブランク。 - 上記遮光膜が、ケイ素系材料層のみで構成され、上記遮光膜上に、更にクロム系材料で形成されたエッチングマスク膜を有することを特徴とする請求項7記載のフォトマスクブランク。
- 上記遮光膜が、ケイ素系材料層と該ケイ素系材料層上に形成されたクロム系材料層とで構成され、該クロム系材料層が、酸素、窒素及び炭素から選ばれる1,2又は3種の元素を含み、膜厚が20nm以下であることを特徴とする請求項7記載のフォトマスクブランク。
- 上記位相シフト膜が、ハーフトーン位相シフト膜であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項記載のフォトマスクブランク。
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