JP5402288B2 - 画像形成装置、画像形成方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関する。
今日、電子写真装置では、市場からの要求にともない、カラー複写機やカラープリンタなどカラー出力のものが多くなってきている。とくに最近では、カラー出力時もモノクロ並みのスピードが望まれることから、感光体と現像装置とを各色ごとに備え、各感光体上にそれぞれ単色トナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を順次転写して転写紙上にカラー画像を記録するタンデム方式の画像形成装置が主流となってきている。
また、近年、直接転写方式と間接転写方式の双方を用いてフルカラー印刷を行う画像形成装置に関する技術が多く開示されている(例えば、特許文献1)。
このような画像形成装置においてフルカラー印刷を行う場合、中間転写ベルトおよび転写紙搬送ベルトの2つのベルトが存在することとなるが、転写時に互いの搬送速度が異なる状態で2つのベルトが接触した場合、副走査方向の色ずれ(位置ずれ)が生じるという問題がある。
また、双方のベルトの搬送速度が異なる状態で接触した場合、ベルト間の摩擦のためにベルトの磨耗が進行したり、擦過傷が生じたりするという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、直接転写方式および間接転写方式により形成される画像の副走査方向の位置ずれを無くすことができる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、単色の画像形成ユニットと直接転写体とを制御して、前記単色の画像形成ユニットによって形成した画像を、直接転写体または当該直接転写体により搬送される転写紙に転写する直接転写制御部と、複数色の画像形成ユニットと中間転写体とを制御して、前記複数色の画像形成ユニットによって複数色の画像を前記中間転写体上に重ね合わせる間接転写制御部と、前記中間転写体の搬送速度に係る情報を検出する第1の検出手段と、前記直接転写体の搬送速度に係る情報を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段によって検出された前記中間転写体の搬送速度に係る情報と、前記第2の検出手段によって検出された前記直接転写体の搬送速度に係る情報とに基づいて、前記中間転写体の搬送速度と、前記直接転写体の搬送速度とを同一の搬送速度とするように、前記直接転写制御部と前記間接転写制御部との少なくともいずれか一方を制御する印刷制御部と、前記間接転写制御部によって形成される画像および前記直接転写制御部によって形成される画像の位置合わせ制御処理を行う位置合わせ制御部と、前記印刷制御部によって、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段の少なくともいずれか一方が正常でないと判定された場合に、前記位置合わせ制御部による前記位置合わせ制御処理を実行するか否かの指示を記憶する記憶部と、を備え、前記印刷制御部は、前記位置合わせ制御部によって前記位置合わせ制御処理を開始する場合に、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段が正常に動作しているか判定し、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行する旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させ、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行しない旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させない、ことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の画像形成方法は、画像形成装置で実行される画像形成方法であって、前記画像形成装置は、制御部と記憶部とを備え、前記制御部において実行される、直接転写制御部が、単色の画像形成ユニットと直接転写体とを制御して、前記単色の画像形成ユニットによって形成した画像を、直接転写体または当該直接転写体により搬送される転写紙に転写するステップと、間接転写制御部が、複数色の画像形成ユニットと中間転写体とを制御して、前記複数色の画像形成ユニットによって複数色の画像を前記中間転写体上に重ね合わせるステップと、印刷制御部が、前記中間転写体の搬送速度に係る情報と、前記直接転写体の搬送速度に係る情報とに基づいて、前記中間転写体の搬送速度と、前記直接転写体の搬送速度とを同一の搬送速度とするように、前記直接転写制御部と前記間接転写制御部との少なくともいずれか一方を制御するステップと、位置合わせ制御部が、前記間接転写制御部によって形成される画像および前記直接転写制御部によって形成される画像の位置合わせ制御処理を行う位置合わせ制御ステップと、前記印刷制御部によって、前記中間転写体の搬送速度に係る情報を検出する第1の検出手段または前記直接転写体の搬送速度に係る情報を検出する第2の検出手段の少なくともいずれか一方が正常でないと判定された場合に、前記位置合わせ制御処理を実行するか否かの指示を記憶部に記憶するステップと、前記印刷制御部が、前記位置合わせ制御部によって前記位置合わせ制御処理を開始する場合に、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段が正常に動作しているか判定し、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行する旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させ、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行しない旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させないステップと、を含むことを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のプログラムは、コンピュータを、単色の画像形成ユニットと直接転写体とを制御して、前記単色の画像形成ユニットによって形成した画像を、直接転写体または当該直接転写体により搬送される転写紙に転写する直接転写制御部と、複数色の画像形成ユニットと中間転写体とを制御して、前記複数色の画像形成ユニットによって複数色の画像を前記中間転写体上に重ね合わせる間接転写制御部と、前記中間転写体の搬送速度に係る情報と、前記直接転写体の搬送速度に係る情報とに基づいて、前記中間転写体の搬送速度と、前記直接転写体の搬送速度とを同一の搬送速度とするように、前記直接転写制御部と前記間接転写制御部との少なくともいずれか一方を制御する印刷制御部と、前記間接転写制御部によって形成される画像および前記直接転写制御部によって形成される画像の位置合わせ制御処理を行う位置合わせ制御部と、前記印刷制御部によって、前記中間転写体の搬送速度に係る情報を検出する第1の検出手段または前記直接転写体の搬送速度に係る情報を検出する第2の検出手段の少なくともいずれか一方が正常でないと判定された場合に、前記位置合わせ制御部による前記位置合わせ制御処理を実行するか否かの指示を記憶部に記憶する記憶制御部、として機能させ、前記印刷制御部は、前記位置合わせ制御部によって前記位置合わせ制御処理を開始する場合に、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段が正常に動作しているか判定し、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行する旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させ、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行しない旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させない、プログラムである
本発明によれば、印刷制御部によって直接転写体および中間転写体の搬送速度を同一の搬送速度の目標値を用いてフィードバック制御を行って、直接転写側のベルトおよび間接転写側のベルトの搬送速度を同一にするため、直接転写方式および間接転写方式により形成される画像の副走査方向の位置ずれを無くすことができるという効果を奏する。
図1は、第1の実施の形態にかかる複合機の概略構成図である。 図2は、二次転写ローラが中間転写ベルトから離間する構成を概略的に示す図である。 図3は、中間転写ベルト裏面に設けられた速度制御用スケールと、エンコーダを説明する概略図である。 図4は、転写紙搬送ベルト裏面に設けられた速度制御用スケールと、エンコーダを説明する概略図である。 図5は、複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。 図6は、プリンタ部のハードウェア構成を示すブロック図である。 図7は、プリンタ部の機能構成を示すブロック図である。 図8は、中間転写ベルト上に形成される位置合わせ制御用パターンの一例を示す平面図である。 図9は、転写紙搬送ベルト上に形成される位置合わせ制御用パターンの一例を示す平面図である。 図10は、中間転写ベルト上に重ね合わせられた位置合わせ制御用パターンの一例を示す平面図である。 図11は、カウント値に対するモータの回転速度率を決定する速度設定用テーブルを示す模式図である。 図12は、印刷制御部による、ベルト速度制御処理の手順を説明するフローチャートである。 図13は、第2の実施の形態にかかるプリンタ部の機能構成を示すブロック図である。 図14は、印刷制御部が、位置合わせ制御処理を実行するか否かを判定する処理の手順を説明するフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1を用いて説明する。本実施の形態は画像形成装置として、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能および入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機を適用した例である。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる複合機100の概略構成図である。図1に示すように、複合機100は、画像読取装置であるスキャナ部200と、電子写真方式の画像印刷装置であるプリンタ部300とで構成されている。これらのスキャナ部200とプリンタ部300とによって、エンジン制御部500(図5参照)が構成されている。本実施の形態にかかる複合機100は、操作部400(図5参照)のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となっている。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、複写機能の選択時には複写モードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
本実施の形態の複合機100における特徴的な機能を有しているプリンタ部300について詳述する。複合機100のプリンタ部300は、図1に示すように、イエロー、マゼンタ、シアン(以下、Y、M、Cと略す)の3つの画像形成ユニット12Y、12M、12Cが、ループ状をなして略水平に延びる中間転写体としての中間転写ベルト6に沿ってベルト移動方向に直列に配置されたタンデム方式である。中間転写ベルト6は、駆動ローラ17、従動ローラ18、テンションローラ19、20により支持されている。従動ローラ18に対向して中間転写ベルト6の外側には、中間転写ベルト6上の残留トナーを除去するクリーニング手段7が設けられている。
各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kは、プリンタ部300の本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとして構成されている。それぞれの画像形成ユニット12(12Y、12M、12C、12K)は、像担持体としての感光体1(1Y、1M、1C、1K)、帯電装置2(2Y、2M、2C、2K)、トナーを潜像に供給してトナー像を形成する現像装置3(3Y、3M、3C、3K)、クリーニング装置4(4Y、4M、4C、4K)等を備えている。各画像形成ユニット12Y、12M、12Cにおいては、各感光体1Y、1M、1Cが中間転写ベルト6の下側の展張面に接するように配置されている。また、中間転写ベルト6の内側には、各感光体1(1Y、1M、1C)に対向して1次転写手段としての1次転写ローラ21Y、21C、21Mが設けられている。
また、複合機100のプリンタ部300は、図示しないLDからレーザ光を発する各色の画像形成ユニット12(12Y、12M、12C、12K)に対応する露光装置5を備えている。スキャナ部200で読み取られた原稿、ファクシミリなどの受信データ、またはコンピュータから送信されるカラー画像情報は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解され、各色の版のデータが形成され、各色の画像形成ユニット12(12Y、12M、12C、12K)の露光装置5に送られる。露光装置5のLDから発せられるレーザ光は、各画像形成ユニット12(12Y、12M、12C、12K)の各感光体1(1Y、1M、1C、1K)上に静電潜像を形成する。
なお、上述では、クリーニング装置4、9としてブレードタイプのものを用いたが、これに限定されるものではなく、ファーブラシローラ、磁気ブラシクリーニング方式であっても良い。また、露光装置5についてもレーザ方式に限定するものではなく、LED方式などの方式であっても良い。
ここで、上述したような構成による電子写真方式の画像形成について説明する。帯電装置2(2Y、2M、2C、2K)によって均一に帯電された感光体1(1Y、1M、1C、1K)は、露光装置5からの色別の露光光により画像部を露光され、現像装置3(3Y、3M、3C、3K)によってトナー像を作らせる。その後、感光体1Y、1M、1C上に作られたカラートナー像は、タイミングを合わせて中間転写ベルト6に転写され、色重ねされたトナー像が形成される。
加えて、複合機100のプリンタ部300は、前記タンデム配列より転写紙(記録媒体)移動方向の上流位置に、ブラック(K)の画像形成ユニット12Kを独立して設けている。ブラック(K)の画像形成ユニット12Kは、ブラックの画像形成ユニット12Kのトナー像が転写紙に直接転写されるよう配置されている。より詳細には、ブラックの画像形成ユニット12Kは、中間転写ベルト6に対するY、M、Cの転写構成とは独立しており、上述したYなどと同様に、感光体1K上に作成されたブラックトナー像は中間転写ベルト6とは異なる転写紙搬送ベルト8により搬送される転写紙Pに直接転写される。このような2次転写部15は、略水平に延びる中間転写ベルト6に対して略垂直に交差するように配置されていて、中間転写ベルト6上で重ね合わせられた複数色の画像と転写紙Pに転写された黒色の画像とが重ね合わされる転写紙Pの搬送経路上の位置に設けられる。さらに詳述すると、ブラックの画像形成ユニット12Kは、転写紙Pの略垂直搬送経路の近傍にこれに沿って配置されており、2次転写部15は略垂直搬送経路における定着装置10の上流側のスペースを利用して配置されている。
また、複合機100のプリンタ部300の下部には、転写紙サイズが異なる給紙トレイ22、23が設けられており、各給紙トレイ22、23から図示しない給紙手段により給紙された転写紙Pは、図示しない搬送手段により搬送されてレジストローラ対24に達し、ここでスキューを修正された後にレジストローラ対24により所定のタイミングで、感光体1Kと転写紙搬送ベルト8の転写部位へ搬送される。
さらに、複合機100のプリンタ部300は、中間転写ベルト6の上部に、トナーバンク32を備えている。トナーバンク32は、トナータンク32K、32Y、32C、32Mから構成され、これらのトナータンクはトナー補給パイプ33K、33Y、33C、33Mにより各現像装置3(3Y、3M、3C、3K)に接続されている。ブラックの画像形成ユニット12Kは、Y、M、C色の画像形成ユニット12(12Y、12M、12C)から独立して配置されているので、ブラックの作像工程にY、M、C色の転写トナーが混入することがない。このため、感光体1Kより回収されたトナーは、図示しないブラックトナー回収経路でブラックの現像装置3Kへ運ばれ、再利用される。なお、前記ブラックトナー回収経路の途中において、紙粉除去を行う装置や、トナーを廃棄する経路に切替え可能な装置を設けても良い。
ここで、図2は2次転写部15の構成を概略的に示す模式図である。図2に示すように、2次転写部15は、直接転写体としての転写紙搬送ベルト8と、転写紙搬送ベルト8を支持する駆動ローラ25と、転写手段をかねる従動ローラ21Kと、テンションローラ27と、2次転写手段としての2次転写ローラ28と、転写紙搬送ベルト8上を清掃するクリーニング装置9とを主に備えている。2次転写ローラ28は中間転写ベルト6の駆動ローラ17に対向して配置されており、図示しない接離機構と、テンションローラ27によって転写紙搬送ベルト8の張力を保持することにより、中間転写ベルト6に対して図中実線で示すように近接可能、あるいは図中二点鎖線で示すように離間可能となっている。
例えば、カラー印刷時には、後述する2次転写制御部55の近接制御によって、中間転写ベルト6と2次転写ローラ28とは接近し、中間転写ベルト6に形成された画像が転写紙搬送ベルト8または転写紙搬送ベルト8により搬送されている搬送紙Pに2次転写可能となる。
一方、モノクロ印刷時には、後述する2次転写制御部55の離間制御によって、中間転写ベルト6と転写紙搬送ベルト8の接触部は離間され、Y、M、C色の各画像形成ユニット12(12Y、12M、12C)、及び中間転写ベルト6は動作しない。
従って、カラー印刷時は、中間転写ベルト6上に色重ねされたY、M、C色のトナー像が転写紙P上に転写され、故に、転写紙搬送ベルト8はブラックトナー像の転写部では直接転写ベルトとして機能し、中間転写ベルト6上のY、M、Cトナー像の転写部では2次転写ベルトとして機能する。その後、ブラックトナー像とY、M、C色のトナー像を重ねて転写された転写紙Pは、定着装置10によりトナー像が定着されて、フルカラー画像の印刷処理が完了する。定着を終えた転写紙Pは搬送経路R1(図1参照)に搬送され、排紙ローラ対30により排紙トレイ31にフェイスダウン状態で排出されてスタックされる。両面モードの場合には、転写紙Pは、図示しない切替え爪により搬送経路R2へ案内され、両面ユニット34で反転された後にレジストローラ対24へ搬送されて片面コピーと同様の排紙経路を辿る。
一方、モノクロ印刷時は、ブラックの画像データに基づいて露光装置5により、感光体1K上の画像部が露光され、現像装置3Kによってトナー像が作られる。作成されたブラックトナー像は、転写紙搬送ベルト8によって搬送される転写紙P上に直接転写されて、定着装置10により定着され、モノクロ画像の印刷処理が完了する。
なお、本実施の形態の2次転写部15においては、2次転写ローラ28を変位させる構成としたが、これに限るものではなく、従動ローラ21Kを支点として転写紙搬送ベルト8全体を変位させるようにしてもよい。
従来より、モノクロ画像形成時に、ブラックを除く色の像担持体から中間転写ベルトを離間させる構成も知られている。この方式では中間転写ベルトのみ駆動してブラック以外の色の画像形成ユニットを駆動(空転)する必要はないが、中間転写ベルトを変位させるため張力変動の問題は避けられない。その点、2次転写ローラ28を変位させる構成、または、転写紙搬送ベルト8全体を変位させる構成にした場合、中間転写ベルト6に比べて周長が大幅に短い転写紙搬送ベルト8側が接離し、中間転写ベルト6は据え置き可能(転写紙搬送ベルト8と連動しない)となるため、中間転写ベルト6の張力変動がない。すなわち、位置合わせ数の多い中間転写ベルト6を転写紙搬送ベルト8に対して接離する構成とすることもできるが、この場合、位置合わせのための位置精度が経時的に低下する虞がある。これに対して、本実施の形態では、中間転写ベルト6をY、M、C色の各感光体1(1Y、1M、1C)に接したままの構成とすることができるため、中間転写ベルト6のローラ間の位置決め精度を高く設定できるので、ベルト寄りに対する余裕度が向上する。また、ベルト走行が安定化することにより、フルカラー時の位置ずれに対しても余裕度を向上させることができる。
また、中間転写ベルト6を支持する駆動ローラ17を図示しない接離機構により変位させ、テンションローラ20によって中間転写ベルト6の張力を保持させて、中間転写ベルト6を転写紙搬送ベルト8に対して接離させる構成としてもよい。この場合、転写紙Pの搬送姿勢が変化することがないので、転写紙搬送ベルト8から定着装置10の間にかけて転写紙Pの挙動が不安定となることがない。このため、定着装置10から排出された後の転写紙Pにシワや画像の乱れが発生するのを防止することができる。さらに、2次転写部15の2次転写ローラ28および中間転写ベルト6を支持する駆動ローラ17の双方を移動させることによって、中間転写ベルト6と転写紙搬送ベルト8とを接離させる構成としてもよい。
本実施の形態の複合機100は、図1に示すように、中間転写ベルト6上に、中間転写ベルト6の搬送速度の検出に用いる、第1の検出手段としてのエンコーダE1を設置し、転写紙搬送ベルト8上に、転写紙搬送ベルト8の搬送速度の検出に用いる、第2の検出手段としてのエンコーダE2を設置している。
また、中間転写ベルト6は、図3に示すように、副走査方向に一定間隔おきに直線を配置して形成された速度制御用スケール60を、中間転写ベルト6上の画像転写面とは反対の面(以降、中間転写ベルト6の裏面と称する)に、ベルトの回転移動方向全周に亘って設けている。
同様に、転写紙搬送ベルト8は、図4に示すように、副走査方向に一定間隔おきに直線を配置して形成された速度制御用スケール70を、転写紙搬送ベルト8上の転写紙搬送面とは反対の面(以降、転写紙搬送ベルト8の裏面と称する)に、ベルトの回転移動方向全周に亘って設けている。
エンコーダE1は、一般的に用いられる投光受光型の光センサからなり、中間転写ベルト6裏面から速度制御用スケール60が検出可能な範囲内に配置されている。また、エンコーダE2は、エンコーダE1と同様に一般的に用いられる投光受光型の光センサからなり、転写紙搬送ベルト8の裏面から速度制御用スケール70が検出できる範囲内に配置されている。
中間転写ベルト6の搬送が開始されると、エンコーダE1は速度制御用スケール60から得られるパルス信号S1を検出し、転写紙搬送ベルト8の搬送が開始されると、エンコーダE2は速度制御用スケール70から得られるパルス信号S2を検出する。
さらに、複合機100のプリンタ部300は、中間転写ベルト6の幅方向左端、中央、右端に、図示しないLD走査のスキュー量等を検出するために、中間転写ベルト6上に形成された位置合わせ制御用パターン13(図10参照)を検出するパターン検出用センサ40を備えている。
パターン検出用センサ40として反射型の光学式センサ(正反射光センサ)を使用した場合、中間転写ベルト6に光を照射し、中間転写ベルト6上に形成された位置合わせ制御用パターン13および中間転写ベルト6からの反射光をパターン検出用センサ40が検出して、位置ずれ量を計測するための情報を得る。
なお、パターン検出用センサ40として正反射光センサを適用するようにしたが、これに限るものではなく、位置合わせ制御用パターン13及び中間転写ベルト6により拡散された光を読み取る拡散光センサユニットを適用するようにしても良い。
位置合わせ制御機能は、基準色に対するスキュー、副走査レジストずれ、主走査レジストずれ、主走査倍率誤差の計測が可能である。なお、実際の読み取りは、位置合わせ制御用パターン13のエッジ部分を読み取っている。位置合わせ制御についての詳細は、後述する。
次に、複合機100のハードウェア構成を説明する。図5は、複合機100のハードウェア構成を示すブロック図である。図5に示すように、複合機100は、コントローラ110とプリンタ部300およびスキャナ部200とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バスで接続した構成となる。コントローラ110は、複合機100全体の制御と描画、通信、操作部400からの入力を制御するコントローラである。なお、プリンタ部300またはスキャナ部200には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。操作部400は、スキャナ部200で読み取られた原稿の原稿画像情報等をLCD(Liquid Crystal Display)に表示するとともに操作者からの入力をタッチパネルを介して受け付ける操作表示部400aと、操作者からのキー入力を受け付けるキーボード部400bとを有している。
コントローラ110は、コンピュータの主要部であるCPU(Central Processing Unit)101と、システムメモリ(MEM−P)102と、ノースブリッジ(NB)103と、サウスブリッジ(SB)104と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)106と、記憶部であるローカルメモリ(MEM−C)107と、記憶部であるハードディスクドライブ(HDD)108とを有し、NB103とASIC106との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス105で接続した構成となる。また、MEM−P102は、ROM(Read Only Memory)102aと、RAM(Random Access Memory)102bとをさらに有する。
CPU101は、複合機100の全体制御を行うものであり、NB103、MEM−P102およびSB104からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB103は、CPU101とMEM−P102、SB104、AGPバス105とを接続するためのブリッジであり、MEM−P102に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
MEM−P102は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM102aとRAM102bとからなる。ROM102aは、CPU101の動作を制御するプログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM102bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
SB104は、NB103とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB104は、PCIバスを介してNB103と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)150なども接続される。
ASIC106は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス105、PCIバス、HDD108およびMEM−C107をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC106は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC106の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C107を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、プリンタ部300やスキャナ部200との間でPCIバスを介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。このASIC106には、PCIバスを介してFCU(Fax Control Unit)120、USB(Universal Serial Bus)130、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース140が接続される。
MEM−C107は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD108は、画像データの蓄積、CPU101の動作を制御するプログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
AGPバス105は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM−P102に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするものである。
なお、本実施の形態の複合機100で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の複合機100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態の複合機100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態の複合機100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
図6は、プリンタ部300のハードウェア構成を示すブロック図である。図6に示すように、プリンタ部300の制御系は、CPU301、RAM302、ROM303、I/O制御部304、転写駆動モータI/F306a、ドライバ307a、転写駆動モータI/F306b、ドライバ307bから構成されており、上述した各部は、バス309を介して相互に接続されている。
ROM303は主にプログラム等を記憶するメモリとして用いられる。
RAM302は、ROM303に記憶されているプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される。このRAM302は揮発性メモリのため、振幅・位相値など次のベルト駆動で使用するパラメータに関しては、図示しないEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリに記憶しておき、電源オン時もしくは駆動モータ17の駆動時にsin関数もしくは近似式を用いて、ベルト一周期分のデータをRAM302上に展開する。
I/O制御部304は、CPU301からの指示によって、印刷処理時や位置合わせ処理時に、モータM1、M2、クラッチ、ソレノイド、センサ、エンコーダE1、E2等からなる各負荷305の各種動作を実行させる。
CPU301は、コントローラ110から入力される画像データの受信及び制御コマンドの送受信制御をはじめ、プリンタ部300全体の制御を行っている。
また、CPU301は、転写駆動モータI/F306aを介して、ドライバ307aに駆動パルス信号の周波数f1を指令する。モータM1は、ドライバ307aから入力された駆動パルスの周波数f1に応じて回転駆動を開始し、周波数f1に比例する速度を維持するよう回転駆動する。さらに、モータM1の回転駆動に応じて、図2に示す駆動ローラ17が回転駆動され、これに伴って中間転写ベルト6は図1の矢印で示す方向に搬送が開始される。即ち、中間転写ベルト6は周波数f1に比例する搬送速度V1で搬送される。
CPU301は、同様に、転写駆動モータI/F306bを介して、ドライバ307bに駆動パルス信号の周波数f2を指令する。モータM2は、ドライバ307bから入力された駆動パルスの周波数f2に応じて回転駆動を開始し、周波数f2に比例する速度を維持するよう回転駆動する。さらに、モータM2の回転駆動に応じて、図2に示す駆動ローラ25が回転駆動され、これに伴って転写紙搬送ベルト8は、図1の矢印で示す方向に搬送が開始される。即ち、転写紙搬送ベルト8は周波数f2に比例する搬送速度V2で搬送される。
本実施の形態のプリンタ部300で実行されるプログラムは、後述する各部(印刷制御部51、位置合わせ制御部52、間接転写制御部53、直接転写制御部54、2次転写制御部55など(図7参照))を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU301が上記ROM303からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、印刷制御部51、位置合わせ制御部52、間接転写制御部53、直接転写制御部54、2次転写制御部55などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
図7は、第1の実施の形態にかかるプリンタ部300の機能構成を示すブロック図である。プリンタ部300は、印刷制御部51と、位置合わせ制御部52と、間接転写制御部53と、直接転写制御部54と、2次転写制御部55と、を主に備えている。
印刷制御部51は、概略的には、ベルトの搬送速度のフィードバック制御、モノクロ印刷処理、カラー印刷処理および位置合わせ制御処理等を実行するためにシステム全体、即ち位置合わせ制御部52、間接転写制御部53、直接転写制御部54、2次転写制御部55等を制御する。
ところで、直接転写方式と間接転写方式の混成で構成される画像形成装置においては、中間転写ベルト6および転写紙搬送ベルト8の2つのベルトが存在するため、転写時に互いの搬送速度が異なる状態で接触した場合、副走査方向の位置ずれが生じるという問題がある。そこで、本実施の形態の印刷制御部51は、中間転写ベルト6の搬送速度V1および転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2を一致させるようにフィードバック制御を行う。
印刷制御部51は、フルカラー印刷時に、2次転写制御部55によって2次転写ローラ28を中間転写ベルト6へ接近させ、間接転写制御部53に画像形成ユニット12Y、12M、12Cおよび中間転写ベルト6を制御させてY、M、C色の印刷処理を実行させ、これと並行して直接転写制御部54に画像形成ユニット12Kおよび転写紙搬送ベルト8を制御させ、K色の印刷処理を実行させる。
2次転写制御部55は、フルカラー印刷時に、2次転写ローラ28を動作させて中間転写ベルト6に接近させ、中間転写ベルト6上に形成されたY、M、C色の画像が転写紙搬送ベルト8によって搬送過程にある転写紙Pに転写されるようにする。
間接転写制御部53は、Y、M、C色の画像形成ユニット12Y、12M、12Cと中間転写ベルト6を制御し、転写紙Pに転写するための画像を各感光体1Y、1M、1C上に形成する。各感光体1Y、1M、1Cに形成されたY、M、C色のトナー画像は、間接転写方式によって中間転写ベルト6上に重ね合わせられる。
また、印刷制御部51は、モノクロ印刷時に、2次転写制御部55によって2次転写ローラ28と中間転写ベルト6とを離間させ、直接転写制御部54に画像形成ユニット12Kおよび転写紙搬送ベルト9を制御させてK色の印刷処理を実行させる。
直接転写制御部54は、K色の画像形成ユニット12Kと転写紙搬送ベルト8を制御して、転写紙Pに転写するための画像を感光体1Kに形成する。感光体1Kに形成されたK色のトナー画像は、直接転写方式によって、感光体1Kと転写手段である従動ローラ21Kが当接する地点で転写紙Pに転写され、印刷される。
2次転写制御部55は、モノクロ印刷時に、転写紙Pまたは転写紙搬送ベルト9にY、M、C色のトナー画像を転写する必要がないため、2次転写ローラ28を動作させて中間転写ベルト6から離間させる。
印刷制御部51は、ユーザが操作入力部400から位置合わせ制御処理の開始を指示した場合や、あるいは予め定められた所定の時間が経過した場合に、位置合わせ制御部52に対して位置合わせ制御処理を開始するよう指示する。
位置合わせ制御部52は、印刷制御部51から位置合わせ制御処理を開始するよう指示を受けた場合に、間接転写制御部53、直接転写制御部54、2次転写制御部55等を制御して直接転写側のK色および間接転写側のY、M、C色の全色に対する位置合わせ制御処理を行う。
2次転写制御部55は、位置合わせ制御処理時に、2次転写ローラ28を動作させて、中間転写ベルト6に接近させ、転写紙搬送ベルト8上に形成されたK色の位置合わせ制御用パターン13K(図9参照)を中間転写ベルト6上に転写し、中間転写ベルト6上の位置合わせ制御用パターン13Y、13M、13C(図8参照)と合成させる。
ここで、位置合わせ制御部52による位置合わせ制御処理について図8〜図10を用いて詳述する。
まず、位置合わせ制御部52は、間接転写制御部53および画像形成ユニット12Y、12M、12Cによって中間転写ベルト6上に位置合わせ制御用パターン13Y、13M、13Cを形成させる。図8は、感光体1Y、1M、1Cによって中間転写ベルト6上に形成される位置合わせ制御用パターン13Y、13M、13Cの一例を示す平面図である。図8に示すように、位置合わせ制御用パターン13Y、13M、13Cは、各色による3本の平行なパターンと、3本の斜め線のパターンを副走査方向に一定間隔に配置したものである。このような位置合わせ制御用パターン13Y、13M、13Cは、中間転写ベルト6の搬送方向に沿って繰り返し形成される。位置合わせ制御用パターン13は、サンプル数を多くして誤差による影響を減らすために、図8に示すようにパターン検出用センサ40の位置にあわせて複数出力される。
また、位置合わせ制御部52は、直接転写制御部54および画像形成ユニット12Kによって転写紙搬送ベルト8上に位置合わせ制御用パターン13Kを形成させる。図9は、感光体1Kによって転写紙搬送ベルト8上に形成される位置合わせ制御用パターン13Kの一例を示す平面図である。位置合わせ制御用パターン13Kは、縦線のパターンと斜め線のパターンを副走査方向に一定間隔に配置したものであり、転写紙搬送ベルト8の搬送方向に沿って繰り返し形成される。
次に、位置合わせ制御部52は、2次転写制御部55が中間転写ベルト6と転写紙搬送ベルト8とを近接させることにより、転写紙搬送ベルト8上に形成された位置合わせ制御用パターン13K(図9参照)を中間転写ベルト6上に転写し、中間転写ベルト6上に形成された位置合わせ制御用パターン13Y、13M、13C(図8参照)上に重ね合わせる。図10は、中間転写ベルト6上に重ね合わせられた位置合わせ制御用パターン13Y、13M、13C、13K(以降、特に限定しない場合を位置合わせ制御用パターン13と称する。)を示す図である。
次に、位置合わせ制御部52は、上述のようにして中間転写ベルト6上に形成された位置合わせ制御用パターン13を、パターン検出用センサ40により検出する。さらに、位置合わせ制御部52は、検出した位置合わせ制御用パターン13により主走査ずれ量および副走査ずれ量の演算を行う。
まず、位置合わせ制御部52は、縦線がパターン検出用センサ40によって検出されてから縦線と同色で形成された斜め線が検出されるまでの時間をCPU101のタイマ機能で計測し、計測した時間から同色で形成された縦線と斜め線との間隔ΔSy、ΔSm、ΔSc、ΔSk(図10参照)を算出する。位置合わせ制御部52は、算出した間隔ΔSy、ΔSm、ΔSc、ΔSkを予め記憶されている各々の基準値と比較することで、主走査方向の位置ずれ量および補正値を算出する。
一方、位置合わせ制御部52は、Y、M、C色の位置合わせ制御用パターン13Y、13M、13Cがパターン検出用センサ40によって検出されてから、基準色であるK色の位置合わせ制御用パターン13Kが検出されるまでの時間をCPU101のタイマ機能で計測し、計測した時間から位置合わせ制御用パターン13Kおよび13Yとの間隔ΔFy、位置合わせ制御用パターン13Kおよび13Mとの間隔ΔFmおよび位置合わせ制御用パターン13Kおよび13Cとの間隔ΔFcを算出する。位置合わせ制御部52は、算出した間隔ΔFm、ΔFy、ΔFcを各々予め記憶されているΔFm、ΔFy、ΔFcの基準値と比較することで、副走査方向の位置ずれ量および補正値を算出する。
位置合わせ制御部52は、この補正値に基づいて主副走査位置の調整やスキュー調整を行い、間接転写側の画像形成ユニット12Y、12M、12Cおよび直接転写側の画像形成ユニット12Kで形成される全色の画像の位置を補正する。このようにすることで、直接転写方式で形成されるK色および間接転写方式で形成されるY、M、C色全色について位置合わせをすることができ、高画質の画像を形成することが可能となる。
次に、本実施の形態の印刷制御部51が行う、中間転写ベルト6の搬送速度V1および転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2のフィードバック制御について詳述する。
印刷制御部51は、エンコーダE1が単位時間当たりに検出したパルス信号S1のパルス数を計数して、中間転写ベルト6の搬送速度V1に比例するパルス信号S1のカウント値を計測する。同様に、印刷制御部51は、エンコーダE2が単位時間当たりに検出したパルス信号S2のパルス数を計数して、転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2に比例するパルス信号S2のカウント値を計測する。
ここで、パルス信号S1のカウント値は中間転写ベルト6の搬送速度に比例するため、中間転写ベルト6の搬送速度に係る情報と見なすことができ、同様に、パルス信号S2のカウント値は転写紙搬送ベルト8の搬送速度に比例するため、転写紙搬送ベルト8の搬送速度に係る情報と見なすことができる。尚、中間転写ベルト6または転写紙搬送ベルト8の搬送速度に係る情報として、中間転写ベルト6または転写紙搬送ベルト8の搬送速度そのものを用いても良い。さらに、各エンコーダE1、E2によって検出した各パルス信号S1、S2のパルス間隔やパルス周期、あるいは周波数を、中間転写ベルト6または転写紙搬送ベルト8の搬送速度にかかる速度情報として用いても良い。
本実施の形態の画像形成装置100は、ROM303に図11に示すような速度設定用テーブル80を格納している。速度設定用テーブル80は、図11に示すように、各エンコーダE1、E2によって単位時間(サンプリング時間)当たりに検出されたパルス信号S1、S2のカウント値と、検出された各カウント値に対して印刷制御部51が設定するモータM1、M2の各回転速度率とを対応付けて格納している。
ここで、印刷制御部51が行う中間転写ベルト6の搬送速度V1のフィードバック制御と、転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2のフィードバック制御とは同様の処理であるので、中間転写ベルト6の搬送速度V1のフィードバック制御について例を挙げて説明する。
図11に示す速度設定用テーブル80では、パルス信号S1のカウント値の基準値が1000と設定されている。ここで、パルス信号S1のカウント値に対する基準値とは、中間転写ベルト6の搬送速度V1が、中間転写ベルト6および転写紙搬送ベルト8の共通の搬送速度の目標値(目標速度)V0となる場合における、パルス信号S1のカウント値のことをいう。
すなわち、エンコーダE1によって検出されたカウント値が基準値1000より大きい場合、中間転写ベルト6の搬送速度V1は増加しているため、搬送速度V1を目標速度V0として一定に保つためにはモータM1の回転速度を下げる必要が生じる。従って印刷制御部51は、図11に示すように、例えばカウント値が1005であった場合に、モータM1の回転速度率が99%となるよう駆動パルス信号の周波数f1を減少させ、搬送速度V1が目標速度V0となるように間接転写制御部53に対してフィードバック制御する。
一方、エンコーダE1によって検出されたカウント値が基準値1000より小さい場合、中間転写ベルト6の搬送速度V1は低下しているため、搬送速度V1を目標速度V0として一定に保つためにはモータM1の回転速度を上げる必要が生じる。従って印刷制御部51は、図11に示すように、例えばカウント値が993であった場合に、モータM1の回転速度率が101%となるよう駆動パルス信号の周波数f1を増加させ、搬送速度V1が目標速度V0となるよう間接転写制御部53に対してフィードバック制御する。
上述のように、印刷制御部51は、検出したパルス信号S1のカウント値とカウント値の基準値との差に基づいてモータM1の回転速度率を決定し、モータM1に対する駆動パルスの周波数f1を決定することにより、中間転写ベルト6の搬送速度V1が中間転写ベルト6および転写紙搬送ベルト8の共通の搬送速度の目標値V0となるよう、間接転写制御部53に対してフィードバック制御を行う。
印刷制御部51による転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2のフィードバック制御についても、上述と同様の制御が行われる。即ち、印刷制御部51は、エンコーダE2が単位時間当たりに検出したパルス信号S2のカウント値と、図11に示した速度設定用テーブル80とに基づいて、モータM2の回転速度率を調整することにより、転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2が、中間転写ベルト6および転写紙搬送ベルト8の共通の目標速度V0となるよう、直接転写制御部54に対してフィードバック制御を行う。
尚、パルス信号S1、S2のサンプリング時間は0.2ms程度が望ましいが、これに限定されるものではなく、CPU301の性能やエンコーダE1、E2(以降、特に限定しない場合にはエンコーダEと称する)の性能およびモータM1、M2(以降、特に限定しない場合にはモータMと称する)の構成に応じて適宜調整可能とする。
尚、上述の例では、モータM1およびモータM2の回転速度率調整に当たって、直接転写側と間接転写側とで速度設定用テーブル80を共有し、これに基づいて中間転写ベルト6の搬送速度V1および転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2の双方に対してフィードバック制御を行ったが、これに限定されるものではない。
その他の例として、図11に示す速度設定用テーブル80は各々のベルトに対して別個に設けてもよい。ただしこの場合も、中間転写ベルト6の搬送速度の目標値および転写紙搬送ベルト8の搬送速度の目標値は同一として設けた上で、パルス信号S1およびパルス信号S2のカウント値に対してそれぞれ基準値を設定することとする。
これにより、直接転写方式および間接転写方式の混成によって複合機100を構成する際に、速度制御用スケール60、70の構成、速度制御用スケール60、70およびエンコーダEの配置関係、エンコーダEの特性、モータMの特性等を自在に構成しても、転写紙搬送ベルト8および中間転写ベルト6の搬送速度を同一とすることが可能となるという効果を奏する。
印刷制御部51は、ベルト搬送のフィードバック制御が開始される場合に、エンコーダE1、E2が正常に動作しているかについて判定し、エンコーダE1、E2の動作状況に応じていずれのベルトについてフィードバック制御を行うか判断し、中間転写ベルト6の搬送速度V1および転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2が、中間転写ベルト6と転写紙搬送ベルト8の共通の目標速度V0となるように間接転写制御部53または直接転写制御部54に対してフィードバック制御する。
具体的には、印刷制御部51は、モータM1の作動により中間転写ベルト6が搬送されている状態であって、エンコーダE1からパルス信号S1が予め定められた所定の時間間隔内に検出できなかった場合に、エンコーダE1によるパルス信号S1の検出は異常である(エンコーダE1は故障している)と判定する。さらに、印刷制御部51は、エンコーダE1に異常がある場合には中間転写ベルト6の搬送速度の制御は不可能であると判定する。
同様に、印刷制御部51は、モータM2の作動により転写紙搬送ベルト8が搬送されている状態であって、エンコーダE2からパルス信号S2が予め定められた所定の時間間隔内に検出できなかった場合に、エンコーダE2によるパルス信号S2の検出は異常である(エンコーダE2は故障している)と判定する。さらに、印刷制御部51は、エンコーダE2に異常がある場合には転写紙搬送ベルト8の搬送速度の制御は不可能であると判定する。
次に、ベルト搬送のフィードバック制御が開始される場合に、印刷制御部51がエンコーダE1およびエンコーダE2の動作判定を行って、制御可能と判定されたベルトに対してベルト速度制御処理を行う場合の手順について、図12を用いて説明する。
まず、印刷制御部51は、複合機100の電源が投入されてモータM1、M2が作動開始され、中間転写ベルト6および転写紙搬送ベルト8の搬送が開始された場合に、エンコーダE2によって転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2に関するパルス信号S2が正常に検出されているか否かを判定する(ステップS1)。
エンコーダE2によってパルス信号S2が正常に検出されている場合(ステップS1;Yes)、印刷制御部51は、さらに、エンコーダE1によって中間転写ベルト6の搬送速度V1に関するパルス信号S1が正常に検出されているか否かを判定する(ステップS2)。
エンコーダE1によってパルス信号S1が正常に検出されている場合(ステップS2;Yes)、印刷制御部51は、パルス信号S1のカウント値と速度設定用テーブル80とに基づいてモータM1の回転速度率を調整し、中間転写ベルト6の搬送速度V1が搬送速度の目標値V0となるよう間接転写制御部53に対してフィードバック制御する(ステップS3)。同様に、印刷制御部51は、パルス信号S2のカウント値とカウント値の基準値との差に基づいてモータM2の回転速度率を調整し、転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2が搬送速度の目標値V0となるよう直接転写制御部54に対してフィードバック制御し、これにより、中間転写ベルト6の搬送速度V1および転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2が同一の搬送速度V0となるように制御する(ステップS3)。
中間転写ベルト6の搬送速度に関するパルス信号S1が正常に検出されていない場合(ステップS2;No)、印刷制御部51は、転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2に対してのみフィードバック制御を行い、パルス信号S2のカウント値と速度設定用テーブル80とに基づいてモータM2の回転速度率を調整し、転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2が搬送速度の目標値V0となるよう直接転写制御部54に対してフィードバック制御する(ステップS4)。
ステップS1において、エンコーダE1によって中間転写ベルト6の搬送速度V1に関するパルス信号S1が正常に検出されていない場合(ステップS1;No)、印刷制御部51は、ステップS2と同様に、エンコーダE1によってパルス信号S1が正常に検出されているか否かを判定する(ステップS5)。
エンコーダE1によってパルス信号S1が正常に検出されている場合(ステップS5;Yes)、印刷制御部51は、中間転写ベルト6の搬送速度V1に対してのみフィードバック制御するようにし、パルス信号S1のカウント値とカウント値の基準値との差に基づいてモータM1の回転速度率を調整し、中間転写ベルト6の搬送速度V1が搬送速度の目標値V0となるよう間接転写制御部53を制御する(ステップS6)。
エンコーダE1によってパルス信号S1が正常に検出されていない場合(ステップS5;No)、印刷制御部51は、エンコーダE1、E2の双方が故障しているとして、操作部400に「エンコーダが故障しています」等のメッセージ(図示せず)を表示させるとともに、間接転写制御部53による中間転写ベルト6の搬送制御および直接転写制御部54による転写紙搬送ベルト8の搬送制御を停止させる(ステップS7)。
上述では、エンコーダE1からパルス信号S1が予め定められた所定の時間間隔内に検出できなかった場合に、パルス信号S1は異常であるとしたが、これに限定されるものではない。その他の例として、エンコーダE1から送出されたパルス信号S1のパルス周期またはパルス間隔が予め定められた所定の範囲を超えた場合に、パルス信号S1は異常であると判定しても良い。
同様に、エンコーダE2からパルス信号S2が予め定められた所定の時間間隔内に検出できなかった場合に、パルス信号S2は異常であるとしたが、これに限定されるものではない。その他の例として、エンコーダE2から送出されたパルス信号S2のパルス周期またはパルス間隔が予め定められた所定の範囲を超えた場合に、パルス信号S2は異常であると判定しても良い。
尚、上述ではベルト搬送を開始する場合に、中間転写ベルト6および転写紙搬送ベルト8の搬送速度が制御可能か否かを判定し、判定結果に応じて少なくともいずれか一方のベルトの搬送速度のフィードバック制御を行うようにしたが、これに限定されるものではない。
その他の例として、印刷制御部51が、印刷開始時に受付けたジョブが直接転写側のみ用いるモノクロ印刷であるか、或いは間接転写側のみ用いるカラー印刷であるかについて判定し、印刷種類に応じてフィードバック制御の選択を行うようにしてもよい。
一例として、印刷開始時に印刷制御部51によって印刷ジョブはモノクロ印刷であると判定された場合、印刷制御部51は、ステップS1において転写紙搬送ベルト8の搬送速度の制御が正常であれば、ステップS3またはステップS4において転写紙搬送ベルト8の搬送速度V2のみをフィードバック制御するようにしても良い。
また、例えば印刷開始時に印刷制御部51によって印刷ジョブがカラー印刷であると判定された場合、印刷制御部51は、ステップS1を行わずにステップS5で中間転写ベルト6の搬送速度の制御が正常であるか判定し、正常である場合、ステップS6で中間転写ベルト6の搬送速度V1のみをフィードバック制御するようにしても良い。
上述のようにすることで、印刷の種類に応じて、必要最小限のフィードバック制御のみを行うことが可能となり、いずれか一方のベルトが制御不能となった場合であっても印刷の種類によっては円滑に印刷処理を行うことができるという効果を奏する。
上述のように、本実施の形態の画像形成装置100は、転写紙搬送ベルト8および中間転写ベルト6の搬送速度を同一にすることにより、直接転写方式および間接転写方式により形成される画像の副走査方向の位置ずれを無くすことができるという効果を奏する。
また、本実施の形態の画像形成装置100は、転写紙搬送ベルト8および中間転写ベルト6の搬送速度を同一にすることにより、速度差によるベルトの磨耗を低減することができるため、画質を維持できる期間を延ばし、併せて、ベルト磨耗に関する部品交換の回数を削減することが出来るという効果を奏する。
また、本実施の形態の複合機100は、中間転写ベルト6の搬送速度が制御不能に陥った場合でも、直接転写側についてのみ、転写紙搬送ベルト8の搬送速度が一定となるようフィードバック制御を行うことで、黒色画像の副走査方向の位置ずれを抑制し、黒色画像の画質を保持することができるという効果を奏する。
また、本実施の形態の複合機100は、転写紙搬送ベルト8の搬送速度が制御不能に陥った場合でも、間接転写側についてのみ、中間転写ベルト6の搬送速度が一定となるようフィードバック制御を行うことで、黒色以外のY、M、C色によるカラー画像について副走査方向の位置ずれを抑制し、Y、M、C色によるカラー画像の画質を保持することが出来るという効果を奏する。
さらに、本実施の形態の複合機100は、中間転写ベルト6および転写紙搬送ベルト8の搬送速度の両者が制御不能に陥った場合には間接転写制御部53および直接転写制御部54によるベルトの搬送制御を停止させるため、中間転写ベルト6および転写紙搬送ベルト8の搬送速度が制御不能の状態のまま互いに搬送されてベルトを損傷したり、ベルト周りの部品について消耗を進めたりしてしまうという恐れを回避することができるという効果を奏する。
また、本実施の形態の複合機100は、中間転写ベルト6および転写紙搬送ベルト8の搬送速度の両者が制御不能に陥った場合に、操作部400にベルトのフィードバック制御が不可能となった旨を表示するため、ユーザに対して的確かつ速やかに故障箇所を報知することが可能となり、故障に対処しやすくなってメンテナンスにかかる時間を短縮することができるという効果を奏する。
(第2の実施の形態)
ここで、本実施の形態の画像形成装置100は、中間転写ベルト6と転写紙搬送ベルト8との2つのベルトを有する為、直接転写側のK色および間接転写側のY、M、C色の全色の位置合わせの精度を保つためには、中間転写ベルト6および転写紙搬送ベルト8の搬送速度が同一になるようフィードバック制御が正常に行われていることが望まれる。そこで、本実施の形態の画像形成装置2100は、各フィードバック制御が正常に行われていない場合に位置合わせ制御処理を行うか否かについて、サービスマンが記憶手段に予め設定しておき、位置合わせ制御処理を開始する場合には、フィードバック制御の状況およびこの設定に応じて、位置合わせ制御処理を行うか否かを判定することを特徴とする。
第2の実施の形態の画像処理装置2100は、第1の実施の形態にかかるプリンタ部300とは異なる構成を有するプリンタ部2300を備えている。第2の実施の形態にかかるプリンタ部2300は、第1の実施の形態のプリンタ部300のハードウェア構成(図6参照)と同様のハードウェア構成から成っている。
図13は、本発明の第2の実施の形態にかかるプリンタ部2300の機能構成を示すブロック図である。第2の実施の形態のプリンタ部2300は、印刷制御部251と、位置合わせ制御部52と、間接転写制御部53と、直接転写制御部54と、2次転写制御部55とを主に備えている。ここで、位置合わせ制御部52と、間接転写制御部53と、直接転写制御部54と、2次転写制御部55は第1の実施の形態と同様の機能を有する為、ここでの説明を省略する。
印刷制御部251は、第1の実施の形態の印刷制御部51と同様の機能を有する他、さらに、操作部400から、画像形成装置2100のメンテナンス作業等を行う為のサービスモードを介して、エンコーダE1またはE2が故障している場合に位置合わせ制御処理を行うか否かの指示をサービスマンから受付け、受付けた指示をフラグ等を用いてRAM302に設定する。さらに、印刷制御部251は、位置合わせ制御処理を開始する場合に、このフラグを参照して位置合わせ制御処理を実行するか否かを判断する。
図14は、位置合わせ制御処理を開始する場合に、印刷処理部251が位置合わせ制御処理を実行するか否かを判定する処理の手順を説明するフローチャートである。
まず、印刷制御部251は、操作部400を介してサービスパーソンからの指示を受付けて、RAM302に前述のフラグを設定し、エンコーダEの故障時に位置合わせ制御処理を行うか否かの指示を記憶保存しておく。
まず、印刷制御部251は、位置合わせ制御処理の開始を指示する(ステップS11)。印刷制御部251は、エンコーダE1またはE2が故障しているか否かについて判定する(ステップS12)。エンコーダE1またはE2が故障している場合、印刷制御部251は、さらに、RAM302に予め設定されたフラグを参照して、エンコーダEの故障時にも位置合わせ制御処理を実行する設定となっているか否かを判定する(ステップS13)。フラグが例えば「0」と設定されており、エンコーダE1またはE2が故障している場合には位置合わせ制御処理を実行しない旨が設定されている場合(ステップS13;No)には、印刷制御部251は、位置合わせ制御処理を中断し、印刷待機状態に移行する(ステップS14)。
ステップS12において、エンコーダE1またはE2が故障していないと判定された場合(ステップS12;No)、あるいはRAM302にフラグが例えば「1」と設定されており、エンコーダE1またはE2が故障している場合であっても位置合わせ制御処理を実行する旨が設定されている場合(ステップS13;Yes)、印刷制御部251は位置合わせ制御部52に指示して、位置合わせ制御部52にY、M、C、K色の位置合わせ制御処理を開始させる(ステップS15)。
上述のようにすることで、本実施の形態の複合機100は、ベルトの搬送速度が制御不能に陥った場合に一意的に位置合わせ制御処理を実行してしまう事態を回避できるため、位置合わせ精度の低下を防止できるという効果を奏する。
尚、上述では、印刷制御部251がエンコーダE1またはE2は正常に動作しているか否か判定させるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、印刷制御部251が、ベルトの搬送開始時に、エンコーダE1およびE2の動作状況を記憶手段であるRAM302に記憶保存しておき、位置合わせ制御開始時に、印刷制御部251がRAM302を参照して、エンコーダEが正常に動作しているか否かを判定させるとしてもよい。
なお、上述では、印刷制御部251は、エンコーダE1またはE2が故障した場合に位置合わせ制御処理を実行するか否かを判定するとしたが、これに限定されるものではない。例えば、直接転写側のエンコーダE2の故障については放置して、間接転写側のエンコーダE1が故障した場合に限って位置合わせ制御処理を実行するか否かを判定するとしてもよい。これにより、直接転写側のエンコーダE2が故障した場合に判定処理を省略して、間接転写方式で形成される複数色の画像の位置合わせをスムーズに行うことが可能となるという効果を奏する。
6 中間転写ベルト
8 転写紙搬送ベルト
12K、12Y、12M、12C 画像形成ユニット
40、50 パターン検出用センサ
M、M1、M2 モータ
E、E1、E2 エンコーダ
60、70 速度制御用スケール
80 速度設定用テーブル
15 2次転写部
51 印刷制御部
52 位置合わせ制御部
53 間接転写制御部
54 直接転写制御部
55 2次転写制御部
100 画像形成装置
P 転写紙
特開2006−85138号公報

Claims (9)

  1. 単色の画像形成ユニットと直接転写体とを制御して、前記単色の画像形成ユニットによって形成した画像を、直接転写体または当該直接転写体により搬送される転写紙に転写する直接転写制御部と、
    複数色の画像形成ユニットと中間転写体とを制御して、前記複数色の画像形成ユニットによって複数色の画像を前記中間転写体上に重ね合わせる間接転写制御部と、
    前記中間転写体の搬送速度に係る情報を検出する第1の検出手段と、
    前記直接転写体の搬送速度に係る情報を検出する第2の検出手段と、
    前記第1の検出手段によって検出された前記中間転写体の搬送速度に係る情報と、前記第2の検出手段によって検出された前記直接転写体の搬送速度に係る情報とに基づいて、前記中間転写体の搬送速度と、前記直接転写体の搬送速度とを同一の搬送速度とするように、前記直接転写制御部と前記間接転写制御部との少なくともいずれか一方を制御する印刷制御部と、
    前記間接転写制御部によって形成される画像および前記直接転写制御部によって形成される画像の位置合わせ制御処理を行う位置合わせ制御部と、
    前記印刷制御部によって、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段の少なくともいずれか一方が正常でないと判定された場合に、前記位置合わせ制御部による前記位置合わせ制御処理を実行するか否かの指示を記憶する記憶部と、
    を備え、
    前記印刷制御部は、前記位置合わせ制御部によって前記位置合わせ制御処理を開始する場合に、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段が正常に動作しているか判定し、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行する旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させ、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行しない旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させない、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記印刷制御部は、前記直接転写体および前記中間転写体を同一の搬送速度で搬送するために予め設定された1つの搬送速度に係る情報の目標値と、前記第1の検出手段によって検出された前記中間転写体の搬送速度に係る情報とに基づいて、前記中間転写体の搬送速度をフィードバック制御し、前記1つの搬送速度に係る情報の目標値と、前記第2の検出手段によって検出された前記直接転写体の搬送速度に係る情報とに基づいて、前記直接転写体の搬送速度をフィードバック制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記印刷制御部は、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段が正常に動作しているか判定し、前記第1の検出手段が正常でないと判定した場合に、前記第2の検出手段によって検出された前記直接転写体の搬送速度に係る情報および前記1つの搬送速度に係る情報の目標値に基づいて、前記直接転写体の搬送速度に限ってフィードバック制御する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記印刷制御部は、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段が正常に動作しているか判定し、前記第2の検出手段が正常でないと判定した場合に、前記第1の検出手段によって検出された前記中間転写体の搬送速度に係る情報および前記1つの搬送速度に係る情報の目標値に基づいて、前記中間転写体の搬送速度に限ってフィードバック制御する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記印刷制御部は、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段が正常に動作しているか判定し、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段の両方が正常でないと判定した場合に、前記中間転写体および前記直接転写体の搬送制御を停止させる、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1の検出手段または前記第2の検出手段の少なくともいずれか一方が正常に動作していない旨を表示する操作表示部をさらに備え、
    前記印刷制御部は、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段が正常に動作しているか判定し、前記第1の検出手段が正常でないと判定した場合には、前記操作表示部に前記第1の検出手段が正常でない旨を表示させ、前記第2の検出手段が正常でないと判定した場合には、前記操作表示部に前記第2の検出手段が正常でない旨を表示させる、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  7. 前記直接転写制御部によって制御される前記画像形成ユニットが形成する画像は黒色であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  8. 画像形成装置で実行される画像形成方法であって、
    前記画像形成装置は、制御部と記憶部とを備え、
    前記制御部において実行される、
    直接転写制御部が、単色の画像形成ユニットと直接転写体とを制御して、前記単色の画像形成ユニットによって形成した画像を、直接転写体または当該直接転写体により搬送される転写紙に転写するステップと、
    間接転写制御部が、複数色の画像形成ユニットと中間転写体とを制御して、前記複数色の画像形成ユニットによって複数色の画像を前記中間転写体上に重ね合わせるステップと、
    印刷制御部が、前記中間転写体の搬送速度に係る情報と、前記直接転写体の搬送速度に係る情報とに基づいて、前記中間転写体の搬送速度と、前記直接転写体の搬送速度とを同一の搬送速度とするように、前記直接転写制御部と前記間接転写制御部との少なくともいずれか一方を制御するステップと、
    位置合わせ制御部が、前記間接転写制御部によって形成される画像および前記直接転写制御部によって形成される画像の位置合わせ制御処理を行う位置合わせ制御ステップと、
    前記印刷制御部によって、前記中間転写体の搬送速度に係る情報を検出する第1の検出手段または前記直接転写体の搬送速度に係る情報を検出する第2の検出手段の少なくともいずれか一方が正常でないと判定された場合に、前記位置合わせ制御処理を実行するか否かの指示を記憶部に記憶するステップと、
    前記印刷制御部が、前記位置合わせ制御部によって前記位置合わせ制御処理を開始する場合に、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段が正常に動作しているか判定し、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行する旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させ、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行しない旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させないステップと、
    を含むことを特徴とする画像形成方法。
  9. コンピュータを、
    単色の画像形成ユニットと直接転写体とを制御して、前記単色の画像形成ユニットによって形成した画像を、直接転写体または当該直接転写体により搬送される転写紙に転写する直接転写制御部と、
    複数色の画像形成ユニットと中間転写体とを制御して、前記複数色の画像形成ユニットによって複数色の画像を前記中間転写体上に重ね合わせる間接転写制御部と、
    前記中間転写体の搬送速度に係る情報と、前記直接転写体の搬送速度に係る情報とに基づいて、前記中間転写体の搬送速度と、前記直接転写体の搬送速度とを同一の搬送速度とするように、前記直接転写制御部と前記間接転写制御部との少なくともいずれか一方を制御する印刷制御部と、
    前記間接転写制御部によって形成される画像および前記直接転写制御部によって形成される画像の位置合わせ制御処理を行う位置合わせ制御部と、
    前記印刷制御部によって、前記中間転写体の搬送速度に係る情報を検出する第1の検出手段または前記直接転写体の搬送速度に係る情報を検出する第2の検出手段の少なくともいずれか一方が正常でないと判定された場合に、前記位置合わせ制御部による前記位置合わせ制御処理を実行するか否かの指示を記憶部に記憶する記憶制御部、として機能させ、
    前記印刷制御部は、前記位置合わせ制御部によって前記位置合わせ制御処理を開始する場合に、前記第1の検出手段および前記第2の検出手段が正常に動作しているか判定し、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行する旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させ、前記第1の検出手段または前記第2の検出手段は正常でないと判定した場合であって、前記記憶部に記憶された前記指示が前記位置合わせ制御処理を実行しない旨を示す場合には、前記位置合わせ制御部に前記位置合わせ制御処理を実行させない、
    ログラム。
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