JP5398065B2 - リールシート - Google Patents
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Description
そして、リール脚挿入用保持部には、脚押さえ体としての柔軟部材からなるスペーサ(公報内番号:10)が装着されている。このスペーサの表面には、突起としての係止突起(公報内番号:8)が形成され、フード本体部に形成した凹溝(公報内番号:9)に嵌入させて、スペーサをフード本体部に装着している(特許文献1)。
そうすると、スペーサでリール脚の先側足部を押さえ保持する構成を採っていても、遊動フードをナット部材としての緊締筒(公報内番号:5)を回転させて、竿軸線方向に沿ってスライド移動させる際に遊動フードがガタツキを生じ、釣り人の感触が不満足なものとなり、リールシートとしての品質の低下を招来していた。
しかも、フード本体部に装着されているスペーサも、そのスペーサに形成した係止突起をフード本体部に係入して装着されているだけであるので、スペーサ自体もフード本体部に対してガタツキ易い構成となっており、更に、改善の余地があった。
請求項1に係る発明の特徴構成は、竿体の竿軸線方向に沿ってスライド移動自在な可動フードをシートベースに取り付け、前記可動フード内にリールの先端足部を保持する脚押さえ体を設け、前記脚押さえ体が円周方向にズレ動くのを抑制する姿勢規制機構を設けて、
前記シートベースにおけるリール脚載置面とは竿軸心を挟んで反対側に、竿軸線に平行な係合用凹部を形成するとともに、前記可動フードに前記係合用凹部に係合する係合部を設け、前記係合部と前記係合用凹部との係合状態によって、前記可動フードを、左右方向への動きを規制し竿軸線に沿ってスライド移動自在に構成する可動フード姿勢規制機構を設け、
前記脚押さえ体姿勢規制機構における前記脚押さえ体の左右横方向への許容移動量を前記可動フード姿勢規制機構における前記可動フードの左右横方向への許容移動量より小さく設定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
姿勢規制機構を、シートベースと脚押さえ体とに亘って設けたので、脚押さえ体の周方向でのズレ動き(ガタツキ)が抑制され、この脚押さえ体を装着している可動フードも周方向へのズレ動きが抑制される。
このように、脚押さえ体のシートベースに対する周方向での姿勢が規制されて安定したものとなるので、リール脚の先側足部を保持する位置が、シートベースに形成されているリール載置面に対して位置ズレし難くなり、リール脚のセンタリング機能が向上する。
係合部と係合用凹部との係合状態によって、可動ガイドを竿軸線に平行な方向に移動させる構成としてあるが、係合部と係合用凹部との係合状態に、可動フードの周方向へのガタツキを抑制する機能までを付加する必要がないので、係合部と係合用凹部とに大きな機構の変更を加える必要がない。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記脚押さえ体に係合突部を形成し、前記シートベースに前記係合突部を係入する係合用ガイド凹部を形成し、前記係合突部と前記係合用ガイド凹部とで、前記可動フードとともに前記脚押さえ体を竿軸線方向に沿って案内するとともに前記脚押さえ体の周方向へのズレ動きを抑制するように、前記姿勢規制機構を構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
リール脚を押さえ保持するものとして脚押さえ体を可動フード内に設け、この脚押さえ体にシートベースの係合用ガイド凹部に係合する係合突部を形成して姿勢規制機構を構成し、可動フードの周方向へのガタツキを抑制している。
このように、リール脚を押さえ保持するものとして導入された脚押さえ体を姿勢規制機構に兼用することによって、可動フード自体にガタツキを抑制する機構を設ける必要はなく、可動フード自体は製造方法等を変更する必要はない。
しかも、脚押さえ体を姿勢規制機構に兼用することによって専用の機構を採用する必要がなく、機器構成の簡素化を図ることができる。
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記脚押さえ体の左右両端部に当接部を形成し、前記左右の当接部を前記シートベースに当接させることによって、脚押さえ体姿勢規制機構を構成する点にあり、その作用効果は次の通りである。
係合部と係合用凹部との係合状態によって、可動ガイドを竿軸線に平行な方向に移動させる構成としてあるが、係合部と係合用凹部との係合状態に、可動フードの周方向へのガタツキを抑制する機能までを付加する必要がないので、係合部と係合用凹部とに大きな機構の変更を加える必要がない。
本発明を釣り竿Aに適用する形態について説明する。
釣り竿Aは、図1〜4に示すように、握り部を備えた竿体としての元竿1に、スピンニングリール10を取り付ける筒状リールシートBを装着し、筒状リールシートBのシートベース2に可動フードDを取り付けて構成してある。
図4,8,9に示すように、可動フードDには、リール脚10Aの先端において竿元側に屈曲形成されている元側足部(先端足部の一例)10aを保持するフード本体5と、フード本体5内に装着されている合成樹脂製の脚押さえ体8と、フード本体5を竿軸線X方向に螺進移動させるナット体7とが装備されている。
脚押さえ体8としては、合成樹脂以外にニトリルゴム等のゴムを材料として採用してもよい。
図5に示すように、シートベース2は、ポリエステル、ABS、PET等のエンジニアリング樹脂を使用した筒状体である。前記したように、竿先半部に外向きに盛り上がっている固定フード3を形成してあり、固定フード3のフード内部に入り込む状態で先側載置面2Aを形成してある。この先側載置面2Aでリール脚10Aの先端において竿先側に屈曲形成されている先側足部10aを載置支持すべく構成してある。
先側載置面2Aの竿元側に、位置決め用の環状鍔2Cが設けてあり、環状鍔2Cの更に竿元側に、可動フードD内に入り込む元側載置面2Bを形成してある。元側載置面2Bでリール脚10Aの先端において竿元側に屈曲形成されている元側足部10aを載置支持すべく構成してある。
取付座2Dにおける固定フード3の存在側とは反対側の面と固定フード3の横側方側の面には、シートベース2の軸線方向に沿った突条2aが形成してあり、この突条2aが取付座2Dに装着したゴムグリップ6の内周面に形成した後記する長溝6eに係合して、ゴムグリップ6の捲れ上がりを抑制する構成を採っている。
一方、元側載置面2Bは略一定の広い横幅を呈し、竿元側端部において左右方向での横幅を狭める形状を呈している。図6に示すように、先側載置面2Aと元側載置面2Bとの間でゴムグリップ6の取付座2Dの一部を形成する繋ぎ部分2cにおいては、先側載置面2Aの竿元側端の横幅L1と元側載置面2Bの竿先側端の横幅L2とに連続的に繋がるような横幅を呈している。
中間傾斜凹入面部6dによって、ゴムグリップ6を所定位置に装着した際に、シートベース2に形成された斜め上向き傾斜凹入面2eとゴムグリップ6の斜め上向き傾斜面6dとが段差無く繋がることとなっている。
この膨出部6Bの内周面には、抜き孔6Aの存在側とは180°反対側及び左右の両側面の3箇所に、竿軸線X方向に沿った細幅の長溝6eが形成してある。ゴムグリップ6をシートベース2に装着した際に、シートベース2に突出形成した突条2aに細幅の長溝6eが外嵌係合して、ゴムグリップ6の位置決めを行うとともにゴムグリップ6の捲れ上がりを抑制する構成を採っている。
しかも、後記するように、ゴムグリップ6を円弧状面2gに装着した際に、ゴムグリップ6に形成した中間傾斜凹入面部6dが、竿先側に位置する斜め上向きの先側傾斜凹入面2eと段差なく連続する状態となる。これによって、手指や掌を圧迫することが少なく、仕掛けの打ち込みや魚の釣り上げ操作を行う場合に、手が痛くならず負担も少ない。
脚押さえ体8は、リール本体5におけるリール脚挿入用保持部5aに内装されるように、略円弧状を呈するものであり、竿先側端に鍔部8bを突出させるとともに、上面の左右中央部に上向きに突出する突起8cを設け、この突起8cをフード本体5の天井部分に形成した抜き孔5d内に嵌合させて、脚押さえ体8の位置決めを行っている。
つまり、図9に示すように、フード本体5における略4分の3円弧状を呈する部分とアーチ状を呈するリール脚挿入用保持部5aとの接続部位近傍には、上向き段差部5eが設けてある。
一方、脚押さえ体8には、左右の両下端部近傍の外面に下向き段差部8gが形成してある。脚押さえ体8をフード本体5のリール脚挿入用保持部5a内に挿入した際に、脚押さえ体8の下向き段差部8gがフード本体5の上向き段差部5eに上方から当接して、脚押さえ体8が装着支持される。
以上のような構成によって、脚押さえ体8は、誘導突条8Bを第1ガイド溝4aに係合させるとともに、左右の下端部の当接部8hをシートベース2の元側傾斜凹入面2fに当接させることによって3点支持状態を確立し、周方向へのガタツキを抑制する脚押さえ体姿勢規制機構Cを構成する。
前記した誘導突条8Bと第1ガイド溝4aとの関係に比べて係合突起5nが第2ガイド溝4bに係合した状態でも、多少、左右横方向に動き得る余裕を持った構成となっている。
このような構成を採っているのは、係合突起5nと第2ガイド溝4bとの係合状態を、誘導突条8Bと第1ガイド溝4aとの係合状態と同様に左右横方向への動きを抑制したものにすると、可動フードD自体の竿軸線X方向に沿った動きが円滑さを欠くものとなり、操作がし辛くなるからである。
図2〜図6に示すように、可動フードDのフード本体5は、リール脚10Aを保持する
リール脚挿入用保持部5aから竿元側に向けて外径が細くなる中間縮径部5jを形成して
あり、中間縮径部5jより竿元側に中間縮径部5jの外径より大径の受止部5kを形成してある。
このような構成によって、リール脚10Aをシートベース2と共に握った手指における親指部分がゴムグリップ6に当てがわれることとなって、圧迫感を感じることが少ない。
このような構成によって、可動フードDの外周面と環状鍔2Cとゴムグリップ6の外周面とが略面一状態に連なることとなり、その部分を握る手に圧迫感を与えることが少ない。
凹入部2dは、第2ガイド溝4bの竿先端と環状鍔2Cとの間において、円周方向での横幅が略30°位に亘る範囲に凹入形成されている。尚、凹入部2dとしては、可動フードDとの干渉を回避する範囲で、円周方向での横幅を30°〜90°に至る範囲で採っても良い。
つまり、リール脚10Aを保持すべく、可動フードDがナット体7とともに移動すると、脚押さえ体8がリール脚10Aの元側足部10aの甲部分に形成された傾斜面10bに乗り上る状態になるので、可動フードDは、リール脚10Aの元側足部10aによって持ち上げられたような状態となり、シートベース2に対して偏芯した状態となる。
そうすると、前記反対側の端縁がシートベース2の外周面に食い込むような状態になると、塗装面が剥がれる等の不具合が起こり得る。
そこで、前記したように凹入部2dを形成してあるので、可動フードDの反対側端縁がシートベース2の外周面に食い込むことが抑制されて、塗料が剥がれる等の不具合を抑制することができる。
係合突起5nと第2ガイド溝4bとの組み合わせ構成は、姿勢規制機構Cが係合突起5nと第2ガイド溝4bとの組み合わせが発揮する機能と同様の機能を発揮できるならば、省略してもよい。
第1実施形態の内、シートベース2に環状鍔2Cを形成していない実施形態のものを第2実施形態とする。したがって、環状鍔2Cの存在しない部分はシートベース2の他の外周面と面一状態となる。
第1実施形態の内、シートベース2にゴムグリップ6を装着していない実施形態のものを第3実施形態とする。従って、シートベース2に形成したゴムグリップ6を装着する為の取付座2Dはなく、シートベース2の外面は固定ガイド3の外面と面一状態で形成される。
第1実施形態の内、シートベース2に可動フードDとの干渉を回避する為の凹入部2dを設けない実施形態のものを第4実施形態とする。凹入部2dを形成しない部分は、シートベース2における外周面の他の部分と面一状態に形成する。
第1実施形態の内、シートベース2には先側傾斜凹入面2eと元側傾斜凹入面2fとを形成していない実施形態のものを第5実施形態とする。従って、シートベース2の先側載置面2Aと元側載置面2Bの両横側方には、傾斜面ではなく、円弧面を形成してもよい。
第1実施形態の内、ゴムグリップ6の膨出部6Bと可動フードDの中間縮径部5jと受止部5kとを形成していない実施形態のものを第6実施形態とする。したがって、ゴムグリップ6では、膨出部6Bを形成せずに外周面を一定の外径を呈するものに形成し、可動フードDにおいても中間縮径部5jと受止部5kに相当する部分を一定の外径を呈する部分に構成してもよい。
次に、シートベース2と可動フードD、ナット体7とが第1実施形態のものとは異なる仕様のものを記述する。図11に示すように、シートベース2を筒状でかつ外周面が滑らかに連続する曲面に形成し、竿先側に固定フード3を一体形成してある。シートベース2の竿元側部分には雄ねじ部4を刻設してあり、この雄ねじ部4にナット体7が螺合されており、このナット体7の竿先側に可動フードDが連結されている。
2 シートベース
2A 先側載置面(リール脚載置面)
2B 元側載置面(リール脚載置面)
4a 第1ガイド溝(係合用ガイド凹部)
4b 第2ガイド溝(係合用凹部)
5 フード本体
5n 係合突起(係合部)
8 脚押さえ体
8B 誘導突条(係合突部)
10A リール脚
10a 元側足部(先端足部)
C 脚押さえ体姿勢規制機構
D 可動フード
X 竿軸線
Claims (3)
- 竿体の竿軸線方向に沿ってスライド移動自在な可動フードをシートベースに取り付け、前記可動フード内にリールの先端足部を保持する脚押さえ体を設け、前記脚押さえ体が円周方向にズレ動くのを抑制する脚押さえ体姿勢規制機構を設け、
前記シートベースにおけるリール脚載置面とは竿軸心を挟んで反対側に、竿軸線に平行な係合用凹部を形成するとともに、前記可動フードに前記係合用凹部に係合する係合部を設け、前記係合部と前記係合用凹部との係合状態によって、前記可動フードを、左右方向への動きを規制し竿軸線に沿ってスライド移動自在に構成する可動フード姿勢規制機構を設け、
前記脚押さえ体姿勢規制機構における前記脚押さえ体の左右横方向への許容移動量を前記可動フード姿勢規制機構における前記可動フードの左右横方向への許容移動量より小さく設定してあるリールシート。 - 前記脚押さえ体に係合突部を形成し、前記シートベースに前記係合突部を係入する係合用ガイド凹部を形成し、前記係合突部と前記係合用ガイド凹部とで、前記可動フードとともに前記脚押さえ体を竿軸線方向に沿って案内するとともに前記脚押さえ体の周方向へのズレ動きを抑制するように、前記脚押さえ体姿勢規制機構を構成してある請求項1記載のリールシート。
- 前記脚押さえ体の左右両端部に当接部を形成し、前記左右の当接部を前記シートベースに当接させることによって、脚押さえ体姿勢規制機構を構成する請求項1又は2記載のリールシート。
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