JP5817979B2 - リールシート並びにこれに用いるフード及び操作ナット - Google Patents

リールシート並びにこれに用いるフード及び操作ナット Download PDF

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Description

この発明は、釣竿に釣用リールを装着するためのリールシートの構造に関するものである。
いわゆる延べ竿を除いて、釣竿は一般に釣用リール(以下、単に「リール」と称する。)を装着するためのリールシートを備えている。リールシートは、リールの脚の両端部を固定するようになっており、この脚の一端部を固定する固定フード及び他端部を固定する可動フードを有する。可動フードは、固定フードと対向配置され、固定フードに対して接離するようにスライド可能に設けられている。リールシート上にリールの脚が載置され、可動フードが固定フードに接近することにより、これら各フードによってリールの脚が挟持され固定される。
図13及び図14は、それぞれ、従来の一般的なリールシートの構造を示す斜視図及び断面図である(たとえば特許文献1参照)。
このリールシート1は、いわゆるスクリュータイプである。リールシート1は、シート本体2と、これと一体的に形成された固定フード3と、シート本体2に螺合された可動フード4とを備える。可動フード4は、円筒状のフード本体5と、フード本体5に対して回動自在に連結された締結ナット6とを有する。フード本体5は、シート本体2を囲繞するように当該シート本体2の外側に嵌め合わされている。フード本体5は、固定フード3と対向配置されており、シート本体2の軸方向に沿ってスライドすることができる。締結ナット6は、シート本体2に形成されたねじ部に螺合しており、回転することによって上記軸方向に沿ってスライドする。締結ナット6がスライドすることによって、フード本体2は、締結ナット6と共にスライドし、上記固定フード3に対して接離する。
特開2011−10592号公報
このようなスクリュータイプのリールシート1は、特に大型魚をターゲットとする釣竿に採用され、上記円筒状のフード本体5は、一般に金属(典型的にはステンレス鋼)から構成される。そのため、リールシート1は堅牢性に優れるが、その一方で重量が大きくなるために軽量化の要請があった。
ところで、フード本体5に対する締結ナット6の連結構造は、フード本体5の端部の内周面に周溝7が形成され、この周溝7に上記締結ナット6に設けられた突条8が嵌め合わされている。この突条8は、上記締結ナット6の端部に周方向に沿って形成されており、上記周溝7に対して摺動することができる。このように、フード本体5に上記周溝7が加工されるために、フード本体5の肉厚は一定以上の寸法が確保されなければならない。そのため、上記軽量化の要請があるものの、フード本体5の薄肉化による軽量化は困難であった。
また、フード本体5の肉厚が大きくなると、シート本体2とフード本体5との境界に大きな段差が形成される。そのため、ユーザーがリールシート1を握った際に手のひらに上記段差が当たり違和感を感じるという不都合もあった。
さらに、フード本体5への上記周溝7の加工は、一般に容易ではない。すなわち、上記周溝7が切削加工される際に、フード本体5が変形することがある。つまり、フード本体5の断面形状が円から楕円に変形する。フード本体5が変形すれば、これに締結ナット6が嵌め合わされたときに当該締結ナット6の滑らかな回転が妨げられ、ユーザーにとって操作感が悪く商品として完成度の低いものとなる。
本発明はかかる背景のもとになされたものであって、その主目的は、軽量且つ堅牢であり、しかもユーザーが握った際に違和感を感じないリールシートを提供することである。
(1) 本発明に係るリールシートは、軸方向一端側に固定フードが形成された筒状のシート本体と、当該シート本体の軸方向他端側に上記固定フードに対向した状態で上記軸方向に沿ってスライドする可動フードとを備えている。上記可動フードは、上記シート本体に外嵌された状態で上記固定フードに対して接離する筒状のフード本体と、上記シート本体に外嵌され且つ上記フード本体の上記軸方向他端側に連結された操作ナットとを有する。上記フード本体は、軸方向一端側に配置され、上記シート本体を囲繞するフード部と、当該フード部の上記軸方向他端側に連続し、当該向きに漸次拡径された円筒状の連結部とを有する。上記操作ナットは、上記シート本体に螺合して上記軸方向周りに回動することによって当該軸方向に沿ってスライドするナット本体と、当該ナット本体と上記フード本体との間に介在され、当該ナット本体に対して上記軸方向周りの回動が許容された状態で連結されると共に上記フード本体の連結部の内側に上記軸方向周りの回動が規制された状態で連結された連結リングとを備えている。
このリールシートは、釣竿本体を構成するブランクに装着される。典型的には、このブランクがシート本体に挿入され、ブランクの所定の位置にシート本体が固定される。操作ナットが操作されると、リールの脚が固定フードと可動フードとによって挟持される。具体的には、リールの脚の一方側が固定フードに挿入された状態でナット本体が回転される。回転するナット本体はシート本体に対してスライドし、操作ナットはフード本体と共に固定フードに接近する。フード本体が固定フード側へスライドすると、リールの脚の他方側がフード本体内に挿入される。これにより、リールの脚は固定フードと可動フードとにより挟持され、リールはリールシートに固定される。
上記操作ナットは、ナット本体と連結リングとに二分割されている。連結リングは、ナット本体に回動自在に嵌め込まれており、且つフード本体に対して回転が規制された状態で固定されている。したがって、ナット本体はシート本体に対して回転可能であり、ナット本体が回転されると、連結リングは、シート本体に対しては回転せず、フード本体と共に固定フード側へスライドする。連結リングとフード本体との連結構造は特に限定されるものではなく、フード本体に対して上記軸方向周りの回動が規制される構造であれば、既知の連結構造が採用され得る。
つまり、従来のように、フード本体に周溝が形成され、この周溝に対して摺動するように操作ナットが係合される必要はない。フード本体への周溝加工が不要であるから、フード本体の薄肉化が可能となる。さらに、フード本体に対してナット本体が摺動する構造ではないため、従来のようなフード本体の端部の加工における高い真円度が要求されず、フード本体の加工が容易となる。
(2) 上記連結部の上記軸方向他端部に径方向に貫通する係合孔が設けられ、上記連結リングの上記軸方向一端部に係合突起が形成されており、当該係合突起が上記連結部の内側から外側に向かって上記係合孔に嵌合しているのが好ましい。
この構成では、フード本体に設けられた係合孔に、連結リングに形成された係合突起が嵌め合わされるだけで、フード本体と連結リングが簡単に連結されると共に、連結リングに対するフード本体の相対的回転が防止される。特に、従来ではフード本体に加工が困難な周溝が形成されていたのに対して、本発明ではフード本体に係合孔(典型的にはパンチング孔)が形成されるだけであるから、フード本体の薄肉化及び加工がきわめて簡単である。
(3) 複数の係合孔が上記連結部に設けられており、各係合孔と嵌合する複数の係合突起が上記連結リングに形成されているのが好ましい。
この場合、連結リングに対するフード本体の相対的回転が確実に防止される。上記複数の係合孔は、フード本体の周方向に沿って並設され得る。好ましくは、複数の係合孔は、周方向に均等に配置される。
(4) 本発明に係る可動フードは、軸方向一端側に固定フードが形成された筒状のシート本体と、当該シート本体の軸方向他端側に上記固定フードに対向した状態で上記軸方向に沿ってスライドする可動フードとを備えたリールシートに適用される可動フードである。この可動フードは、上記シート本体に外嵌された状態で上記固定フードに対して接離する筒状のフード本体と、上記シート本体に外嵌され且つ上記フード本体の上記軸方向他端側に連結された操作ナットとを有する。上記フード本体は、軸方向一端側に配置され、上記シート本体を囲繞するフード部と、当該フード部の上記軸方向他端側に連続し、当該向きに漸次拡径された円筒状の連結部とを有する。上記操作ナットは、上記シート本体に螺合して上記軸方向周りに回動することによって当該軸方向に沿ってスライドするナット本体と、当該ナット本体と上記フード本体との間に介在され、当該ナット本体に対して上記軸方向周りの回動が許容された状態で連結されると共に上記フード本体の連結部の内側に上記軸方向周りの回動が規制された状態で連結された連結リングとを備えている。
釣竿本体を構成するブランクがシート本体に挿入され、ブランクの所定の位置にシート本体が固定される。操作ナットが操作されると、リールの脚が固定フードと可動フードとによって挟持される。具体的には、リールの脚の一方側が固定フードに挿入された状態でナット本体が回転される。回転するナット本体はシート本体に対してスライドし、操作ナットはフード本体と共に固定フードに接近する。フード本体が固定フード側へスライドすると、リールの脚の他方側がフード本体内に挿入される。これにより、リールの脚は固定フードと可動フードとにより挟持され、リールはリールシートに固定される。
上記操作ナットは、ナット本体と連結リングとに二分割されている。連結リングは、ナット本体に回動自在に嵌め込まれており、且つフード本体に対して回転が規制された状態で固定されている。したがって、ナット本体はシート本体に対して回転可能であり、ナット本体が回転されると、連結リングは、シート本体に対しては回転せず、フード本体と共に固定フード側へスライドする。連結リングとフード本体との連結構造は特に限定されるものではなく、フード本体に対して上記軸方向周りの回動が規制される構造であれば、既知の連結構造が採用され得る。
つまり、従来のように、フード本体に周溝が形成され、この周溝に対して摺動するように操作ナットが係合される必要はない。フード本体への周溝加工が不要であるから、フード本体の薄肉化が可能となる。さらに、フード本体に対してナット本体が摺動する構造ではないため、従来のようなフード本体の端部の加工における高い真円度が要求されず、フード本体の加工が容易となる。
(5) 上記連結部の上記軸方向他端部に径方向に貫通する係合孔が設けられ、上記連結リングの上記軸方向一端部に係合突起が形成されており、当該係合突起が上記連結部の内側から外側に向かって上記係合孔に嵌合しているのが好ましい。
この構成では、フード本体に設けられた係合孔に、連結リングに形成された係合突起が嵌め合わされるだけで、フード本体と連結リングが簡単に連結されると共に、連結リングに対するフード本体の相対的回転が防止される。特に、従来ではフード本体に加工が困難な周溝が形成されていたのに対して、本発明ではフード本体に係合孔(典型的にはパンチング孔)が形成されるだけであるから、フード本体の薄肉化及び加工がきわめて簡単である。
(6) 複数の係合孔が上記連結部に設けられており、各係合孔と嵌合する複数の係合突起が上記連結リングに形成されているのが好ましい。
この場合、連結リングに対するフード本体の相対的回転が確実に防止される。上記複数の係合孔は、フード本体の周方向に沿って並設され得る。好ましくは、複数の係合孔は、周方向に均等に配置される。
(7) 本発明に係るフード本体は、前述の可動フードに適用されるものであって、上記シート本体に外嵌される筒状を呈し、上記軸方向他端部に径方向に貫通する係合孔が設けられていることを特徴とする。
フード本体が筒状に形成されることにより、フード本体の高い剛性が確保される。しかも、従来のようにフード本体に周溝が加工されるものではなく、上記係合孔(典型的にはパンチング孔)が設けられるから、フード本体の薄肉化及び軽量化が可能である。また、フード本体への加工が簡単であるから、製造コストも削減される。
(8) 本発明に係る操作ナットは、前述の可動フードに適用されるものであって、上記シート本体に螺合して上記軸方向周りに回動することによって当該軸方向に沿ってスライドするナット本体と、当該ナット本体と上記フード本体との間に介在され、当該ナット本体に対して上記軸方向周りの回動が許容された状態で連結されると共に上記フード本体の連結部の内側に上記軸方向周りの回動を規制する係合突起が形成された連結リングとを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、操作ナットが二つの部材からなり、連結リングが上記フード本体と係合すると共にナット本体に対して回動自在に連結している。つまり、ナット本体が操作されることにより、ナット本体に対して連結リングが相対的に回転するが、この連結リングは、フード本体と摺動するものではない。したがって、フード本体に対して連結リングが回動するための加工、すなわちフード本体への溝加工等の複雑でコストがかかる加工が不要である。なお、リールシートにリールが装着された場合に十分な強度が要求されるのは上記フード本体であり、操作ナットではない。したがって、連結リング及びナット本体は樹脂等による射出成形により構成されることができ、その場合、ナット本体に対して連結リングが回動自在に係合する構造は、簡単且つ安価に実現され得る。
この発明によれば、操作ナットが二つの部材(連結リング及びナット本体)からなり、ナット本体に対して連結リングが相対的に回転し、この連結リングがフード本体に固定されるから、フード本体の薄肉化により操作ナット及びリールシートの軽量化が実現される。しかも、フード本体の加工が容易になることから、操作ナット及びリールシートの製造コストが低減される。
図1は、本発明の一実施形態に係るシールシートの外観斜視図である。 図2は、リールシートの構造を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)底面図である。 図3は、リールシートの分解斜視図である。 図4は、図3の要部拡大図である。 図5は、リールシートの縦断面図である。 図6は、図5の要部拡大図である。 図7は、図5の要部拡大図である。 図8は、本発明の一実施形態の変形例に係る可動フードの斜視図である。 図9は、変形例に係る可動フードが採用されたシールシートの外観斜視図である。 図10は、変形例に係るフード本体の拡大斜視図である。 図11は、変形例に係る連結リング55の構造を示す(a)外観斜視図、(b)断面図である。 図12は、変形例に係るナット本体の構造を示す(a)外観斜視図、(b)断面図である。 図13は、従来の一般的なリールシートの構造を示す斜視図である。 図14は、従来の一般的なリールシートの構造を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態が、適宜図面が参照されつつ説明される。なお、本実施の形態は、本発明に係るリールシートの一実施態様にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施態様が変更されてもよいことは言うまでもない。
[1.概略構成及びポイント]
図1は、本発明の一実施形態に係るシールシートの外観斜視図である。
同図が示すように、リールシート10は、全体として円筒状を呈し、釣竿を構成するブランク11に装着される。すなわち、ブランク11がリールシート10に挿通され、ブランク11の所定位置にリールシート10が固定される。このリールシート10は、いわゆるスクリュータイプであり、固定フード12及び可動フード13を有する。釣人が操作ナット14を操作することによって、可動フード13は、固定フード12に対して軸方向18に沿って接離することができ、固定フード12と協働してリールの脚を挟持固定する。
本実施形態に係るリールシート10の特徴とするところは、可動フード13の構造である。具体的には、操作ナット14が二つの部材(連結リング15及びナット本体16)から構成され、連結リング15がフード本体17に対して回動せず、ナット本体16に対して回動する構造が採用されている点である。この構造では、フード本体17に対して相対的に回動する部材が存在せず、連結リング15は、フード本体17に対して静止した状態で連結されているのみである。これにより、フード本体17は、その剛性が確保されたまま薄肉化が可能となり、後述のような効果が奏される。
[2.リールシート]
以下、リールシート10の構造について詳述される。
図2は、リールシート10の構造を示す図であり、(a) は平面図、(b) は正面図、(c) は底面図である。図3は、リールシート10の分解斜視図である。
前述のように、このリールシート10の内側にブランク11が挿通されている(図1参照)。このブランク11は、細長円筒状に形成されている。本実施形態では、ブランク11は、既知の要領で構成される。たとえば、カーボン繊維強化樹脂シート(プリプレグ)が所定形状に裁断され、これがマンドレルの周囲に巻回される。この状態でプリプレグが所定温度にて所定時間だけ加熱され、その後マンドレルが引き抜かれることによって、円筒状のブランク11が焼成される。リールシート10がブランク11の所定位置に固定されることにより、当該位置に当該釣竿のグリップが形成される。つまり、このリールシート10は、リールを釣竿に固定すると共に、実釣において釣人が当該釣竿を把持するグリップを構成する。
図1ないし図3が示すように、リールシート10は、シート本体19と、可動フード13とを備えている。シート本体19は、実釣において釣人が把持する部材である。可動フード13は、上記操作ナット14を備えており、この操作ナット14は、シート本体19に螺合している。前述のように、釣人が操作ナット14を回転操作することによって当該操作ナット14が軸方向18に沿ってスライドする。これにより、可動フード13が固定フード12に対して接近しあるいは離反する。
[3.シート本体]
シート本体19は、樹脂(典型的にはナイロン)からなる。シート本体19は、円筒状に形成された主体部21と、この主体部21に設けられた固定フード12とを有する。固定フード12は、主体部21と一体的に形成されている。主体部21の上面にシート面22が形成されている。このシート面22はリールの脚が載置される面であり、平坦面に形成されている。図2が示すように、主体部21の背面28(上記シート面22の反対側の面)は、外側に膨らんだ滑らかな曲面である。これにより、釣人がシート本体19を握りやすくなっている。もっとも、主体部21に上記曲面が形成されていなくてもよい。
上記シート面22の側縁部は、いわゆる面取加工が施されており、傾斜面23が形成されている。これにより、釣人がシート本体19を一層握りやすくなっている。また、シート面22の軸方向18の他端側に複数の細長溝24が形成されている。各細長溝24は、図3が示すように軸方向18に沿って延びており、径方向に沿って並設されている。これにより、リールの脚がシート面22上に載置されたときに、滑り止め効果が発揮される。もっとも、この細長溝24は省略されてもよい。
固定フード12は、主体部21の軸方向18の一端側に形成されている。この固定フード12は、いわゆるドーム状に形成されており、シート面22の軸方向18の一端側部分を覆っている。固定フード12の内壁面形状は、所定の曲面に形成されている。これにより、リールの脚がシート面22上に載置された状態で、当該脚の一方側部分が固定フード12内へ挿入されると、当該脚の一方側部分は、シート面22と固定フード12の内壁面によって囲繞され、保持されるようになっている。
図3が示すように、主体部21の上面にキー溝25が形成されている。このキー溝25は、上記載置面22の端部の中央から軸方向18に沿って延びている。同図では図示されていないが、主体部21の背面側にもキー溝25が形成されている。すなわち、一対のキー溝25が主体部21の上面側及び背面側に対向して配置されている。なお、このキー溝25は、主体部21の上面又は背面のいずれか一方のみに形成されていてもよいし、さらに多数のキー溝25が主体部21に形成されていてもよい。その場合、各キー溝25は、主体部21の周方向に均等に配置されるのが好ましい。このキー溝25の機能については後述される。
主体部21の軸方向18の他端部に雄ねじ26が形成されている。この雄ねじ26は、主体部21の端面27から軸方向18に沿って所定長さだけ形成されている。後述されるが、この雄ねじ26に上記ナット本体16が螺合するようになっており、このナット本体16が回転されることにより、当該ナット本体16が軸方向18に沿って主体部21に対して相対的にスライドするようになっている。
[4.可動フード]
図4は、図3の要部拡大図であって、可動フード13の構造を示している。図5は、リールシート10の縦断面図である。図6は、図5の要部拡大図である。
可動フード13は、シート本体19の軸方向18の他端側に配置されており、固定フード12と対向している。可動フード13は、フード本体17と操作ナット14とを有する。この操作ナット14は、ナット本体16と、当該ナット本体16に対して回動自在に嵌め込まれた連結リング15とを備えている。
フード本体17は、金属(典型的にはステンレス鋼)から構成されている。図4が示すように、フード本体17は筒状に形成されており、肉厚寸法は0.5mmに設定されている。ただし、フード本体17の肉厚寸法は、0.4mm〜0.8mmの範囲で設定され得る。フード本体17は、フード部29と連結部30とを備えている。フード部29は、フード本体17の軸方向18の一端側に配置され、連結部30は、フード部29に連続して軸方向18の他端側に配置されている。
フード部29の下側部分34(上記シート本体19の背面と対向する部分)は円弧状に形成されており、フード部29の上側部分35は、上方に膨出したドーム状に形成されている。このため、図5及び図6が示すように、フード部29の下側部分34は、シート本体19との間にほとんど隙間を形成することなく当該シート本体19の周面に沿って配置される。他方、フード部29の上側部分35は、上記シート面22から上方に離反して当該シート面22との間に所定の空間33が形成される。また、フード部29の上側部分35は、連結部30に連続しており、当該連結部30から軸方向18の一端側に向かって漸次迫り上がっている。このため、上記空間33は、図6が示すような略くさび状に形成されている。
フード部29の上側部分35に孔31(図4及び図6参照)が形成されている。この孔31は、本実施形態では、図4が示すように横方向延びる長孔である。ただし、孔31の形状は円形であっても多角形であってもよい。この孔31は、フード部29を貫通している。
本実施形態では、上記空間33に樹脂パッド32が装着されている。この樹脂パッド32は、典型的にはナイロンから構成される。この樹脂パッド32が設けられることにより、金属製のフード本体17とリールの脚との直接接触が回避され、リールの脚が損傷を受けることがない。樹脂パッド32は、フード部29の上側部分35の内面に沿って配置され、全体として弧状を呈する。図6が示すように、樹脂パッド32の上面に突起36が設けられている。この突起36の外形形状は、上記孔31の内周面形状に対応しており、両者が嵌合している。これにより、樹脂パッド32がフード部29に位置決めされ、たとえば接着剤等により固着される。なお、この樹脂パッド32が省略されていてもよい。
フード本体17は、樹脂パッド32と共にシート本体19の主体部21に嵌め合わされる。具体的には、図4が示すように、フード本体17が主体部21の軸方向18の他端側からシート本体19に被せられる。また、図6が示すように、樹脂パッド32の下面に突条37が突設されている。この突条37は、シート本体19にフード本体17が被せられたときに主体部21に設けられたキー溝25と嵌合する。この状態で、突条37は、キー溝25に沿ってスライド可能である。さらに、フード部29の下側部分34に突条38が形成されている。この突条38は、プレス加工等により簡単に形成される。この突条38は、上記下側部分34の内面に設けられ、上方に突出している。この突条38は、シート本体19にフード本体17が被せられたときに、主体部21の下面側に設けられたキー溝25と嵌合する。この状態で、突条38は、キー溝25に沿ってスライド可能である。つまり、上記突条37、38が上記キー溝25に嵌め合わされることにより、フード本体17がシート本体19に対して中心軸20を中心として回動することが規制されている。
図7は、図5の要部拡大図であって、フード本体17と操作ナット14との連結構造を示している。
図4が示すように、連結部30は、フード部29に連続した円筒状を呈する。連結部30は、フード部29との境界部39から軸方向18の他端側に向かって緩やかに拡径されている。同図及び図7が示すように、この連結部30の軸方向18の他端部に係合孔40が設けられている。本実施形態では、2つの係合孔40が径方向に沿って対向して配置されている。この係合孔40は、本実施形態では、図4が示すように横方向に延びる長孔である。ただし、係合孔40の形状は円形であっても多角形であってもよい。この係合孔40は、連結部30を貫通している。各係合孔40は、たとえば打ち抜き加工により簡単に形成される。フード本体17は、前述のように薄肉であるから、各係合孔40の加工はきわめて簡単である。
[5.操作ナットの構造]
操作ナット14は、ナット本体16と連結リング15とを有する。
連結リング15は樹脂(本実施形態ではナイロン)から構成されている。連結リング15は円環状に形成されており、その外径は、フード本体17の連結部30の内径に対応されている。したがって、連結リング15は、一端面側からフード本体17に挿入され、嵌め合わされる。
連結リング15の一端面側にスリット42が形成されている。このスリット42は、連結リング15の一端面から軸方向18に沿って切り込まれている。同図では図示されていないが、連結リング15に2つのスリット42が設けられており、各スリット42は、径方向に沿って対向配置されている。
連結リング15の内壁面に凸条43が形成されている。この凸条43の断面形状は矩形であり、連結リング15の一端面から他端面まで軸方向18に沿って延びている。同図が示すように、2つの凸条43が連結リング15に設けられており、各凸条43は、径方向に沿って対向配置されている。ただし、各凸条43が対向する方向と各スリット42が対向する方向とは互いに直交している。
上記凸条43は、シート本体19の主体部21のキー溝25と嵌合する。このため、連結リング15がシート本体19に対して回動することが規制される。したがって、凸条43は、キー溝25の大きさ、位置に対応して設けられているのが好ましい。ただし、凸条43は、少なくとも一つのキー溝25と嵌合するように形成されていてもよい。また、上記スリット42は、いずれか一方のみが設けられていても良いし、3つ以上のスリット42が設けられていてもよい。このスリット42が設けられることにより、連結リング15がフード本体17に嵌め込まれる際に径方向に撓みやすく、両者が容易に嵌合される。もっとも、スリット42が省略されてもよい。
連結リング15の軸方向18の一端部に係合突起44が設けられている。この係合突起44は、図4が示すように、周方向に延びる突条であって、径方向に突出している。この係合突起44の外形形状は、フード本体17に設けられた係合孔40の内壁面形状に対応している。同図では図示されていないが、2つの係合突起44が連結リング15に突設されており、各係合突起44は、径方向に対して対称な位置に配置されている。つまり、各係合突起44が対向する方向は、上記スリット42が対向する方向と直交しており、上記凸条43が対向する方向と同方向である。
したがって、連結リング15がフード本体17に差し込まれると、まず、上記スリット42が設けられているから、連結リング15は、径方向に撓んでそのままフード本体17内に進入する。連結リング15が所定の長さだけフード本体17に挿入されると、各係合突起44が、それぞれフード本体17の係合孔40と嵌合する。このとき、上記連結リング15の撓みが復元される。なお、本実施形態では、連結リング15に設けられた2つの係合突起44が、フード本体17に設けられた2つの係合孔40に嵌め合わされるが、係合突起44の数及び位置は、上記係合孔40の数及び位置に対応されていればよい。したがって、単一の係合孔40がフード本体17に設けられ、これに嵌合する単一の係合突起44が連結リング15に設けられていてもよい。
連結リング15の他端面にフランジ41が形成されている。このフランジ41は、図4及び図5が示すように径方向外方に張り出しており、後述のようにナット本体16と係合する。また、フランジ41の角部45は面取加工が施されている。これにより、連結リング15がナット本体16に嵌め込まれるときに上記角部45が案内面として機能し、連結リング15をナット本体16に嵌め込む作業が容易になる。
ナット本体16は、樹脂(本実施形態ではナイロン)から構成されている。ナット本体16は、円筒状に形成されており、その外径は、フード本体17の連結部30の外径に対応されている。したがって、フード本体17からナット本体16にいたる可動フード13の外形は、滑らかな曲線で連続される。これにより、釣人が可動フード13、特に操作ナット14を操作する際に違和感を覚えない。
なお、ナット本体16の外周面に複数の溝46が形成されている。各溝46は、軸方向18に沿って延びており、ナット本体16の外周面に、いわゆるローレットを構成している。これにより、釣人がナット本体16を回転操作する際に、手の滑りが防止される。
ナット本体16の内周面に雌ねじ47が形成されている。これにより、ナット本体16は、シート本体19に螺合することができる。そして、ナット本体16がシート本体19に対して時計回りに回転されることにより、ナット本体16はシート本体19に対して相対的に軸方向18の一端側へ移動し、逆に反時計回りに回転されることにより、ナット本体16はシート本体19に対して相対的に軸方向18の他端側へ移動する。
図7が示すように、ナット本体16の軸方向18の一端部に周溝48が形成されている。この周溝48は、ナット本体16の内周面に形成されており、連結リング15のフランジ41が軸方向18に嵌め合わされる。この周溝48の深さは所定寸法に設定されており、連結リング15がナット本体16に挿入されると、両者が弾性変形してフランジ41が周溝48に押し込まれる。フランジ41が周溝48に嵌め合わされたときに上記弾性変形が復元され、両者は確実に係合する。この状態で、フランジ41は周溝48から容易に外れることはない。また、フランジ41と周溝48との間には若干の隙間が形成され、これにより、連結リング15は、ナット本体16に対して中心軸20を中心として回動自在となっている。
[6.リールシートの組立要領]
このリールシート10は、次のようにして組み立てられる。
図4が示すように、連結リング15がナット本体16に嵌め込まれる。具体的には、連結リング15のフランジ41がナット本体16の軸方向18の一端部側から押し込まれる。前述のように、フランジ41の角部45が面取加工されているから(図7参照)、フランジ41が角部45によって案内されるようにナット本体16に挿入され、フランジ41がナット本体16の周溝48に嵌め込まれる。この状態で操作ナット14が組み立てられ、連結リング15は、ナット本体16に対して外れないように連結されると共に、中心軸20の周りに回動自在である。
図4が示すように、操作ナット14がフード本体17に嵌め込まれる。なお、前述のように、樹脂パッド32が接着剤等によりフード本体17に固着されている。連結リング15の軸方向18の一端部側がフード本体17の連結部30に押し込まれる。前述のように、連結リング15にスリット42が設けられているから、連結リング15が径方向に撓んで容易に連結部30に挿入される。この状態で連結リング15の撓みが復元され、連結リング15の係合突起44がフード本体17の係合孔40と嵌合する。連結リング15の外径は連結部30の内径に対応されているから、連結リング15は、がたつきを生じさせることなくフード本体17と嵌合する。しかも、上記係合突起44が係合孔40に嵌合しているから、フード本体17は、連結リング15に対して中心軸20の周りに回動することが規制される。これにより、可動フード13の組立てが完成する。
可動フード13がシート本体19に装着される。具体的には、フード本体17がフード部29側からシート本体19の主体部21に嵌め込まれる。これにより、フード本体17はシート本体19に外嵌され、シート本体19の外側を覆う。このとき、図5及び図6が示すように、樹脂パッド32の突条37及びフード本体17の突条38がそれぞれキー溝25に嵌め込まれ、この状態で、可動フード13が軸方向18に沿って図中左側へ移動される。可動フード13が移動すると、図7が示すように、連結リング15の凸条43が周溝25に嵌め込まれ、これにより、フード本体17及び連結リング15は、シート本体19に対して回転が規制される。
可動フード13がさらに軸方向18に沿って移動すると、ナット本体16の雌ねじ47がシート本体19の雄ねじ26と螺合する。そして、ナット本体16が回転されることにより、ナット本体16は、図5において左方向へ移動する。連結リング15は、ナット本体16に対して相対的に回転しながら、ナット本体16によって押されるようにしてスライドする。フード本体17は、連結リング15と上記係合突起44を介して連結されているから、連結リング15と共にスライドする。これにより、可動フード13は固定フード12に対して接近する。なお、ナット本体16が反対方向に回転されることにより、可動フード13は固定フード12から離反する。
[7.リールシートの作用効果]
本実施形態に係るリールシート10では、操作ナット14がナット本体16と連結リング15とに二分割されている。ナット本体16は、シート本体19に対して回動する。連結リング15は、ナット本体16の回動を可能としつつ、フード本体17に対して回動しない。つまり、従来のように、フード本体に周溝が加工され、この周溝に対して摺動するように操作ナットが係合される構造は採用されていない。このように、フード本体17への周溝加工が不要であるから、フード本体17の剛性を確保したまま薄肉化が可能となる。さらに、フード本体17の連結部30は、単純な打ち抜き加工等により係合孔40が設けられるだけであるからフード本体17の加工がきわめて容易である。
したがって、フード本体17の薄肉化により操作ナット14及びリールシート10の軽量化が実現される。しかも、フード本体17の加工が容易になることから、操作ナット14及びリールシート10の製造コストが低減される。
[8.変形例]
図8は、上記実施形態の変形例に係る可動フード53の斜視図である。図9は、この可動フード53が採用されたシールシート50の外観斜視図である。
本変形例に係る可動フード53が上記実施形態に係る可動フード13と異なるところは、上記可動フード13では、連結リング15は、フード本体17及びナット本体16の内側に嵌め込まれていたのに対し(図4参照)、可動フード53では、図8及び図9が示すように、連結リング55がフード本体57及びナット本体56の外側から嵌め込まれている点である。
具体的には、(a) 上記実施形態に係るフード本体17の連結部30(図4参照)は、軸方向18の他端部側に向かって漸次拡径されているのに対して、本変形例に係るフード本体57では、連結部60がフード部29から同径のまま延設されることにより形成されている点、(b) 上記実施形態に係るフード本体17は樹脂パッド32を備えていたのに対して、本変形例では、樹脂パッド32が省略されている点、(c) 上記実施形態に係る連結リング15にスリット42及び凸条43並びにスリット41(図4参照)が設けられていたのに対して、本変形例に係る連結リング55はこれらが設けられておらず、且つ内壁面に段部69(図11(b)参照)が設けられている点、(d) 上記実施形態に係るナット本体16は、内壁面に周溝48(図7参照)が設けれていたのに対して、本変形例に係るナット本体56は、円盤状の突部70(図12参照)が設けられている点である。なお、リールシート50のその他の構成については、上記実施形態に係るリールシート10と同様である。
図10は、フード本体57の拡大斜視図である。
前述のように、連結部60がフード部29に連続し、連結部60の外径が一定であるから、フード本体57の軸方向18の他端部の外径は、上記実施形態に係るフード本体17の外径よりも小さくなる。また、フード本体57の形状が単純化されているので、フード本体57の製造工程が簡略化される。なお、本変形例では、樹脂パッド32(図4参照)が設けられていないが、樹脂パッド32が、上記実施形態と同様の要領でフード本体57に取り付けられていても良いことは勿論である。
フード本体57は、金属(典型的にはステンレス鋼)から構成され、図10が示すように、フード本体57は筒状に形成されている。フード本体57の肉厚寸法は、上記実施形態に係るフード本体17と同様である。
フード部29の上側部分35は、上方に膨出したドーム状に形成されているため、フード部29とシート面22との間に所定の空間33が形成される(図5及び図6参照)。また、フード部29が拡径されていないから、フード部29の下側部分34とシート本体19との間に生じる隙間は、一層狭くなる。つまり、リールシート50の外径が小さくなり、すなわち、当該リールシート50が採用された釣竿は、いわゆる細身に仕上げられる。
なお、図10では示されていないが。フード部29の下側部分34に突条(38)が形成されている。この突条(38)は、シート本体19にフード本体17が被せられたときに、主体部21の下面側に設けられたキー溝25と嵌合する。この状態で、突条(38)は、キー溝25に沿ってスライド可能である。つまり、フード本体57がシート本体19に対して中心軸20を中心として回動することが規制されている。
同図が示すように、連結部60の軸方向18の他端部に係合孔40が設けられている。本変形例では、2つの係合孔40が径方向に沿って対向して配置されている。この係合孔40は、本実施形態では、横方向に延びる長孔である。ただし、係合孔40の形状は円形であっても多角形であってもよい。この係合孔40は、連結部60を貫通している。各係合孔40は、たとえば打ち抜き加工により簡単に形成される。フード本体57は、前述のように薄肉であるから、各係合孔40の加工はきわめて簡単である。
図11は、連結リング55の構造を示しており、(a) は外観斜視図、(b) は断面図である。
図8及び図9が示すように、連結リング555の内径は、フード本体57の連結部60の外径に対応されている。したがって、連結リング55は、一端面側からフード本体57に挿入され、嵌め合わされる。
連結リング55の軸方向18の一端部に2つの係合突起44が設けられている。この係合突起44は、図11が示すように、周方向に延びる突条であって、径方向に突出している。この係合突起44の外形形状は、フード本体57に設けられた係合孔40の内壁面形状に対応している。各係合突起44は、径方向に対して対称な位置に配置されている。
なお、第1の実施形態に係る連結リング15と同様に、連結リング55にスリット(42)が形成されていてもよい。このスリット42は、連結リング15の一端面から軸方向18に沿って切り込まれている。同図では図示されていないが、連結リング15に2つのスリット42が設けられており、各スリット42は、径方向に沿って対向配置されている。
したがって、連結リング55がフード本体57に嵌め合わされると、各係合突起44が、それぞれフード本体57の係合孔40と嵌合し、連結リング55がフード本体57の外側から被さった状態となる。なお、本変形例においても、連結リング55に弾性変形を促すスリットが設けられていてもよい。
図11(b)が示すように、連結リング55の内部に周溝71が形成されている。この周溝71が設けられることにより、連結リング55の内部の他端近傍に、上記段部69が形成されている。この段部69により、連結リング55の他端部は、径方向内側に突出する鍵状に形成されている。そして、この段部69が後述されるナット本体56の周溝72に嵌め込まれるようになっている。
図12は、ナット本体の構造を示しており、(a) は外観斜視図、(b) は断面図である。
ナット本体56は、樹脂から構成されている。ナット本体56は、円筒状に形成されており、その外径は、連結リング55の外径と略一致している。ナット本体56の内周面に雌ねじ47が形成されている。これにより、ナット本体56は、シート本体19に螺合することができる(図9参照)。上記実施形態と同様に、ナット本体56がシート本体19に対して時計回りに回転されることにより、ナット本体56はシート本体19に対して相対的に軸方向18の一端側へ移動し、逆に反時計回りに回転されることにより、ナット本体56はシート本体19に対して相対的に軸方向18の他端側へ移動する。
図12が示すように、ナット本体56の軸方向18の一端部に上記凸部70が形成されている。具体的には、この凸部70は、ナット本体56の一端部が縮径され、この縮径された部分に上記周溝72が形成されることにより構成されている。そして、上記連結リング55が上記凸部70に嵌め合わされることにより、連結リング55の段部69(図11参照)がナット本体56の周溝72と嵌合する。このとき、上記段部69と周溝72との間には若干の隙間が形成され、これにより、連結リング55は、ナット本体56に対して中心軸20を中心として回動自在となっている。周溝72の深さは所定寸法に設定されており、当該周溝72と上記連結リング55とは確実に嵌合し、連結リング55は、上記凸部70に外側から嵌め合わされ、容易にナット本体56から離脱することはない。
本変形例に係るリールシート50も上記実施形態に係るリールシート10と同様の作用効果を奏する。しかも、このリールシート50では、前述のようにフード本体57の外形形状を簡略化し、且つ外径を小さくすることができるので、フード本体57をより一層簡単且つ安価に製造できるという利点もある。また、このリールシート50が採用された釣竿では、グリップをより細くすることができる。
10・・・リールシート
12・・・固定フード
13・・・可動フード
14・・・操作ナット
15・・・連結リング
16・・・ナット本体
17・・・フード本体
18・・・軸方向
19・・・シート本体
29・・・フード部
30・・・連結部
36・・・突起
37・・・突条
38・・・突条
40・・・係合孔
41・・・フランジ
42・・・スリット
43・・・凸条
44・・・係合突起
48・・・周溝
50・・・リールシート
53・・・可動フード
55・・・連結リング
56・・・ナット本体
57・・・フード本体
60・・・連結部
69・・・段部
70・・・突部
71・・・周溝
72・・・周溝

Claims (8)

  1. 軸方向一端側に固定フードが形成された筒状のシート本体と、当該シート本体の軸方向他端側に上記固定フードに対向した状態で上記軸方向に沿ってスライドする可動フードとを備えたリールシートであって、
    上記可動フードは、
    上記シート本体に外嵌された状態で上記固定フードに対して接離する筒状のフード本体と、
    上記シート本体に外嵌され且つ上記フード本体の上記軸方向他端側に連結された操作ナットとを有し、
    上記フード本体は、
    軸方向一端側に配置され、上記シート本体を囲繞するフード部と、
    当該フード部の上記軸方向他端側に連続し、当該向きに漸次拡径された円筒状の連結部とを有し、
    上記操作ナットは、
    上記シート本体に螺合して上記軸方向周りに回動することによって当該軸方向に沿ってスライドするナット本体と、
    当該ナット本体と上記フード本体との間に介在され、当該ナット本体に対して上記軸方向周りの回動が許容された状態で連結されると共に上記フード本体の連結部の内側に上記軸方向周りの回動が規制された状態で連結された連結リングとを備えているリールシート。
  2. 上記連結部の上記軸方向他端部に径方向に貫通する係合孔が設けられ、上記連結リングの上記軸方向一端部に係合突起が形成されており、当該係合突起が上記連結部の内側から外側に向かって上記係合孔に嵌合している請求項1に記載のリールシート。
  3. 複数の係合孔が上記連結部に設けられており、各係合孔と嵌合する複数の係合突起が上記連結リングに形成されている請求項2に記載のリールシート。
  4. 軸方向一端側に固定フードが形成された筒状のシート本体と、当該シート本体の軸方向他端側に上記固定フードに対向した状態で上記軸方向に沿ってスライドする可動フードとを備えたリールシートに適用される可動フードであって、
    上記シート本体に外嵌された状態で上記固定フードに対して接離する筒状のフード本体と、
    上記シート本体に外嵌され且つ上記フード本体の上記軸方向他端側に連結された操作ナットとを有し、
    上記フード本体は、
    軸方向一端側に配置され、上記シート本体を囲繞するフード部と、
    当該フード部の上記軸方向他端側に連続し、当該向きに漸次拡径された円筒状の連結部とを有し、
    上記操作ナットは、
    上記シート本体に螺合して上記軸方向周りに回動することによって当該軸方向に沿ってスライドするナット本体と、
    当該ナット本体と上記フード本体との間に介在され、当該ナット本体に対して上記軸方向周りの回動が許容された状態で連結されると共に上記フード本体の連結部の内側に上記軸方向周りの回動が規制された状態で連結された連結リングとを備えている可動フード。
  5. 上記連結部の上記軸方向他端部に径方向に貫通する係合孔が設けられ、上記連結リングの上記軸方向一端部に係合突起が形成されており、当該係合突起が上記連結部の内側から外側に向かって上記係合孔に嵌合している請求項4に記載の可動フード。
  6. 複数の係合孔が上記連結部に設けられており、各係合孔と嵌合する複数の係合突起が上記連結リングに形成されている請求項5に記載の可動フード。
  7. 請求項4に記載の可動フードに適用されるフード本体であって、
    上記シート本体に外嵌される筒状を呈し、上記軸方向他端部に径方向に貫通する係合孔が設けられているフード本体。
  8. 請求項4に記載の可動フードに適用される操作ナットであって、
    上記シート本体に螺合して上記軸方向周りに回動することによって当該軸方向に沿ってスライドするナット本体と、
    当該ナット本体と上記フード本体との間に介在され、当該ナット本体に対して上記軸方向周りの回動が許容された状態で連結されると共に上記フード本体の連結部の内側に上記軸方向周りの回動を規制する係合突起が形成された連結リングとを備えた操作ナット。

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