JP5414361B2 - 筒状リールシート - Google Patents
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Description
しかし、リール脚の足部を載置する先側載置面、及び、元側載置面(公報内名称:リール脚載置面18)の横側方には、シートベースの円弧状を呈する外周面が連なっており、シートベースに外嵌されたグリップ被覆体の外周面も、グリップ被覆体が被覆されていないシートベースの外周面と面一状態に設けてある。
そうすると、リール脚の先側足部及び元側足部とシートベースの外周面とに亘って巻回される手指が円弧状面に沿って大周りすることとなり、リール脚の先側足部及び元側足部とシートベースの外周面とを握っている手指が緩み易い場合も考えられ、改善する余地があった。
請求項1に係る発明の特徴構成は、リール脚固定用のフードを装備する筒状のシートベースに、前記リール脚の先側足部を受止載置する先側載置面と、前記リール脚の元側足部を受止載置する元側載置面と形成するとともに、前記先側載置面の両横側方位置に前記先側載置面に対して傾斜状態にある左右の先側傾斜凹入面を形成し、前記元側載置面の両横側方位置に前記元側載置面に対して傾斜状態にある左右の元側傾斜凹入面を形成し、
前記先側載置面と前記元側載置面との間に一段凹入する繋ぎ部分を形成するとともに、前記繋ぎ部分の両横側方位置に前記繋ぎ部分に対して傾斜状態で繋ぎ部分に近づく程互いに近接する左右の円弧状面を形成して、前記シートベースにグリップ被覆体を被着する装着座面を設け、
前記シートベースの繋ぎ部分に前記グリップ被覆体の載置面部が被着されるように、かつ、前記繋ぎ部分の両横側方に位置する左右の円弧状面に前記グリップ被覆体の載置面部の左右横側方に位置する左右横側部分が被着されるように、前記グリップ被覆体を形成し、
前記シートベースの装着座面に軟質材製のグリップ被覆体を装着し、前記載置面部のリール脚の足部載置面の横幅を、竿軸線に沿った方向で前記先側載置面から離れる部分の横幅ほど広くなるように形成し、かつ、前記載置面部の左右両横側方に位置する両横側部分を、前記先側傾斜凹入面から離れる程、互いに横幅方向に離間するように傾斜姿勢に形成し、
前記グリップ被覆体における前記載置面部とは竿軸芯を挟んで略180度反対側に位置する部分には、径方向に膨らむ膨出部が形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
前記先側載置面の両横側方位置に、前記先側載置面に対して傾斜状態にある左右の先側傾斜凹入面を形成し、前記元側載置面の両横側方位置に前記元側載置面に対して傾斜状態にある左右の元側傾斜凹入面を形成した。
これによって、先側載置面と元側載置面との両横側方は、竿軸芯方向に向けて凹入する小径の部分とすることができるので、握り易くなっている。
しかも、先側載置面と前記元側載置面との間、及び、前記左側の先側傾斜凹入面と前記左側の元側傾斜凹入面との間、更に、前記右側の先側傾斜凹入面と前記右側の元側傾斜凹入面との間に、軟質材製のグリップ被覆体を装着し、かつ、それらを段差なく面一状態に構成しているので、段差を感ずることなく、握り込むことができ、手指が圧迫されることが少ない。
以上のように、グリップ被覆体をシートベースに形成した先側傾斜凹入面と元側傾斜凹入面との間においても面一状態に形成してあるので、筒状リールシートとリール脚を握る釣り人の手指に対する負担を一層軽減することができる。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記装着座面に前記グリップ被覆体を装着し、前記先側載置面と、前記元側載置面と、前記グリップ被覆体における前記先側載置面と前記元側載置面との間に位置する載置面部とを、竿軸線に沿った方向で連続する状態に形成した状態で、連続する前記先側載置面と前記載置面部と前記元側載置面とからなるリール脚の足部載置面の横幅を、竿軸線に沿った方向で中間に位置する部分の横幅ほど狭くなるように形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
前記装着座面に前記グリップ被覆体を装着した状態で、前記先側載置面と、前記元側載置面と、前記グリップ被覆体における前記先側載置面と前記元側載置面との間に位置する載置面部とを、竿軸線に沿った方向で連続する状態に形成した状態で、連続する前記先側載置面と前記載置面部と前記元側載置面とからなるリール脚の足部載置面の横幅を、竿軸線に沿った方向で中間に位置する部分の横幅ほど狭くなるように形成してあるので、横幅における竿軸線に沿った方向で中間に位置する部分が竿軸線に近接するように絞り込まれることとなり、絞り込まれた前記した中間に位置する部分で、足部と筒状リールシートとを共握りした手指が安定するので、筒状リールシートとして滑り難いものとなっている。
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記載置面部の外周面を円弧状面に形成するとともに、前記左横側部分及び右横側部分を前記載置面部の円弧状面より竿軸芯方向に向けて凹入する状態に形成し、かつ、前記載置面部に近接する端部ほど互いに近接する傾斜状態にある左右の中間傾斜凹入面に形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
このように、中間傾斜凹入面を形成してあるので、先側傾斜凹入面と元側傾斜凹入面とに対して面一状態に設定するのが容易になり、グリップ被覆体を載置する載置面部の表面形状を必ずしも中間傾斜凹入面と同一の形状に形成する必要がない利点を有する。
本発明を釣り竿Aに適用する形態について説明する。
釣り竿Aは、図1〜4に示すように、握り部を備えた竿体としての元竿1に、スピンニングリール10を取り付ける筒状リールシートBを装着し、筒状リールシートBのシートベース2に可動フード5を取り付けて、構成してある。
図4,8,9に示すように、可動フード5には、リール脚10Aの先端において竿元側に屈曲形成されている元側足部10aを保持するフード本体5Aと、フード本体5A内に装着されている樹脂製の脚押さえ体5Bと、フード本体5Aを竿軸線X方向に螺進移動させるナット体7とが装備されている。
図5に示すように、シートベース2は、ポリエステル、ABS、PET等のエンジニアリング樹脂を使用した筒状体である。前記したように、竿先半部に外向きに盛り上がっている固定フード3を形成してあり、固定フード3のフード内部に入り込む状態で先側載置面2Aを形成してある。この先側載置面2Aでリール脚10Aの先端において竿元側に屈曲形成されている先側足部10aを載置支持すべく構成してある。
先側載置面2Aの竿元側に、位置決め用の環状鍔2Cが設けてあり、環状鍔2Cの更に竿元側に、可動フード5内に入り込む元側載置面2Bを形成してあり、この元側載置面2Bでリール脚10Aの先端において竿元側に屈曲形成されている元側足部10aを載置支持すべく構成してある。
取付座2Dにおける固定フード3の存在側とは反対側の面と固定フード3の横側方側の面には、シートベース2の軸線方向に沿った突条2aが形成してあり、この突条2aが取付座2Dに装着したゴムグリップ6の内周面に形成した後記する長溝6eに係合して、ゴムグリップ6の捲れ上がりを抑制する構成を採っている。
一方、元側載置面2Bは、略一定の広い横幅を呈し、竿元側端部において左右方向での横幅を狭める形状を呈している。図6に示すように、先側載置面2Aと元側載置面2Bとの間でゴムグリップ6の取付座2Dの一部を形成する繋ぎ部分2cにおいては、先側載置面2Aの竿元側端の横幅L1と元側載置面2Bの竿先側端の横幅L2とに連続的に繋がるような横幅を呈している。
中間傾斜凹入面部6dによって、ゴムグリップ6を所定位置に装着した際に、シートベース2に形成された斜め上向き傾斜凹入面2eとゴムグリップ6の中間傾斜凹入面部6dとが段差無く繋がることとなっている。
この膨出部6Bの内周面には、抜き孔6Aの存在側とは180°反対側及び左右の両側面の3箇所に、竿軸線X方向に沿った細幅の長溝6eが形成してあり、ゴムグリップ6をシートベース2に装着した際に、シートベース2に突出形成した突条2aに細幅の長溝6eが外嵌係合して、ゴムグリップ6の位置決めを行うとともにゴムグリップ6の捲れ上がりを抑制する構成を採っている。
しかも、後記するように、ゴムグリップ6を円弧状面2gに装着した際に、ゴムグリップ6に形成した中間傾斜凹入面6dが、竿先側に位置する斜め上向きの先側傾斜凹入面2eと段差なく連続する状態となるので、手指や掌を圧迫することが少なく、仕掛けの打ち込みや魚の釣り上げ操作を行う場合に、手が痛くならず負担も少ない。
脚押さえ体5Bは、リール脚挿入用保持部5aに内装されるように、略円弧状を呈するものであり、フード本体5Aの竿先側端に鍔部5bを突出させるとともに、左右中央部に突起5cを設け、この突起5cをフード本体5Aの天井部分に形成した抜き孔5d内に嵌合させて、脚押さえ体5Bの位置決めを行っている。
フード本体5Aは、前記したように、成形型で一体形成されるものであるために、従来は、シートベース2の外周面に密着する程高い成型性を示してはいないので、フード本体5Aを所定位置に装着した状態で、円周方向でのガタ付きが出ることは否めなかった。
つまり、図9に示すように、フード本体5Aにおける略4分の3円弧状を呈する部分とアーチ状を呈するリール脚挿入用保持部5aとの接続部位近傍に、上向き段差部5eが設けてある。
一方、脚押さえ体5Bには、左右の両下端部近傍の外面に下向き段差部5gが形成してある。脚押さえ体5Bをフード本体5Aのリール脚挿入用保持部5a内に挿入した際に、脚押さえ体5Bの下向き段差部5gがフード本体5Aの上向き段差部5eに上方から当接して、脚押さえ体5Bが装着支持される。
ここに、袴部5hを当接部と称する。元側傾斜凹入面2fを受け部と称する。このような袴部(当接部)5hと元側傾斜凹入面(受け部)2fとで、ズレ動き抑制機構Cを構成してある。
このような構成によって、可動フード5が脚押さえ体5Bとともに、円周方向へ回転しようとしても、袴部5hの下端部がフード本体5Aとシートベース2の外周面とで挟み込み固定されて回転が抑制される。したがって、可動フード5の円周方向でのガタ付きが抑制され、筒状リールシートBを握る手指が安定する。
このような構成によって、リール脚10Aをシートベース2と共に握った手指における親指部分がゴムグリップ6に当てがわれることとなって、圧迫感を感じることが少ない。
このような構成によって、可動フード5の外周面と環状鍔2Cとゴムグリップ6の外周面とが略面一状態に連なることとなり、その部分を握る手に圧迫感を与えることが少ない。
凹入部2dは、ガイド溝4aの竿先端と環状鍔2Cとの間において、円周方向での横幅が略30°位に亘る範囲に凹入形成されている。尚、凹入部2dとしては、可動フード5との干渉を回避する範囲で、円周方向での横幅を30°〜90°に至る範囲で採っても良い。
つまり、リール脚10Aを保持すべく、可動フード5がナット体7とともに移動すると、脚押さえ体5Bがリール脚10Aの元側足部10aの甲部分に形成された傾斜面10bに乗り上る状態になるので、可動フード5は、リール脚10Aの元側足部10aによって持ち上げられたような状態となり、シートベース2に対して偏芯した状態となる。
そうすると、前記反対側の端縁がシートベース2の外周面に食い込むような状態になると、塗装面が剥がれる等の不具合が起こり得る。
そこで、前記したように凹入部2dを形成してあるので、可動フード5の反対側端縁がシートベース2の外周面に食い込むことが抑制されて、塗料が剥がれる等の不具合を抑制することができる。
(1) グリップ被覆体6としては、ゴム製でなくともよく、シートベース2の材質より軟質の材料で構成されていればよい。
第1実施形態の内、シートベース2に環状鍔2Cを形成していない実施形態のものを第2実施形態とする。したがって、環状鍔2Cの存在しない部分はシートベース2の他の外周面と面一状態となる。
第1実施形態の内、ズレ動き抑制機構Cは設けない実施形態のものを第4実施形態とする。従って、脚押さえ体5Bの袴部5hは形成しない。
第1実施形態の内、シートベース2に可動フード5との干渉を回避する凹入部2dを形成していない実施形態のものを第5実施形態とする。凹入部2dを形成していない部分は、シートベース2の他の外周面と面一状態に形成される。
2A 先側載置面
2B 元側載置面
2D 装着座面
2e 先側傾斜凹入面
2f 元側傾斜凹入面
5 可動フード
6 ゴムグリップ(グリップ被覆体)
6c 載置面部
6d 中間傾斜凹入面部(横側部分)
10A リール脚
10a 先側足部
10a 元側足部
X 竿軸芯(竿軸線)
Claims (3)
- リール脚固定用のフードを装備する筒状のシートベースに、前記リール脚の先側足部を受止載置する先側載置面と、前記リール脚の元側足部を受止載置する元側載置面と形成するとともに、前記先側載置面の両横側方位置に前記先側載置面に対して傾斜状態にある左右の先側傾斜凹入面を形成し、前記元側載置面の両横側方位置に前記元側載置面に対して傾斜状態にある左右の元側傾斜凹入面を形成し、
前記先側載置面と前記元側載置面との間に一段凹入する繋ぎ部分を形成するとともに、前記繋ぎ部分の両横側方位置に前記繋ぎ部分に対して傾斜状態で繋ぎ部分に近づく程互いに近接する左右の円弧状面を形成して、前記シートベースにグリップ被覆体を被着する装着座面を設け、
前記シートベースの繋ぎ部分に前記グリップ被覆体の載置面部が被着されるように、かつ、前記繋ぎ部分の両横側方に位置する左右の円弧状面に前記グリップ被覆体の載置面部の左右横側方に位置する左右横側部分が被着されるように、前記グリップ被覆体を形成し、
前記シートベースの装着座面に軟質材製のグリップ被覆体を装着し、前記載置面部のリール脚の足部載置面の横幅を、竿軸線に沿った方向で前記先側載置面から離れる部分の横幅ほど広くなるように形成し、かつ、前記載置面部の左右両横側方に位置する両横側部分を、前記先側傾斜凹入面から離れる程、互いに横幅方向に離間するように傾斜姿勢に形成し、
前記グリップ被覆体における前記載置面部とは竿軸芯を挟んで略180度反対側に位置する部分には、径方向に膨らむ膨出部が形成してある筒状リールシート。 - 前記装着座面に前記グリップ被覆体を装着し、前記先側載置面と、前記元側載置面と、前記グリップ被覆体における前記先側載置面と前記元側載置面との間に位置する載置面部とを、竿軸線に沿った方向で連続する状態に形成した状態で、連続する前記先側載置面と前記載置面部と前記元側載置面とからなるリール脚の足部載置面の横幅を、竿軸線に沿った方向で中間に位置する部分の横幅ほど狭くなるように形成してある請求項1記載の筒状リールシート。
- 前記載置面部の外周面を円弧状面に形成するとともに、前記左横側部分及び右横側部分を前記載置面部の円弧状面より竿軸芯方向に向けて凹入する状態に形成し、かつ、前記載置面部に近接する端部ほど互いに近接する傾斜状態にある左右の中間傾斜凹入面に形成してある請求項1又は2記載の筒状リールシート。
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