JP6210740B2 - リールシート及び釣り竿 - Google Patents
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Description
特許文献に使用されている部品番号を使用して説明する。
シートボディ2面に固定フードを残して、その固定フードの回りを含む筒状体のシートボディの全面に亘って第1凹入面を形成するとともに、固定フードから可動フード装着部にかけてリール脚載置面を設け、そのリール脚載置面を左右方向に横断する第2凹入面を形成し、その第2凹入面でリール脚載置面を先側載置面2Aと元側載置面2Bとに分割し、それら第1凹入面と第2凹入面とをゴムグリップ6の取付座2Dとして構成してある。
また、ゴムグリップ6の内周面とシートボディ2の外周面との夫々の3か所には、係合溝6eと係合片2aとが形成してあり、ゴムグリップ6が所定位置に装着された際に、係合片2aが係合溝6eに係合して、ゴムグリップ6のズレ動きと捲れ上りを抑制される構成が採られている(特許文献1)。
つまり、シートボディのゴムグリップ装着面に突片だけが設けてあり、係合溝がないもの、或いは、突片はなく溝だけ設けてある構成がある。このような構造のものでは、ゴムグリップ装着面に接着剤を塗布してゴムグリップを装着しても、周方向へゴムグリップがズレ動くことがある。そうすると、ゴムグリップと凹入部に接着剤を塗布しても、ズレ動きによって、接着剤が片寄り、凹入部の縁とゴムグリップの縁の間から接着剤がはみ出すことがある。その為に、その拭き取り作業等が大変にことになる。
しかし、従来公報の技術では、係合片と係合溝との係合によって、周方向へのズレ動きは少なく、上記した拭き取り作業等の必要性は少ない。
シートボディの外周面を平坦な状態に形成すると仮定すると、平坦な面に筒状のゴムグリップを装着すると、筒状のゴムグリップ縁部とシートボディの外周面との間に段差を形成されることとなる。
そうすると、その段差部分にリールシートを握る指が掛るとその指や手に傷みを感ずることとなる。従って、段差を解消する為に、シートボディ側の肉厚を厚くして、全周に亘って肉厚部を形成すると、シートボディの重量が重いものになるといった欠点がある。
請求項1に係る発明の特徴構成は、竿体の所定箇所に装着されるシートボディを主シートボディ部とその主シートボディ部に連結部を介して着脱自在に装着される前記主シートボディ部より軟質のシートカバ―体部とで構成し、前記シートカバー体部における前記主シートボディ部に装着される部分を全周に満たない半円筒状部分に形成するとともに、前記連結部を、前記主シートボディ部の外周面と、前記シートカバ―体部の前記外周面に外嵌装着される半円筒状部分の内周面とに亘って形成し、前記連結部に、前記主シートボディ部と前記シートカバ―体部との、径方向への相対移動を規制する径方向係合部分と、円周方向への相対移動を規制する円周方向係合部分とでなる係合部分を形成し、前記径方向係合部分を径方向係合片部と径方向係合孔部とで構成し、前記円周方向係合部分を円周方向係合片部と円周方向係合孔部とで構成し、前記径方向係合片部と前記円周方向係合片部とが一体形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
シートカバー体部に半円筒状部分を形成してあるので、従来技術のように、主シートボディ部との段差を解消するとしても、全周に亘って段差解消の為に厚肉部を設ける必要はなく、それだけ、主シートボディ部としても軽量化が図れる。
しかも、半円筒状部分を有しているものであっても、連結部を形成することによって、その連結部の係合部分が径方向への相対移動を規制し円周方向への相対移動を規制する機能によって、いずれの方向へのズレ動きも少なく、主シートボディ部に対するシートカバー体部のセンタリング機能が良好で、前記したような接着剤のはみ出しを抑制し、はみ出した場合の拭き取り作業等を必要としないのである。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記主シートボディ部に固定フードを形成するとともにその固定フードの開口縁に連なる鍔部を、竿軸線に直交する方向視でその竿軸線に対して交差するように傾斜状態で形成し、
前記シートカバー体部を前記主シートボディ部に装着した状態で、前記シートカバー体部における前記半円筒状部分の開口縁を前記鍔部に当接するように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
このように、鍔部を形成し、この鍔部によって、シートカバー体部の固定フードに向かう、開口縁を受け止めることによって、前記従来公報に記載された技術のように、固定フードを乗り越えるべく、シートカバー体部の一部を拡径させてリール脚載置面まで、シートカバー体部を延出する必要がない。
しかも、鍔部を竿軸線に直交する方向視でその竿軸線に対して交差するように傾斜状態で形成してあるので、固定フード存在側とは竿軸線を挟んで180度反対側において、シートカバー体部を可動フード側に十分入り込ませて設けることができる。
これによって、リールシートを握る手の掌に柔軟性のある部分を当てることができる。
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記シートカバー体部における、前記半円筒状部分とは竿軸線に沿った方向の反対側端部には、全周に亘って連続する円筒部が形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
円筒部が半円筒状部分に繋がっていることによって、半円筒状部分の両側端部分が広がることを抑制でき、軟質材製であっても、保形性を十分に担保できる。
請求項4に係る発明の特徴構成は、前記半円筒状部分における左右中心部分に、前記半円筒状部分の開口縁から竿軸芯に沿って徐々に外向きに膨出するとともに頂点より前記開口縁から離れるに従って徐々に縮小する膨出部を形成し、その膨出部の内周面に前記連結部の係合部分が形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
半円筒状部分の左右中心部分に膨出部が形成してあるので、リールシートと装着したリールとを握り込む場合に、この膨出部が手の掌に作用して、握る手が痛くなる等の負担を軽減できる。
しかも、このように膨出部を形成し、肉厚となっている部分に連結部の係合部分を形成しているので、係合部分の機械的強度を安定したものにでき、製作上も十分余裕をもった設置位置選定ができる。
請求項5に係る発明の特徴構成は、前記連結部における係合部分は、主シートボディ部に形成してあるT字型係合片とシートカバ―体部のT字型係合孔とで形成される点にあり、その作用効果は次の通りである。
T字型係合片とT字型係合孔とが互いに係合することによって、径方向への相対移動を規制する機能と、径方向に直交する円周方向への相対移動を規制する機能とが同時に満たされ、シートカバー体部の主シートボディに対してセンタリング機能がより確かなものとなる。
このように、センタリング機能の向上により、前記したような接着剤のはみ出しを抑制し、はみ出した場合の拭き取り作業等を必要としない効果を発揮でき、この効果を発揮するのに、T字型に形成した係合片と係合孔とを形成するだけの簡単に機構を設けるだけで達成できたのである。
請求項6に係る発明の特徴構成は、請求項1〜5に記載の内のいずれか一つに記載の筒状リールシートを備えた釣り竿である点にあり、その作用効果は次の通りである。
上記したような筒状リールシートを装着した釣り竿は、船竿等として使用する際に、扱い易く操作し易いものとなる。
主シートボディ部8の構成について説明する。図2〜図5に示すように、竿先側端部に固定フード5を一体形成してあり、固定フード5の竿元側にリール脚4の載置面8A、載置面8Aには竿先側と竿元側とに円周方向に沿った二本の受止条8a、8aが突設してある。この受止条8a、8aによって、リール脚4の竿元側に延出された他方のリール脚部4Bを受止め、リール脚4のガタツキを押さえる構成を採っている。
この案内溝8bの一つと、可動フード6の図示していない突起とが係合することによって、可動フード6が竿軸芯方向に沿って移動可能に構成してある。
突起としては、少なくとも、一つの案内溝8bに係合する構成を採ればよいが、4箇所にネジ部8Bが設けてあるのは、案内溝8bの形成によって、薄肉化する部分をネジ部8B周方向での片寄りを回避し、成形時に発生し易いヒケ等を抑制するものである。
シートカバ―体部9の構造について説明する。図3に示すように、基本構造として樹脂製の筒状体であり、軸芯位置に、主シートボディ部8における竿先側端部に形成されている筒状部8Cに外嵌される筒状孔9Cを形成してある。筒状孔9Cの更に竿先側には、元竿1に外嵌される貫通孔9Dが形成してある。その筒状体の竿元側端に大きな切欠き部分を形成し、その切欠き部分を主シートボディ部8の竿先側に形成してある筒状部8Cに外嵌装着することによって、シートカバ―体部9を主シートボディ部8に装着することができる。
シートカバー体部9における切欠き部分を形成している竿元側の部分を、半円筒状部分と称する。
固定フード5の基端部の形状に沿った湾曲状の第3切断線g、固定フード5とは竿軸線Xを挟んで180度反対側に位置する竿元側端開口を形成する、固定フード5側に近い程竿先側に変位する傾斜線状の第1切断線h、第1切断線hと第3切断線gとの間に、固定フード5側に近い程第1切断線hに比べて大きく竿先側に変位する湾曲状の第2切断線jを連続して形成し、これらの切断線によって、切欠き部分、つまり、主シートボディ部8の鍔部8Eに沿った開口縁を形成してある。
そして、円弧状面9Aの表面に、滑り止めとしてシボ加工や梨地加工等を施してもよい。これによって、リールシート2とリール脚4を伴握りする手の掌に円弧状面9Aの表面が接触し、滑り難い効果を与える。
このように、4本の突条9bを設けることによって、リールシート2とリール脚4とを伴握りする中指や人指し指に接触して、滑り止め効果を発揮する。
以上、シートカバー体部9は、竿元側に半円筒状部分を配置し、竿先側に小径円筒部9Eを配置し、半円筒状部分と小径円筒部9Eとを前記したゴム材料等で一体形成したものである。
T字型係合孔10Bは、円弧状面9Aに対応する内周面側に形成してあり、図5(b)(c)及び図4(a)(b)に示すように、竿軸芯Xに沿った方向視で、筒状孔9Cから半径方向に直線的に切込みを入れて、T字型係合片10Aの立上片10aと係合する円周方向係合孔部としての立上孔9aと、円弧状面9Aの肉厚内に立上孔9aと略直交する姿勢でT字型係合片10Aの水平片10bと係合する径方向係合孔部としての水平孔9cとで形成してある。
(1)連結部10の別構成について説明する。図7(a)に示すように、立上片10aとして、その断面形状が、主シートボディ部8の筒状部8Cとの接続点から水平片10bにおける両端位置に斜めに立ち上がる線で接続するように略三角形状のものにしてもよい。
(2)連結部10の別構成について説明する。図7(b)に示すように、立上片10aと水平片10bとの機能を一体的に果たすものとして、短い立上片10aの先端に円形断面片10cを形成してもよい。
(3)T字型係合片10AとT字型係合孔10Bとは、T字型係合片をシートカバー体部9に、T字型係合孔を主シートボディ部8に設けてもよい。
(4)上記リールシート4を適用する釣り竿Aとしては、前記した船竿だけでなく、磯竿、投げ竿等に使用してもよい。
2 リールシート
3 シートボディ
4 スピニングリール(リール)
4A、4B リール脚部
5 固定フード
8 主シートボディ部
8E 鍔部
9 シートカバー体部
9A 膨出部
9E 円筒部
9a 立上孔(円周方向係合孔部)
9c 水平孔(径方向係合孔部)
10 連結部
10A T字型係合片(係合部分)
10B T字型係合孔(係合部分)
10a 立上片(円周方向係合片部)
10b 水平片(径方向係合片部)
X 竿軸線(竿軸芯)
Claims (6)
- 竿体の所定箇所に装着されるシートボディを主シートボディ部とその主シートボディ部に連結部を介して着脱自在に装着される前記主シートボディ部より軟質のシートカバ―体部とで構成し、前記シートカバー体部における前記主シートボディ部に装着される部分を全周に満たない半円筒状部分に形成するとともに、前記連結部を、前記主シートボディ部の外周面と、前記シートカバ―体部の前記外周面に外嵌装着される半円筒状部分の内周面とに亘って形成し、前記連結部に、前記主シートボディ部と前記シートカバ―体部との、径方向への相対移動を規制する径方向係合部分と、円周方向への相対移動を規制する円周方向係合部分とでなる係合部分を形成し、前記径方向係合部分を径方向係合片部と径方向係合孔部とで構成し、前記円周方向係合部分を円周方向係合片部と円周方向係合孔部とで構成し、前記径方向係合片部と前記円周方向係合片部とが一体形成してある筒状リールシート。
- 前記主シートボディ部に固定フードを形成するとともにその固定フードの開口縁に連なる鍔部を、竿軸線に直交する方向視でその竿軸線に対して交差するように傾斜状態で形成し、
前記シートカバー体部を前記主シートボディ部に装着した状態で、前記シートカバー体部における前記半円筒状部分の開口縁を前記鍔部に当接するように構成してある請求項1記載の筒状リールシート。 - 前記シートカバー体部における、前記半円筒状部分とは竿軸線に沿った方向の反対側端部には、全周に亘って連続する円筒部が形成してある請求項1又は2記載の筒状リールシート。
- 前記半円筒状部分における左右中心部分に、前記半円筒状部分の開口縁から竿軸芯に沿って徐々に外向きに膨出するとともに頂点より前記開口縁から離れるに従って徐々に縮小する膨出部を形成し、その膨出部の内周面に前記連結部の係合部分が形成してある前記請求項1〜3に記載の内のいずれか一つに記載の筒状リールシート。
- 前記連結部10における係合部分は、主シートボディ部8に形成してあるT字型係合片10Aとシートカバ―体部9のT字型係合孔10Bとで形成される請求項1〜4に記載の内のいずれか一つに記載の筒状リールシート。
- 請求項1〜5に記載の内のいずれか一つに記載の筒状リールシートを備えた釣り竿。
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