JPH07115879A - 釣竿用キャスティングハンドル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パーミング時の把持感向上やリールの操作性
の向上という釣竿用キャスティングハンドルの操作性を
向上させる。 【構成】 リール脚載置部１２Ａの前後に対向配置され
た一対のリール脚受入部１２Ｂ，１２Ｃを有するリール
取付部１２と、該リール取付部１２の後部に配設された
握り部１４とを有する釣竿用キャスティングハンドルで
あって、前記リール脚載置部１２Ａの両側を側方に膨出
形成すると共に、該膨出部１２Ｇの少なくとも一方を前
記リール脚載置部１２Ａに取り付けられたリール２０に
接触するように上方に延設し、かつ柔軟部材で形成した
柔軟延設部１２Ｅを具備するよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、釣竿用キャスティング
ハンドルに関する。

【０００２】

【従来の技術】釣竿用キャスティングハンドルの把持性
向上の考案例としては、実開平１−８２７６５号公報や
特開平２−１７４６２４号公報がある。これらは共にリ
ール脚載置部を側方に膨出形成しており、下部を手の指
の折曲げ角度に適合させるよう構成している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記公報
の何れにおいても、取り付けられたリールとリール脚載
置部の側方膨出部との間には隙間が生じるようになって
おり、把持した際のリールとキャスティングハンドルと
の一体感がなく、また、ナット部材による締付けのみで
はリールの保持力が安定しないことが有り、該リールの
操作中にガタが発生してもこれを押さえることができな
い。

【０００４】更には、リール脚載置部の前側のリール脚
受入部をナット部材で駆動する構造では、該ナット部材
の端部がリール脚載置部の構成部材に対して段差を有
し、パーミングの内リールの前部を把持するパーミング
の場合には、手に段差が当り、把持感が悪い。

【０００５】依って本発明は、パーミング時の把持感向
上やリールの操作性の向上という釣竿用キャスティング
ハンドルの操作性向上を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本発明
の第１は、リール脚載置部の前後に対向配置された一対
のリール脚受入部を有するリール取付部と、該リール取
付部の後部に配設された握り部とを有する釣竿用キャス
ティングハンドルであって、前記リール脚載置部の両側
を側方に膨出形成すると共に、該膨出部の少なくとも一
方を前記リール脚載置部に取り付けられたリールに接触
するように上方に延設し、かつ柔軟部材で形成した柔軟
延設部を具備することを特徴とする釣竿用キャスティン
グハンドルを提供する。

【０００７】また第２は、リール脚載置部の前後に対向
配置された一対のリール脚受入部を有するリール取付部
と、該リール取付部の後部に配設された握り部とを有す
る釣竿用キャスティングハンドルであって、前記リール
脚載置部の下方部を形状的に滑らかに延設させて該リー
ル脚載置部の前側に配置されたリール脚受入部を前後に
移動させるナット部材の下側を覆うように形成した前側
把持部を具備することを特徴とする釣竿用キャスティン
グハンドルを提供する。

【０００８】

【作用】上記第１の発明では、リール脚載置部の両側を
側方に膨出形成しており、かつ柔軟部材で少なくともそ
の一方を上方に延設しているため、取り付けられたリー
ルの下部に接触し、該リールが従来の固定ではその操作
中に不安定であるとしても、柔軟部材による柔軟延設部
の存在のためにガタ付きが防止されると共に、リールと
キャスティングハンドルとの当接により把持の際に一体
感（把持感向上）が生まれる。

【０００９】第２発明では、リール脚載置部の前側に配
置されたリール脚受入部を前後に移動させるナット部材
の下側を覆うように前記リール脚載置部の下方部を形状
的に滑らかに延設した前側把持部を具備するので、ナッ
ト部材による段差は覆われて前方パーミング時の把持感
が向上する。形状的に滑らかとは、一体形成でなく分割
されていてもよく、外形が滑らかであれば良い意味であ
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づ
き、更に詳細に説明する。図１から図３には本発明に係
る釣竿用キャスティングハンドルの第１実施例を示す。
竿管１０を貫通させた中央のリール取付部１２の後部に
は握り部１４が連結形成されており、前部には前側握り
部１６が設けられている。１８は指を係止させるトリガ
ーである。

【００１１】リール取付部１２の上側にはリール脚載置
部１２Ａが形成されており、この前側には移動フード１
３に形成された前部リール脚受入部１２Ｂが、後側には
リール取付部１２の本体１２Ｄに形成された後部リール
脚受入部１２Ｃが設けられている。これらのリール脚受
入部１２Ｂ，１２Ｃにリール２０の脚２０Ａを挿入した
状態で、内部に設けられているねじ（図示せず）による
ナット部材としての作用をも兼ねている前記前側握り部
１６を回動させて移動フード１３を駆動してリール２０
を固定する。

【００１２】このリール取付部１２は硬質の合成樹脂か
ら成る上記本体１２Ｄを有し、図２と図３に示すように
リール脚載置部１２Ａの両側を側方に膨出させ、トリガ
ー１８に指を係止させるようにパーミングした際には、
リール脚載置部の下方部の表面１２Ｓと各膨出部１２Ｇ
との形状が各指の折れ曲り形状に沿って滑らかに大きく
広がっており、把持感が向上する。

【００１３】然しながら、リール２０との間には隙間を
有するため、既述の如き問題を有しており、これを解決
するために膨出部１２Ｇの上端部に軟質の合成樹脂等に
よる柔軟延設部１２Ｅを上方に延設している。この柔軟
延設部１２Ｅの上部１２ｅは幾分折れ曲りながらリール
２０の下部に接触し、パーミングの際のリール２０とキ
ャスティングハンドルとの一体感が生じ、また、リール
２０の操作中に該リール２０がガタ付くことを防止でき
る。

【００１４】上述の如く柔軟延設部１２Ｅは軟質の合成
樹脂等で形成しているが、それはリール２０は必ずしも
一定の大きさではなく、使用する釣竿に対しても標準の
リール以外に数種類のリールを使用することがある。従
って、これらの何れのリールに対してもリールとキャス
ティングハンドルとの間の隙間を生ずることがないよう
に変形を許容する柔軟部材によってやや大きめに構成し
ているのである。また通常、パーミングはリール２０を
操作する利き腕の逆腕で行うため、利き腕側の柔軟延設
部を無くし、逆腕側の柔軟延設部を残しておけばパーミ
ング時の一体感はあり、またガタ付きも低減できる。

【００１５】更には図１や図３に示すように竿管１０の
リール２０の反対側（下側）の表面は本体１２Ｄの外側
に出ており、パーミング時の手に魚信を感知し易く形成
している。

【００１６】次に図４から図６は本発明に係る魚釣用キ
ャスティングハンドルの第２実施例を示す。第１実施例
の場合と異なるのは、前側握り部１６の他に、専用のナ
ット１５が雄ねじ１７に螺合しており、移動フード１
３’が前後に移動させられる。通常のパーミングはトリ
ガー１８に指を係止してリール２０の後半部の把持を行
う。これに対してリール２０の前部を把持するパーミン
グもある。この場合には上記ナット１５の前後の雄ねじ
１７や移動フード１３’との段差部を把持することにな
り、把持感が悪い。

【００１７】本発明ではこれを防止すべく前側把持部２
２Ａを有し、かつ該前側把持部２２Ａと滑らかに接続さ
れた通常時の把持位置の後側把持部２２Ｂをも有する把
持用部材２２をキャスティングハンドルの下方から着脱
自在に取り付けている。把持用部材２２を着脱自在に構
成しているため、該把持用部材２２を取外した状態でナ
ット１５を調節してリール２０を固定すれば、該ナット
１５の調節やリール２０の取り付けが容易になる。

【００１８】この把持用部材２２の後側把持部２２Ｂ
は、図６に示すように竿管１０に係止するための係止部
２２Ｄを有する硬質の合成樹脂で形成された形状保持体
１２Ｆと、該形状保持体１２Ｆの外側に貼り付けられて
おり、リール２０を取り付けた際にその上端１２ｅがこ
のリール２０に接触するように変形可能な軟質合成樹脂
部材等による柔軟延設体１２Ｅとを具備している。ま
た、前側把持部２２Ａも同様に内側の硬質の形状保持体
と外側の柔軟部材の層とを具備している。

【００１９】しかし、第１実施例の本体１２Ｄの膨出部
１２Ｇの上端部に柔軟延設部１２Ｅを形成しているよう
に、形状保持体１２Ｆの後述の膨出部１２Ｇの上端部に
柔軟延設体１２Ｅを一体形成固定してもよい。また、前
側把持部２２Ａは硬質の形状保持体のみで構成すること
ができる。更には、前側握り部１６とナット１５が別々
ではなくて第１実施例のように一体の兼用構成になって
いても同様に本実施例の把持用部材２２が適用できる。

【００２０】把持用部材２２の後側把持部２２Ｂは図５
と図６において判るように竿管１０に対してリール脚載
置部１２Ａの反対側に取り付け、該リール脚載置部１２
Ａの両側方部を側方に膨出させた膨出部１２Ｇを形成し
ている。柔軟延設体１２Ｅはこの膨出部１２Ｇを上方に
延設したものといえる。

【００２１】一方、前側把持部２２Ａはナット１５の下
部を覆うような円弧状の横断面のカバー体であり、その
長さ方向は移動フード１３’から前側握り部１６までを
覆うように構成し、その先端部には竿管１０に係止する
ための係止部２２Ｃを形成しており、前述の係止部２２
Ｄと併せて把持用部材２２をキャスティングハンドルに
着脱自在に構成している。前側のパーミング時には特に
下方の段差の存在が問題になるが、リール脚載置部１２
Ａの下方部の後側把持部２２Ｂから滑らかに延設したカ
バー体である前側把持部２２Ａを形成しているため、前
後のパーミング時において何れの場合も把持感がよい。

【００２２】図７は本発明に係る釣竿用キャスティング
ハンドルの第３実施例を示す。第２実施例と同様に個別
のナット１５を有する場合を示し、前側握り部１６’は
竿管１０の上側半分を覆うようにリール取付部１２の本
体１２Ｄと一体に形成している。残りの下側半分は、ナ
ット１５や移動フード１３’を下側から覆う着脱自在な
前側把持体２２Ａ’によって覆われている。この前側把
持体２２Ａ’は前記本体１２Ｄから形状的に滑らかに延
設した形状をしており、その着脱は第２実施例の場合と
同様な係止部２２Ｃ’によって竿管１０に係脱させて行
っている。

【００２３】この第３実施例では、第１や第２実施例の
ような後側パーミング時の把持感向上のための柔軟部材
の延設部は形成していないが、その柔軟延設部の形成は
自由である。更には、前側把持体２２Ａ’を着脱自在に
構成する代りに、前後方向にスライド可能に構成するこ
とによってリール装着時にナット１５の回動を容易にさ
せてもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように上記第１
の発明によれば、リール脚載置部の両側を膨出させ、該
膨出部の上部を柔軟部材で上方に延設しているため、寸
法の異なるリールを装着してもこの柔軟延設部がパーミ
ング時の把持感向上やリールの操作性の向上という釣竿
用キャスティングハンドルの操作性向上を図ることがで
きる。また第２発明では、リール脚載置部の前側に配置
されたリール脚受入部を前後に移動させるナット部材の
下側を覆うように前記リール脚載置部の下方部を形状的
に滑らかに延設した前側把持部を具備するので、ナット
部材による段差は覆われて前方パーミング時の把持感が
向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明に係る第１実施例のキャスティン
グハンドルの側面図である。

【図２】図２は図１のキャスティングハンドルの平面図
である。

【図３】図３は図１の矢視線Ｃ−Ｃによる横断面図であ
る。

【図４】図４は本発明に係る第２実施例のキャスティン
グハンドルの側面図である。

【図５】図５は図４のキャスティングハンドルの平面図
である。

【図６】図６は図４の矢視線Ｆ−Ｆによる横断面図であ
る。

【図７】図７は本発明に係る第３実施例のキャスティン
グハンドルの側面図である。

【符号の説明】

１２ リール取付部 １２Ａ リール脚載置部 １２Ｂ，１２Ｃ リール脚受入部 １２Ｅ 柔軟延設部 １２Ｇ 膨出部 １４ 握り部 １６ 前側握り部（ナット） ２０ リール ２０Ａ 脚

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リール脚載置部の前後に対向配置された
   一対のリール脚受入部を有するリール取付部と、該リー
   ル取付部の後部に配設された握り部とを有する釣竿用キ
   ャスティングハンドルであって、 前記リール脚載置部の両側を側方に膨出形成すると共
   に、該膨出部の少なくとも一方を前記リール脚載置部に
   取り付けられたリールに接触するように上方に延設し、
   かつ柔軟部材で形成した柔軟延設部を具備することを特
   徴とする釣竿用キャスティングハンドル。
2. 【請求項２】 リール脚載置部の前後に対向配置された
   一対のリール脚受入部を有するリール取付部と、該リー
   ル取付部の後部に配設された握り部とを有する釣竿用キ
   ャスティングハンドルであって、 前記リール脚載置部の下方部を形状的に滑らかに延設さ
   せて該リール脚載置部の前側に配置されたリール脚受入
   部を前後に移動させるナット部材の下側を覆うように形
   成した前側把持部を具備することを特徴とする釣竿用キ
   ャスティングハンドル。
3. 【請求項３】 前記膨出部又は前記前側把持部はハンド
   ルに対して着脱自在に形成されてなる請求項１又は２記
   載の釣竿用キャスティングハンドル。