JP5396724B2 - ダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質、ダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質膜の製造方法、および高分子電解質膜 - Google Patents
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Description
高分子電解質型燃料電池は、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、純水素あるいは改質水素ガスを燃料として一方の電極(燃料極)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤として異なる電極(空気極)へ供給し、起電力を得るものである。また、水電解は、固体高分子電解質膜を用いて、水を電気分解することにより燃料電池反応の逆反応が起こり水素と酸素を製造するものである。
しかしながら、実際の燃料電池や水電解ではこれらの主反応の他に、副反応が起こる。その代表的なものが過酸化水素(H2O2)の生成であり、この過酸化水素に起因するラジカル種が固体高分子電解質膜を劣化させる原因となっている。
従来、固体高分子電解質膜としては、Nafion(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成工業(株)社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子(株)社製)の商品名で市販されているパーフルオロスルホン酸系膜が、その化学安定性が優れている点から用いられてきた。
しかしながら、Nafionのようなパーフルオロスルホン酸系膜は、製造が困難であるため、非常に高価であるという問題があり、燃料電池車や家庭用燃料電池発電システム等の民生用途への普及の大きな障害となっている。また、分子内に大量のフッ素原子を有しているため、使用後の廃棄処理についても、環境への大きな負荷という問題を抱えている。
また、燃料電池はより高温で、かつ電極間のプロトン伝導膜の膜厚が薄いほど、膜抵抗が小さく、発電出力を高めることができる。しかし、これらのパーフルオロ酸系膜は、熱変形温度が80〜100℃程度で、高温時のクリープ耐性が非常に乏しく、それゆえ燃料電池にこれらの膜を用いた際の発電温度を80℃以下に保たなければならず、発電出力に制限があるといった問題がある。また、長期に使用した際の膜厚の安定性にも乏しく、電極間の短絡(ショート)を防ぐために、ある程度の膜厚(50μm以上)が必要で、薄膜化が困難であると考えられている。
こういったパーフルオロスルホン酸系膜の問題を解決するために、フッ素原子を含まず、より安価で、エンジニアプラスチックにも用いられるような耐熱性主鎖骨格を有する固体高分子電解質膜が、現在、数多く研究されている。ポリアリーレン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリエーテルスルホン系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリイミド系、ポリベンザゾール系の主鎖芳香環をスルホン化したポリマーが提案されている(非特許文献1〜3)。
また、燃料を純水素あるいは改質水素ガスではなく、液体を供給、特にメタノール水溶液を供給する方式は、ダイレクトメタノール方式の燃料電池として、リチウムイオン電池に代わる電池として注目されている。ダイレクトメタノール型燃料電池用電解質膜としてNafionを用いた燃料電池が数多く研究されてきたが、高濃度のメタノール使用時にメタノールクロスオーバーを回避することが難しいという問題がある。そのため、ポリアリ
ーレン系、ポリエーテルエーテルケトン系、ポリエーテルスルホン系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリイミド系、ポリベンザゾール系の主鎖芳香環をスルホン化したポリマーが非パーフルオロスルホン酸系膜として研究されているが、十分な耐メタノール透過抑制能は得られてはいない。
ところで、有機高分子材料に無機成分を複合化させた有機無機複合化材料は、ガスの透過性、強度、熱的安定性、光学特性、電気的特性などを改良するために古くから研究されている。複合化する際、ナノおよびマイクロオーダーで複合させることが物性の発現に重要であり、そのため、有機高分子材料と無機成分を化学的な相互作用を利用し複合化させる方法が一般に用いられている(非特許文献4〜6)。
メタノール透過を抑制するために複合化電解質膜も研究されており、無機成分と複合化することによりメタノール透過抑制に顕著な効果があることがわかっている。しかしながら、プロトン伝導性材料に無機成分を加えていくとプロトン伝導度が低下する傾向が一般的に見られる(非特許文献7、8、特許文献1〜3)。これは、無機成分添加によりプロトン伝導のパスが切断されることや、複合化のためにプロトン伝導に寄与するプロトン酸基と無機成分をイオン的あるいは共有結合的に結合することにより、プロトン伝導が阻害されることが原因となっていることが考えられる。
PolymerPreprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993) PolymerPreprints,Japan,Vol.43,No.3,p.735〜736(1994) PolymerPreprints,Japan,Vol.42,No.3,p730(1993) Polymer,Vol.38,No.6,1345〜1356(1997). PolymerPreprints,Japan,Vol.48,No.14,4245〜4246(1999). JournalofMembraneScience,Vol.157,219〜226(1999). JournalofMembraneScience,Vol.203,215〜225(2002). Macromol.Chem.Phys.,Vol.207,336〜341(2006).
性が大きく、耐熱水性が劣ることから、スルホン酸基等の親水基の導入量に制限がある。また、発電耐久性の尺度とされるフェントン試薬耐性(ヒドロキシラジカル耐性)に乏しい材料であった。また、これらの電解質膜を長期間100℃以上の高温下に暴露した際、スルホン酸が脱離しプロトン伝導性能の低下を生じたり、また、スルホン酸基が導入されていない他の芳香環と架橋反応を起こし、脆化するという問題点を有していた。膜の脆化が進行すると、長期発電時に膜の破断(ピンホール)が発生し、発電不能となる可能性が高い。
また、非特許文献4〜8、特許文献1〜3のように、一般的に無機成分の添加によりメタノール透過を抑制出来る一方で、プロトン伝導度は低下(膜抵抗の場合、上昇)するという、いわゆるトレードオフの関係にある。
このように、従来、提案されていたものは、必ずしもプロトン伝導性と、メタノール透過
性などのバランスに優れてはいなかった。そこで本発明の目的は、従来検討されてきた複合化による問題点を解決し、無機成分の添加により伝導度を低下(膜抵抗を上昇)させずにメタノールの透過を抑制し、かつ、メタノール溶液中で寸法安定性に優れた高分子電解質、および該電解質を含むダイレクトメタノール型燃料電池用燃料電池を提供することにある。
[1](A)プロトン伝導性重合体、並びに、
(B)下記成分(B−a)および(B−b)を含む組成物を加水分解・脱水縮合反応して得られる反応物;
(B−a):下記式(6)で表される化合物
(B−b):下記式(7)で表される化合物、
を含んでなることを特徴とするダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
Si(OR20)E(R21)F(R22)G・・・・(6)
(式(6)中、Eは2〜3、Fは0〜1、Gは1〜2であり、E+F+G=4である。また、R20、R21は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R22は、含窒素複素
環構造又は置換されていてもよいアミノ基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
Si(OR30)E'(R31)F'(R32)G'・・・・(7)
(式(7)中、E’は2〜3、F’は0〜1、G’は1〜2であり、E’+F’+G’=4である。また、R30、R31は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R32は
、プロトン酸基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
[2](B)成分が、前記成分(B−a)、(B−b)および下記成分(B−c)を含む組
成物を加水分解・脱水縮合反応して得られる反応物である、[1]のダイレクトメタノール
型燃料電池用高分子電解質。
(B−c):(B−a)成分および(B−b)成分以外の、下記式(8)で表される化合物
Si(OR40)e(R41)f・・・(8)
(式(8)中、eは2〜4、fは0〜2であり、e+f=4である。R40およびR41は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
[3](B)成分が、前記成分(B−a)、(B−b)、(B−c)および下記成分(B−
d)を含む組成物を加水分解・脱水縮合反応して得られる反応物である、[2]のダイレク
トメタノール型燃料電池用高分子電解質。
(B−d):Al、Ti又はZrのアルコキシド
[4]前記成分(B−a)を表す式(6)中のR22で表される基が、ピロール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、イソオキサゾール基、イミダゾール基、イミダゾリン基、イミダゾリジン基、ベンゾイミダゾール基、ピラゾール基、トリアジン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラジン基、インドール基、キノリン基、イソキノリン基、ブリン基、テトラゾール基、テトラジン基、トリアゾール基、カルバゾール基、アクリジン基、キノキサリン基、キナゾリン基、インドリジン基、イソインドール基、3H-インドール基、2H-ピロール基、1H-インダゾール基、プリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、シンノリン基、プテリジン基、カルボリン基、フェナントリジン基、ペリミジン基、フェナントロリン基、フェナジン基、フェナルサジン基、フェノチアジン基、フラザン基、フェノキサジン基、ピロリ
ジン基、ピロリン基、ピラゾリン基、ピラゾリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、インドリン基、イソインドリン基、キヌクリジン基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる化合物から誘導される少なくとも1種の基である[1]〜[3]のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
[5]前記、成分(B−a)を表す式(6)中のR22で表される基が、イミダゾール基、イミダゾリン基、ピリジン基、ピロール基、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、トリアジン基、トリアゾール基、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基からなる群から選ばれた少なくとも一つの基を含む[1]〜[4]のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
[6]前記、成分(B−c)を表す式(8)中の、R40およびR41で表される基が、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基からなる炭化水素基からなる群から選ばれた少なくとも一つの基を含む[1]〜[5]のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
[7]前記、成分(B−d)が、チタンアルコキシドを含む[1]〜[6]のダイレクトメタノー
ル用高分子電解質。
[8]前記成分(A)が、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基およびフェノール性水酸
基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の基を有する[1]〜[7]のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
[9]前記成分(A)が、パーフルオロスルホン酸系重合体、カルボキシル基およびスルホ
ン酸基を有するパーフルオロカーボン系重合体、およびスルホン酸又はアルキルスルホン酸基を有するポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフィド、ポリホスファゼン、ポリアリーレン、ポリフェニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリスルホネート、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチアゾール、ポリフェニルキノキサリン、ポリキノリン、ポリシロキサン、ポリトリアジンからなる群から選ばれる少なくとも1種である[1]〜[8]のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
[10]前記成分(A)が、下記一般式(1)で表される構造単位を含むポリアリーレン系共重合体である[1]〜[9]のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
も1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表
される置換基を有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
[11]前記成分(A)が、下記一般式(2)で表される構造単位を含むポリアリーレン系
共重合体である[1]〜[10]のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
よびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フ
ッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。s、tは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。
[13]下記(B−a)〜(B−d)成分を加水分解縮合して加水分解縮合物を得る工程、該加水分解縮合物中の溶媒を濃縮し溶媒組成を変更する工程、(A)と該加水分解縮合物とを溶媒に溶解した混合液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程、および該塗膜中に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去して高分子電解質膜を形成する工程を含む、ダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質膜の製造方法。
(B−a):下記式(6)で表される化合物
(B−b):下記式(7)で表される化合物、
(B−c):(B−a)成分および(B−b)成分以外の、下記式(8)で表される化合物、および
(B−d)Al、Ti又はZrのアルコキシド
Si(OR20)E(R21)F(R22)G・・・・(6)
(式(6)中、Eは2〜3、Fは0〜1、Gは1〜2であり、E+F+G=4である。また、R20、R21は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R22は、含窒素複素
環構造又は置換されていてもよいアミノ基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
Si(OR30)E'(R31)F'(R32)G'・・・・(7)
(式(7)中、E’は2〜3、F’は0〜1、G’は1〜2であり、E’+F’+G’=4である。また、R30、R31は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R32は
、プロトン酸基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
Si(OR40)e(R41)f・・・(8)
(式(8)中、eは2〜4、fは0〜2であり、e+f=4である。R40およびR41は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
[14]下記成分(B−a)および(B−b)を加水分解縮合して得られる反応物が、成分
(A)に相溶あるいは分散されてなる高分子電解質膜。
(A)プロトン伝導性重合体、
(B−a):下記式(6)で表される化合物、
Si(OR20)E(R21)F(R22)G・・・(6)
(式(6)中、Eは2〜3、Fは0〜1、Gは1〜2であり、E+F+G=4である。R20、R21は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R22は、含窒素複素環構造
又は置換されていてもよいアミノ基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
(B−b):下記式(7)で表される化合物、
Si(OR30)E'(R31)F'(R32)G'・・・・(7)
(式(7)中、E’は2〜3、F’は0〜1、G’は1〜2であり、E’+F’+G’=4である。R30、R31は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R32は、プロ
トン酸基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
したがって、本発明の高分子電解質は、一次電池用電解質、二次電池用電解質、ダイレクトメタノール型燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などの伝導膜として利用可能であり、この工業的意義は極めて大である。
[ダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質]
本発明に係るダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質は、(A)プロトン伝導性重合体、並びに、
(B)前記成分(B−a)および(B−b)を含む組成物、好ましくは前記成分(B−a)および(B−b)に加えて前記(B−c)および(B−d)から選択される1種以上の成分を含む組成物を加水分解・脱水縮合反応して得られる反応物を含んでなる。
以下、各成分について説明する。
(A)プロトン伝導性重合体
プロトン伝導性重合体(A)としては、
プロトン酸基を有する重合体であれば特に制限されない。プロトン酸基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、アルキルスルホン酸基、アルキルカルボン酸基、アルキルホスホン酸基及びフェノール性水酸基等からなる群より選ばれた少なくとも1種以上ものが好ましい。より好ましくは、スルホン酸、ホスホン酸、アルキルスルホン酸であり、特に好ましくはスルホン酸、アルキルスルホン酸である。このプロトン酸基によってプロトン伝導性が付与される。
ルホン酸基を有するポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフィド、ポリホスファゼン、ポリアリーレン、ポリフェニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホン、ポリスルホネート、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチアゾール、ポリフェニルキノキサリン、ポリキノリン、ポリシロキサン、ポリトリアジン、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリオキサチアゾール、ポリテトラザピレン、ポリオキサゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリピロリドン、ポリアクリレート誘導体、ポリメタクリレート誘導体、ポリスチレン誘導体等である。
より好ましくは、パーフルオロスルホン酸系重合体、カルボキシル基およびスルホン酸基とを有するパーフルオロカーボン系樹脂、スルホン酸又はアルキルスルホン酸基を有するポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフィド、ポリホスファゼン、ポリアリーレン、ポリフェニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリスルホネート、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチアゾール、ポリフェニルキノキサリン、ポリキノリン、ポリシロキサン、ポリトリアジン等である。
O−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO2−が好ましい。
。
Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基(pは1〜12の整数を示す)は、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上置換していることが好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、kは1〜4の整数を示す。
m、nの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組み合わせとして、
(1)m=0、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有
するフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが
置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として2個の−SO3
Hを有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CH2)4SO3Hを有するフェニル基である構造などを挙げることができる。
より好ましくは、上記一般式(1)で表される構造および下記一般式(2)で表される構造を有するポリアリーレン系共重合体が好ましい。
−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香
族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。ここで、−CR’2−で表される構造の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、などが挙げられる。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、酸素原子が好ましい。
基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
ましい組み合わせとしては、
(1)s=1、t=1であり、Aが−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化
水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(2)s=1、t=0であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または、−SO2−で
あり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(3)s=0、t=1であり、Aが−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化
水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン
基、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子またはニトリル基であ
る構造が挙げられる。
(4)s=1、t=1、2であり、Aが−C(CF3)2−または、−C(CR’2)2−(R’は炭化水素基または環状炭化水素基)であり、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水
素原子またはフッ素原子である構造、
(5)s=0、t=1、2であり、Aが−C(CF3)2−または、−C(CR’2)2−(R’は炭化水素基または環状炭化水素基)であり、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水
素原子またはフッ素原子またはニトリル基である構造が挙げられる。
、m、n、r、s、tおよびR1〜R16と同義である。x、yはx+y=100モル%と
した場合のモル比を示す。
スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体の製造には、例えば下記に示すA法、B法、C法の3通りの方法を用いることができる。
例えば、特開2004−137444号公報に記載の方法で、上記一般式(1)で表される構造単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、上記一般式(2)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。(B1法)
例えば、特開2001−342241号公報に記載の方法で、上記一般式(1)で表される骨格を有しスルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記一般式(2)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、この
重合体を、スルホン化剤を用いて、スルホン化することにより合成することもできる。
(C1法)
一般式(1)において、Arが−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特願2003−295974号(特開2005-60625号公報)に記載の方法で、上記一般式(1)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(2)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、次にアルキルスルホン酸またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することもできる。
るスルホン酸基、またはスルホン酸エステル基を有しないモノマーの具体的な例として、下記に示すようなスルホン酸エステル類を挙げることができる。
r=0の場合、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロ
ロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルが挙げられる。これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物などが挙げられる。
r≧2の場合、例えば特開2004−137444号公報、特開2004−244517号公報、特願2003−143914号(特開2004-346164号公報)、特願2003−
348523号(特開2005-112985号公報)、特願2003−348524号、特願20
04−211739号(特開2006-28414号公報)、特願2004−211740号(特開2006-28415号公報)に記載の化合物を挙げることができる。
,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられるが、トリフェニルホスフィン、トリ(2ーメチル)フェニルホスフィン、2,2'
−ビピリジンが好ましい。上記配位子は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'ビピリジン)、ビス(1,5−シクロオクタジエ
ン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられるが、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケルビス(トリ(2ーメチル)フェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'ビピリジン)が好ましい
。
、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどを挙げることできるが、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。
(A2法)前駆体のスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、特開2004−137444に記載の方法で脱エステル化する方法。
(B2法)前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241号公報に記載の方法でスルホン化する方法。
(C2法)前駆体のポリアリーレンに、特願2003−295974号(特開2005-60625号公報)に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する方法。
加水分解によりスルホン酸エステル基(−SO3R)をスルホン酸基(−SO3H)に転換する方法である。
具体的には、
(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記ポリアリーレンを投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸中で上記ポリアリーレンを80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)ポリアリーレン中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに対して1〜5倍
モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチルピロリドンなどの溶液中で上記ポリアリーレンを80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法
などを挙げることができる
(B2法)は、
スルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しない前駆体のポリアリーレンを、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することができる〔PolymerPreprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730(1993);PolymerPreprints,Japan,Vol.42,No.3,p.736(1994);PolymerPreprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)〕。すなわち、このスルホン化の反応条件としては、スルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しない前駆体のポリアリーレンを、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である
(C2法)は、
上記(C1法)に示すモノマー類を上記一般式(2)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させることにより、−OM基あるいは−SM基(Mは、水素原子あるいはアルカリ金属原子を示す)を有する前駆体ポリアリーレンを得た後、下記一般式(4)又は(5)で表される化合物をアルカリ条件下で反応させることによってスルホン化することが出来る。
一般式(4)で表される化合物の具体例としては、以下のような化合物が挙げられる。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが例示でき、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、およびアルカリ金属炭酸塩としてはそれぞれ、上記アルカリ金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩が例示できる。通常、アルカリ金属は前駆体ポリアリーレン中の−OM基あるいは−SM基に対して過剰気味で反応させ、通常、−OM基あるいは−SM基の1.1〜4倍当量を使用する。好ましくは、1.2〜3倍当量の使用である。
上記、プロトン酸基を有するプロトン伝導性材料のイオン交換容量は通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜4meq/g、さらに好ましくは0.8〜3meq/gである。0.3meq/g未満では、プロトン伝導度が低く発電性能が低い。一方、5meq/gを超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがある。
成分(B)
成分(B)は、以下に述べる成分(B−a)および(B−b)成分を含む組成物を加水分解・脱水縮合反応(以下、「加水分解縮合反応」という。)して得られる反応物である。成分(B)は、成分(B−a)および(B−b)に加えて、以下に述べる成分(B−c)および成分(B−d)から選択される1種以上の成分を含む組成物を加水分解縮合反応して得られる反応物であることが好ましい。
成分(B−a)
成分(B−a)は、下記式(6)で表される化合物である。
Si(OR20)E(R21)F(R22)G・・・(6)
式中、Eは2〜3、Fは0〜1、Gは1〜2であり、E+F+G=4である。R20、R21は、水素
原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R22は、含窒素複素環構造又は
置換されていてもよいアミノ基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。
香族基の何れであってもよい。かかる炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜24、より好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基である。炭素数が24を越えると、金属アルコシキドが過度に安定であり、反応性が悪くなる。
基、ベンゾチアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、イソオキサゾール基、イミダゾール基、イミダゾリン基、イミダゾリジン基、ベンゾイミダゾール基、ピラゾール基、トリアジン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラジン基、インドール基、キノリン基、イソキノリン基、ブリン基、テトラゾール基、テトラジン基、トリアゾール基、カルバゾール基、アクリジン基、キノキサリン基、キナゾリン基、インドリジン基、イソインドール基、3H-インドール基、2H-ピロール基、1H-インダゾール基、プリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、シンノリン基、プテリジン基、カルボリン基、フェナントリジン基、ペリミジン基、フェナントロリン基、フェナジン基、フェナルサジン基、フェノチアジン基、フラザン基、フェノキサジン基、ピロリジン基、ピロリン基、ピラゾリン基、ピラゾリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、インドリン基、イソインドリン基、キヌクリジン基があげられる。
このうち、イミダゾール基、イミダゾリン基、ピリジン基、ピロール基、ベンズイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、トリアジン基、トリアゾール基がより望ましい。
プロピル基、iso−プロピル基、tert-ブチル基、iso-ブチル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、オクチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3
−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメ
チル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、アリル基、2−ヒドロキシエチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基や、フェニル基、ナフチル基、トルイル基などの芳香族環基が挙げられ、このうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert-ブチル基、iso-
ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基等により置換されたアミノ基の他、2−アミノエチル基、6−アミノヘキシル基、アミノ(ポリプロピレンオキシ)基、ウレイド基、イソシアネート基等が挙げられる。
成分(B−b)
成分(B−b)は、下記一般式(7)であらわされる化合物である。
プロトン酸基を有するハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。
成分(B−b)を添加することにより、成分(B−a)(B−c)(B−d)からなる無機成分と比較して、寸法安定性を維持しつつ、プロトン伝導度を向上させることが出来る。
368−373(2005)〕。すなわち、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である
前駆体金属アルコキシドとしては、具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
成分(B−c)は、(B−a)成分および(B−b)成分以外の、下記式(8)で表される化合物である。
式(8)中、eは2〜4、fは0〜2であり、e+f=4である。R40およびR41は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。
水素基は、同一であっても異なっていてもよい。
このうち、特にテトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシラン(TEOS)、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが特に好ましい。
成分(B−d)
成分(B−d)は、Al、Ti又はZrのアルコキシドである。成分(B−d)の添加により、本発明の高分子電解質から得られる高分子電解質膜のプロトン伝導性を向上(膜抵抗の場合、低減)させることが可能になる。また、成分(A)のプロトン伝導性重合体に成分(B−a)のみを添加するとプロトン伝導性が低下する場合があるが、成分(B−d)を添加することにより、かかる悪影響を低減して、プロトン伝導性に優れた高分子電解質膜を得ることができる。
成分(B−d)の具体例は、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウムトリ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−iso−プロポキシドなどのアルミニウムアルコキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ−iso−プロポキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキシド、チタニウムテトラ−tert−ブトキシド、クロロチタニウムトリ−iso−プロポキシドなどのチタニウムアルコキシド、ジ
ルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−tert−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−iso−プロポキシド、ジルコニウムテトラエトキシドなどのジルコニウムアルコキシドなどが挙げられる。
各成分の配合量
成分(B−a)〜(B−d)の配合比は、(B−a)〜(B−d)成分の合計量を100モル%として、(B−a)が1〜99mol%が良く、より好ましくは5〜95mol%、さらに好ましくは10〜90mol%であり、(B−b)が1〜99mol%が良く、より好ましくは5〜95mol%、さらに好ましくは10〜90mol%であり、(B−c)が0〜95mol%が良く、より好ましくは0〜90mol%、さらに好ましくは0〜85mol%であり、(B−d)が0〜50mol%が良く、より好ましくは0〜45mol%、さらに好ましくは0〜40mol%である。
高分子電解質の製造方法
高分子電解質は、以下の(A法)、(B法)により製造することが出来る。
(A法)について以下に詳細に説明する。
ゾル溶液の調整法
(B)成分を調製するための各原料成分を溶解させる溶媒は、溶解するものであれば特に制限はないが、好ましくはカーボネート化合物(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン、N−メチルピロリドン等)、環状エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、鎖状エーテル類(ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等)、エステル類(カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等)、非プロトン極性物質(ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、非極性溶媒(トルエン、キシレン等)、塩素系溶媒(メチレンクロリド、エチレンクロリド等)等を用いることができる。
これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。溶媒の量は、金属アルコキシドに対して0〜95質量%が好ましく、より好ましくは5〜95質量%である。
)の範囲、より好ましくは1から3気圧(0.101〜0.303MPa)の範囲である。
前駆体を加水分解及び脱水縮合反応した後に、反応したゾル溶液の溶媒を濃縮し、反応時に使用した溶媒と異なる溶媒に置換しても良い。置換する溶媒は、後述するポリマー溶液に用いる溶媒と同じものが好ましい。このような溶媒を使用することによって、ゾル溶液をポリマー溶液に均一に分散させることが可能になる。
ゾル溶液中の成分(B−a)および(B−b)を加水分解・脱水縮合反応して得られる反応物の濃度は、通常、5〜75質量%、好ましくは7〜55質量%である。また、さらに成分(B−c)および(B−d)を加えた加水分解・脱水縮合反応して得られる反応物の濃度も上記と同様である。
ポリマー溶液の調整法
成分(A)を溶解させる溶媒としては、溶解するものであれば特に制限はないが、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクト
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイ
ミダゾリジノン、アセトニトリルなどの非プロトン系極性溶剤や、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶剤
、メタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチルラクトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で、ま
たは2種以上を組み合わせて用いることができる。特に溶解性、溶液粘度の面から、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう。)が好ましい。
なお、ポリマー溶液の粘度は、プロトン酸基を有するプロトン伝導性材料の分子量や、ポリマー濃度や、添加剤の濃度にもよるが、通常、1,000〜100,000mPa・s、好ましくは2,000〜50,000mPa・sである。なお粘度が高過ぎると、ゾル溶液との混合が困難になることがある。
次に(B法)について以下に詳細に説明する。
料成分を混合したのち、水を添加して加水分解・脱水縮合反応を行う。また、それぞれの前駆体を可溶な溶媒に溶解させてからポリマー溶液に溶解させても良い。使用する溶媒としては、上記(A法)のゾル溶液調製に例示した溶媒が挙げられる。
B法に用いられるポリマー溶液その他の成分は、それぞれA法の場合と同様である。
また、電解質中の(B−a)および(B−b)成分の合計量は、(A)成分と(B−a)(B−b)成分の合計量100質量%に対して、1〜50質量%、好ましく5〜45質量%は、更に好ましくは10〜40質量%である。また、(B−c)のみ、あるいは、(B−c)および(B−d)成分を加えた場合、(B−a)〜(B−d)成分の合計量は、(A)成分と(B−a)〜(B−d)成分の合計量100質量%に対して上記と同様の範囲が好ましい。
[高分子電解質膜の製造]
本発明のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質は、一次電池用電解質、二次
電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに好適であり、膜状態、溶液状態、粉体状態で用いることができる。これらの使用態様のうち膜状態、溶液状態が好ましい(以下、膜状態のことを高分子電解質膜と呼ぶ)。
キャスティング法により製膜する場合、電解質は溶液状態にし、その際の成分(A)と
(B−a)〜(B−d)を加水分解縮合して得られる反応物からなる全固形分の濃度は、通常、5〜40質量%、好ましくは7〜25質量%である。5質量%未満では、製膜時に厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすい。一方、40質量%を越えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
また、電解質膜中の(B−a)〜(B−d)成分の合計量は、(A)成分、(B−a)〜(B−d)成分の合計量100質量%に対して、1〜50質量%、好ましく5〜45質量%は、更に好ましくは10〜40質量%である。成分(B−a)〜(B−d)の配合量の合計が上記範囲内であれば、電解質膜のプロトン伝導度、メタノール透過性、メタノール水溶液中での寸法安定性が優れている。
成膜後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬すると、未乾燥フィルム中の有機溶剤を水と置換することができ、得られる高分子電解質膜の残留溶媒量を低減することができる。
なお、成膜後、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
未乾燥フィルム(予備乾燥後のフィルムも含む。以下同じ。)を水に浸漬する際は、枚葉を水に浸漬するバッチ方式でもよく、基板フィルム(たとえば、PET)上に成膜された状態の積層フィルムのまま、または基板から分離した膜を水に浸漬させて、巻き取っていく連続方式でもよい。また、バッチ方式の場合は、処理後のフィルム表面に皺が形成されるのを抑制するために、未乾燥フィルムを枠にはめるなどの方法で、水に浸漬させることが望ましい。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、置換速度および取り扱いやすさの点から、通常5〜80℃、好ましくは10〜60℃の範囲である。水温が高いと、有機溶媒と水との置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も大きくなるので、乾燥後に得られる高分子電解質膜の表面状態が悪化することがある。水温が低ければ置換速度が低く、また冷却する必要があるなどの効率的ではない。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後乾燥すると、残存溶媒量が低減された膜
が得られるが、このようにして得られる膜の残存溶媒量は、通常5質量%以下である。また、浸漬条件によっては、得られる膜の残存溶媒量を1質量%以下とすることができる。このような条件としては、たとえば、未乾燥フィルム1重量部に対する水の使用量が50重量部以上であり、浸漬する際の水の温度が10〜60℃、浸漬時間が10分〜10時間である。
無機プロトン伝導体粒子、カルボン酸を含む有機酸、スルホン酸を含む有機酸、ホスホン酸を含む有機酸、適量の水などを併用してもよい。
以上のようにして得られる高分子電解質膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは15〜80μmである。
[実施例]
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例中の各種の測定項目は、下記のようにして求めた。実施例において、「%」とは特に断りのない限り「質量%」を意味する。
<評価方法>
[スルホン酸基の当量]
得られたスルホン化ポリマーの水洗水が中性になるまで蒸留水で洗浄して、フリーの残存している酸を除去した後、乾燥させた。この後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、NaOHの標準液にて滴定し、中和点から、スルホン酸基の当量(イオン交換容量)(meq/g)を求めた。
[破断強度および弾性率の測定]
破断強度および弾性率の測定は、JISK7113に準じて行った(引っ張り速度:50mm/min)。ただし、弾性率は、標線間距離をチャック間距離とし算出した。JI
SK7113に従い、温度23±2℃、相対湿度50±5%の条件下で48時間試料の状態調整を行った。ただし、試料の打ち抜きは、JISK6251に記載の7号ダンベルを用いた。引っ張り試験測定装置は、INSTRON製5543を用いた。
[膜抵抗の測定]
膜を濃度1mol/lの硫酸を介して上下から導電性カーボン板ではさみ、室温でカーボン板間の交流抵抗を測定し、下記の式で求めた。
膜抵抗(Ω・cm2)=膜をはさんだカーボン間の抵抗値(Ω)−ブランク値(Ω)×接
触面積(cm2)
伝導度(S/cm)=膜厚/(膜抵抗×10000)
[メタノール水溶液浸漬試験]
50vol%の70℃メタノール水溶液に、伝導膜を6時間浸漬した。浸漬前後の面積を測定し、面積変化率(%)を計算した。
面積変化率(%)=(浸漬後の面積/浸漬前の面積)×100
[メタノール透過性]
浸透気化測定法(パーベーパレーション法)により測定した。所定のセルにフィルムを
セットし、表面側から10質量%のメタノール水溶液を供給、裏面から減圧し、透過液を液体窒素でトラップした。メタノール透過量は下記の式から計算した。
メタノール透過量(g/m2/h)=[透過液重量(g)/回収時間(h)/試料面積(m2)]×透過液のメタノール濃度
[合成例1;成分(A)の合成]
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean-Stark管、冷却管を取り付けた1Lセ
パラブル3口フラスコに4、4’−ジフルオロベンゾフェノン52.4g(240mmo
l)、4−クロロ−4'−フルオロベンゾフェノン14.1g(60.0mmol)、4,4'−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(Bis−M)70.2g(203mmol)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン23.7g(67.5mmol)、炭酸カリウム44.8g(324mmol)をはかりとった。DMAc320mL、ト
ルエン130mLを加え、窒素雰囲気下、150℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean-Stark管から取り除いた。3時間後に水
の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、160℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン7.7g(33.0mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン200mLに再溶解した。この溶液をメタノール2.0Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し
、真空乾燥して、110g(収率74%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は5500、重量平均分子量は8300であった。得られた化合物は下記式(9)であらわされる構造で表されるオリゴマーであることを確認した。
スルホン化ポリマーの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロ
ロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル56.1g(140mmol)、上記化合
物(Mn5500)38.71g(7.0mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド2.88g(4.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.66g(4.0mm
ol)、トリフェニルホスフィン15.4g(60mmol)、亜鉛23.0g(352mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)
253mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc780mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。
2のイオン交換容量は、1.7meq/gであった。
[実施例1]
100mLサンプル管に、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸(成分(B−b);下記式(11))5.06g、ベンゼンスルホン酸・1水和物0.12g、水0.67gを加え、5分間攪拌した。その後、N−メチルピロリドン4.2g、下記式(12)で表されるイミダゾール含有成分(B−a)3.07gを追加添加し、加水分解及び脱水縮重合反応をさせた。反応終了後、エバポレーターにより濃縮し、成分(B−a)、(B−b)の合計濃度が20wt%になるようにN−メチルピロリドン/メタノール=3/1(質量比)の混合溶媒を追加し、ゾル溶液を作製した。
(HO)3-Si-CH2CH2CH2-SO3H 式(11)
(質量比)の混合溶媒12.3gに溶解させたポリマー溶液に、上述のゾル溶液2.5gを少量ずつ滴下しながら撹拌することにより混合溶液を作製した(表1)。
[実施例2]
100mLサンプル管に、TEOS(成分(B−c))6.09g、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸(成分(B−b))0.92g、ベンゼンスルホン酸・1水和物0.12g、水0.67gを加え、5分間攪拌した。その後、N−メチルピロリドン4.2g、前記式(12)で表されるイミダゾール含有成分(B−a)0.48gを追加添加し、加水分解及び脱水縮重合反応をさせた。反応終了後、エバポレーターにより濃縮し、成分(B−a)〜(B−d)の合計濃度が20wt%になるようにN−メチルピロリドン/メタノール=3/1(質量比)の混合溶媒を追加し、ゾル溶液を作製した。
(質量比)の混合溶媒12.3gに溶解させたポリマー溶液に、上述のゾル溶液2.5gを少量ずつ滴下しながら撹拌することにより混合溶液を作製した(表1)。
[実施例3]
100mLサンプル管に、TEOS(成分(B−c))5.32g、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸(成分(B−b))0.92g、ベンゼンスルホン酸・1水和物0.12g、水0.67gを加え、5分間攪拌した。その後、N−メチルピロリドン4.2g、前記式(12)で表されるイミダゾール含有成分(B−a)0.48gを追加添加し、加水分解及び脱水縮重合反応をさせた。1時間撹拌の後、チタニウム
テトラ−iso−プロポキシド(成分(B−d))/アセチルアセトン混合溶液(1/4モル比)2.53gを追加し、更に1h以上撹拌した。反応終了後、エバポレーターにより濃縮し、成分(B−a)〜(B−d)の合計濃度が20wt%になるようにN−メチルピロリドン/メタノール=3/1(質量比)の混合溶媒を追加し、ゾル溶液を作製した。
(質量比)の混合溶媒12.3gに溶解させたポリマー溶液に、上述のゾル溶液2.5gを少量ずつ滴下しながら撹拌することにより混合溶液を作製した(表1)。
[比較例1]:成分(B−b)が無い場合(1)
100mLサンプル管に前記式(12)で表されるイミダゾール含有成分(B−a)10.76g、ベンゼンスルホン酸・1水和物0.12g、水0.67g、N−メチルピロリドン4.2g、を添加し、加水分解及び脱水縮重合反応をさせた。反応終了後、エバポレーターにより濃縮し、成分(B−a)の合計濃度が20wt%になるようにN−メチルピロリドン/メタノール=3/1(質量比)の混合溶媒を追加し、ゾル溶液を作製した。
(質量比)の混合溶媒12.3gに溶解させたポリマー溶液に、上述のゾル溶液2.5gを少量ずつ滴下しながら撹拌することにより混合溶液を作製した(表1)。
[比較例2]:成分(B−b)が無い場合(2)
100mLサンプル管にTEOS(成分(B−c))5.32g、前記式(12)で表されるイミダゾール含有成分(B−a)1.88g、ベンゼンスルホン酸・1水和物0.12g、水0.67g、N−メチルピロリドン4.2g、を添加し、加水分解及び脱水縮重合反応をさせた。1時間撹拌の後、チタニウムテトラ−iso−プロポキシド(成分(
B−d))/アセチルアセトン混合溶液(1/4モル比)2.53gを追加し、更に1h以上撹拌した。反応終了後、エバポレーターにより濃縮し、成分(B−a)(B−c)(B−d)反応終了後、エバポレーターにより濃縮し、成分(B−a)の合計濃度が20wt%になるようにN−メチルピロリドン/メタノール=3/1(質量比)の混合溶媒を追加し、ゾル溶液を作製した。
(質量比)の混合溶媒12.3gに溶解させたポリマー溶液に、上述のゾル溶液2.5gを少量ずつ滴下しながら撹拌することにより混合溶液を作製した(表1)。
[比較例3]:成分(B−a)が無い場合
100mLサンプル管に3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸(成分(B−b))7.08g、、ベンゼンスルホン酸・1水和物0.12g、水0.67g、N−メチルピロリドン4.2g、を添加し、加水分解及び脱水縮重合反応をさせた。反応終了後、エバポレーターにより濃縮し、成分(B−b)の合計濃度が20wt%になるようにN−メチルピロリドン/メタノール=3/1(質量比)の混合溶媒を追加し、ゾル溶液を作製した。
合成例1で得られたポリマーA1 2gをN−メチルピロリドン/メタノール=3/1(
質量比)の混合溶媒12.3gに溶解させたポリマー溶液に、上述のゾル溶液2.5gを少量ずつ滴下しながら撹拌することにより混合溶液を作製した(表1)。
Claims (16)
- (A)プロトン伝導性重合体、並びに、
(B)下記成分(B−a)および(B−b)を含む組成物を加水分解・脱水縮合反応して得られる反応物;
(B−a):下記式(6)で表される化合物
(B−b):下記式(7)で表される化合物、
を含んでなることを特徴とするダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
Si(OR20)E(R21)F(R22)G・・・・(6)
(式(6)中、Eは2〜3、Fは0〜1、Gは1〜2であり、E+F+G=4である。また、R20、R21は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R22は、含窒素複素環構造を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
Si(OR30)E'(R31)F'(R32)G'・・・・(7)
(式(7)中、E'は2〜3、F'は0〜1、G'は1〜2であり、E'+F'+G'=4である。また、R30、R31は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R32は、プロトン酸基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。) - (A)下記一般式(2)で表される構造単位を含むポリアリーレン系共重合体であるプロトン伝導性重合体、並びに、
(B)下記成分(B−a)および(B−b)を含む組成物を加水分解・脱水縮合反応して得られる反応物;
(B−a):下記式(6)で表される化合物
(B−b):下記式(7)で表される化合物、
を含んでなることを特徴とするダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
Si(OR20)E(R21)F(R22)G・・・・(6)
(式(6)中、Eは2〜3、Fは0〜1、Gは1〜2であり、E+F+G=4である。また、R20、R21は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R22は、含窒素複素環構造又は置換されていてもよいアミノ基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
Si(OR30)E'(R31)F'(R32)G'・・・・(7)
(式(7)中、E'は2〜3、F'は0〜1、G'は1〜2であり、E'+F'+G'=4である。また、R30、R31は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R32は、プロトン酸基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
- (B)成分が、前記成分(B−a)、(B−b)および下記成分(B−c)を含む組成物を加水分解・脱水縮合反応して得られる反応物である、請求項1または2に記載のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
(B−c):(B−a)成分および(B−b)成分以外の、下記式(8)で表される化合物
Si(OR40)e(R41)f・・・(8)
(式(8)中、eは2〜4、fは0〜2であり、e+f=4である。R40およびR41は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。) - (B)成分が、前記成分(B−a)、(B−b)、(B−c)および下記成分(B−d)を含む組成物を加水分解・脱水縮合反応して得られる反応物である、請求項3に記載のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
(B−d):Al、Ti又はZrのアルコキシド - 前記成分(B−a)を表す式(6)中のR22で表される基が、ピロール基、チアゾール基、ベンゾチアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、ベンゾオキサゾール基、イソオキサゾール基、イミダゾール基、イミダゾリン基、イミダゾリジン基、ベンゾイミダゾール基、ピラゾール基、トリアジン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラジン基、インドール基、キノリン基、イソキノリン基、ブリン基、テトラゾール基、テトラジン基、トリアゾール基、カルバゾール基、アクリジン基、キノキサリン基、キナゾリン基、インドリジン基、イソインドール基、3H-インドール基、2H-ピロール基、1H-インダゾール基、プリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、シンノリン基、プテリジン基、カルボリン基、フェナントリジン基、ペリミジン基、フェナントロリン基、フェナジン基、フェナルサジン基、フェノチアジン基、フラザン基、フェノキサジン基、ピロリジン基、ピロリン基、ピラゾリン基、ピラゾリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、インドリン基、イソインドリン基、キヌクリジン基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる化合物から誘導される少なくとも1種の基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
- 前記、成分(B−a)を表す式(6)中のR22で表される基が、イミダゾール基、イミダゾリン基、ピリジン基、ピロール基、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、トリアジン基、トリアゾール基、1級アミン基、2級アミン基、3級アミン基からなる群から選ばれた少なくとも一つの基を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
- 前記、成分(B−c)を表す式(8)中の、R40およびR41で表される基が、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基からなる炭化水素基からなる群から選ばれた少なくとも一つの基を含むことを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
- 前記、成分(B−d)が、チタンアルコキシドを含むことを特徴とする請求項4に記載のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
- 前記成分(A)が、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基およびフェノール性水酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の基を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
- 前記成分(A)が、パーフルオロスルホン酸系重合体、カルボキシル基およびスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン系重合体、およびスルホン酸又はアルキルスルホン酸基を有するポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルフィド、ポリホスファゼン、ポリアリーレン、ポリフェニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリスルホネート、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリチアゾール、ポリフェニルキノキサリン、ポリキノリン、ポリシロキサン、ポリトリアジンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
- 前記成分(A)が、下記一般式(1)で表される構造単位を含むポリアリーレン系共重合体であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
- イオン交換容量が、0.1〜5meq/gであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質。
- 下記(B−a)〜(B−d)成分を加水分解縮合して加水分解縮合物を得る工程、該加水分解縮合物中の溶媒を濃縮し溶媒組成を変更する工程、(A)プロトン伝導性重合体と該加水分解縮合物とを溶媒に溶解した混合液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程、および該塗膜中に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去して高分子電解質膜を形成する工程を含む、ダイレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質膜の製造方法。
(B−a):下記式(6)で表される化合物
(B−b):下記式(7)で表される化合物、
(B−c):(B−a)成分および(B−b)成分以外の、下記式(8)で表される化合物、および
(B−d)Al、Ti又はZrのアルコキシド
Si(OR20)E(R21)F(R22)G・・・・(6)
(式(6)中、Eは2〜3、Fは0〜1、Gは1〜2であり、E+F+G=4である。また、R20、R
21は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R22は、含窒素複素
環構造を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
Si(OR30)E'(R31)F'(R32)G'・・・・(7)
(式(7)中、E'は2〜3、F'は0〜1、G'は1〜2であり、E'+F'+G'=4である。また、R30、R31は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R32は、プロトン酸基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
Si(OR40)e(R41)f・・・(8)
(式(8)中、eは2〜4、fは0〜2であり、e+f=4である。R40およびR41は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。) - 下記(B−a)〜(B−d)成分を加水分解縮合して加水分解縮合物を得る工程、該加水分解縮合物中の溶媒を濃縮し溶媒組成を変更する工程、(A)下記一般式(2)で表される構造単位を含むポリアリーレン系共重合体であるプロトン伝導性重合体と該加水分解縮合物とを溶媒に溶解した混合液を基材上に塗布して塗膜を形成する工程、および該塗膜中に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去して高分子電解質膜を形成する工程を含む、ダ
イレクトメタノール型燃料電池用高分子電解質膜の製造方法。
(B−a):下記式(6)で表される化合物
(B−b):下記式(7)で表される化合物、
(B−c):(B−a)成分および(B−b)成分以外の、下記式(8)で表される化合
物、および
(B−d)Al、Ti又はZrのアルコキシド
Si(OR20)E(R21)F(R22)G・・・・(6)
(式(6)中、Eは2〜3、Fは0〜1、Gは1〜2であり、E+F+G=4である。また、R20、R21は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R22は、含窒素複素環構造又は置換されていてもよいアミノ基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
Si(OR30)E'(R31)F'(R32)G'・・・・(7)
(式(7)中、E'は2〜3、F'は0〜1、G'は1〜2であり、E'+F'+G'=4である。また、R30、R31は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R32は、プロトン酸基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
Si(OR40)e(R41)f・・・(8)
(式(8)中、eは2〜4、fは0〜2であり、e+f=4である。R40およびR41は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
- 下記成分(B−a)および(B−b)を加水分解縮合して得られる反応物が、成分(A)に相溶あるいは分散されてなる高分子電解質膜。
(A)プロトン伝導性重合体、
(B−a):下記式(6)で表される化合物、
Si(OR20)E(R21)F(R22)G・・・(6)
(式(6)中、Eは2〜3、Fは0〜1、Gは1〜2であり、E+F+G=4である。R20、R21は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R22は、含窒素複素環構造を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
(B−b):下記式(7)で表される化合物、
Si(OR30)E'(R31)F'(R32)G'・・・・(7)
(式(7)中、E'は2〜3、F'は0〜1、G'は1〜2であり、E'+F'+G'=4である。R30、R31は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R32は、プロトン酸基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。) - 下記成分(B−a)および(B−b)を加水分解縮合して得られる反応物が、成分(A)に相溶あるいは分散されてなる高分子電解質膜。
(A)下記一般式(2)で表される構造単位を含むポリアリーレン系共重合体であるプロトン伝導性重合体、
(B−a):下記式(6)で表される化合物、
Si(OR20)E(R21)F(R22)G・・・(6)
(式(6)中、Eは2〜3、Fは0〜1、Gは1〜2であり、E+F+G=4である。R20、R21は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R22は、含窒素複素環構造又は置換されていてもよいアミノ基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)(B−b):下記式(7)で表される化合物、
Si(OR30)E'(R31)F'(R32)G'・・・・(7)
(式(7)中、E'は2〜3、F'は0〜1、G'は1〜2であり、E'+F'+G'=4である。R30、R31は、水素原子又はハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。R32は、プロトン酸基を有する、ハロゲン化されていてもよい炭化水素基である。)
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