JP5391159B2 - レーザ光によるガラス基板加工装置 - Google Patents
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Description
図1に本発明の一実施形態によるガラス基板加工装置の全体構成を示す。このガラス基板加工装置は、ガラス基板に加工ラインに沿ってレーザ光を照射し、孔開け等の加工を行うための装置である。この装置は、ベッド1と、ワークとしてのガラス基板が載置されるワークテーブル2と、ガラス基板にレーザ光を照射するためのレーザ光照射ヘッド3と、を備えている。ここで、図1に示すように、ベッド1の上面に沿った平面において、互いに直交する軸をx軸、y軸とし、これらの軸に直交する鉛直方向の軸をz軸と定義する。また、x軸に沿った両方向(+方向及び−方向)をx軸方向、y軸に沿った両方向をy軸方向、z軸に沿った両方向をz軸方向と定義する。
<ワークテーブル>
ワークテーブル2は、矩形状に形成されており、ワークテーブル2の下方には、ワークテーブル2をx軸方向及びy軸方向に移動させるためのテーブル移動機構5が設けられている。
テーブル移動機構5は、図1に示すように、それぞれ1対の第1及び第2ガイドレール8,9と、第1及び第2移動テーブル10,11と、を有している。1対の第1ガイドレール8はベッド1の上面にy軸方向に延びて設けられている。第1移動テーブル10は、第1ガイドレール8の上部に設けられ、第1ガイドレール8に移動自在に係合する複数のガイド部10aを下面に有している。第2ガイドレール9は第1移動テーブル10の上面にx軸方向に延びて設けられている。第2移動テーブル11は、第2ガイドレール9の上部に設けられ、第2ガイドレール9に移動自在に係合する複数のガイド部11aを下面に有している。第2移動テーブル11の上部には、固定部材12を介してワークテーブル2が取り付けられている。
レーザ光照射ヘッド3は、図1及び図3に示すように、ベッド1の上面に配置された門型フレーム1aに装着されており、レーザ光出力部15と、光学系16と、内部に1対の第1ウェッジプリズム(後述)が組み込まれた第1中空モータ17と、内部に1対の第2ウェッジプリズム(後述)及び集光レンズが組み込まれた第2中空モータ18と、を有している。また、レーザ光照射ヘッド3をx軸方向に移動させるためのx軸方向移動機構21と、第1中空モータ17及び第2中空モータ18をz軸方向に移動させるためのz軸方向移動機構22と、が設けられている。
レーザ光出力部15は従来と同様のレーザ管により構成されている。このレーザ光出力部15によって、波長532nmのグリーンレーザがy軸に沿ってワークテーブル2とは逆側に出射される。
光学系16は、レーザ光出力部15からのレーザ光を第1中空モータ17に組み込まれた1対の第1ウェッジプリズムに導くものである。この光学系16は、図3に拡大して示すように、第1〜第4ミラー25〜28と、レーザ出力を計測するパワーモニタ29と、ビームエキスパンダ30と、を有している。
内部に第1ウェッジプリズム321,322が配置された第1中空モータ17の模式図を図4に示している。第1中空モータ17は、中心にz軸方向に延びる回転軸Rを有し、この回転軸Rを含む中央部が中空になっている。そして、この中空部に1対の第1ウェッジプリズム321,322が固定されている。1対のウェッジプリズム321,322は、同形状、同比重であって、屈折率のみが異なっている。各ウェッジプリズム321,322は、それぞれ回転軸Rに対して傾斜する斜面321a,322aと、回転軸Rに垂直な垂直面321b,322bと、を有している。そして、1対のウェッジプリズム321,322は、互いの垂直面321b,322bが近接して対向するように配置され、2つの垂直面321b,322bが平行で、かつ2つの斜面321a,322aが平行になるように配置されている。
図5を参照して、プリズムの頂角をδ、屈折率をnとした場合、このプリズムの偏角θは、δが小さい場合、
(n−1)・δ
である。なお、上式は、sinδ=δ(単位はラジアン)で近似できる程度にδが小さい場合の近似式である。本実施形態で用いるプリズムでは、頂角δは大きくても5°程度なので、sinδ=δと近似しても差し支えない。したがって、同形状(同じ頂角)で屈折率がそれぞれn1,n2である2つのウェッジプリズムのそれぞれの偏角θ1,θ2は、
θ1=(n1−1)・δ
θ2=(n2−1)・δ
である。そして2つのウェッジプリズムの斜面が平行になるように組み合わせて配置した場合の偏角θは、
θ=(n1−1)・δ−(n2−1)・δ=(n1−n2)・δ
となる。以上から明らかなように、頂角δが同じで、かつ同じ材質のウェッジプリズムの組合せであれば、n1=n2で、トータルの偏角は「0」になる。
この組合せの場合の偏角(°)は、頂角1°に対して、「0.169」である。
この組合せの場合の偏角(°)は、頂角1°に対して、「0.232」である。
この組合せの場合の偏角(°)は、頂角1°に対して、「0.170」である。
内部に1対の第2ウェッジプリズム341,342が配置された第2中空モータ18を、図6に模式的に示す。この第2中空モータ18は、中心にz軸方向に延びる回転軸を有している。この回転軸は、第1中空モータ17の回転軸Rと同軸である。この第2中空モータ18は、回転軸Rを含む中心部に中空部を有している。この中空部に、1対の第2ウェッジプリズム341,342が装着されている。また、これらの第2ウェッジプリズム341,342は、一方のウェッジプリズム342に対して他方のウェッジプリズム341が回転軸Rの回りに相対回転自在に取り付けられている。すなわち、1対の第2ウェッジプリズム341,342は偏角が調整可能である。
以上のようなレーザ照射ヘッド3は、前述のように、ベッド1の門型フレーム1aに支持されている。より詳細には、図3に示すように、門型フレーム1aの上面にはx軸方向に延びる1対の第3ガイドレール36が設けられており、この1対の第3ガイドレール36及び図示しない駆動機構がx軸方向移動機構21を構成している。そして、1対の第3ガイドレール36には、支持部材37が移動自在に支持されている。支持部材37は、第3ガイドレール36に支持された横支持部材38と、横支持部材38のワークテーブル2側の一端側から下方に延びる縦支持部材39と、を有している。縦支持部材39の側面には、z軸方向に延びる1対の第4ガイドレール40が設けられており、この1対の第4ガイドレール40及び図示しない駆動機構がz軸方向移動機構22を構成している。第4ガイドレール40には、z軸方向に移動自在に第3移動テーブル41が支持されている。
次に、レーザ光によるガラス基板の加工動作について説明する。
以上のような本実施形態では、レーザ光の偏向手段を、1対のウェッジプリズムによって構成しているので、安価に実現できる。そして、高速回転させる1対の第1ウェッジプリズム321,322については、同形状、同比重にし、かつ互いの斜面が平行になるように配置しているので、回転バランスが良好であり、高速回転させても振動を少なく抑えることができ、精度の良い加工を行うことができる。そして、集光点を高速回転させつつ走査してガラス基板を加工ラインに沿って加工するので、従来の装置に比較して加工時間を短縮することができる。
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
15 レーザ出力部
16 光学系
17 第1中空モータ
18 第2中空モータ
321,322 第1ウェッジプリズム
341,342 第2ウェッジプリズム
35 集光レンズ
G ガラス基板
Claims (6)
- ガラス基板にレーザ光を照射して加工を行う加工装置であって、
加工すべきガラス基板が載置されるワークテーブルと、
レーザ光を出力するレーザ光出力部と、
レーザ光出力部から出射されたレーザ光を偏向させるための1対の第1ウェッジプリズム及び前記1対の第1ウェッジプリズムを回転させる駆動手段を有する偏向・回転手段と、
前記偏向・回転手段からのレーザ光を、前記ガラス基板上に集光させる集光手段と、
集光されたレーザ光を前記ガラス基板上で走査する走査手段と、
を備え、
前記偏向・回転手段を構成する1対の第1ウェッジプリズムは、互いの屈折率が異なり、かつそれぞれの対向する近接面が平行で、かつ互いの離れた面が平行に配置されるとともに、前記1対のウェッジプリズム全体の重心が回転軸上にある、
レーザ光によるガラス基板加工装置。 - 前記1対の第1ウェッジプリズムは同じ形状である、請求項1に記載のレーザ光によるガラス基板加工装置。
- 前記1対の第1ウェッジプリズムは同じ比重である、請求項2に記載のレーザ光によるガラス基板加工装置。
- 前記偏向・回転手段を構成する駆動手段は、前記1対の第1ウェッジプリズムが内部に配置された第1中空モータである、請求項1から3のいずれかに記載のレーザ光によるガラス基板加工装置。
- 前記走査手段は、
対向して配置された1対の第2ウェッジプリズムと、
前記1対の第2ウェッジプリズムが内部に配置された第2中空モータと、
を含む、請求項1から4のいずれかに記載のレーザ光によるガラス基板加工装置。 - 前記1対の第2ウェッジプリズムは、一方に対して他方を回転させて偏角を調整可能である、請求項5に記載のレーザ光によるガラス基板加工装置。
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