JP2013146780A - 脆性材料基板のレーザ加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このレーザ加工方法は、脆性材料基板にレーザを照射して孔開け加工を行う方法であって、第1工程と第2工程とを含んでいる。第1工程は、脆性材料基板の表面からレーザを照射し、レーザの集光位置を脆性材料基板の裏面から表面に向かって移動させて、基板裏面から所定の深さ位置まで孔開け加工を行う。第2工程は、脆性材料基板の表面からレーザを照射し、第1工程で形成された孔に対してレーザの集光位置を脆性材料基板の表面から裏面に向かって移動させて、第1工程で形成された孔に連通する孔開け加工を行う。
【選択図】図8
Description
図1に本発明の一実施形態による加工方法を実施するための装置の全体構成を示す。このガラス基板加工装置は、ガラス基板に加工ラインに沿ってレーザを照射し、ガラス基板に孔を形成するための装置である。この装置は、ベッド1と、ワークとしてのガラス基板が載置されるワークテーブル2と、ガラス基板にレーザを照射するためのレーザ照射ヘッド3と、を備えている。ここで、図1に示すように、ベッド1の上面に沿った平面において、互いに直交する軸をx軸、y軸とし、これらの軸に直交する鉛直方向の軸をz軸と定義する。また、x軸に沿った両方向(+方向及び−方向)をx軸方向、y軸に沿った両方向をy軸方向、z軸に沿った両方向をz軸方向と定義する。
ワークテーブル2は、矩形状に形成されており、ワークテーブル2の下方には、ワークテーブル2をx軸方向及びy軸方向に移動させるためのテーブル移動機構5が設けられている。
テーブル移動機構5は、図1に示すように、それぞれ1対の第1及び第2ガイドレール8,9と、第1及び第2移動テーブル10,11と、を有している。1対の第1ガイドレール8はベッド1の上面にy軸方向に延びて設けられている。第1移動テーブル10は、第1ガイドレール8の上部に設けられ、第1ガイドレール8に移動自在に係合する複数のガイド部10aを下面に有している。第2ガイドレール9は第1移動テーブル10の上面にx軸方向に延びて設けられている。第2移動テーブル11は、第2ガイドレール9の上部に設けられ、第2ガイドレール9に移動自在に係合する複数のガイド部11aを下面に有している。第2移動テーブル11の上部には、固定部材12を介してワークテーブル2が取り付けられている。
レーザ照射ヘッド3は、図1及び図3に示すように、ベッド1の上面に配置された門型フレーム1aに装着されており、レーザ出力部15と、光学系16と、内部に1対の第1ウェッジプリズム(後述)が組み込まれた第1中空モータ17と、内部に1対の第2ウェッジプリズム(後述)及び集光レンズが組み込まれた第2中空モータ18と、を有している。また、レーザ照射ヘッド3をx軸方向に移動させるためのx軸方向移動機構21と、第1中空モータ17及び第2中空モータ18をz軸方向に移動させるためのz軸方向移動機構22と、が設けられている。
レーザ出力部15は従来と同様のレーザ管により構成されている。このレーザ出力部15によって、波長532nmのグリーンレーザがy軸に沿ってワークテーブル2とは逆側に出射される。
光学系16は、レーザ出力部15からのレーザを第1中空モータ17に組み込まれた1対の第1ウェッジプリズムに導くものである。この光学系16は、図3に拡大して示すように、第1〜第4ミラー25〜28と、レーザ出力を計測するパワーモニタ29と、ビームエキスパンダ30と、を有している。
内部に第1ウェッジプリズム321,322が配置された第1中空モータ17の模式図を図4に示している。第1中空モータ17は、中心にz軸方向に延びる回転軸Rを有し、この回転軸Rを含む中央部が中空になっている。そして、この中空部に1対の第1ウェッジプリズム321,322が固定されている。1対のウェッジプリズム321,322は、同形状、同比重であって、屈折率のみが異なっている。各ウェッジプリズム321,322は、それぞれ回転軸Rに対して傾斜する斜面321a,322aと、回転軸Rに垂直な垂直面321b,322bと、を有している。そして、1対のウェッジプリズム321,322は、互いの垂直面321b,322bが近接して対向するように配置され、2つの垂直面321b,322bが平行で、かつ2つの斜面321a,322aが平行になるように配置されている。
内部に1対の第2ウェッジプリズム341,342が配置された第2中空モータ18を、図5に模式的に示す。この第2中空モータ18は、中心にz軸方向に延びる回転軸を有している。この回転軸は、第1中空モータ17の回転軸Rと同軸である。この第2中空モータ18は、回転軸Rを含む中心部に中空部を有している。この中空部に、1対の第2ウェッジプリズム341,342が装着されている。また、これらの第2ウェッジプリズム341,342は、一方のウェッジプリズム342に対して他方のウェッジプリズム341が回転軸Rの回りに相対回転自在に取り付けられている。すなわち、1対の第2ウェッジプリズム341,342は偏角が調整可能である。
以上のようなレーザ照射ヘッド3は、前述のように、ベッド1の門型フレーム1aに支持されている。より詳細には、図3に示すように、門型フレーム1aの上面にはx軸方向に延びる1対の第3ガイドレール36が設けられており、この1対の第3ガイドレール36及び図示しない駆動機構がx軸方向移動機構21を構成している。そして、1対の第3ガイドレール36には、支持部材37が移動自在に支持されている。支持部材37は、第3ガイドレール36に支持された横支持部材38と、横支持部材38のワークテーブル2側の一端側から下方に延びる縦支持部材39と、を有している。縦支持部材39の側面には、z軸方向に延びる1対の第4ガイドレール40が設けられており、この1対の第4ガイドレール40及び図示しない駆動機構がz軸方向移動機構22を構成している。第4ガイドレール40には、z軸方向に移動自在に第3移動テーブル41が支持されている。
以上の加工装置を用いて、レーザによりガラス基板に孔を形成する場合の加工方法について説明する。ここでは、ガラス基板として、厚みが1.8mmのソーダガラスを例に取る。
以上のようにしてレーザ照射ヘッド3及びガラス基板Gを加工位置に移動させた後、レーザをガラス基板に照射して加工を行う。ここでは、レーザ出力部15から出射されたレーザは、第1ミラー25によって反射されて第2ミラー26に導かれる。なお、第1ミラー25に入射したレーザはパワーモニタ29によってレーザ出力が計測される。第2ミラー26に入射したレーザはy軸方向に反射され、ビームエキスパンダ30によって光束が拡げられて第3ミラー27に導かれる。そして、第3ミラー27で反射され、さらに第4ミラー28で反射されたレーザは、第1中空モータ17の中心部に設けられた1対の第1ウェッジプリズム321,322に入力される。
次に、図8に示すように、先の工程で形成された孔と同じ部位を、ガラス基板Gの表面側から裏面側に向かって、裏面側からの加工と同様の条件で加工していく。以上のような加工によって、ガラス基板Gを貫通する孔を形成することができる。
従来の加工方法によって孔を形成した場合と、本発明の一実施形態による加工方法によって孔を形成した場合のチッピングサイズの比較について実験を行った。この場合の加工条件は、以下の通りである。
走査速度:40mm/s
基板:ソーダガラス(厚み=1.8mm)
孔径:φ4mm
実験結果のまとめを図9に示している。従来方法の場合のチップサイズは、236〜333μmで平均サイズは284μmであった。また、本発明を適用した場合のチップサイズは、157〜213μmで平均サイズは180μmであった。なお、測定数nはいずれも「10」である。
(1)ガラス基板の裏面及び表面ともに加工の開始面となり、加工終了面は基板内部になる。そして、基板内部では、加工部に生じた亀裂が進展しにくいので、チッピングが抑えられる。
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
L 加工ライン
Claims (4)
- 脆性材料基板にレーザを照射して孔開け加工を行う加工方法であって、
脆性材料基板の表面からレーザを照射し、レーザの集光位置を脆性材料基板の裏面から表面に向かって移動させて、基板裏面から所定の深さ位置まで孔開け加工を行う第1工程と、
脆性材料基板の表面からレーザを照射し、前記第1工程で形成された孔に対してレーザの集光位置を脆性材料基板の表面から裏面に向かって移動させて、前記第1工程で形成された孔に連通する孔開け加工を行う第2工程と、
を含む脆性材料基板のレーザ加工方法。 - 前記第1工程では、基板表面から240μm以上の位置まで脆性材料基板の裏面から孔開け加工を実施する、請求項1に記載の脆性材料基板のレーザ加工方法。
- 前記第1及び第2工程では、レーザ集光点を中心軸から偏倚させるとともに、前記中心軸を中心に回転させながら加工ラインに沿って移動させる、請求項1又は2に記載の脆性材料基板のレーザ加工方法。
- 前記第1及び第2工程では、レーザを加工ラインに沿って螺旋状に走査する、請求項1から3のいずれかに記載の脆性材料基板のレーザ加工方法。
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