JP5388358B2 - 回転繰出式の複合筆記具 - Google Patents

回転繰出式の複合筆記具 Download PDF

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Description

本発明は、回転操作体を回転することにより、軸筒内に収容した筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より出没可能とした回転繰出式の複合筆記具に関するものである。
従来より、軸筒内に、筆記体を収容する複数の筆記体収容溝を有した摺動ケースと、回転操作体を回転することで摺動ケースの外周面上を回転可能な回転カムとを設け、筆記体収容溝に、カム係止突起を有した摺動体を装着した筆記体を、ばねにより軸筒の先端開口部と反対側の後方に付勢して配し、カム係止突起を回転カムに形成した傾斜面を有したカム面に当接して、回転カムの回転にともないカム係止突起がカム面に沿って移動することで摺動体および筆記体が前後動し、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より出没してなる回転繰出式の複合筆記具は、知られている。
こうした回転繰出式の複合筆記具の構造は、例えば、軸筒を前軸と回転操作体としての後軸とで構成し、後軸を前軸に対して回転することで回転カムを回転し、筆記体の後端部に装着した摺動体のカム係止突起を回転カムのカム面に沿って移動して摺動体および筆記体を軸筒の先端開口部側に前進させ、回転カムの傾斜面の軸筒の先端開口部側の先端の頂部に形成した凹溝にカム係止突起を係止することで、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出させてその状態を維持する構造としてある。
そのために、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態から、全ての筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より没入した状態にする際には、前記回転カムの凹溝からカム係止突起の係止を離脱させるために、前軸に対して後軸を大きな回転トルクで回転する必要があり、その結果、回転し過ぎて他の筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出させてしまうことが頻繁にある。
前記問題を解消する技術として、全ての筆記体が軸筒内に位置した時に、筆記体の不用意な軸心方向への移動を規制するために、回転カムのカム面の所定位置に筆記部材(筆記体)の先端が筆記具本体(軸筒)内に収まる位置に中間係止部を設けた技術が、実開昭59−124189号公報により開示されている。確かに、前記中間係止部を設けることにより、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態から、全ての筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より没入した状態にする際は、各摺動体のカム係止突起が回転カムのカム面に設けた中間係止部に係止するので係止感があり、回転操作体を回転し過ぎることがないように注意することができる。
しかし、前記した技術では、軸筒内に収容した筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部に没入した状態から、すなわち摺動体のカム係止突起が前記中間係止部に係止した状態から、筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出させる際に、カム係止突起の前記中間係止部への係止を確実に行うために係止力が大きくなるような中間係止部の形状にすると、カム係止突起を中間係止部より離脱させるために回転操作体を大きな回転トルクで回転する必要があり、そのために筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態に維持するためのカム係止突起が回転カムの傾斜面の先端の頂部に形成した凹溝に係止したものの、回転し過ぎてカム係止突起が中間係止部より離脱してしまうという問題が起きてしまう。逆に、カム係止突起の中間係止部への係止力が大きくならないような形状にすると、カム係止突起の中間係止部への係止の確実性が低下してしまうという問題があり、中間係止部の形状の設定には煩わしさがある。
ところで、特開2009−208322号公報には、軸筒の内面と作動カム(回転カム)の外周間に、作動カム(回転カム)が回転して、レフィール(筆記体)のいずれかが筆記位置に移動したときおよび収納位置に移動したときに作動カム(回転カム)をその位置に仮保持するよう凹凸嵌合部を設ける技術が開示されているが、本発明者は、回転操作体を回転した際に回転カムがピッチ毎に回転するようにすれば、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入した際に、また筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した際に、さらに回転操作体を回転してしまうことを防止できることを思いつき、本発明に至った。
実開昭59−124189号公報 特開2009−208322号公報
本発明の目的は、軸筒内に、筆記体を収容する複数の筆記体収容溝を有した摺動ケースと、回転操作体を回転することで摺動ケースの外周面上を回転可能な回転カムとを設け、筆記体収容溝に、カム係止突起を有した摺動体を装着した筆記体を、ばねにより軸筒の先端開口部と反対側の後方に付勢して配し、カム係止突起を回転カムに形成した傾斜面を有したカム面に当接して、回転カムの回転にともないカム係止突起がカム面に沿って移動することで摺動体および筆記体が前後動し、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より出没してなる回転繰出式の複合筆記具において、簡単な構造で、軸筒内に収容した全ての筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より没入させる際や、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態を維持し、回転操作体を回転し過ぎることなく確実に行え、各部品における設計仕様の煩雑さもない回転繰出式の複合筆記具を得ることにある。
本発明は、
「1.軸筒内に、筆記体を収容する複数の筆記体収容溝を有した摺動ケースと、回転操作体を回転することで摺動ケースの外周面上を回転可能な回転カムとを設け、筆記体収容溝に、カム係止突起を有した摺動体を装着した筆記体を、ばねにより軸筒の先端開口部と反対側の後方に付勢して配し、カム係止突起を回転カムに形成した傾斜面を有したカム面に当接して、回転カムの回転にともないカム係止突起がカム面に沿って移動することで摺動体および筆記体が前後動し、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より出没してなる回転繰出式の複合筆記具において、前記回転カムが摺動ケースに対し、軸筒の先端開口部側に移動可能に設けるとともにピッチ毎に回転可能に、回転カムと摺動ケースに夫々凸状部あるいは凹状部を周状に設けて凹凸嵌合させ、少なくとも全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入した際におよび筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出して維持された際に凸状部が凹状部に嵌合してなる、回転繰出式の複合筆記具。
2.軸筒内に、筆記体を収容する複数の筆記体収容溝を有した摺動ケースと、回転操作体を回転することで摺動ケースの外周面上を回転可能な回転カムとを設け、筆記体収容溝に、カム係止突起を有した摺動体を装着した筆記体を、ばねにより軸筒の先端開口部と反対側の後方に付勢して配し、カム係止突起を回転カムに形成した傾斜面を有したカム面に当接して、回転カムの回転にともないカム係止突起がカム面に沿って移動することで摺動体および筆記体が前後動し、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より出没してなる回転繰出式の複合筆記具において、前記摺動ケースの後方に、回転カムの回転に連動して回転可能にかつ摺動ケースに対して前後動可能に弾性部材により摺動ケース側に付勢して係止部材を設け、回転カムが摺動ケースに対してピッチ毎に回転可能に、係止部材の前端部と摺動ケースの後端部に夫々凸状部あるいは凹状部を周状に設けて凹凸嵌合させ、少なくとも全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入した際におよび筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出して維持された際に凸状部が凹状部に嵌合してなる、回転繰出式の複合筆記具。
3.前記凹状部を構成する周方向の壁面を傾斜面とし、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した状態から筆記体の筆記先端部が突出した状態に回転する際の凸状部との嵌合力と、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した状態から全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没した状態に回転する際の凸状部との嵌合力において、嵌合力に差が生じるように、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した際の凸状部が嵌合する凹状部の傾斜面の傾斜角度と、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した際の凸状部が嵌合する凹状部の傾斜面の傾斜角度を異ならせてなる、前記1項または2項に記載の回転繰出式の複合筆記具。」
である。
本発明において、前記凹凸嵌合における凹状部は溝状に形成したものであっても良いし、突部を複数形成し突部間を凹状部として設けたものでも良い。また、凸状部の数は、1つ以上形成すれば良く、その場合は、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入した際に、および各々の筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出して維持された状態の際に、前記凸状部が嵌合する各々の凹状部を1セットとして、摺動ケースに形成された筆記体収容溝の数の分だけ形成する必要がある。また、凹状部を前記1セット設け、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入した際に、および各々の筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出して維持された状態の際に、前記凹状部に嵌合する凸状部を、摺動ケースに形成された筆記体収容溝の数の分だけ設けても良い。当然、前記凸状部を摺動ケースに形成された筆記体収容溝の数の分と、凹状部を摺動ケースに形成された筆記体収容溝の数の分のセットを設けても良い。
請求項3に係る発明において、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した状態から筆記体の筆記先端部が突出した状態に回転する際の前記凸状部と凹状部との嵌合力と、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した状態から全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した状態に回転する際の前記凸状部と凹状部との嵌合力において、嵌合力に差が生じるように、凹状部を構成する周方向の傾斜面の傾斜角度を異ならせるが、傾斜角度が小さくなればなるほど傾斜面は垂直状態に近くなり、凸状部の傾斜面との当接により生じる凸状部が凹状部から離脱するための前後動方向への分力が小さいので、凸状部が凹状部から離脱する際に必要とする回転力(嵌合力)は大きくなる。逆に傾斜角度が大きくなればなるほど前記分力は大きくなり、凸状部が凹状部から離脱するための回転力(嵌合力)は小さくてすむ。
回転カムは、軸筒の内壁面に一体に形成して配設しても良いし、回転カム筒として軸筒と別体に形成して軸筒内に配設しても良い。適宜選択すれば良い。請求項2に係る発明において、弾性体とは、ばねやスポンジ等のような外力が加わることで圧縮変形し、外力が無くなることで元の形状に戻る物体やそのような形状をした形状体のことである。
本発明の回転繰出式の複合筆記具は前記したような構造なので、軸筒内に収容した全ての筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より没入させる際に、回転操作体を回転し過ぎることなく、確実に全ての筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より没入した状態にすることができ、かつ筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出した状態に維持する際に、回転操作体を回転し過ぎることなく、確実に筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した状態を維持することができる。また、前記凸状部と凹状部との嵌合感により、回転操作体を回転し過ぎないように注意を払うことができる。またさらに、凸状部や凹状部の形状について特に決まりはなく、設計仕様の煩雑さもない。またさらに、凹状部を構成する周方向の壁面を傾斜面とすることで、傾斜面の傾斜角度を変えることで前記凸状部と凹状部との嵌合力を容易に所望する値に設定できるという利点も有る。
また、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した状態では、摺動体に設けたカム係止突起が回転カムのカム面の先端に形成した凹溝に係止し、かつ前記凸状部が凹状部に嵌合しているので、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入するように回転操作体を回転した時の必要とする回転力は、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入した状態から筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出する際の回転操作体の必要とする回転力より大きいものとなってしまうが、請求項3に係る発明とすることで、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した状態から全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入する際の前記凸状部と凹状部の嵌合力を、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入した状態から筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出する際の前記凸状部と凹状部の嵌合力より小さくすることで、前記状態における回転操作体の必要とする回転力を、同じ様な値にすることができる。
請求項1に係る発明の実施例で、軸筒内に3本の筆記体を収容した回転繰出式の複合筆記具における、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した状態の、要部を断面した断面図である。 図1における摺動ケースと回転カム筒の部分の、筆記体を除いた状態を示した拡大縦断面である。 図2におけるA−A線部分の後端側方向(図2において右側方向)を見た拡大断面図で、(a)は、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した際の拡大断面図であり、(b)は、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した際の拡大断面図である。 図3における回転カム筒に設けた凸状部と摺動ケースに設けた凹状部との位置関係を平面に展開した状態の概略を示す拡大展開図で、(a)は、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した際の拡大展開図であり、(b)は、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した際の拡大展開図である。 図1における摺動体のカム係止突起と回転カム筒のカム面との位置関係を平面に展開した状態の概略を示す拡大展開図である。 請求項3に係る発明の実施例を示し、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入状態から筆記体の筆記先端部を突出状態にする際の回転カム筒に設けた凸状部と摺動ケースに設けた凹状部とにおける嵌合力が、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した状態から全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入状態にする際の前記凸状部と凹状部とにおける嵌合力より大きくした実施例を示し、図2におけるA−A線部分の後端側方向(図2において右側方向)を見た拡大断面図で、(a)は、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した際の拡大断面図であり、(b)は、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した際の拡大断面図である。 図6における回転カム筒に設けた凸状部と摺動ケースに設けた凹状部との位置関係を平面に展開した状態の概略を示す拡大展開図で、(a)は、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した際の拡大展開図であり、(b)は、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した際の拡大展開図である。 請求項1に係る発明の他の実施例を示し、軸筒内に2本の筆記体を収容した場合であって、図2におけるA−A線部分と同様の位置の後端側方向を見た拡大断面図で、(a)は、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した際の拡大断面図であり、(b)は、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した際の拡大断面図である。 図8における回転カム筒に設けた凸状部と摺動ケースに設けた凹状部との嵌合状態を平面に展開した概略を示す拡大展開図である。 請求項1に係る発明のさらに他の実施例を示し、摺動ケースに凸状部を設け、回転カム筒に凹状部を設けた場合で、摺動ケースに回転カム筒を装着した状態を示す拡大縦断面である。 図10におけるB−B線部分の前端側方向(図10において左側方向)を見た拡大断面図で、(a)は、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した際の拡大断面図であり、(b)は、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した際の拡大断面図である。 図11における回転カム筒に設けた凹状部と摺動ケースの凸状部との位置関係を平面に展開した状態の概略を示す拡大展開図で、(a)は、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した際の拡大展開図であり、(b)は、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した際の拡大展開図である。 請求項2に係る発明の実施例で、軸筒内に3本の筆記体を収容した回転繰出式の複合筆記具の要部における、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した状態の、要部を断面した断面図である。 図13におけるC−C線部分の前側方向(図13において左側方向)を見た、クリップを省略した拡大断面図である。 図13における摺動ケースの係止突部の後端面の拡大図である。 図13における係止部材の前端面の拡大図である。 図13における摺動ケースに設けた凸状部と、係止部材に設けた凹状部との位置関係を平面に展開した状態の概略を示す拡大展開図で、(a)は、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した際の拡大展開図であり、(b)は、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した際の拡大展開図である。
本発明は、軸筒内に、筆記体を収容する複数の筆記体収容溝を有した摺動ケースと、回転操作体を回転することで摺動ケースの外周面上を回転可能な回転カムとを設け、筆記体収容溝に、カム係止突起を有した摺動体を装着した筆記体を、ばねにより軸筒の先端開口部と反対側の後方に付勢して配し、カム係止突起を回転カムに形成した傾斜面を有したカム面に当接して、回転カムの回転にともないカム係止突起がカム面に沿って移動することで摺動体および筆記体が前後動し、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より出没してなる回転繰出式の複合筆記具において、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より出没するための回転操作体を回転した際に、回転操作体がピッチ毎に回転し、少なくとも全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入した際に、および各々の筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出して維持された際に、凹凸嵌合するように軸筒内に配した部材に凸状部と凹状部を回転可能に周状に設ける。
本発明の実施例を図面を用いて説明する。実施例において同じ部材、同じ箇所を示す場合は同じ符号を付してある。
本実施では、便宜上、シャープペンシルユニットの筆記体とボールペンレフィルの筆記体を軸筒内に収容した回転繰出式の複合筆記具として説明するが、これに限定されるものではない。軸筒内に、1本のシャープペンシルユニットの筆記体と複数本のボールペンレフィルの筆記体を収容した複合筆記具であっても良いし、複数本のシャープペンシルユニットの筆記体のみをあるいはボールペンレフィルの筆記体のみを収容した複合筆記具であっても良い。
図1〜図5は、請求項1に係る発明の実施例を示す。なお、図1は、軸筒内に3本の筆記体を収容した回転繰出式の複合筆記具における、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した状態の、要部を断面した断面図であり、図2は、図1における摺動ケースと回転カム筒の部分の、筆記体を除いた状態を示した拡大縦断面で、図3は、図2におけるA−A線部分の後端側方向を見た拡大断面図で、図4は、図3における回転カム筒に設けた凸状部と摺動ケースに設けた凹状部との位置関係を平面に展開した状態の概略を示す拡大展開図で、図5は、図1における摺動体のカム係止突起と回転カム筒のカム面との位置関係を平面に展開した状態の概略を示す拡大展開図である。
本実施例の回転繰出式の複合筆記具1は、軸筒2内にボールペンレフィルの筆記体3の2本(図1では1本をのみを表示)とシャープペンシルユニットの筆記体4の1本とを収容した構造のものである。本実施例の回転繰出式の複合筆記具1は、従来の回転繰出式の複合筆記具と同様に、軸筒2は前軸2aと回転操作体としての後軸2bと、前軸2aの前端(図1において左側)に螺着しかつ接着して設けた先窄み状の口金部5とで構成されている。前軸2aと後軸2bとは着脱自在に連接して設けてある。
後軸2bの内部には、従来の回転繰出式の複合筆記具と同様に、周方向において120°ごとに3つ(図1および図2においては、1つの筆記体収容溝のみが描かれている。)の筆記体収容溝6を有した摺動ケース7と、軸心方向に延びた傾斜面8と平坦面9とで構成されたカム面10(図2および図5を参照)を有する回転カム筒11を、摺動ケース7の外周面上を回転可能にして配設してある。
また従来の回転繰出式の複合筆記具と同様に、後軸2bの後端には、クリップ12と金輪13を介在して消しゴム受け台14が回転カム筒11と螺着しかつ接着して配してあり、後軸2bの内壁面に設けた係止凸部15を回転カム筒11に形成した軸心方向に延びた係止溝16に係止して、回転カム筒11が後軸2bとともに連動して回転可能に設けてある。回転カム筒11の後端は後軸2bの後端部に当接しており、後軸2bの後端部から抜け出さないようにしてある。消しゴム受け台14には消しゴム17が挿着してあり、後軸2bの後端には頭冠18を消しゴム受け台14に着脱自在に螺着して配してある。
前記摺動ケース7は、図2に示すように、円筒状の前方筒部19と、周方向において120°ごとに周方向の幅寸法が同一の3つの筆記体収容溝6を有する収容部20と、該収容部20の外径より小径な係止部21とで構成され、該係止部21には、外方に突出した係止突部22を設けてある(図2を参照)。回転カム筒11の内壁面には、周方向において120°ごとに設けた3つの、内方に突出し軸心方向に延びた突条部23と該突条部23の先端に形成した前記係止突部22に係止可能な係止爪部24とで構成された被係止突部25を設けてあり、前記摺動ケース7の係止突部22を被係止突部25の係止爪部24に当接して、摺動ケース7に対して回転カム筒11の後方(図2において右側方向)への移動を阻止するように摺動ケース7を回転カム筒11内に挿着してある。係止部21は、係止突部22と収容部20の後端との間を前記被係止突部25の係止爪部24が回転可能に嵌合凹部26としてある。図1に示すように、摺動ケース7の前端部には外周壁面にリング状の突部27を有した連結管28が固着してあり、前軸2aを、該前軸2aの後端を前記突部27に当接して前記連結管28に圧入状態で嵌着して、前軸2aを後軸2bに対して着脱自在に連接してある。後軸2bの先端には、装飾用金輪29を螺着しかつ接着して設けてあり、連結管28に圧入状態で嵌着した前軸2aの後端部分を被覆してある。
摺動ケース7の筆記体収容溝6には、2本のボールペンレフィルの筆記体3と1本のシャープペンシルユニットの筆記体4を、コイルスプリング30を介在して後方(図1において右側方向)に付勢して収容してあるが、各々の筆記体3、4の後端部には摺動体31を装着してあり、各々の摺動体31にはカム係止突起32を設けてある。各々のカム係止突起32は、回転カム筒11のカム面10に後方への押圧状態で当接させてある。
例えば、図1に示すようにボールペンレフィルの筆記体3の筆記先端部33を軸筒2(口金部5)の先端開口部34より突出させるには、後軸2bを前軸2aに対して回転すると、後軸2bに連動して回転カム筒11も回転し、図5に示すように、回転カム筒11のカム面10に当接した各々の筆記体3、4の摺動体31に設けたカム係止突起32はカム面10に沿って移動し、傾斜面8により各々の摺動体31は前後動し、順次、各々の摺動体1のカム係止突起32の後端32aが、カム面10の傾斜面8の先端に設けた凹溝35に係止していくので、前記ボールペンレフィルの筆記体3の筆記先端部33が先端開口部34より突出した時に後軸2bの回転を止めれば、ボールペンレフィルの筆記体3の筆記先端部33が先端開口部34より突出した状態で維持される。シャープペンシルユニットの筆記体4の筆記先端部36を軸筒2(口金部5)の先端開口部34より突出させるには、同様に後軸2bを前軸2aに対して更に回転すれば良い。
従来の回転繰出式の複合筆記具との相違点は、図3に示すように、回転カム筒11の係止爪部24を本発明における凸状部37とし、該凸状部37に対向した摺動ケース7の係止突部22の前側端面38には、周方向の壁面を傾斜面39で構成した前記凸状部37a、37b、37cが嵌合可能な凹状部40a、40b、40c、40d、40e、40fを、周方向に等間隔で6つ設けた点である。
図1に示すように、例えばボールペンレフィルの筆記体3の筆記先端部33が軸筒2(口金部5)の先端開口部34より突出した際には、図3の(a)に示すように、各々の凸状部37a、37b、37cは凹状部40a、40c、40eに各々嵌合し、後軸2bを前軸2aに対して反時計回りに60°回転して回転カム筒11を回転すると、全ての筆記体3、4の筆記先端部33、36を先端開口部34に没入し、図3の(b)に示すように、各々の凸状部37a、37b、37cは凹状部40b、40d、40fに各々嵌合するように設けてある。図示していないが、さらに回転カム筒11を回転すると、凸状部37は順次隣の凹状部40に嵌合し、順次他の筆記体の筆記先端部を軸筒2(口金部5)の先端開口部34より突出したり没入したりする。
全ての筆記体の筆記先端部を軸筒2(口金部5)の先端開口部34より没入した際には、各々の凸状部37a、37b、37cは凹状部40b、40d、40fの各々に嵌合するので、また、筆記体の筆記先端部を先端開口部34より突出した状態に維持した際にも、各々の凸状部37a、37b、37cは凹状部40a、40c、40eの各々に嵌合するので、その時の嵌合感によりかつ回転カム筒11はピッチ毎に回転するので、必要以上に後軸2bを前軸2aに対して回転し過ぎないように注意を払うことができる。また、全ての筆記体の筆記先端部が先端開口部34に没入した状態から筆記体の筆記先端部を先端開口部34より突出した状態に維持する際に、各々の凸状部37a、37b、37cを凹状部40b、40d、40fの各々に嵌合した状態からから離脱させるために、大きな回転トルクで後軸2bを前軸2aに対して回転する必要があるが、筆記体の筆記先端部が先端開口部34より突出した状態では、凸状部37と凹状部40との嵌合力と、摺動体31のカム係止突起32と回転カム筒11に設けた凹溝35との係止力とにより、一旦筆記体の筆記先端部が先端開口部34より突出した状態から出没させるには、より大きな回転トルクで後軸2bを前軸2aに対して回転する必要があるので、後軸2bを前軸2aに対して回転し過ぎることがない。
図6および図7は、請求項3に係る発明の実施例を示す。なお、図6は、図2におけるA−A線部分の後端側方向(図2において右側方向)を見た拡大断面図であり、図7は、図6における回転カム筒に設けた凸状部と摺動ケースに設けた凹状部との位置関係を平面に展開した状態の概略を示す拡大展開図である。
本実施例は、前記実施例における摺動ケース7の係止突部22に設けた凹状部40において、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒2(口金部5)の先端開口部34に没入状態から筆記体の筆記先端部を突出状態にする際の回転カム筒11の凸状部37との嵌合力が、筆記体の筆記先端部が軸筒2(口金部5)の先端開口部34から突出した状態から全ての筆記体の筆記先端部が没入状態した状態にする際の回転カム筒11の凸状部37との嵌合力より大きくなるようにしたものである。筆記体の筆記先端部を突出状態にした際の凸状部37a、37b、37cが嵌合する凹状部40a、40c、40eを構成する傾斜面39aの傾斜角度nを、全ての筆記体の筆記先端部が没入した際の凸状部37a、37b、37cが嵌合する凹状部40b、40d、40fを構成する傾斜面39bの傾斜角度mより大きくしてある(図7を参照)。
図8および図9は、請求項1に係る発明の前記実施例において、軸筒内にボールペンレフィルの筆記体の2本を収容した場合の実施例を示すものである。なお、図8は図3と同様に、図2におけるA−A線部分の後端側方向(図2において右側方向)を見た端面の概略を示す拡大端面図であり、図9は図8における回転カム筒に設けた凸状部と摺動ケースに設けた凹状部との嵌合状態を平面に展開して示したものである。
回転繰出構造は従来と同様なので説明は省くが、請求項1に係る発明の前記実施例の場合との相違点は、図1には図示してないが、図8に示すように、回転カム筒11の係止爪部24を90°毎に4つ設けて、前記実施例の場合と同様に、摺動ケース7の係止突部22の回転カム筒11の係止爪部24に当接する前側端面38に、傾斜面39で構成された前記凸状部37が嵌合可能な凹状部40を、周方向に等間隔で4つ設けた点である。
請求項1に係る発明の前記実施例と同様に、例えばボールペンレフィルの筆記体3の筆記先端部33が軸筒2(口金部5)の先端開口部34より突出した際には、図8の(a)に示すように、前記各々の凸状部37a、37b、37c、37dは前記凹状部40a、40b、40c、40dに各々嵌合し、後軸2bを前軸2aに対して口金部5に向って反時計回りに60°回転して回転カム筒11を回転すると、全ての筆記体4の筆記先端部33を先端開口部34に没入し、図8の(b)に示すように、前記各々の凸状部37a、37b、37c、37dは前記凹状部40b、40c、40d、40aに各々嵌合するように設けてある。図示していないが、さらに回転カム筒11を回転すると、凸状部37は順次隣の凹状部40に嵌合し、順次他の筆記体の筆記先端部を軸筒2(口金部5)の先端開口部34より突出したり没入したりする。
前記実施例と同様に、全ての筆記体の筆記先端部を軸筒2(口金部5)の先端開口部34より没入した際に、また記体の筆記先端部を先端開口部34より突出した状態に維持した際に、各々の凸状部37a、37b、37c、37dは凹状部40a、40b、40c、40dに嵌合しているので嵌合感があり、かつ回転カム筒11はピッチ毎に回転するので、後軸2bを前軸2aに対して必要以上に回転し過ぎないように注意することができる。
図10〜図12は、請求項1に係る発明の他の実施例を示す。なお、図10は、摺動ケースに回転カム筒を装着した状態を示す拡大縦断面である。図11は、図10におけるB−B線部分の前端側方向(図10において左側方向)を見た拡大断面図であり、図12は図4と同様に、図11における摺動ケース7に設けた凸状部41と回転カム筒11に設けた凹状部45との位置関係を平面に展開した状態の概略を示す拡大展開図である。
本実施例は、図10に示すように、摺動ケース7は前記した実施例と同様に、円筒状の前方筒部19と、周方向において120°ごとに周方向の幅寸法が同一の3つの筆記体収容溝6を有する収容部20と、該収容部20の外径より小径な係止部21とで構成し、該係止部21には周方向において120°ごとに軸心方向で外方に突出した3つの凸状部41を設けてある(図11を参照)。回転カム筒11の内壁面には、内方に突出したリング状の被係止突部42を設けてあり、前記摺動ケース7の凸状部41を回転カム筒11の被係止突部42に当接することで、摺動ケース7に対して回転カム筒11の後方(図10において右側方向)への移動を阻止するように摺動ケース7を回転カム筒11内に挿着した構造のものであり、それ以外の構造は請求項1に係る発明の最初の実施例と同様の構造としてある。
前記回転カム筒11の被係止突部42の摺動ケース7の凸状部41に対向した後側端面43には、図11に示すように、周方向の壁面を傾斜面44とした前記凸状部41が嵌合可能な凹状部45を、周方向に等間隔で6つ設けてある。
前記実施例と同様に、例えばボールペンレフィルの筆記体3の筆記先端部33が軸筒2(口金部5)の先端開口部34より突出した際には、図11の(a)に示すように、摺動ケース7に設けた前記各々の凸状部41a、41b、41cは前記凹状部45a、45c、45eの各々に嵌合し、後軸2bを前軸2aに対して反時計回りに60°回転して回転カム筒11を回転すると、全ての筆記体の筆記先端部を先端開口部34に没入し、図11の(b)に示すように、前記各々の凸状部41a、41b、41cは前記凹状部45f、45b、45dの各々に嵌合するように設けてある。図示していないが、さらに回転カム筒11を回転すると、凸状部41は順次隣の凹状部45に嵌合し、順次他の筆記体の筆記先端部を軸筒2(口金部5)の先端開口部34より突出したり没入したりする。
前記実施例と同様に、全ての筆記体の筆記先端部を軸筒2(口金部5)の先端開口部34より没入した際に、また筆記体の筆記先端部を先端開口部34より突出した状態に維持した際に、各々の凸状部41a、41b、41cは凹状部45a、45b、45c、45d、45e、45fの各々に嵌合するので嵌合感があり、かつ回転カム筒11はピッチ毎に回転するので、後軸2bを前軸2aに対して必要以上に回転し過ぎないように注意することができる。
図13〜図17は、請求項2に係る発明の回転繰出式の複合筆記具1の実施例を示す。なお、図13は、軸筒内に3本の筆記体を収容した回転繰出式の複合筆記具の要部における、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出した状態の要部を断面した断面図であり、図14は、図13におけるC−C線部分の前側方向を見た、クリップを省略した拡大断面図で、図15は、図13における摺動ケースの係止突部の後端面の拡大図で、図16は、図13における係止部材の前端面の拡大図で、図17は、図13における摺動ケースに設けた凸状部と、係止部材に設けた凹状部との位置関係を平面に展開した状態の概略を示す拡大展開図である。
本実施例は、図13に示すように、摺動ケース7は前記した請求項1に係る発明の最初の実施例と同様に、円筒状の前方筒部19と、周方向において120°ごとに周方向の幅寸法が同一の3つの筆記体収容溝6を有する収容部20と、該収容部20の外径より小径な係止部21とで構成され、該係止部21の後端には、リング状で係止部21より大径な係止突部46を設けてある。回転カム筒11の内壁面には、請求項1に係る発明の最初の実施例と同様に、周方向において120°ごとに設けた3つの、内方に突出し軸心方向に延びた突条部23と該突条部23の先端に形成した前記係止突部46に当接可能な係止爪部24とで構成された被係止突部25を設けてあり、前記摺動ケース7の係止突部46を係止爪部24に当接して、摺動ケース7に対して回転カム筒11の後方(図13において右側方向)への移動を阻止するように摺動ケース7を回転カム筒11内に挿着してある。係止部21は、係止突部46と収容部20の後端との間を前記係止爪部24が回転可能に嵌合凹部26としてある。
前記摺動ケース7の係止突部46の後方には、回転カム筒11の各々の被係止突部25の突状部23を嵌合する溝部47を有し、該各々の溝部47に各々の突状部23を嵌合して回転カム筒11の回転に連動して回転可能に(図14を参照)、かつ摺動ケース7に対して前後動可能に、コイルスプリング48により摺動ケース側に付勢して摺動ケース7の係止突部46の後端面に当接可能に配した係止部材49を設けてある。
前記摺動ケース7の係止突部46と係止部材49との間には、回転カム筒11の回転に際し、回転カム筒11がピッチ毎に回転し、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒2(口金部5)の先端開口部34より没入した際に、および各々の筆記体の筆記先端部が軸筒2(口金部5)の先端開口部34より突出して維持された際に、凹凸嵌合するように、摺動ケース7の係止突部46の後端面には、後方(図13において右側方向)に向って突出した山型状の突部50を周方向に等間隔に6つ設け、突部50間を凹状とした凹状部51を設けてあり、係止部材49の前端面には、前記凹状部51に嵌合可能な前方(図13において左側方向)に向って山型状に突出した凸状部52を周方向に等間隔に6つ設けてある。
係止部材49は、コイルスプリング48により摺動ケース側に付勢されて凸状部52を摺動ケース7の係止突部46の凹状部51に嵌合して摺動ケース7に連接しており、回転操作体である後軸2bを回転して回転カム筒11を回転すると、係止部材49も連動して回転するが、山型状に突出した凸状部52は凹状部51の周方向の壁面に当接して後方への分力が働き、係止部材が後退して凸状部52が凹状部51から離脱して隣の凹状部51に移動して嵌合し、この動作が繰り返し行われることで、回転カム筒11は摺動ケース7に対して、ピッチ毎に回転可能となる。
前記実施例と同様に、全ての筆記体の筆記先端部を軸筒2(口金部5)の先端開口部34より没入した際に、また筆記体の筆記先端部を先端開口部34より突出した状態に維持した際に、各々の凸状部52a、52b、52c、52d、52e、52fは凹状部51a、51b、51c、51d、51e、51fの各々に嵌合しているので嵌合感があり、かつ回転カム筒11はピッチ毎に回転するので、後軸2bを前軸2aに対して必要以上に回転し過ぎないように注意することができる。
回転繰出式の複合筆記具において、軸筒内に収容した全ての筆記体の筆記先端部を軸筒内に没入する際に、また筆記体の筆記先端部を先端開口部より突出してその状態を維持する際に、回転操作体を回転し過ぎないようにしたい場合に、採用することができる。
1 回転繰出式の複合筆記具
2 軸筒
3、4 筆記体
6 筆記体収容溝
7 摺動ケース
8 傾斜面
10 カム面
11 回転カム筒
30 コイルスプリング
31 摺動体
32 カム係止突起
33、36 筆記先端部
34 先端開口部
37、41 凸状部
40、45 凹状部
48 コイルスプリング
49 係止部材
51 凹状部
52 凸状部

Claims (3)

  1. 1.軸筒内に、筆記体を収容する複数の筆記体収容溝を有した摺動ケースと、回転操作体を回転することで摺動ケースの外周面上を回転可能な回転カムとを設け、筆記体収容溝に、カム係止突起を有した摺動体を装着した筆記体を、ばねにより軸筒の先端開口部と反対側の後方に付勢して配し、カム係止突起を回転カムに形成した傾斜面を有したカム面に当接して、回転カムの回転にともないカム係止突起がカム面に沿って移動することで摺動体および筆記体が前後動し、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より出没してなる回転繰出式の複合筆記具において、前記回転カムが摺動ケースに対し、軸筒の先端開口部側に移動可能に設けるとともにピッチ毎に回転可能に、回転カムと摺動ケースに夫々凸状部あるいは凹状部を周状に設けて凹凸嵌合させ、少なくとも全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入した際におよび筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出して維持された際に凸状部が凹状部に嵌合してなる、回転繰出式の複合筆記具。
  2. 軸筒内に、筆記体を収容する複数の筆記体収容溝を有した摺動ケースと、回転操作体を回転することで摺動ケースの外周面上を回転可能な回転カムとを設け、筆記体収容溝に、カム係止突起を有した摺動体を装着した筆記体を、ばねにより軸筒の先端開口部と反対側の後方に付勢して配し、カム係止突起を回転カムに形成した傾斜面を有したカム面に当接して、回転カムの回転にともないカム係止突起がカム面に沿って移動することで摺動体および筆記体が前後動し、筆記体の筆記先端部を軸筒の先端開口部より出没してなる回転繰出式の複合筆記具において、前記摺動ケースの後方に、回転カムの回転に連動して回転可能にかつ摺動ケースに対して前後動可能に弾性部材により摺動ケース側に付勢して係止部材を設け、回転カムが摺動ケースに対してピッチ毎に回転可能に、係止部材の前端部と摺動ケースの後端部に夫々凸状部あるいは凹状部を周状に設けて凹凸嵌合させ、少なくとも全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より没入した際におよび筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部より突出して維持された際に凸状部が凹状部に嵌合してなる、回転繰出式の複合筆記具。
  3. 前記凹状部を構成する周方向の壁面を傾斜面とし、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した状態から筆記体の筆記先端部が突出した状態に回転する際の凸状部との嵌合力と、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した状態から全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没した状態に回転する際の凸状部との嵌合力において、嵌合力に差が生じるように、全ての筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部に没入した際の凸状部が嵌合する凹状部の傾斜面の傾斜角度と、筆記体の筆記先端部が軸筒の先端開口部から突出した際の凸状部が嵌合する凹状部の傾斜面の傾斜角度を異ならせてなる、請求項1または2に記載の回転繰出式の複合筆記具。
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