JP5386999B2 - 光モジュール及び電気接続方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、この方法では配線部品に光素子や集積回路(以下「IC」と記載する。)が搭載される形になるため、一般的な電気配線部品とは大きく異なり、破損や静電気など、取り扱いに注意を要するという課題があった。
すなわち、本発明は、光電気複合配線と接続するためのコネクタ及び受発光素子を有する光モジュールであって、該光電気複合配線は、樹脂被覆された電気配線と、光配線とを有し、該コネクタは、電気端子と位置合わせ用ガイドとを有し、該電気端子は電気配線の被覆樹脂に刺し込まれ、該電気配線と電気的に接合するものであり、かつ該位置合わせ用ガイドによって、光配線を構成するコア部と受発光素子の位置合わせを行うことを特徴とする光モジュール、及び該光モジュールを用いた電気接続方法、を供するものである。
光電気複合配線40は電気配線10と光配線20を複合化したもので、電気配線10は電気配線導体11を有し、樹脂被覆されて電気絶縁層12を形成する。光モジュール50は光電気複合配線40と接続するためのコネクタ30を有しており、また、外部装置と接続するための外部電気端子B(32)を有している。コネクタ30は、電気配線と接続するための電気端子A(31)を有する。また、コネクタはヒンジ部33を有していてもよく、該ヒンジ部を中心にコネクタの上部34が動く構造を有するのは好適な態様である。すなわち、コネクタ30はヒンジ部33の回転又は折り曲げ動作により、電気端子A(31)が電気配線10の電気絶縁層12を構成する被覆樹脂に差し込まれ、電気配線導体11と導通するものである。
この方法を用いることで、熟練を必要とせず、簡易に電気端子A(31)を電気配線基板10と接続させることができる。また、この方法であれば、電気配線の端部で接続のための加工が不要であり、さらには基板の機械的な固定が可能である。
なお、電気端子A(31)は電気配線導体11と導通し、光配線20のコア部22には接触しないことが好ましい。より具体的には、電気端子A(31)は、電気配線導体11を貫通して、その先端が上部クラッド層23に届いていてもよいし、さらに電気端子A(31)が、コア部22に接する程度の長さを有していてもよい。但し、電気端子A(31)がコア部22に接するまでの長さを有する場合には、電気端子A(31)とコア部22が接しないような位置関係とすることが好ましい。すなわち、図1(b)に示す受発光素子35とコア部22は同様の位置にあるが、図1(b)に示すように、電気端子A(31)とコア部22の位置(受発光素子35の位置)が接しないようにずれていることが好ましい。
上記位置合わせ用ガイドは光電気複合配線の断面と同じ形状の穴状のものや、少なくとも光電気複合配線の2面が押付けられる壁や突起状の構造物であり、このガイドに光電気複合配線が接することで光電気複合配線の位置を規定し、光素子との位置合せを行うものである。
なお、図2は、電気端子の形状を示すための図、及び電気端子と電気配線との関係についての説明図であるので、光導波路などの光配線は電気配線10と支持材の間に存在するが、該光配線については省略してある。
光電気配線40と受発光素子35の間に空気がある場合には反射による損失が生じる。また、発光素子への戻り光によって信号波形の劣化なども生じる。光モジュールに光電気複合配線を差し込んだだけでは光配線と光素子を空気が入らないように密着させる事は難しく、また、受発光素子35を破損してしまう可能性もある。そこで、受発光素子35と光電気複合配線40の間に隙間を形成し、その隙間を光配線20のコア22の屈折率と同じくらいの屈折率を持つ屈折率整合剤で埋める構造とする。屈折率整合剤にはフィルム状、ゲル状、液体状のものなどがあり、充填後硬化するものもある。また、予め、屈折率整合剤を光モジュール内に充填した形や光電気複合配線を固定した後、屈折率整合剤を充填する形でもよい。
(基材)
基材24としては、可撓性を付与するために高分子フィルムが好ましく、特に、透明性、柔軟性、及び強靭性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどが好適に挙げられる。
フィルムの厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
また、基材24として上記支持体フィルムとは別の基材を用いる場合、支持体フィルム上にクラッド層形成用樹脂が製膜されたクラッド層形成用樹脂フィルムを基材24上にラミネート法などにより転写してもよい。この場合、該支持体フィルム上には、接着処理を行っていないことが好ましい。
本発明で用いるクラッド層形成用樹脂としては、コア層より低屈折率で、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に使用することができる。より好適にはクラッド層形成用樹脂が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物および(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。なお、クラッド層形成用樹脂に用いる樹脂組成物は、上部クラッド層23と下部クラッド層21において、該樹脂組成物に含有する成分が同一であっても異なっていてもよく、該樹脂組成物の屈折率が同一であっても異なっていてもよい。
分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられるが、これらの中で、透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上の多官能性のもののいずれをも用いることができる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートを意味するものである。
この(A)成分および(B)成分の配合量として、(A)成分が5質量%以上であり、(B)成分が95質量%以下であると、樹脂組成物を容易にフィルム化することができる。一方、(A)成分が80質量%以下であり、(B)成分が20質量%以上であると、(A)ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、光導波路を形成する際に、パターン形成性が向上し、かつ光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、この(A)成分および(B)成分の配合量として、(A)成分10〜85質量%、(B)成分90〜15質量%がより好ましく、(A)成分20〜70質量%、(B)成分80〜30質量%がさらに好ましい。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分および(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。この配合量が0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であると、露光時に感光性樹脂組成物の表層での吸収が増大することがなく、内部の光硬化が十分となる。さらに、光導波路として使用する際には、重合開始剤自身の光吸収の影響により伝搬損失が増大することもなく好適である。以上の観点から、(C)光重合開始剤の配合量は、0.2〜5質量部とすることがより好ましい。
クラッド層形成用樹脂フィルムの製造過程で用いられる支持体フィルムは、その材料については特に限定されず、種々のものを用いることができる。支持体フィルムとしての柔軟性および強靭性の観点から、上記した基材24のフィルム材料として例示したものが同様に挙げられる。
支持体フィルムの厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
このとき、クラッド層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造するときの巻き取り性などの観点から、必要に応じクラッド層形成用樹脂フィルムに保護フィルムを貼り合わせてもよい。保護フィルムとしては、支持体フィルムとして例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒またはこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は30〜80質量%程度であることが好ましい。
次に、本発明で使用するコア層形成用樹脂フィルムについて詳述する。
コア層形成用樹脂フィルムを構成するコア層形成用樹脂としては、コア層がクラッド層21及び23より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターンを形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、前記クラッド層形成用樹脂で用いたのと同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。すなわち、前記(A)、(B)および(C)成分を含有し、必要に応じて前記任意成分を含有する樹脂組成物である。
該支持体フィルムの厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持体フィルムとしての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、該支持体フィルムの厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
コア層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造するときの巻き取り性などの観点から、必要に応じコア層形成用樹脂フィルムに保護フィルムを貼り合わせてもよい。保護フィルムとしては、支持体フィルムとして例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
以下、本発明の光導波路の製造方法について詳述する(図5参照)。なお、以下の製造例では、クラッド層形成用樹脂フィルム及びコア層形成用樹脂フィルムを用いた場合の実施形態の一例を具体的に説明する。
まず、第1の工程として、クラッド層形成用樹脂と支持体フィルムから構成されたクラッド層形成用樹脂フィルムを用いて、該クラッド層形成用樹脂を光または加熱により硬化し、下部クラッド層21を形成する(図5(a))。このとき、上記支持体フィルムが、図5(a)に示す下部クラッド層21の基材24となる。
この下部クラッド層21は、後述するコア層との密着性の観点から、コア層積層側の表面において段差がなく平坦であることが好ましい。また、クラッド層形成用樹脂フィルムを用いることにより、クラッド層21の表面平坦性を確保することができる。
クラッド層形成用樹脂フィルムの支持体フィルムの反対側に保護フィルムを設けている場合には、該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂を光または加熱により硬化し、クラッド層21を形成する。このとき、クラッド層形成用樹脂は接着処理を施した支持体フィルム上に製膜されていることが好ましい。一方、保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
具体的には、第2の工程として、下部クラッド層21上にコア層形成用樹脂フィルムを、ロールラミネータ等により加熱圧着してコア層22’を積層する(図5(b))。加熱圧着することによって、密着性および追従性が向上する。ラミネート温度は、30℃〜100℃の範囲が好ましい。30℃より高い温度であると、下部クラッド層とコア層との密着性が向上し、40℃以上であると、更に密着力を向上させることができる。一方、100℃以下であると、コア層がロールラミネート時に流動することなく、必要とする膜厚が得られる。以上の観点から、40〜70℃の範囲がより好ましく、50℃〜60℃の範囲がさらに好ましい。圧力は0.2〜0.9MPaが好ましい。ラミネート速度は0.1〜3m/minが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
コア層形成用樹脂フィルムの基材の反対側に保護フィルムを設けている場合には、該保護フィルムを剥離後、コア層形成用樹脂フィルムをラミネートする。このとき、保護フィルム及び支持体フィルムは、コア層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
これらの塩基は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜14であることが好ましい。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤などを混入させてもよい。
有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%であることが好ましい。また、アルカリ性準水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤などを少量混入させてもよい。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱または0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことにより、コアパターン86をさらに硬化して用いてもよい。
具体的には、第4の工程として、コアパターン22上にクラッド層形成用樹脂フィルムを、真空加圧式ラミネータを用いて減圧雰囲気下において加熱圧着する(図5(e))。ここで、第4の工程は、密着性および追従性向上の観点から、平板型ラミネータを用いて減圧雰囲気下で加熱圧着することが好ましい。
なお、本発明において平板型ラミネータとは、積層材料を一対の平板の間に挟み、平板を加圧することにより圧着させるラミネータのことをいう。平板型ラミネータとしては、真空加圧式ラミネータを好適に用いることができる。減圧の尺度である真空度の上限は、10000Pa以下が好ましく、さらには1000Pa以下が好ましい。真空度は、密着性および追従性の見地から低い方が望ましい。一方、真空度の下限は、生産性の観点(真空引きにかかる時間)から、10Pa程度であることが好ましい。加熱温度は、40〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
クラッド層形成用樹脂フィルムの支持体フィルムの反対側に保護フィルムを設けている場合には、該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルムをラミネートして光または加熱により硬化することによりクラッド層23を形成する。
図6(a)には電気配線10と光ファイバー60が1本ずつ示されており、樹脂材料によってそれぞれ被覆されている。該樹脂被覆は、電気配線10に対しては絶縁層の機能を担う。電気配線10と光ファイバー60は、それぞれ2本以上あっても良く、電気配線が2本の場合を図6(b)に示した。電気配線が複数本の場合には、電気配線は一つの軸上に並んでいる方が好ましい。これは電位端子を一つの軸上に並べるだけで電気接続が可能になるためである。
なお、光ファイバー60は、図6(c)に示すように、コア61をクラッド62が被覆する形状を有する。
図8に示される状態の光モジュールを、A方向から見たものを図9(A)に、B方向から見たものを図9(B)に示す。コネクタ30は、図9(A)に示すように、光電気複合配線40の形状に合わせて配線挿入部38が形成されている。また、図9(A)及び図9(B)に示すように、配線を配線挿入部に押付ける押え部37、光ファイバー端と光素子35との距離を規定する突き当て部36が形成されている。押さえ部37が形成された部品に電気端子A(31)が付けられており、この電気端子Aを電気配線に差し込むことで、電気的接続が可能となる。
11 電気配線導体
12 電気絶縁層
20 光配線(光導波路)
21 下部クラッド層
22 コア部
22’ コア層
23 上部クラッド層
24 基材
25 支持体フィルム
26 フォトマスクパターン
27 支持体フィルム
30 コネクタ
31 基板と接続するための電気端子A
32 外部電気端子B
33 ヒンジ部
34 コネクタの上部
35 受発光素子
36 突き当て部
37 押え部
38 配線挿入部
39 屈折率整合材
40 光電気複合配線
50 光モジュール
60 光ファイバー
61 コア
62 クラッド
Claims (11)
- 光電気複合配線と接続するためのコネクタ及び受発光素子を有する光モジュールであって、該光電気複合配線は、樹脂被覆された電気配線と、光配線とを有し、該コネクタは、電気端子と位置合わせ用ガイドとヒンジ部とを有し、該電気端子は、該ヒンジ部の回転又は折り曲げ動作により、電気配線の被覆樹脂に刺し込まれ、該電気配線と電気的に接合するものであり、かつ該位置合わせ用ガイドによって、光配線を構成するコア部と受発光素子の位置合わせを行うことを特徴とする光モジュール。
- 前記位置合わせ用ガイドが、突き当て部材、押さえ部材及び配線挿入部材の少なくとも1種を含む請求項1に記載の光モジュール。
- 前記光電気複合配線が光電気複合基板である請求項1又は2に記載の光モジュール。
- 前記光電気複合基板が、下部クラッド層と、パターン化されたコア部と、上部クラッド層とからなるポリマー光導波路を有する請求項3に記載の光モジュール。
- 前記光電気複合配線が、少なくとも電気配線と、コア部を有する光ファイバーとからなる光電気複合ケーブルである請求項1又は2に記載の光モジュール。
- 前記コネクタが受発光素子を有し、前記光電気複合配線のコア部と接続される請求項4又は5に記載の光モジュール。
- 前記コネクタが、前記受発光素子の近傍に該受発光素子を制御するICチップを有する請求項6に記載の光モジュール。
- 前記受発光素子が端面発光レーザー、面発光レーザー及びフォトダイオードから選ばれる少なくとも1種を搭載するものである請求項6又は7に記載の光モジュール。
- 前記コネクタの受発光素子表面が屈折率整合剤で覆われており、前記光電気複合配線と接続した際に、前記光電気複合配線のコア部と前記受発光素子の間が前記屈折率整合剤で満たされることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の光モジュール。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の光モジュールを用いた電気接続方法であって、前記電気端子を加熱しながら、前記電気配線の被覆樹脂に突き刺すことを特徴とする電気接続方法。
- 前記電気配線の被覆樹脂の軟化点以上の温度で、前記電気端子を加熱することを特徴とする請求項10に記載の電気接続方法。
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