JPWO2009041439A1 - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

光導波路及びその製造方法

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俊彦 高崎
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徳太郎 小松
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敦之 高橋
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    • G02B6/12Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings of the optical waveguide type of the integrated circuit kind
    • G02B6/13Integrated optical circuits characterised by the manufacturing method
    • G02B6/138Integrated optical circuits characterised by the manufacturing method by using polymerisation

Abstract

基材上に第1のクラッド層、パターニングされたコア層、及び第2のクラッド層がこの順に積層されてなる光導波路であって、コア層の高さが20μm以上であり、第2のクラッド層におけるコア層の外周から10μmの範囲の硬化率が95%以上である光導波路である。光導波路形成用樹脂を用い、均一なコアとクラッドを有し、透明性及び耐熱性に優れた光導波路、及び生産性に優れた該光導波路の製造方法を提供することができる。

Description

本発明は、透明性、耐熱性及び生産性に優れた光導波路及びその製造方法に関する。
情報容量の増大に伴い、幹線やアクセス系といった通信分野のみならず、ルータやサーバ内の情報処理にも光信号を用いる光インターコネクション技術の開発が進められている。具体的には、ルータやサーバ装置内のボード間又はボード内の短距離信号伝送に光を用いるために、電気配線板に光伝送路を複合した光電気混載基板の開発がなされている。
光伝送路としては、光ファイバーに比べ、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な光導波路を用いることが望ましく、中でも、加工性や経済性に優れたポリマー材料を用いた光導波路が有望である。
一方、光導波路は、電気配線板と共存するため、高透明性とともに高耐熱性も要求されるが、このような光導波路材として、フッ素化ポリイミドが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
フッ素化ポリイミドは、300℃以上の高耐熱性と、波長850nmにおいて0.3dB/cmの高透明性を有するものの、成膜には300℃以上で数十分から数時間の加熱条件が必要であるため、電気配線板上での製膜が困難であった。またフッ素化ポリイミドには感光性がないため、感光・現像による光導波路作製法が適用できず、生産性・大面積化に劣っていた。
そこで、放射線重合可能な成分を含有するドライフィルムを基板上に積層し、所定量の光を照射することで所定場所を放射線硬化させるとともに、必要に応じて未露光部を現像することによりコア部分などを形成して、伝送特性に優れる光導波路を製造する方法は有用である。
この方法を用いるとコア埋め込み後のクラッドの平坦性確保が容易であり、厚み方向コア間距離の制御が精度よく行える。
また、大面積の光導波路を製造することにも適している。(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
光導波路は、非特許文献1で示されるように、光信号を伝播するコアと、光信号を全反射させるためのコアを取り囲むクラッドにより構成される。光信号を全反射させるために屈折率は通常クラッドよりもコアの方を高く設定する。通常屈折率差Δで0.5〜5%にされる。
従って、コアに入射した光は、コア/クラッド界面での全反射により、全反射角以下で入射した光は、クラッド側には透過せず、コアに閉じ込められる。コアのある基板に感光性のクラッドを形成する場合、コア上に未感光のクラッド樹脂を形成した後、樹脂上面から活性光を照射し、硬化させる。
この活性光には通常フォトリソグラフなどで用いられる平行光が用いられるが、コア上面からの活性光のうち、全反射角以下で入射する素源波はクラッド側に広がらないため、コア/クラッド界面に於いて、活性光照射側から遠方の位置では、コアの無い領域に比べ、照射量が低下する。
また、コアの形状は逆テーパ形状になる場合があり、その場合、逆テーパ部のクラッドには活性光線照射量が低下する。場合によっては、ほとんど感光しない状況が発生する。このような状況のもと、コア/クラッドの活性光照射側から遠方のクラッドは硬化率が低かった。
この状況で製造した光導波路を熱サイクル試験や、高温高湿試験などの信頼性試験にかけると、硬化率の低い領域が劣化し、光学特性が低下するという問題があった。なお、ここで劣化とは具体的にはボイド状の空隙が発生することである(図3及び図8参照)。
また、活性光に平行光を用いると、光源から平行にするために除去する成分があり、照射量が低く、硬化するためにより長い時間を要し、生産性に劣るという問題があった。
エレクトロニクス実装学会誌、Vol.7、No.3、pp.213−218、2004年 特開2007−052120号公報 特許第3867409号公報
本発明は、光導波路形成用樹脂を用い、均一なコアとクラッドを有し、透明性及び耐熱性に優れた光導波路、及び生産性に優れた該光導波路の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、下記に記載の構成又は方法により、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)基材上に第1のクラッド層、パターニングされたコア層、及び第2のクラッド層がこの順に積層されてなる光導波路であって、コア層の高さが20μm以上であり、第2のクラッド層におけるコア層の外周から10μmの範囲の硬化率が95%以上である光導波路、
(2)前記第2のクラッド層上にさらにヘイズが5以上の層が設けられてなる上記(1)に記載の光導波路、
(3)基材上に設けられた第1のクラッド層形成用樹脂を硬化し、第1のクラッド層を形成する第1の工程と、該第1のクラッド層上にコア層形成用樹脂を積層してコア層を形成する第2の工程と、該コア層を露光現像し、光導波路のコアパターンを形成する第3の工程と、該コアパターンを第2のクラッド層形成用樹脂によって埋め込む第4の工程と、該第2のクラッド層形成用樹脂を活性光により硬化する第5の工程と、該第2のクラッド層を熱硬化する第6の工程を有する光導波路の製造方法であって、前記第5の工程における活性光が基材の法線方向に対して5度以上の入射角を有する散乱光を含むことを特徴とする光導波路の製造方法、
(4)基材上に設けられた第1のクラッド層形成用樹脂を硬化し、第1のクラッド層を形成する第1の工程と、該第1のクラッド層上にコア層形成用樹脂を積層してコア層を形成する第2の工程と、該コア層を露光現像し、光導波路のコアパターンを形成する第3の工程と、該コアパターンを第2のクラッド層形成用樹脂によって埋め込む第4の工程と、該第2のクラッド層形成用樹脂を活性光により硬化する第5の工程と、該第2のクラッド層を熱硬化する第6の工程を有する光導波路の製造方法であって、前記第4の工程における第2のクラッド層形成用樹脂により形成される樹脂層上に、さらにヘイズが5以上の層を設けることを特徴とする光導波路の製造方法、
(5)前記第5の工程における活性光が基材の法線方向に対して5度以上の入射角を有する散乱光を含む上記(4)に記載の光導波路の製造方法、
(6)前記コア層の高さが20μm以上であり、第2のクラッド層におけるコア層の外周から10μmの範囲の硬化率が95%以上である上記(3)〜(5)のいずれかに記載の光導波路の製造方法、及び
(7)上記(3)〜(6)のいずれかに記載の方法で製造した光導波路、
を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、コアの形状が逆テーパ形状であっても、逆テーパ部のクラッドに十分な量の活性光線を照射することができるため、コア/クラッドの活性光照射側から遠方のクラッドの硬化率を高めることができる。その結果、熱サイクル試験や、高温高湿試験などの信頼性試験において、ボイド状の空隙が発生することがなく、信頼性の高い光導波路を高い生産性で提供することができる。また、本発明の方法で製造した光導波路は透明性及び耐熱性に優れる。
本発明の光導波路を説明する断面図である。 本発明の光導波路の製造方法を説明する図である。 従来の光導波路を説明する断面図である。 従来の光導波路の製造方法を説明する図である。 本発明の原理を説明するための断面図である。 活性光線の入射角度によるコア近傍の照射量(露光量)を示すグラフである。 ヘイズとボイドの関係を示すグラフである。 課題となるボイドを示す図である。 硬化率とボイドの関係を示すグラフである。 ボイドの有無を確認するための露光量と平行光及び散乱光との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 基材
2 下部クラッド層
3 コア層
4 支持体フィルム(コア層形成用)
5 ロールラミネータ
6 真空加圧ラミネータ
7 ホトマスク
8 コアパターン
9 上部クラッド層
10 支持体フィルム(クラッド層形成用)
12 硬化不足領域
13 入射角度
14(a) 入射光
14(b) 入射光
14(c) 入射光
15 ボイド
20 クラッド層形成用樹脂
30 コア層形成用樹脂
40 コア周辺
本発明の光導波路は、高屈折率である1つのコア層形成用樹脂と、低屈折率である2つのクラッド層形成用樹脂を用いて作製される光導波路である。より詳細には、本発明の光導波路は、図1に示すように、基材1上に第1のクラッド層2(以下「下部クラッド層」ということがある。)、パターニングされたコア層8、及び第2のクラッド層9(以下「上部クラッド層」ということがある。)がこの順に積層されてなり、コア層8の高さが20μm以上であり、第2のクラッド層9におけるコア層の外周から10μmの範囲40の硬化率が95%以上であることを特徴とする。
ここで硬化率は、赤外吸収分光法により測定される特定波長の吸収の比で定義される。測定に用いる具体的な波長については、光導波路の上部クラッド層に用いる材料により異なるが、例えば、後に詳述するベースポリマーとしてフェノキシ樹脂を用い、光重合性化合物としてエポキシ基を有する化合物を用いる場合には、芳香族のCH結合に起因する830cm-1の吸収に対するエポキシ基に起因する790cm-1の吸収の比率で、該硬化率を定義することができる。
本発明では、第2のクラッド層におけるコア層の外側から10μmの範囲40(以下「コア周辺」と記載する場合がある。)の硬化率が95%以上であることが重要であり、このことによって、第2のクラッド層におけるボイド状の空隙の発生を抑制することができ、熱サイクル試験や、高温高湿試験などの信頼性試験によっても、光学特性が低下しない光導光路を提供することができるものである。
上記硬化率とボイドの関係を実験的に確かめた結果を図9に示す。硬化度が95%以上であると、高い確率でボイドの発生を抑制し得ることが明らかとなった。
また、本発明の光導波路はコア層8の高さが20μm以上である。コア層8の高さが20μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点がある。
一方、コア層8の高さの上限値については、光導波路としての機能を有する範囲内で特に制限はないが、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において、結合効率が向上する点から、100μm以下であることが好ましい。以上の観点から、コア層8の高さは、30〜70μmの範囲であることがさらに好ましい。
なお、コア層8の高さが20μm以上であると、活性光照射側から遠い部分のクラッド層の硬化率が低くなるため、例えば図3に示すように、硬化不足領域12が発生する可能性が高い。このような場合に、後述する本発明の製造方法を用いることで、コア周辺の硬化率が95%以上である本発明の光導波路を高い生産性で製造することができる。
また、本発明の光導波路は、第2のクラッド層9上にさらにヘイズが5以上の層10が設けられていることが好ましい(図1参照)。該層は本発明の光導波路の製造過程においては、第2のクラッド層9の支持体フィルムとしての機能を有するものであるが、該支持体フィルムのヘイズ値を5以上とすることで、活性光を照射して第2のクラッド層9を硬化させる際に、活性光を散乱させ、硬化不足領域12の発生を抑制する効果を有するものである。
ここでヘイズとは、JIS K 7105に規定され、次式で定義される。
ヘイズ(%)=[全光線透過率(%)−平行光線透過率(%)]/全光線透過率(%)
なお、ヘイズはヘイズメーター(「NDH2000」、日本電色工業(株)製)でD65光源を用いて測定した。ヘイズとボイド発生の関係を図7に示す。ヘイズが5以上でボイドの発生がなくなることがわかる。
本発明の光導波路を構成する樹脂材料としては、フィルム状及び液状のいずれであってもよいが、製造過程で流れることがなく、またクラッド層及びコア層の平滑性などを考慮すると、支持体フィルム上に各層形成用の樹脂を積層したフィルム状の材料を用いることが好ましい。以下、フィルム状の材料を用いた場合を例にとり、本発明の製造方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の製造方法は、基材1上に設けられた第1のクラッド層形成用樹脂を硬化し、第1のクラッド層2(下部クラッド層)を形成する第1の工程(図2(a))と、該第1のクラッド層上にコア層形成用樹脂を積層してコア層を形成する第2の工程(図2(b))と、該コア層を露光現像し、光導波路のコアパターンを形成する第3の工程(図2(c)及び図2(d))と、該コアパターンを第2のクラッド層形成用樹脂によって埋め込む第4の工程(図2(e))と、該第2のクラッド層形成用樹脂を活性光により硬化する第5の工程(図2(e))と、該第2のクラッド層を熱硬化する第6の工程を有する。そして、前記第5の工程における活性光が基材の法線方向に対して5度以上の入射角を有する散乱光を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法においては、上述のように、前記第5の工程において、活性光が、基材法線方向に対して5度以上の入射角を有する散乱光を含むことが重要である。このような散乱光を用いることにより、活性光照射側より遠方のコア/クラッド界面に位置するクラッド層形成用樹脂をより良く硬化することができる。すなわち、このような散乱光を用いることで、コア内で全反射する全反射角度の割合を低くすることができ、コアで導波する影響を低減できるため、コア周辺のクラッドを効率良く硬化できる(図5参照)。
すなわち、図5における入射光14(a)のように、入射角度13の小さい光(5度未満の光)はコアの側壁において全反射し、クラッド内に入射できない。一方、図5における入射光14(b)のように、入射角が全反射角度よりも大きい光(5度以上の光)は、透過角度は変わるもののクラッド内に入射することができ、クラッドの硬化に寄与することができる。さらに、散乱光を用いた場合、図5における入射光14(c)のような光が存在し、コア周辺の硬化率を高めるものである。
以上の観点から、上記散乱光は入射角度が10度以上の成分を含むものが好ましく、15度以上の成分を含むものがより好ましい。
また、散乱光を用いることで、余分な方向成分を除去する必要が無く、照射強度を上げられるため、硬化に必要な時間を短縮でき、生産性を向上できる。この入射角度について、光線追跡法(Light Tools ver.5.2.0)によりシミュレーションを行った結果、入射角度が5度以上になると、コア周辺の露光量がほぼ飽和する(図6参照)。また、5度以上の入射光を含む露光と、平行光で露光した場合のボイド発生に関して、図10に示すとおり、散乱光で露光した場合の方が低い露光量で、ボイドの発生を抑制でき、その結果、生産性が向上する。
また、本発明の製造方法においては、前記第4の工程における第2のクラッド層形成用樹脂により形成される樹脂層上に、さらにヘイズが5以上の層10を設けることが好ましい。該層は、光導波路の製造過程においては、第2のクラッド層9の支持体フィルムとしての機能を有するものである。本発明の製造方法においては、この支持体フィルムのヘイズ値を5以上とすることで、平行な活性光を照射して第2のクラッド層9を硬化させる場合であっても、活性光を散乱させ、硬化不足領域12の発生を抑制するものである。なお、活性光としては散乱光を用いることがより好ましく、さらに効果的に硬化不足領域12の発生を抑制することができる(図5(e)参照)。
次に、本発明の製造方法について、工程ごとに詳細に説明する。
本発明の製造方法における第1の工程は、基材上に設けられた第1のクラッド層形成用樹脂を硬化し、第1のクラッド層を形成するものである。
基材1の種類としては、特に制限はないが、例えば、FR−4基板、ポリイミド、半導体基板、シリコン基板、ガラス基板等を用いることができる。
また、フィルムを基材1として用いることで、光導波路に柔軟性及び強靭性を付与させることができる。
前記フィルムを構成する材料については特に制限はないが、柔軟性、強靭性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルの他、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等が好適に挙げられる。
図1に示す基材1としてフィルムを使用する場合は、あらかじめ作製しておいたクラッド層形成用樹脂フィルムをそのまま用いることができる。すなわち、クラッド層形成用樹脂20と基材としての支持体フィルム1から構成された第1のクラッド層形成用樹脂フィルムのクラッド層形成用樹脂を硬化し、クラッド層2を形成するものである(図2(a)参照)。このクラッド層2の表面は、平坦であることが好ましい。なお、クラッド層形成用樹脂フィルムを基材1にラミネート法などの手段を用いて転写してもよい。
クラッド層形成用樹脂フィルムの支持体フィルム1の反対側に保護フィルムを設けている場合には該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルムを光又は加熱により硬化し、クラッド層2を形成する。このとき、クラッド層形成用樹脂は接着処理を施した支持体フィルム1上に製膜されていることが好ましい。これにより、下部クラッド層2と基材1の接着力を向上させ、下部クラッド層2と基材1の剥離不良を抑制できる。
ここで接着処理とは、易接着樹脂コート、コロナ処理、サンドブラスト等によるマット加工などにより、支持体フィルムとこの上に形成されるクラッド層樹脂20との接着力を向上させる処理である。
一方、保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。基材1として支持体フィルムとは別の基材1を用いる場合は、基材1にクラッド層形成用樹脂フィルムの保護層がある場合は、保護層を剥離後、基材1にロールラミネータを用いたラミネート法などにより転写し、支持体フィルムを剥離する。次いで、クラッド層形成樹脂を光又は加熱により硬化しクラッド層2を形成する。
支持体フィルムの厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
また、接着処理を施さない支持体フィルム上にクラッド層形成用樹脂20を製膜し、基材1にラミネート法などにより転写してもよい。
また、上述の基材1の片面又は両面上に、複数の上部クラッド、下部クラッド及びコア層を多段に有する、多層光導波路を作製してもよい。
さらに、上述の基材1上には電気配線を設けてもよく、この場合、予め電気配線を設けたものを基材1として用いることができる。又は多層光導波路製造後に、基材1上に電気配線を形成することが可能である。これにより、基板1上の金属配線の信号伝送線と光導波路の信号伝送線との両方を備えられ、両者を使い分けることが可能になり、高速でかつ長い距離の信号伝送を容易に行うことが出来る。
本発明で用いるクラッド層形成用樹脂20としては、コア層より低屈折率で、光により硬化する樹脂組成物であれば特に制限はなく、感光性樹脂組成物を使用することができる。
より好適には、クラッド層形成用樹脂20が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。
ここで用いる(A)ベースポリマーは、クラッド層を形成し、該クラッド層の強度を確保するためのものであり、該目的を達成し得るものであれば特に制限はなく、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらのベースポリマーは1種単独でも、また2種以上を混合して用いてもよい。上記で例示したベースポリマーのうち、耐熱性が高いとの観点から、主鎖に芳香族骨格を有することが好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。
また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。
さらに、後に詳述する(B)光重合性化合物との相溶性が、クラッド層形成用樹脂フィルムの透明性を確保するために重要であるが、この点からは上記フェノキシ樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味するものである。
フェノキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物若しくはそれらの誘導体及びビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物若しくはそれらの誘導体を共重合成分の構成単位として含むものは、耐熱性、密着性及び溶解性に優れるため好ましい。ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。
また、ビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成(株)製「フェノトートYP−70」(商品名)が挙げられる。
室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化学(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
次に、(B)光重合性化合物としては、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されず、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物や分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物などが挙げられる。
また、(C)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えばエポキシ化合物の開始剤として、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリルセレノニウム塩、ジアルキルフェナジルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩、スルホン酸エステル等が挙げられる。
また、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物の開始剤としては、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物等が挙げられる。
また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。なお、コア層及びクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記化合物のうち、芳香族ケトン及びフォスフィンオキサイド類が好ましい。
これらの(C)光重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
また、この他に必要に応じて、本発明のクラッド層形成用樹脂20中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤等のいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
クラッド層形成用樹脂フィルムは、(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を溶媒に溶解して、前記支持体フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。このとき、クラッド層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造するときの巻き取り性など、必要に応じクラッド層形成用樹脂フィルムに保護フィルムを貼り合わせてもよい。
保護フィルムとしては、支持体フィルムとして例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は30〜80質量%程度であることが好ましい。
クラッド層2及び9の厚さに関しては、乾燥後の厚さで、5〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、該クラッド層2及び9の厚さは、10〜100μmの範囲であることがより好ましい。
また、クラッド層2及び9の厚さは、最初に形成される下部クラッド層2と、コアパターンを埋め込むための上部クラッド層9において、同一であっても異なってもよいが、コアパターンを埋め込むために、上部クラッド層9の厚さはコア層3の厚さよりも厚くすることが好ましい。
次に、第2の工程として、上述のクラッド層2上にコア層形成用樹脂を積層してコア層を形成する。ここでも、上述のように、コア層形成用樹脂の積層に際し、コア層形成用樹脂フィルムを用いることが好ましい。より具体的には、クラッド層2上にコア層形成用樹脂フィルムを、ロールラミネータを用いて圧着しコア層3を形成する。ここで、圧着する際、ロールは加熱しても良く、室温〜100℃の範囲が好ましい。100℃を超えると、コア層が、ロールラミネート時に流動し、必要とする膜厚が得られないためである。圧力は0.2〜0.9MPaが好ましい。ラミネート速度は0.1m/min〜3m/minが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
次いで、クラッド層2上にコア層3を積層した複合フィルムを、平板型ラミネートにより加熱圧着する。この第2の工程において、上述のクラッド層2上に、コア層形成用樹脂フィルムを加熱圧着することにより、クラッド層2より屈折率の高いコア層3を積層する。ここで、密着性及び追従性の見地から減圧下で積層することが好ましい。減圧の尺度である真空度は、10000Pa以下が好ましく、1000Pa以下がより好ましい。
真空度は、密着性及び追従性の見地から低い方が望ましいが、生産性の観点(真空引きにかかる時間)もあるため、下限は10Pa程度である。ここでの加熱温度は40〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)程度とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。コア層形成用樹脂フィルムは、コア層樹脂と支持体フィルム4(図2(b))から構成されていれば取扱が容易で好ましく、また、コア層樹脂単独で構成されていてもよい。
コア層形成用樹脂フィルムの基材の反対側に保護フィルムを設けている場合には該保護フィルムを剥離後、コア層形成用樹脂フィルムをラミネートする。このとき、保護フィルム及び支持体フィルム4は、コア層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
本発明で使用するコア層形成用樹脂フィルムは、コア層3がクラッド層2及び9より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターン8を形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、上記クラッド層形成用樹脂2及び9で用いたのと同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。すなわち、前記(A)、(B)及び(C)成分を含有し、必要に応じて前記任意成分を含有する樹脂組成物である。
コア層形成用樹脂フィルムは、(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を溶媒に溶解して基材に塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。このとき、コア層形成用樹脂フィルムの保護やロール状に製造するときの巻き取り性など、必要に応じコア層形成用樹脂フィルムに保護フィルムを貼り合わせてもよい。保護フィルムとしては、支持体フィルムとして例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に制限はなく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は、通常30〜80質量%程度であることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルムの厚さについては、上述のコア層の厚さを得るように調整される。すなわち、乾燥後のコア層3の厚さが、通常は20〜100μmとなるように調整され、好ましくは30〜70μmの範囲で調整される。
コア層形成用樹脂フィルムの製造過程で用いる支持体フィルムは、光導波路形成用フィルムを支持する支持体フィルムであって、その材料については特に限定されないが、後にコア層形成用樹脂フィルムを剥離することが容易であり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが好適に挙げられる。
該支持体フィルムの厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持体フィルムとしての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、該支持体フィルムの厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
次に、第3の工程として、コア層3を露光現像し、光導波路のコアパターン8を形成する。具体的には、フォトマスクパターン7を通して活性光線が画像状に照射される(図2(c)参照)。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。また他にも写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。
なお、ここで用いる活性光は、基材の法線方向に対して5度以上の入射角を有する散乱光であってもよいし、平行光であってもよい。
次いで、コア層形成用樹脂フィルムの支持体フィルム4が残っている場合には、支持体フィルム4を剥離し、ウェット現像等で未露光部を除去して現像し、コアパターン8を形成する(図2(d)参照)。ウェット現像の場合は、前記フィルムの組成に適した有機溶剤系現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
有機溶剤系現像液としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。また、必要に応じて2種類以上の現像方法を併用してもよい。
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、パドル方式、高圧スプレー方式等のスプレー方式、ブラッシング、スクラッピング等が挙げられ、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことにより、コアパターン8をさらに硬化して用いてもよい。
この後、コアパターン8埋込みのためクラッド層形成用樹脂フィルムをラミネートする第4の工程と、該クラッド層形成用樹脂フィルムのクラッド層形成用樹脂を硬化し、クラッド層9を硬化する第5の工程を行う。ラミネートは、クラッド層形成用樹脂フィルムがクラッド層形成用樹脂と支持体フィルム10からなる場合には、クラッド層形成用樹脂をコアパターン8側にする。このときのクラッド層9の厚さは、前述のようにコア層3の厚さより大きくすることが好ましい。
硬化は、活性光線よって上記と同様に行う。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。また、他にも写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。ここで、活性光源は、上述のように、方向性の無い散乱光であることが好ましい。
クラッド層形成用樹脂フィルムの支持体フィルム10の反対側に保護フィルムを設けている場合には該保護フィルムを剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルムを光又は加熱により硬化し、クラッド層9を形成する。このとき、クラッド層形成用樹脂は接着処理を施した支持体フィルム10上に成膜されていることが好ましい。
一方、保護フィルムは、クラッド層形成用樹脂フィルムからの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によりなんら制限されるものではない。
実施例1
(コア層及びクラッド層形成用樹脂フィルムの作製)
第1表に示す配合にて、コア層及びクラッド層形成用樹脂組成物を用意し、これに溶剤としてエチルセロソルブを全量に対して40質量部加え、コア層用及びクラッド層用樹脂ワニスを調合した。
Figure 2009041439
*1 フェノトートYP−70;東都化成(株)製、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂
*2 A−BPEF;新中村工業(株)製、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン
*3 EA−1020;新中村工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート
*4 KRM−2110;新中村工業(株)製、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート
*5 2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール;東京化成工業(株)製
*6 4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン;東京化成工業(株)製
*7 2−メルカプトベンゾイミダゾール;東京化成工業(株)製
*8 SP−170;旭電化工業(株)製、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩
これを、PETフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「コスモシャインA1517」、厚さ16μm、ヘイズ0.9)にアプリケーター(ヨシミツ精機(株)製、「YBA−4」)を用いて塗布し(クラッド層形成用樹脂フィルム:巻内の接着処理面仕様、コア層形成用樹脂フィルム:巻外の非処理面使用)、80℃で10分、その後100℃で10分の条件で溶剤を乾燥させ、コア層及びクラッド層形成用樹脂フィルムを得た。
このときのフィルムの厚さは、アプリケーターの間隙を調節することで、5〜100μmの間で任意に調整可能であり、本実施例では、硬化後の膜厚が、コア層40μm、下部クラッド層20μm、上部クラッド層70μmとなるように調節した。
紫外線露光機((株)大日本スクリーン製、MAP−1200)で、紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射し、下部クラッド層形成用樹脂フィルムを光硬化した(図2(a)参照)。
次に、このクラッド層上に、ロールラミネータ(日立化成工業(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minでラミネートした。
次いで、平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度70℃、加圧時間30秒の条件にてコア層形成用樹脂フィルムをラミネートした(図2(b)参照)。
続いて、幅40μmのフォトマスク(ネガ型)を介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を1000mJ/cm2照射した後(図2(c)参照)、エチルセロソルブとN,N−ジメチルアセトアミドの8対2質量比混合溶剤で、コアパターンを現像した(図2(d)参照)。現像液の洗浄には、メタノール及び水を用いた。
次いで、真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度70℃、加圧時間30秒のラミネート条件にて上部クラッド形成用樹脂フィルムをラミネートし、活性光線として365nmでの照射強度が10mW/cm2である紫外線照射を散乱紫外線照射機((株)製アイドルフィン3000)により3.6J/cm2照射し、その後110℃、1時間で加熱処理を行い、光導波路を作製した(図2(e)参照)。さらに、作製した光導波路をダイシングにより、導波路長10cmのものを切り出した。
この光導波路分析用としてダイシングにより切り出した試料から、コア周辺のクラッドとコアから遠方のクラッドを、サンプリングし、赤外分光光度計FT−IR1760X(パーキンエルマ製)で測定したところ、コア周辺のクラッド硬化率は96%であった。
なお、コア層及びクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model2010)で測定したところ、波長850nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.537であった。
伝搬損失は、光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)及び受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、入射ファイバー;GI−50/125マルチモードファイバー(NA=0.20)、出射ファイバー;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μmにより測定したところ、1.5dBであった。
また、−50℃/125℃(キープ時間15分)熱サイクル100サイクル後の損失劣化は、0.1dB以下、85℃/85%RH500時間での損失劣化は0.1dB以下であった。
実施例2
実施例1において、支持体フィルム10として、E5000(東洋紡(株)製)(ヘイズ5.7)を使用し、活性光線として365nmでの照射強度が10mW/cm2である平行紫外線露光機((株)大日本スクリーン製、MAP−1200)で紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射したこと以外は実施例1と同様にして、光導波路を作製した。
実施例1と同様に、光導波路分析用としてダイシングにより切り出し、コア周辺のクラッドとコアから遠方のクラッドを、サンプリングし、赤外分光光度計FT−IR1760X(パーキンエルマ製)で測定したところ、コア周辺のクラッド硬化率は96%であった。
なお、コア層及びクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model2010)で測定したところ、波長850nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.537であった。
伝搬損失は、光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)及び受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、入射ファイバー;GI−50/125マルチモードファイバー(NA=0.20)、出射ファイバー;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μmにより測定したところ、1.5dBであった。
また、−50℃/125℃(キープ時間15分)熱サイクル100サイクル後の損失劣化は、0.1dB以下、85℃/85%RH、500時間での損失劣化は0.1dB以下であった。
実施例3
実施例1において、露光時に活性光線入射側に、E5000(東洋紡(株)製)(ヘイズ5.7)を設置して露光する以外は実施例1と同様にして、光導波路を作製した。
実施例1と同様に、光導波路分析用としてダイシングにより切り出し、コア周辺のクラッドとコアから遠方のクラッドを、サンプリングし、赤外分光光度計FT−IR1760X(パーキンエルマ製)で測定したところ、コア周辺のクラッド硬化率は96%であった。
なお、コア層及びクラッド層の屈折率をMetricon社製プリズムカプラー(Model2010)で測定したところ、波長850nmにて、コア層が1.584、クラッド層が1.537であった。
伝搬損失は、光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)及び受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、入射ファイバー;GI−50/125マルチモードファイバー(NA=0.20)、出射ファイバー;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μmにより測定したところ、1.5dBであった。
また、−50℃/125℃(キープ時間15分)熱サイクル100サイクル後の損失劣化は、0.1dB以下、85℃/85%RH、500時間での損失劣化は0.1dB以下であった。
比較例1
実施例1においてクラッド樹脂を平行光露光機((株)大日本スクリーン製MAP1200L)を用いて露光したこと以外は実施例1と同様に光導波路を作製した(図4参照)。このとき、365nmに於ける照射強度は8mW/cm2、照射量は3.6J/cm2とし、その後、110℃、1時間で加熱処理を行った。
このように作製した光導波路を実施例1と同様にダイシングにより切り出し、コア周辺のクラッド及びコアから遠方のクラッドをサンプリングし、赤外分光光度計FT−IR1760X(パーキンエルマ製)で測定したところ、コア周辺部の硬化率は90%であった。
光源に855nmのLED((株)アドバンテスト製、Q81201)及び受光センサ((株)アドバンテスト製、Q82214)を用い、入射ファイバー;GI−50/125マルチモードファイバー(NA=0.20)、出射ファイバー;SI−114/125(NA=0.22)、入射光;実効コア径26μmにより測定したところ、1.5dB/cmであり初期値は実施例と同一であった。
また、−55℃/125℃(キープ時間15分)熱サイクル100サイクル後の損失劣化は、0.3dB、85℃/85%RH、500時間での損失劣化は、0.3dBと実施例に比べ損失増加が大きかった。
本発明の製造方法によれば、コアの形状が逆テーパ形状であっても、逆テーパ部のクラッドに十分な量の活性光線を照射することができる。従って、短時間の照射であっても、コア/クラッドの活性光照射側から遠方のクラッドの硬化率を十分に高めることができる。このようにクラッドの硬化率が高いことによって、熱サイクル試験や、高温高湿試験などの信頼性試験において、ボイド状の空隙が発生することがなく、信頼性の高い、かつ透明性及び耐熱性に優れる光導波路を高い生産性で提供することができる。

Claims (7)

  1. 基材上に第1のクラッド層、パターニングされたコア層、及び第2のクラッド層がこの順に積層されてなる光導波路であって、コア層の高さが20μm以上であり、第2のクラッド層におけるコア層の外周から10μmの範囲の硬化率が95%以上である光導波路。
  2. 前記第2のクラッド層上にさらにヘイズが5以上の層が設けられてなる請求項1に記載の光導波路。
  3. 基材上に設けられた第1のクラッド層形成用樹脂を硬化し、第1のクラッド層を形成する第1の工程と、該第1のクラッド層上にコア層形成用樹脂を積層してコア層を形成する第2の工程と、該コア層を露光現像し、光導波路のコアパターンを形成する第3の工程と、該コアパターンを第2のクラッド層形成用樹脂によって埋め込む第4の工程と、該第2のクラッド層形成用樹脂を活性光により硬化する第5の工程と、該第2のクラッド層を熱硬化する第6の工程を有する光導波路の製造方法であって、前記第5の工程における活性光が基材の法線方向に対して5度以上の入射角を有する散乱光を含むことを特徴とする光導波路の製造方法。
  4. 基材上に設けられた第1のクラッド層形成用樹脂を硬化し、第1のクラッド層を形成する第1の工程と、該第1のクラッド層上にコア層形成用樹脂を積層してコア層を形成する第2の工程と、該コア層を露光現像し、光導波路のコアパターンを形成する第3の工程と、該コアパターンを第2のクラッド層形成用樹脂によって埋め込む第4の工程と、該第2のクラッド層形成用樹脂を活性光により硬化する第5の工程と、該第2のクラッド層を熱硬化する第6の工程を有する光導波路の製造方法であって、前記第4の工程における第2のクラッド層形成用樹脂により形成される樹脂層上に、さらにヘイズが5以上の層を設けることを特徴とする光導波路の製造方法。
  5. 前記第5の工程における活性光が基材の法線方向に対して5度以上の入射角を有する散乱光を含む請求項4に記載の光導波路の製造方法。
  6. 前記コア層の高さが20μm以上であり、第2のクラッド層におけるコア層の外周から10μmの範囲の硬化率が95%以上である請求項3〜5のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の方法で製造した光導波路。
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