JP2010079058A - 光電気複合基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程が簡略で生産性に優れ、薄型化でき、光損失が少ない光電気複合基板の製造方法を提供する。
【解決手段】基材上に形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して下部クラッド層を形成する工程、該下部クラッド層上にコア層形成用樹脂を積層してコア層を形成する工程、該コア層を露光現像してコアパターンを形成する工程、該コアパターンを埋め込むように上部クラッド層形成用樹脂を積層する工程、及び該上部クラッド層形成用樹脂が未硬化又は半硬化の状態で該上部クラッド層形成用樹脂に電気配線板を接合し、その後、該上部クラッド層形成用樹脂を硬化して上部クラッド層を形成する工程を有することを特徴とする光電気複合基板の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、製造工程が簡略で生産性に優れ、薄型化でき、光損失が少ない光電気複合基板の製造方法に関するものである。
情報容量の増大に伴い、幹線やアクセス系といった通信分野のみならず、ルータやサーバ内の情報処理にも光信号を用いる光インターコネクション技術の開発が進められている。具体的には、ルータやサーバ装置内のボード間あるいはボード内の短距離信号伝送に光を用いるために、電気配線板に光伝送路を複合した光電気複合基板の開発がなされている。光伝送路としては、光ファイバーに比べ、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な光導波路を用いることが望ましく、中でも、加工性や経済性に優れたポリマー材料を用いた光導波路が有望である。
この光導波路の製造方法としては、例えば、基材上に形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して下部クラッド層を形成する工程、該下部クラッド層上にコア層形成用樹脂フィルムを積層してコア層を形成する工程、該コア層を露光現像してコアパターンを形成する工程、及び該コアパターンを埋め込むようにクラッド層形成用樹脂を形成して硬化する方法がある(例えば、特許文献1)。その後、該クラッド層形成用樹脂に接着剤を設けて電気配線板を接合することにより、光電気複合基板を製造することができる(例えば、特許文献2)。
このような従来技術に対し、製造方法のさらなる生産性の向上及び得られる光電気複合基板における光損失の低減など性能の向上が求められていた。
特開2008−122897 特許第3185797号
本発明は、前記の課題を解決するためなされたもので、製造工程が簡略で生産性に優れ、薄型化でき、光損失が少ない光電気複合基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、光導波路の上部クラッド層形成用樹脂に電気配線板を接合する際に、クラッド層形成用樹脂が未硬化もしくは半硬化のまま電気配線板に接合することにより、上記の目的を達成することを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)基材上に形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して下部クラッド層を形成する工程、該下部クラッド層上にコア層形成用樹脂を積層してコア層を形成する工程、該コア層を露光現像してコアパターンを形成する工程、該コアパターンを埋め込むように上部クラッド層形成用樹脂を積層する工程、及び該上部クラッド層形成用樹脂が未硬化又は半硬化の状態で該上部クラッド層形成用樹脂に電気配線板を接合し、その後、該上部クラッド層形成用樹脂を硬化して上部クラッド層を形成する工程を有することを特徴とする光電気複合基板の製造方法、
(2)下部クラッド層形成用樹脂、コア層形成用樹脂、上部クラッド層形成用樹脂の少なくともいずれか1つの積層方法が、これら形成用樹脂の塗布又はこれら形成用樹脂フィルムのラミネートである前記(1)に記載の光電気複合基板の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、製造工程が簡略で生産性に優れ、薄型化でき、光損失が少ない光電気複合基板の製造方法を提供することができる。
本発明により製造される光電気複合基板は、例えば、図1(g)に示すように、下部クラッド層2、コアパターン6及び上部クラッド層7を有し、さらに上部クラッド層7に電気配線板14を接合したものである。
(光電気複合基板の製造方法)
以下、本発明の光電気複合基板の製造方法について詳述する(図1参照)。
本発明の製造方法において、クラッド層及びコア層の積層方法については後に詳述するが、上部クラッド層7が未硬化又は半硬化の状態を維持できれば特に限定されず、例えば、各層形成用の樹脂組成物を塗布してもよいし、又は予め作製しておいた樹脂フィルムをラミネートにより形成しても良い。
以下の説明では、クラッド層形成用樹脂フィルム(図2、200)及びコア層形成用樹脂フィルム(図3、300)を用いた場合の実施形態を例として具体的に説明する。
まず、第1の工程として、クラッド層形成用樹脂20と支持体フィルム10から構成されたクラッド層形成用樹脂フィルム(図2、200)を用いて、クラッド層形成用樹脂20を光又は加熱により硬化し、下部クラッド層2を形成する(図1(a))。このとき、上記支持体フィルム10が、図1(a)に示す下部クラッド層2の基材1となる。
この下部クラッド層2は、後述するコア層との密着性の観点から、コア層積層側の表面において段差がなく平坦であることが好ましい。また、クラッド層形成用樹脂フィルムを用いることにより、クラッド層2の表面平坦性を確保することができる。
図2に示すようにクラッド層形成用樹脂フィルム200の支持体フィルム10の反対側に保護フィルム40を設けている場合には、保護フィルム40を剥離後、クラッド層形成用樹脂20を光又は加熱により硬化し、クラッド層2を形成する。このとき、保護フィルム40は、クラッド層形成用樹脂フィルム200からの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
基材1として支持体フィルム10とは別の基材1を用いることができる。この場合には、クラッド層形成用樹脂フィルム200に保護フィルム40がある場合は保護フィルム40を剥離し、次いで、クラッド層形成用樹脂フィルム200を基材1にロールラミネータを用いたラミネート法などにより転写し、支持体フィルム10を剥離する。次いで、クラッド層形成用樹脂20を光又は加熱により硬化し下部クラッド層2を形成する。また、この場合には、クラッド層形成用樹脂フィルム200としてはクラッド層形成用樹脂20単独で構成されているものを用いてもよい。
次いで、下記に詳述する第2の工程によって、下部クラッド層2上にコア層3を形成する。この第2の工程において、下部クラッド層2上にコア層形成用樹脂フィルム300を積層して、下部クラッド層2より屈折率の高いコア層3を形成する(図1(b))。
具体的には、第2の工程として、例えば、下部クラッド層2上にコア層形成用樹脂フィルム300をロールラミネータを用いて貼り合わせコア層3を積層する。ここで、密着性及び追従性向上の観点から、圧着しながら貼り合わせることが好ましく、圧着する際、ヒートロールを有するラミネータを用いて加熱しながら行なっても良い。ラミネート温度は、室温(25℃)〜100℃の範囲が好ましい。室温より高い温度であると、下部クラッド層とコア層との密着性が向上し、40℃以上であると、更に密着力を向上させることができる。一方、100℃以下であると、コア層がロールラミネート時に流動することなく、必要とする膜厚が得られる。以上の観点から、40〜100℃の範囲がより好ましい。圧力は0.2〜0.9MPaが好ましい。ラミネート速度は0.1〜3m/minが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
次いで、必要に応じ、下部クラッド層との密着性を上げるため貼り合わせたコア層形成用樹脂フィルム300を減圧雰囲気下において加熱圧着する。ここで、密着性及び追従性向上の観点から、加熱圧着の際、減圧雰囲気下で行なうものである。好ましくは平板型ラミネータ6を用いて減圧雰囲気下で加熱圧着することが好ましい。なお、本発明において平板型ラミネータとは、積層材料を一対の平板の間に挟み、平板を加圧することにより圧着させるラミネータのことをいう。平板型ラミネータとして、例えば、特開平11−320682号公報に記載されているような真空加圧式ラミネータを好適に用いることができる。減圧の尺度である真空度の上限は、10000Pa以下が好ましく、さらには1000Pa以下が好ましい。真空度は、密着性及び追従性の見地から低い方が望ましい。一方、真空度の下限は、生産性の観点(真空引きにかかる時間)から、10Pa程度であることが好ましい。加熱温度は、40〜130℃とすることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPa(1〜10kgf/cm2)とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
コア層形成用樹脂フィルム300は、取扱性の観点から、コア層形成用樹脂30と支持体フィルム4から構成されていることが好ましく、この場合、コア層形成用樹脂30を下部クラッド層2側にしてラミネートする。また、コア層形成用樹脂フィルム300はコア層形成用樹脂30単独で構成されていても良い。
図3に示すようにコア層形成用樹脂フィルム300の基材の反対側に保護フィルム40を設けている場合には、保護フィルム40を剥離後、コア層形成用樹脂フィルム300をラミネートする。このとき、保護フィルム40及び支持体フィルム4は、コア層形成用樹脂フィルム300からの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
次に、第3の工程として、コア層3を露光現像し、光導波路のコアパターン6を形成する(図1(c),(d))。具体的には、フォトマスクパターン5を通して活性光線が画像状に照射される。活性光線の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射する公知の光源が挙げられる。また、他にも写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いることができる。
次いで、コア層形成用樹脂フィルム300の支持体フィルム4が残っている場合には、支持体フィルム4を剥離し、ウェット現像等で未露光部を除去して現像し、コアパターン6を形成する。ウェット現像の場合は、前記フィルムの組成に適した現像液、例えば有機溶剤系現像液やアルカリ性水溶液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知の方法により現像する。
有機溶剤系現像液としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。また、必要に応じて2種類以上の現像方法を併用してもよい。
また、アルカリ性水溶液の塩基としては、例えば、リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物等の水酸化アルカリ、リチウム、ナトリウム、カリウム若しくはアンモニウムの炭酸塩又は重炭酸塩等の炭酸アルカリ、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩などが用いられる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%四ホウ酸ナトリウムの希薄溶液等が好ましく挙げられる。また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物の層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、パドル方式、高圧スプレー方式等のスプレー方式、ブラッシング、スクラッピング等が挙げられ、高圧スプレー方式が解像度向上のためには最も適している。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことにより、コアパターン6をさらに硬化して用いてもよい。
この後、コアパターン6埋込みのためクラッド層形成用樹脂フィルム200をラミネートし、上部クラッド層7を形成する第5の工程を行う(図1(f))。ラミネートは、クラッド層形成用樹脂フィルム200がクラッド層形成用樹脂20と支持体フィルム10からなる場合には、クラッド層形成用樹脂20をコアパターン6側にしてラミネートする。このときのクラッド層7の厚さは、前述のようにコア層3の厚さより大きくすることが好ましい。なお、ラミネート後、本発明においては、上部クラッド層7を硬化させず、未硬化又は半硬化の状態のままとし、接着性を残しておくことが重要である。
図2に示すように、クラッド層形成用樹脂フィルム200の支持体フィルム10の反対側に保護フィルム40を設けている場合には、保護フィルム40を剥離後、クラッド層形成用樹脂フィルム200をラミネートしてクラッド層7を形成する。このとき、保護フィルム40は、クラッド層形成用樹脂フィルム200からの剥離を容易にするため接着処理は行っていないことが好ましく、必要に応じ離型処理が施されていてもよい。
次に、第4の工程として、未硬化又は半硬化の状態のクラッド層7に電気配線板14を接合し接着する。その後、基材1側から光照射及び/又は加熱を行って硬化することによりクラッド層7を硬化させ、電気配線板14を有する光導波路を完成する(図1(g))。なお、必要に応じ基材1を剥がしてもよい(図1(h))。
このように、本発明においては、電気配線板14と上部クラッド層7を接合する際に、接着剤を用いないため、製造工程の簡略化により生産性が向上するだけでなく、従来の電気配線板付き光導波路に比べて薄型化が可能になる。これにより、電気配線板上に搭載される光素子との距離を近づけることができ、光損失の低減も可能となる。
また、従来、接着剤により吸収されていた分の光損失を低減することができるため、低損失な光電気複合基板を作製できる。
以下、光電気複合基板の各構成部分について説明する。
(基材)
基材1の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、FR−4基板、ポリイミド、半導体基板、シリコン基板やガラス基板等を用いることができる。
また、基材1としてフィルムを用いることができる。フィルムの材料としては、特に限定されないが、柔軟性、強靭性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどが好適に挙げられる。
フィルムの厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
図1に示した基材1として、クラッド層形成用樹脂フィルム200の製造過程で用いる支持体フィルム10を用いることができる。
また、上部クラッド層の外側に基材を有していてもよく、該基材の種類としては、前述した基材1と同様のものが挙げられ、例えば、図1(f)に示すように後述するクラッド層形成用樹脂フィルム200の製造過程で用いる支持体フィルム10等が挙げられる。
上述の基材1の片面又は両面上にコアパターン及びクラッド層を有する高分子層を複数積層し、多層光導波路を作製してもよい。
(クラッド層形成用樹脂及びクラッド層形成用樹脂フィルム)
以下、本発明で使用されるクラッド層形成用樹脂及びクラッド層形成用樹脂フィルム(図2、200)について詳述する。
本発明で用いるクラッド層形成用樹脂としては、コア層より低屈折率で、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に使用することができる。より好適にはクラッド層形成用樹脂が、(A)ベースポリマー、(B)光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有する樹脂組成物により構成されることが好ましい。なお、クラッド層形成用樹脂に用いる樹脂組成物は、上部クラッド層7と下部クラッド層2において、該樹脂組成物に含有する成分が同一であっても異なっていてもよく、該樹脂組成物の屈折率が同一であっても異なっていてもよい。
ここで用いる(A)ベースポリマーはクラッド層を形成し、該クラッド層の強度を確保するためのものであり、該目的を達成し得るものであれば特に限定されず、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等、あるいはこれらの誘導体などが挙げられる。これらのベースポリマーは1種単独でも、また2種以上を混合して用いてもよい。上記で例示したベースポリマーのうち、耐熱性が高いとの観点から、主鎖に芳香族骨格を有することが好ましく、特にフェノキシ樹脂が好ましい。また、3次元架橋し、耐熱性を向上できるとの観点からは、エポキシ樹脂、特に室温で固形のエポキシ樹脂が好ましい。さらに、後に詳述する(B)光重合性化合物との相溶性が、クラッド層形成用樹脂の透明性を確保するために重要であるが、この点からは上記フェノキシ樹脂及び(メタ)アクリル樹脂が好ましい。なお、ここで(メタ)アクリル樹脂とは、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂を意味するものである。
フェノキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA、ビスフェノールA型エポキシ化合物又はそれらの誘導体、及びビスフェノールF、ビスフェノールF型エポキシ化合物又はそれらの誘導体を共重合成分の構成単位として含むものは、耐熱性、密着性及び溶解性に優れるため好ましい。ビスフェノールA又はビスフェノールA型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。また、ビスフェノールF又はビスフェノールF型エポキシ化合物の誘導体としては、テトラブロモビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールF型エポキシ化合物等が好適に挙げられる。ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成(株)製「フェノトートYP−70」(商品名)が挙げられる。
室温で固形のエポキシ樹脂としては、例えば、東都化学(株)製「エポトートYD−7020、エポトートYD−7019、エポトートYD−7017」(いずれも商品名)、ジャパンエポキシレジン(株)製「エピコート1010、エピコート1009、エピコート1008」(いずれも商品名)などのビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
次に、(B)光重合性化合物としては、紫外線等の光の照射によって重合するものであれば特に限定されず、分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物や分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物などが挙げられる。
分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物としては、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルピリジン、ビニルフェノール等が挙げられるが、これらの中で、透明性と耐熱性の観点から、(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレートとしては、1官能性のもの、2官能性のもの、3官能性以上の多官能性のもののいずれをも用いることができる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを意味するものである。
分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能芳香族グリシジルエーテル、ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂等の2官能又は多官能脂肪族グリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の2官能脂環式グリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル等の2官能芳香族グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等の2官能脂環式グリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2官能又は多官能芳香族グリシジルアミン、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート等の2官能脂環式エポキシ樹脂、2官能複素環式エポキシ樹脂、多官能複素環式エポキシ樹脂、2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの(B)光重合性化合物は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
次に(C)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば(B)成分にエポキシ化合物を用いる場合の開始剤として、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリルセレノニウム塩、ジアルキルフェナジルスルホニウム塩、ジアルキル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム塩、スルホン酸エステルなどが挙げられる。
また、(B)成分に分子内にエチレン性不飽和基を有する化合物を用いる場合の開始剤としては、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール類、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。なお、コア層及びクラッド層の透明性を向上させる観点からは、上記化合物のうち、芳香族ケトン及びフォスフィンオキサイド類が好ましい。
これらの(C)光重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。
(A)ベースポリマーの配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、5〜80質量%とすることが好ましい。また、(B)光重合性化合物の配合量は、(A)及び(B)成分の総量に対して、95〜20質量%とすることが好ましい。
この(A)成分及び(B)成分の配合量として、(A)成分が5質量%以上であり、(B)成分が95質量%以下であると、樹脂組成物を容易にフィルム化することができる。一方、(A)成分が80質量%以下あり、(B)成分が20質量%以上であると、(A)ベースポリマーを絡み込んで硬化させることが容易にでき、光導波路を形成する際に、パターン形成性が向上し、かつ光硬化反応が十分に進行する。以上の観点から、この(A)成分及び(B)成分の配合量として、(A)成分10〜85質量%、(B)成分90〜15質量%がより好ましく、(A)成分20〜70質量%、(B)成分80〜30質量%がさらに好ましい。
(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部とすることが好ましい。この配合量が0.1質量部以上であると、光感度が十分であり、一方10質量部以下であると、露光時に感光性樹脂組成物の表層での吸収が増大することがなく、内部の光硬化が十分となる。さらに、光導波路として使用する際には、重合開始剤自身の光吸収の影響により伝搬損失が増大することもなく好適である。以上の観点から、(C)光重合開始剤の配合量は、0.2〜5質量部とすることがより好ましい。
また、このほかに必要に応じて、クラッド層形成用樹脂中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤などのいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
以上のクラッド層形成用樹脂以外に、例えば、特願2008−014289号明細書に記載の(a)反応性官能基を有し、かつ重量平均分子量が10万以上である(メタ)アクリルポリマー、(b)エポキシ樹脂、(c)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤、(d)光反応性モノマー及び(e)光塩基発生剤を含有してなるクラッド層形成用樹脂等を用いても良い。このクラッド層形成用樹脂は、光照射によりクラッド層が半硬化状態となり、後の加熱により硬化させることができる。
本発明においては、クラッド層の形成方法は特に限定されず、例えば、クラッド層形成用樹脂の塗布又はクラッド層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成すれば良い。
塗布による場合には、その方法は限定されず、例えば、前記(A)〜(C)成分を含有する樹脂組成物を常法により塗布すれば良い。
また、ラミネートに用いるクラッド層形成用樹脂フィルム(図2、200)は、例えば、前記樹脂組成物を溶媒に溶解して、前記支持体フィルム10に塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
クラッド層形成用樹脂フィルム200の製造過程で用いられる支持体フィルム10は、その材料については特に限定されず、種々のものを用いることができる。支持体フィルムとしての柔軟性及び強靭性の観点から、上記した基材1のフィルム材料として例示したものが同様に挙げられる。
支持体フィルム10の厚さは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、5〜250μmであることが好ましい。5μm以上であると強靭性が得易いという利点があり、250μm以下であると十分な柔軟性が得られる。
このとき、クラッド層形成用樹脂フィルム200の保護やロール状に製造するときの巻き取り性などの観点から、必要に応じクラッド層形成用樹脂フィルム200に保護フィルム40を貼り合わせてもよい。保護フィルム40としては、支持体フィルム10として例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は30〜80質量%程度であることが好ましい。
下部クラッド層2及び上部クラッド層7(以下、クラッド層2,7と略す)の厚さに関しては、乾燥後の厚さで、5〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、クラッド層2、7の厚さは、さらに10〜100μmの範囲であることがより好ましい。
また、クラッド層2,7の厚さは、最初に形成される下部クラッド層2と、コアパターンを埋め込むための上部クラッド層7において、同一であっても異なってもよいが、コアパターンを埋め込むために、上部クラッド層7の厚さは、コア層3の厚さよりも厚くすることが好ましい。
(コア層形成用樹脂及びコア層形成用樹脂フィルム)
本発明においては、コア層の形成方法は特に限定されず、例えば、コア層形成用樹脂の塗布又はコア層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成すれば良い。
コア層形成用樹脂30としては、コア層3がクラッド層2,7より高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターン6を形成し得る樹脂組成物を用いることができ、感光性樹脂組成物が好適である。具体的には、前記クラッド層形成用樹脂で用いたのと同様の樹脂組成物を用いることが好ましい。
塗布による場合には、方法は限定されず、前記樹脂組成物を常法により塗布すれば良い。
以下、ラミネートに用いるコア層形成用樹脂フィルム(図3、300)について詳述する。
コア層形成用樹脂フィルム300は、前記樹脂組成物を溶媒に溶解して支持体フィルム4に塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。ここで用いる溶媒としては、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒又はこれらの混合溶媒を用いることができる。樹脂溶液中の固形分濃度は、通常30〜80質量%であることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルム300の厚さについては特に限定されず、乾燥後のコア層3の厚さが、通常は10〜100μmとなるように調整される。該フィルムの厚さが10μm以上であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の受発光素子又は光ファイバーとの結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、該フィルムの厚さは、さらに30〜70μmの範囲であることが好ましい。
コア層形成用樹脂フィルム300の製造過程で用いる支持体フィルム4は、コア層形成用樹脂30を支持する支持体フィルムであって、その材料については特に限定されないが、後にコア層形成用樹脂30を剥離することが容易であり、かつ、耐熱性及び耐溶剤性を有するとの観点から、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが好適に挙げられる。
支持体フィルム4の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持体フィルム4としての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、支持体フィルム4の厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
コア層形成用樹脂フィルム300の保護やロール状に製造するときの巻き取り性などの観点から、必要に応じコア層形成用樹脂フィルム300に保護フィルム40を貼り合わせてもよい。保護フィルム40としては、支持体フィルム4として例に挙げたものと同様なものが使用でき、必要に応じ離型処理や帯電防止処理がされていてもよい。
(電気配線板)
本発明において用いられる電気配線板14としては、特に限定されるものではなく、光電気複合基板に用いられる種々の電気配線板を用いることができ、例えば、図1の(f)に示すように、電気配線基材11上に、電気配線12及び電気絶縁体13が設けられたもの等が挙げられる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
(1−1)光導波路の作製
〔クラッド層形成用樹脂フィルムCF1の作製〕
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)48質量部、(B)光重合性化合物として、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート(商品名:KRM−2110、分子量:252、旭電化工業株式会社製)49.6質量部、(C)光重合開始剤として、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネート塩(商品名:SP−170、旭電化工業株式会社製)2質量部、増感剤として、SP−100(商品名、旭電化工業株式会社製)0.4質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を広口のポリ瓶に秤量し、メカニカルスターラ、シャフト及びプロペラを用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間撹拌し、クラッド層形成用樹脂ワニスCV1を調合した。その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(商品名:PF020、アドバンテック東洋株式会社製)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過し、さらに真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡した。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスCV1を、PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社製、厚さ:50μm)の離型処理面上に塗工機(マルチコーターTM−MC、株式会社ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、80℃、10分、その後100℃、10分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、クラッド層形成用樹脂フィルムCF1を得た。このとき樹脂層の厚さは、塗工機のギャップを調節することで、任意に調整可能であり、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層25μm、上部クラッド層70μmとなるように調節した。
〔コア層形成用樹脂フィルムの作製〕
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業株式会社製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業株式会社製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記製造例と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスBを調合した。その後、上記製造例と同様の方法及び条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスBを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績株式会社製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。本実施例では硬化後の膜厚が50μmとなるよう、塗工機のギャップを調整した。
[光電気複合配線板の作製]
光導波路の作製方法について、以下、図1を参照しつつ説明する。
上記で得られた下部クラッド層形成用樹脂フィルムCF1の保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて樹脂側(基材フィルムの反対側)から紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射し、次いで80℃で10分間加熱処理することにより、下部クラッド層2を形成した(図1(a))。
次に、下部クラッド層2上に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で、上記コア層形成用樹脂フィルムをラミネートし、次いで平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度50℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、コア層3を形成した(図1(b))。
次に、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.7J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った(図1(c))。その後、支持フィルムであるPETフィルム(コスモシャインA1517)を剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=7/3、質量比)を用いて、コアパターンを現像した(図1(d))。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥した。
次いで、上記と同様、真空加圧式ラミネータを用い、上部クラッド層7として保護フィルム(ピューレックスA31)を剥がしたクラッド層形成用樹脂フィルムCF1をラミネートした(図1(e))。
上部クラッド層7が未硬化のまま、基材8(ピューレックスA53)を剥離し(図1(f))、上部クラッド層7の所定の位置に、フレキシブル電気配線板14(長さ100mm、幅4mm、基材:カプトンEN、25μm、銅回路厚さ:12μm)を、紫外線露光機(株式会社大日本スクリーン製,MAP−1200−L)付随のマスクアライナー機構を利用して位置決めした。その後、同真空加圧式ラミネータを用い圧力0.4MPa、温度60℃、加圧時間30秒の条件で圧着した(図1(g))。続いて、紫外線(波長365nm)を上部クラッド層7に10J/cm2照射し、基材1(ピューレックスA53)を剥がした後、クリンオーブン中で160℃、1時間加熱し、光導波路15と電気配線板14を接着した光電気複合基板16を作製した(図1(h))。
次に、ダイシングソー(株式会社ディスコ製、DAD−341)を用いて、片端に光路変換用45度ミラーを設けた評価用サンプルを作製した(図4)。
実施例2
[クラッド層形成用樹脂ワニスCV2の調合]
(A)(メタ)アクリルポリマーとして、エポキシ基含有アクリルゴムのシクロヘキサノン溶液(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−3、分子量80万、固形分12質量%)833質量部(固形分100質量部)、(B)エポキシ樹脂として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製YDF−8170C、エポキシ当量158g/eq)16質量部、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製YDCN−703、エポキシ当量209g/eq)5質量部、(C)フェノール系エポキシ樹脂硬化剤として、ビスフェノールAノボラック樹脂のメチルエチルケトン溶液(大日本インキ化学工業株式会社製LF−4871、水酸基当量118g/eq、固形分60質量%)26質量部(固形分15質量部)、(D)光反応性モノマーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製A−DPH)30質量部、(E)光塩基発生剤として、2−メチル−1(4−(メチルチオ)フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製イルガキュア907)2質量部、シランカップリング剤として、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製A−189)0.1質量部、及びγ―ウレイドプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー株式会社製A−1160)0.3質量部を攪拌混合後、減圧脱泡して、クラッド層形成用樹脂ワニスCV2を得た。
[クラッド層形成用樹脂フィルムCF2の作製]
クラッド層形成用樹脂ワニスCV2を、表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A53、厚み25μm)の離型処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製マルチコーターTM−MC)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製A31、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルム2を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、上部クラッド層形成用樹脂フィルムで70μmとなるように調節した。なお、下部クラッド形成用樹脂フィルムには、実施例1に記載の下部クラッド層形成用樹脂フィルムCF1(厚さ25μm)を用いた。
[光電気複合配線板の作製]
下部クラッド層形成用樹脂フィルムCF1の保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて樹脂側(基材フィルムの反対側)から紫外線(波長365nm)を1J/cm2照射し、次いで80℃で10分間加熱処理することにより、下部クラッド層2を形成した(図1(a))。
続いて、前記ロールラミネータを用い、保護フィルム(ピューレックスA31)を剥がしたコア層形成用樹脂フィルムを、下部クラッド層2上に、圧力0.4MPa、温度50℃、速度0.2m/minの条件で積層した(図1(b))。次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機で紫外線(波長365nm)を0.7J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った(図1(c))。支持フィルム(コスモシャインA1517)を剥がし、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=7/3質量比)を用い、コアパターンを現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテル、次いでイソプロパノールを用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥した(図1(d))。
次に、前記真空加圧式ラミネータを用い、保護フィルム(ピューレックスA31)を剥がした上部クラッド層形成用樹脂フィルムCF2を、コア部及び下部クラッド層上に、圧力0.4MPa、温度80℃、加圧時間30秒の条件で積層した(図1(e))。次いで、上クラッド層7に紫外線(波長365nm)を250mJ/cm2照射し、上部クラッド層7が半硬化のまま、基材8(ピューレックスA53)を剥離し(図1(f))、上部クラッド層7の所定の位置に、フレキシブル電気配線板14(長さ100mm、幅4mm、基材:カプトンEN、25μm、銅回路厚さ:12μm)を、紫外線露光機(株式会社大日本スクリーン製,MAP−1200−L)付随のマスクアライナー機構を利用して位置決めした(図1(g)。続いて、同真空加圧式ラミネータを用い圧力0.4MPa、温度100℃、加圧時間30秒の条件で圧着し、紫外線(波長365nm)を上部クラッド層7に10J/cm2照射後、基材1(ピューレックスA53)を剥がした。その後、クリンオーブン中で180℃、1時間加熱し、光導波路15と電気配線板14を接着した光電気複合配線板16を作製した(図1(h))。
次に、ダイシングソー(株式会社ディスコ製、DAD−341)を用いて、片端に光路変換用45度ミラーを設けた評価用サンプルを作製した(図4)。
比較例1
実施例1において、電気配線板14を光導波路に接着する前に、上部クラッド層7に、紫外線(波長365nm)を10J/cm2照射後、160℃で1時間加熱処理することによって、上部クラッド層7を硬化させた。その後、基材8(ピューレックスA53)を剥がし、厚さ25μmの接着シート17(日立化成ポリマ(株)製、ハイボン10−808)を用いて、電気配線板14を上部クラッド層7に接着(真空加圧ラミネート条件:温度100℃、圧力0.4MPa、加圧時間30秒、硬化条件:温度160℃、時間1時間)した(図5)。これ以外は同様にして、光電気複合配線板を作製した。
ハイボン10−808硬化フィルムの光線透過率を分光光度計(株式会社日立製作所製、型式U−3410)で測定したところ、波長850nmにおいて50%であった。
比較例2
実施例2において、電気配線板14を光導波路に接着する前に、上部クラッド層7に、紫外線(波長365nm)を0.25J/cm2照射後、基材フィルムを剥がし、180℃で1時間加熱処理することによって硬化させた。その後、厚さ25μmの接着シート17(日立化成ポリマ(株)、ハイボン10−808)を用いて、電気配線板14を上部クラッド層7に接着(真空加圧ラミネート条件:温度100℃、圧力0.4MPa、加圧時間30秒、硬化条件:温度160℃、時間1時間)した(図5)。これ以外は同様にして光電気複合基板を作製した。
(光電気複合基板の評価)
各実施例および比較例で作製した光電気複合基板の光損失を、図6に示す方法で測定した。レーザ光源には、波長850nmの面発光レーザ(VCSEL)(EXFO社製、FLS−300−01−VCL)を、受光センサ(PD)に株式会社アドバンテスト製、Q82214を用いた。入射ファイバには、GI−50/125マルチモードファイバ(NA=0.20)、出射ファイバには、SI−114/125(NA=0.22))を用い、片端ミラー構造の光電気複合基板の挿入損失を測定した。表1に、結果を示す。
Figure 2010079058
表1に示すように、本実施例における光損失は、比較例に比べ、約3dBの光損失低減が可能であった。
本発明によれば、従来より製造工程が簡略で生産性に優れ、光電気複合基板の製造方法を提供することができる。本発明の製造方法により得られた光電気複合基板は、薄型化でき、光損失が少ないため、ボード間あるいはボード内における光インターコネクション等の幅広い分野に適用可能である。
本発明の光電気複合基板の製造方法を説明する図である。 本発明の製造方法に用いるクラッド層形成用樹脂フィルムを説明する図である。 本発明の製造方法に用いるコア層形成用樹脂フィルムを説明する図である。 本発明の実施例に記載の光電気複合基板を説明する図である。 比較例に記載の光電気複合基板を説明する図である。 光電気複合基板の光損失の測定方法を示す図である。
符号の説明
1,8;基材
2;下部クラッド層
3;コア層
4;支持体フィルム(コア層形成用)
5;フォトマスク
6;コアパターン
7;上部クラッド層
10;支持体フィルム(クラッド層形成用)
11;電気配線基材
12;電気配線
13;電気絶縁層
14;電気配線板
15;光導波路
16;光電気複合基板
17;接着シート
21;GI50−マルチモード光ファイバ
22;SI114−マルチモード光ファイバ
30;クラッド層形成用樹脂
40;コア層形成用樹脂
50;保護フィルム
200;クラッド層形成用樹脂フィルム
300;コア層形成用樹脂フィルム

Claims (2)

  1. 基材上に形成されたクラッド層形成用樹脂を硬化して下部クラッド層を形成する工程、該下部クラッド層上にコア層形成用樹脂を積層してコア層を形成する工程、該コア層を露光現像してコアパターンを形成する工程、該コアパターンを埋め込むように上部クラッド層形成用樹脂を積層する工程、及び該上部クラッド層形成用樹脂が未硬化又は半硬化の状態で該上部クラッド層形成用樹脂に電気配線板を接合し、その後、該上部クラッド層形成用樹脂を硬化して上部クラッド層を形成する工程を有することを特徴とする光電気複合基板の製造方法。
  2. 下部クラッド層形成用樹脂、コア層形成用樹脂、上部クラッド層形成用樹脂の少なくともいずれか1つの積層方法が、これら形成用樹脂の塗布又はこれら形成用樹脂フィルムのラミネートである請求項1に記載の光電気複合基板の製造方法。
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