JP5433959B2 - 光導波路の製造方法及び該製造方法により得られた光導波路 - Google Patents

光導波路の製造方法及び該製造方法により得られた光導波路 Download PDF

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Description

本発明は、光導波路の製造方法及び光導波路に関し、特に、基材上に感光性樹脂層を形成する工程、所望のパターンを露光する工程、及びアルカリ性現像液を用いて現像する工程を有する光導波路の製造方法及び該製造方法により得られた光導波路に関する。
近年、電子素子間や配線基板間の高速・高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速・高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インタコネクションが検討されている。光の伝送路として加工の容易さ、低コスト、配線の自由度が高く、かつ高密度化が可能な点からポリマー光導波路が注目を集めている。
ポリマー光導波路の形態として、光電気混載基板への適用を想定したガラスエポキシ樹脂基板上に作製するタイプやボード同士の接続を想定した硬い支持基板を持たないフレキシブルタイプが好適と考えられる。
光導波路を簡便かつ高精度に形成する方法の1つとして、露光・現像によりコアパターンを形成する方法が知られている。ここで、露光プロセスは光照射部の感光性樹脂を3次元架橋させて不溶化する工程であり、現像プロセスは未露光部、すなわち未反応部分の感光性樹脂を現像液に溶解させ除去する工程である。
従来、現像液として有機溶剤を用いる方法が知られているが(例えば、特許文献1参照)、現像プロセスの安全性及び環境負荷の観点から、アルカリ性現像液を用いて現像する方法も提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。アルカリ現像プロセスが適用可能な光導波路形成用材料は、アルカリ性現像液に可溶とするために、カルボキシル基、フェノール性ヒドロキシル基などの酸性を示す官能基が導入されている。
そのため、露光により不溶化したコアパターンにおいても、酸性官能基がアルカリ性現像液によって中和されて、塩を形成する。特に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属化合物又は水酸化テトラメチルアンモニウムなどの有機塩基を含んでなるアルカリ性現像液を用いた場合、生成した1価の塩は化学的に不安定になる傾向がある。
不安定な塩が残存したコアパターンは、コアパターン内部が不均一構造となるために高透明性(低光伝搬損失)の観点から好ましくないばかりか、光導波路の信頼性の観点からも好ましくない。
特開昭63−081301号公報 特開平6−258537号公報 特開2003−195079号公報
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、透明性と信頼性に優れた光導波路の製造方法及び該製造方法により製造された光導波路を提供することを目的とするものである。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、基材上に感光性樹脂層を形成する工程、所望のパターンを露光する工程及びアルカリ性現像液を用いて現像する工程に加えて、現像後に酸性水溶液を用いて洗浄する工程を経て光導波路を形成することにより、コアパターン内に残存した不安定な1価の塩を効果的に元の酸性官能基に戻して、前記問題を解決することができることを見出した。
すなわち本発明は、
(1)基材上に、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する工程、所望のパターンを露光する工程、アルカリ性現像液を用いて現像する工程及び酸性水溶液を用いて洗浄する工程を有する光導波路の製造方法、
(2)前記酸性水溶液が、硫酸を含む水溶液である上記(1)記載の光導波路の製造方法、
(3)前記酸性水溶液のpHが、0超〜5である上記(1)又は(2)記載の光導波路の製造方法、
(4)前記アルカリ性現像液が、アルカリ性水溶液である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光導波路の製造方法、
(5)前記アルカリ性現像液が、アルカリ性水溶液と1種類以上の有機溶剤からなるアルカリ性準水系現像液である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光導波路の製造方法、
(6)前記感光性樹脂層が、感光性樹脂組成物を塗布することにより形成したものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光導波路の製造方法、
(7)前記感光性樹脂層が、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂フィルムを積層して形成したものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光導波路の製造方法、
(8)前記感光性樹脂組成物が、カルボキシル基及びフェノール性ヒドロキシル基のうち少なくとも1種を有する化合物を含む樹脂組成物である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の光導波路の製造方法、
(9)前記感光性樹脂組成物が、(A)カルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー、(B)重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含む樹脂組成物である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光導波路の製造方法、
(10)(A)カルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーが、カルボキシル基含有アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーである上記(9)に記載の光導波路の製造方法、
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の製造方法により得られた光導波路、
(12)光伝搬損失が、0.3dB/cm以下である上記(11)記載の光導波路、
(13)温度85℃及び湿度85%の高温高湿放置試験を1000時間実施後の光伝搬損失が、0.3dB/cm以下である上記(11)又は(12)記載の光導波路、
(14)温度−55℃と125℃の間の温度サイクル試験を1000サイクル実施後の光伝搬損失が、0.3dB/cm以下である上記(11)〜(13)のいずれかに記載の光導波路、及び
(15)最高温度265℃のリフロー試験を3回実施後の光伝搬損失が、0.3dB/cm以下である上記(11)〜(14)のいずれかに記載の光導波路、
を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、コアパターン内に残存した不安定な1価の塩を効果的に酸性官能基に戻すことができ、その結果、透明性と信頼性に優れた光導波路を高い生産性で得ることができる。
以下、本発明の光導波路の製造方法及び光導波路について詳しく説明する。
本発明の光導波路の製造方法は、基材上に感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する工程、所望のパターンを露光する工程、アルカリ性現像液を用いて現像する工程、及び酸性水溶液を用いて洗浄する工程を有することを特徴とする。
本発明に用いられる基材としては、特に制限はないが、シリコン基板、ガラス基板、ガラスエポキシ樹脂基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルム等が挙げられる。
基材上に感光性樹脂層を形成する方法として、特に制限はないが、例えば、光導波路形成用感光性樹脂組成物を用いてスピンコート法、ディップコート法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビアコート法、スクリーンコート法、インクジェットコート法等により塗布する方法が挙げられる。
光導波路形成用感光性樹脂組成物が、好適な有機溶剤で希釈された光導波路形成用感光性樹脂ワニスである場合は、必要に応じて樹脂層を形成後に、乾燥する工程を入れてもよい。乾燥方法としては、例えば、加熱乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。また必要に応じてこれらを併用してもよい。
感光性樹脂層を形成するその他の方法として、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂フィルムを用いて積層法により形成する方法が挙げられる。なお、感光性樹脂フィルムは後に詳述するように、通常、支持フィルムの上に感光性樹脂組成物を塗布し、その上に保護フィルムを積層する3層構成のものが好適に用いられる。
生産性に優れた光導波路製造プロセスが提供可能という観点から、上述のような光導波路形成用感光性樹脂フィルムを用いて積層法により製造する方法が好ましい。
以下、光導波路形成用感光性樹脂フィルムを用いて、下部クラッド層、コア部及び上部クラッド層を形成する光導波路の製造方法を例として説明するが、本発明はこれに何ら制限されるものではない。
まず、第1の工程として下部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムを、前記したような基材上に積層する。第1の工程における積層方法として、特に制限はないが、例えば、ロールラミネータ又は平板型ラミネータを用いて加熱しながら圧着することにより積層する方法などが挙げられる。
なお、本発明において、平板型ラミネータとは、積層材料を一対の平板の間に挟み、平板を加圧することにより圧着させるラミネータのことを指し、例えば、真空加圧式ラミネータを好適に用いることができる。
ここでの加熱温度は、20〜130℃であることが好ましく、圧着圧力は、0.1〜1.0MPaであることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。下部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムに保護フィルムが存在する場合には、保護フィルムを除去した後に積層する。
また、真空加圧式ラミネータによる積層の前に、ロールラミネータを用いて、あらかじめ下部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムを基板上に仮貼りしておいてもよい。ここで、密着性及び追従性向上の観点から、圧着しながら仮貼りすることが好ましく、圧着する際、ヒートロールを有するラミネータを用いて加熱しながら行っても良い。
ラミネート温度は、20〜130℃であることが好ましい。20℃以上であれば下部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムと基材との密着性が向上し、130℃以下であれば樹脂層がロールラミネート時に流動しすぎることがなく、必要とする膜厚が得られる。
以上の観点から、ラミネート温度は40〜100℃であることがさらに好ましい。ラミネートに際しての圧力は0.2〜0.9MPaであることが好ましく、ラミネート速度は0.1〜3m/minであることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
基材上に積層された下部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムを光硬化し、下部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムの支持フィルムを除去し、下部クラッド層を形成する。
下部クラッド層を形成する際の活性光線の照射量は、0.1〜5J/cm2とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
また、活性光線が基材を透過する場合、効率的に硬化させるために、両面から同時に活性光線を照射可能な両面露光機を使用することができる。
さらに、加熱をしながら活性光線を照射してもよい。
なお、光硬化後の処理として、必要に応じて、50〜200℃の加熱処理を行ってもよい。
第2の工程として、第1の工程と同様な方法で、下部クラッド層上にコア部形成用感光性樹脂フィルムを積層する。ここで、コア部形成用感光性樹脂フィルムは下部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムより高屈折率であるように設計され、活性光線によりコアパターンを形成し得る感光性樹脂組成物からなることが好ましい。
第3の工程として、コア部(コアパターン)を露光する。コアパターンを露光する方法としては、特に制限はないが、例えば、アートワークと呼ばれるネガマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射する方法、レーザ直接描画を用いてフォトマスクを通さずに直接活性光線を画像上に照射する方法などが挙げられる。
活性光線の光源としては、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀蒸気アークランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ等の紫外線を有効に放射する光源が挙げられる。また他にも写真用フラッド電球、太陽ランプなどの可視光を有効に放射する光源が挙げられる。
コアパターンを露光する際の活性光線の照射量は、0.01〜10J/cm2であることが好ましい。0.01J/cm2以上であれば、硬化反応が十分に進行し、後述する現像工程によりコアパターンが流失することがなく、10J/cm2以下であれば露光量過多によりコアパターンが太ることがなく、微細なコアパターンが形成でき好適である。以上の観点から、0.05〜5J/cm2であることがさらに好ましく、0.1〜3J/cm2であることが特に好ましい。
コアパターンの露光は、コア部形成用感光性樹脂フィルムの支持フィルムを介して行っても、支持フィルムを除去してから行ってもよい。
また、露光後に、コアパターンの解像度及び密着性向上の観点から、必要に応じて露光後加熱を行ってもよい。紫外線照射から露光後加熱までの時間は、10分以内であることが好ましい。10分以内であれば紫外線照射により発生した活性種が失活することがない。露光後加熱の温度は40〜160℃であることが好ましく、時間は30秒〜10分であることが好ましい。
第4の工程として、コア部形成用感光性樹脂フィルムの支持フィルムを介して露光した場合はこれを除去し、アルカリ性現像液を用いて現像する。現像方法として、特に制限はないが、例えば、スプレー法、ディップ法、パドル法、スピン法、ブラッシング法、スクラッピング法等が挙げられる。また必要に応じてこれらの現像方法を併用してもよい。
アルカリ性現像液としては、特に制限はないが、例えば、アルカリ性水溶液、アルカリ性水溶液と1種類以上の有機溶剤からなるアルカリ性準水系現像液などが挙げられる。
前記アルカリ性水溶液の塩基としては、特に制限はないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩;四ホウ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等のナトリウム塩;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどのアンモニウム塩;水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホリン等の有機塩基などが挙げられる。
これらアルカリ性水溶液の塩基は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、現像に用いるアルカリ性水溶液のpHは9〜14であることが好ましく、10〜13であることがさらに好ましい。現像に用いるアルカリ性水溶液の温度は光導波路形成用感光性樹脂層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤等を混入させてもよい。
前記アルカリ性準水系現像液としては、アルカリ性水溶液と1種類以上の有機溶剤からなるものであれば特に制限はない。アルカリ性準水系現像液のpHは、現像が十分にできる範囲でできるだけ小さくすることが好ましく、pH8〜13であることが好ましく、pH9〜12であることがさらに好ましい。
前記有機溶剤として、特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテルなどが挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、有機溶剤の濃度は、通常、2〜90質量%であることが好ましく、アルカリ性準水系現像液の温度は光導波路形成用感光性樹脂層の現像性に合わせて調節される。
また、アルカリ性準水系現像液中には、界面活性剤、消泡剤等を少量混入させてもよい。
第5の工程として、酸性水溶液を用いて洗浄する。洗浄方法として、特に制限はないが、例えば、スプレー法、ディップ法、パドル法、スピン法、ブラッシング法、スクラッピング法等が挙げられる。また必要に応じてこれらの洗浄方法を併用してもよい。
前記酸性水溶液の酸としては特に制限はなく、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、マロン酸、コハク酸等のカルボン酸;乳酸、サリチル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ酸などが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、酸性度が高い、揮発性が低い、酸化力が小さいという観点から硫酸であることが好ましい。
洗浄に用いる酸性水溶液のpHは、0を超え5以下であることが好ましい。0を超えるものであれば、酸性度、腐食性が強すぎることがなく、5以下であれば、コアパターン内に残存した不安定な1価の塩を、元の酸性官能基に効果的に変換することができる。以上の観点から、酸性水溶液のpHは0.1〜4であることがさらに好ましく、0.3〜3であることが特に好ましい。酸性水溶液の温度はpHに合わせて調節される。また酸性水溶液中には、有機溶剤、表面活性剤、消泡剤などを混入させてもよい。
洗浄後の処理としては、必要に応じて水又は水と前記有機溶剤からなる洗浄液を用いてさらに洗浄してもよい。有機溶剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。有機溶剤の濃度は通常、2〜90質量%とすることが好ましく、その温度は光導波路形成用感光性樹脂層の現像性に合わせて調節される。
洗浄後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.1〜1000mJ/cm2程度の露光を行うことによりパターンをさらに硬化してもよい。
第6の工程として、第1及び第2の工程と同様の方法で、下部クラッド層及びコアパターン上に上部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムを積層する。ここで、上部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムは、コア部形成用感光性樹脂フィルムよりも低屈折率になるように設計されている。また、上部クラッド層の厚みは、コアパターンの高さより大きくすることが好ましい。
次いで、第1の工程と同様な方法で上部クラッド層形成用感光性樹脂層(フィルム)を光硬化し、上部クラッド層を形成する。
上部クラッド層を形成する際の活性光線の照射量は、0.1〜30J/cm2とすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
また、活性光線が基材を透過する場合、効率的に硬化させるために、両面から同時に活性光線を照射可能な両面露光機を使用することができる。また、50〜200℃の加熱をしながら活性光線を照射してもよい。なお、光硬化後の処理として、必要に応じて、50〜200℃の加熱処理を行ってもよい。
上部クラッド層を形成後、必要であれば支持フィルムを除去して、光導波路を形成することができる。
以下、本発明に用いられる感光性樹脂組成物について説明する。
感光性樹脂組成物は、所望のパターンを露光後にアルカリ性現像液を用いて現像する観点から、カルボキシル基及びフェノール性ヒドロキシル基のうち少なくとも1種を有する化合物を含む樹脂組成物であることが好ましい。
その中でも、透明性、耐熱性、保存安定性の観点から、(A)カルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー、(B)重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含む光導波路形成用感光性樹脂組成物であることが好ましい。
以下、本発明に用いられる(A)成分について説明する。
(A)成分のカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーとして、特に制限はないが、例えば、下記(1)〜(6)で表されるポリマーなどが挙げられる。
(1)分子中にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物を共重合して得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
(2)分子中にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物の共重合体に、側鎖にエチレン性不飽和基を部分的に導入して得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
(3)分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物の共重合体に、分子中にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ、生成したヒドロキシル基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
(4)エチレン性不飽和基を有する酸無水物と、それ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物の共重合体に、分子中にヒドロキシル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
(5)2官能エポキシ樹脂と、ジカルボン酸又は2官能フェノール化合物の重付加体に、多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
(6)2官能オキセタン化合物と、ジカルボン酸又は2官能フェノール化合物の重付加体のヒドロキシル基に、多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマー。
これらの中で、透明性、アルカリ性現像液への溶解性の観点から、上記(1)〜(4)で表されるカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーであることが好ましい。なお、これらのポリマーは(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリルポリマーである。ここで、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を、(メタ)アクリルポリマーとは、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、及びこれらの誘導体を単量体とし、これを重合してなるポリマーをいう。該(メタ)アクリルポリマーは、上記単量体の単独重合体であってもよいし、また、これらのモノマーの2種以上を重合させた共重合体であってもよい。さらには、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記のモノマーと、必要に応じて(メタ)アクリロイル基以外のエチレン性不飽和基を有する上記以外のモノマーとを含む共重合体であってもよい。また、複数の(メタ)アクリルポリマーの混合物であってもよい。
(A)成分のカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーの重量平均分子量は、1,000〜3,000,000であることが好ましい。1,000以上であれば分子量が大きいため樹脂組成物とした場合の硬化物の強度が十分で、3,000,000以下であれば、アルカリ性水溶液からなる現像液に対する溶解性や(B)重合性化合物との相溶性が良好である。
以上の観点から、(A)成分の重量平均分子量は3,000〜2,000,000とすることがさらに好ましく、5,000〜1,000,000であることが特に好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
(A)成分のカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーは、現像によりパターンを形成する工程において、前記アルカリ性現像液により現像可能となるように酸価を規定することができる。例えば、前記アルカリ性水溶液を用いる場合には、酸価が20〜300mgKOH/gであることが好ましい。
20mgKOH/g以上であれば現像が容易で、300mgKOH/g以下であれば耐現像液性が低下することがない。以上の観点から、酸価は30〜250mgKOH/gであることがさらに好ましく、40〜200mgKOH/gであることが特に好ましい。
なお、耐現像液性とは、現像により除去されずにパターンとなる部分が、現像液によって侵されない性質をいう。
また、アルカリ性水溶液と1種以上の有機溶剤からなるアルカリ性準水系現像液を用いる場合には、酸価が10〜260mgKOH/gであることが好ましい。酸価が10mgKOH/g以上であれば現像が容易で、260mgKOH/g以下であれば耐現像液性が低下することがない。以上の観点から、酸価は20〜250mgKOH/gであることがさらに好ましく、30〜200mgKOH/gであることが特に好ましい。
(A)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、10〜85質量%であることが好ましい。10質量%以上であれば、光導波路形成用感光性樹脂組成物の硬化物の強度や可撓性が十分で、85質量%以下であれば、露光時に(B)成分によって絡め込まれて容易に硬化し、耐現像液性が不足することがない。以上の観点から、(A)成分の配合量は20〜80質量%であることがさらに好ましく、25〜75質量%であることが特に好ましい。
以下、本発明に用いられる(B)成分について説明する。
(B)成分の重合性化合物として、特に制限はなく、例えば、エチレン性不飽和基などの重合性置換基を有する化合物や分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物などが好適に挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリレート、ハロゲン化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルピリジン、ビニルアミド、アリール化ビニルなどが挙げられるが、これらのうち透明性の観点から、(メタ)アクリレートやアリール化ビニルであることが好ましい。(メタ)アクリレートとして、単官能のもの、2官能のもの又は3官能以上の多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、p−クミルフェニル(メタ)アクリレート、o−ビフェニル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−N−カルバゾールなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体などが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、上記脂環式(メタ)アクリレート;上記複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体であることが好ましい。
2官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAFジ(メタ)アクリレート、フルオレン型ジ(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリレート;イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体;ネオペンチルグリコール型エポキシ(メタ)アクリレートなどの脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート;シクロヘキサンジメタノール型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレートなどの脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;レゾルシノール型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシ(メタ)アクリレート、フルオレン型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、上記脂環式(メタ)アクリレート;上記芳香族(メタ)アクリレート;上記複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体;上記脂環式エポキシ(メタ)アクリレート;上記芳香族エポキシ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
3官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限はなく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなどの芳香族エポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、上記複素環式(メタ)アクリレート;これらのエトキシ化体;これらのプロポキシ化体;これらのエトキシ化プロポキシ化体;これらのカプロラクトン変性体;上記芳香族エポキシ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
上述の単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の多官能(メタ)アクリレートは、それぞれ、単独又は2種類以上組み合わせて使用することができる。また、官能基数の異なる(メタ)アクリレートを組み合わせて用いることもできる。さらにその他の重合性化合物と組み合わせて使用することもできる。
また、前記(メタ)アクリレート以外に好ましい(B)重合性化合物として、(A)カルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーとの相溶性の観点から、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物を含むものも挙げられる。
具体的には、ヒドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂などの2官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添2,2’−ビフェノール型エポキシ樹脂、水添4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂などの水添2官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−クレゾール型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂などの3官能以上の多官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ポリエチレングリコール型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコール型エポキシ樹脂、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂、1,6−ヘキサンジオール型エポキシ樹脂などの2官能脂肪族アルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;シクロヘキサンジオール型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリシクロデカンジメタノール型エポキシ樹脂などの2官能脂環式アルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、グリセリン型エポキシ樹脂などの3官能以上の多官能脂肪族アルコールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フタル酸ジグリシジルエステルなどの2官能芳香族グリシジルエステル;テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなどの2官能脂環式グリシジルエステル;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトリフルオロメチルアニリンなどの2官能芳香族グリシジルアミン;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,o−トリグリシジル−p−アミノフェノールなどの3官能以上の多官能芳香族グリシジルアミン;アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシドなどの2官能脂環式エポキシ樹脂;2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加体などの3官能以上の多官能脂環式エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレートなどの3官能以上の多官能複素環式エポキシ樹脂;オルガノポリシロキサン型エポキシ樹脂などのケイ素含有2官能又は3官能以上の多官能エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、透明性及び耐熱性の観点から、上記2官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記水添2官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記3官能以上の多官能フェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記2官能脂環式アルコールグリシジルエーテルフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記2官能芳香族グリシジルエステルフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記2官能脂環式グリシジルエステルフェノールグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記2官能脂環式エポキシ樹脂;上記多官能脂環式エポキシ樹脂;上記多官能複素環式エポキシ樹脂;上記2官能又は多官能ケイ素含有エポキシ樹脂であることが好ましい。
以上の化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができ、さらにその他の重合性化合物と組み合わせて使用することもできる。
(B)成分の重合性化合物の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量に対して、15〜90質量%であることが好ましい。15質量%以上であれば、(A)成分のカルボキシル基含有アルカリ可溶性ポリマーを絡みこんで硬化することが容易で、耐現像液性が不足することがなく、90質量%以下であれば、硬化フィルムのフィルム強度や可撓性が十分である。以上の観点から、(B)成分の配合量は20〜80質量%であることがさらに好ましく、25〜75質量%であることが特に好ましい。
以下、本発明に用いられる(C)成分について説明する。
(C)成分の光重合開始剤として、紫外線などの活性光線の照射によって重合を開始させるものであれば特に制限はなく、例えば、(B)成分の重合性化合物としてエチレン性不飽和基を有する化合物を用いる場合、光ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのベンゾインケタール;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オンなどのα−ヒドロキシケトン;フェニルグリオキシル酸メチル、フェニルグリオキシル酸エチル、オキシフェニル酢酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、オキシフェニル酢酸2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ)エチルなどのグリオキシエステル;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)−ブタン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−(4−モルフォリン)−2−イルプロパン−1−オンなどのα−アミノケトン;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ),2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)などのオキシムエステル;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などの2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノンなどのキノン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタールなどのベンジル化合物;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニルヘプタン)などのアクリジン化合物:N−フェニルグリシン、クマリンなどが挙げられる。
また、前記2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体において、2つのトリアリールイミダゾール部位のアリール基の置換基は、同一で対称な化合物を与えてもよく、相違して非対称な化合物を与えてもよい。
これらの中で、硬化性、透明性、及び耐熱性の観点から、上記α−ヒドロキシケトン;上記グリオキシエステル;上記オキシムエステル;上記ホスフィンオキシドであることが好ましい。
以上の光ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。さらに、適切な増感剤と組み合わせて用いることもできる。
また、(B)成分の重合性化合物としてエポキシ樹脂を用いる場合、(C)成分の光重合開始剤として、光カチオン重合開始剤などが挙げられる。
光カチオン重合開始剤として、例えばp−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのアリールジアゾニウム塩;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムペンタフルオロヒドロキシアンチモネート等のトリアリールスルホニウム塩;トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルセレノニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロアンチモネート等のトリアリールセレノニウム塩;ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のジアルキルフェナシルスルホニウム塩;4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のジアルキル−4−ヒドロキシ塩;α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトン、β−スルホニロキシケトン等のスルホン酸エステルなどが挙げられる。
これらの中で、硬化性、透明性、及び耐熱性の観点から、上記トリアリールスルホニウム塩であることが好ましい。これらの熱及び光カチオン重合開始剤は、単独で又は2種類以上組み合わせて用いることができる。さらに適切な増感剤と組み合わせて用いることもできる。
(C)成分の重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。0.1質量部以上であれば、硬化が十分であり、10質量部以下であれば十分な光透過性が得られる。以上の観点から、(C)成分の配合量は0.3〜7質量部であることがさらに好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。
また、この他に必要に応じて、本発明に用いられる光導波路形成用感光性樹脂組成物中には、酸化防止剤、黄変防止剤、紫外線吸収剤、可視光吸収剤、着色剤、可塑剤、安定剤、充填剤などのいわゆる添加剤を添加してもよい。
以下、本発明に用いられる光導波路形成用感光性樹脂組成物について説明する。
本発明に用いられる光導波路形成用感光性樹脂組成物は、好適な有機溶剤を用いて希釈し、光導波路形成用感光性樹脂ワニスとして使用してもよい。ここで用いる有機溶剤として、該樹脂組成物を溶解しえるものであれば特に制限はなく、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、p−シメン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコールアルキルエーテルアセテート;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミドなどが挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、樹脂ワニス中の固形分濃度は、通常20〜80質量%であることが好ましい。
光導波路形成用感光性樹脂ワニスを調合する際は、撹拌により混合することが好ましい。撹拌方法には特に制限はないが、撹拌効率の観点からプロペラを用いた撹拌が好ましい。撹拌する際のプロペラの回転速度には特に制限はないが、10〜1,000min-1であることが好ましい。10min-1以上であれば、(A)〜(C)成分及び有機溶剤のそれぞれの成分が十分に混合され、1,000min-1以下であればプロペラの回転による気泡の巻き込みが少なくなる。以上の観点から50〜800min-1であることがさらに好ましく、100〜500min-1であることが特に好ましい。
撹拌時間には特に制限はないが、1〜24時間であることが好ましい。1時間以上であれば、(A)〜(C)成分、および有機溶剤のそれぞれの成分が十分に混合され、24時間以下であれば、ワニス調合時間が短く、高い生産性が得られる。
調合した光導波路形成用感光性樹脂ワニスは、孔径50μm以下のフィルタを用いて濾過するのが好ましい。孔径50μm以下であれば、大きな異物などが除去されて、ワニス塗布時にはじきなどを生じることがなく、またコア部を伝搬する光の散乱が抑制される。以上の観点から、孔径30μm以下のフィルタを用いて濾過するのがさらに好ましく、孔径10μm以下のフィルタを用いて濾過するのが特に好ましい。
調合した光導波路形成用感光性樹脂ワニスは、減圧下で脱泡することが好ましい。脱泡方法には、特に制限はないが、例えば、真空ポンプとベルジャー、真空装置付き脱泡装置を用いる方法が挙げられる。減圧時の圧力には特に制限はないが、樹脂ワニスに含まれる有機溶剤が沸騰しない圧力が好ましい。
また、減圧脱泡時間には特に制限はないが、3〜60分であることが好ましい。3分以上であれば、樹脂ワニス内に溶解した気泡を取り除くことができ、60分以下であれば、樹脂ワニスに含まれる有機溶剤が揮発することがない。
以下、本発明に用いられる光導波路形成用感光性樹脂フィルムについて説明する。
本発明に用いられる光導波路形成用感光性樹脂フィルムは、前記光導波路形成用感光性樹脂組成物からなり、前記(A)〜(C)成分を含有する光導波路形成用感光性樹脂ワニスを好適な支持フィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。また光導波路形成用感光性樹脂組成物を直接支持フィルムに塗布して製造してもよい。
支持フィルムとして、特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホン、液晶ポリマー等が挙げられる。
これらの中で、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルホンであることが好ましい。
さらに、露光用活性光線の透過率向上及びコアパターンの側壁荒れ低減の観点から、高透明タイプな支持フィルムを用いることがさらに好ましい。このような高透明タイプな支持フィルムとして、東洋紡績株式会社製コスモシャインA1517、コスモシャインA4100が挙げられる。
なお、樹脂層との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物などにより離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。
支持フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、3〜250μmであることが好ましい。3μm以上であればフィルム強度が十分であり、250μm以下であれば十分な柔軟性が得られる。以上の観点から、5〜200μmであることがさらに好ましく、7〜150μmであることが特に好ましい。
その中でも、コア部形成用感光性樹脂フィルムに用いられる支持フィルムの厚みは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であれば、支持体としての強度が十分であり、50μm以下であれば、コアパターン形成時にフォトマスクとコア部形成用感光性樹脂組成物層のギャップが大きくならず、パターン形成性が良好である。以上の観点から、コア部形成用感光性樹脂フィルムに用いられる支持フィルムの厚みは10〜40μmであることがさらに好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
支持フィルム上に光導波路形成用感光性樹脂ワニス又は光導波路形成用感光性樹脂組成物を塗布して製造した感光性樹脂フィルムは、必要に応じて保護フィルムを樹脂層上に貼り付け、支持フィルム、樹脂層及び保護フィルムからなる3層構造としてもよい。
保護フィルムとしては、特に制限はないが、柔軟性及び強靭性の観点から、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなどが好適に挙げられる。
なお、樹脂層との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、含フッ素化合物などにより離型処理が施されたフィルムを必要に応じて用いてもよい。保護フィルムの厚みは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、10〜250μmであることが好ましい。10μm以上であればフィルム強度が十分であり、250μm以下であれば十分な柔軟性が得られる。以上の観点から、15〜200μmであることがさらに好ましく、20〜150μmであることが特に好ましい。
本発明に用いられる光導波路形成用感光性樹脂フィルムの樹脂層の厚みについては特に制限はないが、乾燥後の厚みで、通常は5〜500μmであることが好ましい。5μm以上であれば、厚みが十分であるため樹脂フィルム又は樹脂フィルムの硬化物の強度が十分であり、500μm以下であれば、乾燥が十分に行えるため樹脂フィルム中の残留溶媒量が増えることなく、樹脂フィルムの硬化物を加熱したときに発泡することがない。
このようにして得られた光導波路形成用感光性樹脂フィルムは、例えばロール状に巻き取ることによって容易に保存することができる。又はロール状のフィルムを好適なサイズに切り出して、シート状にして保存することもできる。
以下、本発明の製造方法により形成した光導波路について説明する。
本発明の製造方法により形成した光導波路において、光伝搬損失は0.3dB/cm以下であることが好ましい。0.3dB/cm以下であれば、光の損失が小さくなり、伝送信号の強度が十分である。以上の観点から0.2dB/cm以下であることがさらに好ましい。
本発明の製造方法により形成した光導波路において、温度85℃、湿度85%の高温高湿放置試験を1000時間実施後の光伝搬損失が、0.3dB/cm以下であることが好ましい。0.3dB/cm以下であれば、光の損失が小さくなり、伝送信号の強度が十分である。なお、温度85℃、湿度85%の高温高湿放置試験とはJPCA規格(JPCA−PE02−05−01S)に準じた条件で実施する高温高湿放置試験のことを意味する。
本発明の製造方法により形成した光導波路において、温度−55℃と125℃の間の温度サイクル試験を1000サイクル実施後の光伝搬損失が、0.3dB/cm以下であることが好ましい。0.3dB/cm以下であれば、光の損失が小さくなり、伝送信号の強度が十分である。なお、温度−55℃と125℃の間の温度サイクル試験とはJPCA規格(JPCA−PE02−05−01S)に準じた条件で実施する温度サイクル試験のことを意味する。
本発明の製造方法により形成した光導波路において、最高温度265℃のリフロー試験を3回実施後の光伝搬損失は、0.3dB/cm以下であることが好ましい。0.3dB/cm以下であれば、光の損失が小さくなり、伝送信号の強度が十分であれば同時に、リフロープロセスによる部品実装が行えるために、適用範囲が広くなる。なお、最高温度265℃のリフロー試験とはJEDEC規格(JEDEC JESD22A113E)に準じた条件で実施する鉛フリーはんだリフロー試験のことを意味する。
本発明の製造方法により形成した光導波路は、耐熱性及び透明性に優れているために光モジュールの光伝送路として用いてもよい。光モジュールの形態として、例えば光導波路の両端に光ファイバを接続した光ファイバ付き光導波路、光導波路の両端にコネクタを接続したコネクタ付き光導波路、光導波路とプリント配線板と複合化した光電気複合基板、光導波路と光信号と電気信号を相互に変換する光/電気変換素子を組み合わせた光電気変換モジュール、光導波路と波長分割フィルタを組み合わせた波長合分波器などが挙げられる。
なお、光電気複合基板において、複合化するプリント配線板として、特に制限はなくガラスエポキシ基板などのリジッド基板、ポリイミド基板などのフレキシブル基板のどちらを用いてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
製造例1
[カルボキシル基含有アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーP−1の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97質量部及び乳酸メチル24質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。
液温を80℃に上昇させ、N−シクロヘキシルマレイミド18質量部、ジシクロペンタニルメタクリレート43質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート53質量部、メタクリル酸20質量部、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65質量部及び乳酸メチル16質量部の混合物を3時間かけて滴下後、80℃で3時間撹拌し、さらに120℃で1時間撹拌を続けて、室温まで冷却した。
続いて、ジブチルスズジラウリレート0.07質量部及びp−メトキシフェノール0.2質量部を加え、空気を導入しながら撹拌を行った。液温を60℃に上昇させ、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート31質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47質量部の混合物を30分かけて滴下後、60℃で4時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(P−1溶液(固形分40質量%)を得た。
[酸価の測定]
P−1の酸価を測定した結果、60mgKOH/gであった。なお、酸価はP−1溶液を中和するのに要した0.1mol/L水酸化カリウム水溶液量から算出した。このとき、指示薬として添加したフェノールフタレインが無色からピンク色に変色した点を中和点とした。
[重量平均分子量の測定]
P−1の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)をGPC(東ソー株式会社製、商品名SD−8022/DP−8020/RI−8020)を用いて測定した結果、31,000であった。なお、カラムは日立化成工業株式会社製、商品名Gelpack GL−A150−S/GL−A160−Sを使用した。
製造例2
[カルボキシル基含有アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーP−2の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート97質量部及び乳酸メチル24質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。
液温を80℃に上昇させ、N−シクロヘキシルマレイミド18質量部、ベンジルメタクリレート43質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート53質量部、メタクリル酸20質量部、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65質量部及び乳酸メチル16質量部の混合物を3時間かけて滴下後、80℃で3時間撹拌し、さらに120℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマーP−2溶液(固形分40質量%)を得た。
製造例1と同様な方法で、P−2の酸価及び重量平均分子量を測定した結果、それぞれ96mgKOH/g及び29,000であった。
製造例3
[カルボキシル基含有アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーP−3の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと及び温度計を備えたフラスコに、上記P−2溶液(固形分40質量%)150質量部(固形分60質量部)、ジブチルスズジラウリレート0.04質量部、p−メトキシフェノール0.1質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート21質量部を秤量し、空気を導入しながら撹拌を行った。
液温を60℃に上昇させ、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート14質量部を30分かけて滴下後、60℃で4時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマーP−3溶液(固形分40質量%)を得た。
製造例1と同様な方法で、P−3の酸価及び重量平均分子量を測定した結果、それぞれ58mgKOH/g及び30,000であった。
製造例4
[カルボキシル基含有アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーP−4の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60質量部及び乳酸メチル60質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。
液温を80℃に上昇させ、N−シクロヘキシルマレイミド18質量部、ベンジルメタクリレート61質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート18質量部、メタクリル酸37質量部、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部及び乳酸メチル40質量部の混合物を3時間かけて滴下後、80℃で3時間撹拌し、さらに120℃で1時間撹拌を続けて、室温まで冷却した。
続いて、グリシジルメタクリレート28質量部、p−メトキシフェノール0.2質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート43質量部を加え、空気を導入しながら撹拌を行った。液温を80℃に上昇させ、トリフェニルホスフィン0.7質量部を加えた後、80℃で1時間撹拌し、さらに100℃で24時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマーP−4溶液(固形分40質量%)を得た。
製造例1と同様な方法で、P−4の酸価及び重量平均分子量を測定した結果、それぞれ80mgKOH/g及び31,000であった。
製造例5
[カルボキシル基含有アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーP−5の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート94質量部及び乳酸メチル40質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。
液温を80℃に上昇させ、N−シクロヘキシルマレイミド20質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート76質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート25質量部、メタクリル酸27質量部、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)0.8質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート63質量部及び乳酸メチル27質量部の混合物を3時間かけて滴下後、80℃で3時間撹拌し、さらに120℃で1時間撹拌を続けて、室温まで冷却した。
続いて、グリシジルメタクリレート21質量部、p−メトキシフェノール0.3質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート32質量部を加え、空気を導入しながら撹拌を行った。液温を80℃に上昇させ、トリフェニルホスフィン0.7質量部を加えた後、80℃で1時間撹拌し、さらに100℃で24時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマーP−5溶液(固形分40質量%)を得た。
製造例1と同様な方法で、P−5の酸価及び重量平均分子量を測定した結果、それぞれ56mgKOH/g及び47,000であった。
実施例1
[コア部形成用感光性樹脂ワニスCOV−1の調合]
(A)カルボキシル基含有アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーとして、前記P−1溶液(固形分40質量%)150質量部(固形分60質量部)、(B)重合性化合物として、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−BPE−10)20質量部、p−クミルフェノキシエチルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−CMP−1E)20質量部及び(C)重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名イルガキュア2959)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名イルガキュア819)1質量部を広口ポリ瓶に秤量し、撹拌機を用いて、温度25℃、回転数400rpmの条件で、6時間撹拌して、コア部形成用感光性樹脂ワニスを調合した。
その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製、商品名PF020)及び孔径0.5μmのメンブレンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製、商品名J050A)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過した。続いて、真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡し、コア部形成用感光性樹脂ワニスCOV−1を得た。
[コア部形成用感光性樹脂フィルムCOF−1の作製]
前記コア部形成用感光性樹脂ワニスCOV−1を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名A1517、厚み16μm)の非処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製マルチコーターTM−MC)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名A31、厚み25μm)を貼付け、コア部形成用感光性樹脂フィルムCOF−1を得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、50μmとなるように調節した。
[クラッド層形成用感光性樹脂ワニスCLV−1の調合]
(A)カルボキシル基含有アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマーとして、前記P−1溶液(固形分40質量%)150質量部(固形分60質量部)、(B)重合性化合物として、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−9300)20質量部、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−CHD−4E)20質量部及び(C)重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名イルガキュア2959)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名イルガキュア819)1質量部を広口ポリ瓶に秤量し、撹拌機を用いて、温度25℃、回転数400min-1の条件で、6時間撹拌して、クラッド層形成用感光性樹脂ワニスを調合した。
その後、孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製、商品名PF020)及び孔径0.5μmのメンブレンフィルタ(アドバンテック東洋株式会社製、商品名J050A)を用いて、温度25℃、圧力0.4MPaの条件で加圧濾過した。続いて、真空ポンプ及びベルジャーを用いて減圧度50mmHgの条件で15分間減圧脱泡し、クラッド層形成用感光性樹脂ワニスCLV−1を得た。
[クラッド層形成用感光性樹脂フィルムCLF−1の作製]
前記クラッド層形成用感光性樹脂ワニスCLV−1を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名A1517、厚み16μm)の非処理面上に塗工機(株式会社ヒラノテクシード製、商品名マルチコーターTM−MC)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥し、次いで保護フィルムとして離型ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名A31、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用感光性樹脂フィルムCLF−1を得た。
このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であるが、本実施例では硬化後の膜厚が、下部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムでは30μm、上部クラッド形成用感光性樹脂フィルムでは80μmとなるように調節した。
[光導波路の作製]
ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、商品名HLM−1500)を用いて、保護フィルム(A31)を除去した下部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムCLF−1を、FR−4基板(日立化成工業株式会社製、商品名E−679FB)上に、圧力0.4MPa、温度80℃、速度0.4m/minの条件で積層した。さらに、真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、商品名MVLP−500/600)を用いて、圧力0.5MPa、温度80℃及び加圧時間30秒の条件で圧着した。
次に、紫外線露光機(大日本スクリーン株式会社製、商品名MAP−1200−L)を用いて、紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm2照射後、支持フィルム(A1517)を除去し、下部クラッド層を形成した。
続いて、前記ロールラミネータを用いて、保護フィルム(A31)を除去したコア部形成用感光性樹脂フィルムCOF−1を、下部クラッド層上に、圧力0.4MPa、温度80℃、速度0.4m/minの条件で積層した。さらに、前記真空加圧式ラミネータを用いて、圧力0.5MPa、温度80℃及び加圧時間30秒の条件で圧着した。
次いで、幅50μmのネガ型フォトマスクを介し、前記紫外線露光機を用いて、紫外線(波長365nm)を200mJ/cm2照射して、コア部(コアパターン)を露光した。80℃で5分間露光後加熱を行った後、支持フィルム(A1517)を除去し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像した。続いて、0.3質量%硫酸水溶液(pH=1)を用いて洗浄した後、さらに純水を用いて洗浄し、100℃で1時間加熱乾燥した。
次に、前記真空加圧式ラミネータを用いて、保護フィルム(A31)を除去した上部クラッド層形成用感光性樹脂フィルムCLF−1を、コアパターン及び下部クラッド層上に、圧力0.5MPa、温度80℃及び加圧時間30秒の条件で積層した。
紫外線(波長365nm)を2000mJ/cm2照射し、支持フィルム(A1517)を除去した後、130℃で1時間加熱処理することによって、上部クラッド層を形成し、ガラスエポキシ樹脂基板付き光導波路を得た。その後、ダイシングソー(株式会社ディスコ製、商品名DAD−341)を用いて、導波路長10cmの光導波路を切り出した。
実施例2〜8及び比較例1〜4
表1に示す配合比に従ってコア部形成用感光性樹脂ワニスCOV−2〜4を調合した。また、表2に示す配合比に従ってクラッド層形成用感光性樹脂ワニスCLV−2〜4を調合した。実施例1と同様な方法で、コア部形成用感光性樹脂フィルムCOF−2〜4及びクラッド層形成用感光性樹脂フィルムCLF−2〜4を作製した。
これらの光導波路形成用感光性樹脂フィルムを用いて、アルカリ性現像液として表3に示したアルカリ性現像液を用いる以外は実施例1と同様な方法で、光導波路を作製した。光導波路の作製に用いたコア部形成用感光性樹脂フィルム及びクラッド層形成用感光性樹脂フィルムの組合せ並びに光導波路の製造方法を表3に示す。
なお、比較例1〜4では、現像後の酸洗浄を行わずに光導波路を作製した。
Figure 0005433959
*1:製造例1で作製した(メタ)アクリルポリマー溶液
*2:製造例2で作製した(メタ)アクリルポリマー溶液
*3:製造例3で作製した(メタ)アクリルポリマー溶液
*4:製造例4で作製した(メタ)アクリルポリマー溶液
*5:エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*6:エトキシ化フルオレン型ジアクリレート(大阪ガスケミカル株式会社製)
*7:p−クミルフェノキシエチルアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*8:2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*9:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
*10:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
Figure 0005433959
*1:製造例1で作製した(メタ)アクリルポリマー溶液
*11:製造例5で作製した(メタ)アクリルポリマー溶液
*12:エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*13:水添ビスフェノールA型エポキシアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*14:エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製)
*15:エトキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート(東亞合成株式会社製)
*9:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
*10:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
Figure 0005433959
[光伝搬損失の測定]
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた光導波路(導波路長10cm)の光伝搬損失を、光源に波長850nmの光を中心波長とするVCSEL(EXFO社製、商品名FLS−300−01−VCL)、受光センサ(株式会社アドバンテスト製、商品名Q82214)、入射ファイバ(GI−50/125マルチモードファイバ、NA=0.20)及び出射ファイバ(SI−114/125、NA=0.22)を用いて、カットバック法(測定導波路長10、5、3、2cm)により測定し、以下の基準で評価した。
○:0.3dB/cm以下
×:0.3dB/cmより大きい
[高温高湿試験]
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた(導波路長10cm)を、高温高湿試験機(エスペック株式会社製、商品名PL−2KT)を用いて、JPCA規格(JPCA−PE02−05−01S)に準じた条件で温度85℃、湿度85%の高温高湿放置試験を1000時間実施した。
高温高湿試験実施後の光導波路の光伝搬損失を、前記と同様の光源、受光素子、入射ファイバ及び出射ファイバを用いて測定し、以下の基準で評価した。
○:0.3dB/cm以下
×:0.3dB/cmより大きい
[温度サイクル試験]
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた(導波路長10cm)を、温度サイクル試験機(楠本化成株式会社製、商品名ETAC WINTECH NT1010)を用いて、JPCA規格(JPCA−PE02−05−01S)に準じた条件で温度−55℃と125℃の間の温度サイクル試験を1000サイクル実施した。詳細な温度サイクル試験条件を表4に示す。
Figure 0005433959
温度サイクル試験実施後の光導波路の光伝搬損失を前記と同様の光源、受光素子、入射ファイバ及び出射ファイバを用いて測定し、以下の基準で評価した。
○:0.3dB/cm以下
×:0.3dB/cmより大きい
[リフロー試験]
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られた(導波路長10cm)を、リフロー試験機(古河電気工業株式会社製、商品名サラマンダXNA−645PC)を用いて、IPC/JEDEC J−STD−020Bに準じた条件で最高温度265℃のリフロー試験を3回実施した。詳細なリフロー条件を表5、リフロー炉内の温度プロファイルを図1に示す。
Figure 0005433959
リフロー試験実施後の光導波路の光伝搬損失を前記と同様の光源、受光素子、入射ファイバ及び出射ファイバを用いて測定し、以下の基準で評価した。
○:0.3dB/cm以下
×:0.3dB/cmより大きい
以上の光伝搬損失の測定結果を表6に示す。
Figure 0005433959
表6に示されるように、本発明になる光導波路の製造方法により形成した光導波路は、透明性と信頼性に優れていることが明らかである。一方、本発明に属さない光導波路の製造方法により、すなわち現像後に酸洗浄を行わずに形成した光導波路は、透明性と信頼性に劣っていることが明らかである。
本発明の製造方法を用いることで、コアパターン内に残存した不安定な1価の塩を効果的に酸性官能基に戻すことができ、その結果、透明性と信頼性に優れた光導波路を高い生産性で得ることができる。
本発明で実施したリフロー試験におけるリフロー炉内の温度プロファイルを示すグラフである。

Claims (8)

  1. 基材上に、(A)カルボキシル基含有アルカリ可溶性(メタ)アクリルポリマー、(B)重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を形成する工程、所望のパターンを露光する工程、アルカリ性現像液を用いて現像する工程及び酸性水溶液を用いて洗浄する工程を有する光導波路の製造方法。
  2. 前記酸性水溶液が、硫酸を含む水溶液である請求項1記載の光導波路の製造方法。
  3. 前記酸性水溶液のpHが、0超〜5である請求項1又は2記載の光導波路の製造方法。
  4. 前記アルカリ性現像液が、アルカリ性水溶液である請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  5. 前記アルカリ性現像液が、アルカリ性水溶液と1種類以上の有機溶剤からなるアルカリ性準水系現像液である請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  6. 前記感光性樹脂層が、感光性樹脂組成物を塗布することにより形成したものである請求項1〜5のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  7. 前記感光性樹脂層が、感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂フィルムを積層して形成したものである請求項1〜5のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
  8. 前記感光性樹脂組成物が、カルボキシル基及びフェノール性ヒドロキシル基のうち少なくとも1種を有する化合物を含む樹脂組成物である請求項1〜7のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
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