JP5376836B2 - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乗員の前方の左側において膨張する左半側エアバッグ及び右側において膨張する右半側エアバッグを有するツイン型エアバッグを備えた助手席用エアバッグ装置に関する。特に、本発明は、この助手席用エアバッグ装置において、膨張しつつあるエアバッグの展開形状を規制するための展開規制シートを備えた助手席用エアバッグ装置に関する。
i) 助手席用エアバッグ装置は、ダッシュボードの内部に配置されるリテーナと、該リテーナ内に配置されたエアバッグ折畳体と、該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、該リテーナを閉蓋するリッドとを備えている。
このエアバッグとして、該リテーナに連結された基端室と、該基端室に連なり、乗員前方の左側において車体後方へ膨張する左半側エアバッグと、該基端室に連なり、乗員前方の右側において車体後方へ膨張する右半側エアバッグとを有したツイン型エアバッグがある(例えば特開2004−244005号)。
このツイン型エアバッグを備えた助手席用エアバッグ装置にあっては、インフレータがガス噴出作動すると、このインフレータからのガスが基端室に供給され、まず該基端室が膨張する。次いで、この基端室から左半側エアバッグと右半側エアバッグとにそれぞれガスが流入し、乗員前方の左側及び右側においてそれぞれ該左半側エアバッグ及び右半側エアバッグが車体後方へ膨張する。
ii) 膨張しつつあるエアバッグの展開形状を規制するための展開規制シートを備えた助手席用エアバッグ装置が特許第3406277号に記載されている。
同号特許では、折り畳んだエアバッグとリッドの内面との間に、所定長さの帯状の展開規制シートが設けられている。この展開規制シートは、その一端側がリテーナの後縁に連結されており、該エアバッグ折畳体に被さっている。
エアバッグの膨張時には、該展開規制シートが膨張途中のエアバッグの車体後方側部分に沿って延在する。そして、この展開規制シートとエアバッグの車体後方側との間に摩擦が生じ、この摩擦により、エアバッグは車体前方側が先に展開し、車体後方側が遅れて展開するようになる。
特開2004−244005号 特許第3406277号
本発明は、左半側エアバッグ及び右半側エアバッグを有するツイン型エアバッグを備えた助手席用エアバッグ装置において、エアバッグ膨張時の該エアバッグの車体後方への突出速度を小さくすることを目的とする。
本発明(請求項1)の助手席用エアバッグ装置は、ダッシュボードの内部に配置されるリテーナと、該リテーナ内に配置されたエアバッグ折畳体と、該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、該リテーナを閉蓋するリッドとを備え、該エアバッグは、乗員前方の左側において膨張する左半側エアバッグと、乗員前方の右側において膨張する右半側エアバッグとを有する助手席用エアバッグ装置において、一端側が該リテーナの底面又は車体後方側部分、あるいは、エアバッグの膨張時の車体後方側且つ膨張方向の基端側部分に連結され、該一端側よりも他端側の少なくとも一部が該エアバッグ折畳体に重なって該エアバッグ折畳体の車体後方側から車体前方側に延在し、該エアバッグ折畳体と前記リッドとの間に介在しており、エアバッグ膨張時には、膨張途中の該エアバッグの車体後方側に沿って延在する展開規制シートを備えており、該展開規制シートは、該エアバッグの膨張時には、該展開規制シートの該一端側よりも他端側の部分が前記左半側エアバッグと右半側エアバッグとの間の凹所に沿って延在し、該左半側エアバッグの車体後方側と右半側エアバッグの車体後方側とに跨って延在するものであり、該展開規制シートの該一端側以外の部分は、該エアバッグに対し非連結となっており、該エアバッグ折畳体を保形するための保形シートが該展開規制シートに連結されて設けられており、該保形シートは、該エアバッグの膨張圧によって保形を解除する保形解除部を備えており、該保形シートは、一端側が該展開規制シートに連結され、他端側が前記リテーナの車体前方側部分に連結され、該一端側と他端側との間の途中部が該展開規制シートの前記リッド側を引き回されており、該保形シートの該一端側の該展開規制シートへの連結位置は、該展開規制シートの前記一端側の該リテーナ又はエアバッグへの連結位置から該展開規制シートの前記他端側に離隔しており、該保形シートの該一端側の端部は、該展開規制シートの該一端側の該リテーナ又はエアバッグへの連結位置から該展開規制シートの該他端側に離隔しており、該保形シートの該一端側は、該展開規制シートを介して該リテーナ又はエアバッグの車体後方側部分に連結されていることを特徴とするものである。
本発明(請求項2)の助手席用エアバッグ装置は、ダッシュボードの内部に配置されるリテーナと、該リテーナ内に配置されたエアバッグ折畳体と、該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、該リテーナを閉蓋するリッドとを備え、該エアバッグは、乗員前方の左側において膨張する左半側エアバッグと、乗員前方の右側において膨張する右半側エアバッグとを有する助手席用エアバッグ装置において、一端側が該リテーナの底面又は車体後方側部分、あるいは、エアバッグの膨張時の車体後方側且つ膨張方向の基端側部分に連結され、他端側が該リテーナの車体前方側部分に連結され、該一端側と他端側との間の少なくとも一部が該エアバッグ折畳体に重なって該エアバッグ折畳体の車体後方側から車体前方側に延在し、該エアバッグ折畳体と前記リッドとの間に介在しており、該他端側の近傍箇所に破断予定部が設けられており、該エアバッグが展開するときに加えられる張力によって該破断予定部に沿って破断し、該破断予定部から該一端側と他端側とに分離するように構成されており、エアバッグ膨張時には、該破断予定部から該一端側が、膨張途中の該エアバッグの車体後方側に沿って延在する展開規制シートを備えており、該展開規制シートは、該エアバッグの膨張時には、該展開規制シートの該一端側よりも該破断予定部側の部分が前記左半側エアバッグと右半側エアバッグとの間の凹所に沿って延在し、該左半側エアバッグの車体後方側と右半側エアバッグの車体後方側とに跨って延在するものであり、該展開規制シートの該一端側及び他端側以外の部分は、該エアバッグに対し非連結となっており、該エアバッグ折畳体を保形するための保形シートが該展開規制シートに連結されて設けられており、該保形シートは、該エアバッグの膨張圧によって保形を解除する保形解除部を備えており、該保形シートは、一端側が該展開規制シートに連結され、他端側が前記リテーナの車体前方側部分に連結され、該一端側と他端側との間の途中部が該展開規制シートの前記リッド側を引き回されており、該保形シートの該一端側の該展開規制シートへの連結位置は、該展開規制シートの前記一端側の該リテーナ又はエアバッグへの連結位置から該展開規制シートの前記他端側に離隔しており、該保形シートの該一端側の端部は、該展開規制シートの該一端側の該リテーナ又はエアバッグへの連結位置から該展開規制シートの該他端側に離隔しており、該保形シートの該一端側は、該展開規制シートを介して該リテーナ又はエアバッグの車体後方側部分に連結されていることを特徴とするものである。
本発明(請求項3)の助手席用エアバッグ装置は、ダッシュボードの内部に配置されるリテーナと、該リテーナ内に配置されたエアバッグ折畳体と、該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、該リテーナを閉蓋するリッドとを備え、該エアバッグは、乗員前方の左側において膨張する左半側エアバッグと、乗員前方の右側において膨張する右半側エアバッグとを有する助手席用エアバッグ装置において、一端側が該リテーナ又はエアバッグに連結され、少なくとも一部が該エアバッグ折畳体に重なって該エアバッグ折畳体の車体後方側から車体前方側に延在し、該エアバッグ折畳体と前記リッドとの間に介在しており、エアバッグ膨張時には、膨張途中の該エアバッグの車体後方側に沿って延在する展開規制シートを備えており、該展開規制シートは、該エアバッグの膨張時には、前記左半側エアバッグと右半側エアバッグとの間の凹所に沿って延在し、該左半側エアバッグの車体後方側と右半側エアバッグの車体後方側とに跨って延在するものであり、該エアバッグは、膨張した状態における該左半側エアバッグと右半側エアバッグとの対向面の車体前後方向の途中部同士を連結した連結部を有しており、該連結部よりもエアバッグの基端側には、該左半側エアバッグと右半側エアバッグとの間を通ってエアバッグの車体前方側と車体後方側とを連通する連通部が存在しており、該展開規制シートは、一端側が前記リテーナ又はエアバッグの車体前方側に連結されており、他端側が該連通部を通って該エアバッグの車体後方側に引き回されていることを特徴とするものである。
請求項の助手席用エアバッグ装置は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記展開規制シートは、前記エアバッグの膨張時には、その左右幅方向の中間部が前記左半側エアバッグと右半側エアバッグとの中間に位置し、該展開規制シートの該中間部よりも左半側と右半側とがそれぞれ略等幅にわたって該左半側エアバッグの車体後方側と右半側エアバッグの車体後方側とに対面するように配設されていることを特徴とするものである。
請求項の助手席用エアバッグ装置は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記展開規制シートは、前記エアバッグの膨張時には、前記左半側エアバッグと右半側エアバッグとの中間位置から該左半側エアバッグ側及び右半側エアバッグ側にそれぞれ50〜200mmの範囲にわたって延在することを特徴とするものである。
請求項の助手席用エアバッグ装置は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記保形解除部は、該保形シートに対して加えられる張力が所定以上となったときに破断する破断予定部であることを特徴とするものである。
請求項の助手席用エアバッグ装置は、請求項1ないしのいずれか1項において、基端側が前記リテーナの車体後方側部分又は展開規制シートに連結され、先端側が前記エアバッグ折畳体に挟み込まれている第2の展開規制シートを備えたことを特徴とするものである。
本発明の助手席用エアバッグ装置にあっては、膨張途中のエアバッグの車体後方側に沿って延在する展開規制シートが設けられている。従って、エアバッグの膨張時には、膨張途中のエアバッグの車体後方側と、これらに沿って延在する展開規制シートとの間に摩擦が生じ、この摩擦により、該エアバッグの車体後方への突出速度が小さくなる。
本発明では、膨張しつつあるエアバッグの左半側エアバッグと右半側エアバッグとの間に凹部が形成される。展開規制シートが本発明のようにこの凹部に沿って延在することにより、展開規制シートがエアバッグの左方又は右方にずれることが防止される。このため、膨張しつつある左半側エアバッグ及び右半側エアバッグのいずれも車体後方への突出速度が小さいものとなる。
このエアバッグが膨張した場合、左半側エアバッグが乗員の左胸を受け止め、右半側エアバッグが乗員の右胸を受け止める。この左右の胸には硬くて強い肋骨が存在する。即ち、このエアバッグは、この肋骨を介して乗員受け止める。右半側エアバッグと左半側エアバッグとの中間領域は、乗員の頭部及び胸中央の胸骨付近に対峙する。従って、乗員がエアバッグに接触した際に、乗員の頭部及び胸中央の胸骨付近は、エアバッグからそれ程大きな反力を受けず、この頭部及び胸骨付近への負担が小さい。
請求項1,2の態様では、展開規制シートは、一端側がリテーナ又はエアバッグの車体後方側に連結されている。この場合、展開規制シートは、該エアバッグの基端側からエアバッグの車体後方側に沿って延在するようになるため、該エアバッグの車体後方への突出速度を効果的に抑制することができる。
請求項の態様にあっては、この展開規制シートの他端側がさらにリテーナの車体前方側に連結されている。そのため、エアバッグ膨張時には、展開規制シートがその最大展開形状をとるまでエアバッグの膨張が進行してきた段階で、それ以上の膨張が展開規制シートによって一時的に拘束される。その後、エアバッグの膨張圧によって展開規制シートに生じる張力が破断予定部の破断強度以上になると、該破断予定部が破断し、エアバッグがさらに大きく膨張する。この展開規制シートの拘束及び破断により、エアバッグの初期膨張速度が抑制される。
また、展開規制シートは、この破断予定部に十分な張力が生じるまで展開する最大展開形状となった後に、該破断予定部において破断する。このように、展開規制シートがその最大展開形状をとった後に破断することにより生じた展開規制シートの残片は、一端側がリテーナに連結され、他端側が自由端となったものであり、その後のエアバッグの膨張過程において該エアバッグの車体後方側に沿って延在し、本来の展開規制シートと同様の役割を果す。
この破断直前の展開規制シートは、その最大展開形状となっており、破断によって生じる展開規制シートの残片は、最大展開形状に倣った規定形状のものとなる。
請求項の態様では、展開規制シートは、一端側がリテーナ又はエアバッグの車体前方側に連結され、連通部を通って該エアバッグの車体後方側に引き回されている。
従って、エアバッグの膨張初期段階においては、この展開規制シートと連通部との間に摩擦力が生じるため、該エアバッグの膨張速度が小さくなる。これにより、エアバッグの膨張初期にエアバッグがリテーナから突出する速度が小さくなる。また、展開規制シートが連通部に挿通されているため、展開規制シートがエアバッグの左方又は右方にずれることが防止される。
本発明では、エアバッグ折畳体を保形するための保形シートが設けられている。エアバッグが膨張を開始すると、この保形シートに対してエアバッグの膨張圧が加えられ、保形解除部が保形を解除する。この保形シートが保形を解除するまでエアバッグが保形シートで拘束されるので、エアバッグの膨張初期にエアバッグがリテーナから突出する速度が小さくなる。
請求項の態様にあっては、保形シートに対して加えられるエアバッグの膨張圧によって該保形シートに張力が生じるが、この張力が所定以上になると、保形シートが破断して保形が解除される。この保形シートの破断によってエアバッグの膨張エネルギーの一部が消費され、エアバッグの膨張初期における膨張速度が小さくなる。
本発明のように、保形シートの一端側を展開規制シートに連結すると、保形シートの該一端側をリテーナに直に連結する場合に比べて保形シートの長さが短くて足りるようになる。保形シートを短くすることにより、その分だけシートの材料コストの削減、パッケージボリュームの削減、エアバッグ装置の重量削減等を図ることができる。
請求項の態様にあっては、第2の展開規制シートがエアバッグの初期膨張速度を抑制する。すなわち、第2の展開規制シートの基端側がリテーナ又は展開規制シートに連結され、先端側がエアバッグに挟まれているため、エアバッグ折畳体が膨張しようとしたときに、この第2の展開規制シートの先端側とエアバッグ折畳体との間に摩擦が生じ、この摩擦によってエアバッグの膨張速度が抑制される。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
第1図は実施の形態に係る助手席用エアバッグ装置のエアバッグの斜視図、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図、第3図はこのエアバッグを備えた助手席用エアバッグ装置の模式的な縦断面図、第4図はこの助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図、第5,6図は、それぞれエアバッグ膨張初期段階及び途中段階における第4図と同様部分の縦断面図、第7図は第6図の段階におけるエアバッグの斜視図、第8図は第6図の段階におけるエアバッグの上面図、第9図はエアバッグ膨張完了時における第4図と同様部分の断面図である。
以下の説明において、前後方向は、この助手席用エアバッグ装置が設置された車体の前後方向と一致する。また、左右方向は、助手席に着座した乗員から見た左右方向と一致する。
この助手席用エアバッグ装置10は、自動車の助手席前方のダッシュボード1の内部に配置される上開容器状のリテーナ11と、該リテーナ11内に収容されたエアバッグ20の折畳体と、該エアバッグ20を膨張させるためのインフレータ13と、エアバッグ20の膨張途中において該エアバッグ20の車体後方側部分の展開を規制するための展開規制シート14と、該エアバッグ20の折畳体を保形するための保形シート15等を備えている。
第4図の通り、この実施の形態では、ダッシュボード1の上面のうちリテーナ11を覆う部分は、エアバッグ20が膨張したときにこのエアバッグ20の膨張圧により開裂して車室内へ開き出すように構成されたドア部2となっている。符号2aは、このドア部2の開裂を誘導する、凹溝よりなるテアラインを示している。即ち、この実施の形態では、該ドア部2がリテーナ11を閉蓋するリッドに相当し、このリッドがダッシュボード1と一体に設けられた構成となっている。なお、本発明においては、リッドはダッシュボード1と別体に設けられてもよい。
ドア部2の周囲からは、下方へ向って周壁状の脚片3が立設されている。リテーナ11は、この脚片3の内側に嵌め込まれるようにして設置され、フック(図示略)等によりこの脚片3に係止される。
エアバッグ20は、乗員前方の右側において膨張する右半側エアバッグ22と、乗員前方の左側において膨張する左半側エアバッグ24と、該右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体前方側に連通する基端室26とを有している。
このエアバッグ20が膨張した状態にあっては、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との車体後方側の端部同士の間にタイパネルなどの架渡部材は存在せず、両バッグ22,24の該車体後方側の端部同士の間に、乗員に向って(即ち、第1図及び第2図において右方に向って)開放する空間部23が形成される。
このエアバッグ20が膨張完了した状態にあっては、右半側エアバッグ22の車体後方側の最先端部と左半側エアバッグ24の車体後方側の最先端部との間隔は150〜450mm特に170〜430mmであることが好ましい。
第9図の通り、エアバッグ20は、ドア部2を押し開けて車室内に膨らみ出し、基端室26と右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体前方側とがダッシュボード1の上面とウィンドシールド4との間の空間を埋めるように展開すると共に、右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24のそれよりも車体後方側がそれぞれ後方及び下方へ張り出して助手席前方空間を埋めるように展開する膨張形態を有している。
基端室26の底面にはガス導入口26a(第2図)が設けられている。このガス導入口26aの周縁部がインフレータ13と共に押えプレート16によりリテーナ11の底面に連結されている。
この実施の形態では、インフレータ13は円柱状のものであり、その軸心線方向を車体幅方向としてリテーナ11内に配置されている。リテーナ11の底面には、このインフレータ13の下側の略半周分が嵌合する略半円筒状の凹部11a(第3図)が設けられている。
押えプレート16は、インフレータ13の軸心線方向の両端側の外周面にそれぞれ上方から被着される1対の略C字形のバンド部(符号略)と、該バンド部の両端部同士を連結しており、且つ該バンド部の両端からそれぞれリテーナ11の底面に沿うように前方及び後方へ延出したフランジ部(符号略)と、各フランジ部からそれぞれ下方へ突設されたスタッドボルト16aとを備えている。基端室26の底面のガス導入口26aの前縁部及び後縁部には、それぞれこのスタッドボルト16aが挿通されるボルト挿通孔(符号略)が設けられている。
前記展開規制シート14は、所定長さの帯状のシートよりなる。この実施の形態では、該展開規制シート14の一端側(以下、基端側ということがある。)は、エアバッグ20の基端室26の車体後方側に連結されている。この展開規制シート14の基端室26への連結位置は、ガス導入口26aの後縁から該基端室26の外面に沿って車体後方側へ300mm以上、特に400〜550mmの範囲内に位置していることが好ましい。本発明においては、展開規制シート14の該基端側は、リテーナ11の底面又は周壁部の車体後方側部分に連結されていてもよい。
なお、エアバッグ20は、基布を縫い合わせて袋状としたものである。この実施の形態では、基端室26の外面のうちガス導入口26aよりも若干後方側の位置に、基布同士を縫合した縫合部17が存在している。第2,3図の符号Sは、この基布同士を縫合した縫糸等よりなるシームを示している。該縫合部17は車体幅方向に延在している。
この実施の形態では、展開規制シート14は、エアバッグ20の縫製時に、その基端側が該縫合部17の基布同士に重ね合わされ、この基布同士と一体的にシームSによって縫合されることにより、エアバッグ20に連結されている。ただし、展開規制シート14のエアバッグ20への連結方法はこれに限定されない。
この実施の形態では、該展開規制シート14の他端側(以下、先端側ということがある。)は自由端となっている。
この展開規制シート14の基端室26への連結部(縫合部17)から該他端までの長さL(図示略)は、ドア部2の車体前後方向の中間付近からその鉛直上方のウィンドシールド4までの距離L(第4図)よりも大となっている。
この実施の形態では、第2図に示すように、展開規制シート14のうち、エアバッグ20の膨張時においてドア部2から車室内側に展開せずにダッシュボード1の裏側に残る部分(以下、この部分をダッシュボード裏側残留部という。)14rの幅は、リテーナ11内の車体幅方向の幅又はエアバッグ20の折畳体の車体幅方向の幅と略同等となっている。
この実施の形態では、展開規制シート14のうち該ダッシュボード裏側残留部14rよりも先端側の、エアバッグ20の膨張時においてドア部2から車室内側に広がり出す部分(以下、この部分を車室内展開部という。)14tの幅は、該ダッシュボード裏側残留部14rの幅よりも大となっている。この車室内展開部14tの幅は、100mm以上、特に160〜300mmであることが好ましい。
なお、本発明においては、該ダッシュボード裏側残留部14rの方が車室内展開部14tよりも幅が大きいものとされてもよい。
この実施の形態では、第2,7,8図の通り、該展開規制シート14は、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との車体後方側に跨って延在するものである。本発明においては、この展開規制シート14の車室内展開部14tは、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との中間位置C(第2図)から該右半側エアバッグ22側及び左半側エアバッグ24側にそれぞれ50〜200mm、特に80〜150mmの範囲にわたって延在するものであることが好ましい。
第2図の通り、この実施の形態では、展開規制シート14は、その幅方向の中間部が右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との中間位置C付近に位置し、それよりも右半側と左半側とがそれぞれ略等幅にわたって右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24とに対面するように配設されている。なお、展開規制シート14のうち右半側エアバッグ22に対面する部分の幅と左半側エアバッグ24に対面する部分の幅とが異なるように、展開規制シート14を該右半側エアバッグ22側又は左半側エアバッグ24側にずらして配設してもよい。
この実施の形態では、前記保形シート15も帯状のシートよりなる。
この実施の形態では、該保形シート15は、長手方向を展開規制シート14と略平行方向として該展開規制シート14のエアバッグ20と反対側に配置され、その一端側(以下、基端側ということがある。)が該展開規制シート14の長手方向の途中部に連結されている。なお、この実施の形態では、該保形シート15の基端側は、展開規制シート14のダッシュボード裏側残留部14rの途中部に連結されている。符号18は、この保形シート15の基端側の展開規制シート14への連結部を示している。この実施の形態では、該保形シート15の基端側は、縫糸等よりなるシームS(第3図)によって該展開規制シート14に縫い付けられている。該シームSは、保形シート15に所定以上の張力が作用しても破断しない強度を有している。なお、保形シート15の展開規制シート14への連結方法はこれに限定されない。
即ち、この実施の形態では、保形シート15の基端側は、展開規制シート14を介してエアバッグ20の基端室26の車体後方側に連結されている。本発明においては、展開規制シート14を基端室26に連結した縫合部17から保形シート15の該展開規制シート14への連結部18までの距離L(第3図)は10〜110mm、特に20〜60mmであることが好ましい。
このように保形シート15の基端側を展開規制シート14の途中部に連結することにより、保形シート15の該基端側をエアバッグ20の基端室26又はリテーナ11に直に連結する場合に比べ、少なくともこの距離L分だけ保形シート15の長さが短くて足りる。このように保形シート15を短くすると、その分だけ保形シート15の材料コストの削減、エアバッグ20の折畳体のパッケージボリュームの削減、助手席用エアバッグ装置10の重量削減等を図ることができる。
この実施の形態では、保形シート15の長手方向の途中部に、保形解除部としての破断予定部15aが設けられている。この実施の形態では、該破断予定部15aは、保形シート15をその幅方向に横切るように延設されたミシン目状のスリットよりなる。保形シート15は、その長手方向に所定以上の張力が作用したときには、この破断予定部15aに沿って破断し、この破断予定部15aから前記一端側と他端側とに分離して保形を解除するよう構成されている。
なお、保形シート15の破断予定部の構成はこれに限定されない。例えば、破断予定部として保形シート15にミシン目状のスリット等を設ける代わりに、この保形シート15と展開規制シート14とを連結したシームSを、所定以上の張力にて破断する低強度のシーム(いわゆるテアシーム)とし、保形シート15に所定以上の張力が作用したときにこのシームSが破断して保形シート15が展開規制シート14から分離することにより、保形が解除されるよう構成してもよい。
この保形シート15の他端側(以下、先端側ということがある。)には、押えプレート16のスタッドボルト16aが挿通されるボルト挿通孔(符号略)が設けられている。
エアバッグ20の折り畳みから保形までの手順は次の通りである。
この実施の形態では、エアバッグ20の折り畳みに先立ち、ガス導入口26aを介して基端室26内に押えプレート16を配置しておく。そして、この押えプレート16の各スタッドボルト16aを基端室26の底面の各ボルト挿通孔に挿通してエアバッグ20外に延出させると共に、この押えプレート16のフランジ部をガス導入口26aの周縁部に重ねる。
次に、第3図の通り、エアバッグ20を塊状となるように折り畳んで押えプレート16の上側に載置する。
この実施の形態では、エアバッグ20を以下の手順にて折り畳んでいる。即ち、まず、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24とを、各々の左右の側面同士を重ね合わせるようにして平たく展延させる。次に、該右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24とを、それぞれ、上下方向の幅が小さくなるように折り畳み、次いで前後方向の長さが小さくなるように折り畳む。その後、これらの右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の折畳体をそれぞれ基端室26上に載置する。これにより、第3図の如き塊状のエアバッグ折畳体が得られる。ただし、エアバッグ20の折り畳み方法はこれに限定されない。
なお、この実施の形態では、第3図の通り、エアバッグ20の全体をジグザグ折り(葛折り)により折り畳んでいるが、ロール折りなどの、ジグザグ折り以外の折り畳み方法により折り畳んでもよい。また、複数の折り畳み方法を組み合わせてエアバッグ20を折り畳んでもよい。
次に、第3図の通り、このエアバッグ20の折畳体の車体後方側に沿って展開規制シート14を上方へ引き回し、次いで、エアバッグ20の折畳体の上側に沿って前方へ引き回す。そして、この展開規制シート14のうちエアバッグ20の折畳体の上側に引き回された部分を塊状となるように折り畳み、該エアバッグ20の折畳体の上側に載置する。
なお、この実施の形態では、保形シート15の該展開規制シート14への連結部18は、該展開規制シート14のうち、このエアバッグ20の折畳体の車体後方側に沿って上方へ引き回された部分の上端付近に位置している。
この実施の形態では、エアバッグ20の折畳体の上側に引き回された展開規制シート14のうち、その先端側の略半分と、該連結部18側の略半分とを、それぞれジグザグ状に折り畳み、エアバッグ20の折畳体の上側に前後に位置を異ならせて載置している。なお、展開規制シート14の折り畳み方法及び展開規制シート14の折畳体の配置はこれに限定されない。
次に、保形シート15を展開規制シート14の折畳体の上側からエアバッグ20の折畳体の前側へ掛け回し、その先端側を該エアバッグ20の折畳体の下側へ回り込ませ、該先端側のボルト挿通孔に押えプレート16の前側のスタッドボルト16aを挿通して該スタッドボルト16aに掛止する。
これにより、エアバッグ20の折畳体及び展開規制シート14の折畳体が保形シート15によって一体的に保形されたものとなる。
リテーナ11の底面の凹部11aにインフレータ13を嵌合させ、その上から押えプレート16が被さるように、保形シート15によって保形されたエアバッグ20の折畳体をリテーナ11内に配置する。そして、各スタッドボルト16aをリテーナ11の底面のボルト挿通孔(符号略)に挿通し、各スタッドボルト16aにリテーナ11の下側からナット19を締め付ける。これにより、押えプレート16がリテーナ11の底面に固定されると共に、この押えプレート16とリテーナ11の底面との間に、基端室26の底面のガス導入口26aの周縁部、保形シート15の先端側及びインフレータ13が一体的に挟持固定され、第3図に示す助手席用エアバッグ装置10が構成される。
次に、この助手席用エアバッグ装置10の作動について説明する。
この助手席用エアバッグ装置10を塔載した自動車が衝突すると、インフレータ13が作動し、インフレータ13からエアバッグ20内にガスが供給される。そして、このインフレータ13からのガスによりエアバッグ20が膨張を開始し、該エアバッグ20がドア部2を押し開けて車室内に膨らみ出す。
このエアバッグ20の膨張開始時には、エアバッグ20の折畳体は保形シート15によって保形されている。エアバッグ20が膨張を開始すると、この保形シート15に対しエアバッグ20の膨張圧が加えられ、保形シート15に張力が生じる。そして、この張力が所定以上になると、第5図のように、保形シート15が破断予定部15aに沿って破断してエアバッグ20の保形が解除され、エアバッグ20がドア部2を通って車室内に膨らみ出す。
このように、保形シート15が保形を解除するまでエアバッグ20の膨張が拘束されており、しかも保形シート15の破断予定部15aを破断させるのにエアバッグ20の膨張エネルギーの一部が消費されることにより、このエアバッグ20の膨張初期における膨張速度が小さくなる。
エアバッグ20は、まずインフレータ13から基端室26内にガスが供給されて基端室26が膨張し、次いで、この基端室26から右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24とにそれぞれガスが流入して該右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24が膨張する。
このとき、展開規制シート14は、第6図のように、基端室26と右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体前方側とがダッシュボード1の上面とウィンドシールド4との間の空間を埋めるように上方へ膨張するのに伴い、これらに引きずられるようにして上方へ展開し、第6,7図の通り、膨張途中の右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側に沿って延在するようになる。これにより、この展開規制シート14と右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側面との間に摩擦力が作用し、該右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の後方即ち助手席側への突出速度が小さくなる。また、展開規制シート14は、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との間の凹部に沿って延在するため、エアバッグ20の左方又は右方へずれることが防止される。
その後、右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24内が十分に昇圧すると、第9図のように、該右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側が展開規制シート14を押し退けて後方及び下方へ張り出すように膨張し、エアバッグ20の膨張が完了する。
この膨張したエアバッグ20は、右半側エアバッグ22が乗員の右胸を受け止め、左半側エアバッグ24が乗員の左胸を受け止める。この左右の胸には硬くて強い肋骨が存在する。即ち、エアバッグ20は、この肋骨を介して乗員を受け止める。該右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との間には、乗員側へ開放した空間部23が形成されている。乗員の頭部及び胸中央の胸骨付近はこの空間部23に対峙する。従って、乗員がエアバッグ20に接触した際に、乗員の頭部及び胸中央の胸骨付近は、エアバッグ20からそれ程大きな反力を受けず、この頭部及び胸骨付近への負担が小さい。
以上の通り、この助手席用エアバッグ装置10にあっては、展開規制シート14により右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の膨張途中時の車体後方側への突出速度が小さくなる。そのため、例えば、乗員がダッシュボード1に凭れ掛かるなどしてドア部2の近くに位置したアウトオブポジションの状況でエアバッグ20が膨張を開始し、膨張途中の右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24に乗員が接触した場合でも、この右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24から乗員に加えられる衝撃が小さなものとなる。また、上述の通り、展開規制シート14は、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との間の凹部に沿って延在するので、エアバッグ20の左方又は右方へずれることが防止される。
この実施の形態では、上記の通り、保形シート15が保形を解除するまでエアバッグ20の膨張が拘束されており、しかも保形シート15の破断予定部15aを破断させるのにエアバッグ20の膨張力の一部が消費されるので、このエアバッグ20の膨張初期における膨張速度が小さくなる。これにより、アウトオブポジション時におけるエアバッグ20と乗員との接触時の衝撃緩和効果が向上する。
この実施の形態では、該展開規制シート14は、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との中間位置Cから該右半側エアバッグ22側及び左半側エアバッグ24側にそれぞれ80〜150mmの範囲にわたって延在するものとなっている。
この領域は、エアバッグ20の膨張時には、乗員の頭部や胸中央の胸骨付近に対面する領域である。そのため、この領域の車体後方への突出速度が展開規制シート14との間の摩擦力によって減速されることにより、アウトオブポジションの状況で乗員が膨張途中のエアバッグ20に接触した場合でも、この乗員の頭部や胸中央の胸骨付近がエアバッグ20によってソフトに受け止められるようになる。
この際、エアバッグ20の車体後方側のうち、展開規制シート14が重なっていない左右両サイドの部分は、車体後方への突出速度が展開規制シート14によって減速されないため、速やかに車体後方へ突出するようになる。そのため、第8図のように、右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の膨張途中時においては、エアバッグ20の車体後方側は、全体として、その左右方向の中間領域が前方へ凹み、左右両サイドがそれよりも後方へ突出した形状となる。これにより、乗員が該中間領域の凹みに入り込むようにしてエアバッグ20によって拘束されるようになるため、エアバッグ20の乗員拘束効果が高い。
なお、第8図の二点鎖線は、右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の膨張完了時を示している。
第10図は別の実施の形態に係る助手席用エアバック装置のエアバッグの斜視図、第11図は第10図のXI−XI線に沿う断面図、第12図は第11図のXII−XII線に沿う断面図である。
この実施の形態におけるエアバッグ20Aは、膨張した状態における右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との対向面の前後方向の途中部同士を連結した連結部27を有している。
第11図の通り、この実施の形態では、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との対向面にそれぞれ開口28が設けられており、これらの開口28の周縁部同士を縫糸等よりなるシームSによって縫合することにより、該右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との対向面同士が連結されている。即ち、この実施の形態では、右半側エアバッグ22内と左半側エアバッグ24内とは、該連結部27において、これらの開口28を介して相互に連通している。なお、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との連結方法は、これに限定されない。
第12図の通り、この連結部27(シームS)は、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との間の股部に臨む基端室26の上側面から離隔して設けられており、この連結部27と基端室26との間には、該右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との間を通ってエアバッグ20の車体前方側と車体後方側とを連通する連通部29が存在している。
なお、第12図の通り、この実施の形態では、基端室26の上側面は、車体後方側ほど下位となる傾斜面となっており、連結部27(シームS)のうちこの基端室26の上側面と対向する部分は、この基端室26の上側面と略平行に延在している。そのため、連通部29は、該基端室26の上側面に沿って延在したトンネル状のものとなっている。
第12図に示すように、この実施の形態では、展開規制シート14Aは、その一端側(以下基端側ということがある。)が基端室26の車体前方側に連結され、他端側(以下、先端側ということがある。)が連通部29を通ってエアバッグ20Aの車体後方側に引き回されている。この展開規制シート14Aの先端側は自由端となっている。符号S’は、この展開規制シート14Aの基端側を基端室26の車体前方側の外面に縫着した縫糸等よりなるシームを示している。なお、展開規制シート14Aの基端室26の車体前方側への連結方法はこれに限定されない。また、図示は省略するが、本発明においては、展開規制シート14Aの基端側はリテーナ11の底面又は周壁部の車体前方側に連結されてもよい。
以下、この展開規制シート14Aのうち、基端室26への連結部(シームS’)から連通部29に引き通された部分までを基端側展開規制部14kといい、それよりも先端側を先端側展開規制部14sという。第12図の通り、該基端側展開規制部14kは基端室26の車体前方側及び上側に沿って延在し、先端側展開規制部14sは右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側に沿って延在する。
第11図に示すように、この実施の形態でも、展開規制シート14Aの先端側展開規制部14sは、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との車体後方側に跨って延在するものであり、右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との中間位置Cから該右半側エアバッグ22側及び左半側エアバッグ24側にそれぞれ好ましくは50〜200mm、特に好ましくは80〜150mmの範囲にわたって延在するように配設されている。
なお、この実施の形態でも、該先端側展開規制部14sは、その幅方向の中間部が右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との中間位置C付近に位置し、それよりも右半側と左半側とがそれぞれ略等幅にわたって右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24とに対面するように配設されているが、該先端側展開規制部14sのうち右半側エアバッグ22に対面する部分の幅と左半側エアバッグ24に対面する部分の幅とが異なるように、該先端側展開規制部14sを右半側エアバッグ22側又は左半側エアバッグ24側にずらして配設してもよい。
この先端側展開規制部14sの長さは、前述の実施の形態の展開規制シート14と同様、ドア部2の車体前後方向の中間付近からその鉛直上方のウィンドシールド4までの距離L(第4図参照)よりも大きい。
この実施の形態では、基端側展開規制部14kは、先端側展開規制部14sよりも幅が小さいものとされているが、基端側展開規制部14kの方が先端側展開規制部14sよりも幅広となるように構成されてもよい。この基端側展開規制部14kは、基端室26の車体前方側に沿う部分と上側に沿う部分とで幅が異なっていてもよい。
この展開規制シート14Aが連結されたエアバッグ20Aを折り畳む場合には、該展開規制シート14Aのうち基端側展開規制部14kを基端室26の車体前方側及び上側に重ね合わせた状態で、該基端側展開規制部14kとエアバッグ20Aとを一体的に折り畳み、次いで展開規制シート14Aの先端側展開規制部14sを折り畳んでエアバッグ20Aの折畳体の上に載置する。その後、これらのエアバッグ20Aと展開規制シート14Aとの折畳体を一体的に保形シート15(図示略)で保形する。なお、エアバッグ20A及び展開規制シート14Aの折り畳み方法は、特定の折り畳み方法に限定されない。
この実施の形態のその他の構成は、前述の第1〜9図の実施の形態と同様であり、第10〜12図において第1〜9図と同一符号は同一部分を示している。
このエアバッグ20A及び展開規制シート14Aを備えた助手席用エアバック装置の作動は次の通りである。
自動車が衝突すると、インフレータ13が作動してエアバッグ20Aが膨張を開始する。
図示は省略するが、この実施の形態でも、エアバッグ20Aの膨張開始時には、エアバッグ20Aの折畳体は保形シート15によって保形されている。エアバッグ20A膨張を開始すると、この保形シート15に対しエアバッグ20Aの膨張圧が加えられ、保形シート15に張力が生じる。そして、この張力が所定以上になると、前述の実施の形態の第5図と同様に、保形シート15が破断予定部15aに沿って破断してエアバッグ20Aの保形が解除され、エアバッグ20Aがドア部2を通って車室内に膨らみ出す。
このエアバッグ20Aが膨張する場合、まずインフレータ13から基端室26内にガスが供給されて基端室26が膨張を開始する。この実施の形態では、展開規制シート14Aが連通部29に挿通され、該基端室26の車体前方側及び上側に沿って展開規制シート14Aの基端側展開規制部14kが延在している。そのため、この基端室26の車体前方側及び上側と基端側展開規制部14kとの間に摩擦力が生じ、この摩擦力により基端室26の膨張速度が小さくなる。
このように、この実施の形態では、保形シート15が保形を解除するまでエアバッグ20Aの膨張が拘束されており、しかも保形シート15の破断予定部15aを破断させるのにエアバッグ20Aの膨張力の一部が消費されるので、このエアバッグ20Aの膨張初期における膨張速度が小さくなる。また、展開規制シート14Aの基端側展開規制部14kと基端室26の車体前方側及び上側との間の摩擦力によって該基端室26の膨張速度が小さくなる。これにより、エアバッグ20Aの膨張初期に該エアバッグ20Aがドア部2から突出する速度が抑制される。
また、展開規制シート14Aが連通部29に挿通されているので、展開規制シート14Aがエアバッグ20Aの左方又は右方へずれることが防止される。
その後、基端室26と右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体前方側とがダッシュボード1の上面とウィンドシールド4との間の空間を埋めるように上方へ膨張するのに伴い、これらに引きずられるようにして展開規制シート14Aの先端側展開規制部14sが上方へ展開し、膨張途中の右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側に沿って延在するようになる。そのため、該右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側と該先端側展開規制部14sとの間に摩擦力が生じ、該右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方への突出速度が小さくなる。即ち、この先端側展開規制部14sにより、前述の実施の形態の展開規制シート14と同様の作用効果が奏される。
この実施の形態でも、展開規制シート14Aが右半側エアバッグ22と左半側エアバッグ24との間の凹部に沿って延在するので、展開規制シート14Aがエアバッグ20Aの左方又は右方へずれることが防止される。
第13図は展開規制シートの別の構成例を示す斜視図、第14図は第13図のXIV−XIV線に沿う断面図である。
この実施の形態では、前述の第1〜9図の実施の形態における展開規制シート14の略2倍の長さを有する長尺帯状シートにより展開規制シート14Bが構成されている。この長尺帯状シートは、その長手方向の中間付近で2つ折りされ、該長手方向の両端部同士が重ね合わされることにより、展開規制シート14Bとされている。この長尺帯状シートを2つ折りした後の展開規制シート14Bの幅及び長さ並びに形状は、第1〜9図の実施の形態における展開規制シート14と略同一となっている。
この展開規制シート14Bは、該長尺帯状シートの折り目側を先端側として右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側に沿うように配置され、該長尺帯状シートの両端部同士がシームSにより一体的に基端室26の車体後方側に縫着されている。
この実施の形態のその他の構成及び好ましい寸法等は第1〜9図の実施の形態と同様であり、第13,14図において第1〜9図と同一符号は同一部分を示している。
この展開規制シート14Bを備えた助手席用エアバック装置の作動も、第1〜9図の助手席用エアバック装置10と同様である。
この実施の形態にあっては、展開規制シート14Bは、長尺帯状シートが2つ折りされたものであり、重量が大きいため、該展開規制シート14Bと膨張途中の右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側との間に生じる摩擦力も大きなものとなる。これにより、該右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方への突出速度の減速効果が大きい。
なお、この展開規制シート14Bは、右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側にのみ沿う第1〜9図の展開規制シート14の変形例であるが、基端側が基端室26の車体前方側に連結され、先端側が該基端室26の上側の連通部29を通って右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側に引き回される第10〜12図の展開規制シート14Aも、これと同様に、長尺帯状シートを2つ折りすることにより構成してもよい。
第15図は展開規制シートの参考例を示すエアバッグの水平断面図である。
この参考例では、右半側エアバッグ22に沿う展開規制シート14Rと、左半側エアバッグ24に沿う展開規制シート14Lとが別々に設けられている。この展開規制シート14R,14Lは、前述の第1〜9図の実施の形態における展開規制シート14を略二等分した如き左右対称の形状となっているが、右側の展開規制シート14Rと左側の展開規制シート14Lとで幅及び長さ等が異なっていてもよい。
この参考例のその他の構成は第1〜9図の実施の形態と同様である。
このように右半側エアバッグ22に沿う展開規制シート14Rと左半側エアバッグ24に沿う展開規制シート14Lとを別々に設けることにより、該右半側エアバッグ22の車体後方への突出速度と左半側エアバッグ24の車体後方への突出速度とを個別に調整することが可能となる。
なお、この参考例も、第1〜9図の実施の形態の変形例であるが、第10〜12図の実施の形態においても、展開規制シート14Aを右半側エアバッグ22に沿う部分と左半側エアバッグ24に沿う部分とに分割した如き展開規制シート14R,14Lが設けられる参考例も考えられる
第16図は別の実施の形態に係る助手席用エアバッグ装置の模式的な縦断面図、第17〜19図は、それぞれこの助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図である。なお、第17図はエアバッグ膨張前を示し、第18図は展開規制シートによって膨張途中のエアバッグの展開が規制されている状態を示し、第19図はエアバッグ膨張完了時を示している。
この実施の形態の助手席用エアバッグ装置10Aも、自動車の助手席前方のダッシュボード1の内部に配置される上開容器状のリテーナ11と、該リテーナ11内に収容されたエアバッグ20の折畳体と、該エアバッグ20を膨張させるためのインフレータ13と、該エアバッグ20の膨張途中において該エアバッグ20の展開を規制するための展開規制シート14Cと、該エアバッグ20の折畳体を保形するための保形シート15等を備えている。
この実施の形態でも、該展開規制シート14Cの一端側(基端側)は、エアバッグ20の基端室26の車体後方側の縫合部17に重ね合わされてシームSにより該縫合部17に縫着されている。この展開規制シート14Cの一端側のエアバッグ20への連結方法は前述の実施の形態と同様である。
この実施の形態では、該展開規制シート14Cは、エアバッグ20の折畳体の車体後方側から上側を通って車体前方側へ引き回されている。この展開規制シート14Cの他端側(先端側)は、該エアバッグ20の折畳体の車体前方側から該折畳体の下側へ回り込まされている。展開規制シート14Cの先端側にはボルト挿通孔(符号略)が設けられており、このボルト挿通孔に押えプレート16の前側のスタッドボルト16aが挿通されることにより、展開規制シート14Cの他端側がこのスタッドボルト16aに掛止されている。
この展開規制シート14Cの長手方向の中間よりも他端側に近い位置に、破断予定部14aが設けられている。この実施の形態では、該破断予定部14aは、保形シート15の破断予定部15aと同様、展開規制シート14Cをその幅方向に横切るように延設されたミシン目状のスリットよりなる。展開規制シート14Cは、その長手方向に所定以上の張力が作用したときには、この破断予定部14aに沿って破断し、この破断予定部14aから前記一端側と他端側とに分離するよう構成されている。
この展開規制シート14Cのエアバッグ20への縫合部17から破断予定部14aまでの長さL(図示略)は、ドア部2の車体前後方向の中間付近からその鉛直上方のウィンドシールド4までの距離L(第17図)よりも大となっている。
また、展開規制シート14Cの全体の長さは、エアバッグ20の膨張完了時における車体後方側、上側及び車体前方側の各面を通る外周の長さよりも短い。
この助手席用エアバッグ装置10Aのその他の構成は、前述の第1〜9図の助手席用エアバッグ装置10と同様であり、第16〜19図において第1〜9図と同一符号は同一部分を示している。
この実施の形態におけるエアバッグ20の折り畳みから保形までの手順は次の通りである。
エアバッグ20内に押えプレート16を配置しておき、エアバッグ20を塊状となるように折り畳んで該押えプレート16の上に重ねるまでの手順は、第1〜9図の実施の形態と同様である。
この実施の形態では、エアバッグ20を折り畳んだ後、該エアバッグ20の折畳体の車体後方側から上側を通って車体前方側へ展開規制シート14Cを引き回し、次いで、その先端側をエアバッグ20の折畳体の下側へ回り込ませ、該先端側のボルト挿通孔に押えプレート16の前側のスタッドボルト16aを挿通して該スタッドボルト16aに掛止する。
その後、展開規制シート14Cのうちエアバッグ20の折畳体の上側に引き回された部分を、塊状となるように折り畳み、エアバッグ20の折畳体の上に載置する。
なお、この実施の形態でも、エアバッグ20の折畳体の上側に引き回された展開規制シート14Cのうち、その先端側の略半分と、基端側の略半分とを、それぞれジグザグ状に折り畳み、エアバッグ20の折畳体の上側に前後に位置を異ならせて載置しているが、展開規制シート14Cの折り畳み方法及びエアバッグ20の折畳体の上側への配置はこれに限定されない。
次に、前述の実施の形態と同様に、保形シート15を展開規制シート14Cの折畳体の上側からエアバッグ20の折畳体の前側へ掛け回し、次いで、その先端側をエアバッグ20の折畳体の下側へ回り込ませ、該先端側のボルト挿通孔に押えプレート16の前側のスタッドボルト16aを挿通して該スタッドボルト16aに掛止する。
これにより、エアバッグ20の折畳体及び展開規制シート14Cの折畳体が保形シート15によって一体的に保形されたものとなる。
この実施の形態でも、リテーナ11の底面の凹部11aにインフレータ13を嵌合させ、その上から押えプレート16が被さるように、保形シート15によって保形されたエアバッグ20の折畳体をリテーナ11内に配置する。そして、各スタッドボルト16aをリテーナ11の底面のボルト挿通孔に挿通し、各スタッドボルト16aにリテーナ11の下側からナット19を締め付ける。これにより、押えプレート16がリテーナ11の底面に固定されると共に、この押えプレート16とリテーナ11の底面との間に、エアバッグ20のガス導入口の周縁部、保形シート15の先端側、展開規制シート14Cの先端側及びインフレータ13が一体的に挟持固定され、第16図に示す助手席用エアバッグ装置10Aが構成される。
この助手席用エアバッグ装置10Aにおいては、展開規制シート14Cは、破断予定部14aが破断するまでは、一端側がエアバッグ20の基端室26の車体後方側に連結され、他端側がリテーナ11の底面の車体前方側に連結された、該エアバッグ20を取り巻くループ状のものとなっている。
前述の通り、この展開規制シート14Cの全体の長さは、エアバッグ20の膨張完了時の外周の長さよりも短いので、エアバッグ20が膨張した場合、展開規制シート14Cがその最大展開形状となるまで、即ち展開規制シート14Cがエアバッグ20の外面に重なってピンと張った状態となるまで膨張が進行した段階で、その膨張がこの展開規制シート14Cによって一時的に拘束される。そして、このエアバッグ20の膨張圧によって展開規制シート14Cに生じる張力が所定以上となると、第19図のように、破断予定部14aが破断して展開規制シート14Cによる拘束が解除され、エアバッグ20が最大膨張形状まで膨張するようになる。
また、展開規制シート14Cが破断することにより生じた残片のうち車体後方側のものは、一端側が基端室26に連結され、且つ他端側が自由端となったものであり、その後のエアバッグ20の膨張過程において、右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側に沿って延在し、前述の実施の形態の展開規制シート14と同様の役割を果す。
即ち、この破断後の展開規制シート14Cの残片のうち車体後方側のものと右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側との間に摩擦力が生じるため、該右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の後方即ち助手席側への突出速度が小さくなる。
なお、破断予定部14aは、展開規制シート14Cの長手方向の中間よりも前記他端側即ち車体前方側の端部の近くに配置されているので、破断予定部14aが破断した後の展開規制シート14Cの残部のうち車体前方側のものは、車体後方側のものよりも短いものとなる。そのため、この展開規制シート14Cの残部のうち車体前方側のものと右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体前方側との間に生じる摩擦力は、車体後方側よりも小さくなり、右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体前方側は車体後方側よりも早く膨張する。
このように、この助手席用エアバッグ装置10Aにあっては、エアバッグ20の膨張時には、一時的に展開規制シート14Cによってこのエアバッグ20の膨張が拘束され、さらに、拘束解除後には該展開規制シート14Cの車体後方側の残部によって右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側の膨張が規制されるので、該右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側への突出速度の抑制効果が高い。
第20図はさらに別の実施の形態に係る助手席用エアバッグ装置の模式的な縦断面図、第21,22図は、それぞれこの助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図である。なお、第22図はエアバッグ膨張開始直後を示し、第23図は展開規制シートによって膨張途中のエアバッグの展開が規制されている状態を示している。
この実施の形態の助手席用エアバッグ装置10Bは、自動車の助手席前方のダッシュボード1の内部に配置される上開容器状のリテーナ11と、該リテーナ11内に収容されたエアバッグ20の折畳体と、該エアバッグ20を膨張させるためのインフレータ13と、該エアバッグ20の膨張途中において該エアバッグ20の展開を規制するための展開規制シート14と、該エアバッグ20の折畳体を保形するための保形シート15と、エアバッグ20のリテーナ11からの突出速度を抑制するための第2の展開規制シート30等を備えている。
該第2の展開規制シート30は、この実施の形態では、展開規制シート14と別体に設けられた、所定長さの帯状のシートよりなる。この第2の展開規制シート30は、長手方向を展開規制シート14と平行方向として、該展開規制シート14のエアバッグ20側に配置され、一端側(以下、基端側ということがある。)が該展開規制シート14に連結されている。
この実施の形態では、第2の展開規制シート30の該一端側は、展開規制シート14の一端側(基端側)と共に、エアバッグ20の基端室26の車体後方側の縫合部17に重ね合わされてシームSにより該縫合部17に縫着されている。
この第2の展開規制シート30の長さは、100〜350mm、特に150〜250mmであることが好ましい。また、この第2の展開規制シートの幅は、エアバッグの開口幅と略同等であることが好ましい。なお、この実施の形態では、該第2の展開規制シート30の長さは、エアバッグ20の折畳体の前後方向の幅と略同等となっている。また、この実施の形態では、該第2の展開規制シート30の幅は、エアバッグ20の折畳体の車体幅方向の幅と略同等となっている。ただし、第2の展開規制シート30の大きさはこれに限定されない。
この第2の展開規制シート30は、エアバッグ20を折り畳む際に、該エアバッグ20の車体後方側面に重ね合わされて該エアバッグ20と一体的に折り畳まれることにより、該エアバッグ20の折畳体に挟み込まれてもよく、エアバッグ20の折り畳み後に、該エアバッグ20の折畳体の折り目の間に車体後方側から差し込まれてもよい。
この第2の展開規制シート30は、エアバッグ20の折畳体のうち基端室26の折畳体の折り目の間、又は該基端室26の折畳体と右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の折畳体との間に挟み込まれていることが好ましい。
この助手席用エアバッグ装置10Bのその他の構成は、前述の第1〜9図の助手席用エアバッグ装置10と同様であり、第20〜22図において第1〜9図と同一符号は同一部分を示している。
また、この実施の形態におけるエアバッグ20の折り畳みから保形までの手順も、該エアバッグ20の折畳体に第2の展開規制シート30を挟み込むこと以外は、第1〜9図の実施の形態と同様である。
この助手席用エアバッグ装置10Bにあっては、エアバッグ20の折畳体に第2の展開規制シート30が挟み込まれているため、エアバッグ20の膨張時には、第21図の通り、この第2の展開規制シート30とエアバッグ20の外面との間に摩擦力が生じ、この摩擦力によってエアバッグ20の膨張初期における膨張速度が小さくなる。これにより、エアバッグ20のドア部2からの突出速度が効果的に抑制される。
その後のエアバッグ20の膨張過程は、第1〜9図の助手席用エアバッグ装置と同様である。即ち、この助手席用エアバッグ装置10Bにおいても、エアバッグ20がダッシュボード1とウィンドシールド4との間に膨らみ出すと、第22図のように、膨張途中の右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側に沿って展開規制シート14が延在するようになり、この展開規制シート14と右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方側との間の摩擦力により該右半側エアバッグ22及び左半側エアバッグ24の車体後方への突出速度が減速される。
なお、この助手席用エアバッグ装置10Bは、第1〜9図の実施の形態において第2の展開規制シート30を設けた構成となっているが、これ以外の各実施の形態においても、これと同様に、第2の展開規制シートが設けられてもよい。
この実施の形態では、第2の展開規制シート30の長さは、エアバッグ20の折畳体の前後方向の幅と略同等となっているが、それよりも長いものであってもよい。この場合、第2の展開規制シート30は、エアバッグ20と一体的に折り畳まれてもよく、エアバッグ20とは別々に折り畳まれ、この第2の展開規制シート30の折畳体がエアバッグ20の折畳体の折り目の間に差し込まれてもよい。
なお、この実施の形態では、第2の展開規制シート30は展開規制シート14と共にエアバッグ20の基端室26の車体後方側に連結されているが、リテーナ11の車体後方側に連結されてもよい。また、第2の展開規制シート30は、展開規制シート14の長手方向の途中部に連結されてもよい。
この実施の形態では、第2の展開規制シート30は展開規制シート14と別体に設けられているが、展開規制シート14と一体に設けられてもよい。また、第2の展開規制シート30を設ける代わりに、展開規制シート14の一部をエアバッグ20の折畳体に挟み込んでもよい。第23図はこのように構成された助手席用エアバッグ装置10Cの模式的な縦断面図である。
この第23図の助手席用エアバッグ装置10Cにおいては、展開規制シート14の基端側を部分的に車体前方側に摘み出して襞状の摘み出し部14dを形成し、この摘み出し部14dをエアバッグ20の折畳体に車体後方側から挟み込んでいる。なお、この摘み出し部14dは、エアバッグ20を折り畳む際にエアバッグ20の車体後方側に重ね合わされ、該エアバッグ20と一体的に折り畳まれることにより、該エアバッグ20の折畳体に挟み込まれてもよく、エアバッグ20の折り畳み後に、該エアバッグ20の折畳体の折り目の間に車体後方側から差し込まれてもよい。この助手席用エアバッグ装置10Cのその他の構成は、前述の第1〜9図の助手席用エアバッグ装置10と同様であり、第23図において第1〜9図と同一符号は同一部分を示している。
この助手席用エアバッグ装置10Cにあっても、エアバッグ20の膨張時には、エアバッグ20の折畳体に挟み込まれた展開規制シート14の摘み出し部14dとエアバッグ20の外面との間に摩擦力が生じ、この摩擦力によってエアバッグ20の膨張速度が抑制される。即ち、この助手席用エアバッグ装置10Cにあっては、該摘み出し部14dが第2の展開規制シートとして作用する。
この助手席用エアバッグ装置10Cにあっては、第2の展開規制シートをエアバッグ20、展開規制シート14又はリテーナに連結する手間が省ける。
なお、この実施の形態は、第1〜9図の助手席用エアバッグ装置10において展開規制シート14の途中部に摘み出し部14dを形成してこの摘み出し部14dをエアバッグ20の折畳体に挟み込んだ構成となっているが、これ以外の各実施の形態においても、これと同様に、展開規制シートを部分的に摘み出して摘み出し部を形成し、この摘み出し部をエアバッグの折畳体に挟み込んでもよい。
上記の各実施の形態では、エアバッグ20の折畳体の上側に引き回された展開規制シート14は、その車体前方側の略半分と、車体後方側の略半分とが、それぞれジグザグ状に折り畳まれ、エアバッグ20の折畳体の上側に前後に位置を異ならせて載置されているが、展開規制シートの折り畳み方法はこれに限定されるものではなく、ロール折りなど、ジグザグ折り以外の折り畳み方法により折り畳まれてもよく、複数の折り畳み方法を組み合わせて折り畳まれてもよい。また、展開規制シートの折畳体の配置もこれに限定されない。
第24図に展開規制シートの別の折り畳み方法の一例を示す。
この第24図の助手席用エアバッグ装置10’においては、エアバッグ20の折畳体の上側に引き回された展開規制シート14のうち、その車体前方側の略半分がジグザグ状に折り畳まれ、車体後方側の略半分は、ロール状に折り畳まれている。なお、展開規制シート14の車体前方側がロール折りされ、車体後方側がジグザグ折りされてもよく、両方がロール折りされてもよい。車体前方側及び車体後方側がそれぞれ部分的にロール折りされ、残部がジグザグ折りされてもよい。もちろん、これ以外の折り畳み方法により折り畳まれてもよい。
第24図は展開規制シート14の折り畳み方法の一例を示しているが、これ以外の各実施の形態における展開規制シート14A〜14Cも、これと同様に、又は図示以外の折り畳み方法にて折り畳まれてもよい。
上記各実施の形態は、いずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は図示の構成に限定されない。
実施の形態に係る助手席用エアバッグ装置のエアバッグの斜視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図1のエアバッグを備えた助手席用エアバッグ装置の模式的な縦断面図である。 図3の助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図である。 図3の助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図である。 図3の助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図である。 図6の段階におけるエアバッグの斜視図である。 図6の段階におけるエアバッグの上面図である。 エアバッグ膨張完了時における図4と同様部分の断面図である。 実施の形態に係る助手席用エアバック装置のエアバッグの斜視図である。 図10のXI−XI線に沿う断面図である。 図11のXII−XII線に沿う断面図である。 展開規制シートの別の構成例を示す斜視図である。 図13のXIV−XIV線に沿う断面図である。 展開規制シートの参考例を示すエアバッグの水平断面図である。 実施の形態に係る助手席用エアバッグ装置の模式的な縦断面図である。 図16の助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図である。 図16の助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図である。 図16の助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図である。 実施の形態に係る助手席用エアバッグ装置の模式的な縦断面図である。 図20の助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図である。 図20の助手席用エアバッグ装置が設置された車室内のダッシュボード上部付近の縦断面図である。 実施の形態に係る助手席用エアバッグ装置の模式的な縦断面図である。 展開規制シートの別の折り畳み方法を示す、助手席用エアバッグ装置の模式的な縦断面図である。
符号の説明
1 ダッシュボード
2 ドア部
4 ウィンドシールド
10,10’,10A〜10C 助手席用エアバッグ装置
11 リテーナ
13 インフレータ
14,14A〜14C 展開規制シート
14a 破断予定部
15 保形シート
15a 破断予定部
20,20A エアバッグ
22 右半側エアバッグ
24 左半側エアバッグ
26 基端室
30 第2の展開規制シート

Claims (7)

  1. ダッシュボードの内部に配置されるリテーナと、
    該リテーナ内に配置されたエアバッグ折畳体と、
    該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、
    該リテーナを閉蓋するリッドと
    を備え、
    該エアバッグは、乗員前方の左側において膨張する左半側エアバッグと、乗員前方の右側において膨張する右半側エアバッグと
    を有する助手席用エアバッグ装置において、
    一端側が該リテーナの底面又は車体後方側部分、あるいは、エアバッグの膨張時の車体後方側且つ膨張方向の基端側部分に連結され、該一端側よりも他端側の少なくとも一部が該エアバッグ折畳体に重なって該エアバッグ折畳体の車体後方側から車体前方側に延在し、該エアバッグ折畳体と前記リッドとの間に介在しており、エアバッグ膨張時には、膨張途中の該エアバッグの車体後方側に沿って延在する展開規制シートを備えており、
    該展開規制シートは、該エアバッグの膨張時には、該展開規制シートの該一端側よりも他端側の部分が前記左半側エアバッグと右半側エアバッグとの間の凹所に沿って延在し、該左半側エアバッグの車体後方側と右半側エアバッグの車体後方側とに跨って延在するものであり、
    該展開規制シートの該一端側以外の部分は、該エアバッグに対し非連結となっており、
    該エアバッグ折畳体を保形するための保形シートが該展開規制シートに連結されて設けられており、
    該保形シートは、該エアバッグの膨張圧によって保形を解除する保形解除部を備えており、
    該保形シートは、一端側が該展開規制シートに連結され、他端側が前記リテーナの車体前方側部分に連結され、該一端側と他端側との間の途中部が該展開規制シートの前記リッド側を引き回されており、
    該保形シートの該一端側の該展開規制シートへの連結位置は、該展開規制シートの前記一端側の該リテーナ又はエアバッグへの連結位置から該展開規制シートの前記他端側に離隔しており、
    該保形シートの該一端側の端部は、該展開規制シートの該一端側の該リテーナ又はエアバッグへの連結位置から該展開規制シートの該他端側に離隔しており、該保形シートの該一端側は、該展開規制シートを介して該リテーナ又はエアバッグの車体後方側部分に連結されていることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  2. ダッシュボードの内部に配置されるリテーナと、
    該リテーナ内に配置されたエアバッグ折畳体と、
    該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、
    該リテーナを閉蓋するリッドと
    を備え、
    該エアバッグは、乗員前方の左側において膨張する左半側エアバッグと、乗員前方の右側において膨張する右半側エアバッグと
    を有する助手席用エアバッグ装置において、
    一端側が該リテーナの底面又は車体後方側部分、あるいは、エアバッグの膨張時の車体後方側且つ膨張方向の基端側部分に連結され、他端側が該リテーナの車体前方側部分に連結され、該一端側と他端側との間の少なくとも一部が該エアバッグ折畳体に重なって該エアバッグ折畳体の車体後方側から車体前方側に延在し、該エアバッグ折畳体と前記リッドとの間に介在しており、該他端側の近傍箇所に破断予定部が設けられており、該エアバッグが展開するときに加えられる張力によって該破断予定部に沿って破断し、該破断予定部から該一端側と他端側とに分離するように構成されており、エアバッグ膨張時には、該破断予定部から該一端側が、膨張途中の該エアバッグの車体後方側に沿って延在する展開規制シートを備えており、
    該展開規制シートは、該エアバッグの膨張時には、該展開規制シートの該一端側よりも該破断予定部側の部分が前記左半側エアバッグと右半側エアバッグとの間の凹所に沿って延在し、該左半側エアバッグの車体後方側と右半側エアバッグの車体後方側とに跨って延在するものであり、
    該展開規制シートの該一端側及び他端側以外の部分は、該エアバッグに対し非連結となっており、
    該エアバッグ折畳体を保形するための保形シートが該展開規制シートに連結されて設けられており、
    該保形シートは、該エアバッグの膨張圧によって保形を解除する保形解除部を備えており、
    該保形シートは、一端側が該展開規制シートに連結され、他端側が前記リテーナの車体前方側部分に連結され、該一端側と他端側との間の途中部が該展開規制シートの前記リッド側を引き回されており、
    該保形シートの該一端側の該展開規制シートへの連結位置は、該展開規制シートの前記一端側の該リテーナ又はエアバッグへの連結位置から該展開規制シートの前記他端側に離隔しており、
    該保形シートの該一端側の端部は、該展開規制シートの該一端側の該リテーナ又はエアバッグへの連結位置から該展開規制シートの該他端側に離隔しており、該保形シートの該一端側は、該展開規制シートを介して該リテーナ又はエアバッグの車体後方側部分に連結されていることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  3. ダッシュボードの内部に配置されるリテーナと、
    該リテーナ内に配置されたエアバッグ折畳体と、
    該エアバッグを膨張させるためのインフレータと、
    該リテーナを閉蓋するリッドと
    を備え、
    該エアバッグは、乗員前方の左側において膨張する左半側エアバッグと、乗員前方の右側において膨張する右半側エアバッグと
    を有する助手席用エアバッグ装置において、
    一端側が該リテーナ又はエアバッグに連結され、少なくとも一部が該エアバッグ折畳体に重なって該エアバッグ折畳体の車体後方側から車体前方側に延在し、該エアバッグ折畳体と前記リッドとの間に介在しており、エアバッグ膨張時には、膨張途中の該エアバッグの車体後方側に沿って延在する展開規制シートを備えており、
    該展開規制シートは、該エアバッグの膨張時には、前記左半側エアバッグと右半側エアバッグとの間の凹所に沿って延在し、該左半側エアバッグの車体後方側と右半側エアバッグの車体後方側とに跨って延在するものであり、
    該エアバッグは、膨張した状態における該左半側エアバッグと右半側エアバッグとの対向面の車体前後方向の途中部同士を連結した連結部を有しており、
    該連結部よりもエアバッグの基端側には、該左半側エアバッグと右半側エアバッグとの間を通ってエアバッグの車体前方側と車体後方側とを連通する連通部が存在しており、
    該展開規制シートは、一端側が前記リテーナ又はエアバッグの車体前方側に連結されており、他端側が該連通部を通って該エアバッグの車体後方側に引き回されていることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記展開規制シートは、前記エアバッグの膨張時には、その左右幅方向の中間部が前記左半側エアバッグと右半側エアバッグとの中間に位置し、該展開規制シートの該中間部よりも左半側と右半側とがそれぞれ略等幅にわたって該左半側エアバッグの車体後方側と右半側エアバッグの車体後方側とに対面するように配設されていることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記展開規制シートは、前記エアバッグの膨張時には、前記左半側エアバッグと右半側エアバッグとの中間位置から該左半側エアバッグ側及び右半側エアバッグ側にそれぞれ50〜200mmの範囲にわたって延在することを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記保形解除部は、該保形シートに対して加えられる張力が所定以上となったときに破断する破断予定部であることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項において、基端側が前記リテーナの車体後方側部分又は展開規制シートに連結され、先端側が前記エアバッグ折畳体に挟み込まれている第2の展開規制シートを備えたことを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
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