JP5372122B2 - 内視鏡用処置具 - Google Patents

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Description

本発明は、内視鏡用処置具に関するものである。
人体の臓器などに対して医療行為を行う方法として、腹壁を大きく切開して医療行為を行う開腹手術、腹壁に形成した開口から腹腔内にアプローチして医療行為を行う腹腔鏡手術、あるいは口や肛門などから体内に軟性内視鏡を挿入して所望の処置を行う内視鏡的手技、等が行われている。
これらの方法を用いた医療行為においては、組織の縫合、緊縛、結紮などの処置が行われる。このような処置を行う際に、しばしば体内に留置されるタイプの留置具が用いられる。このような留置具はアプリケータに装着され、体内からアプリケータを操作することで体内の所望の部位に留置される。
特許文献1には、このような留置具とそれを留置するためのアプリケータ(以下、留置具とアプリケータを総称して処置具と称する)の一例を開示している。この関連技術に開示された処置具は、曲針に取り付けた着脱針を組織に穿刺後、フックシースを先端側に動かし、その先端に係合されたケーシングによって着脱針を係合後、フックシースを基端側に引き、曲針から着脱針を取り外す構造になっている。
米国特許出願公開第2003/0181924号明細書
着脱針をケーシングに係合させるためにケーシングを保持するフックシースの進退操作が必要で、そのためには操作部を持ち替える必要があった。また、着脱針がケーシングに係合するためには、着脱針とケーシングの長手方向中心軸を一致させる必要があり、術者が術中に確認しなければならなかった。従来の操作部は構造が複雑であり、操作に熟練を要した。
本発明の目的は、より操作性の向上した内視鏡用処置具を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の内視鏡用処置具は、先端側に処置を行うための処置部が接続され、基端側に前記処置部を操作する操作部が接続された第1のシース及び第2のシースと、一対の第1の貫通孔が平行に形成され、一対の前記第1の貫通孔に前記第1のシース及び前記第2のシースがそれぞれ挿入されることで前記第1のシース及び前記第2のシースを束ねる第1のホルダと、一対の第2の貫通孔が平行に形成され、一対の前記第2の貫通孔に前記第1のシース及び前記第2のシースがそれぞれ挿入されることで前記第1のシース及び前記第2のシースを束ね、前記第1のホルダよりも前記先端側に設けられた第2のホルダと、前記第1のホルダに対して前記第2のシースに摺動抵抗を付与する第1の調整部材と、前記第2のホルダに対して前記第1のシースに、前記第1の調整部材よりも大きい摺動抵抗を付与する第2の調整部材と、を含むことを特徴としている。
また、上記の内視鏡用処置具において、前記第1のシースには前記処置部を動作させるための第1のワイヤが挿通され、前記第2のシースには前記処置部を動作させるための第2のワイヤが挿通されることがより好ましい。
また、上記の内視鏡用処置具において、前記第1のワイヤは、前記処置部に設けられた一対の鉗子部材の少なくとも一方を他方に対して開閉させる鉗子操作ワイヤであることがより好ましい。
また、上記の内視鏡用処置具において、前記操作部は、前記鉗子部材を開閉操作する鉗子操作部と、縫合糸を締め付けるフックを操作するフック操作部と、前記鉗子操作部及び前記フック操作部とを同軸上にスライド自在に配置させる操作本体と、を含むことがより好ましい。
また、上記の内視鏡用処置具において、前記フック操作部は、前記鉗子操作部よりも挿入方向で先端側に配置され、前記フック操作部は挿入方向の基端側に向けて延びる複数の指掛け部を有し、前記指掛け部の間に前記鉗子操作部が進入可能であることがより好ましい。
本発明に係る内視鏡用処置具によれば、着脱針の先端がケーシングに係合し得る状態になったときに先端保持部と先端カバーとの係合を解除できるようにすることで、鉗子部材を閉じる動作に連動して着脱針をケーシング内に挿入させることができるため、操作性が向上する。
内視鏡及び内視鏡用処置具の一実施態様としての縫合器の概略構成を示す図である。 図1のA矢視であって、操作部の構成を示す図である。 挿入部の構成を示す一部断面図である。 図1のB−B線に沿って弁体をみた図である。 図4のC−C線に沿った断面図である。 縫合器の先端部分の拡大図である。 図6のD矢視図である。 図6のE矢視図である。 図7のF−F線に沿った断面図である。 鉗子部材を開いたときの断面図である。 図10のG矢視図である。 着脱針とケーシングと縫合糸を含む処置具を示す断面図である。 図12のH−H線に沿った断面図であり、着脱針を係止させた図である。 着脱針の係止を解除する装置の一例を示す図である。 図13のI−I線に沿った断面図である。 縫合方法を説明する図であって、鉗子部材を開口に向けて開いた断面図である。 鉗子部材を閉じて、開口を含む組織を挟み込んだ断面図である。 2回穿刺を確実に実行できる操作部の一態様を示す図である。 2回穿刺を確実に実行できる操作部の他の態様を示す図である。 図19のJ−J線に沿った断面図である。 図20のK−K線に沿った 図21の状態からストッパ解除ボタンを押し込んだ図である。 先端カバー及び鉗子部材を引いて、着脱針をケーシング内に挿入した断面図である。 先端カバー及び鉗子部材を先端に向けて戻して、ケーシングに収容した着脱針を曲針から取り外した図である。 曲針から着脱針を取り外した後に、鉗子部材を開いた図である。 開口を縫合した状態で処置具を留置する図である。 先端爪部を一体に形成した断面図である。 先端保持部とブリッジ部とケーシング保持部とを一体に構成した図である。 他の形態の縫合器の先端部分を示し、受け部に切り欠きを設けた図である。 受け部に切り欠きと、テーパ面を設けた図である。 第1の係止部材の変形例を示す図である。 内視鏡及び内視鏡用処置具の一実施態様としての縫合器の概略構成を示す図である。 図32の領域Lの断面図である。 図32の領域Mの断面図である。 図34のN−N線に沿った断面図である。 挿入部の構成を示す断面図である。 内視鏡画像を示す模式図である。 縫合器の先端部分の断面図である。 挿入部の構成を示す一部断面図である。 図38のP矢視図である。 図40のQ矢視図である。 一対の鉗子部材を開いた図である。 フックの拡大図である。 図43のR−R線に沿った断面図である。 カートリッジの構成を示す断面図である。 図45のS−S線に沿った断面図である。 ケーシングを着脱針の挿入方向からみた図である。 一対の鉗子部材を閉じて組織を把持した図である。 ケーシングを前進させて着脱針を収容した図である。 ケーシングを引き戻して着脱針を曲針から離脱させた図である。 一対の鉗子部材を開いてからケーシングを押し出した図である。 スコープホルダを内視鏡に装着した図である。 スコープホルダを半端側からみた図である。 スコープホルダの変形例を示す図である。 結束バンドの変形例を示す図である。 図55に示す結束バンドを用いるスコープホルダを示す図である。 ロック部材を一体に設けたスコープホルダの図である。 弁体の他の態様を示す断面図である。 (a)はカートリッジの変形例を示す側面視の断面図であり、(b)は(a)の変形例を示すカートリッジの断面図である。 図59(a)のカートリッジの平面視の断面図である。 フックの変形例を示し、縫合具の先端部分を拡大した断面図である。 フックを引いて縫合糸を引っ張った図である。 鉗子部材が別々のリンクで駆動される縫合器の先端部の断面図である。 リンクの配置を説明するための斜視図である。 一対の鉗子部材を共に閉方向に回動させる過程を示す図である。 一対の鉗子部材が共に90°回動した図である。 閉じきった鉗子部材は停止し、閉じきっていない鉗子部材が135°回動した図である。 一対の鉗子部材が閉じた図である。 閉じた鉗子部材を開く方向に回動させた図である。 図67から鉗子部材を開く方向に回動させた図である。 鉗子部材を差動させた図である。 ロッドのストロークを変化させたときの一対の鉗子部材の挙動をグラフ化した図である。 ロッドのストロークを変化させたときの一対の鉗子部材の挙動をグラフ化した図である。 ロッドのストロークを変化させたときの一対の鉗子部材の挙動をグラフ化した図である。 ロッドのストロークを変化させたときの一対の鉗子部材の挙動をグラフ化した図である。 図72に対応する動作を説明する図である。 図72に対応する動作を説明する図である。 図72に対応する動作を説明する図である。 図72に対応する動作を説明する図である。 図72に対応する動作を説明する図である。 図72に対応する動作を説明する図である。 装着装置の外観を示す平面図である。 図82のT矢視図である。 装着部のベースプレートを一枚取り除いた図である。 ベースプレートの平面図である。 ホルダにカートリッジを装着した斜視図である。 糸ホルダの斜視図である。 カートリッジの断面図である。 縫合器にカートリッジを装着するときの動作を説明する図である。 縫合器を装着装置に係合させた図である。 縫合器を装着装置に係合させたときの外観図である。 フックでケーシングを押し込んだ図である。 フックを戻して、縫合糸を介して針ホルダを引っ張った図である。 ホルダがコイルバネに引っ張られて後退した図である。 フックで縫合糸を引いてホルダを引き寄せた図である。 ケーシングがホルダから外れた図である。 装着装置の他の形態を示す図である。 装着装置のベースプレートを一枚取り除いた図である。 カートリッジを装着する手順を説明する図であって、フックに縫合糸を引っかけた図である。 ボタンを押してロッドを後退させ、縫合糸にテンションをかけた図である。 フックで縫合糸を引っ張り、ロッドを引き寄せた図である。 操作部の例を示す図である。 装着装置の変形例を示す図である。
実施態様について図面を参照して以下に詳細に説明する。以下の各実施態様で、同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、実施態様の間で重複する説明は省略する。
(第1の実施態様)
図1は内視鏡用処置具の一例としての縫合器を示している。縫合器1(アプリケータ)は、術者が操作する操作部2から長尺の挿入部3が延びている。挿入部3は、内視鏡4の内視鏡挿入部5と共にオーバーチューブ6内に挿入されている。挿入部3の先端は、オーバーチューブ6の先端から突出しており、ここに処置部7が取り付けられている。
図2に示すように、操作部2は、硬質で挿入方向に延びる軸を有する細長の操作本体10を有する。操作本体10の先端部10Aからは、挿入部3が延びている。操作本体10の基端部には、指掛け用のリング11が取り付けられている。リング11よりも先端側には、操作本体10の長さ方向に沿ってスリット12が設けられており、ここにリング11側から順番に鉗子操作部13と、フック操作部14とがそれぞれ操作本体10の軸線方向に独立してスライド自在に取り付けられている。操作部2の材質としては、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニルサルフォン、ポリフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトン、などがあげられる。操作部2をABS樹脂や、ポリカーボネートなどで製造すると安価に製造できる。ポリアセタールで製造すると摺動性が良くなるため、操作の際に必要とされる力量を低減することができる。また、ポリフェニルサルフォン、ポリフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトンで製造すると耐薬品性や耐熱性に優れるため消毒や滅菌による変性が少ない。
鉗子操作部13には、鉗子操作ワイヤ(鉗子操作部材、第1のワイヤ)15が固定されている。鉗子操作ワイヤ15は、スリット12内を通って挿入部3内に導かれている。フック操作部14は、円筒14Aの側部から一対のハンドル16が基端に向けて延び、ハンドル16の基端部には指掛け用のリング17(指掛け部)が一体に形成されている。一対のハンドル16の間隔は、鉗子操作部13が進入可能に開いており、ハンドル16のリング17を鉗子操作部13を超えて引くことで、フック操作部14のストロークが長くとれるようになっている。フック操作部14には、フック操作ワイヤ(フック操作部材、第2のワイヤ)18が固定されている。フック操作ワイヤ18は、スリット12内を通って挿入部3内に導かれている。なお、ハンドル16は、1つでも良いし、3つ以上でも良い。
操作本体10、鉗子操作部13、及びフック操作部14は、樹脂成形品からなり、それぞれが一体成形された部材をスナップフィットで固定することで製造されている。すなわち、操作本体10は、展開形状の部材を折り曲げて、スナップフィットで固定して製造される。操作本体10の基端には、別に成形したリング11を嵌合させる。鉗子操作部13及びフック操作部14は、それぞれの展開形状の部材を操作本体10を覆うように折り曲げて、スナップフィットで固定する。
図3に示すように、挿入部3は、操作部2の先端から延びるフックシース21と、鉗子シース22とを有する。フックシース21内には、フック操作ワイヤ18が進退自在に通されている。鉗子シース22内には、鉗子操作ワイヤ15が進退自在に通されている。
挿入部3には、その経路中に操作部2の一部をなす進退操作部25(第1のホルダ)と、スコープホルダ26(第2のホルダ)とが配置されており、進退操作部25とスコープホルダ26で、2つのシース21,22を平行に束ねている。進退操作部25は、2つのシース21,22を通す貫通孔30,31が平行に形成されている。フックシース21の貫通孔30に先端が突出するように、第1の調整部材32が挿入されている。この実施態様では、第1の調整部材32にはネジを使用している。第1の調整部材32を締め込んでフックシース21に当接させることで、フックシース21の摺動抵抗が増大させられている。一方、鉗子シース22は、貫通孔31に挿入した状態で進退操作部25に固定されている。
スコープホルダ26は、2つのシース21,22を通す貫通孔33,34が平行に形成されたホルダ本体35を有し、ホルダ本体35から内視鏡4の内視鏡挿入部5を通す筒状の受け部36が一体に形成されている。スコープホルダ26には、貫通孔34が形成されている。貫通孔34には、鉗子シース22が進退自在に挿通されている。さらに、第2の調整部材37が鉗子シース22に当接するように配設されている。この実施態様で第2の調整部材37には、ネジを使用している。第2の調整部材37を締め込んで鉗子シース22に当接させることで、鉗子シース22の摺動抵抗が増大させられている。一方、フックシース21の貫通孔33には、このような調整部材は設けられておらず、進退自在に配されている。
スコープホルダ26と進退操作部25の間に露出している両シース21,22を掴むか、又は進退操作部25を前進させると、スコープホルダ26に対して両シース21,22が前進する。スコープホルダ26に保持されている内視鏡4は動かないので、両シース21,22の先端に取り付けられている処置部7を内視鏡4に対して前進させることができる。
これに対して、フックシース21のみを前進させたいときには、フックシース21を掴んで前進させる。このとき、第1の調整部材32によって進退操作部25は動かない。これは、フックシース21の進退操作部25内での摺動抵抗が小さく、鉗子シース22のスコープホルダ26内での第2の調整部材37による摺動抵抗が大きいので、フックシース21が進退操作部25に対して滑るため、フックシース21のみが前進する。
このように、進退操作部25及びスコープホルダ26によって、両シース21,22の前進と、フックシース21のみの前進とを使い分けることができる。術者の操作を助けるために、フックシース21と鉗子シース22の色を変える、又は片方のシース21,22の表面に凹凸をつける、あるいはそれぞれのシース21,22の外径を異ならせる、などすると、操作中のシースをさらに確認し易くなる。
なお、第1、第2の調整部材32,37による摺動抵抗は、締め込み量で調整できる。第1、第2の調整部材32,37の他の形態としては、Oリングを使用し、Oリングの太さで摺動抵抗を変化させても良い。
進退操作部25及びスコープホルダ26は、樹脂成形品からなり、それぞれが一体成形された部材をスナップフィットで固定して製造されている。すなわち、進退操作部25及びスコープホルダ26は、展開形状の部材の貫通孔30,31,33,34となる溝に各シース21,22を通し、第1の調整部材32,37を挿入した後に、展開形状の部材を折り曲げて、スナップフィットで固定する。
さらに、フックシース21がコイルシース41内に挿通されている。鉗子シース22は、コイルシース42内に挿通されている。スコープホルダ26から先は、2本のコイルシース41,42が延出する。コイルシース41,42は、金属の平板を密巻きした平コイルからなる。このことから、従来のようにチューブを使用した場合と比べて部品コストの低減と、組み立て工数の削減が図れる。なお、フックシース21,鉗子シース22の外表面は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、FEPやPFAのようなフッ素樹脂、などの材質からなる熱収縮チューブで覆われている。ここで、低密度ポリエチレンの場合はコイルシース41,42との摺動抵抗を減らせる上に安価に作ることができる。また、高密度ポリエチレンの場合は、より摺動抵抗を減らすことができる。さらに、FEPやPFAのようなフッ素樹脂の場合は、摺動抵抗が少ない上に耐薬品性や、耐熱性に優れているため、消毒や滅菌による変性が少ない。いずれも摺動抵抗を減らすことで小さな力で操作できるようになる。
図1に示すように、挿入部3の途中には、2つのコイルシース41,42と内視鏡4の内視鏡挿入部5とを束ねると共に、オーバーチューブ6との間で気密構造を形成する弁体50が設けられている。弁体50の材質としては、シリコーンゴム、天然ゴム、イソプロピレンゴムなどがあげられ、コイルシース41,42に接着剤などを用いて固定されている。図4及び図5に示すように、弁体50は、各シース41,42用の貫通孔51,52と、内視鏡4用の貫通孔53が平行に設けられている。弁体50は、筒状の部材の両端面を斜めにカットしてテーパ面54,55を形成してある。テーパ面54,55によって、貫通孔52とは反対側の部分52Aの挿入方向の長さが短くなっている。さらに、弁体50の外周には、断面視で外形が略円弧の圧入部56が形成されている。また、内視鏡4用の貫通孔53の内周側にも同様の圧入部57が形成されている。この弁体50は、テーパ面54,55を設けることでオーバーチューブ6に引っ掛かり難くなっている。さらに、圧入部56を設けることで、挿入方向で一箇所のみでオーバーチューブ6に接するようになるので、接触面積の低下に伴う摺動抵抗の低減が見込まれ、挿入が容易になる。同様に、圧入部57は、内視鏡挿入部5との接触面積を小さくするので、内視鏡挿入部5の挿入が容易になる。また、この部分55Aが肉厚になって剛性が高まっているので、弁体50の変形を抑えることができる。なお、各貫通孔51〜53の開口部は、外径を広げるようにテーパ状になっており、コイルシース41,42や内視鏡挿入部5の挿入が容易になっている。
次に、処置部7について説明する。
さらに、図6〜図8に示すように挿入部3の先端側には、受け部60が固定されている。図8に示すように、受け部60は、内視鏡4の内視鏡挿入部5を挿入可能なC形状のベース部61を有する。ベース部61の一部が切り欠かれることで、内視鏡挿入部5と縫合器1とを合わせた外形が小さくなり、オーバーチューブ6を細径化することができる。また、受け部60とオーバーチューブ6の接触面積を小さくすることができる。これらのことから、オーバーチューブ6や、体腔への挿入が容易になる。ベース部61と内視鏡4の接続強度を確保するためにベース部61の内側に軟性部材62が貼り付けてある。軟性部材62は、ベース部61が内視鏡4を傷付けないようにする機能も果たす。
さらに、図6及び図7に示すように、受け部60において、コイルシース41,42が引き込まれる側の基端部には、テーパ部63が形成されている。テーパ部63は、基端部に向けて受け部60の外径を減少させるようになっており、手技の際にオーバーチューブ6から引き出した処置部7を再びオーバーチューブ6内に収容するときには、テーパ部63によってベース部61の外周が引っ掛からないようになる。
図9に示すように、受け部60内には、コイルシース42の先端部が外周に固定される筒状の孔71Aが配置されている。また、孔71Bには、先端保持部71が進退自在に配されている。先端保持部71は、コイルシース42の軸線に沿って延び、基端部に鉗子シース22が固定され、内部に鉗子操作ワイヤ15が通されている。
先端保持部71の先端部には、孔72とスリット73とが設けられている。孔72とスリット73とは、先端保持部71の一直線上に形成されており、スリット73の端部は、孔72よりも基端側に延びている。孔72には、第1の係止部材(先端係止部材)であるピン75が挿入されている。ピン75は、孔72に入った状態でその一部が先端保持部71内に突出している。ピン75は、付勢部材である板バネ76で先端保持部71の外周に取り付けられている。板バネ76は、ピン75を孔72に収める方向に付勢している。一方、スリット73には、細長の解除部材77が挿入されている。解除部材77は、レーザ溶接や接着剤などで先端保持部71に固定された第2の解除部材(鉗子解除部材)であり、細長の板状の部材の基端、かつ先端保持部71の中心軸方向が斜めにカットされている。
先端保持部71内には、先端開口側から先端カバー80の筒部81が挿入されている。先端カバー80は、先端保持部71の内径に略等しい外径を有する筒部81と、筒部81の先端に一体に形成されたカバー本体82とを有する。筒部81の外側には、コイルバネ83が配置されており、先端保持部71の先端開口に固定されたブリッジ部85からカバー本体82を離すように付勢している。ブリッジ部85は、挿入方向に直交する方向に延びており、一端部に先端保持部71の先端が固定され、他端部に後述するケーシング支持部86の基端部が固定されている。
筒部81には、複数のスリット91,92,93が長さ方向に沿って形成されている。スリット91は、筒部81の軸線回りで先端保持部71の孔72の形成位置に合わせて形成されている。スリット91の幅は、ピン75が入ることはできない大きさであるが、スリット91の基端部91Aだけは拡幅されており、ピン75の先端が進入可能になっている。また、スリット92は、軸線回りに先端保持部71のスリット73の形成位置に合わせて形成されている。スリット92の幅は、解除部材77が挿入可能な大きさである。スリット92の基端は、スリット91の基端部91Aよりも基端側に延びている。
図6に示すように、スリット93は、他のスリット91,92を避ける位置に形成されている。このスリット93には、ブリッジ部85に固定されたピン95が挿入されており、筒部81のスライドガイドになっている。
図9に示すように、筒部81内には、開閉機構を構成するロッド100が進退自在に挿入されている。ロッド100の基端部には、鉗子操作ワイヤ15が固定されている。ロッド100の基端寄りの位置は、径方向に延びる凹部101が形成されており、ここに第2の係止部材(鉗子係止部材)であるボール102が挿入されている。ボール102は、コイルバネ103によって径方向外側に付勢されている。このボール102は、筒部81のスリット92の基端部に設けられた大径部92Aには入り込めるが、大径部92Aよりも先端側には入り込めない。
さらに、ボール102の配設位置よりも先端側で、軸線回りに180°回転した位置には、第1の解除部材(先端解除部材)である解除部材105が取り付けられている。解除部材105は、回転軸回りでボール102と一致する位置に突出している。解除部材105の基端部は、ピン75が乗り上げ易いようにテーパ面を有する。
ロッド100の先端には、ピン110を介して2つのリンク部材111,112のそれぞれの一端部が回動自在に取り付けられている。リンク部材111の他端部は、ピン113で鉗子部材115の一端部115Aに回転自在に取り付けられている。鉗子部材115は、一端部115Aから他端部115Bに至るまでの間に屈曲部115Cを有し、この屈曲部115Cがピン116(枢支軸)で先端カバー80に回転自在に枢支されている。鉗子部材115の他端部115Bには、曲針120(装着部)が固定されている。曲針120の先端部には、着脱針121が着脱自在に取り付けられている。着脱針121は、鋭利な先端から縮径した括れ部122を経た後に、曲針120に嵌合する基端部123が形成されている。基端部123には、縫合糸125の一端部が引き込まれて固定されている。括れ部122は、着脱針121に形成した凹部を4方向からカシメて、内部に挿入した縫合糸125を固定する際に形成される。このような構成では、従来のように縫合糸の結び目を利用して縫合糸を着脱針に固定する場合に比べて、着脱針の外径を小さくすることができる。なお、縫合糸125は、曲針120のスリット120Aを通して引き出されている。
一方、他方のリンク部材112の他端部は、ピン130で中間部材131Aの基端側と回転自在に連結されている。中間部材131Aの先端側はピン132で先端カバー80に回転自在に支持されている。また、鉗子部材131は、基端側で先端カバー80とピン132(枢支軸)で回転自在に枢支されている。鉗子部材131の先端部131Bは、開口部133を有する環状になっており、先端に向けて湾曲している。最も先端に位置する部分には、組織に刺入される針134が固定されている。
図10に示すように、一対の鉗子部材115,131を開いたときに、曲針120に取り付けられた着脱針121の先端と、鉗子部材131の針134の先端とは、挿入方向で同じ位置に配置される。各針121,134が略同時に組織に刺入されるようになるので、針121,134が組織から外れ難くなり、確実に穿刺することが可能になる。また、組織に深く針121,134を刺入できるようになる。
ここで、図6に示すように、鉗子部材131において、先端カバー80にピン132で支持される部分131Cは、先端カバー80の外側に配置されている。先端カバー80は、凹部80Bが形成されており、凹部80Bに鉗子部材131の部分131Cがピン132で支持されている。図7に示すように、鉗子部材131の部分131Cと先端カバー80との境界に大きな段差がなくなるので、体腔内への挿入が容易になり、操作性が向上する。
また、鉗子部材131が先端カバー80の外側で支持されることで、先端カバー80内に、鉗子部材131が確実に閉じるように付勢するチャージ用バネを設置するスペースが確保される。図7及び図9に示すように、チャージ用バネ140は、ピン132に遊びをもってコイル状に巻かれており、一対の鉗子部材115,131を閉じたときに一端部140Aが中間部材131Aの基端部に当接する。チャージ用バネ140の他方の端部140Bは、鉗子部材131の部分131Cに当接する。このチャージ用バネ140は、鉗子部材115,131を閉じたときに鉗子部材131の先端部131Bを完全に閉じるように付勢する。
ここで、チャージ用バネ140は、コイル状に巻かれているので、端部140A,140B同士は、幅方向に異なる位置に延びている。図11に示すように、一端部140Aは外側に配置され、他端部140Bは中心寄りに配置される。なお、この図は鉗子部材115,131を開いたときを示し、チャージ用バネ140は機能していない。中間部材131Aの他端部112Aは、チャージ用バネ140の一端部140Aを当接できるように幅方向で外側に膨出している。これに対して、中間部材131Aの他端部112Aの内側は、切り欠かれており、幅方向に異形になっている。中間部材131Aの他端部112Aをこのように構成することで、ケーシング150を進退させたときに中間部材131Aとの干渉を防ぐことができる。さらに、ケーシング150を回避する構成において、異形構造を作ることで充分な剛性が得られる。
なお、図6に示すように、一対の鉗子部材115,131のそれぞれには、鉗子部材115,131を完全に閉じたときに先端カバー80の先端面80Aに当接する突起状のストッパ151,152が設けられている。ストッパ151,152を当接させることで、鉗子部材115,131を閉じたときに鉗子部材115が撓まなくなって着脱針121の軸線がずれ難くなる。
次に、図9に示すように、縫合糸125の他端部が引き込まれるケーシング150と、ケーシング150を支持するケーシング支持部86について説明する。
図12及び図13に示すように、ケーシング150は、縫合糸(糸状部材)125と着脱針(先端部材)121と共に、体内に留置されるカートリッジ(あるいは留置具とも称する)153を形成する。
ケーシング150は、筒状の部材161,162を組み合わせて構成されており、着脱針121を挿入可能な収容孔163が形成されている。収容孔163の先端側は、テーパ面163Aになっており収容孔163の軸線と着脱針121の軸線とを一致させ易くなっている。さらに、収容孔163内には、着脱針121の抜け止め用の針係止部材(先端部材係止部材)である線バネ165が挿入されている。線バネ165は、棒材をU字状に折り曲げて、両端部166を同じ方向に平行になるように90度折り曲げた構成を有する。線バネ165の端部166は、収容孔163の幅を減少させるように配置される。初期状態では、線バネ165の端部166は、収容孔163の幅を拡幅させた溝167に収まっており、着脱針121が収容孔163に進入したときには、端部166同士を押し広げることができる。図13に示すように、着脱針121が収容孔163に収容されると、着脱針121の基端部123は、ケーシング150内に完全に収容されるので、着脱針121の基端部123で組織を痛めることはない。
なお、ケーシング150の材質としては、ポリフェニルサルフォン、ポリフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトン、チタン合金、純チタン、などがあげられる。ケーシング150をポリフェニルサルフォン、ポリフタルアミド、ポリエーテルエーテルケトンのような材質から製造すると、耐薬品性、耐酸性に優れていることから生体内で変性し難い。さらに、溶着性に優れていることから超音波溶着やレーザ溶着を利用して組み立てることができる。また、純チタンやチタン合金は、生体適合性に優れる。
着脱針121がケーシング150に収容されると、線バネ165が着脱針121の括れ部122を挟み込む。なお、着脱針121をケーシング150から引き抜こうとすると、線バネ165も一緒にスライド移動し、端部166が先端側の幅の狭い部分168(図12参照)に入り込む。ここでは端部166を開くことができないので、線バネ165がストッパになって着脱針121の抜け落ちを防止する。なお、着脱針121をケーシング150から取り出したいときには、図13に示すようにケーシング150の側部に開口する解除穴170に解除装置を挿入し、線バネ165を矢印に示すように基端側に戻せば良い。端部166が溝167まで戻って、端部166同士を押し開くことが可能になる。したがって、線バネ165の位置を固定した状態で、着脱針121を引っ張れば、ケーシング150から引き抜ける。
解除装置としては、例えば、図14に示すように、鉗子180の鉗子部材181に解除ピン182を設けた構成があげられる。術者が手元側の操作で解除ピン182を解除穴170に挿入すると、手技の途中でも着脱針121をケーシング150から引き抜くことが可能になる。なお、解除装置の形態は、図示したものに限定されず、解除穴170に挿入できて、線バネ165を基端側へ移動できる形状であれば何でも良い。
図12及び図15に示すように、ケーシング150に引き込まれた縫合糸125は、収容孔163の途中で、着脱針121が進入する領域よりも基端側から収容孔163に引き込まれる。収容孔163の基端側は、ケーシング150の基端面に開口する大径の孔190に連通している。この孔190の内には、ブレーキ部(糸係止部材)191が配設されている。ブレーキ部191は、縫合糸125を通した弾性部材192の周囲に金属製の板材193を巻いてから潰した扁平形状を有し、縫合糸125との間で所定の摺動抵抗を発生させる。ケーシング150には、径方向に貫通するスリット194が設けられており、スリット194にブレーキ部191を緩く嵌合させている。さらに、孔190とスリット194とが形成する段差195がブレーキ部191のストッパになるので、ブレーキ部191が縫合糸125の長さ方向に引っ張られても、ケーシング150からブレーキ部191が飛び出すことはない。ブレーキ部191によって、縫合糸125の一端から他端の間でケーシング150が移動する際に所定の摺動抵抗を発生させることが可能になり、ケーシング150の移動が抑制される。
ここで、ケーシング150の基端面から引き出された縫合糸125の端部は、ループ200(フック係合部)を形成している。ループ200の形成には、二重引け解け結び201を使用している。二重引け解け結び201は、結び目を小さくできるのでフックシース21の内径が小さい場合でもフックシース21内に挿入し易い。
図10に示すように、ケーシング150は、ケーシング支持部86内に収容されている。ケーシング150の側部に形成された環状の凹部202のそれぞれにケーシング支持部86の孔203を通して挿入されるボール(第3係止部材、ケーシング係止部材)205が係止されている。ボール205は、ケーシング支持部86に固定された付勢部材である板バネ206によってケーシング150に係止するように付勢されている。また、ボール205と板バネ206は、レーザ溶接や接着剤などで一体化しても良い。なお、ケーシング支持部86の先端は、先端カバー80のガイド部であるガイド孔210に進退自在に挿入されている。ガイド孔210は、基端部が拡径されている。図9に示すように拡径された部分210Aでは、ボール205を径方向外側に移動させることができる。拡径された部分210Aよりも先端部分210Bでは、ガイド孔210の径が狭くなっており、ボール205を径方向外側に移動させることはできない。
ケーシング支持部86内では、ケーシング150の孔190にフックシース21に取り付けられた先端爪部211が嵌入されている。先端爪部211は、ケーシング支持部86の内周に形成された段差86Aに先端側から当接してストッパとなるフランジ211Aを有し、貫通孔内にフック212が収容されている。フック212は、フックシース21内に進退自在に通されたフック操作ワイヤ18の先端部に固定されている。フック212には、縫合糸125の他端部側のループ200(図12参照)が引っ掛けられる。従来では、フックシース21とケーシング支持部86との間に、内側チューブを設けていたが、この実施態様では内側チューブを無くすことで装置構成を簡略化している。これによって、部品コストの低減と、組立工数の削減が図れる。
ここで、図7に示すように処置部7の先端カバー80の側部には、内視鏡4の挿入方向における位置決めをする規制部として、目印220が設けられている。目印220に内視鏡4の先端部を合わせると、内視鏡4の先端の硬質部分と、処置部7の硬質部分とを挿入方向で重ねることができる。従来では、受け部60に内視鏡4の先端部を位置決めしていたので、全体としての硬質の長さは、処置部7の長さと、内視鏡4の硬質部の長さとを足したものになっており、オーバーチューブ6への挿入や、生体内のへの挿入性が悪かった。この実施態様では、硬質部分の長さが短くなるので、挿入性が向上する。また、内視鏡4が先端寄りに配置されるので、内視鏡4の観察装置の視野を先端カバー80などが邪魔しないようになり、視野を確保できる。目印220の代わりの規定部材として、破線で示すように内視鏡4の先端面に突き当てる板部材221を先端カバー80から突出させても良い。さらに、図8に示すように、先端カバー80の隅部を斜めにカットして傾斜面225を形成している。この傾斜面225を形成することで、仮想線で示すオーバーチューブ6の内径に縫合器1が収まり、進退操作が容易になる。
次に、この実施形態の作用について説明する。なお、以下においては、胃壁に形成された開口を縫合する場合を説明するが、ターゲット部位は、これに限定されず例えば、食道、十二指腸、小腸、大腸、子宮、膀胱などの管腔器官でも良い。また、内視鏡4を挿入する自然開口は、口に限定されずに鼻や肛門でも良い。さらに、止血や潰瘍による穿孔部、粘膜欠損部の縫縮などの治療に用いても良い。
内視鏡4の内視鏡挿入部5をスコープホルダ26、弁体50、受け部60に順番に通し、内視鏡4の先端面を目印220に合わせる。内視鏡4を縫合器1にしっかりと固定するために、内視鏡4の先端と受け部60とをテープ等で固定しても良い。次に、カートリッジ153を縫合器1の所望位置にセットする。別の内視鏡でオーバーチューブ6を患者の口から噴門付近あるいは胃内まで挿入する。次に、オーバーチューブ6を介して内視鏡4に固定された縫合器1を胃内に挿入する。
胃内では、ターゲット部位である組織の開口の位置を内視鏡4の観察装置で確認する。内視鏡4の先端部は、従来のタイプに比べて縫合器の先端側に配置されているので、視野が縫合器1に妨げられ難く、組織の開口と着脱針121とを同じ視野内に納めることができる。
次に、縫合に先立って胃内で鉗子部材115,131を開く。具体的には、術者は、操作部2の鉗子操作部13を前進させる。鉗子操作ワイヤ15が前進してロッド100に連結されたリンク部材111,112が鉗子部材115,131をピン106,132回りに回転させて開かせる。図16に示すように、開いた鉗子部材115,131をターゲット部位である開口SOに近接させたら、鉗子部材115,131で開口SOの周囲の組織を挟み込むようにして鉗子部材115,131を閉じる。
術者が操作部2の鉗子操作部13を後退させると、鉗子操作ワイヤ15が後退してリンク部材111,112が先端カバー80内に引き込まれ、鉗子部材115,131がピン106,132回りに回動して閉じる。鉗子部材131の針134が組織に刺入され、組織を開口SO側に押し付ける。一方、鉗子部材115の曲針120は、開口SOを挟んで鉗子部材131側とは反対側の組織内に刺入され、開口SOを横断して鉗子部材131に手繰り寄せられた組織を通ってケーシング150側に突き出る。その結果、図17に示すように、開口SOに曲針120及び縫合糸125が通される。
ここで、開口SOが比較的大きく、1度の縫合で開口SOを挟むことができない場合は、開口SOの一端を最初に穿刺し、曲針120を略半分程度開いて着脱針121と針134との間に空間を作り、その空間に開口SOの他端の組織を取り込んで穿刺して縫合を行っても良い。
また、このとき、組織が硬かったりすると着脱針121が組織を貫通し難く、鉗子操作部13に大きい力が加わって着脱針121が組織から貫通した位置で鉗子操作部13を止めることができず、着脱針121をケーシング150に係合させる位置まで一連の動作として実行されてしまうことがある。この場合には、前述のように2回穿刺して縫合することができなくなる。前記のような2回穿刺を確実に実行するためには、操作部2を図18に示すような構成にすると良い。この操作部2は、操作本体10の基端部にスリット12に連通する孔401が設けられており、ここにリング11の先端に延設されたカムロッド402が挿入されている。孔401の先端には、突き当て部403が開口径を減少させるように設けられている。孔401の内周部には螺旋状のカム溝405が形成されている。カム溝405は、周方向に少なくとも半周(180°)以上延びている。カムロッド402からは、先端に突き当て部403を通過可能なロッド406がさらに延びている。ロッド406は、スリット12内に入り込んでおり、先端にストッパ407が鉗子操作部13に当接可能に設けられている。さらに、カムロッド402の外周には、1つのピン408が径方向外側に向けて延設されている。ピン408は、カム溝405に挿入されており、ピン408を介してリング11が操作本体10に係合されている。
この操作部2では、ストッパ407に当接するまで鉗子操作部13を引くことができる。図18に示す位置からリング11を180°回転させると、リング11と共に回転するピン408の回転運動がカム溝405によってリング11の直線運動に変換されて、リング11が後退する。リング11に一体に設けられているストッパ407が例えば移動量Xだけ後退する。ストッパ407が後退することで鉗子操作部13は、移動量Xだけさらに後退できるようになる。このときの位置を着脱針121がケーシング150に係合するまで先端カバー80が移動する位置に設定しておき、最初のストッパ407の位置を2回穿刺の一回目の位置に設定しておくと、2回穿刺を確実にできるようになる。
また、別の態様を図19に示す。図19に示すように、操作本体10のスリット12の内面に、スリット12内側に隆起するように障害レール410が長さ方向に沿って所定長さで設けられている。このスリット12にスライド自在に鉗子操作部411が進退自在に取り付けられている。鉗子操作部411は、鉗子部材115,131を開閉させるスライダである。図20に示すように、内部にはスライド方向に直交する孔412が設けられており、孔412にはストッパ部材413が挿入されている。ストッパ部材413は、弾性部材であるコイルバネ414で孔412に縮径された開口に向けて付勢されており、その先端部が鉗子操作部411から突出してストッパ解除ボタン415になっている。さらに、ストッパ部材413は、側部に切り欠き416が設けられている。図21に示すように、切り欠き416は、障害レール410に比べて十分に大きいが、自然状態では切り欠き416の位置と障害レール410の位置とは一致していない。このため、鉗子操作部411は、障害レール410にストッパ部材413が当たるまでしか後退できない。図22に示すように、ストッパ解除ボタン415を押し込むと、コイルバネ414が収縮する分だけストッパ部材413が移動し、切り欠き416の位置と障害レール410の位置が一致する。切り欠き416で障害レール410を回避できるようになるので、鉗子操作部411をリング11に向けてさらに後退させることが可能になる。このように、操作者は、ストッパ部材413の先端のストッパ解除ボタン415を押すことで鉗子操作部411の移動量を制御することが可能になるので、2回穿刺を確実にできるようになる。
開口SOに曲針120及び縫合糸125が通されたら、チャージ用バネ140の付勢力で鉗子部材131が閉方向に付勢され、針134が組織にしっかりと噛み込む。さらに、鉗子部材115,131のストッパ151,152が先端カバー80の先端面80Aに突き当たって、鉗子部材115,131の撓みが防止されて着脱針121の軸線と、ケーシング150の軸線とが略一致する。
ここで、鉗子部材115,131が完全に閉じたときに、又は完全に閉じる直前に、先端カバー80の筒部81内に引き込まれたロッド100の解除部材105のテーパ面がピン75を押し上げる。ピン75が押し上げられると、筒部81と、先端保持部71との係合が解除される。その結果、先端保持部71に対して先端カバー80が引き込み可能になる。したがって、図23に示すように、鉗子操作ワイヤ15をさらに後退させると、先端カバー80がコイルバネ83を圧縮しながら後退し、先端カバー80にピン116,132及びストッパ151,152で連結された鉗子部材115,131が後退する。なお、このとき、筒部81のボール102は、解除部材77を越えて、大径部92Aに入り込み、筒部81とロッド100とが連結される。
これに対して、ケーシング150は、ケーシング支持部86に保持されており、移動しない。しかも、先端カバー80が後退することで、ケーシング150に係合させているボール205の外周をガイド孔210の小径な部分210Bが覆うのでボール205は径方向外側に移動できなくなる。その結果、ケーシング150が移動が防止された状態で、曲針120の先端に装着されている着脱針121がケーシング150内に挿入される。収容孔163内では、線バネ165によって着脱針121がケーシング150に係止される。
鉗子操作ワイヤ15を引ききったら、鉗子操作部13を前進させる。先端カバー80は、筒部81の外側に設けられたコイルバネ83の復元力で元の位置に移動を開始する。このとき、スリット92の大径部92Aに入り込んだボール102で筒部81とロッド100とが連結されているので、先端カバー80とロッド100とが一体的に前進する。したがって、鉗子部材115,131が開くことなく前進し、鉗子部材115に装着されている曲針120がケーシング150から離れるように平行移動する。
この平行移動より曲針120から着脱針121が外れる。図24に示すように、着脱針121は、ケーシング150に収容されたままで留まり、曲針120がケーシング150から離れる。このとき、鉗子部材115,131はまだ開いていないので、曲針120とケーシング150とが干渉することはない。その後、先端カバー80の筒部81と共に前進するボール102は、解除部材77に当接し、解除部材77の基端のテーパ面によってロッド100内に押し込まれる。これによって、ロッド100と筒部81との係合が解除され、先端カバー80に対してロッド100を前進できるようになる。その結果、鉗子操作部13を前進させると、鉗子部材115,131を開けるようになる。図25に示すように、鉗子部材115,131が開かれることで、曲針120が組織から引き抜かれる。縫合糸125は、組織を貫通した状態でループ状に残る。
縫合糸125を締め付けるときには、フックシース21を前進させる。フックシース21が先端爪部211を押し、先端爪部211がケーシング150を先端カバー80から組織に向けて押し出す。先端カバー80は、元の位置に戻っているので、ボール205の周囲にはガイド孔210の拡径された部分210Aがあり、板バネ206が弾性変形してボール205が凹部202から外れて、ケーシング150とケーシング支持部86との係合が解除される。ケーシング150をケーシング支持部86から突出させたら、フック操作部14を後退させて、フック212を後退させる。フック212に係合させてある縫合糸125が引っ張られるので、組織を貫通する縫合糸125のループが絞られる。フック操作部14のハンドル16は、鉗子操作部13を越えて引くことができるので、ケーシング150を組織に当接させるまで縫合糸125を引っ張ることができる。その結果、図26に示すように、カートリッジ153で開口SOが縫合される。フック212の係合を解除したり、ケーシング150から延出した縫合糸125を内視鏡4の作業用チャンネルに通した公知の糸切用処置具で切断することで、カートリッジ153が開口SOを縫合した状態で体内に留置される。
この実施態様では、第一係止部材であるピン75を設けることで鉗子操作ワイヤ15を後退させる過程で先端保持部71と先端カバー80との係合を解除できるように構成したので、鉗子操作ワイヤ15を引いて鉗子部材115,131を閉じる動作に連動して着脱針121をケーシング150内に挿入させることができる。従来の操作部は構造が複雑であり、操作に熟練を要したが、この実施態様では、鉗子操作部13の一連の動作で着脱針121の係合までができるようになるので、操作が簡単になる。即ち、例えば、US2003−0181924A1に記載された処置具の場合、着脱針をケーシングに係合させるためにケーシングを保持するフックシースの進退操作が必要で、そのためには操作部を持ち替える必要があった。また、着脱針がケーシングに係合するためには、着脱針とケーシングの長手方向中心軸を一致させる必要があり、術者が術中に確認しなければならなかった。これに対して、この実施態様では、着脱針121の先端がケーシング150に係合し得る状態になったときに先端保持部71と先端カバー80との係合を解除できるようにすることで、鉗子部材115,131を閉じる動作に連動して着脱針121をケーシング150内に挿入させることができるため、操作性が向上する。
また、処置具の一例として、この実施態様では、縫合器を開示したが、これに限定されずに鉗子部材115,131の形状が異なる生検鉗子や把持鉗子などに応用することも可能である。生検鉗子に応用する場合には、手元側の操作で組織を掴む操作と組織を引きちぎる操作とを一連の動作して実施することが可能になる。また、把持鉗子に応用する場合には、手元側の操作で組織を掴む操作と組織を移動させる動作とを一連の動作として実施することが可能になる。
第二の係止部材であるボール102を設けて鉗子部材115,131が開く前に、鉗子部材115,131のリンク機構と先端カバー80とを一体に前進させるように構成したので、曲針120がケーシング150から完全に離脱するまで鉗子部材115,131を開かないようにできる。曲針120とケーシング150とが干渉しなくなるので、鉗子部材115,131の開閉動作が確実になる。さらに、鉗子操作部13の一連の動作で曲針120からの着脱針121の取り外しと、鉗子部材115,131を開く動作とができるようになるので、操作が簡単になる。
ケーシング150とケーシング支持部86と係合させるボール205を第三の係止部材として設け、先端カバー80のガイド孔210でボール205の係合を制御するようにしたので、ケーシング150を確実に固定でき、ケーシング150に着脱針121を係合させ易い。
鉗子部材115,131に先端カバー80の先端面80Aに当接するストッパ151,152を設けたので、鉗子部材115,131を閉じたときに、曲針120の軸ずれを防止できる。曲針120の軸がずれるとケーシング150に着脱針121を挿入し難くなったり、曲針120から着脱針121を外し難くなったりするが、この実施態様では、このような課題が解決される。
挿入部3の経路中に進退操作部25及びスコープホルダ26を設け、フックシース21のみ、又は両シース21,22を同時に進退させるようにしたので、従来の操作部の構成に比べて操作が容易になる。術者が進退させるシースを観念し易くなり、操作を習熟し易くなる。また、進退操作部25は操作本体10から離れているので、操作を分担し易い。
操作部2は、鉗子部材115,131の操作を行う操作部(鉗子操作部13)と、フック212の操作をする操作部(フック操作部14)とが一体に設けられているので、操作部をコンパクトにでき、取り扱いが容易になる。フック操作部14を先端側に配置し、ハンドル16の間に鉗子操作部13が入り込めるようにしたので、フック操作部14のストロークを大きくすることができ、縫合糸125の締め付けが楽になる。
ここで、縫合器1の種々の変形例を示す。
図27に示すように、先端爪部301は、フックシース21の先端部が固定され、内部にフック操作ワイヤ18が引き込まれている。さらに、ケーシング支持部86(先端部を径方向外側に少し開いてケーシング150を受け入れ可能にしてある)にも固定されている。先端爪部301の先端には、爪部302が一体に形成されており、ケーシング150の基端部を係止可能である。この先端爪部301は、図9に示すような先端爪部211と、先端爪部211を受けるケーシング支持部86の段差86Aとを一体に成形したものであり、製造原価及び組み立て工数の削減が図れる。
図28に示すように、先端保持部71と、ブリッジ部85と、ケーシング支持部86とを一体に成形した支持部材310を使用しても良い。支持部材310は、全体としてクランク状に屈曲しており、先端保持部71と、ケーシング支持部86とを別体で構成する場合に比べて、部品のコストや、組み立てのコストを低減できる。なお、製造方法としては、金属射出成形、ターニングセンタ加工、モールディング、鋳造、鍛造が使用できる。
図29に示すように、受け部320で、コイルシース41の先端部が固定されるアウター部材321に係合する部分に切り欠き部322を設けても良い。受け部320は、内視鏡4の先端部を縫合器323に固定するために用いられる。切り欠き部322によって、受け部320はアウター部材321を略C字の断面形状で保持する。切り欠き部322の位置は、内視鏡4と縫合器323を組み合わせてオーバーチューブ6に挿入したときに、オーバーチューブ6の内面に接触または近接する位置である。この位置で受け部320を切り欠くことで、内視鏡4と縫合器323を合わせた外径を減少させてオーバーチューブ6への挿入を容易することができる。なお、この縫合器323は、ケーシング150を係合させる先端爪部301をシース326によって進退させる構成を有する。先端爪部301は、先端カバー80及びこれと一体化されたケーシング保持部325の内部で進退動作する。
図30に示すように、受け部320においてアウター部材321を保持する保持部330は、断面がC字形になるように切り欠き部322を有すると共に、先端側に向けて開くようなテーパ面331を設けてある。テーパ面331は、コイルシース42の軸線CLを中心軸とする曲面形状を有する。フックシース21と鉗子シース22を操作して先端カバー80を後退させるときに、ケーシング保持部325の基端部が受け部320に引っ掛からないようになるので、進退をスムーズに行えるようになる。
なお、第一係止部材は、図9に示す球形のピン75の代わりに、図31に示すように、略円柱形のピン75Aに変更しても良い。円柱形のピン75Aを使用すると、孔72との嵌合長が増えて第1の係止部材が操作中に外れ難くなる。第1の係止部材の係合が解除されるのに必要な力量が安定するので、組織を穿刺している途中で第一係止部材が外れなくなる。
(第2の実施態様)
図32に第2の実施態様の縫合器を内視鏡と共にオーバーチューブに通した図を示す。
内視鏡用処置具である縫合器501(アプリケータ)は、術者が操作する操作部2から長尺の挿入部3が延びている。操作部2は、細長の操作本体10に鉗子操作部13と、フック操作部14とがそれぞれ独立してスライド自在に取り付けられている。
図2の領域Lを拡大した断面図である図33に示すように、操作本体10の先端には、フック操作ワイヤ18及びフックシース21と、鉗子操作ワイヤ15及び鉗子シース22が挿入されている。
フックシース21には、シース固定パイプ511がロー付け固定されている。シース固定パイプ511の端部は、その一部が軸線からオフセットした平面でカットされ、断面視でD形状になるような切り欠き512,513が軸線方向に沿って2ヶ所形成されている。切り欠き512,513の間に残された部分514は、基端側の壁面が先端に向かって開くように傾斜している。部分514の先端側の壁面は、軸線に略垂直である。切り欠き513の先端側の壁面は、先端かつ径方向外側に向けて傾斜させており、シース固定パイプ511を挿入するときに引っ掛からないようにしてある。操作本体10の先端部は、シース固定パイプ511を挿入可能な孔515が形成されている。孔515は、シース固定パイプ511の端部が突き当てられる壁部516を有し、この壁部516から先が断面視で略D字形の孔515Aになっている。この孔515Aの外形は、シース固定パイプ511の切り欠かれた部分の断面形状に略等しい。さらに、孔515Aより先端側には、弾性変形可能なフック517が孔515の周壁を利用して形成されている。フック517は、切り欠き513に係合可能に突出しているので、シース固定パイプ511は抜けない。
シース固定パイプ511を操作本体10に挿入し、端部を壁部516に突き当てると、切り欠き512が略D字形の孔515Aに収まり、軸線回りの回転が規制される。これと同時に、切り欠き513には、フック517が挿入される。フック517は、シース固定パイプ511が引っ張れたとき、シース固定パイプ511の部分514の壁部に引っ掛かるので、フックシース21の抜けを防止する。なお、シース固定パイプ511は、操作本体10の先端から所定長だけ突出し、フックシース21の折れを防止する機能も有する。
フックシース21内に進退自在に通されたフック操作ワイヤ18は壁部516を越えて引き出され、Oリング518内を通った後に、フック操作部14に挿入される。
図34と、図35に示すように、フック操作部14は、フック操作ワイヤ18が通る経路を越えて延びる一対の爪519を有し、爪519の間を通ってフック操作ワイヤ18が内部に挿入される。フック操作ワイヤ18の端部には、ワイヤ固定パイプ520がカシメ固定されている。ワイヤ固定パイプ520をフック操作部14に係止させることで、抜け止めされる。ワイヤ固定パイプ520は、フック操作部14の外周側から内部に向けて形成したスリット521内に配置されている。スリット521の長さは、ワイヤ固定パイプ520の長さに略等しく、スリット521の前後方向の壁部521A,521Bでワイヤ固定パイプ520の進退が規制される。
さらに、スリット521には、係止帯523が挿入されている。係止帯523は、略U字形で、開放端側が開いている。係止帯523の湾曲した部分は、ワイヤ固定パイプ520の外周面でフック操作部14の中心側の側面に面接触し、ここからフック操作部14の外周に向かって延び、その端部がワイヤ固定パイプ520が通された位置より径方向外側においてフック操作部14に固定されている。これによって、ワイヤ固定パイプ520の径方向内側への移動が防止される。
ワイヤ固定パイプ520の径方向外側への移動は、爪519のスリットの端部にフック操作ワイヤ18が係止されて規制される。このようにしてフック操作ワイヤ18をフック操作部14に固定したので、フック操作ワイヤ18の押し出し抵抗が大きくなってフック操作ワイヤ18が変形してもフック操作部14から外れなくなる。
図33に示すように、鉗子シース22の端部には、真鍮性のシース固定パイプ525がカシメ固定されている。シース固定パイプ525は、先端側の外周を拡径させて係止部525Aが形成されている。係止部525Aを操作本体10側に形成された溝526に挿入すると、鉗子シース22を操作本体10に係止できる。シース固定パイプ525は、鉗子シース22を係止部525A側から通し、基端側からカシメて固定する。係止部525Aが先端側に形成されているので、カシメ工具が入れ易くなる。また、シース固定パイプ525を真鍮で製造したのでステンレスに比べて切削加工が容易で、原価を低減できる。
図36に示すように、フックシース21と鉗子シース22は、進退操作部25とスコープホルダ26のそれぞれに順番に通されている。鉗子シース22は、進退操作部25に固定されている。フックシース21は、進退操作部25内に収容されたOリング530で摺動抵抗を増大させている。Oリング530の収容部531は、長さ方向に2つ形成されており、その一方のみにOリング530が収容されているが、両方の収容部531にOリング530を収容しても良い。
また、スコープホルダ26に通された鉗子シース22は、収容部532内のOリング530で摺動抵抗を増大させてある。収容部532は、長さ方向に2つ形成されており、その各々にOリング530が収容されているが、一方のみに収容しても良い。鉗子シース22は、進退操作部25内に収容される部分に、パイプ533がカシメ固定されている。パイプ533は、進退操作部25の溝に嵌合している。
ここで、進退操作部25とスコープホルダ26の間に露出しているフックシース21を掴んで進退させると、フックシース21のブレーキとして機能するOリング530が1個なのに対し、鉗子シース22のブレーキとして機能するOリング530が2個であり、鉗子シース22の方が摺動抵抗が大きい。このため、フックシース21のみが移動し、鉗子シース22は移動しない。
2つのシース21,22を同時に移動させたいときは、進退操作部25を掴んで進退させる。パイプ533で鉗子シース22と進退操作部25は係合しているので、スコープホルダ26内の2つのOリング530のブレーキ力に打ち勝つような進退力を与える。フックシース21は、進退操作部25内のOリング530の摺動抵抗によって進退操作部25と一緒に移動する。
進退操作部25に摺動抵抗の調整部材として、Oリング530を使用することで、シース21,22を進退させるときに適度なブレーキを安価に実現できる。シース21,22との摺動抵抗が小さいOリングを使用する場合などには、Oリングを3つ以上使用しても良い。ブレーキ性能を確保しつつ、Oリングの耐久性を向上できる。また、Oリングの代わりに、シリコーンなどの樹脂製のチューブを使用しても良い。
なお、進退操作部25を前進させるときに鉗子シース22が曲がってフックシース21のみが前進しないように、鉗子シース22のコイルの素線径を太くして硬度を高めている。この場合に好適な鉗子シース22の硬度は、組織に縫合器501を押し付けたときに、鉗子シース22が座屈しない程度の硬さとする。
また、スコープホルダ26を掴んでフックシース21を押し込むときに、フックシース21が撓まないように、フックシース21のコイルの素線径を太くしている。これによって、フックシース21をスムーズに押し込むことができる。さらに、フックシース21と、フック操作ワイヤ18の間のクリアランスを小さくし、フック操作ワイヤ18がフックシース21に摺動するようにした。フックシース21とフック操作ワイヤ18の間のクリアランスが大きいと、フック操作ワイヤ18がフックシース21内で撓んで蛇行することがある。この場合、フック操作ワイヤ18が蛇行した分だけフック操作部14の操作ストロークを大きくしなければならなくなる。これに対して、この縫合器501は、クリアランスを小さくしたのでストローク量が小さくなり、フック操作ワイヤ18の操作性が向上する。
ここで、鉗子シース22とフックシース21は、決められた順番でスコープホルダ26に挿入されている。内視鏡4を左手で持ち、右手でフックシース21及び鉗子シース22を操作するときに、術者の右側にフックシース21が配置され、術者の左側に鉗子シース22が配置される。その結果、図37に示す内視鏡4の画像535で、右側にフック、左側に曲針120が配置されるようになる。術者の左右と画面上の左右が一致するので、術者が操作し易くなる。
図36に示すように、フックシース21及び鉗子シース22は、スコープホルダ26内で、コイルシース41及びコイルシース42にそれぞれ挿入される。これらコイルシース41,42は、平板を密巻きしたコイルからなる。スコープホルダ26には、これらコイルシース41,42の抜け止めとして、係止部材340,341が嵌め込まれている。係止部材540,541は、スコープホルダ26側に設けられた凹部に嵌め込まれており、2つの突起542がコイルシース41,42の長さ方向に離間して設けられている。コイルシース41を挟んで配置される2つの係止部材540,541では、突起542が長さ方向の交互に配置されている。同様に、コイルシース42を挟んで配置される2つの係止部材540,541では、突起542が長さ方向の交互に配置されている。各突起542は、コイルの素線の間に進入するので、コイルシース41,42の抜け止めとなる。コイルシース41,42を固定するときは、スコープホルダ26に係止部材540,541を嵌め込んでおき、フックシース21と鉗子シース22をスコープホルダ26の貫通溝に通した状態で、スコープホルダ26からのコイルシース41,42の突出量を調整する。位置決めをしたら、コイルシース41,42を押し込んで突起542に係合させる。このようにすると、組立時間を短縮できると共に、コイルシース41,42の長さ調整が容易になる。
フックシース21の外周は、被覆しておらず、フックシース21とコイルシース41の2重構造になっている。これらシース21,41は、ステンレスから製造され、被覆がないことでシース21,41間の滑りが良好になる。内視鏡4にアングルをかけて湾曲させているときでもフックシース21を容易に進退させることができる。
図38に示すように、フックシース21を手元側のコイル21Aと、先端側のコイル21Bで素線径を異ならせている。手元側のコイル21Aの素線径を太くすることで、フックシース21を引っ張ったときにコイルが伸びないようになる。また、先端側のコイル21Bの素線径を細くすることで、可撓性が向上するので内視鏡4にアングルをかけ易くなる。さらに、アングルをかけた状態でフックシース21を軽い力で摺動できる。図38に示すように、コイルシース41の手元側を板厚の大きい平コイル41Aにし、先端側を板厚の薄い平コイル41Bにした。鉗子シース22を前進させたときにコイルシース41が伸び難くなって、鉗子シース22の操作性が向上し、先端側で内視鏡4のアングルをかけ易くなる。平コイル41Bを用いずに、板厚の大きい平コイル41Aを先端まで用いれば、さらにコイルシースを延び難くできる。なお、各コイル21A,21B,41A,41Bの境界は、溶接によって行っている。
鉗子シース22の外周は、被覆しておらず、鉗子シース22とコイルシース42の2重構造になっている。これらシース22,42をステンレスから製造することで、シース22,42間の滑りが良好になる。図38に示すように、鉗子シース22を手元側のコイル22Aの素線径を太くして、鉗子シース22を引っ張ったときにコイルが伸びないようしている。また、先端側のコイル22Bの素線径を細くして、内視鏡4にアングルをかけ易くしている。さらに、アングルをかけた状態で鉗子シース22を軽い力で摺動できる。
ここで、コイルシース41とフックシース21の間のクリアランスを小さくして、体内に送気した気体がシース21,41の間を通って体外に漏れないようになっている。コイルシース42と鉗子シース22の間のクリアランを同様に小さくなっている。気密性が向上して、例えば、胃を膨らませるときに空気が漏れ難くなり、短時間で膨らませることが可能になる。一端膨らませた胃がすぐに萎まないようになる。送気の回数や時間が減って、処置が容易になり、術者のストレスを軽減できる。
図32及び図38、図40、図41に示すように、コイルシース41,42の先端は、スコープ受部550に溶接されている。スコープ受部550は、コイルシース41,42の1本ずつ接続される2つの筒部551,552と、内視鏡4を受ける筒部552とが先端側の連結部554で一体化され、各筒部551〜553が略平行に配置されている。3つの筒部551〜553を一体化したので、2つの筒部551,552の平行度が高くなって処置部7の突没が容易になる。
図40に示すように、樹脂製のフード55は、内環556に取り付けられ、内環556と筒部553は溶接で一体化されている。したがって、各部材の加工が容易になる。内環556の内径は、フード555の内径に略等しく、基端面556Aは内径を拡げるように面取りされている。内環556の外径はフード555の内径より大きく、溝556Bが環状に形成されている。フード555は、内視鏡4を保持できる範囲内で内環556から自然に外れない大きさのものが使用される。組立時のフード555の取り付けが容易になって、組立工数を削減できる。フード555を取り付けるときは、内環556を嵌めて、溝354Bにフード555の先端部を嵌合させる。次に、内環556の先端面と筒部553とをレーザ溶接等で一体化する。内環556の溝556Bの深さと、フード555の嵌合高さとを十分に確保することで、フード555の取り付け強度が向上する。
図41に示すように、筒部552の先端の開口部552Aは、スコープ受部550の回転軸C1を中心とする円弧形にカットされおり、略C字形になっている。スコープ受部550の外形が小さくなって、オーバーチューブ6に挿入し易くなる。処置部7が傾いたときにでも引き込みが容易になる。
図38及び図40に示すように、処置部7は、スコープ受部550に支持される先端カバー560を有し、先端カバー560に一対の鉗子部材115,131が開閉自在に支持されている。さらに、先端カバー560には、鉗子部材115に装着された着脱針561を受け取るケーシング150が突没に収容されている。先端カバー560は、鉗子部材115,131を開いた状態から着脱針561を受け取る時までの間、針先が内視鏡4の画面に確実に治まるように、長さが調整されている。これによって、例えば、図37に示すように、内視鏡4の画像535では、開いた一対の鉗子部材115,131と着脱針561が画面の下方に表示される。このような配置にすることで、一対の鉗子部材115,131が閉じるまでの間、着脱針561の軌跡を画像535で確認することができる。術者は、着脱針561を常に確認しながら処置を行えるので、処置の確実性を向上できる。
図38及び図40、図42に示すように、先端カバー560は、鉗子シース22がレーザ等で溶接される鉗子受部571と、フックシース21がレーザ等で溶接されるケーシング支持部572とが、連結部573で連結された一体構成を有する。鉗子受部571内には、鉗子操作ワイヤ15に連結されたロッド575を含んで構成されるリンク機構576が設けられている。ロッド575の先端には、ピン110で一対のリンク部材111,112が連結されている。リンク部材111は、ピン113で第一の鉗子部材115に連結されている。第一の鉗子部材115は、ピン連結された一端部から曲針120が固定された他端部まで延び、その途中においてピン116で先端カバー560に回動自在に支持されている。曲針120の先端には、着脱針561が装着されている。
他方のリンク部材112の他端部は、ピン130で中間部材131Aの基端側と回転自在に連結されている。中間部材131Aの先端側はピン132で先端カバー560に回転自在に支持されている。
鉗子部材131において、先端カバー560にピン132で支持される部分131Cは、先端カバー560の内側に配置されている。鉗子部材131は、チャージ用バネ577で鉗子部材115,131を閉じたときに鉗子部材131の先端部131Bを完全に閉じるように付勢される。チャージ用バネ577は、ピン132に摺動可能にコイル状に巻かれている。チャージ用バネ577の端部577Aは、一対の鉗子部材115,131を閉じたときにリンク部材112の他端部112A(図40参照)に当接する。チャージ用バネ577の他方の端部は、鉗子部材131の部分131Cに当接する。チャージ用バネ577は、ピン132に摺動しつつ回転できる程度に巻かれており、ピン132に対して殆ど傾くことがないので、リンク部材112や、鉗子部材131から外れない。
図42に示すように、鉗子部材115,131を開いたときに、チャージ用バネ577の端部577Aは、先端カバー560から組織に向かって突出する。他端部577Aは、略U字形に折り曲げられて湾曲している部分が先端に向かうので、処置部7を組織に押し付けても組織に刺さることはない。
図41に示す状態では、ロッド575からピン116,132までの距離に対して、リンク部材111,112が長いので、ロッド575はこの位置より先端に移動できない。このため、第1の実施の形態のようなピンをロッドに設けて、先端カバーにガイド孔を設ける必要がなくなる。なお、他の実施態様で記載する装着装置の位置決めに使用する場合には、先端カバー560の片側のみにガイド孔を設けても良い。
ここで、曲針120は、第一の鉗子部材115に形成された断面円形の孔115Dに挿入され、溶接で固定されている。曲針120の断面形状も略円形になっており、両者の位置出しは不図示の治具で行う。従来のように、曲針120の固定部の断面をD字形にカットして位置出しをする場合に比べて加工工数を削減できる。
フック操作ワイヤ18の先端には、フック581が固定されている。フック581は、引き込んだ状態ではフックシース21内に収容される。このときにフック581とフックシース21の間の摺動抵抗が大きいと、フック581の動きが悪くなる。さらに、内視鏡4を湾曲したときにフック581の動きが重くなる。このため、フック581とフックシース21の間のクリアランスを大きくして、フック581の進退を小さい力で行えるようにしてある。なお、クリアランスは、0mmより大きく、0.1mm以下であることが望ましい。この範囲であれば、フック581の動作が良好で、かつフック581から縫合糸125が外れることもない。
図43及び図44に示すように、フック581は、先端部の幅を減少させた係合部582を有する。係合部582は、フックシース21との間で縫合糸125が通過可能な大きさで、基端側に向かう返し582Aによって縫合糸125を引っかけることができる。係合部582を製造するときは、テーパを付けた刃を使用したエンドミルによる切削加工を行う。この際に、エンドミルの外径が縫合糸125に略等しい部分を使って、基端側から斜めに切削する。これによって形成される溝583の基端部は、オーバーハングした顎584が形成される。この顎584は、フック581の軸線からオフセットした位置で、かつ周方向で係合部582の返し582Aと同じ側に配置されている。コイルシース41からフック581を押し出したときに、この顎584に縫合糸125が引っ掛かるので、フック581を進退させる過程で縫合糸125を抜け難くできる。また、コイルシース41が曲がっているときでも顎584によって縫合糸125の抜け落ちが防止される。フック581を製造する際には、大きくカッターテーパを付けた刃を使用したエンドミルで、縫合糸125を通す溝583を形成する際に、エンドミルの拡径部を押し当てて、溝583の周囲にフック581の幅を減少させるような面取り585を形成している。溝583と面取り585の加工を一度で行えるので、フック581を製造するときの製造コストを低減できる。
このようなフック581は、例えば、SUS420F2材のように、切削性が良好な材料を切削加工することで製造されている。これによって、加工時間を短縮し、加工刃物の耐久性を向上できる。
図38に示すように、フックシース21は、先端カバー560のケーシング支持部372内に収容された支持部材591にレーザ等で溶接されている。支持部材591は、先端にケーシング150を保持する突部が設けられ、内部にフック581を通す貫通孔が形成されている。さらに、ケーシング150に係合する一対のアーム592が溶接されている。アーム592は、細長形状を有する弾性部材から製造されており、支持部材591に溶接された根元部分を起点にして先端側が径方向外側に開くように曲げられている。アーム592の先端部は、内側に屈曲されている。溶接後にアーム592の曲げ加工を行うと、組立時間を削減できる。アーム592は、支持部材591の凹部に溶接されているので、アーム592が溶接された部分の支持部材591の外径は、他の部分と略等しく、ケーシング支持部572に対してスムーズに進退できる。
ケーシング支持部572は、基端が支持部材591に当接可能に縮径させられており、ここから支持部材591の外径に略等しい内径を有して軸線方向に延び、その後、さらに拡径して先端に開口している。なお、内孔の先端側には、スペーサ601が挿入されているので、内径が拡げられた部分は、一部分のみになっている。内径が拡げられた部分では、支持部材591の一対のアーム592が弾性力によって復元して開き、ケーシング150の凹部202との係合が解消される。スペーサ601が挿入された部分では、アーム592が閉じられて、ケーシング150の凹部202に係合する。スペーサ601が挿入された部分は、一対の鉗子部材115,131を閉じた後、曲針120をケーシング150から引き抜くときの位置に相当する。したがって、曲針120を引き抜くときは、アーム592がスペーサ601に押圧されることで弾性変形してケーシング150に係合し、ケーシング支持部572からの抜け落ちを防止する。
ここで、ケーシング150を装着するときは、支持部材591が基端側にあるので、一対のアーム592はケーシング150を受け入れ可能に開いている。したがって、フック581をループ125Aに引っ掛けて、フック581を引き込むだけで、先端カバー560への装着が終了する。ケーシング150を装着するときの手間が削減される。
図45に示すように、カートリッジ(あるいは留置具とも称する)153は、着脱針561と、着脱針561にカシメ固定された縫合糸125と、縫合糸125が通されたケーシング150とを有する。着脱針561は、先端に鋭利な端部になっており、基端部に曲針120に嵌入可能なすり割り610が形成されている。すり割り610は、曲針120の内径に寸法誤差があったときでも着脱針561の保持や、離脱が適度な力量で行えるように、その寸法が定められている。例えば、着脱針561の全長が5mm程度の場合に、すり割り610の長さを1.4mm程度にすると、バネ定数が下がって、着脱針561と曲針120の着脱力量のばらつきを押さえられる。なお、着脱針561には、曲針120の先端面に当接する当接部611が設けられているが、すり割り610は当接部611の形成位置より基端側で止まっている。曲針120に挿入される部分の一部にすり割り610を設けないことで、着脱針561のぐらつきを防止し、曲針120の軸線と着脱針561の軸線を一致させやすくなる。
図45及び図46に示すように、着脱針561の基端は、すり割り610を形成するスリットに直交する平面でカットすることで、この方向の長さを短くしている。カットされた端面612間の距離は、曲針120の孔が設計値の公差を含む最小径であった場合でもすり割り610が撓むことで挿入可能な大きさである。すり割り610によって幅を縮小可能な方向の長さは、端面612間の距離より長いが、この方向はすり割り610によって曲針120の孔径に合わせて弾性的に変形可能である。着脱針121の端部を部分的にカットすることで、曲針120の寸法誤差を許容して、着脱針561を曲針120に軽い圧入嵌合で確実に装着できる。
図45に示すように、縫合糸125は、ケーシング150内に通され、一方の端部が着脱針561に固定され、他の方の端部で二重引き解け結びによるループ125Aを形成している。着脱針561からケーシング150に至るまでの縫合糸125の長さは、35mm程度であり、組織を緊縛するに必要、かつ十分な長さである。また、ケーシング150から引き出された部分の長さは、ループ125Aの端に至るまでで10mm程度である。これによって、カートリッジ153を装着したときにフック581を突出させた位置から緊縛位置までフック581のストローク量を減らせる。縫合糸125の長さを最適化することで、手元側のフック操作部14のストローク量を小さくでき、操作が容易になる。ケーシング150から引き出された部分の長さを短くすることで、ケーシング150を押し出すときに縫合糸125がくしゃくしゃに押し潰されることが起き難くなり、フックシース21内で引っ掛からないようになる。
さらに、ループ125Aを形成した後に残る縫合糸125の端部125Bの長さを2mm以上にしている。これによって、ケーシング150をリリースするときに、縫合糸125の端部125Bがフックシース21の内面に引っ掛かったり、擦れたりしなくなる。ケーシング150の進退をスムーズに行える。
図38及び図45に示すように、ケーシング150は、2ピース構造を有する。基端側の部材621は、支持部材591に係合可能で内部に線バネ165が収容されている。先端側の部材622は、着脱針561の基端部を収容可能な貫通孔623が形成されている。線バネ165は、平面視で略U字形を有し、両端部165Aが着脱針561の挿入方向に略垂直に折り曲げられている。折り曲げられた一対の端部165Aの間の距離は、着脱針561がカシメられた縮径部561Aの外径に略等しく、着脱針561の基端側の当接部611の外径より小さい。図45及び47に示すように、先端側の部材622には、貫通孔623と共に、線バネ165を挿入可能な孔624が形成されている。この孔624は、線バネ165の略U字形の部分を挿入可能な扁平形状を有する。線バネ165を挿入するときは、一対の端部165Aが貫通孔623の外径以下に近接するように変形させて、孔623,624から挿入する。先端側の部材622と基端側の部材621の間には、端部165Aを広げられるスペース625があるので、このスペース625まで線バネ165を挿入すると、端部165Aが開き、以降は線バネ165が抜けなくなる。着脱針561が挿入されるときは、着脱針561の先端で端部165Aが押し広げられる。着脱針561の縮径部561Aでは、端部165Aが復元して閉じて着脱針561に係合する。この状態の線バネ165の端部165Aは、先端側の部材622の壁面に引っ掛かるので、着脱針561を引っ張っても線バネ165が着脱針561を係止する。したがって、着脱針561がケーシング150から外れることはない。線バネ165を先端側から挿入する構造にすることで、ケーシング150の先端側の部材621と基端側の部材622を一体構造にすることが可能になる。したがって、着脱針561を確実に収容することができる。
従来は、ケーシングを2部材から構成する際は、接着や超音波溶着で一体化させている。この場合、接合部分で分離されると、着脱針561の先端側が露出して組織に接触してダメージを与える可能性がある。この実施態様では、ケーシング150を一体化して分離しない構造にしたので、線バネ165を着脱針561を受ける先端の開口側から、つぼめながら挿入して組み立て、アンダーカットになる部分で線バネ165を広げて抜けなくなる構造にしている。
カートリッジ153で組織を緊縛するときは、一対の鉗子部材115,131を閉じ、曲針120を組織に穿通させる。図48に示すように、着脱針561が、手元側に向けて、かつケーシング150と同軸上に配置される。手元側でフックシース21を前進させると、図49に示すようにケーシング150内に着脱針561が挿入される。このとき、スペーサ601に押されて一対のアーム392が閉じて凹部202を締め付けるので、スペーサ601が落下したり、軸がずれたりしない。着脱針561が線バネ165によって係止されたら、手元側でフックシース21を引き戻す。図50に示すように、着脱針561が曲針120から外れてケーシング150と共に、先端カバー560内に引き込まれる。
その後、一対の鉗子部材115,131を開き、フックシース21を前進させる。図50に示すように、ケーシング150を先端カバー560より先に突出させたら、手元側のフック操作部14を引いて、フック581を後退させる。縫合糸125が引っ張られて、組織を締め付ける。組織を締め付けた後は、フックシース21を後退させて、フック581を前進させてケーシング150を支持部材591から外す。フック581を支持部材591から突出させて縫合糸125をフック581から外す。カートリッジ153が組織を緊縛した状態で留置される。
(第3の実施態様)
図52に示すように、スコープホルダ26には、内視鏡操作部4Aに装着される受け部701が設けられている。受け部701は、断面が略C字形を有し、鉗子栓部4Bに合わせて切り欠き702が形成されている。スコープホルダ26を内視鏡4に装着するときは、受け部701を内視鏡操作部4Aに嵌めて、鉗子栓部4Bを跨がせた結束バンド703で締め付ける。結束バンド703は、細長のバンド部704の一方の端部に係止ヘッド部705が一体に設けられている。バンド部704には、ラックが長さ方向に沿って配設されている。結束バンド703は、受け部701の切り欠き702を挟んで配置される2つの取り付け部707,708のそれぞれに係止される。
一方の取り付け部707は、バンド部704は通すが、係止ヘッド部705は通さない挿入部707Aを有し、バンド部704のずれを防止する突起707Bが設けられている。図53に示すように、他方の取り付け部708は、バンド部704のずれを防止する突起708Aと、バンド部704を通す挿入部708Bが設けられている。さらに、挿入部708Bには、バンド部704のラックに係合するラチェット爪が設けられた係止部708Cが固定されている。ラチェット爪は、バンド部704を挿入する方向にはラックを係合せずに、バンド部704を引き戻す方向にはラックに係合する方向に形成されている。このスコープホルダ26では、鉗子栓部4Bを結束バンド703で締め付けて固定するようにしたので、内視鏡4の機種によらずにスコープホルダ26を取り付けられる。また、結束バンド703で締め付けることで、縫合器1を内視鏡4に強固に固定できる。
この実施の形態の変形例について説明する。図54に示すスコープホルダ26は、受け部701の取り付け部材710の構成が異なる。取り付け部材710は、係止部708Dを有する。係止部708Dは、バンド部704の挿入方向と直交する方向にカットされ、ラチェット爪711が露出している。内視鏡4にスコープホルダ26を取り付けるときは、結束バンド703を取り付け部707から挿入し、バンド部704の他端を取り付け部708に通して引っ張る。スコープホルダ26を内視鏡4から取り外すときは、係止部708Dに通されたバンド部704を図53に矢印で示す挿入方向と略直交する方向にスライドさせ、カットされた面からバンド部704を引き出す。結束バンド703の再利用が可能になる。
また、図55に示す結束バンド712を用いても良い。結束バンド712は、バンド部704の端部に略V字の切り込み713が形成されている。内視鏡4にスコープホルダ26を取り付けるときは、結束バンド712を取り付け部707から挿入する。図56に示すように、バンド部704の切り込み713を挿入部707Aに引っかける。バンド部704の他端を取り付け部材710を通して引っ張る。スコープホルダ26を内視鏡4から取り外すときは、係止部708Dに通されたバンド部704をスライドさせてバンド部704を引き出す。取り付け部707側は、切り欠き513を引っかけただけなので、結束バンド712は簡単に外れる。結束バンド712は、再利用できる。
また、図57に示すように、受け部701の切り欠き702の周縁から弾性変形可能なロック部715を一体に延設させても良い。ロック部715は、鉗子栓部4Bに係止する爪715Aが突設されており、爪715Aの係脱を操作するレバー715Bが一体に設けられている。内視鏡4に装着するときは、レバー715Bを押してロック部715を変形させて爪715Aを開く。この状態で受け部701を内視鏡4に取り付けたら、レバー715Bを離す。ロック部715が復元して爪715Aが鉗子栓部4Bに係止し、スコープホルダ26が固定される。レバー操作によるワンタッチでスコープホルダ26を内視鏡4に取り付けられる。なお、ロック部715は、受け部701と別体で構成しても良い。
(第4の実施態様)
図58に示すように、2つのコイルシース41,42と内視鏡4の内視鏡挿入部5とを束ねる弁体721は、第1の実施態様の弁体50に比べて大径の貫通孔722を有する。内視鏡挿入部5を通したときに、弁体721の内周面に接触し難くすることで内視鏡4を挿通させ易くなる。また、弁体721の圧入部723の径を第1の実施態様に比べて小さくしてある。内視鏡4を通して圧入部723が潰されても、内視鏡4との接触面積が小さくなるので、内視鏡4を挿通させ易くなる。この弁体721によれば、内視鏡4を挿通する作業が楽になる。
また、弁体721をオーバーチューブ6に挿入するときの摺動抵抗を小さくするために、弁体721の外周の圧入部724の半径を小さくした。オーバーチューブ6内で圧入部724が潰されても接触面積を小さくできるので、挿入し易くなる。なお、これら圧入部724の大きさは、気密保持と摺動性のバランスが良好になる大きさに設定してある。
さらに、弁体721をオーバーチューブ6に挿入するときの摺動抵抗を小さくするために、弁体721を構成するゴムの硬度を例えば従来の50°から40°に落としている。オーバーチューブ6に挿入するのに必要な力量を低減でき、処置時間の削減や、作業ストレスの軽減ができる。
(第5の実施態様)
図59(a)及び図60にカートリッジの変形例を示す。また、図61にこのカートリッジと共に使用されるフックを示す。
カートリッジ751は、ケーシング150に縫合糸125が通されており、縫合糸125に着脱針561が取り付けられている。縫合糸125は、基端側の部材621Aの孔190内でブレーキ部191に通された後に、引き出され、ケーシング150外で折り返されて再び部材621A内に引き込まれており、これによって縫合糸125のループ125Aを形成している。ケーシング150内に引き込まれた縫合糸125の端部は、孔190内に収容されたブレーキ部191にカシメ固定されている。さらに、結び目126を形成することで、抜け止めされている。縫合糸125を固定する手段は、カシメ固定と結び目126のどちらか一方でも良い。
このカートリッジ751では、縫合糸125のループ125Aが部材621A内まで延びているので、部材621Aから延出する縫合糸125が見かけ上2本になる。
図61に示すフック581Aは、縫合糸125を通す部分の基端が先端に向かってせり出した、いわゆるオーバハング形状になっていないので、フック581Aを前進させると、縫合糸125がフック581Aとシース21の隙間に逃げて、フック581Aのみが前進する。フック581Aをさらに前進させてブレーキ部191に突き当てると、ケーシング150を確実に離脱させられる。なお、組織を緊縛するときは、図62に示すように、フック581Aを後退させる。フック581Aに縫合糸125のループ125Aが引っ掛かるので、縫合糸125を引き絞ることができる。
このようなフック581Aを用いると、ケーシング150を直接に押せるので、ケーシング150を確実に押し出すことができる。
図59(a)に示す例では、ケーシング150の孔190内の軸線方向に結び目126を収容可能な空間190Aを設けているが、先端側の空間190Aを省略しても良い。この場合、図59(b)に示すように、結び目126は、手元側に折り返されて孔190内に収容される。
(第6の実施態様)
図63には、内視鏡用処置具である縫合器801(アプリケータ)の処置部807の断面が示されている。なお、ケーシング150の保持構造は、第2の実施態様が使用できる。
図63及び図64に示すように、処置部807は、先端カバー810内に第一の鉗子部材である鉗子部材115を回動させる第一のリンク811と、第二の鉗子部材である鉗子部材131を回動させる第二のリンク812とが設けられている。
第一のリンク811は、リンク部材111にピン821で連結ロッド822が進退自在に連結される。連結ロッド822は、入力部材であるロッド100と平行に延び、先端カバー810に支持されている。連結ロッド822の基端部は、連結ロッド822が挿通される第一の接続部823になっている。第一の接続部823は、内部に2枚の制御板824A,824Bがロッド100の進退方向に前後して配置されている。これら制御板824A,824Bは、第一の接続部823に設けられた2つのスリット825に傾倒自在に1つずつ挿入されている。各制御板824A,824Bには、孔826が1つずつ形成されており、各孔826にロッド100が通されている。さらに、ロッド100に通されたコイルバネ827で制御板824A,824B間を押圧させており、側面視でスリット825側が近接し、反対側が離れるように傾斜させてある。孔826は、制御板824A,824Bが傾斜した状態ではロッド100に係合し、制御板824A,824Bが軸線に垂直に立てられたときにはロッド100との間にクリアランスを形成できる大きさである。先端側の制御板824Aは、スリット828を通して反対側に突出している。
第二のリンク812は、リンク部材112にピン831で連結ロッド832が進退自在に連結される。連結ロッド832は、ロッド100に対して第一のリンク811とは反対側で、ロッド100と平行に先端カバー810に支持されている。連結ロッド832は、第一のリンク811の第一の接続部823より先端側において、第二の接続部833を形成している。第二の接続部833は、ロッド100が進退自在に通されており、内部に2枚の制御板834A,834Bがロッド100の進退方向に前後して配置されている。先端側の制御板834Aは、第一のリンク811の制御板824A,824Bに対して、軸線回りに90°回転した方向に挿入され、第二の接続部833に形成された不図示のスリットに傾倒自在に通されている。制御板834Bは、制御板824A,824Bに対して軸線回りに約180°回転した方向から挿入され、第二の接続部833のスリット835に傾倒自在に支持されている。各制御板834A,834Bの孔836には、ロッド100が通されており、ロッド100に通されたコイルバネ837で互いに離れる方向に付勢されている。孔836は、制御板834A,834Bが傾斜した状態でロッド100に係合し、制御板834A,834Bが軸線に垂直に立てられたときにはロッド100との間にクリアランスを形成できる大きさである。制御板834Bは、スリット838を通して反対側に突出している。
また、ロッド100よりもフックシース21側には、ロックアーム841が略平行に配置されている。ロックアーム841は、ピン132を長孔842に通して揺動自在に先端カバー810に支持されている。ロックアーム841は、連結ロッド832の第二の接続部833に先端側から係合可能な突起843と、制御板834Aに係合可能なラック844とを有し、ラック864の先の端部がロッド100に向かって鉤状に突出している。このロックアーム841は、長孔842と突起843の間で押さえバネ845によって先端がロッド100に向かう方向に付勢されている。
なお、先端カバー830は、第二の接続部833の先端側に制御板834Aを当接可能な突き当て部851が設けられている。また、図63に示す初期位置で、制御板834Bより基端側に、制御板834Bで連結ロッド822から突出する部分を当接可能な突き当て部851が設けられている。さらに、ロッド100の基端付近には、制御板824Bを当接可能な突き当て部853が設けられている。また、ロックアーム841が乗り上げ、制御板824Aとロックアーム841の間隔を開ける乗り上げ部854が設けられている。
この縫合器801の動作について説明する。
開いた一対の鉗子部材115,131を閉じるときは、ロッド100を後退させる。それぞれのリンク811,812は、基端側の制御板824B,834Bが斜めになることでロッド100に連結される。したがって、図65に示すように、ロッド100を引くに連れて一対の鉗子部材115,131が閉方向に回動する。なお、ロックアーム841は、第二のリンク812の連結ロッド822が引き込まれることで、突起843と連結ロッド822の係合が外れる。押さえバネ845の付勢によって、ロックアーム841は、縫合器801の基端に向かう近位端側がロッド100に向けて回動する。しかしながら、ロックアーム841のラック844の向きは逃げる方向に形成してあるため、押さえバネ845の付勢でもロックアーム841が回動し、この方向に移動する制御板824Aには、係止しない。
図66に示すように、一対の鉗子部材115,131が初期状態に対してそれぞれ90°回動したところで、第二のリンク812の制御板834Bが先端カバー810の突き当て部852に当接する。制御板834Bは、突き当て部852に押されてコイルバネ837に抗して略水平に戻される。その結果、第二のリンク812とロッド100の連結が解消される。図67に示すように、ロッド100をさらに引くと、ロッド100に連結された鉗子部材131が回動せずに、鉗子部材115のみが回動する。
図68に示すように、鉗子部材115,131が閉じると、第一のリンク811の制御板824Bが突き当て部853に当接する。制御板824Bは、突き当て部853に押されてコイルバネ827に抗して略水平に戻される。その結果、第一のリンク811とロッド100の連結が解消される。この位置は、ロッド100が最も引かれた位置に相当する。同時に、制御板824Aは、ロックアーム841をロッド100が後退するときの移動方向に引っ掛けて移動させるので、ロックアーム841は乗り上げ部854に乗り上げて、制御板824Aが移動してもラチェット爪844と干渉しない状態が保持される。
一対の鉗子部材115,131が閉じた状態からロッド100を前進させると、第二のリンク812は先端側の制御板834Aとロッド100の係合によってロッド100に連動し、鉗子部材131が開く。鉗子部材131が全開になる直前にロックアーム841は、連結ロッド822に乗り上げつつ、かつ押されて先端に向けて移動する。同時に、第一のリンク811は、ロックアーム841で傾斜させられた先端側の制御板824Aとロッド100の係合によってロッド100に連動するので、鉗子部材115が開く。図69に示すように、鉗子部材131が90°回転して開いたところでは、制御板834Aが先端側の突き当て部851に当接し、コイルバネ837に抗して略垂直に押し戻される。したがって、以降は、ロッド100を前進させても鉗子部材131は移動しない。鉗子部材115は、第一のリンク811が係合状態を保つので、90°を越えて約180°まで開く。
ここで、図67に示す位置からロッド100を途中で押し戻すと、鉗子部材115,131を順番に開くことができる。図65に示すように、ロックアーム841のラック844が第一のリンク811の制御板824Aに係合して制御板824Aを水平にする。その結果、第一のリンク811とロッド100の連結が解消される。鉗子部材115は開かずに、鉗子部材131のみが開く。図71に示すように、鉗子部材131が90°開いたときに、制御板834Aが突き当て部851に当接して第二のリンク812とロッド100の連結が解消される。
この実施態様では、1つのロッド100に対して、2つの接続部823,833を切り離し可能に接続し、ロッド100の進退方向に接続を断続させるポイントを各接続部823,833ごとに設けたので、鉗子部材115,131を独立に回動可能に構成したので、組織をつかみ直したり、刺入し直したりでき、狙った組織を確実に掴める。
図72から図75を参照して、一対の鉗子部材115,131の開閉動作のバリエーションを説明する。なお、各図において横軸は時間を示し、縦軸は開状態からの鉗子部材115,131の回転角度とロッド100のストローク量を示す。ラインS1は、ロッド100のストローク量の変化の軌跡を示し、数字が大きいほど、手元側に引き戻したことになる。ラインS2はロッド100のストローク量に応じて変化する鉗子部材115の回転角度の軌跡を示す。ラインS3は、ロッド100のストローク量に応じて変化する鉗子部材131の回転角度の軌跡を示す。ラインS2,S3で示す回転角度は、各鉗子部材115,131が完全に開いた位置を0°にしている。
図72は、ラインS1に示すようにロッド100を最も前進させた位置から最も後退させた位置まで移動させ、かつ再び前進させた。ラインS2に示すように、鉗子部材115は、ロッド100に常に連動して動いた。ラインS3に示すように、鉗子部材131は、90°以上は回転しなかった。
図73では、ロッド100を最も前進させた位置から引き戻し、一対の鉗子部材115,131が90°閉じたところで、ロッド100を前進させた。ロッド100を前進させるときには、鉗子部材115は停止し、鉗子部材131はロッド100に対応して開いた。その後、ロッド100を引くと、一対の鉗子部材115,131が共に閉方向に回動し、それぞれ180°、90°で停止した。
図74では、ロッド100を最も前進させた位置から引き戻し、鉗子部材115が90°を越えて135°回転したところで、ロッド100を前進させた。ロッド100の移動に伴って鉗子部材131は開いたが、鉗子部材115は停止した。再びロッド100を引き戻すと、一対の鉗子部材115,131が閉じた。
図75では、ロッド100を最も前進させた位置から引き戻し、90°に至る前にロッド100の移動方向を前進に切り換えた。ロッド100の移動に伴って鉗子部材131は開いたが、鉗子部材115は停止する。再びロッド100を後退させると、一対の鉗子部材115,131が閉じた。
このような動作の例として、図73に対応する動作を図76から図81に具体的に示す。図76に示すように、開口の一方の側の組織に一方の鉗子部材115に取り付けられた曲針120が刺入し始める。図77に示すように、創傷部T1の一方の組織が一対の鉗子部材115,131によって手繰りよせられ把持され、曲針120が組織を穿通する。この状態からロッド100を先端方向に移動させると、鉗子部材115を回動させるリンクとロッド100の係合が解除されるので、鉗子部材131のみが開く。図78に示すように、鉗子部材131が開くが、曲針120は組織を穿通したままである。縫合器801を移動させ、図79に示すように、創傷部T1の反対側の組織に鉗子部材131を食い込ませる。ロッド100を基端方向に移動させると、曲針120側の鉗子部材115が停止したまま、鉗子部材131が閉じる。図80に示すように、鉗子部材131で手繰りよせられた組織が曲針120に穿通される。さらに、ロッド100を前進させると、図81に示すように、鉗子部材115側のリンクが接続され、一対の鉗子部材115,131が閉じる。
図73や図75では、回動可能範囲が大きい方の鉗子部材115を90°で停止させた状態で、回動可能範囲が小さい方の鉗子部材131を回動させることできる。曲針120を刺入し直すときに有効である。図73の時間3から時間5の間や、図75の時間4から時間7の間のように、一対の鉗子部材115,131を開くようにロッド100を移動させたとき、回動範囲の大きい方の鉗子部材115は、回動範囲の小さい鉗子部材131が全開するまでは、停止している。
図73や図75では、回動可能範囲が大きい方の鉗子部材115を停止させた状態で、回動可能範囲が小さい方の鉗子部材131を開くことができる。鉗子部材131はチャージ用バネ577で付勢されることで組織を掴んでいるので、一対の鉗子部材115,131を開くと、鉗子部材131より先に鉗子部材115が開いてしまい曲針120が抜けてしまうことがある。このような場合に、鉗子部材115を組織に刺入した状態で鉗子部材131を開くことができる。このように、一対の鉗子部材115,131をロッド100で独立に動作させることが可能になると、鉗子部材115に一度組織を穿刺させた後に、そのまま鉗子部材131のみ開いて再度別の組織も含めて咬み合わして穿刺することができる。また、このような構成により、狙った位置で狙った運針が可能になる。
(第7の実施態様)
図82及び図83に示す装着装置901は、2枚のベースプレート902,903を張り合わせた内部に、カートリッジ153が収容されている。装着装置901は、細長の針保持部911と、ケーシング保持部912とを有し、針保持部911とケーシング保持部912がアーム部913で連結されている。この装着装置901は、図82に矢印で示す方向から縫合器1を装着して使用する。
ケーシング保持部912には、一対のロック部材921,922が開閉自在に取り付けられている。ロック部材921,922の端部には、突起921A,922Aが形成されている。これら突起921A,922Aは、縫合器1の先端カバー80のガイド孔80Cに挿入される。ガイド孔80Cが一方の側面のみに形成されている場合には、対応するロック部材921,922のみに突起が形成される。
図84及び図85に示すように、ベースプレート903は、針保持部911を形成するプレート931が図中に矢印で示す縫合器1の挿入方向に略沿って細長に延びている。その端部には、曲針120を受け入れ可能な受け入れ部932が凹設されている。受け入れ部932は、曲針120を受け入れ易いように、開口幅が徐々に拡がっている。受け入れ部932の奥には、着脱針561が収容されている。受け入れ部932には、縫合糸125を引き出すための切り欠き932Aが形成されている。着脱針561を弾性的に支持するために、プレート931には、ステー933が着脱針561に直交する方向に設けられている。さらに、着脱針561は、プレート931に装着された針ホルダ935に支持されている。針ホルダ935は、支持部935Aで片持ち支持されており、曲針120を受け入れ可能に、かつ着脱針561を芯出しして支持している。
プレート931の端部には、アーム部913を形成するプレート940が一体に、かつプレート931と直交する方向に延びている。プレート940の端部には、ケーシング保持部912を形成するプレート941が一体に接続されている。
プレート941は、スライド溝943が矢印の方向に沿って設けられている。スライド溝943には、ケーシング150を収容するホルダ942が配置される。スライド溝943の途中には、係止溝944がスライド溝943の長さ方向と略直交する方向に凹設されている。また、プレート941には、縫合器1を案内するためのガイド片945と、鉗子部材131を弾性的に押圧するアーム946が一体に延設されている。略中央に設けられた軸947には、ロック部材922が回動自在に支持される。プレート941は、プレート931と略平行に延びており、それぞれのプレート931,941の近接する端部にガイド片931A,931B,941Aが立設されている。
ベースプレート902は、針保持部911を構成するプレート948と、ケーシング保持部912を構成するプレート949と、アーム部913を構成するプレート950とを有する。ベースプレート902の内面の構成は、ベースプレート903と略同じ構成になっている。ただし、ベースプレート902には、ステー933は設けられていない。また、ガイド片931A,931Bをスライド自在に受け入れる溝がプレート903に設けられ、ガイド片941Aをスライド自在に受け入れる溝がプレート948に形成されている。
図86に示すように、ホルダ942は、ケーシング150を収容可能な本体部951にシリンダ952が回転可能に挿入されている。
ホルダ942の本体部951には、ケーシング150が挿入されている。本体部951は、弾性変形可能な一対のアーム953でケーシング150を係止されており、ケーシング150の基端の一部がホルダ942の外に露出している。本体部951の外周には、突部951Aがフランジ状に設けられており、この突部951Aに突き当てるように糸ホルダ955が装着されている。
図86及び図87に示すように、糸ホルダ955は、断面が略C字形を有し、一部がシリンダ952に合わせて円弧状に凹設されている。この円弧状の曲面955Aから内周面にかけて、縫合糸125を通す溝956が形成されている。また、中心軸を基準にして曲面955Aに対して反対側には、ケーシング150に略沿って延びるガイド部957が延設されている。ガイド部957の外周の肩部957Aには、縫合糸125が巻き回される。
図86及び図88に示すように、縫合糸125は、ケーシング150から引き出され、ケーシング150の外周に1重に巻き回される。ループ125Aは、糸ホルダ955のガイド部957の肩部957Aに引き回された後に、溝956を通してからシリンダ952に巻き掛けられる。ループ125Aの途中には、シリンダ952に引っかける結び目125Cが形成されている。
シリンダ952は、溝961が円筒の中央に向かって形成されている。この溝961は、縫合糸125を1本挿通可能であるが、結び目125Cは通過不能な幅を有する。シリンダ952は、本体部951内に収容された不図示のネジリコイルバネで軸線回りに回転するように付勢されている。図86に示すように、シリンダ952は、その一部が本体部951の端部から突出しており、突出した部分952Aには、径方向外側に膨出するストッパ962が設けられている。ストッパ962は、ベースプレート902側の係止溝944内に挿入される。
ホルダ942の長さは、ベースプレート902のスライド溝943の長さに比べて小さい。アーム部913側の端部とホルダ942の間には、コイルスプリング965が架け渡されており、ホルダ942は、プレート940側に常に付勢されている。しかしながら、初期状態ではストッパ962を係止溝944に係止させるので、ホルダ942がプレート940側に引き寄せられることはない。
図89に示すように、カートリッジ153を装着するときは、一対の鉗子部材115,131を開いた状態で、フックシース21(留置具20の非処置側を牽引する牽引部材を収容しているシース)を前進させて、ケーシング支持部86内の先端爪部211(図10参照)を先端に突出させる。
図90及び図91に示すように、処置部7を装着装置901に押し付けると、ロック部材921,922の突起921A,922Aが縫合器1の先端カバー80のガイド溝80Cに嵌る。
このとき鉗子部材115は、曲針120が針保持部911の受け入れ部932に入り込む。受け入れ部932は、奥に進むに従って開口径が小さくなるような円錐台形状を有するので、曲針120と受け入れ部932との間に微小な位置ずれがあった場合でも、曲針120は、受け入れ部932のテーパに倣って着脱針561に導かれる。曲針120は、針ホルダ935を押し退けながら、針ホルダ935で芯出しされた着脱針561に嵌入し始める。曲針120に押し退けられることで針ホルダ935は、片持ちされている部分935Aを支点として、ステー933を越えて移動し、曲針120の移動経路から退避する。このとき、ステー933の先端が針ホルダ935に当接して針ホルダ935が着脱針561側に戻らないように押さえ付ける。
ここで、着脱針561は、受け入れ部932の開口端寄りに支持されているので、曲針120は着脱針561を押し込みながら嵌着する。針保持部911は、アーム部913が弾性変形することでケーシング保持部912に対して自由に移動できるが、ベースプレート903側のガイド片931A,931B,941Aは、ベースプレート902側の溝に沿ってしかスライドできないので、針保持部911の移動方向は縫合器1の挿入方向のみに規制される。したがって、曲針120の先端の軸線と着脱針561の軸線とがずれることなく、確実に装着される。
一方、鉗子部材131は、ケーシング保持部912のアーム946に突き当たる。アーム946によって鉗子部材131が開方向に付勢される。これによって、鉗子部材131に遊びや、製造誤差があった場合でも、一対の鉗子部材115,131がカートリッジ153の装着に適した状態に強制的に開かれる。
図92に示すように、フック212を前進させて、ケーシング150をホルダ942内に押し込む。ケーシング150が完全に押し込まれると、ケーシング150の外周に巻きまわされていた縫合糸125のループ125Aが余るので、シリンダ952がネジリコイルバネによって本体部951に対して回転する。ループ125Aがシリンダ952に巻き取られることで、縫合糸125が引っ張られてフック212に巻き付く。
フック212を引き戻すと、縫合糸125が溝961に引っ掛かっていることから、糸ホルダ955が縫合器1に引き寄せられる。ホルダ942は、ストッパ962が係止溝944に引っ掛かっており、かつコイルスプリング965で反対側に付勢されている。このため、図93に示すように、糸ホルダ955のみが移動する。糸ホルダ955に引っ張れるようにして縫合糸125がシリンダ952から抜ける。
シリンダ952は、縫合糸125が外れることで、さらに回転し、本体部951から突出する部分952Aに設けられたストッパ962が係止溝944から外れる。図94に示すように、コイルスプリング965が短縮し、ホルダ942がスライド溝943に沿って移動する。フック212は移動しないので、フック212に巻き付いた縫合糸125にテンションがかかる。フック212を引き戻すと、図95に示すように、縫合糸125を介してホルダ942が引っ張られる。フック212を引っ張る力と、コイルスプリング965の引っ張り力がホルダ942のアーム953(図86参照)に作用する。フック212を所定長引いてケーシング150がケーシング支持部86に引き込まれると、ケーシング150と共にホルダ942が縫合器1側に移動する。この位置には、アーム953が開くことができる空間が確保されているので、アーム953がケーシング150から外れ、ケーシング150がホルダ942から離脱してケーシング支持部86内に収容される。ロック部材921,922を開いて縫合器1を後退させて図96に示すように装着装置901から引き離すと、カートリッジ153の装着が終了する。
この実施態様では、装着装置901を使用することで、カートリッジ153の装着が容易になる。また、装着装置901は、フック212に縫合糸125が巻き付いた後に、ホルダ942がコイルスプリング965の付勢によって引っ張れるので、フック212に巻き付いた縫合糸125にテンションをかけた状態で、縫合糸125を縫合器1内に引き込むことができる。このため、フック212から縫合糸125が外れることがなく、カートリッジ153を確実に装着できる。なお、この装着装置901は、縫合器501にも使用できる。
(第8の実施態様)
図97に示す装着装置1001は、2枚のベースプレート1002,1003を張り合わせた内部に、カートリッジ153が収容されている。図98に示すように、装着装置1001の内部には、溝1009が形成されており、ここにロッド1010が長さ方向に進退自在に収容されている。ロッド1010の先端には、係止部材1071が固定されおり、係止部材1071をケーシング150に挿入することでケーシング150を保持する。係止部材1071は、ケーシング150が軽い圧入状態になるようなゴム軸を用いることで抜け易くなっている。ロッド1010の外周には、コイルバネ1012が巻き回されている。コイルバネ1012の一端は、溝1009の端に係止されている。コイルバネ1012の他端は、ロッド1010に固定されている。ロッド1010は、コイルバネ1012が所定長に圧縮される位置で突起1015により係止されている。したがって、コイルバネ1012が圧縮された分だけロッド1010が図98の矢印方向に付勢されている。突起1015は、ベースプレート1002に一体に設けられたボタン1014から延設されている。ボタン1014は、ベースプレート1002の面に直交する方向に押圧可能であり、ボタン1014が押されると突起1015も同じ方向に移動する。
ベースプレート1002には、受け部1016がさらに設けられている。受け部1016は、着脱針561を芯出ししつつ保持可能で、曲針120を受け入れ可能に開口端側の幅が拡がっている。受け部1016の反対側のベースプレート1002の端部には、アーム1017が突設されている。
なお、ベースプレート1003は、突起1013、ボタン1014を有しない他は、ベースプレート1002と略同じ構成である。
係止部材1071にカートリッジ153のケーシング150を嵌合させると、図99に示すように、ケーシング150がロッド1010に支持される。受け部1016には着脱針561が装着される。縫合糸125は、ベースプレート1002,1003の隙間を通って引き回される。
カートリッジ153を縫合器1に装着するときは、フック212にループ125Aを引っかけてからボタン1014を押す。図100に示すように、突起1015がロッド1010から外れ、ロッド1010が縫合器1から離れる方向に移動する。このとき、縫合糸125が引っ張られ、フック212とループ125Aの間にテンションがかかる。コイルバネ1012の作用によって、フック212からループ125Aが外れない。曲針120は、受部1016に進入して着脱針561に嵌合する。鉗子部材131は、アーム1017に突き当たって押圧されるので、一対の鉗子部材115,131は完全に開いた状態になる。
フック212を引くと、縫合糸125、ケーシング150を介してロッド1010が引き寄せられる。図101に示すように、コイルバネ1012が圧縮されて、ロッド1010が突出し、ケーシング150が先端カバー80の中のケーシング保持部に引き込まれる。この後、縫合器1を引き離すと、ケーシング150と係止部材1011の係合が解消され、カートリッジ153が縫合器1に受け渡される。
このとき、フック212が自然に引き戻されるように、バネ等の弾性部材を使用すると、操作部2側で指掛け用のリング17を基端側で引く操作が不要になる。図102に示すように、操作部2で、フック操作ワイヤ18を覆う補強パイプ1021の外周にバネ1022を配置し、フック操作部14を基端方向に付勢する。操作部2をこのような構成すると、実施態様に示される装着装置1001を用いずにカートリッジ153を装着する場合でも操作が楽になる。
この実施態様では、フック212に最初にループ125Aを引っ掛けて、コイルバネ1012の力を利用してテンションをかけながらカートリッジ153を縫合器1に装着できるので、フック212からループ125Aが外れずに確実に装着できる。ボタン操作でテンションをかけることできるので、ゴム手袋をした状態でも簡単に操作できる。
ここで、変形例を図103に示す。装着装置1101は、ロッド1010が進退自在に配置されている。カートリッジ153を装着するときは、フック212にループ125Aを引っかけてから、フック212を引き戻す。ロッド1010の引き摺り抵抗によって縫合糸125にテンションがかかる。このような装着装置1101では、簡単な構成でカートリッジ153を縫合器1に装着することが可能になる。
以上、望ましい実施態様を説明したが、本発明は上記の実施態様に限定されることはない。例えば、実施態様では、柔軟性を有する挿入部を備えた軟性内視鏡用として記載されているが、挿入部がリジッドな硬性内視鏡に応用することも可能である。各実施態様の構成要素は、任意に組み合わせて使用することができる。また、前記した各部品の同士の接合には、レーザ溶接、ロー付け、半田付け、接着、圧入、カシメ及びこれらの接合方法の組み合わせによる接合などを使用できる。また、2部品で構成されるものは、圧接や成型で一体に製造しても良い。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の付加、省略、置換、及びその他の交換が可能である。本発明は、上記の説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1,323,501,801 縫合器(内視鏡用処置具)
2 操作部
3 挿入部
4 内視鏡
7 処置部
13 鉗子操作部
14 フック操作部
15 鉗子操作ワイヤ(操作部材)
17 リング(指掛け部)
20 留置具
21 コイルシース
22 鉗子シース
25 進退操作部(第1のホルダ)
26 スコープホルダ(第2のホルダ)
32 第1の調整部材
37 第2の調整部材
71 先端保持部
75 ピン(第1の係止部材、先端係止部材)
77 解除部材(鉗子解除部材)
80 先端カバー
86 ケーシング支持部
100 ロッド(入力部)
102 ボール(鉗子係止部材)
105 解除部材(先端解除部材)
115,131 鉗子部材
120 曲針
121,561 着脱針
125 縫合糸(糸状部材)
125A,200 ループ(フック係合部)
140 チャージ用バネ
150 ケーシング
151,152 ストッパ
170 解除穴
191 ブレーキ部
192 弾性部材
211 先端爪部
212 フック
301 先端爪部
302 爪部
310 支持部材
323 縫合器
325 ケーシング保持部
372 ケーシング支持部
561 着脱針
572 ケーシング支持部
581 フック
591 支持部材
592 アーム
601 スペーサ
625 スペース
751 カートリッジ
807 処置部
811 第一のリンク
812 第二のリンク
823 第一の接続部
824A,824B,834A,834B 制御板
832 連結ロッド
833 第二の接続部
841 ロックアーム
901 装着装置
912 ケーシング保持部
935 針ホルダ
1001 装着装置
1010 ロッド
1012 コイルバネ
1014 ボタン
1101 装着装置

Claims (5)

  1. 先端側に処置を行うための処置部が接続され、基端側に前記処置部を操作する操作部が接続された第1のシース及び第2のシースと、
    一対の第1の貫通孔が平行に形成され、一対の前記第1の貫通孔に前記第1のシース及び前記第2のシースがそれぞれ挿入されることで前記第1のシース及び前記第2のシースを束ねる第1のホルダと、
    一対の第2の貫通孔が平行に形成され、一対の前記第2の貫通孔に前記第1のシース及び前記第2のシースがそれぞれ挿入されることで前記第1のシース及び前記第2のシースを束ね、前記第1のホルダよりも前記先端側に設けられた第2のホルダと、
    前記第1のホルダに対して前記第2のシースに摺動抵抗を付与する第1の調整部材と、
    前記第2のホルダに対して前記第1のシースに、前記第1の調整部材よりも大きい摺動抵抗を付与する第2の調整部材と、
    を含む内視鏡用処置具。
  2. 請求項1に記載の内視鏡用処置具であって、
    前記第1のシースには前記処置部を動作させるための第1のワイヤが挿通され、
    前記第2のシースには前記処置部を動作させるための第2のワイヤが挿通される内視鏡用処置具。
  3. 請求項2に記載の内視鏡用処置具であって、
    前記第1のワイヤは、前記処置部に設けられた一対の鉗子部材の少なくとも一方を他方に対して開閉させる鉗子操作ワイヤである内視鏡用処置具。
  4. 請求項3に記載の内視鏡用処置具であって、
    前記操作部は、
    前記鉗子部材を開閉操作する鉗子操作部と、
    縫合糸を締め付けるフックを操作するフック操作部と、
    前記鉗子操作部及び前記フック操作部とを同軸上にスライド自在に配置させる操作本体と、
    を含む内視鏡用処置具。
  5. 請求項4に記載の内視鏡用処置具であって、
    前記フック操作部は、前記鉗子操作部よりも挿入方向で先端側に配置され、
    前記フック操作部は挿入方向の基端側に向けて延びる複数の指掛け部を有し、
    前記指掛け部の間に前記鉗子操作部が進入可能である内視鏡用処置具。
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