以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
第1実施形態の内視鏡システムについて、図1から図23を用いて説明する。図1、図16に示すように、内視鏡システム11は、内視鏡12と、内視鏡12によって撮像された被写体像に基づいて画像処理をする内視鏡コントローラ13(画像処理ユニット)と、内視鏡コントローラ13での画像処理によって生成された映像を映し出すモニタ14と、内視鏡12の先端のカバー15を取り外すためのカバー取り外し具16(外装体取り外し具)と、を備えている。
図1、図2に示すように、内視鏡12(挿入機器)は、被検体の管腔などの管路に対し長手方向Lに沿って挿入される挿入部21と、挿入部21の先端に装着されるカバー15(外装体、外皮)と、挿入部21の基端に設けられユーザに把持される操作部22と、操作部22から延出されたユニバーサルコード23と、挿入部21の先端側に設けられる硬質な先端構成部24と、を有する。詳細は後述するが、カバー15は使い捨て型として形成され、形状を維持して挿入部の先端構成部24に容易に装着可能であるが、後述する係止ピン76などにより、先端構成部24から容易には取り外しできないように形成されている。
図1に示すように、挿入部21は、その先端21Aと基端21Bとにより長手方向Lを規定する。図1、図2に示すように、挿入部21は、その先端21Aから基端21Bに向かって順に、揺動台25、先端構成部24、湾曲部26、および管部27を有する。管部27はいわゆる軟性鏡と称される可撓性を有するものであっても良く、硬性鏡と称される真っ直ぐの状態を維持して曲げに対する耐性を有するものであっても良い。湾曲部26は公知の機構により、操作部22のノブ28により2方向又は4方向など、複数の方向に湾曲させることができる。なお、以下の実施形態では、長手方向Lの先端方向側をC1、長手方向Lの先端方向とは反対の基端方向側をC2として説明を進める。先端構成部24は、挿入部21の先端に設けられる。
図1、図2、図19に示すように、内視鏡12は、照明光学系31、観察光学系32及び処置具挿通チャンネル36を有する。その他、内視鏡12は、図示しないが、送気/送水機構及び吸引機構を有する。送気/送水機構は先端に後述するノズル34を有し、操作部22の第1ボタン35で操作される。吸引機構はチャンネル36に連通され、操作部22の第2ボタン37で操作される。
照明光学系31及び観察光学系32は、内視鏡12の挿入部21の先端構成部24、湾曲部26、管部27、操作部22、およびユニバーサルコード23に挿通されている。図2に示すように、照明光学系31は、先端構成部24に照明窓38を有する。観察光学系32は先端構成部24に観察窓41を有する。
チャンネル36は、その先端が内視鏡12の挿入部21の先端構成部24で開口され(図19参照)、その基端が挿入部21の管部27の基端部近傍又は操作部22で開口されている。ここでは、図1に示すように、操作部22にチャンネル36の基端の開口(図示せず)があり、その開口に口金を介して鉗子栓42が着脱可能である。図19に示すように、チャンネル36は、先端構成部24に口金43を介してチューブ44の先端が固定されている。なお、チャンネル36のチューブ44は、図1に示すように、例えば操作部22の内部で公知の吸引路45に分岐されている。吸引路45は第2ボタン37に連結されている。第2ボタン37の押圧操作によりチャンネル36の先端の後述する開孔部46から口金43、チューブ44、吸引路45、ユニバーサルコード23を介して吸引物が排出される。
この実施形態では、先端構成部24は、挿入部21の長手方向Lに沿った方向に対して観察方向が異なる側視型として形成されている。内視鏡12は、チャンネル36を通した処置具(図示せず)などの向きを先端構成部24で適宜に調整し、視野内に観察可能とする揺動機構47を有する。
揺動機構47は、その先端が内視鏡12の挿入部21の先端構成部24の近傍にあり、その基端が操作部22にある。図1、図8等に示すように、揺動機構47は、挿入部21の先端から基端に向かって順に、回動部の一例である揺動台25(処置具起上台、起上台)と、長尺(線状に延びる)のワイヤ48(牽引部材)と、後述するワイヤ移動部51内でワイヤ48が露出された部分を覆う弾性部材52と、レバー53とを有する。揺動台25は、略三角形ないしブーメラン型に形成される。揺動台25は先端構成部24に回動軸54を介して支持され、挿入部21の先端において処置具を揺動(起上)できる。ワイヤ48の先端は揺動台25に支持され、ワイヤ48の基端はレバー53に支持されている。図5に示すように、ワイヤ48(牽引部材)は、先端構成部24内にあるワイヤ移動部51内で揺動台25と接続し、該揺動台25を遠隔操作させることができる。図5に示すように、ワイヤ48の先端には、「L」字形に形成された操作用軸部55が設けられている。操作用軸部55は、揺動台25の受け部56に対して回転可能かつ受け部56から脱落しないように受け部56に嵌め込まれている。
図5に示すように、弾性部材52は、例えばゴム等の材料によって円筒形(チューブ状)に形成されている。弾性部材52の内側にワイヤ48の露出部分を通すことができる。弾性部材52は、弾性部材本体52Aと、長手方向Lの先端方向C1側で揺動台側に水密に固定された一端52Bと、長手方向Lの基端方向C2側で先端構成部24に水密に固定された他端52Cと、を含む。弾性部材52は、ワイヤ48に沿って挿入部21の内部、具体的には挿入部21の管部27の内側に液体や気体が浸入することを防止する。弾性部材52は、両端が揺動台25と先端構成部24とに水密的に接続する。図6に示すように、弾性部材52の一端52Bは、操作用軸部55のうち揺動台25から突出した端部に対して接着剤等を介して固定される。
図6等に示すように、先端構成部24はブロック状の本体24Aを有する。図2から図3、図5から図7に示すように、本体24Aには、例えばステンレス鋼材等の硬質材の円柱から後述する平面部61、収納部62(収納空間)及びワイヤ移動部51(ワイヤ移動空間)、ガイド溝63、ピン固定部64が形成されている。本体24Aには、中心軸Cが規定される。なお、上述した長手方向Lは中心軸Cと一致するものとして説明する。
図6、図7に示すように、本体24Aには、照明光学系31の先端の照明窓38と、観察光学系32の先端の観察窓41と、チャンネル36のチューブ44の先端部と、が設けられる。このため、先端構成部24は、本体24A、照明光学系31の照明窓38、観察光学系32の観察窓41、およびチャンネル36のチューブ44の先端部により形成されている。本体24Aに対して、揺動機構47の先端部の揺動台25が回転可能に取り付けられる。
図6、図7、図19に示すように、本体24Aは、照明窓38及び観察窓41が固定された平面部61と、揺動台25を揺動可能に収納する収納部62と、収納部62に連通するとともにチャンネル36に連通して処置具を揺動台25に案内する開孔部46と、揺動台25の回動軸54を回転可能に保持する軸受65と、後述する揺動台25の阻止部66を案内する案内部67と、案内部67に隣接して設けられ揺動台25の回動する範囲を規制する規制部68と、を有する。図19に示すように、開孔部46には、チャンネル36のチューブ44の先端が固定されている。図6に示すように、収納部62のうち長手方向Lに沿って先端側、すなわち、本体24Aの先端は開口していることが好ましい。なお、図6に示すように、収納部62の基端側には、収納部62に連続してワイヤ48を移動させるワイヤ移動部51が形成されている。
本体24Aの平面部61は長手方向Lに平行であるものとする。図6、図7に示すように、本体24Aの平面部61には、照明窓38が先端側に、観察窓41が照明窓38に隣接してその基端側に並べられている。なお、観察窓41の基端側には、ノズル34が設けられている。ノズル34は観察窓41及び照明窓38に向かって向けられている。ノズル34は、観察窓41及び照明窓38に向かって生理食塩水などの液体を吐出可能であるとともに、観察窓41及び照明窓38の付着物を送気により吹き飛ばし可能である。
図8A、図9に示すように、軸受65は、後述する揺動台25の回動軸54を受容するように、先端構成部24の周囲の部分(外面)から窪んで設けられている。軸受65は、略「U」字形をなしていて、その内側に回動軸54を支持できる。軸受65は、溝状をなしているとも言い換えられる。軸受65の長手方向(L方向)に関する寸法は、回動軸54の長手方向(L方向)に関する寸法と同等かこれよりも若干大きい。図13及び図14で後述するように、回動軸54は、カバー15が先端構成部24から取り外された状態で、揺動台25が倒置位置P1または起上位置P2にあるときに、軸受65に対して変位(軸受65の底65Aに対して浮き上がる)することができる。
図6から図8に示すように、収納部62は平面部61に対して長手方向Lに直交する方向に並べられている。収納部62は揺動台25が所定の範囲内で回動可能な空間を形成する。揺動台25は、本体24Aの軸受65に対して回動軸54を支点に揺動可能である。揺動台25は、回動軸54を中心に回動する回動部の一例であり、挿入部21に沿って被検体に挿入される処置具を挿入部21に対して起上(起立)させる処置具起上台である。
図8G、図8C、図8Dに示すように、揺動台25は、揺動台本体71と、揺動台本体71と一体に形成された回動軸54と、本体24Aの軸受65から回動軸54が脱落することを阻止する阻止部66と、を有する。回動軸54は、先端構成部24の軸受65に対して回転自在に保持される。回動軸54は、揺動台25の揺動台本体71から長手方向(L方向)と交差する方向の両側に突出して設けられている。このため、揺動台25の回動軸54は、先端構成部24の軸受65とカバー15の後述する位置決め部72との間に挟まれるように、いわゆる両持ちで回転可能に支持される(図9、図10参照)。本実施形態では、阻止部66は、揺動台25(回動部)側に設けられる。本実施形態では図13のように阻止部66と回動軸54との間の最短距離Lが、阻止部66と軸受65の角部との間の距離L1に対して、L<L1の関係で形成されているため揺動台25が先端構成部24から脱落しない。また、図14では、当該最短距離Lが、阻止部66と軸受65の角部との間の距離L2に対して、L<L2の関係で形成されているため揺動台25が先端構成部24から脱落しない。
図7、図8B、図8C、図8Dに示すように、阻止部66は、揺動台25の揺動台本体71に形成されたねじ穴73に固定されたねじ(ねじの頭部)で構成される。阻止部66は、案内部67およびワイヤ48と共同して、回動軸54が軸受65の底65Aから浮き上がる距離を規定している。すなわち、阻止部66、案内部67、およびワイヤ48の構造によって、回動軸54が軸受65から外れて、先端構成部24から揺動台25が外れてしまうことが防止される。また、阻止部66は、カバー15(外装体)の着脱を行う姿勢、すなわち揺動台25(回動部)が先端構成部24に対して起上していない位置において、揺動台25の離脱を確実に規制する。なお、「先端構成部24に対して起上していない位置」は、起上位置P2以外の位置に対応し、より具体的には、倒置位置P1と、倒置位置P1と起上位置P2との間の位置と、の両者に対応する。
揺動台25には、揺動機構47のワイヤ48の先端が支持されている。なお、揺動機構47のワイヤ48の基端(図示せず)は操作部22のレバー53に支持されている。ワイヤ48の長さは調整されているため、レバー53を第1の位置S1(図1に示す、最も押し上げた状態)で揺動台25が図11に実線で示す位置(倒置位置P1)に配置され、レバー53を押し下げるにしたがってワイヤ48が牽引されて回動軸54を支点として揺動台25のうち、回動軸54に対する遠位端部25Bが起上していく。そして、レバー53を最も押し下げた状態を第2位置とする。このとき、揺動台25は図12に実線で示すように、最も起上した起上位置P2に配置される。
図7、図8Aに示すように、先端構成部24の案内部67は、揺動台25の阻止部66を案内するように軸受65を中心とする円弧状に形成されている。案内部67は、先端構成部24に対して揺動台25が回動される際に阻止部66を案内できる。規制部68は、案内部67に隣接して案内部67と連続するように設けられる。規制部68は、揺動台25の倒置位置P1側で揺動台25の回動角度を規制する第1ストッパ74と、揺動台25の起上位置P2側で揺動台25の回動角度を規制する第2ストッパ75と、を有する。第1ストッパ74および第2ストッパ75は、阻止部66と当接することで、揺動台25の回動角度を規制する。
図6に示すように、先端構成部24の本体24Aは、その外周面に、長手方向Lに沿って第1ガイドとしてガイド溝63を有する。ガイド溝63は、平面部61に隣接するが、収納部62、すなわち、揺動機構47のワイヤ48及び揺動台25に対して離れた位置に形成されている。ガイド溝63は、本体24Aの先端から基端まで連続して形成されていることが好適である。
図5に示すように、先端構成部24の本体24Aには、その外周面に、ピン固定部64が形成されている。ピン固定部64は、ワイヤ移動部51に隣接するとともに、ガイド溝63に対して先端構成部24の本体24Aの中心軸Cを挟んで略反対側に形成されていることが好ましい。ピン固定部64には、中心軸Cに対して直交する方向に突出する係止ピン76(係止部)が固定されている。係止ピン76は、円柱形に形成されているが、係止ピン76の形状は、円柱形に限られず、係止ピン76の上側のワイヤ移動部51の側に傾斜面を設けて係止凹部98に対する係合が解除されやすくしてもよい。また、先端側に傾斜面を設けて係止凹部98に対する係合がしやすくしてもよい。
図3、図4に示すように、カバー15(外装体)は、カバー本体81と、オサエリング82とを有する。カバー本体81は例えば樹脂材で一体的な筒形状に形成されている。カバー15は、先端構成部24に着脱可能に装着される外装体の一例である。すなわち、カバー15(外装体)は、先端構成部24に対して装着されたとき、先端構成部24を覆う外皮である。
オサエリング82は例えばゴム状の弾性を有する部材(ゴム材)で筒状又は環状に形成されている。なお、カバー本体81及びオサエリング82は電気絶縁性を有する材料で形成されていることが好ましい。また、カバー本体81及びオサエリング82の内径すなわち内周面は先端構成部24の大きさに基づいて、適宜の大きさ及び形状に形成されている。
カバー本体81は、その先端に閉塞部83を有し、その基端に環状部84を有している。閉塞部83は略半球面状に形成されている。カバー本体81の基端、すなわち環状部84は開口している。カバー本体81は、閉塞部83と環状部84との間に、略方形の開口縁部85(開口部)を有する。開口縁部85は、先端構成部24の照明窓38、観察窓41、ノズル34及び揺動台25を外部に露出させる。
図3、図4に示すように、開口縁部85(開口部)は、長手方向Lに沿って基端方向C2側から先端方向C1側に向かって右側にある右側縁部85Aと、右側縁部85Aに連続するU字状の窪み部85Bと、窪み部85Bに連続した先端側縁部85Cと、窪み部85Bに連続し長手方向Lに沿って基端方向C2側から先端方向C1側に向かって左側にある左側縁部85Dと、右側縁部85A及び左側縁部85Dの基端部の間にある基端側縁部85Eとを有する。開口縁部85は、これら右側縁部85A、窪み部85B、先端側縁部85C、左側縁部85D及び基端側縁部85Eにより閉じた環を形成する。右側縁部85A及び左側縁部85Dは互いに平行又は略平行であることが好ましい。先端側縁部85C及び基端側縁部85Eは互いに平行又は略平行であることが好ましい。揺動台25が処置具を揺動させるときに限らず、内視鏡12は、開口縁部85(開口部)から常に揺動台25を露出させている(図15参照)。
図3、図4に示すように、右側縁部85Aは、環状部84及び後述する回動周面104とともに、揺動機構47のワイヤ48および弾性部材52を、移動可能に覆っている。先端側縁部85Cは、本体24Aの平面部61のうち、照明窓38に対して先端方向C1側を覆う先端側被覆部86を有する。
図3、図15に示すように、右側縁部85Aの先端には、右側縁部85Aに連続してU字状の窪み部85Bがある。窪み部85Bは、閉塞部83に向かって形成されている。
図4に示すように、環状部84は、その外周面に、オサエリング82が嵌合される嵌合部87を有する。嵌合部87は、開口縁部85の基端側縁部85Eから長手方向Lに沿って基端方向C2側に離れた位置に形成されている。嵌合部87は、カバー本体81に対してオサエリング82が長手方向Lに沿って移動するのを抑制する環状凹部87Aと、長手方向Lの軸周りに移動するのを抑制する嵌合凹部87Bとを有する。環状凹部87A及び嵌合凹部87Bは一体的に連続して形成されている。環状部84は、嵌合部87の基端に、環状凹部87Aに対して長手方向Lに対して径方向外方に向かって突出する環状のフランジ部91が形成されている。フランジ部91の内周は、長手方向Lに沿って基端方向C2側に向かうほど薄肉となるスカート部92が形成されている。スカート部92は基端方向C2側に向かうほど内径を大きくしている。
なお、カバー本体81の内周面の内径は、開口縁部85の右側縁部85Aの先端近傍及び左側縁部85Dの先端近傍から、フランジ部91のスカート部92の先端まで一定であることが好適である。
図3、図4に示すように、オサエリング82は、環状凹部87Aに嵌合される環状凸部93をその内周面に有する。オサエリング82は、フランジ部91が嵌合される環状の係合凹部94をその内周面に有する。このため、図2に示すように、カバー本体81の環状部84に対してオサエリング82が嵌合される。図4、図5に示すように、オサエリング82は、第2スカート部95をその内周面に有する。第2スカート部95には、樹脂で被覆された糸巻部96(固定部)が嵌合し、水密的に密着する。糸巻部96は、湾曲部26の先端部に設けられ湾曲部26の外皮97を先端構成部24に固定する。第2スカート部95は、長手方向Lに沿って基端側に向かうほど薄肉となり、基端方向C2側に向かうほど内径を大きくしている。
図4、図5に示すように、カバー本体81の環状部84には、その内周面に、係止ピン76に係止可能な係止凹部98(係止部)が形成されている。係止凹部98はカバー本体81の内周面と外周面とが連通した状態に形成されていても良く、単にカバー本体81の内周面に対して凹状に形成されていても良い。係止凹部98は環状凹部87Aに形成されていることが好適である。係止凹部98の近傍には、長手方向(L方向)に延びる切れ込み100が一対に形成されている。2個の切れ込み100の間の位置に、係止凹部98が設けられている。各切れ込み100は、環状部84のフランジ部91、環状凹部87A、および嵌合凹部87Bに跨って設けられる。本実施形態では、これらの切れ込み100がフランジ部91および環状凹部87Aの弾性変形に寄与し、その結果、係止凹部98の周囲で弾性変形が起こりやすく、比較的小さな力でも係止凹部98と係止ピン76との係合を解除できるとともに、容易に係合させることもできる。
図3、図4に示すように、カバー本体81の内周面には、ガイド突部102と、位置決め部72と、が形成されている。すなわち、ガイド突部102は、ガイド溝63に沿って移動可能に形成され、カバー本体81の内周面から径方向内方に向かって突出している。ガイド突部102は、カバー本体81の内周面の先端近傍から基端近傍まで形成されていることが好ましい。ガイド突部102は適宜の形状に形成されることが可能であるが、例えば図20に示すように、ガイド溝63の形状に沿うように横断面が略矩形状に形成されている。その他、図示しないが、ガイド突部102は複数で構成され、互いが適宜の間隔に離隔していても良い。
図3に示すように、位置決め部72は、長手方向(L方向)に延びる一対の突起状に形成される。位置決め部72の一方は、位置決め部72の他方よりも長手方向Lと交差する方向Wに関する幅寸法が大きい。図9に示すように、位置決め部72は、カバー15を先端構成部24に取り付けたとき、回動軸54を元の位置に位置決めする。より詳細には、位置決め部72は、先端構成部24に対してカバー15を挿入部21の長手方向Lに沿う方向に装着する際に、回動軸54を長手方向Lと交わる方向Xに移動させて、回動軸54を軸受65における所定の位置(底65A)に位置決めする。
図3、図4、図9、図10に示すように、位置決め部72のそれぞれは、閉塞部83に近づくにつれて内側方向(中心軸Cに近づく方向)に突出する円滑な斜面72Aと、斜面72Aから長手方向Lに延びる軌道72Bと、を有する。斜面72Aは、先端構成部24にカバー15が装着される際に回動軸54を軸受65における所定の位置(底65A)に案内する。軌道72Bは、先端構成部24にカバーが装着される際に回動軸54を軸受65に押し付ける。軌道72Bは、先端構成部24にカバー15が装着された後は、回動軸54に当接して回動軸54を軸受における所定の位置(底65A)に保持する。
図3に示すように、カバー本体81の開口縁部85の基端側縁部85Eと環状部84のフランジ部91の基端との間には、他の部位に対して強度を低くして脆弱にし、先端構成部24に対してカバー15を取り外す際に破壊される脆弱部99が形成されている。ここでは、脆弱部99は、一対のスリット101、101と、これらの間に位置する連結部103(破断部103)と、を有する。一方のスリット101は基端側縁部85Eに連続的に形成されている。他方のスリット101は環状部84のフランジ部91の基端に連続的に形成されている。ここでは、スリット101、101同士は、長手方向Lに沿って形成されている。スリット101、101間は連通しておらず、連結部103が形成されている。なお、係止凹部98は連結部103に対して中心軸C回りに略90°回転した位置に形成されている。また、ガイド突部102は連結部103に対して中心軸C回りに、係止凹部98とは反対側の周方向に略90°回転した位置に形成されている。図2に示すように、脆弱部99は先端構成部24の本体24Aの平面部61でなく、ワイヤ移動部51の上に配置されるように形成されることが好ましい。
図3、図4に示すように、カバー本体81は、その外周に回動周面104を有する。回動周面104は円筒の一部として形成されている。回動周面104により、カバー15及び先端構成部24の中心軸Cが規定される。この回動周面104は、カバー取り外し具16の後述する筒状部112の内側に嵌まる。
カバー15を形成する場合、図3に示すカバー本体81に対してオサエリング82を装着する。このとき、まず、カバー本体81のスリット101、101間に連結部103が存在し、スリット101、101同士が連続していないことを確認する。その後、カバー本体81にオサエリング82を嵌合させてカバー15を形成する。
図2から図4に示すように、先端構成部24に対して長手方向Lの周方向の向きを規定してカバー15を装着する。このとき、先端構成部24の本体24Aのガイド溝63に対してカバー15のガイド突部102を嵌合させて、長手方向Lに沿って移動させる。このため、先端構成部24に対して、カバー15の周方向の位置ズレが防止される。
そして、先端構成部24に対してカバー15を装着する際、先端構成部24の係止ピン76に対して、カバー15のオサエリング82の係合部89の第2スカート部95が当接される。このとき、係合部89がその弾性により、弾性変形して係止ピン76の上を通過する。さらに、先端構成部24の係止ピン76には、カバー本体81の環状部84のスカート部92が当接される。このとき、環状部84が切れ込み100、100により弾性変形して係止ピン76の上を通過する。このため、先端構成部24の係止ピン76に対して、係止凹部98が係合する。ちなみに係合部89の内径を拡げることで係止ピン76の上を接触しないで通過するようにしても良い。
そして、オサエリング82の第2スカート部95ないし、係合部89の一部が湾曲部26の先端の糸巻部96や糸巻部96よりも先端方向C1側の絶縁部材90に当接し、水密的に密着する(図5参照)。なお、糸巻部96は、環状に巻回された糸の外周から接着剤が塗布されて、その塗布された接着剤が固定された部位である。オサエリング82は、糸巻き部96や絶縁部材90の少なくともいずれかに全周で密着しているので、高周波処置具等を用いて治療を行う際、高周波処置具からもれた高周波電流が先端構成部24を介してオサエリング82の外部に漏れることはない。
このとき、図2に示すようにカバー15の開口縁部85に対して、照明窓38、観察窓41及びノズル34が露出しているとともに、揺動台25が適宜の範囲を揺動可能に露出している。図15に示すように、先端構成部24にカバー15を適切に取り付けた状態で、長手方向Lに沿って先端側から見て、揺動台25の先端面25Aの一部及び遠位端部25Bが露出する。このため、図示しない処置具が揺動台25により案内されて揺動台25の先端に対して突出したとき、窪み部85Bにより、カバー15に対して処置具が干渉するのが防止される。
内視鏡12は、先端構成部24にカバー15を装着した状態で、管腔などの管路内に挿入部21が挿入されて、観察及び適宜の処置が行われる。なお、脆弱部99はオサエリング82に覆われて保護されている。このため、例えば体腔内などの管路への挿入中や処置中に、脆弱部99が内壁などに当接しても、破断されることは抑制される。
内視鏡12の使用後、先端構成部24に対してカバー15およびオサエリング82が取り外されて廃棄される。すなわち、内視鏡12(内視鏡12の先端構成部24)は、カバー15を取り外した状態で洗浄、消毒及び滅菌されて再使用される。このとき、先端構成部24にはカバー15が取り外されているため、照明光学系31の照明窓38の近傍、観察光学系32の観察窓41の近傍だけでなく、チャンネル36及び揺動機構47も洗浄し易い。
なお、先端構成部24に対してカバー15が取り外される場合、ユーザの指の力を使ってスリット101、101間の連結部103を裂いて、取り外すことができる。しかしながら、先端構成部24に対してユーザの指で、カバー15を取り外す場合、ユーザによって取り外し方が異なることがあるため、脆弱部99の破壊を安定的に行うのが難しくなるおそれがある。
以下に図16から図19を参照して説明するカバー取り外し具16(外装体取り外し具)を用いることで、脆弱部99を安定的に破壊することができる。したがって、内視鏡12の使用後、先端構成部24に対してカバー15を取り外す際、カバー取り外し具16を使用することが好適である。
本実施形態に係るカバー取り外し具16は、カバー15のカバー本体81よりも硬質の樹脂材で形成されている。具体的には、カバー15がプラスチック等の一般的な樹脂材料で構成されるのに対して、カバー取り外し具16は、ガラス繊維強化プラスチック等の繊維強化プラスチック等を用いることができる。一方、先端構成部24は、一般的な金属材料(ステンレス鋼等)で形成される。すなわち、カバー取り外し具16は、カバー15よりも硬く、先端構成部24よりも柔らかい材料で形成される。これによって、カバー15の脆弱部99を容易に破壊できるとともに、誤って先端構成部24を傷つけてしまうことが防止される。
図16に示すように、カバー取り外し具16は柱状体105を有する。柱状体105の外周は、適宜の形状に形成される。図17に示すように、柱状体105の一端には、先端構成部24に装着されたカバー15を取り外す際に作用させる作用部106が形成されている。図16から図18に示すように、作用部106は、カバー15の閉塞部83の近傍を覆う凹状に形成されている。柱状体105の外周面には、カバー取り外し具16のうち、長手方向Lの軸周りの周方向の向きをユーザに認識させる指標107が形成されている。指標107は、ここでは、手触りで向きを認識可能なように平面として形成されている。指標107は作用部106に隣接した位置に形成されていることが好適である。
指標107は、カバー15を装着した先端構成部24に対して、差し入れる位置をユーザに目視等、認識可能にしている。指標107としては、「UP」のような文字であってもよいし、回転方向を示す矢印を刻印してもよい。このようにカバー取り外し具16の外形は、特に限定されるものではない。
図17、図18に示すように、作用部106は、カバー15の先端に当接する底部111と、底部111から突出してカバー15の周囲に被さることが可能な筒状部112と、筒状部112の先端に設けられた端面112Aと、カバー15の開口縁部85のうち、U字状の窪み部85B(カバー15の開口部)に嵌合される第1突部113(当接部)と、先端構成部24の平面部61と面一になったカバー本体81の先端側被覆部86に嵌合される第2突部114と、破壊されたカバー15の開口縁部85の右側縁部85Aの一部を配置する逃げ部115と、を有する。第1突部113(突起)は、長手方向(L方向)に延びる段差部116と、中心軸C方向の基端方向C2側に行くにつれて中心軸Cから遠ざかる方向に傾いた傾斜部117と、中心軸C方向の基端方向C2側に設けられる頂面部118と、を有する。図19に示すように、傾斜部117は、揺動台25の遠位端部25Bが描く軌跡Aから外れた位置で、当該軌跡Aに沿う方向に延びている。このため、もし仮にカバー取り外し具16をカバー15に係合させた状態で、揺動台25が微小距離を回動することがあっても、揺動台25の遠位端部25Bが傾斜部117と干渉することはない。
図19に示すように、カバー取り外し具16の柱状体105の一端の作用部106を、カバー15を装着した先端構成部24に対して嵌合させる。底部111には、カバー15のうち、閉塞部83の先端面が当接される。
筒状部112により、作用部106の中心軸Cが規定される。中心軸Cと筒状部112の内周面との間の距離、すなわち、半径は、カバー15の回動周面104により規定される半径よりも僅かに大きく形成されている。このため、筒状部112の内周面には、カバー15のうち、回動周面104が当接されて支持される。このとき、筒状部112は、回動周面104に対して中心軸Cの軸周りに相対的に移動可能である(図16、図19、図20、図22参照)。
第1突部113の幅は、カバー15の窪み部85Bの幅よりも僅かに小さく形成されている。図18に示すように、カバー取り外し具16の第1突部113は、押圧部113Aを有する。押圧部113Aは、カバー15の開口縁部85の窪み部85Bと右側縁部85Aとの間の被押圧部88(縁)(図15参照)に当接される。
図17に示す第2突部114は底部111に対して柱状体105の端面112A側に向かって突出している。第2突部114は第1突部113に対して、中心軸Cの周方向に隣接している。第2突部114は、平面部61に平行であることが好適である。第2突部114は、カバー15の先端側縁部85Cの先端側被覆部86に当接され得る。
図19に示すように、カバー取り外し具16は、以下のような寸法関係で形成される。長手方向Lに関して、底部111から筒状部112の端面112Aまでの寸法Dは、底部111から回動軸54までの寸法L1よりも大きい。また、長手方向Lに関して、底部111から筒状部112の端面112Aまでの寸法Dは、底部111から脆弱部99までの寸法L2よりも小さい。
先端構成部24に装着したカバー15を取り外すためのカバー取り外し具16および回動軸54(軸受65)の作用について説明する。
図16に示すように、カバー取り外し具16の作用部106を、カバー15を装着した先端構成部24に対峙させる。指標107の向きを、先端構成部24の平面部61に平行な状態にする。図19に示すように、この状態で、カバー取り外し具16の作用部106を、カバー15を装着した先端構成部24に嵌合させる。カバー取り外し具16の筒状部112の作用部106の中心軸Cとカバー15の回動周面104の中心軸Cとを一致させるとともに、カバー15の閉塞部83の先端面25Aをカバー取り外し具16の作用部106の底部111に当接させる。これによって、図20、図22に示す状態になる。
図19、図20に示すように、このとき、カバー取り外し具16の第1突部113はカバー15の開口縁部85の窪み部85Bに嵌合している。カバー取り外し具16の第2突部114はカバー15の先端側被覆部86に近接又は当接している。
先端構成部24又は挿入部21の先端部近傍を保持し、カバー15の閉塞部83の先端面をカバー取り外し具16の底部111に当接させた状態で、先端構成部24及びカバー15に対して図16中の矢印Rで示す方向にカバー取り外し具16を回転させる。すなわち、カバー15の回動周面104に対して、カバー取り外し具16の筒状部112を、回動周面104の中心軸Cの軸周りに回動させる。
これによって、図22に示すように、第2突部114の対向面が先端側被覆部86に対して離されながら、第1突部113の押圧部113Aで開口縁部85の右側縁部85Aの被押圧部88(縁)を押圧する。
このときカバー15のガイド突部102は、先端構成部24のガイド溝63に嵌合した状態を維持する。このため、ガイド突部102は、先端構成部24に対しカバー本体81が中心軸Cの軸周りに移動することを規制する。
したがって、カバー取り外し具16の操作力量は、被押圧部88、右側縁部85A、基端側縁部85Eを通して、カバー取り外し具16の第1突部113に対向するカバー15のスリット101、101間の連結部103に付加される。これによって、カバー15の脆弱部99に応力が集中されて、図23に示すように連結部が破断する。連結部103の破断により、先端構成部24のガイド溝63にカバー15のガイド突部102が嵌合した状態を維持したまま、環状部84の嵌合部87のうち係止凹部98を含む部位が周方向に移動する。このとき、脆弱部99の連結部103の破断による応力の開放の勢いで、先端構成部24の係止ピン76に対するカバー15の係止凹部98の係止を解除することができる。このため、脆弱部99の破壊と係止ピン76と係止凹部98との係止の解除が略同時に行われる。
本実施形態では、特に、先端構成部24のガイド溝63に対してカバー15のガイド突部102の嵌合距離を長くしている。このため、カバー取り外し具16を使ってカバー15を破壊する際、カバー15への押圧力は、脆弱部99の破壊と係止ピン76と係止凹部98との係合解除により集中される。
また、上記したように、寸法L1<寸法D<寸法L2の関係になっているため、カバー取り外し具16をR方向に回転させる際には、回動軸54、軸受65、および位置決め部72の軌道72Bが筒状部112の内側に位置される。また、脆弱部99の反対側(例えば、略180°反対側)に位置決め部72が位置されるため、脆弱部99の破断によるカバー15の変形は、位置決め部72側には影響しない。このため、脆弱部99を破壊する際に、回動軸54、軸受65、および位置決め部72の軌道72Bの位置が変化しない。したがって、カバー取り外し具16の回転中に回動軸54が軸受65から脱落することがなく、カバー取り外し具16によって誤って揺動台25を傷つけてしまうことがない。
なお、図22に示すように、右側縁部85Aはカバー取り外し具16の逃げ部115に入る。先端構成部24及びカバー15に対して図16中の矢印Rで示す方向にカバー取り外し具16を更に回転させると、カバー取り外し具16のユーザは、右側縁部85Aを折り曲げる力を付与することが必要になる。このため、カバー15の回動周面104に対して、カバー取り外し具16の筒状部112が中心軸Cの軸周りに滑り難くなる。カバー取り外し具16のユーザは、この状態を認識する。したがって、カバー取り外し具16のユーザは、先端構成部24及びカバー15に対して矢印Rで示す方向にカバー取り外し具16を回転させると、図23に示すように連結部103が破断する。そして、係止ピン76と係止凹部98との間の係止が解除するまでは適宜の抗力を感じ、その後、抗力が低下し、再び抗力を感じることになる。ユーザは、2回目の効力を感じることで、連結部103の破断が完了したことを認識できる。
このとき、第1突部113及び第2突部114は、先端構成部24のいずれの部材にも触れない。このため、カバー取り外し具16で先端構成部24に対してカバー15を取り外す際に、先端構成部24に負荷がかけられるのが防止される。すなわち先端構成部24を傷つけることがない。
そして、脆弱部99を破壊して破断部103が形成されたカバー15に対して、カバー取り外し具16を長手方向Lに沿って先端方向C1側に抜去する。この状態において、脆弱部99を破壊した状態をユーザが直接観察できる。脆弱部99を破壊し、かつ、先端構成部24の係止ピン76に対する係止凹部98の係止が解除されているため、ユーザの指や鉗子等で、カバー15を摘まんで、先端構成部24に対して長手方向Lに沿って先端方向C1側にカバー15を取り外すことができる。このため、カバー取り外し具16を用いるほうが、ユーザ(術者や手術スタッフ)に対する衛生的な安全性が確保された状態で簡単にカバー15を取り外すことができる。なお、カバー15は、破壊された状態によっては、カバー取り外し具16とともに先端構成部から外れる場合があり得る。取り外したカバー15は廃棄される。
なお、先端構成部24を保持した状態で、先端構成部24及びカバー15に対して図16中の矢印Rで示す方向とは反対方向にカバー取り外し具16を回転させると、カバー取り外し具16の第1突部113は、収納部62の壁面を押圧する。また、第2突部114の対向面がカバー15の先端側縁部85Cの先端側被覆部86に当接した状態を維持する。このため、ユーザが誤ってカバー取り外し具16を矢印Rで示す方向とは反対方向に回転させてしまうことはない。
カバー15を取り外した内視鏡12、すなわち、先端構成部24を含む挿入部21、操作部22及びユニバーサルコード23は、適切に洗浄、消毒及び滅菌されて再利用に供される。本実施形態では、図13、図14に示すように、軸受65の底65Aから回動軸54を浮き上がらせることで、洗浄時にブラシ等を通しやすくして先端構成部24の洗浄性を向上できる。
図13に示すように、揺動台25が倒置位置P1にある状態では矢印Aで示す方向からユーザが揺動台25の先端面取部25C付近を押圧することで、軸受65の底65Aと回動軸54との間に隙間G1を形成できる。図14に示すように、揺動台25が起上位置P2にある状態では矢印Bで示す方向からユーザが揺動台25の遠位端部25B付近を押圧することで、軸受65の底65Aと回動軸54との間に隙間G2を形成できる。このように本実施形態では、倒置位置P1および起上位置P2のいずれの状態でも軸受65の底65Aと回動軸54との間に隙間を形成できるため、洗浄を行うユーザによって使い勝手がよい。洗浄後に、消毒及び滅菌を行って、さらに新たなカバー15を先端構成部24に適切に装着することで、内視鏡システム11を次回の観察や処置に用いることができる。
以上説明したように、この実施形態に係る内視鏡12によれば、以下のことが言える。内視鏡12(内視鏡システム11)は、被検体に挿入される挿入部21の先端側に設けられる、硬質な先端構成部24と、先端構成部24に対して回転自在に保持される回動軸54を有し、回動軸54を中心に回動する回動部と、先端構成部24に着脱可能に装着される外装体と、前記外装体に対面して先端構成部24の外面から窪んで設けられ、回動軸54を受容して支持するとともに、前記外装体が先端構成部24から取り外されることにより、先端構成部24から回動軸54を変位させる軸受65と、回動部および先端構成部24のいずれか一方に設けられ、回動軸54が軸受65から変位させられたとき、回動部および先端構成部24のいずれか他方と接触して回動部の離脱を阻止する阻止部66と、を有する。
この構成によれば、メンテナンス時に外装体が先端構成部24から取り外された際に、軸受65から回動軸54を変位させることができる。このため、回動軸54周りや軸受65周りに洗浄用のブラシ等を通しやすくなり、ユーザがこれらの部分を洗浄する際に作業性を向上できる。これによって、ユーザが使い易い内視鏡12(内視鏡システム11)を提供できる。
阻止部66は、回動部が先端構成部24に対して起上していない位置で回動部の離脱を規制する。外装体の着脱は、通常、回動部を起上させない状態で行うことが作業の円滑化のために好ましい。この構成によれば、外装体を着脱する際に回動部が先端構成部24から離脱することがなく、このように離脱した回動部が破損してしまう危険を防止できる。
この場合、先端構成部24に対して回動部が回動される際に阻止部66を案内する案内部67を有する。この構成によれば、案内部67および阻止部66を利用して回動部の回動を案内することができ、回動軸54のみで回動部を支持する構造に比して、回動部の姿勢を安定させることができる。
内視鏡12は、先端構成部24に対して回動部が回動する範囲を規制する規制部68を有する。この構成によれば、規制部68によって回動部の位置を所定の範囲に収めることができる。これによって、例えば、先端構成部24に外装体を装着している場合には、外装体に対して回動部が接触して外装体または回動部を破損してしまうことを防止できる。また、例えば、外装体を取り外した状態では、再度外装体を先端構成部24に装着する際に外装体と回動部が衝突してこれらが破損してしまうことを防止できる。
前記外装体は、位置決め部72を有し、当該位置決め部72は、前記外装体を先端構成部24に取り付けたとき、回動軸54を軸受65における所定の位置に位置決めする。この構成によれば、外装体を先端構成部24に装着する際に、位置決め部72によって自動的に回動軸54を軸受65の所定の位置に位置決めすることができ、ユーザが意識せずに回動軸54を元の位置に戻すことができる。これによって、回動部を元の位置に戻す際にユーザの手を煩わせることがなく、メンテナンス性が良好でユーザフレンドリーな内視鏡12を提供できる。
この場合、先端構成部24に対して前記外装体を挿入部21の長手方向Lに沿う方向に装着する際に、前記位置決め部72は、回動軸54を長手方向Lと交わる方向Xに移動させて、回動軸54を軸受65における前記所定の位置に位置決めする。この構成によれば、外装体の装着動作を利用してユーザが意識することなく回動軸54を位置決めすることができ、ユーザフレンドリーな内視鏡を実現できる。
位置決め部72は、前記外装体の内面に先端構成部24側に向けて突出するように設けられる斜面72Aを含み、斜面72Aは、前記外装体を先端構成部24に装着する際に回動軸54を軸受65における前記所定の位置まで案内する。この構成によれば、斜面72Aによって外装体の装着運動をこれと交差する方向Xの運動に変換するカム構造を実現でき、外装体を装着して回動軸54を軸受65の所定の位置に位置決めする際に、ユーザの手指にかかる負荷を小さくできる。
位置決め部72は、前記外装体の内面に先端構成部24側に向けて突出し、斜面72Aと連続する軌道72Bを含み、当該軌道72Bは、回動軸54を軸受65における前記所定の位置に保持する。この構成によれば、斜面72Aによって案内された回動軸54を軌道72Bによって軸受65の所定の位置に保持できる。このため、斜面72Aおよび軌道72Bを含む簡単な構造によって位置決め部72を実現でき、外装体の構造を簡略化できる。また、位置決め部72は、ガイド突部102と同様、長手方向(L方向)に長いため、カバー本体81のリブのような役割をする。このため、位置決め部72は、カバー本体81(カバー15)の剛性の向上に寄与し、カバー本体81を潰れにくくすることができる。
回動部は、挿入部21に沿って前記被検体に挿入される処置具を起上させる処置具起上台である。この構成によれば、処置具起上台の回動軸54の洗浄のしやすさを向上でき、ユーザフレンドリーな内視鏡を実現できる。
内視鏡12は、被検体に挿入される挿入部21の先端側に設けられる硬質な先端構成部24と、先端構成部24に対して回転自在に保持される回動軸54を有し、回動軸54を中心に回動する回動部と、先端構成部24の少なくとも一部を覆うように先端構成部24に着脱可能に装着される外装体と、前記外装体に対面して先端構成部24の外面から窪んで設けられ、前記外装体が先端構成部24から取り外されることにより、先端構成部24から回動軸54を変位させる軸受65と、前記外装体に設けられ、前記外装体が先端構成部24に対し取付けられたとき、回動軸54を挿入部21の長手方向Lに対して交わる方向Xに移動させて軸受65における所定の位置に位置決めする位置決め部72と、を有する。
この構成によれば、回動軸54を挿入部21の長手方向Lに対して交わる方向Xに移動させる位置決め部72を外装体に設けることができる。これによって、外装体を取り外した際に自動的に回動軸54の位置決めが解除される構造を実現できる。このため、外装体を取り外し時に回動軸54を軸受65から変位させて、軸受65および回動軸54を清掃しやすい構造を実現して、ユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
内視鏡システム11は、前記外装体に対して回転可能な外装体取り外し具であって、前記外装体の先端に当接する底部111と、底部111から突出して前記外装体の周囲に被さることが可能な筒状部112と、筒状部112の内側に設けられ前記外装体に対して回転させる際に前記外装体に設けられた開口部に当接して前記外装体の脆弱部99を破断させる当接部と、を有する外装体取り外し具を有する。長手方向Lに関する底部111から筒状部112の端面112Aまでの寸法Dは、長手方向Lに関する底部111から回動軸54までの寸法L1よりも大きく、長手方向Lに関する底部111から脆弱部99までの寸法L2よりも小さい。
この構成によれば、脆弱部99の破断のために筒状部112を回転させる際に、筒状部112の内側に回動軸54および軸受65を位置させることができる。これによって、筒状部112の回転時に回動軸54が軸受65から脱落して、回動部が筒状部112の回転に巻き込まれて破損してしまう危険を防止できる。これによって、さらにユーザフレンドリーな内視鏡システム11を実現できる。
以下に、第1実施形態の一部を変形した第2実施形態から第11実施形態について説明する。以下の実施形態では、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については説明を省略する。
[第2実施形態]
図24から図28を参照して、内視鏡システム11の第2実施形態について説明する。
図24から図26に示すように、規制部68は、案内部67と分離して設けられる。規制部68は、揺動台25の倒置位置P1側で揺動台25の回動角度を規制する第1ストッパ74と、揺動台25の起上位置P2側で揺動台25の回動角度を規制する第2ストッパ75と、を有する。第1ストッパ74および第2ストッパ75は、先端構成部24の本体24Aから揺動台25側に突出するように設けられている。図25、図26に示すように、本実施形態では、第1ストッパ74および第2ストッパ75は、阻止部66ではなく、揺動台25と直接当接して、揺動台25の回動角度を規制する。図25に示すように、第1ストッパ74の作用により案内部67の先端側端部67Aと阻止部66との間には隙間A1が形成される。図26に示すように、第2ストッパ75の作用により案内部67の基端側端部67Bと阻止部66との間には隙間A2が形成される。
ユーザは、第1実施形態と同様の手法で、カバー取り外し具16を用いてカバー15を取り外すことができる。
カバー15を取り外した内視鏡12、すなわち、先端構成部24を含む挿入部21、操作部22及びユニバーサルコード23は、適切に洗浄、消毒及び滅菌されて再利用に供される。本実施形態では、図27、図28に示すように、軸受65の底65Aから回動軸54を浮き上がらせることで、洗浄時にブラシ等を通しやすくして先端構成部24の洗浄性を向上できる。回動軸54は、揺動台25が倒置位置P1または起上位置P2にあるときに、軸受65に対して変位する(軸受65の底65Aに対して浮き上がる)ことができる。
図27に示すように、揺動台25が倒置位置P1にある状態では矢印Aで示す方向からユーザが揺動台25の先端面取部25C付近を押圧することで、軸受65の底65Aと回動軸54との間に隙間G1´を形成できる。図28に示すように、揺動台25が起上位置P2にある状態では矢印Bで示す方向からユーザが揺動台25の遠位端部25B付近を押圧することで、軸受65の底65Aと回動軸54との間に隙間G2´を形成できる。このように本実施形態では、倒置位置P1および起上位置P2のいずれの状態でも軸受65の底65Aと回動軸54との間に隙間を形成できるため、洗浄を行うユーザによって使い勝手がよい。洗浄後に、消毒及び滅菌を行って、さらに新たなカバー15を先端構成部24に適切に装着することで、内視鏡システム11は次回の観察や処置に用いられる。
本実施形態によれば、規制部68が案内部67とは分離した位置に設けられる場合でも、カバー15を取り外し時に隙間G1´、隙間G2´を形成できる。これによって、カバー15取り外し時に軸受65および回動軸54を清掃しやすい構造を実現して、ユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
[第3実施形態]
図29を参照して、内視鏡システムの第3実施形態について説明する。
本実施形態では、挿入部21の長手方向Lに関する軸受65の寸法は、第1実施形態の軸受65の長手方向Lに関する寸法よりも大きい。また、長手方向Lに関する軸受65の寸法Eは、長手方向Lと交差する方向Xに関する軸受65の寸法よりも大きい。なお、長手方向Lと交差する方向Xに関する軸受65の寸法は、回動軸54の直径と略同一である。一方、本実施形態では、カバー15を装着後に位置決め部72が軸受65の底65Aに対して回動軸54を押し付ける。このため、位置決め部72は、回動軸54の長手方向Lに関する位置および長手方向Lと交差する方向に関する位置を決めることができる。
本実施形態では、第1実施形態と同様の手法で、カバー15を取り外して、軸受65に対して回動軸54を変位させる(軸受65の底65Aから回動軸54を浮き上がらせる)ことができる。さらに本実施形態では、第1実施形態の軸受65に比して、長手方向Lに関する軸受65の寸法Eが大きく形成されている。このため、軸受65から回動軸54を変位させた後の状態、あるいは軸受65から回動軸54を変位させる前の状態において、清掃用のブラシ等を軸受65内に通しやすくすることができる。これによって、メンテナンス時に軸受65および回動軸54の洗浄性を向上してユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
[第4実施形態]
図30を参照して、内視鏡システム11の第4実施形態について説明する。
揺動台25は、揺動台本体71と、揺動台本体71とは別体に形成された回動軸54と、本体24Aの軸受65から回動軸54が脱落することを阻止する阻止部66と、を有する。回動軸54は、揺動台本体71に形成された貫通孔121に挿入されて揺動台本体71に固定されている。回動軸54は、貫通孔121内に隙間なく塗布された接着剤によって揺動台本体71に固定されている。揺動台本体71に対する回動軸54の固定方法はこれに限定されるものではない。回動軸54の固定方法は、例えば、半田等を用いたろう付けでもよいし、貫通孔121に対して回動軸54を圧入してもよいし、あるいは貫通孔121に対して溶接を行ってもよい。
回動軸54は、揺動台25の揺動台本体71から長手方向(L方向)と交差する方向の両側に突出して設けられている。このため、揺動台25の回動軸54は、先端構成部24の軸受65とカバー15の位置決め部72とに挟まれるように、いわゆる両持ちで回転可能に支持される。
本実施形態では、弾性部材52が省略されている。このため、ワイヤ48は、例えば、耐腐食性の材料(例えば、ステンレス鋼)で構成され、先端構成部24のワイヤ移動部51内において露出されている。このような構造であっても実際の使用上で問題はない。
本実施形態では、第1実施形態と同様の手法で、カバー15の取り外し、軸受65から回動軸54を変位させ(軸受65の底65Aから回動軸54を浮かせ)、軸受65および回動軸54を洗浄できる。
本実施形態のように回動軸54が揺動台本体71とは別体に構成され、且つ弾性部材52が省略されている等の場合でも、メンテナンス時に軸受65および回動軸54の洗浄性を向上できる。これによって、ユーザフレンドリーな内視鏡を実現できる。
[第5実施形態]
図31、図32を参照して、内視鏡システム11の第5実施形態について説明する。
図31、図32に示すように、阻止部66は、揺動台25の揺動台本体71に形成された穴122に固定された円柱形のピンで構成される。本実施形態では、第1実施形態と同様に、阻止部66は、案内部67およびワイヤ48と共同して、回動軸54の変位(回動軸54が軸受65の底65Aから浮き上がる距離)を規定している。すなわち、阻止部66および案内部67の構造によって、回動軸54が軸受65から外れて、先端構成部24から揺動台25が外れてしまうことが防止される。
揺動台本体71に対して、阻止部66は、例えば接着剤等を用いて固定されている。揺動台本体71に対する阻止部66の固定方法は、これに限定されるものではない。揺動台本体71に対する阻止部66の固定方法は、例えば、半田等を用いたろう付けでもよいし、穴122に対して阻止部66を圧入してもよいし、あるいは穴122に対して溶接を行ってもよい。
本実施形態では、第1実施形態と同様の手法で、カバー15を取り外して、軸受65から回動軸54を変位させ(軸受65の底65Aから回動軸54を浮かせ)、軸受65および回動軸54の洗浄を行うことができる。
本実施形態のように阻止部66がピンで構成される場合であっても、メンテナンス時に軸受65および回動軸54の洗浄性を向上できる。これによって、ユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
[第6実施形態]
図33から図35を参照して、内視鏡システム11の第6実施形態について説明する。
揺動台25は、揺動台本体71と、揺動台本体71と一体に形成された回動軸54と、本体24Aの軸受65から回動軸54が脱落することを阻止する阻止部66と、を有する。回動軸54は、揺動台25の揺動台本体71から長手方向(L方向)と交差する方向の片側(操作用軸部55が突出する側とは反対側)に突出して設けられている。
図35に示すように、位置決め部72は、長手方向(L方向)に延びる1個の突起状に形成される。位置決め部72は、閉塞部83に近づくにつれて内側方向(中心軸Cに近づく方向)に突出する斜面72Aと、斜面72Aから長手方向に延びる軌道72Bと、を有する。斜面72Aは、先端構成部24にカバー15が装着される際に回動軸54を軸受65側に案内する。軌道72Bは、先端構成部24にカバー15が装着される際に回動軸54を軸受65に押し付けるとともに、先端構成部24にカバー15が装着された後は、回動軸54に当接して軸受65における所定の位置(底65A)に回動軸54を位置決めする。このため、揺動台25の回動軸54は、先端構成部24の軸受65とカバー15の位置決め部72との間に挟まれるように、いわゆる片持ちで回転可能に支持される(図33、図34参照)。
本実施形態では、第1実施形態と同様の手法で、カバー15を取り外して、軸受65から回動軸54を変位させ(軸受65の底65Aから回動軸54を浮かせ)、軸受65および回動軸54を洗浄することができる。
本実施形態によれば、揺動台25がいわゆる片持ちで支持される場合でも、メンテナンス時に軸受65および回動軸54の洗浄性を向上できる。これによって、ユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
[第7実施形態]
図36から図39を参照して、内視鏡システム11の第7実施形態について説明する。
揺動台25は、揺動台本体71と、揺動台本体71と一体に形成された回動軸54と、本体24Aの軸受65から回動軸54が脱落することを阻止する阻止部66と、を有する。回動軸54は、揺動台25の揺動台本体71から長手方向(L方向)と交差する方向の両側に突出して設けられている。
位置決め部72は、長手方向(L方向)に延びる1個の幅広の突起状に形成される。長手方向Lと交差する方向Wに関する位置決め部72の幅寸法は、第1実施形態の位置決め部72の同方向に関する幅寸法よりも大きい。長手方向Lと交差する方向Wに関する位置決め部72の幅寸法は、回動軸54の長さ寸法と略同一である(図38参照)。
図36から図39に示すように、位置決め部72は、閉塞部83に近づくにつれて内側方向(中心軸Cに近づく方向)に突出する斜面72Aと、斜面72Aから長手方向Lに延びる軌道72Bと、を有する。斜面72Aは、先端構成部24にカバー15が装着される際に回動軸54を軸受65側に案内する。軌道72Bは、先端構成部24にカバー15が装着される際に回動軸54を軸受65に押し付けるとともに、先端構成部24にカバー15が装着された後は、回動軸54に当接して軸受65における所定の位置(底65A)に回動軸54の位置を決める。このため、揺動台25の回動軸54は、先端構成部24の軸受65とカバー15の位置決め部72との間に挟まれるように、いわゆる両持ちで回転可能に支持される(図36参照)。
本実施形態では、第1実施形態と同様の手法で、カバー15を取り外し、軸受65から回動軸54を変位させ(軸受65の底65Aから回動軸54を浮かせ)、軸受65および回動軸54を洗浄できる。
本実施形態によれば、位置決め部72が第1実施形態よりも幅広で且つ1個で構成される場合でも、メンテナンス時に軸受65および回動軸54の洗浄性を向上できる。これによって、ユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
[第8実施形態]
図40から図44を参照して、内視鏡システム11の第8実施形態について説明する。
図40から図43に示すように、先端構成部24の本体24Aは、揺動台25の回動軸54を回転可能に保持する軸受65と、揺動台25の阻止部66を案内する案内部67と、案内部67に隣接して設けられ揺動台25の回動角度を規制する規制部68と、を有する。規制部68は、揺動台25の倒置位置P1側で揺動台25の回動角度を規制する第1ストッパ74と、揺動台25の起上位置P2側で揺動台25の回動角度を規制する第2ストッパ75と、を有する。
本体24Aは、その一部に突出片123を含む。案内部67は、突出片123を貫通するように設けられた開口で形成される。また、案内部67は、突出片123を貫通せずに突出片123の表面から窪んだ凹状に形成されていてもよい。
案内部67は、軸受65の底65Aに当接した位置の回動軸54を中心とする円弧に沿った溝状に形成されている。案内部67は、円弧に対して軸受65のある方向に向かって窪んだ凹部124を有する。凹部124は、第2ストッパ75の付近から、軸受65の延びている方向D1に沿って、回動軸54(軸受65)に近づく方向に延びる。すなわち、凹部124は、揺動台25が倒置位置P1から所定の角度回転したとき、すなわち、揺動台25が起上位置P2にあるときに、軸受65の延びている方向に向けて阻止部66を案内可能である。案内部67は、図40に示すように揺動台25が倒置位置P1にあるときと、図41に示すように揺動台25が起上位置P2にあるときと、の間で阻止部66を案内できる。
第1実施形態とは異なり、軸受65は、一部を斜めに切り欠いて形成した切欠部125を有する。切欠部125は、先端構成部24の表面と接する部分で長手方向Lにおける先端方向C1側に形成される。本実施形態では、軸受65に切欠部125を設けることによって、軸受65から回動軸54を外れやすくしている。
図44に示すように、オサエリング82の第2スカート部95は、軸受65から脱落した回動軸54および揺動台25を軸受65内に位置決めする第2の位置決め部126を構成する。したがって、ユーザは、回動軸54の位置を意識することなく、先端構成部24にカバーを装着することで、第2の位置決め部126および位置決め部72の作用によって回動軸54および揺動台25を軸受65における所定の位置(底65A)に位置決めできる。
ユーザは、第1実施形態と同様の手法で、カバー取り外し具16を用いてカバー15を取り外すことができる。
カバー15を取り外した内視鏡12、すなわち、先端構成部24を含む挿入部21、操作部22及びユニバーサルコード23は、適切に洗浄、消毒及び滅菌されて再利用に供される。本実施形態では、図42、図43に示すように、軸受65に対して回動軸54を変位させる(軸受65から回動軸54を脱落させる)ことで、洗浄時にブラシ等を通しやすくして先端構成部24の洗浄性を向上できる。
図42に示すように、揺動台25が倒置位置P1にある状態では矢印Cで示す方向からユーザが揺動台25の遠位端部25B付近を押圧することで、軸受65から回動軸54を変位(脱落)させることができる。図43に示すように、揺動台25が起上位置P2にある状態では矢印Dで示す方向からユーザが揺動台25の遠位端部25B付近を押圧すると、阻止部66が凹部124内に移動され、回動軸54が軸受65から変位(脱落)する。その後矢印Eで示す方向からユーザが揺動台25の遠位端部25B付近を押圧することで、軸受65から回動軸54が完全に変位(脱落)できる。
このように本実施形態では、倒置位置P1および起上位置P2のいずれの状態でも軸受65から回動軸54を変位させることができる。このため、軸受65および回動軸54に対してブラシ等を通しやすくすることができ、軸受65および回動軸54の洗浄を行うユーザによって使い勝手がよい。洗浄後に、消毒及び滅菌を行って、さらに新たなカバー15を先端構成部24に適切に装着することで、内視鏡システム11は次回の観察や処置に用いられる。さらに本実施形態では、図44に示すように、カバー15のオサエリング82の第2スカート部95が揺動台25(揺動台本体71)に当接し、回動軸54を軸受65内に位置させる。このように第2スカート部95が第2の位置決め部126として作用するため、カバー15を装着する際にユーザが意識することなく回動軸54を軸受65における所定の位置(底65A)に位置決めできる。
本実施形態によれば、案内部67は、回動部が所定の角度回転したときに軸受65の延びている方向に向けて阻止部66を案内可能な凹部124を有し、先端構成部24から前記外装体を取り外した状態で阻止部66が凹部124内に移動された際に回動軸54が軸受65から変位される。
この構成によれば、回動部が所定の角度回転した状態で、凹部124を用いて回動軸54を軸受65から変位させることができる。このため、揺動台25が初期位置(倒置位置P1)にある状態と、所定の角度回転した位置(起上位置P2)にある状態と、の両方の状態で、回動軸54を軸受65から変位させることができ、メンテナンス時に軸受65および回動軸54をブラシ等で容易に洗浄できる。また、軸受65の底65Aと回動軸54との間に隙間を形成する第1実施形態に比して、軸受65および回動軸54に対してより一層ブラシ等を通しやすくでき、洗浄時の作業性を向上できる。これにより、さらにユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
前記外装体は、位置決め部72、126を有し、当該位置決め部72、126は、前記外装体を先端構成部24に取り付けたとき、回動軸54を軸受65における所定の位置に位置決めする。
この構成によれば、外装体を取り付ける際に、変位した回動軸54であっても位置決め部72、126によって回動軸54を位置決めできる。これによって、ユーザに意識させることなく回動軸54を元の位置に位置決めすることができ、さらにユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
[第9実施形態]
図45から図49を参照して、内視鏡システム11の第9実施形態について説明する。
先端構成部24の本体24Aは、揺動台25の回動軸54を回転可能に保持する軸受65と、揺動台25の阻止部66を案内する案内部67と、案内部67に隣接して設けられ揺動台25の回動角度を規制する規制部68と、を有する。規制部68は、揺動台25の倒置位置P1側で揺動台25の回動角度を規制する第1ストッパ74と、揺動台25の起上位置P2側で揺動台25の回動角度を規制する第2ストッパ75と、を有する。
図45から図48に示すように、本体24Aは、その一部に突出片123を含む。案内部67は、突出片123を貫通するように設けられた開口で形成される。また、案内部67は、突出片123を貫通せずに突出片123の表面から窪んだ凹状に形成されていてもよい。
案内部67は、軸受65の底65Aに当接した位置の回動軸54を中心とする円弧に沿った溝状に形成されている。軸受65の延びている方向D1に関する案内部67の幅寸法は、阻止部66の直径よりも大きく、阻止部66の直径を2倍した寸法よりも小さい。方向D1に関する案内部67の幅寸法は、阻止部66が方向D1に関して微小距離を進退可能な寸法に形成されている。したがって、案内部67は、揺動台25が倒置位置P1から所定の角度回転したとき、すなわち、揺動台25が起上位置P2にあるときに、軸受65の延びている方向D1に向けて阻止部66を案内可能である。
第1実施形態とは異なり、軸受65は、一部を斜めに切り欠いて形成した切欠部125を有する。切欠部125は、先端構成部24の表面と接する部分で長手方向Lにおける先端方向C1側に形成される。本実施形態では、軸受65に切欠部125を設けることによって、軸受65から回動軸54を外れやすくしている。
図49に示すように、オサエリング82の第2スカート部95は、軸受65から脱落した回動軸54および揺動台25を軸受65内に位置決めする第2の位置決め部126を構成する。したがって、ユーザは、回動軸54の位置を意識することなく、先端構成部24にカバーを装着することで、第2の位置決め部126および位置決め部72の作用によって回動軸54および揺動台25を軸受65における所定の位置(底65A)に位置決めできる。
ユーザは、第1実施形態と同様の手法で、カバー取り外し具16を用いてカバー15を取り外すことができる。
カバー15を取り外した内視鏡、すなわち、先端構成部24を含む挿入部21、操作部22及びユニバーサルコード23は、適切に洗浄、消毒及び滅菌されて再利用に供される。本実施形態では、図47、図48に示すように、軸受65に対して回動軸54を変位させる(軸受65から回動軸54を脱落させる、或いは、軸受65の底65Aから回動軸54を浮き上がらせる)ことで、洗浄時にブラシ等を通しやすくして先端構成部24の洗浄性を向上できる。
図47に示すように、揺動台25が倒置位置P1にある状態では矢印Cで示す方向からユーザが揺動台25の遠位端部25B付近を押圧することで、軸受65から回動軸54を変位(脱落)させることができる。図48に示すように、揺動台25が起上位置P2にある状態では矢印Dで示す方向からユーザが揺動台25の遠位端部25B付近を押圧することで、軸受65の底65Aから寸法G3の長さ分だけ回動軸54を変位させる(軸受65の底65Aから浮かせる)ことができる。
このように本実施形態では、倒置位置P1において軸受65から回動軸54を脱落させるか、或いは起上位置P2において軸受65の底65Aから回動軸54を浮かせることができる。このため、倒置位置P1および起上位置P2のいずれの位置でも、軸受65および回動軸54に対してブラシ等を通しやすくすることができ、軸受65および回動軸54の洗浄を行うユーザによって使い勝手がよい。洗浄後に、消毒及び滅菌を行って、さらに新たなカバー15を先端構成部24に適切に装着することで、内視鏡システム11は次回の観察や処置に用いられる。さらに本実施形態では、図49に示すように、カバー15のオサエリング82の第2スカート部95が揺動台25(揺動台本体71)に当接し、回動軸54を軸受65内に位置させる。このように第2スカート部95が第2の位置決め部126として作用するため、カバー15を装着する際にユーザが意識することなく回動軸54を軸受65における所定の位置(底65A)に位置決めできる。
本実施形態によれば、案内部67は、軸受65の底65Aに当接した位置の回動軸54を中心とする円弧に沿った溝状の開口で構成され、軸受65の延びている方向D1に関する案内部67の幅寸法は、阻止部66の直径よりも大きく、阻止部66の直径を2倍した寸法よりも小さい。この構成によれば、揺動台25が倒置位置P1から所定の角度回転したときに、軸受65の底65Aから回動軸54を浮かせることができる。また、揺動台25が倒置位置P1にあるときには、軸受65から回動軸54を脱落させることができる。これらによって、メンテナンス時に軸受65および回動軸54をブラシ等で容易に洗浄できる。このため、さらにユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
[第10実施形態]
図50から図55を参照して、内視鏡システム11の第10実施形態について説明する。
図50から図53に示すように、先端構成部24の本体24Aは、揺動台25の回動軸54を回転可能に保持する軸受65と、揺動台25の阻止部66を案内する案内部67と、案内部67に隣接して設けられ揺動台25の回動角度を規制する規制部68と、案内部67の一部に形成され、その位置で阻止部66の案内を解除可能な欠取部131と、を有する。規制部68は、揺動台25の倒置位置P1側で揺動台25の回動角度を規制する第1ストッパ74と、揺動台25の起上位置P2側で揺動台25の回動角度を規制する第2ストッパ75と、を有する。
本体24Aは、その一部に突出片123を含む。案内部67は、突出片123を貫通するように設けられた開口で形成される。また、案内部67は、突出片123を貫通せずに突出片123の表面から窪んだ凹状に形成されていてもよい。
案内部67は、軸受65の底65Aに当接した位置の回動軸54を中心とする円弧に沿った溝状に形成されている。案内部67は、図50に示すように揺動台25が倒置位置P1にあるときと、図51に示すように揺動台25が起上位置P2にあるときと、の間で阻止部66を案内できる。
欠取部131は、案内部67の周囲を規定する縁部の環の一部を除去して形成される。すなわち、欠取部131は、図52等に示すように、案内部67の周囲の縁部のうち第1ストッパ74に隣接する部分(揺動台25が倒置位置P1にあるときの阻止部66に対応する位置)で長手方向Lの先端方向C1側に、当該縁部の環の一部を除去して形成される。
軸受65は、一部を斜めに切り欠いて形成した切欠部125を有する。切欠部125は、先端構成部24の表面と接する部分で長手方向Lにおける先端方向C1側に形成される。本実施形態では、軸受65に切欠部125を設けることによって、軸受65から回動軸54を外れやすくしている。
図50に示すように、揺動台25の先端面25Aとカバー15の閉塞部83の内面との間には、微小な隙間L3だけが存在する。このため、カバー15を先端構成部24に装着した状態では、何らかの原因で軸受65から回動軸54が脱落することがあっても、揺動台25の先端面25Aが閉塞部83の内面に当接する。このため、このような場合でも、欠取部131を介して阻止部66が先端方向C1側にずれて、先端構成部24から揺動台25が離脱してしまうことがない。
図55に示すように、カバー15のオサエリング82の第2スカート部95は、軸受65から脱落した回動軸54および揺動台25を軸受65内に位置決めする第2の位置決め部126を構成する。したがって、ユーザは、欠取部131を介して回動軸54を案内部67内に戻した状態で、先端構成部24にカバー15を装着することで、第2の位置決め部126および位置決め部72の作用によって回動軸54および揺動台25を軸受65における所定の位置(底65A)に位置決めできる。
ユーザは、第1実施形態と同様の手法で、カバー取り外し具16を用いてカバー15を取り外すことができる。
カバー15を取り外した内視鏡12、すなわち、先端構成部24を含む挿入部21、操作部22及びユニバーサルコード23は、適切に洗浄、消毒及び滅菌されて再利用に供される。本実施形態では、図52、図53に示すように、軸受65に対して回動軸54を変位させる(軸受65から回動軸54を脱落させる、或いは軸受65の底65Aから回動軸54を浮き上がらせる)ことで、洗浄時にブラシ等を通しやすくして先端構成部24の洗浄性を向上できる。
図52に示すように、揺動台25が倒置位置P1にある状態では矢印Cで示す方向からユーザが揺動台25の遠位端部25B付近を押圧することで、軸受65から回動軸54を脱落させることができる。図53に示すように、揺動台25が起上位置P2にある状態では矢印Dで示す方向からユーザが揺動台25の遠位端部25B付近を押圧することで、軸受65の底65Aから寸法G4の長さ分だけ回動軸54を浮き上がらせることができる。図54に示すように、ユーザは、さらに欠取部131を介して阻止部66を案内部67から脱落させ、揺動台25を先端構成部24から離脱させることができる。これによって、軸受65および回動軸54周りだけでなく、揺動台25、案内部67、および阻止部66周りの洗浄性が向上する。
このように本実施形態では、倒置位置P1および起上位置P2のいずれの状態でも軸受65から回動軸54を変位させる(脱落させる又は浮き上がらせる)ことができる。このため、軸受65および回動軸54に対してブラシ等を通しやすくすることができ、軸受65および回動軸54の洗浄を行うユーザによって使い勝手がよい。洗浄後に、消毒及び滅菌を行って、さらに新たなカバーを先端構成部24に適切に装着することで、内視鏡システム11は次回の観察や処置に用いられる。さらに本実施形態では、図54に示す状態からユーザの手によって欠取部131を介して、図55に示すように阻止部66を案内部67内に戻す。この状態で、新しいカバー15を先端構成部24に装着する際に、カバー15のオサエリング82の第2スカート部95が揺動台25(揺動台本体71)に当接する。これによって、回動軸54を軸受65内に位置させる。このように第2スカート部95が第2の位置決め部126として作用するため、カバー15を装着する際にユーザが意識することなく回動軸54を軸受65における所定の位置(底65A)に位置決めできる。
本実施形態によれば、阻止部66は、回動部に設けられ、案内部67は、阻止部66の案内を解除可能な欠取部131を有する。この構成によれば、欠取部131を介して阻止部66を案内解除することで、先端構成部24から回動部を離脱させることができる。このように回動部を離脱させた状態で、回動部、回動軸54、軸受65、案内部67等をブラシ等で容易に洗浄できる。このため、メンテナンス時にこれらの洗浄性を向上して、さらにユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
[第11実施形態]
図56から図61を参照して、内視鏡システムの第11実施形態について説明する。
図56に示すように、規制部68は、上記した第2実施形態と略同様の構成を有する。
揺動台25は、本体24Aの軸受65に対して回動軸54を支点に揺動可能である。揺動台25は、回動軸54を中心に回動する回動部の一例である。揺動台25は、略三角形ないしブーメラン型の揺動台本体71と、揺動台本体71と一体に形成された回動軸54と、揺動台本体71と一体に形成された添え板132と、添え板132に形成された案内部67と、を有する。回動軸54は、揺動台25の揺動台本体71から長手方向C方向と交差する方向の両側に突出して設けられている。このため、揺動台25の回動軸54は、先端構成部24の軸受65とカバー15の位置決め部72との間に挟まれるように、いわゆる両持ちで回転可能に支持される(図58参照)。本実施形態では、阻止部66は、先端構成部24側に設けられる。阻止部66は、揺動台25(回動部)の案内部67と接触して、揺動台25が先端構成部24から離脱することを阻止する。また、添え板132と揺動台本体71は例えば接着剤等で固定されている。また、添え板132を設けず、揺動台本体71の側面に添え板132の案内部67と同様の形状が形成されていてもよい。
案内部67は、添え板132の表面から窪んで形成された溝状をなしている。案内部67の内側に揺動台25が脱落することを阻止する阻止部66を収納できる。案内部67は、回動軸54を中心とする円弧状をなしている。案内部67は、図58に示すように揺動台25が倒置位置P1にあるときと、図59に示すように揺動台25が起上位置P2にあるときと、の間で阻止部66を案内できる。
先端構成部24の本体24Aは、その一部に設けられた突出片123と、軸受65から回動軸54が脱落することを阻止する阻止部66と、を有する。図56に示すように、阻止部66は、突出片123に設けられた貫通穴133に固定された段付きピン(ピンの先端部)で構成される。段付きピン(阻止部66)は、半田等を用いたろう付けで突出片123に固定されるが、段付きピンの固定方法はこれに限定されない。段付きピン(阻止部66)は、接着剤で突出片123に固定されてもよいし、貫通穴133に対して回動軸54を圧入して固定してもよいし、あるいは貫通穴133に対して溶接で固定してもよい。
阻止部66は、案内部67およびワイヤ48と共同して、回動軸54が軸受65の底65Aから浮き上がる距離を規定している。すなわち、阻止部66および案内部67の構造によって、回動軸54が軸受65から外れて、先端構成部24から揺動台25が外れてしまうことが防止される。
ユーザは、第1実施形態と同様の手法で、カバー取り外し具16を用いてカバー15を取り外すことができる。
カバー15を取り外した内視鏡12、すなわち、先端構成部24を含む挿入部21、操作部22及びユニバーサルコード23は、適切に洗浄、消毒及び滅菌されて再利用に供される。本実施形態では、図60、図61に示すように、軸受65に対して回動軸54を変位させる(軸受65の底65Aから回動軸54を浮き上がらせる)ことができる。
図60に示すように、揺動台25が倒置位置P1にある状態では矢印Aで示す方向からユーザが揺動台25の先端面取部25C付近を押圧することで、軸受65の底65Aから寸法G6の長さ分だけ回動軸54を浮き上がらせることができる。図61に示すように、揺動台25が起上位置P2にある状態では矢印Bで示す方向からユーザが揺動台25の遠位端部25B付近を押圧することで、軸受65の底65Aから寸法G7の長さ分だけ回動軸54を浮き上がらせることができる。
このように本実施形態では、倒置位置P1および起上位置P2のいずれの状態でも軸受65から回動軸54を変位させる(浮き上がらせる)ことができる。このため、軸受65および回動軸54に対してブラシ等を通しやすくすることができ、軸受65および回動軸54の洗浄を行うユーザによって使い勝手がよい。洗浄後に、消毒及び滅菌を行って、さらに新たなカバー15を先端構成部24に適切に装着することで、内視鏡システム11は次回の観察や処置に用いられる。
本実施形態によれば、阻止部66は先端構成部24側に設けられ、案内部67は回動部(揺動台25)側に設けられる。このような構造であっても、軸受65および回動軸54の洗浄しやすさを向上して、ユーザフレンドリーな内視鏡12を実現できる。
上述した実施形態および各変形例では、先端構成部24が側視型のものである例について説明したが、挿入部21の長手方向Lに沿った方向を観察する、いわゆる直視型、又は、挿入部21の長手方向Lに沿った方向と長手方向Lに直交する方向との間の適宜の方向を観察する、いわゆる斜視型として形成されていても良いことはもちろんである。
これまで、幾つかの実施形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記した異なる実施形態中の構成要素を適宜に組み合わせて一つの内視鏡システム11または内視鏡12を実現することができる。