JP5366296B2 - 車両用シートおよび車両用シートの着座者を拘束する作動方法 - Google Patents
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Description
従来、車両用シートのシートベルトの一端をアンカープレートに係止し、シートベルトの中間部に設けたタングプレートを着脱自在に係合させるインナーバックルを有するインナーラップアンカーを設け、左右のアンカープレートおよびインナーラップアンカーは、車両用シートが所定以上の加速度を受けた場合に作動するプリテンショナ装置に接続した一対のワイヤーケーブルによって夫々牽引されるようにした構成は、公知である(特許文献2)。
前記公知例のうち特許文献2の構成は、左右のアンカープレートおよびインナーラップアンカーの両方をプリテンショナ装置により牽引したとき、ガスジェネレータの供給するガス圧は、ガス供給初期が最も高く、その後は低下する。
しかし、シートベルトを緊張作動させる場合、シートベルトの弛みを取る作動開始時は大きな力は不要であり、シートベルトにより着座者を拘束するときには大きな駆動力が必要となるので、シートベルトを緊張作動させるときの要求と、公知例の構成とが不一致となる課題がある。
本願は、プリテンショナ装置の構成を工夫して、持続的なワイヤケーブル13の牽引力を発揮するように工夫したものである。
請求項2の発明は、前記閉塞部材25は、所定長さを有する円柱部材38の外周にピストンリング39を装着して形成し、前記ピストンリング39は前記嵌合筒部24内に嵌合させ、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過するとピストン12の大径部26の内周に設けた凹部40に前記ピストンリング39が係合する構成とした車両用シートとしたものである。
請求項3の発明は、前記ワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の一端はシリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17および前記ピストン12に夫々接続し、該一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの他端部は任意の係止部Tに夫々接続し、前記シリンダ11と前記係止部Tとは、シリンダ11の軸心方向を左右方向とし、前記係止部Tは前記シリンダ11の軸心方向に対して交差方向に前記ワイヤケーブル13が牽引されるように夫々配置した車両用シートとしたものである。
請求項4の発明は、前記車両用シートの任意機器Kは車両用シート1の座席シート3の移動装置とし、前記作動装置10は前記座席シート3を後方移動させる座席移動用プリテンショナ装置10Aとし、該座席移動用プリテンショナ装置10Aは、車体が所定以上の加速を受けると、前記シリンダ11および前記ピストン12の移動を前記ワイヤケーブル13により前記座席シート3に伝達して車体側に取付けた固定フレーム46に対して前記座席シート3が後方移動するように構成した車両用シートとしたものである。
請求項5の発明は、前記車両用シートの任意機器Kは、車両用シート1の着座者を拘束するシートベルト40とし、前記作動装置10は前記シートベルト40を緊張させるベルト用プリテンショナ装置10Bとし、該ベルト用プリテンショナ装置10Bは、所定以上の加速度を受けると、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bの前記シリンダ11および前記ピストン12の移動を前記ワイヤケーブル13により前記シートベルト40に伝達して乗員を拘束させる方向にシートベルト40が移動するように構成した車両用シートとしたものである。
請求項6の発明は、前記車両用シートの任意機器Kとして車両用シート1の座席シート3の移動装置およびシートベルト40を併存させ、前記作動装置10として前記座席シート3を後方移動させる座席移動用プリテンショナ装置10Aとベルト用プリテンショナ装置10Bとを設け、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11よりも上方に位置させ、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11が座席シート3と共に後方移動したベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11に干渉しないように配置構成した車両用シートとしたものである。
請求項7の発明は、ガスジェネレータ16で発生する高圧ガスを、シリンダ11内に設けた内筒部材22の外周と該内筒部材22の外周に嵌合するピストン12の嵌合筒部24の基部の大径部26とに包囲された空間に噴射し、シリンダ11内に噴射されたガスはピストン12の大径部26の端面となる第一作用面W1に当たってピストン12を前記内筒部材22の先端まで移動させ、ピストン12が内筒部材22の先端まで移動するまで他方側ケーブル13Bに挿通した閉塞部材25は内筒部材22の先端位置に留まらせ、ピストン12が内筒部材22の先端まで移動すると、内筒部材22の先端より先側のピストン12の移動するシリンダ11の空間内の前記大径部26と前記閉塞部材25により構成される第二作用面W2に、ガスジェネレータ16から噴射したガスの圧力を当て、閉塞部材25とピストン12とを共に移動させ、このピストン12の移動による反力でシリンダ11とピストン12とを互いに夫々反対方向に移動させ、このシリンダ11とピストン12の夫々の移動を一対のワイヤーケーブル13により伝動して着座者を拘束する任意機器Kを作動させる車両用シートの着座者を拘束する作動方法としたものである。
また、ピストン12のガスが当たる有効断面積となるガス作用面の面積を、ピストン12の移動開始時の第一作用面W1より移動途中の第二作用面W2の面積を大きくするので、ピストン12の移動途中のガス圧力の上昇を簡単に実現できる。
また、嵌合筒部24内に設けた閉塞部材25と大径部26によりピストン12の移動途中の第二作用面W2を構成するので、閉塞部材25が第二作用面W2の面積を大きくすると共に、ガス噴出室20の容積を小さくすることができ、ピストン12の移動途中でのガス圧の上昇効率を向上させることができる。
請求項2の発明では、閉塞部材25のピストンリング39がピストン12の凹部40に嵌合するので、ピストン12との一体移動を確実にすることができる。
請求項3の発明では、シリンダ11と係止部Tとを、シリンダ11の軸心方向に対して交差方向にワイヤケーブル13が牽引されるように配置しているので、車両用シートの任意機器Kの作動を確実にさせることができる。
請求項4の発明では、車両用シート1の座席シート3の移動装置の座席移動用プリテンショナ装置10Aにより着座者拘束装置を構成しているので、着座者を拘束する座席シート3の移動を確実にして、シートベルト40の着座者の拘束効果を向上させることができる。
請求項5の発明では、車両用シート1の着座者を拘束するシートベルト40により着座者拘束装置を構成しているので、着座者を拘束するシートベルト40の締め付けを確実にして、着座者の拘束効果を向上させることができる。
請求項6の発明では、座席移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10Bの両者を、車両用シートに装着でき、着座者の拘束効果を一層向上させた車両用シートを提供することができ、また、座席移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10Bの上下の設置スペースを小さくでき、また、座席移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11の干渉を防止できる。
請求項7の発明では、ピストン12の移動途中の第二作用面W2によりガス噴出室20の容積を小さくすることができ、ピストン12の移動途中でのガス圧の上昇効率を向上させることができ、着座者の拘束効果を向上させることができる。
車両用シート1には、ガス発生剤に着火して大量のガスを発生させて車両用シートの任意機器(箇所)Kを任意に作動させる作動装置(プリテンショナ装置)10を設ける。作動装置10は、シリンダ11内にピストン12を設ける。ピストン12側にワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの何れか一方の一端を接続する。前記一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの何れか他方の一端はシリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17に接続する。
この場合、一方側ケーブル13Aはシリンダ側ワイヤ係止部17に係止し、他方側ケーブル13Bはピストン12側に接続し、ピストン12はシリンダ側ワイヤ係止部17の反対側のシリンダ11内に位置させる。一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の他端は、係止部Tに夫々接続する。
前記シリンダ11は車体または車両用シート1の所定の固定部に対して移動自在に取付け、もって、シリンダ11とピストン12とが互いに反力により夫々反対に移動するように構成する。
前記シリンダ11にはピストン12を移動させる多量のガスを供給するガスジェネレータ16を設ける。ガスジェネレータ16の構成は任意であり、前記シリンダ側ワイヤ係止部17の反対側に設けたシリンダ11の外面に設ける。
ガスジェネレータ16はシリンダ11内のガス噴出室20に臨ませる。ガス噴出室20には前記ピストン12を臨ませ、ピストン12にはワイヤケーブル13を接続する。
このピストン12を移動させるガス圧力は、ピストン12の移動途中で低下したガス圧を、一旦低下したガス圧を基準にそれよりも高いガス圧にまで上昇させるように構成する。
即ち、ガスジェネレータ16が供給するガス圧は、供給初期が最も高く、その後は低下するだけであるから、ピストン12のワイヤケーブル13の牽引力はガスの圧力の大きさに比例して低下する。
そこで、ガスジェネレータ16のガスを噴出するシリンダ11内のガス噴出室20のガスジェネレータ16から噴出したガスが当たるガス作用面Wの有効作用面積を、ピストン12の移動により段階的に変化させ、ピストン12の移動途中で低下したガス圧を上昇させるように構成する。
即ち、シリンダ11の内径をD1とし、内筒部材22の外径をD2とすると、π/4(D12−D22)が第一作用面W1となる。
前記内筒部材22の先端より突き出る他方側ケーブル13Bには閉塞部材25を挿通する。閉塞部材25はピストン12の嵌合筒部24内に密に嵌合させる。閉塞部材25は、第一噴射室20Aにガスが供給されたときは、内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみが移動するように構成する。
閉塞部材25は、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過すると、ピストン12と共に移動し、大径部26と閉塞部材25と内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とにより包囲された空間にガスジェネレータ16からのガスが噴射され、大径部26と閉塞部材25の移動方向後側の夫々の端面を合わせて第二作用面W2が構成される。
即ち、シリンダ11の内径をD1とし、他方側ケーブル13Bの外径をD3とすると、π/4(D12−D32)が第二作用面W2となる。
そして、第二作用面W2が第一作用面W1よりもガスの作用面積が大となる。
具体的には、前記内筒部材22は所定長さを有してシリンダ11の軸心方向と平行に設け、内筒部材22には他方側ケーブル13Bを挿通し、内筒部材22より突出する他方側ケーブル13Bの先端はピストン12のワイヤ係止部23に係止する。ピストン12は移動方向前側を閉塞して前記ワイヤ係止部23に形成し、ワイヤ係止部23に続いて筒状の前記嵌合筒部24を形成し、ワイヤ係止部23と嵌合筒部24とにより断面U型形状に形成する。ピストン12の大径部26にはオーリング35Aを設ける。
即ち、内筒部材22の肉厚が薄いと、内筒部材22の外周とシリンダ11の内周との間の間隔が広くなって、大径部26の端面である第一作用面W1の面積が広くなり、その結果、第二作用面W2との面積差が小さくなるが、内筒部材22を所定の肉厚にすることで、第一作用面W1の面積を小さくし、第二作用面W2と第一作用面W1との面積差を大きくすることができ、合理的な構成となる。
また、閉塞部材25は、所定厚さを有する円柱部材38の外周にピストンリング39を装着して形成する。ピストンリング39はその直径を縮小させて嵌合筒部24内に嵌合させ、ピストン12が内筒部材22の先端付近まで移動すると、ピストン12の大径部26の内周に設けた凹部40に嵌合し、ピストン12と共に移動を開始する。
即ち、閉塞部材25は、係合部材27を内筒部材22の係合凹部28に係合させているので、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過するまで、内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみを移動させ、大径部26が内筒部材22の先端を通過すると、ピストンリング39が拡張してピストン12の凹部40に嵌合し、閉塞部材25がピストン12により移動する力により係合部材27と係合凹部28との係合が外れて、閉塞部材25はピストン12と共に移動する。
理解を容易にするため、内筒部材22の内周と他方側ケーブル13Bとの間に隙間を空けて図示しているが(図2〜図6)、他方側ケーブル13Bは内筒部材22に密に挿入し、ガスが漏れないように構成し、また、内筒部材22の内周にオーリング(符号省略)を設けると、一層、ガス漏れ防止効果が高く、オーリングの劣化も防止できる。
しかして、前記ガスジェネレータ16にカプラ32を接続する。カプラ32に接続したハーネス33は、車体所望位置に設けた衝撃検出装置34に接続し、衝撃検出装置34が衝撃を検知すると、ガスジェネレータ16は多量のガスを発生させ、この多量のガスをピストン12の一方側のシリンダ11内のガス噴出室20に充満させ、このときのガス圧により瞬時にピストン12を移動させてワイヤケーブル13を牽引して作動装置10を作動させる。
また、シリンダ11の移動量が左右のケーブルガイド61間に収まるように、シリンダ11の直径および長さとワイヤケーブル13の牽引量とを考慮して設定する(図10)
しかして、図11〜図14は、前記機器Kを座席シート3の移動装置とし、係止部Tを後述する固定フレーム46とし、前記作動装置10を車両用シート1の座部移動用プリテンショナ装置10Aに使用した実施例を示したものである。
座部移動用プリテンショナ装置10Aの具体的構成は任意であるが、一例を示すと、シートベルト40の左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42の基部を、スライドレール5の左右のアッパーレール35に設けた左右一対の固定フレーム46に取付け、左右の固定フレーム46には前記座席シート3の座席フレーム51を所定範囲で後方移動するように取付ける。
したがって、固定フレーム46を係止部Tとし、前記固定フレーム46には夫々左右一対のワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の基部を係止し、ワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの先端の何れか一方は、座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11内に設けたピストン12に接続し、一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの何れか他方はシリンダ11の端部に接続する。
座部移動用プリテンショナ装置10Aは、一つのシリンダ11とピストン12によりワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々を牽引して、略同時に座席フレーム51を牽引し、座席シート3を後方移動させる。
前記座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、座席フレーム51の下方にワイヤーケーブル13の牽引方向とシリンダ11の軸芯とが略並行となるように位置させ、かつ、シリンダ11の軸芯方向に移動自在に設置するように構成し、一つのシリンダ11によって、座席シート3を後方移動させる。
この場合、左右の固定フレーム46(係止部T)と座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11およびピストン12に夫々係止したワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの中間位置には、ピストン12とシリンダ11とが左右方向に牽引した一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの移動方向を、座席シート3が後方移動するように、前後方向に変換する前記ケーブルガイド61を設ける(図12,図13)。
即ち、シリンダ11の移動量が左右のケーブルガイド61間に収まるように、シリンダ11の直径および長さとワイヤケーブル13の牽引量とを考慮して設定する。
また、シリンダ11は、左右のケーブルガイド61間に位置するが、シリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17とケーブルガイド61との間隔hよりも、シリンダ11のガスジェネレータ16とケーブルガイド61との間隔Hが広くなるように、配置構成する。
具体的には、シリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17とケーブルガイド61との間隔hよりも、シリンダ11の端部とケーブルガイド61との間隔Hを広くするように配置構成する。
したがって、左右のケーブルガイド61とシリンダ11とが干渉するのを防止して、ワイヤケーブル13の移動を安定させて、座部移動用プリテンショナ装置10Aの作動の確実性を向上させる。
また、シリンダ11は、左右のケーブルガイド61間の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bにより宙吊り状態に設ける。
したがって、シリンダ11はワイヤケーブル13により支持される。
また、図12〜図14の実施例では取付孔56を座席フレーム51の左右一対の側部部材55の後側部分に取付孔56を形成し、取付孔56に固定フレーム46に設けた棒状形状の取付部材57を夫々係合させ、座席フレーム51の前側部分は、図12〜図14のように、取付孔56と取付部材57によらずに、アーム58の上部を軸59により回動自在に取付け、アーム58の下部は軸60により固定フレーム46に回動自在に取付けている。そのため、衝突時の座席シート3の後退をさせる場合、座席シート3の前端を上昇させながら後退するようにでき、シートベルト40による着座者の拘束効果のさらなる向上を図ることができ、好適である。
しかして、前記任意機器Kをシートベルト40の全体の張力を積極的に緊張させるシートベルト緊張装置とし、シートベルト40のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42を係止部Tとし、シートベルト40を緊張させるベルト用プリテンショナ装置10Bを、前記作動装置10により構成し、一層、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させている。
具体的には、左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42の基部(係止部T)には、夫々左右一対のワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の基部を係止し、ワイヤーケーブル46の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの先端はベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11とピストン12に取付ける。
座部移動用プリテンショナ装置10Aと同様に、ベルト用プリテンショナ装置10Bは一つのシリンダ11(ピストン12)によりワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々を牽引して、略同時に左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42を牽引し、乗員を車両用シート1に拘束する。
また、座部移動用プリテンショナ装置10Aと同様に、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は、該シリンダ11の軸芯が車両用シート1または車体に対してワイヤーケーブル13の牽引方向と並行となるように位置させ、かつ、シリンダ11の軸芯方向にのみ移動自在にシリンダ11を設置する。
それゆえ、一つのシリンダ11(ピストン12)によっても、シリンダ11に接続した一方側ケーブル13Aと、ピストン12に接続した他方側ケーブル13Bとは、略同時に略同量牽引されて、ワイヤーケーブル13は乗員を車両用シート1に拘束する。この略同時および略同量は意識して差を設けないという意味である。
しかして、ベルト用プリテンショナ装置10Bの前記シリンダ11および前記ピストン12と左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42(係止部T)との間の前記ワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の中間部には夫々前記ケーブルガイド(ベルト用ケーブルガイド)61を設ける。
なお、図示は省略するが、車両用シート1を車体に対して上下させてシート1の高さを調節する高さ調節機構を設けた場合には、アッパーレール35に対して前記固定フレーム46が上下することとなるので、固定フレーム46ではなくアッパーレール35に左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42を取付け、シートベルト40に掛かる荷重をスライドレール5により支持するように、ベルト用ケーブルガイド61および補強フレーム90もアッパーレール35側に取り付けることになる。
しかして、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11も、所定長さに形成し、左右のケーブルガイド61間にワイヤケーブル13を必要量牽引できるための移動スペースを持って、配置する。
また、シリンダ11は、左右のケーブルガイド61間に位置するが、シリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17とケーブルガイド61との間隔hよりも、シリンダ11のガスジェネレータ16とケーブルガイド61との間隔Hが広くなるように、配置構成する。
したがって、左右のケーブルガイド61とシリンダ11とが干渉するのを防止して、ワイヤケーブル13の移動を安定させて、ベルト用プリテンショナ装置10Bの作動の確実性を向上させる。
また、シリンダ11は、左右のケーブルガイド61間の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bにより宙吊り状態に設ける。
この場合、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11と、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11と前後に並設する(図17〜図18)。
実施例では、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11の前側に位置させる。
即ち、座席シート3が後方移動するとき、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は座席シート3と共に後方移動するが、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は略同じ場所に位置するので、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11を、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11の前側に位置させ、夫々のシリンダ11が牽引するワイヤケーブル13の牽引量を充分に確保して、作動を安定させる。
また、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのケーブルガイド61は、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bのケーブルガイド61が案内する前記ワイヤケーブル13より内側に前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのワイヤケーブル13を位置させて案内するように配置構成する(図17)。
65はシートベルト40の中間部に設けたタングプレート、66はインナーバックルである。
前記ベルトリトラクター47は、公知の構成であり、通常シートベルト40の引き出しを許容するが、衝撃が掛かると、シートベルト40の引き出しをロックさせる機構を内蔵していればよい。
また、タングプレート65も公知の構成であり、シートベルト40に対して移動自在であるが、通常のシートベルト40の引き出すとき等の場合にはシートベルト40に対して移動しないように構成している。
(作動装置の作用)
例えば、座部移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10B等となる作動装置10は、衝撃検出装置34が衝撃を検知すると、ガスジェネレータ16で多量のガスを発生させ、ピストン12の一方側のシリンダ11内に充満させ、ガス圧により瞬時にピストン12を移動させ、ピストン12の移動の反力がシリンダ11に作用して、ピストン12とシリンダ11とは互いに反対方向に移動する。
作動装置10は係止部Tに夫々係止されているワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bがピストン12とシリンダ11との互いの反対方向への移動により牽引され、着座者を拘束する任意機器Kを作動させて、着座者を拘束する。
そこで、本願は、ピストン12をの移動させるガス圧力が、ピストン12の移動途中で上昇してピストン12を移動させるように構成しているので、例えば、着座者を
車両用シートに拘束するシートベルト40では、ガスジェネレータ16の供給初期のガスの圧力でピストン12を移動させ、シートベルト40の弛みを取り、ついで、弛みを取る時間経過により一旦低下したガス圧を上昇させて、ピストン12の牽引力を復帰させ、シートベルト40により着座者を拘束する。
即ち、ピストン12の移動開始時ではピストン12の充分な移動速度を確保した上でピストン12を移動させるガス圧をそれほど高くせず、シートベルト40の弛みが取れて安定した着座者姿勢となった状態で、ピストン12の作用するガス圧を上昇させて一気に着座者を拘束する。
そのため、シートベルト40を緊張作動させる場合、大きな駆動力の不要なシートベルト40の弛みを取る作動開始時でも、充分なガス圧でピストン12を移動させて弛みを取り、弛みが取れて着座者に対するシートベルト40の位置が適正になると、
ピストン12の作用するガス圧を上昇させて一気に着座者を拘束できるので、シートベルトの緊張作動の要求と、作動装置10の作動とを一致させることができ、合理的構成となる。
そのため、、ピストン12の牽引力の低下を抑制し、低下したガス圧を、着座者の拘束に充分なガス圧力まで途中から上昇させるので、着座者の拘束姿勢を良好にでき、従来の作動装置に比して着座者の拘束効果を向上させられる。
ガス作用面Wの有効面積変化構成は、シリンダ側ワイヤ係止部17の反対側のシリンダ11には、シリンダ11より小径の内筒部材22を設け、内筒部材22の外周にピストン12の筒状の嵌合筒部24を摺動自在に嵌合させ、内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とピストン12の大径部26とにより包囲された空間内の大径部26のガスジェネレータ16側の端面を第一作用面W1としているので、大径部26の第一作用面W1にガスジェネレータ16のガス圧が作用してピストン12を移動させる。
したがって、第二作用面W2は第一作用面W1よりも面積が大となるように構成しているので、ガスジェネレータ16が供給するガス圧が、供給初期より低下したピストン12の移動中間領域であっても、ガスの作用面積が第一作用面W1から第二作用面W2に拡大し、ピストン12の移動によりシリンダ11内のガスジェネレータ16のガスが充満する容積は拡大するものの、ピストン12の移動に作用するガス圧はピストン12の移動中間領域の低下したガス圧よりもガスの作用面積の拡大により一旦上昇させられ、ピストン12の牽引力を低下した牽引力よりも一旦上昇させる。
しかして、内筒部材22は所定長さを有してシリンダ11の軸心方向と平行に設けているので、内筒部材22によりガス噴出室20をシリンダ11の内周と内筒部材22の外周との間に形成でき、シリンダ11の内周と内筒部材22の外周との間の移動方向後側の大径部26の端面を第一作用面W1に形成でき、第一作用面W1をシリンダ11の内径に比し小さく形成できる。
そのため、大径部26と閉塞部材25の端面とを合わせた第二作用面W2(他方側ケーブル13Bの断面積は除く)は、大径部26の端面の第一作用面W1との面積差を大きくでき、ピストン12の移動途中のガス圧を高く上昇させられる。
また、内筒部材22にピストン12の嵌合筒部24を嵌合させているので、ピストン12の大径部26を第一作用面W1とし、大径部26と閉塞部材25の端面とを合わせて第二作用面W2にすることができ、合理的な構成となる。
即ち、内筒部材22の存在によりピストン12のガス作用面Wの面積を、ピストン12の移動に伴って大小に変化させることができ、合理的構成となる。
また、内筒部材22は所定の肉厚を有して形成しているので、内筒部材22の肉厚により大径部26の端面の第一作用面W1の面積を、大径部26と閉塞部材25の端面とを合わせて形成した第二作用面W2より小さく形成でき、この点でも、ピストン12のガス作用面Wの面積を大小に変化させることができ、合理的構成となる。
閉塞部材25は嵌合筒部24内の他方側ケーブル13Bに挿通しているので、ガスジェネレータ16のガス圧を閉塞部材25に当初作用させない構成を容易に実現できるだけでなく、途中から閉塞部材25を第二作用面W2として作用させることも容易に実現できて、極めて、合理的な構成となる。
また、閉塞部材25の存在により第一作用面W1より第二作用面W2を大きくする構成を容易に実現できる。
閉塞部材25は、所定厚さを有する円柱部材38の外周にピストンリング39を装着して形成し、ピストンリング39はその直径を縮小させて嵌合筒部24に嵌合させ、ピストン12が内筒部材22の先端付近まで移動すると、ピストン12の大径部26の内周に設けた凹部40に嵌合するので、閉塞部材25のピストン12との一体移動を確実にする。
したがって、内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみを確実に移動させる。
(座席シートの移動)
車両用シート1に着座した状態の走行中に前方から衝突されて衝撃を受けると、慣性力により着座者を車両用シート1に対して相対的に前方移動させるように作用するが、シートベルト40があるため、着座者は車両用シート1に拘束される。
しかし、シートベルト40により着座者は拘束されるが、衝突時のシートベルト40による拘束効果を向上させるには限界があり、そのため、近年、プリテンショナーにより衝突時にシートベルトを積極的に緊張させて拘束しようとしていたが、従来のシートベルトを緊張させる構成ではシートベルトの左右の何れか一方の片側のみを牽引していることから、拘束力の立ち上がりをさらに早めて拘束効果を向上させるには限界があった。
即ち、後方移動する座席シート3の座面が着座者を支持して、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させる。
しかして、座席シート3の座席フレーム51の左右一対の側部部材55の前後両側部部分には、棒状形状の取付部材57を設け、取付部材57は固定フレーム46に設けた前後に長い取付孔56に相対的に移動自在に挿通しているから、座席シート3は、座席フレーム51が固定フレーム46に対して後方移動する。
したがって、座席シート3の後方移動により座席シート3の座面が着座者をより確実に支持して、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させる。
この場合、座席フレーム51の前側部分は、アーム58により上下自在に取付けているから、衝突時の座席シート3が後退するとき、座席シート3の前端を上昇させながら後退させるようにでき、着座者の臀部の下方の座席シート3の座面が高くなって、一層、シートベルト40による着座者の拘束効果のさらなる向上を図ることができ、好適である。
したがって、ピストン12に取り付けた一方側ケーブル13Aと、シリンダ11に接続した他方側ケーブル13Bとは、略同時に略同量牽引されて、座席フレーム51を後方移動させることができ、着座者拘束機構の構成部品点数を少なくして、安価に提供できる。
また、座部移動用プリテンショナ装置10Aは、ひとつのシリンダ11を座席シート3の座席フレーム51の前側下面下方に配置し、シリンダ11の軸芯方向が左右方向となるように配置して構成しているから、この車両用シート1の後方の車両用シート1に着座した着座者の脚入れ性を犠牲にせず、着座者拘束機構を設置でき、他方では、座部移動用プリテンショナ装置10Aの作動を良好かつ確実にできる。
しかして、座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は左右のケーブルガイド61間にワイヤケーブル13を必要量牽引できるための移動スペースを持って、配置しているから、ガスジェネレータ16の作用でシリンダ11自体が移動しても、シリンダ11がケーブルガイド61と接触するのを防止し、作動を確実にする。
また、シリンダ11は、左右のケーブルガイド61間に位置するが、シリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17とケーブルガイド61との間隔hよりも、シリンダ11のガスジェネレータ16とケーブルガイド61との間隔Hが広くなるように配置構成しているから、左右のケーブルガイド61とシリンダ11とが干渉するのを防止して、ワイヤケーブル13の移動を安定させて、座部移動用プリテンショナ装置10Aの作動の確実性を向上させる。
前記任意機器Kを、シートベルト40の全体の張力を緊張させるシートベルト緊張装置とし、係止部Tをアンカープレート41およびインナーラップアンカー42とし、シートベルト40を緊張させるベルト用プリテンショナ装置10Bを、前記作動装置10により構成し、一層、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させたものであり、シートベルト40は、ベルト用プリテンショナ装置10Bにより左右のアンカープレート41またはインナーラップアンカー42の両方を牽引して、シートベルト40の全体の張力を積極的に緊張させるように構成し、ベルト用プリテンショナ装置10Bは、車体所望位置に設けた衝撃検出装置により衝撃を検知すると、ガス発生剤によるガスのガス圧で瞬時にワイヤーケーブル13を牽引して、シートベルト40を緊張させ、乗員を車両用シート1に拘束する。
即ち、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は、該シリンダ11の軸芯が車両用シート1または車体に対してワイヤーケーブル13の牽引方向と並行となるように位置させ、かつ、シリンダ11の軸芯方向にのみ移動自在にシリンダ11を設置させているから、ガスジェネレータ16の多量のガスにより瞬時に移動するピストン12の反力がシリンダ11に作用して、ピストン12とシリンダ11とは互いに反対方向に移動する。
この場合、ベルト用プリテンショナ装置10Bは、座席フレーム51の前側下方に設け、座席フレーム51の下方の左右両側部分にケーブルガイド61を設け、各ケーブルガイド61から一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々を固定フレーム46の側方に方向変換させて位置させ、夫々アンカープレート41およびインナーラップアンカー42(係止部T)に係止しているから、一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの互いの相対的短縮方向への移動の際の車両用シート1の他の構成品との接触を防止して、良好かつ確実にでき、シートベルト40の緊張を迅速にして、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させる。
また、ベルト用プリテンショナ装置10Bの前記シリンダ11も、左右のベルト用ケーブルガイド61の間に、前記ワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bにより宙吊り状態に設け、シリンダ11をワイヤケーブル13により支持するように構成しているから、シリンダ11はワイヤケーブル13により支持され、特別に専用の取付部材を用意しなくて済み、シリンダ11の取付作業を容易にする。
また、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11と、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11と前後に並設しているので、座席移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10Bの両者を、車両用シートに併存させて装着することができる。
また、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11よりも上方に位置させているから、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11が座席シート3と共に後方移動するとき、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11に干渉しない。
また、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのケーブルガイド61は、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bのケーブルガイド61が案内する前記ワイヤケーブル13より内側に前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのワイヤケーブル13を位置させて案内するように配置構成しているから、座席移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10Bの両者が牽引するワイヤケーブル13の夫々が干渉せず、作動を確実にする。
しかして、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は左右のケーブルガイド61間にワイヤケーブル13を必要量牽引できるための移動スペースを持って、配置しているから、ガスジェネレータ16の作用でシリンダ11自体が移動しても、ケーブルガイド61と接触するのを防止し、作動を確実にする。
また、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は、左右のケーブルガイド61間に位置するが、シリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17とケーブルガイド61との間隔hよりも、シリンダ11のガスジェネレータ16とケーブルガイド61との間隔Hが広くなるように配置構成しているから、左右のケーブルガイド61とシリンダ11とが干渉するのを防止して、ワイヤケーブル13の移動を安定させて、作動装置10の作動の確実性を向上させる。
また、図15,図16において、理解を容易にするため、左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42が自立するように図示されているが、この構成は任意であり、実施例に限定されない。
また、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
Claims (7)
- 作動装置10により作動して着座者を車両用シート1に拘束する任意機器Kを設け、前記作動装置10は、ガスジェネレータ16で発生する高圧ガスのガス圧によってシリンダ11内のピストン12を移動させ、該ピストン12の移動による反力でシリンダ11を移動させて、もって、前記シリンダ11と前記ピストン12とが互いに反力により夫々反対方向に移動し、該シリンダ11と前記ピストン12の移動を一対のワイヤーケーブル13により前記任意機器Kに伝動して着座者を拘束するように構成し、前記ガスジェネレータ16のピストン12を移動させるガス圧力は、前記ピストン12の移動途中で上昇させるように構成し、前記ガスジェネレータ16のガス圧の前記ピストン12の移動途中での上昇させる構成は、シリンダ11内のピストン12に作用するガスジェネレータ16のガスが当たる有効断面積となるガス作用面の面積を、ピストン12の移動開始時より移動途中の面積が大となるように構成し、前記ガスジェネレータ16を設けた側のシリンダ11内に該シリンダ11より小径で該シリンダ11と軸心が平行の内筒部材22を設け、該内筒部材22にワイヤーケーブル13の他方側ケーブル13Bを挿通し、他方側ケーブル13B端部はピストン12に係止し、該ピストン12の筒状で先端が閉塞された嵌合筒部24を前記内筒部材22の外周に摺動自在に嵌合させ、前記内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とピストン12の大径部26とにより包囲されたガス噴出室20内に臨む前記ピストン12の大径部26のガスジェネレータ16側の端面を前記ガス作用面となる第一作用面W1とし、前記内筒部材22の先端より突き出る他方側ケーブル13Bには閉塞部材25を挿通し、該閉塞部材25はピストン12の嵌合筒部24内に密に嵌合させ、ピストン12が第一作用面W1により移動する状態で閉塞部材25は内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみが移動するように構成し、前記第一作用面W1へのガス圧によりピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過すると、閉塞部材25はピストン12共に移動し、前記閉塞部材25と大径部26の移動方向後側の夫々の端面を合わせて前記ガス作用面となる第二作用面W2に構成し、前記第一作用面W1よりも第二作用面W2の面積を大に構成した車両用シート。
- 請求項1において、前記閉塞部材25は、所定長さを有する円柱部材38の外周にピストンリング39を装着して形成し、前記ピストンリング39は前記嵌合筒部24内に嵌合させ、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過するとピストン12の大径部26の内周に設けた凹部40に前記ピストンリング39が係合する構成とした車両用シート。
- 請求項1または請求項2において、前記ワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の一端はシリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17および前記ピストン12に夫々接続し、該一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの他端部は任意の係止部Tに夫々接続し、前記シリンダ11と前記係止部Tとは、シリンダ11の軸心方向を左右方向とし、前記係止部Tは前記シリンダ11の軸心方向に対して交差方向に前記ワイヤケーブル13が牽引されるように夫々配置した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3において、前記車両用シートの任意機器Kは車両用シート1の座席シート3の移動装置とし、前記作動装置10は前記座席シート3を後方移動させる座席移動用プリテンショナ装置10Aとし、該座席移動用プリテンショナ装置10Aは、車体が所定以上の加速を受けると、前記シリンダ11および前記ピストン12の移動を前記ワイヤケーブル13により前記座席シート3に伝達して車体側に取付けた固定フレーム46に対して前記座席シート3が後方移動するように構成した車両用シート。
- 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記車両用シートの任意機器Kは、車両用シート1の着座者を拘束するシートベルト40とし、前記作動装置10は前記シートベルト40を緊張させるベルト用プリテンショナ装置10Bとし、該ベルト用プリテンショナ装置10Bは、所定以上の加速度を受けると、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bの前記シリンダ11および前記ピストン12の移動を前記ワイヤケーブル13により前記シートベルト40に伝達して乗員を拘束させる方向にシートベルト40が移動するように構成した車両用シート。
- 請求項5において、前記車両用シートの任意機器Kとして車両用シート1の座席シート3の移動装置およびシートベルト40を併存させ、前記作動装置10として前記座席シート3を後方移動させる座席移動用プリテンショナ装置10Aとベルト用プリテンショナ装置10Bとを設け、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11よりも上方に位置させ、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11が座席シート3と共に後方移動したベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11に干渉しないように配置構成した車両用シート。
- ガスジェネレータ16で発生する高圧ガスを、シリンダ11内に設けた内筒部材22の外周と該内筒部材22の外周に嵌合するピストン12の嵌合筒部24の基部の大径部26とに包囲された空間に噴射し、シリンダ11内に噴射されたガスはピストン12の大径部26の端面となる第一作用面W1に当たってピストン12を前記内筒部材22の先端まで移動させ、ピストン12が内筒部材22の先端まで移動するまで他方側ケーブル13Bに挿通した閉塞部材25は内筒部材22の先端位置に留まらせ、ピストン12が内筒部材22の先端まで移動すると、内筒部材22の先端より先側のピストン12の移動するシリンダ11の空間内の前記大径部26と前記閉塞部材25により構成される第二作用面W2に、ガスジェネレータ16から噴射したガスの圧力を当て、閉塞部材25とピストン12とを共に移動させ、このピストン12の移動による反力でシリンダ11とピストン12とを互いに夫々反対方向に移動させ、このシリンダ11とピストン12の夫々の移動を一対のワイヤーケーブル13により伝動して着座者を拘束する任意機器Kを作動させる車両用シートの着座者を拘束する作動方法。
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