JP5366296B2 - 車両用シートおよび車両用シートの着座者を拘束する作動方法 - Google Patents

車両用シートおよび車両用シートの着座者を拘束する作動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5366296B2
JP5366296B2 JP2008335775A JP2008335775A JP5366296B2 JP 5366296 B2 JP5366296 B2 JP 5366296B2 JP 2008335775 A JP2008335775 A JP 2008335775A JP 2008335775 A JP2008335775 A JP 2008335775A JP 5366296 B2 JP5366296 B2 JP 5366296B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
cylinder
seat
cable
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008335775A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010155580A5 (ja
JP2010155580A (ja
Inventor
英二 増谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TS Tech Co Ltd
Original Assignee
TS Tech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TS Tech Co Ltd filed Critical TS Tech Co Ltd
Priority to JP2008335775A priority Critical patent/JP5366296B2/ja
Publication of JP2010155580A publication Critical patent/JP2010155580A/ja
Publication of JP2010155580A5 publication Critical patent/JP2010155580A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5366296B2 publication Critical patent/JP5366296B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Description

本発明は、車両が衝突したときに着座者を良好に拘束する作動装置を有する車両用シートおよび着座者を拘束する作動方法を提供するものである。
従来、背凭シートと座席シートを有する車両用シートを、車体が衝撃を受けると、作動装置を作動させて、シートベルトを緊張させるようにした構成は、公知である(特許文献1)。
従来、車両用シートのシートベルトの一端をアンカープレートに係止し、シートベルトの中間部に設けたタングプレートを着脱自在に係合させるインナーバックルを有するインナーラップアンカーを設け、左右のアンカープレートおよびインナーラップアンカーは、車両用シートが所定以上の加速度を受けた場合に作動するプリテンショナ装置に接続した一対のワイヤーケーブルによって夫々牽引されるようにした構成は、公知である(特許文献2)。
特開2003−146184号公報 特開2008−195359号公報
前記公知例のうち特許文献1の構成は、複数のプリテンショナ装置によりシートベルトを作動させる構成のため、左右のプリテンショナ装置の作動がアンバランスになる課題がある。
前記公知例のうち特許文献2の構成は、左右のアンカープレートおよびインナーラップアンカーの両方をプリテンショナ装置により牽引したとき、ガスジェネレータの供給するガス圧は、ガス供給初期が最も高く、その後は低下する。
しかし、シートベルトを緊張作動させる場合、シートベルトの弛みを取る作動開始時は大きな力は不要であり、シートベルトにより着座者を拘束するときには大きな駆動力が必要となるので、シートベルトを緊張作動させるときの要求と、公知例の構成とが不一致となる課題がある。
本願は、プリテンショナ装置の構成を工夫して、持続的なワイヤケーブル13の牽引力を発揮するように工夫したものである。
請求項1の発明は、作動装置10により作動して着座者を車両用シート1に拘束する任意機器Kを設け、前記作動装置10は、ガスジェネレータ16で発生する高圧ガスのガス圧によってシリンダ11内のピストン12を移動させ、該ピストン12の移動による反力でシリンダ11を移動させて、もって、前記シリンダ11と前記ピストン12とが互いに反力により夫々反対方向に移動し、該シリンダ11と前記ピストン12の移動を一対のワイヤーケーブル13により前記任意機器Kに伝動して着座者を拘束するように構成し、前記ガスジェネレータ16のピストン12を移動させるガス圧力は、前記ピストン12の移動途中で上昇させるように構成し、前記ガスジェネレータ16のガス圧の前記ピストン12の移動途中での上昇させる構成は、シリンダ11内のピストン12に作用するガスジェネレータ16のガスが当たる有効断面積となるガス作用面の面積を、ピストン12の移動開始時より移動途中の面積が大となるように構成し、前記ガスジェネレータ16を設けた側のシリンダ11内に該シリンダ11より小径で該シリンダ11と軸心が平行の内筒部材22を設け、該内筒部材22にワイヤーケーブル13の他方側ケーブル13Bを挿通し、他方側ケーブル13B端部はピストン12に係止し、該ピストン12の筒状で先端が閉塞された嵌合筒部24を前記内筒部材22の外周に摺動自在に嵌合させ、前記内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とピストン12の大径部26とにより包囲されたガス噴出室20内に臨む前記ピストン12の大径部26のガスジェネレータ16側の端面を前記ガス作用面となる第一作用面W1とし、前記内筒部材22の先端より突き出る他方側ケーブル13Bには閉塞部材25を挿通し、該閉塞部材25はピストン12の嵌合筒部24内に密に嵌合させ、ピストン12が第一作用面W1により移動する状態で閉塞部材25は内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみが移動するように構成し、前記第一作用面W1へのガス圧によりピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過すると、閉塞部材25はピストン12共に移動し、前記閉塞部材25と大径部26の移動方向後側の夫々の端面を合わせて前記ガス作用面となる第二作用面W2に構成し、前記第一作用面W1よりも第二作用面W2の面積を大に構成した車両用シートとしたものである。
請求項2の発明は、前記閉塞部材25は、所定長さを有する円柱部材38の外周にピストンリング39を装着して形成し、前記ピストンリング39は前記嵌合筒部24内に嵌合させ、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過するとピストン12の大径部26の内周に設けた凹部40に前記ピストンリング39が係合する構成とした車両用シートとしたものである。
請求項3の発明は、前記ワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の一端はシリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17および前記ピストン12に夫々接続し、該一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの他端部は任意の係止部Tに夫々接続し、前記シリンダ11と前記係止部Tとは、シリンダ11の軸心方向を左右方向とし、前記係止部Tは前記シリンダ11の軸心方向に対して交差方向に前記ワイヤケーブル13が牽引されるように夫々配置した車両用シートとしたものである。
請求項4の発明は、前記車両用シートの任意機器Kは車両用シート1の座席シート3の移動装置とし、前記作動装置10は前記座席シート3を後方移動させる座席移動用プリテンショナ装置10Aとし、該座席移動用プリテンショナ装置10Aは、車体が所定以上の加速を受けると、前記シリンダ11および前記ピストン12の移動を前記ワイヤケーブル13により前記座席シート3に伝達して車体側に取付けた固定フレーム46に対して前記座席シート3が後方移動するように構成した車両用シートとしたものである。
請求項5の発明は、前記車両用シートの任意機器Kは、車両用シート1の着座者を拘束するシートベルト40とし、前記作動装置10は前記シートベルト40を緊張させるベルト用プリテンショナ装置10Bとし、該ベルト用プリテンショナ装置10Bは、所定以上の加速度を受けると、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bの前記シリンダ11および前記ピストン12の移動を前記ワイヤケーブル13により前記シートベルト40に伝達して乗員を拘束させる方向にシートベルト40が移動するように構成した車両用シートとしたものである。
請求項6の発明は、前記車両用シートの任意機器Kとして車両用シート1の座席シート3の移動装置およびシートベルト40を併存させ、前記作動装置10として前記座席シート3を後方移動させる座席移動用プリテンショナ装置10Aとベルト用プリテンショナ装置10Bとを設け、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11よりも上方に位置させ、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11が座席シート3と共に後方移動したベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11に干渉しないように配置構成した車両用シートとしたものである。
請求項7の発明は、ガスジェネレータ16で発生する高圧ガスを、シリンダ11内に設けた内筒部材22の外周と該内筒部材22の外周に嵌合するピストン12の嵌合筒部24の基部の大径部26とに包囲された空間に噴射し、シリンダ11内に噴射されたガスはピストン12の大径部26の端面となる第一作用面W1に当たってピストン12を前記内筒部材22の先端まで移動させ、ピストン12が内筒部材22の先端まで移動するまで他方側ケーブル13Bに挿通した閉塞部材25は内筒部材22の先端位置に留まらせ、ピストン12が内筒部材22の先端まで移動すると、内筒部材22の先端より先側のピストン12の移動するシリンダ11の空間内の前記大径部26と前記閉塞部材25により構成される第二作用面W2に、ガスジェネレータ16から噴射したガスの圧力を当て、閉塞部材25とピストン12とを共に移動させ、このピストン12の移動による反力でシリンダ11とピストン12とを互いに夫々反対方向に移動させ、このシリンダ11とピストン12の夫々の移動を一対のワイヤーケーブル13により伝動して着座者を拘束する任意機器Kを作動させる車両用シートの着座者を拘束する作動方法としたものである。
請求項1の発明では、着座者を拘束する任意機器Kを作動させる作動装置10のガスジェネレータ16のガス圧力を、ピストン12の移動途中で上昇させるので、着座者の拘束効果を向上させることができ、例えば、作動装置10によりシートベルト40を緊張させて着座者を拘束する装置では、最初、ガスジェネレータ16のガス圧力でピストン12を移動させ、シートベルト40の弛みを取り、ついで、ピストン12を移動させるガス圧を上昇させてシートベルト40による着座者の拘束効果を向上させることができる。
また、ピストン12のガスが当たる有効断面積となるガス作用面の面積を、ピストン12の移動開始時の第一作用面W1より移動途中の第二作用面W2の面積を大きくするので、ピストン12の移動途中のガス圧力の上昇を簡単に実現できる。
また、嵌合筒部24内に設けた閉塞部材25と大径部26によりピストン12の移動途中の第二作用面W2を構成するので、閉塞部材25が第二作用面W2の面積を大きくすると共に、ガス噴出室20の容積を小さくすることができ、ピストン12の移動途中でのガス圧の上昇効率を向上させることができる。
請求項の発明では、閉塞部材25のピストンリング39がピストン12の凹部40に嵌合するので、ピストン12との一体移動を確実にすることができる。
請求項の発明では、シリンダ11と係止部Tとを、シリンダ11の軸心方向に対して交差方向にワイヤケーブル13が牽引されるように配置しているので、車両用シートの任意機器Kの作動を確実にさせることができる。
請求項の発明では、車両用シート1の座席シート3の移動装置の座席移動用プリテンショナ装置10Aにより着座者拘束装置を構成しているので、着座者を拘束する座席シート3の移動を確実にして、シートベルト40の着座者の拘束効果を向上させることができる。
請求項の発明では、車両用シート1の着座者を拘束するシートベルト40により着座者拘束装置を構成しているので、着座者を拘束するシートベルト40の締め付けを確実にして、着座者の拘束効果を向上させることができる。
請求項の発明では、座席移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10Bの両者を、車両用シートに装着でき、着座者の拘束効果を一層向上させた車両用シートを提供することができ、また、座席移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10Bの上下の設置スペースを小さくでき、また、座席移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11の干渉を防止できる。
請求項の発明では、ピストン12の移動途中の第二作用面W2によりガス噴出室20の容積を小さくすることができ、ピストン12の移動途中でのガス圧の上昇効率を向上させることができ、着座者の拘束効果を向上させることができる。
本発明の実施例を図面により説明すると、1は車両用シート、2は車両用シート1の背凭シート、3は座席シート、4は背凭シート2の上部に設けたヘッドレスト、5は車両用シート1を車体に対して移動させるスライドレールである。
車両用シート1には、ガス発生剤に着火して大量のガスを発生させて車両用シートの任意機器(箇所)Kを任意に作動させる作動装置(プリテンショナ装置)10を設ける。作動装置10は、シリンダ11内にピストン12を設ける。ピストン12側にワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの何れか一方の一端を接続する。前記一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの何れか他方の一端はシリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17に接続する。
この場合、一方側ケーブル13Aはシリンダ側ワイヤ係止部17に係止し、他方側ケーブル13Bはピストン12側に接続し、ピストン12はシリンダ側ワイヤ係止部17の反対側のシリンダ11内に位置させる。一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の他端は、係止部Tに夫々接続する。
一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bは、一対の係止部Tの間にシリンダ11を有して一本状態に張設された状態に設けられる。
前記シリンダ11は車体または車両用シート1の所定の固定部に対して移動自在に取付け、もって、シリンダ11とピストン12とが互いに反力により夫々反対に移動するように構成する。
前記シリンダ11にはピストン12を移動させる多量のガスを供給するガスジェネレータ16を設ける。ガスジェネレータ16の構成は任意であり、前記シリンダ側ワイヤ係止部17の反対側に設けたシリンダ11の外面に設ける。
ガスジェネレータ16はシリンダ11内のガス噴出室20に臨ませる。ガス噴出室20には前記ピストン12を臨ませ、ピストン12にはワイヤケーブル13を接続する。
しかして、ガスジェネレータ16は多量に発生するガスの圧力でピストン12を移動させる。
このピストン12を移動させるガス圧力は、ピストン12の移動途中で低下したガス圧を、一旦低下したガス圧を基準にそれよりも高いガス圧にまで上昇させるように構成する。
即ち、ガスジェネレータ16が供給するガス圧は、供給初期が最も高く、その後は低下するだけであるから、ピストン12のワイヤケーブル13の牽引力はガスの圧力の大きさに比例して低下する。
そこで、ガスジェネレータ16のガスを噴出するシリンダ11内のガス噴出室20のガスジェネレータ16から噴出したガスが当たるガス作用面Wの有効作用面積を、ピストン12の移動により段階的に変化させ、ピストン12の移動途中で低下したガス圧を上昇させるように構成する。
噴出したガスを当てるガス作用面Wの面積変化構成は、任意であるが、シリンダ側ワイヤ係止部17の反対側のシリンダ11には、シリンダ11より小径の内筒部材22を設け、内筒部材22にピストン12の筒状の嵌合筒部24を嵌合させ、嵌合筒部24の後部外周にシリンダ11の内周に摺接する大径部26を設け、内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とピストン12の大径部26とにより包囲された空間内に当初ガスジェネレータ16のガスを噴射し、このとき、大径部26のガスジェネレータ16側の端面が前記ガス作用面Wとなる第一作用面W1とする。
即ち、シリンダ11の内径をD1とし、内筒部材22の外径をD2とすると、π/4(D1−D2)が第一作用面W1となる。
前記内筒部材22の先端より突き出る他方側ケーブル13Bには閉塞部材25を挿通する。閉塞部材25はピストン12の嵌合筒部24内に密に嵌合させる。閉塞部材25は、第一噴射室20Aにガスが供給されたときは、内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみが移動するように構成する。
そのため、閉塞部材25を設けても、内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とピストン12の大径部26とにより包囲された空間内の大径部26の端面が第一作用面W1となる。
閉塞部材25は、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過すると、ピストン12と共に移動し、大径部26と閉塞部材25と内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とにより包囲された空間にガスジェネレータ16からのガスが噴射され、大径部26と閉塞部材25の移動方向後側の夫々の端面を合わせて第二作用面W2が構成される。
即ち、シリンダ11の内径をD1とし、他方側ケーブル13Bの外径をD3とすると、π/4(D1−D3)が第二作用面W2となる。
そして、第二作用面W2が第一作用面W1よりもガスの作用面積が大となる。
そのため、ガスジェネレータ16が供給するガス圧が、供給初期より低下したピストン12の移動中間領域であっても、ガスの作用面積が第一作用面W1から第二作用面W2に拡大するので、ピストン12の移動によりシリンダ11内のガスジェネレータ16のガスが充満する容積は拡大するものの、ピストン12の移動に作用するガス圧はピストン12の移動中間領域で低下したガス圧よりもガスの作用面積の拡大により一旦上昇させられ、移動途中で低下した牽引力を再上昇させ、その結果、ピストン12の牽引力を高いレベルで持続させる。
具体的には、前記内筒部材22は所定長さを有してシリンダ11の軸心方向と平行に設け、内筒部材22には他方側ケーブル13Bを挿通し、内筒部材22より突出する他方側ケーブル13Bの先端はピストン12のワイヤ係止部23に係止する。ピストン12は移動方向前側を閉塞して前記ワイヤ係止部23に形成し、ワイヤ係止部23に続いて筒状の前記嵌合筒部24を形成し、ワイヤ係止部23と嵌合筒部24とにより断面U型形状に形成する。ピストン12の大径部26にはオーリング35Aを設ける。
この場合、内筒部材22は所定の肉厚を有して形成し、内筒部材22の肉厚により大径部26の端面の第一作用面W1の面積が決定され、内筒部材22の肉厚と大径部26と閉塞部材25とにより、第二作用面W2が第一作用面W1よりもガスの作用面積が大となるように設定する。
即ち、内筒部材22の肉厚が薄いと、内筒部材22の外周とシリンダ11の内周との間の間隔が広くなって、大径部26の端面である第一作用面W1の面積が広くなり、その結果、第二作用面W2との面積差が小さくなるが、内筒部材22を所定の肉厚にすることで、第一作用面W1の面積を小さくし、第二作用面W2と第一作用面W1との面積差を大きくすることができ、合理的な構成となる。
また、閉塞部材25は、所定厚さを有する円柱部材38の外周にピストンリング39を装着して形成する。ピストンリング39はその直径を縮小させて嵌合筒部24内に嵌合させ、ピストン12が内筒部材22の先端付近まで移動すると、ピストン12の大径部26の内周に設けた凹部40に嵌合し、ピストン12と共に移動を開始する。
この場合、閉塞部材25は、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過するまで、内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみが移動するが、この状態で、ピストン12のみを移動させる構成は任意であり、例えば、閉塞部材25の移動方向の後部に内筒部材22側に突き出る係合部材27を設け、内筒部材22の先端に係合部材27が係合する係合凹部28を設け、係合部材27と係合凹部28との係合力を、ピストンリング39と凹部40との係合力より弱くすればよい。
即ち、閉塞部材25は、係合部材27を内筒部材22の係合凹部28に係合させているので、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過するまで、内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみを移動させ、大径部26が内筒部材22の先端を通過すると、ピストンリング39が拡張してピストン12の凹部40に嵌合し、閉塞部材25がピストン12により移動する力により係合部材27と係合凹部28との係合が外れて、閉塞部材25はピストン12と共に移動する。
内筒部材22の係合凹部28は係合部材27の係合を容易にするために、内筒部材22の全周に形成している。
理解を容易にするため、内筒部材22の内周と他方側ケーブル13Bとの間に隙間を空けて図示しているが(図2〜図6)、他方側ケーブル13Bは内筒部材22に密に挿入し、ガスが漏れないように構成し、また、内筒部材22の内周にオーリング(符号省略)を設けると、一層、ガス漏れ防止効果が高く、オーリングの劣化も防止できる。
しかして、前記ガスジェネレータ16にカプラ32を接続する。カプラ32に接続したハーネス33は、車体所望位置に設けた衝撃検出装置34に接続し、衝撃検出装置34が衝撃を検知すると、ガスジェネレータ16は多量のガスを発生させ、この多量のガスをピストン12の一方側のシリンダ11内のガス噴出室20に充満させ、このときのガス圧により瞬時にピストン12を移動させてワイヤケーブル13を牽引して作動装置10を作動させる。
ピストン12の大径部26にはオーリング35Aを設ける。また、ピストン12の大径部26には大径部26よりシリンダ側ワイヤ係止部17側に至るに従い次第に小径となる傾斜面37を形成し、傾斜面37とシリンダ11の内周面との間の空間にピストン12の戻り移動を停止させるストッパ用の鋼球36を内蔵させる(図2)。
また、シリンダ11の移動量が左右のケーブルガイド61間に収まるように、シリンダ11の直径および長さとワイヤケーブル13の牽引量とを考慮して設定する(図10)
しかして、図11〜図14は、前記機器Kを座席シート3の移動装置とし、係止部Tを後述する固定フレーム46とし、前記作動装置10を車両用シート1の座部移動用プリテンショナ装置10Aに使用した実施例を示したものである。
座部移動用プリテンショナ装置10Aは、車体所望位置に設けた衝撃検出装置34により衝撃を検知すると、ガスジェネレータ16のガス発生剤により多量のガスを発生させ、この多量のガスにより瞬時にワイヤーケーブル13を牽引して、背凭シート2はそのままにして、シートベルト40とは独立させて座席シート3だけを背凭シート2に対して衝突時に後方移動させて、着座者の拘束性を向上させるものである。
座部移動用プリテンショナ装置10Aの具体的構成は任意であるが、一例を示すと、シートベルト40の左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42の基部を、スライドレール5の左右のアッパーレール35に設けた左右一対の固定フレーム46に取付け、左右の固定フレーム46には前記座席シート3の座席フレーム51を所定範囲で後方移動するように取付ける。
したがって、固定フレーム46を係止部Tとし、前記固定フレーム46には夫々左右一対のワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の基部を係止し、ワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの先端の何れか一方は、座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11内に設けたピストン12に接続し、一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの何れか他方はシリンダ11の端部に接続する。
この場合、ピストン12はガスジェネレータ16を設けた側のシリンダ11内に位置し、一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bが一対の係止部Tの間にシリンダ11を有して一本状態に張設された状態になるようにしている。
座部移動用プリテンショナ装置10Aは、一つのシリンダ11とピストン12によりワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々を牽引して、略同時に座席フレーム51を牽引し、座席シート3を後方移動させる。
前記座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、座席フレーム51の下方にワイヤーケーブル13の牽引方向とシリンダ11の軸芯とが略並行となるように位置させ、かつ、シリンダ11の軸芯方向に移動自在に設置するように構成し、一つのシリンダ11によって、座席シート3を後方移動させる。
この場合、左右の固定フレーム46(係止部T)と座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11およびピストン12に夫々係止したワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの中間位置には、ピストン12とシリンダ11とが左右方向に牽引した一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの移動方向を、座席シート3が後方移動するように、前後方向に変換する前記ケーブルガイド61を設ける(図12,図13)。
座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は所定長さに形成し、左右のケーブルガイド61間にワイヤケーブル13を必要量牽引できるための移動スペースを持って、配置する。
即ち、シリンダ11の移動量が左右のケーブルガイド61間に収まるように、シリンダ11の直径および長さとワイヤケーブル13の牽引量とを考慮して設定する。
また、シリンダ11は、左右のケーブルガイド61間に位置するが、シリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17とケーブルガイド61との間隔hよりも、シリンダ11のガスジェネレータ16とケーブルガイド61との間隔Hが広くなるように、配置構成する。
具体的には、シリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17とケーブルガイド61との間隔hよりも、シリンダ11の端部とケーブルガイド61との間隔Hを広くするように配置構成する。
前記シリンダ11の端部とケーブルガイド61との間に、予め、所定の間隔を設け、シリンダ11とケーブルガイド61の間にワイヤケーブル13を位置させ、ワイヤケーブル13の牽引方向をケーブルガイド61により円滑に変更する。
したがって、左右のケーブルガイド61とシリンダ11とが干渉するのを防止して、ワイヤケーブル13の移動を安定させて、座部移動用プリテンショナ装置10Aの作動の確実性を向上させる。
また、シリンダ11は、左右のケーブルガイド61間の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bにより宙吊り状態に設ける。
したがって、シリンダ11はワイヤケーブル13により支持される。
しかして、前記座席シート3の具体的移動構成は任意であるが、一例を示すと、図1、図11の実施例では、座席フレーム51の左右一対の側部部材55の前後両側部部分に棒状形状の取付部材57を設け、取付部材57を固定フレーム46に設けた取付孔56に夫々係合させる。
また、図12〜図14の実施例では取付孔56を座席フレーム51の左右一対の側部部材55の後側部分に取付孔56を形成し、取付孔56に固定フレーム46に設けた棒状形状の取付部材57を夫々係合させ、座席フレーム51の前側部分は、図12〜図14のように、取付孔56と取付部材57によらずに、アーム58の上部を軸59により回動自在に取付け、アーム58の下部は軸60により固定フレーム46に回動自在に取付けている。そのため、衝突時の座席シート3の後退をさせる場合、座席シート3の前端を上昇させながら後退するようにでき、シートベルト40による着座者の拘束効果のさらなる向上を図ることができ、好適である。
47はベルトリトラクター、62は座席シート3のクッション材、63は表皮部材である。
しかして、前記任意機器Kをシートベルト40の全体の張力を積極的に緊張させるシートベルト緊張装置とし、シートベルト40のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42を係止部Tとし、シートベルト40を緊張させるベルト用プリテンショナ装置10Bを、前記作動装置10により構成し、一層、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させている。
具体的には、左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42の基部(係止部T)には、夫々左右一対のワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の基部を係止し、ワイヤーケーブル46の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの先端はベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11とピストン12に取付ける。
ベルト用プリテンショナ装置10Bは、車体所望位置に設けた衝撃検出装置34により衝撃を検知すると、ガス発生剤により多量のガスを発生させてガス圧により瞬時にワイヤーケーブル13を牽引して、シートベルト40を緊張させ、乗員を車両用シート1に拘束するように構成する。
座部移動用プリテンショナ装置10Aと同様に、ベルト用プリテンショナ装置10Bは一つのシリンダ11(ピストン12)によりワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々を牽引して、略同時に左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42を牽引し、乗員を車両用シート1に拘束する。
また、座部移動用プリテンショナ装置10Aと同様に、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は、該シリンダ11の軸芯が車両用シート1または車体に対してワイヤーケーブル13の牽引方向と並行となるように位置させ、かつ、シリンダ11の軸芯方向にのみ移動自在にシリンダ11を設置する。
即ち、ガスジェネレータ16の多量のガスにより瞬時に移動するピストン12の反力をシリンダ11に作用させて、ピストン12とシリンダ11とを互いに反対方向に移動するように構成する。
それゆえ、一つのシリンダ11(ピストン12)によっても、シリンダ11に接続した一方側ケーブル13Aと、ピストン12に接続した他方側ケーブル13Bとは、略同時に略同量牽引されて、ワイヤーケーブル13は乗員を車両用シート1に拘束する。この略同時および略同量は意識して差を設けないという意味である。
しかして、ベルト用プリテンショナ装置10Bの前記シリンダ11および前記ピストン12と左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42(係止部T)との間の前記ワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の中間部には夫々前記ケーブルガイド(ベルト用ケーブルガイド)61を設ける。
ベルト用ケーブルガイド61は前記ケーブルガイド61と略同一形状に形成し、任意の固定部に固定する。
なお、図示は省略するが、車両用シート1を車体に対して上下させてシート1の高さを調節する高さ調節機構を設けた場合には、アッパーレール35に対して前記固定フレーム46が上下することとなるので、固定フレーム46ではなくアッパーレール35に左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42を取付け、シートベルト40に掛かる荷重をスライドレール5により支持するように、ベルト用ケーブルガイド61および補強フレーム90もアッパーレール35側に取り付けることになる。
しかして、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11も、所定長さに形成し、左右のケーブルガイド61間にワイヤケーブル13を必要量牽引できるための移動スペースを持って、配置する。
即ち、シリンダ11の移動量が左右のケーブルガイド61間に収まるように、シリンダ11の直径および長さとワイヤケーブル13の牽引量とを考慮して設定する。
また、シリンダ11は、左右のケーブルガイド61間に位置するが、シリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17とケーブルガイド61との間隔hよりも、シリンダ11のガスジェネレータ16とケーブルガイド61との間隔Hが広くなるように、配置構成する。
したがって、左右のケーブルガイド61とシリンダ11とが干渉するのを防止して、ワイヤケーブル13の移動を安定させて、ベルト用プリテンショナ装置10Bの作動の確実性を向上させる。
また、シリンダ11は、左右のケーブルガイド61間の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bにより宙吊り状態に設ける。
したがって、シリンダ11はワイヤケーブル13により支持される。
この場合、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11と、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11と前後に並設する(図17〜図18)。
実施例では、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11の前側に位置させる。
即ち、座席シート3が後方移動するとき、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は座席シート3と共に後方移動するが、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は略同じ場所に位置するので、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11を、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11の前側に位置させ、夫々のシリンダ11が牽引するワイヤケーブル13の牽引量を充分に確保して、作動を安定させる。
また、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11よりも上方に位置させ、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11が座席シート3と共に後方移動したベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11に干渉しないように位置させる(図18)。
また、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのケーブルガイド61は、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bのケーブルガイド61が案内する前記ワイヤケーブル13より内側に前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのワイヤケーブル13を位置させて案内するように配置構成する(図17)。
65はシートベルト40の中間部に設けたタングプレート、66はインナーバックルである。
また、シートベルト40は、タングプレート65をインナーバックル66に係合させたとき、ベルトリトラクター47の一端側の着座者の肩付近からタングプレート65までがショルダベルト67となり、タングプレート65からアンカープレート41までがラップベルト68となる。69はスルーアンカー、70はケーブルガイド、71はケーブルガイド70内に設けたローラである。
前記ベルトリトラクター47は、公知の構成であり、通常シートベルト40の引き出しを許容するが、衝撃が掛かると、シートベルト40の引き出しをロックさせる機構を内蔵していればよい。
また、タングプレート65も公知の構成であり、シートベルト40に対して移動自在であるが、通常のシートベルト40の引き出すとき等の場合にはシートベルト40に対して移動しないように構成している。
(実施例の作用)
(作動装置の作用)
例えば、座部移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10B等となる作動装置10は、衝撃検出装置34が衝撃を検知すると、ガスジェネレータ16で多量のガスを発生させ、ピストン12の一方側のシリンダ11内に充満させ、ガス圧により瞬時にピストン12を移動させ、ピストン12の移動の反力がシリンダ11に作用して、ピストン12とシリンダ11とは互いに反対方向に移動する。
作動装置10は係止部Tに夫々係止されているワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bがピストン12とシリンダ11との互いの反対方向への移動により牽引され、着座者を拘束する任意機器Kを作動させて、着座者を拘束する。
この場合、ガスジェネレータ16が供給するガス圧は、供給初期が最も高く、その後は低下するだけであるから、ピストン12のワイヤケーブル13の牽引力はガスの圧力の大きさに比例して低下する。
そこで、本願は、ピストン12をの移動させるガス圧力が、ピストン12の移動途中で上昇してピストン12を移動させるように構成しているので、例えば、着座者を
車両用シートに拘束するシートベルト40では、ガスジェネレータ16の供給初期のガスの圧力でピストン12を移動させ、シートベルト40の弛みを取り、ついで、弛みを取る時間経過により一旦低下したガス圧を上昇させて、ピストン12の牽引力を復帰させ、シートベルト40により着座者を拘束する。
したがって、本来であれば、低下する一方のガスジェネレータ16のガス圧を、途中から上昇させるので、着座者の拘束姿勢を良好にでき、従来の作動装置に比して着座者拘束効果を向上させられる。
即ち、ピストン12の移動開始時ではピストン12の充分な移動速度を確保した上でピストン12を移動させるガス圧をそれほど高くせず、シートベルト40の弛みが取れて安定した着座者姿勢となった状態で、ピストン12の作用するガス圧を上昇させて一気に着座者を拘束する。
そのため、シートベルト40を緊張作動させる場合、大きな駆動力の不要なシートベルト40の弛みを取る作動開始時でも、充分なガス圧でピストン12を移動させて弛みを取り、弛みが取れて着座者に対するシートベルト40の位置が適正になると、
ピストン12の作用するガス圧を上昇させて一気に着座者を拘束できるので、シートベルトの緊張作動の要求と、作動装置10の作動とを一致させることができ、合理的構成となる。
ガスジェネレータ16のガス圧の途中上昇構成は、シリンダ11内のピストン12に作用するガスジェネレータ16のガスが当たる有効断面積となるガス作用面Wを、ピストン12の移動により変化させる構成により達成しているので、ピストン12の移動によりシリンダ11内のガスジェネレータ16のガスが充満する容積は拡大するものの、ピストン12の移動に作用するガス圧はピストン12の移動中間領域の低下したガス圧よりもガスの作用面積の拡大により一旦上昇させることができる。
そのため、、ピストン12の牽引力の低下を抑制し、低下したガス圧を、着座者の拘束に充分なガス圧力まで途中から上昇させるので、着座者の拘束姿勢を良好にでき、従来の作動装置に比して着座者の拘束効果を向上させられる。
ガス作用面Wの有効面積変化構成は、シリンダ側ワイヤ係止部17の反対側のシリンダ11には、シリンダ11より小径の内筒部材22を設け、内筒部材22の外周にピストン12の筒状の嵌合筒部24を摺動自在に嵌合させ、内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とピストン12の大径部26とにより包囲された空間内の大径部26のガスジェネレータ16側の端面を第一作用面W1としているので、大径部26の第一作用面W1にガスジェネレータ16のガス圧が作用してピストン12を移動させる。
内筒部材22の先端より突き出る他方側ケーブル13Bには閉塞部材25を挿通し、閉塞部材25はピストン12の嵌合筒部24内に密に嵌合させ、ガス噴出室20にガスが供給されたときは、内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみが移動するように構成しているので、閉塞部材25の存在はガスジェネレータ16のガス供給直後のピストン12の移動には影響せず、内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とピストン12の大径部26とにより包囲された空間内の大径部26の端面が第一作用面W1となって、第一作用面W1にガスジェネレータ16のガスの圧力が作用してピストン12を移動させ、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過すると、閉塞部材25はピストン12共に移動し、大径部26と閉塞部材25と内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とにより包囲された空間にガスジェネレータ16からのガスが噴射され、大径部26と閉塞部材25の端面が第二作用面W2となって(他方側ケーブル13Bの断面積は除く)ピストン12を移動させる。
したがって、第二作用面W2は第一作用面W1よりも面積が大となるように構成しているので、ガスジェネレータ16が供給するガス圧が、供給初期より低下したピストン12の移動中間領域であっても、ガスの作用面積が第一作用面W1から第二作用面W2に拡大し、ピストン12の移動によりシリンダ11内のガスジェネレータ16のガスが充満する容積は拡大するものの、ピストン12の移動に作用するガス圧はピストン12の移動中間領域の低下したガス圧よりもガスの作用面積の拡大により一旦上昇させられ、ピストン12の牽引力を低下した牽引力よりも一旦上昇させる。
それゆえ、ピストン12の移動途中で、ピストン12のガスの作用面積を第一作用面W1から第二作用面W2に拡大するので、ピストン12の移動途中であっても、ガス圧を上昇させることができ、ピストン12の牽引力の低下を抑制して、着座者の拘束姿勢を良好にでき、従来の作動装置に比して着座者拘束効果を向上させられる。
しかして、内筒部材22は所定長さを有してシリンダ11の軸心方向と平行に設けているので、内筒部材22によりガス噴出室20をシリンダ11の内周と内筒部材22の外周との間に形成でき、シリンダ11の内周と内筒部材22の外周との間の移動方向後側の大径部26の端面を第一作用面W1に形成でき、第一作用面W1をシリンダ11の内径に比し小さく形成できる。
そのため、大径部26と閉塞部材25の端面とを合わせた第二作用面W2(他方側ケーブル13Bの断面積は除く)は、大径部26の端面の第一作用面W1との面積差を大きくでき、ピストン12の移動途中のガス圧を高く上昇させられる。
即ち、シリンダ11内に内筒部材22を設け、内筒部材22の外周に移動方向に長いピストン12の嵌合筒部24を嵌合させているから、シリンダ11の内径と内筒部材22の外径により大径部26の第一作用面W1を設定でき、簡素で合理的な構成にできる。
また、内筒部材22にピストン12の嵌合筒部24を嵌合させているので、ピストン12の大径部26を第一作用面W1とし、大径部26と閉塞部材25の端面とを合わせて第二作用面W2にすることができ、合理的な構成となる。
即ち、内筒部材22の存在によりピストン12のガス作用面Wの面積を、ピストン12の移動に伴って大小に変化させることができ、合理的構成となる。
また、内筒部材22は所定の肉厚を有して形成しているので、内筒部材22の肉厚により大径部26の端面の第一作用面W1の面積を、大径部26と閉塞部材25の端面とを合わせて形成した第二作用面W2より小さく形成でき、この点でも、ピストン12のガス作用面Wの面積を大小に変化させることができ、合理的構成となる。
また、閉塞部材25は、ピストン12の嵌合筒部24の移動方向の後側に位置するので、ガス作用面Wが第一作用面W1から第二作用面W2への移行するときの、ガス噴出室20の容積の拡大を最小限にすることができ、ピストン12の移動途中のガス圧を高く上昇させられる。
閉塞部材25は嵌合筒部24内の他方側ケーブル13Bに挿通しているので、ガスジェネレータ16のガス圧を閉塞部材25に当初作用させない構成を容易に実現できるだけでなく、途中から閉塞部材25を第二作用面W2として作用させることも容易に実現できて、極めて、合理的な構成となる。
また、閉塞部材25の存在により第一作用面W1より第二作用面W2を大きくする構成を容易に実現できる。
閉塞部材25は、所定厚さを有する円柱部材38の外周にピストンリング39を装着して形成し、ピストンリング39はその直径を縮小させて嵌合筒部24に嵌合させ、ピストン12が内筒部材22の先端付近まで移動すると、ピストン12の大径部26の内周に設けた凹部40に嵌合するので、閉塞部材25のピストン12との一体移動を確実にする。
この場合、一例を示すと、閉塞部材25の移動方向の後部に内筒部材22側に突き出る係合部材27を設け、内筒部材22の先端に係合部材27が係合する係合凹部28を設け、係合部材27と係合凹部28との係合力を、ピストンリング39と凹部40との係合力より弱くしているので、閉塞部材25の係合部材27が内筒部材22の係合凹部28に係合し、ピストンリング39が凹部40に係合する前は内筒部材22の先端位置に留まらせているので、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過するまで、閉塞部材25は内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみを移動させ、大径部26が内筒部材22の先端を通過すると、ピストンリング39が拡張してピストン12の凹部40に嵌合し、ピストン12により移動する力により係合部材27と係合凹部28との係合が外れて、閉塞部材25はピストン12と共に移動する。
したがって、内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみを確実に移動させる。
また、作動装置10が作動してピストン12が移動すると、ワイヤケーブル13を引き戻す反対荷重が作用しても、ストッパ用の鋼球36を作動させて、ピストン12の戻りを阻止する。
(座席シートの移動)
車両用シート1に着座した状態の走行中に前方から衝突されて衝撃を受けると、慣性力により着座者を車両用シート1に対して相対的に前方移動させるように作用するが、シートベルト40があるため、着座者は車両用シート1に拘束される。
しかし、シートベルト40により着座者は拘束されるが、衝突時のシートベルト40による拘束効果を向上させるには限界があり、そのため、近年、プリテンショナーにより衝突時にシートベルトを積極的に緊張させて拘束しようとしていたが、従来のシートベルトを緊張させる構成ではシートベルトの左右の何れか一方の片側のみを牽引していることから、拘束力の立ち上がりをさらに早めて拘束効果を向上させるには限界があった。
そこで、前記機器Kを座席シート3の移動装置とし、前記係止部Tを固定フレーム46とし、前記作動装置10を車両用シート1の座部移動用プリテンショナ装置10Aに使用したものであり、座部移動用プリテンショナ装置10Aにより、車両用シート1の背凭シート2は、そのままで、シートベルト40とは独立させて座席シート3のみを固定フレーム46(スライドレール5)に対して衝突を検知すると瞬時に後方移動させ、座席シート3の後方移動により拘束力の立ち上がりを早め、着座者の移動量を減少させて、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させる。
即ち、後方移動する座席シート3の座面が着座者を支持して、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させる。
この場合、車両用シート1のうち座席シート3のみが後退し、背凭シート2は後方移動させないので、車両用シート1の後方空間の占有する容積を最小限にでき、後席乗員に後方移動した車両用シート1が衝突するという二次被害も防止できる。
しかして、座席シート3の座席フレーム51の左右一対の側部部材55の前後両側部部分には、棒状形状の取付部材57を設け、取付部材57は固定フレーム46に設けた前後に長い取付孔56に相対的に移動自在に挿通しているから、座席シート3は、座席フレーム51が固定フレーム46に対して後方移動する。
したがって、座席シート3の後方移動により座席シート3の座面が着座者をより確実に支持して、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させる。
この場合、座席フレーム51の前側部分は、アーム58により上下自在に取付けているから、衝突時の座席シート3が後退するとき、座席シート3の前端を上昇させながら後退させるようにでき、着座者の臀部の下方の座席シート3の座面が高くなって、一層、シートベルト40による着座者の拘束効果のさらなる向上を図ることができ、好適である。
しかして、スライドレール5側に固定した固定フレーム46(係止部T)に、左右一対のワイヤケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の端部を係止し、ワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの何れか一方の先端は、座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11内に設けたピストン12側に、一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの何れか他方の先端はシリンダ11側に夫々接続しているから、車体所望位置に設けた衝撃検出装置34により衝撃を検知すると、座部移動用プリテンショナ装置10Aは、ワイヤケーブル13を牽引して、座席フレーム51を牽引して、座席シート3を後方移動させる。
しかして、座部移動用プリテンショナ装置10Aは、車両用シート1に対してワイヤーケーブル13の牽引方向とシリンダ11の軸芯が並行となるように位置させ、かつ、シリンダ11の軸芯方向にのみ移動自在にシリンダ11を設置しているから、ガスジェネレータ16の多量のガスにより瞬時に移動するピストン12の反力が移動自在のシリンダ11に作用し、ピストン12とシリンダ11とが互いに反対に夫々移動する。
したがって、ピストン12に取り付けた一方側ケーブル13Aと、シリンダ11に接続した他方側ケーブル13Bとは、略同時に略同量牽引されて、座席フレーム51を後方移動させることができ、着座者拘束機構の構成部品点数を少なくして、安価に提供できる。
しかして、座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は座席フレーム51の前側下面に取付け、座席フレーム51の左右両側中間部分にケーブルガイド61を設け、各ケーブルガイド61から一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々を固定フレーム46の後部方向側に方向変換させて位置させ、固定フレーム46(係止部T)の後部に係止しているから、一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの互いの相対的短縮方向への移動の際の車両用シート1の他の構成品との接触を防止して、良好かつ確実にでき、座席シート3の後方移動によって着座者の移動量を減少させ、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させる。
また、座部移動用プリテンショナ装置10Aは、ひとつのシリンダ11を座席シート3の座席フレーム51の前側下面下方に配置し、シリンダ11の軸芯方向が左右方向となるように配置して構成しているから、この車両用シート1の後方の車両用シート1に着座した着座者の脚入れ性を犠牲にせず、着座者拘束機構を設置でき、他方では、座部移動用プリテンショナ装置10Aの作動を良好かつ確実にできる。
また、座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、左右のベルト用ケーブルガイド61の間に、前記ワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bにより宙吊り状態に設け、シリンダ11をワイヤケーブル13により支持するように構成しているから、シリンダ11はワイヤケーブル13により支持され、特別に専用の取付部材を用意しなくて済み、シリンダ11の取付作業を容易にする。
しかして、座部移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は左右のケーブルガイド61間にワイヤケーブル13を必要量牽引できるための移動スペースを持って、配置しているから、ガスジェネレータ16の作用でシリンダ11自体が移動しても、シリンダ11がケーブルガイド61と接触するのを防止し、作動を確実にする。
また、シリンダ11は、左右のケーブルガイド61間に位置するが、シリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17とケーブルガイド61との間隔hよりも、シリンダ11のガスジェネレータ16とケーブルガイド61との間隔Hが広くなるように配置構成しているから、左右のケーブルガイド61とシリンダ11とが干渉するのを防止して、ワイヤケーブル13の移動を安定させて、座部移動用プリテンショナ装置10Aの作動の確実性を向上させる。
(シートベルトの作動)
前記任意機器Kを、シートベルト40の全体の張力を緊張させるシートベルト緊張装置とし、係止部Tをアンカープレート41およびインナーラップアンカー42とし、シートベルト40を緊張させるベルト用プリテンショナ装置10Bを、前記作動装置10により構成し、一層、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させたものであり、シートベルト40は、ベルト用プリテンショナ装置10Bにより左右のアンカープレート41またはインナーラップアンカー42の両方を牽引して、シートベルト40の全体の張力を積極的に緊張させるように構成し、ベルト用プリテンショナ装置10Bは、車体所望位置に設けた衝撃検出装置により衝撃を検知すると、ガス発生剤によるガスのガス圧で瞬時にワイヤーケーブル13を牽引して、シートベルト40を緊張させ、乗員を車両用シート1に拘束する。
ワイヤーケーブル13の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの何れか一方は、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11内に設けたピストン12に取付けたワイヤ係止部23に接続し、一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの何れか他方はシリンダ11の端部に接続しているから、ベルト用プリテンショナ装置10Bのひとつのシリンダ11により、略同時に左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42を牽引し、乗員を車両用シート1に拘束する。
即ち、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は、該シリンダ11の軸芯が車両用シート1または車体に対してワイヤーケーブル13の牽引方向と並行となるように位置させ、かつ、シリンダ11の軸芯方向にのみ移動自在にシリンダ11を設置させているから、ガスジェネレータ16の多量のガスにより瞬時に移動するピストン12の反力がシリンダ11に作用して、ピストン12とシリンダ11とは互いに反対方向に移動する。
そのため、一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bのそれぞれは、略同時に左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42を牽引し、乗員を車両用シート1に拘束する。
この場合、ベルト用プリテンショナ装置10Bは、座席フレーム51の前側下方に設け、座席フレーム51の下方の左右両側部分にケーブルガイド61を設け、各ケーブルガイド61から一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々を固定フレーム46の側方に方向変換させて位置させ、夫々アンカープレート41およびインナーラップアンカー42(係止部T)に係止しているから、一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの互いの相対的短縮方向への移動の際の車両用シート1の他の構成品との接触を防止して、良好かつ確実にでき、シートベルト40の緊張を迅速にして、着座者の車両用シート1への拘束効果を向上させる。
また、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は前記座席シート3の左右幅より短い長さに形成し、前記ケーブルガイド61は前記シリンダ11の左右両側の座席シート3の下方に設けているから、ベルト用プリテンショナ装置10Bを小型に構成でき、設置スペースを小さくできる。
また、ベルト用プリテンショナ装置10Bの前記シリンダ11も、左右のベルト用ケーブルガイド61の間に、前記ワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bにより宙吊り状態に設け、シリンダ11をワイヤケーブル13により支持するように構成しているから、シリンダ11はワイヤケーブル13により支持され、特別に専用の取付部材を用意しなくて済み、シリンダ11の取付作業を容易にする。
また、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11と、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11と前後に並設しているので、座席移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10Bの両者を、車両用シートに併存させて装着することができる。
この場合、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11の前側に位置させているから、夫々のシリンダ11が牽引するワイヤケーブル13の牽引量を充分に確保でき、作動を安定させて、好適である。
また、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11よりも上方に位置させているから、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11が座席シート3と共に後方移動するとき、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11に干渉しない。
また、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのケーブルガイド61は、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bのケーブルガイド61が案内する前記ワイヤケーブル13より内側に前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのワイヤケーブル13を位置させて案内するように配置構成しているから、座席移動用プリテンショナ装置10Aおよびベルト用プリテンショナ装置10Bの両者が牽引するワイヤケーブル13の夫々が干渉せず、作動を確実にする。
また、左右の固定フレーム46は座席フレーム51の外側に位置するので、固定フレーム46の内側を座席シート3が移動する座席移動用プリテンショナ装置10Aのワイヤケーブル13は固定フレーム46の内側に位置し、左右の固定フレーム46の外側に位置する前記アンカープレート41およびインナーラップアンカー42を牽引するベルト用プリテンショナ装置10Bのワイヤケーブル13は固定フレーム46の外側に位置して、作動を安定させると共に、作動スペースを有効利用でき、全体が合理的構成となる。
しかして、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は左右のケーブルガイド61間にワイヤケーブル13を必要量牽引できるための移動スペースを持って、配置しているから、ガスジェネレータ16の作用でシリンダ11自体が移動しても、ケーブルガイド61と接触するのを防止し、作動を確実にする。
また、ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11は、左右のケーブルガイド61間に位置するが、シリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17とケーブルガイド61との間隔hよりも、シリンダ11のガスジェネレータ16とケーブルガイド61との間隔Hが広くなるように配置構成しているから、左右のケーブルガイド61とシリンダ11とが干渉するのを防止して、ワイヤケーブル13の移動を安定させて、作動装置10の作動の確実性を向上させる。
なお、図15,図16では筒状のケーブルガイド70を設け、ケーブルガイド70内にケーブル13の牽引方向を変換させるローラ71を設けているが、一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の牽引方向を変更する構成は任意であり、実施例に限定されない。
また、図15,図16において、理解を容易にするため、左右のアンカープレート41およびインナーラップアンカー42が自立するように図示されているが、この構成は任意であり、実施例に限定されない。
また、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
車両シートおよびシートベルトの斜視図。 プリテンショナ装置の一例の断面図。 ピストン部分の断面図。 ピストンの移動状態断面図。 ピストンが内筒部材先端まで移動した断面図。 ピストンが閉塞部材と共に移動する断面図。 内筒部材と閉塞部材との取付状態概略斜視図。 同断面図。 ピストンの駆動力とストロークの関係概略図。 プリテンショナ装置とケーブルガイドの配置の一例を示す概略図。 座席フレームの斜視図。 座部移動用プリテンショナ装置および座席フレームの斜視図。 座部移動用プリテンショナ装置および座席フレームの斜視図。 座席フレームの後方移動状態の他の実施例の側面図。 ベルト用プリテンショナ装置の一例の斜視図。 ベルト用のプリテンショナ装置のケーブルガイド付近の斜視図。 座部移動用プリテンショナ装置およびベルト用のプリテンショナ装置のシリンダとケーブルガイドの概略平面図。 座部移動用プリテンショナ装置およびベルト用のプリテンショナ装置のシリンダの概略側面図。
符号の説明
1…車両用シート、2…背凭シート、3…座席シート、4…ヘッドレスト、5…スライドレール、10…作動装置(プリテンショナ装置)、10A…座部移動用プリテンショナ装置、10B…ベルト用プリテンショナ装置、11…シリンダ、12…ピストン、13…ワイヤーケーブル、16…ガスジェネレータ、17…シリンダ側ワイヤ係止部、20…ガス噴出室、22…筒部材、23…ワイヤ係止部、24…嵌合筒部、25…閉塞部材、26…大径部 、27…係合部材、28…係合凹部、32…カプラ 、33…ハーネス 、38…円柱部材、39…ピストンリング、40…凹部、40…シートベルト、41…アンカープレート、42…インナーラップアンカー、46…固定フレーム、47…ベルトリトラクター、51…座席フレーム、53…ガイド取付部材、55…側部部材、56…取付孔、57…取付部材、58…アーム、59…軸、60…軸、61…ケーブルガイド、62…クッション材、63…表皮、65…タングプレート、66…インナーバックル、90…補強フレーム、K…任意機器、T…係止部。

Claims (7)

  1. 作動装置10により作動して着座者を車両用シート1に拘束する任意機器Kを設け、前記作動装置10は、ガスジェネレータ16で発生する高圧ガスのガス圧によってシリンダ11内のピストン12を移動させ、該ピストン12の移動による反力でシリンダ11を移動させて、もって、前記シリンダ11と前記ピストン12とが互いに反力により夫々反対方向に移動し、該シリンダ11と前記ピストン12の移動を一対のワイヤーケーブル13により前記任意機器Kに伝動して着座者を拘束するように構成し、前記ガスジェネレータ16のピストン12を移動させるガス圧力は、前記ピストン12の移動途中で上昇させるように構成し、前記ガスジェネレータ16のガス圧の前記ピストン12の移動途中での上昇させる構成は、シリンダ11内のピストン12に作用するガスジェネレータ16のガスが当たる有効断面積となるガス作用面の面積を、ピストン12の移動開始時より移動途中の面積が大となるように構成し、前記ガスジェネレータ16を設けた側のシリンダ11内に該シリンダ11より小径で該シリンダ11と軸心が平行の内筒部材22を設け、該内筒部材22にワイヤーケーブル13の他方側ケーブル13Bを挿通し、他方側ケーブル13B端部はピストン12に係止し、該ピストン12の筒状で先端が閉塞された嵌合筒部24を前記内筒部材22の外周に摺動自在に嵌合させ、前記内筒部材22の外周とシリンダ11の内周とピストン12の大径部26とにより包囲されたガス噴出室20内に臨む前記ピストン12の大径部26のガスジェネレータ16側の端面を前記ガス作用面となる第一作用面W1とし、前記内筒部材22の先端より突き出る他方側ケーブル13Bには閉塞部材25を挿通し、該閉塞部材25はピストン12の嵌合筒部24内に密に嵌合させ、ピストン12が第一作用面W1により移動する状態で閉塞部材25は内筒部材22の先端位置に留まってピストン12のみが移動するように構成し、前記第一作用面W1へのガス圧によりピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過すると、閉塞部材25はピストン12共に移動し、前記閉塞部材25と大径部26の移動方向後側の夫々の端面を合わせて前記ガス作用面となる第二作用面W2に構成し、前記第一作用面W1よりも第二作用面W2の面積を大に構成した車両用シート。
  2. 請求項において、前記閉塞部材25は、所定長さを有する円柱部材38の外周にピストンリング39を装着して形成し、前記ピストンリング39は前記嵌合筒部24内に嵌合させ、ピストン12の大径部26が内筒部材22の先端を通過するとピストン12の大径部26の内周に設けた凹部40に前記ピストンリング39が係合する構成とした車両用シート。
  3. 請求項1または請求項2において、前記ワイヤケーブル13の一対の一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの夫々の一端はシリンダ11のシリンダ側ワイヤ係止部17および前記ピストン12に夫々接続し、該一方側ケーブル13Aと他方側ケーブル13Bの他端部は任意の係止部Tに夫々接続し、前記シリンダ11と前記係止部Tとは、シリンダ11の軸心方向を左右方向とし、前記係止部Tは前記シリンダ11の軸心方向に対して交差方向に前記ワイヤケーブル13が牽引されるように夫々配置した車両用シート。
  4. 請求項1または請求項2または請求項3において、前記車両用シートの任意機器Kは車両用シート1の座席シート3の移動装置とし、前記作動装置10は前記座席シート3を後方移動させる座席移動用プリテンショナ装置10Aとし、該座席移動用プリテンショナ装置10Aは、車体が所定以上の加速を受けると、前記シリンダ11および前記ピストン12の移動を前記ワイヤケーブル13により前記座席シート3に伝達して車体側に取付けた固定フレーム46に対して前記座席シート3が後方移動するように構成した車両用シート。
  5. 請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記車両用シートの任意機器Kは、車両用シート1の着座者を拘束するシートベルト40とし、前記作動装置10は前記シートベルト40を緊張させるベルト用プリテンショナ装置10Bとし、該ベルト用プリテンショナ装置10Bは、所定以上の加速度を受けると、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bの前記シリンダ11および前記ピストン12の移動を前記ワイヤケーブル13により前記シートベルト40に伝達して乗員を拘束させる方向にシートベルト40が移動するように構成した車両用シート。
  6. 請求項において、前記車両用シートの任意機器Kとして車両用シート1の座席シート3の移動装置およびシートベルト40を併存させ、前記作動装置10として前記座席シート3を後方移動させる座席移動用プリテンショナ装置10Aとベルト用プリテンショナ装置10Bとを設け、前記座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11は、前記ベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11よりも上方に位置させ、座席移動用プリテンショナ装置10Aのシリンダ11が座席シート3と共に後方移動したベルト用プリテンショナ装置10Bのシリンダ11に干渉しないように配置構成した車両用シート。
  7. ガスジェネレータ16で発生する高圧ガスを、シリンダ11内に設けた内筒部材22の外周と該内筒部材22の外周に嵌合するピストン12の嵌合筒部24の基部の大径部26とに包囲された空間に噴射し、シリンダ11内に噴射されたガスはピストン12の大径部26の端面となる第一作用面W1に当たってピストン12を前記内筒部材22の先端まで移動させ、ピストン12が内筒部材22の先端まで移動するまで他方側ケーブル13Bに挿通した閉塞部材25は内筒部材22の先端位置に留まらせ、ピストン12が内筒部材22の先端まで移動すると、内筒部材22の先端より先側のピストン12の移動するシリンダ11の空間内の前記大径部26と前記閉塞部材25により構成される第二作用面W2に、ガスジェネレータ16から噴射したガスの圧力を当て、閉塞部材25とピストン12とを共に移動させ、このピストン12の移動による反力でシリンダ11とピストン12とを互いに夫々反対方向に移動させ、このシリンダ11とピストン12の夫々の移動を一対のワイヤーケーブル13により伝動して着座者を拘束する任意機器Kを作動させる車両用シートの着座者を拘束する作動方法。
JP2008335775A 2008-12-29 2008-12-29 車両用シートおよび車両用シートの着座者を拘束する作動方法 Expired - Fee Related JP5366296B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008335775A JP5366296B2 (ja) 2008-12-29 2008-12-29 車両用シートおよび車両用シートの着座者を拘束する作動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008335775A JP5366296B2 (ja) 2008-12-29 2008-12-29 車両用シートおよび車両用シートの着座者を拘束する作動方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010155580A JP2010155580A (ja) 2010-07-15
JP2010155580A5 JP2010155580A5 (ja) 2013-06-06
JP5366296B2 true JP5366296B2 (ja) 2013-12-11

Family

ID=42573814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008335775A Expired - Fee Related JP5366296B2 (ja) 2008-12-29 2008-12-29 車両用シートおよび車両用シートの着座者を拘束する作動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5366296B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002264764A (ja) * 2000-10-31 2002-09-18 Automotive Systems Lab Inc ソフトスタートピストンアクチュエータ
JP5182843B2 (ja) * 2007-02-15 2013-04-17 テイ・エス テック株式会社 車両用シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010155580A (ja) 2010-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5182843B2 (ja) 車両用シート
JP4621281B2 (ja) シートベルトプリテンショナー
JP4290701B2 (ja) 車両用シート
JP5473322B2 (ja) 車両用シート
JP5201657B2 (ja) 車両用シート
JP2010195181A (ja) 車両用シート
JP5294444B2 (ja) 車両用シート
KR101326489B1 (ko) 자동차의 시트벨트용 앵커 프리텐셔너
JP2019064548A (ja) 車両用シートベルト装置
US11904790B2 (en) In-seat airbag device
JP4290702B2 (ja) 車両用シート
JP4290703B2 (ja) 車両用シート
JP5105582B2 (ja) 車両用シート
JP5366296B2 (ja) 車両用シートおよび車両用シートの着座者を拘束する作動方法
JP2010058744A (ja) 車両用乗員拘束装置
JP5311815B2 (ja) 車両用シート
JP5170632B2 (ja) 車両用シートおよび車両用シートの組立方法
JP5420264B2 (ja) 車両用シート
EP1783011A2 (en) Pretensioner
JP5170631B2 (ja) 車両用シート
JP5311814B2 (ja) 車両用シートおよび車両用シートの組立方法
JP5111992B2 (ja) 車両用シートの作動装置
JP6512697B2 (ja) 乗員保護装置
JP2010155581A (ja) 車両用シート
JP2005239051A (ja) シートベルト装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130418

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130619

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130909

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees