JP5361285B2 - 駆動伝達装置及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遊星歯車機構を利用する駆動伝達装置に関する。また、本発明は、駆動伝達装置を用いて、被記録材にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
従来から記録装置等では、記録装置内へ被記録材である用紙を給紙するための給紙機構、給紙された用紙を搬送するための搬送機構、搬送された用紙に記録するための記録機構、記録された用紙を記録装置の外へ排出するための排紙機構を備えている。また、記録装置は、上述した各機構を動作させるための駆動源、駆動伝達機構等を備えている。
このような記録装置のうち、インクジェット記録装置は、記録機構として記録ヘッドを備えており、用紙にインクを吐出して記録を行う。さらに、インクジェット記録装置は、記録ヘッドの正常なインク吐出状態を維持するためや、インク吐出口に目詰まりが生じた場合に正常なインク吐出状態に回復させるために吸引ポンプ等を有するヘッド回復機構を備えていることが多い。
以上のように記録装置内には複数の異なる機構が搭載されており、それら各機構を必要なときだけ駆動させるためにモータ等の駆動源が設けられている。また、このような記録装置は、1つの駆動源の駆動力を複数の機構へ選択的に振り分けて伝達するために、駆動伝達切替機構を備えていることが多い。この駆動伝達切替機構としては、遊星歯車機構を用いた構成が知られている。遊星歯車機構を用いることで、駆動源の数や駆動にかかわる部品数を削減することが可能になり、インクジェット記録装置の製造コストの低減、小型化、機構の簡略化による信頼性の向上等を図ることが可能になっている。
特許2628686号 特開2002−310260号公報 特許2855580号
例えば2つの駆動伝達先がある場合には、遊星歯車機構を利用することで、回転駆動の正転時と逆転時とで駆動伝達先をそれぞれ選択する構成が知られている(特許文献1参照)。しかし、この構成では、駆動伝達先の数を2つよりも多くすることができない。また、この構成では、1つの駆動伝達先に対して、片方向の回転駆動力を伝達することができるが、正転方向と逆転方向の両方向の回転駆動力を1つの駆動伝達先へ伝えることができない。
また、遊星歯車機構を利用して正転方向に回転駆動することで遊星歯車の公転を行い、逆転方向に回転駆動することで駆動伝達先への駆動伝達を行うことで、駆動伝達先の数を2つよりも多くすることを可能としている構成が知られている(特許文献2参照)。しかし、この構成でも、1つの駆動伝達先へは片方向の回転駆動力しか伝達することができない。
また、ソレノイド等の駆動源を駆動伝達切替機構のためだけに別途に設けられる構成が開示されている(特許文献3参照)。この構成によって、遊星歯車の公転が自由な状態と、公転が規制される状態とを切り替えることで、2つよりも多くの駆動伝達先へ正転方向と逆転方向の両方の駆動力を伝達することが可能にされている。しかし、この構成では、駆動伝達切替機構専用の駆動源が必要であるとともに、遊星歯車の公転位置を検出するために更にセンサ等の検出装置が必要である。
また、駆動伝達先の数が増えた場合には、遊星歯車の公転位置を初期化するときに、遊星歯車を公転させる角度が大きくなってしまうために、遊星歯車の公転移動に時間を要し、駆動伝達切替動作にかかる時間が長くなってしまう不都合があった。
また、駆動伝達切替機構において、遊星歯車を公転中心の軸方向に移動させることによって、公転規制状態と公転自由状態とを切り替える公転状態切替機構を利用した構成がある。
この構成について、図14、図15及び図17を参照して説明する。図14は駆動伝達切替機構の公転自由状態を示す側面図、図15は駆動伝達切替機構において遊星歯車が太陽歯車に乗り上げた状態を示す側面図、図17は駆動伝達切替機構の公転規制状態を示す図である。
このような駆動伝達切替機構2では、キャリッジ73が、駆動伝達切替機構2を公転自由状態にする第1位置73aから、公転規制状態にする第2位置73cに移動される。このときに、遊星歯車22は、太陽歯車21及び駆動入力歯車30に対して軸方向にスライド移動しながら各歯車に噛み合おうとする。これら3つの歯車の歯側面には、それぞれ斜面形状が設けられており、各歯の側面同士が干渉して乗り上げてしまうことを防いでいる。
続いて、図18及び図19を参照して説明する。図18は遊星歯車22が太陽歯車21に乗り上げた状態を示す模式図、図19は遊星歯車22の太陽歯車21に乗り上げた状態が解消された状態を示す模式図である。遊星歯車22は、公転自由状態から公転規制状態へ移るときに、太陽歯車21及び駆動入力歯車30へ向かって公転中心の軸方向にスライド移動していく。遊星歯車22が公転中心の軸方向に対してスライド移動するのに伴って、遊星歯車22の歯側面と、太陽歯車21及び駆動入力歯車30の歯側面とがそれぞれ当接する。図19に示すように、これら各歯車の歯と歯が噛み合う位相にある場合、各歯車の各歯側面が当接した後、そのまま遊星歯車22は太陽歯車21及び駆動入力歯車30にそれぞれ噛み合う。一方、例えば図18に示すように、遊星歯車22の歯と太陽歯車21の歯とが干渉する位相にある場合には、太陽歯車21は逆転方向に微小角度だけ回転しようとし、また遊星歯車22は正転方向に微小角度だけ回転しようとする。これは、太陽歯車21及び遊星歯車22の歯側面には斜面形状が設けられており、遊星歯車22の軸方向のスライド移動に伴う歯と歯の干渉が、歯側面の斜面によって回転動作に変換されるためである。そして、図19に示すように、遊星歯車22の歯と太陽歯車21の歯との干渉が解消される位相になったときに、各歯車の歯が噛み合うようになる。遊星歯車22と駆動入力歯車30とが噛み合う場合についても同様である。
このとき、駆動伝達切替機構2全体におけるバックラッシがある程度大きい場合には、遊星歯車22がそのバックラッシ分だけ回転することができる。このため、遊星歯車22は、軸方向にスライド移動しながらそのバックラッシを利用することで、歯と歯の干渉を解消して、太陽歯車21と噛み合うことができる。このとき、駆動源及び各機構を回転駆動させることなく、遊星歯車22は太陽歯車21や駆動入力歯車30とそれぞれ噛み合うことができる。
一方、駆動伝達切替機構2全体におけるバックラッシが比較的小さい場合、遊星歯車22の回転方向の遊び、いわゆる回転ガタが小さくなり、図18に示すように、遊星歯車22は、太陽歯車21又は駆動入力歯車30に乗り上げた状態のままになることがある。このとき、遊星歯車22は、クラッチケースバネ28等による付勢力によって太陽歯車21と駆動入力歯車30へ向かって押し付けられており、その付勢力を遊星歯車22の歯側面の斜面と、相手の歯車の歯側面の斜面とで受けている状態である。この状態のままで各機構を駆動させるために駆動源を回転駆動させることで、図18に示す状態の場合、正転方向であれば歯と歯の干渉が解消されて遊星歯車22が噛み合い、そのまま各機構への駆動伝達が可能になる。
このとき、クラッチケースバネ28等の付勢力によって遊星歯車22は公転中心の軸方向に対して一気に弾かれる。そして、遊星歯車22は、公転規制状態における軸方向の位置を位置決めするための突き当て部に衝突する。この突き当て部としては、例えば、太陽歯車21と遊星歯車22との突き当て部、又は太陽歯車21と遊星アーム23との突き当て部等の組み合わせがある。そして、これら太陽歯車21、遊星歯車22、遊星アーム23等は比較的硬い材料である樹脂材や金属材からなる場合が多いので、硬い材質同士が衝突することで衝突音が発生する。この衝突音は使用者にとっては不快に思うことがあった。このため、衝突音の発生を防ぐために弾性体等の緩衝材を衝突する位置に配置する等の対策によって衝突音を解消することが可能である。しかしながら、このような対策は、装置の製造コストの増加を招き、遊星歯車22の公転中心の軸方向に対する位置決め精度の低下にもつながるおそれがあった。
つまり、駆動列のバックラッシをある程度大きくした場合には、遊星歯車22が他の歯車に乗り上げるのを防ぎ、衝突音の発生を防ぐことが可能であるが、駆動列の回転ガタが大きくなるので駆動制御の精度が低下するおそれがある。一方で、駆動列のバックラッシを小さくした場合には、駆動制御の精度を向上することが可能であるが、遊星歯車22が他の歯車に乗り上げ易くなり、衝突音が発生することが増えてしまう問題がある。
そこで、本発明は、上述した課題を踏まえ、駆動伝達切替機構による切替動作の高速化と切替動作の信頼性の向上を図ることができる駆動伝達装置及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の駆動伝達装置は、回転力を発生する駆動源と、駆動源の回転力を複数の駆動伝達先に伝達するための複数の入力歯車と、駆動源からの回転力が伝達される太陽歯車と、を備える。また、駆動伝達装置は、遊星歯車と、遊星歯車を太陽歯車に対して公転可能に支持する遊星アームとを有し、遊星歯車を複数の入力歯車のいずれかに噛み合わせることによって駆動源の回転力を複数の駆動伝達先のいずれかに選択的に伝達する遊星歯車機構を備える。また、駆動伝達装置は、太陽歯車に伝達された回転力を遊星アームに伝達する状態と伝達しない状態に切り替えるクラッチ機構と遊星歯車の公転位置を初期化するためにクラッチ機構によって伝達された回転力によって遊星アームが突き当てられる第1及び第2の突き当て部と、を備える。そして、駆動伝達装置は、遊星アームを回転させて、遊星歯車を選択された入力歯車に噛み合わせる際に、第1及び第2の突き当て部のうちの選択された入力歯車に近い位置にある突き当て部に遊星アームを突き当てて公転位置を初期化してから、遊星歯車が選択された入力歯車に噛み合う位置に移動するように遊星アームを回転させることを特徴とする。
また、本発明に係る他の駆動伝達装置は、回転力を発生する駆動源と、駆動源の回転力を複数の駆動伝達先に伝達するための複数の入力歯車と、駆動源からの回転力が伝達される太陽歯車と、を備える。また、駆動伝達装置は、遊星歯車と、遊星歯車を太陽歯車に対して公転可能に支持する遊星アームとを有し、遊星歯車を複数の入力歯車のいずれかに噛み合わせることによって駆動源の回転力を複数の駆動伝達先のいずれかに選択的に伝達する遊星歯車機構を備える。また、駆動伝達装置は、太陽歯車に伝達された回転力を遊星アームに伝達する状態と伝達しない状態に切り替えるクラッチ機構と、を備え、遊星アームが、太陽歯車の回転軸方向に関し、第1位置と、第2位置と、第1位置と第2位置との間に位置する第3位置とに移動可能である。そして、遊星アームが第1位置にあるときクラッチ機構は回転力を伝達し、遊星歯車は太陽歯車及び入力歯車から離間する。遊星アームが第2位置にあるとき、クラッチ機構は回転力を伝達せず、遊星歯車は太陽歯車及び入力歯車に噛み合う。遊星アームが第3位置にあるとき、クラッチ機構は回転力を伝達せず、遊星歯車は太陽歯車及び入力歯車に噛み合うことを特徴とする。
また、本発明に係る他の駆動伝達装置は、回転力を発生する駆動源と、駆動源の回転力を複数の駆動伝達先に伝達するための複数の入力歯車と、駆動源からの回転力が伝達される太陽歯車と、を備える。また、駆動伝達装置は、遊星歯車と、遊星歯車を太陽歯車に対して公転可能に支持する遊星アームとを有し、遊星歯車を複数の入力歯車のいずれかに噛み合わせることによって駆動源の回転力を複数の駆動伝達先のいずれかに選択的に伝達する遊星歯車機構を備える。また、駆動伝達装置は、太陽歯車に伝達された回転力を遊星アームに伝達する状態と伝達しない状態に切り替えるクラッチ機構と、遊星歯車の公転位置を初期化するためにクラッチ機構によって伝達された回転力によって遊星アームが突き当てられる第1及び第2の突き当て部と、を備える。そして、駆動伝達装置は、遊星アームの公転位置を初期化してから遊星アームを遊星歯車が選択された入力歯車に噛み合う位置に移動するように回転させる際に、第1及び第2の突き当て部のうち、遊星アームの公転位置の初期化のためおよび該初期化後に遊星歯車を選択された入力歯車に噛み合う位置に移動させるための遊星アームの回転量が少ないほうの突き当て部に遊星アームを突き当て公転位置の初期化を行うことを特徴とする。
本発明によれば、遊星歯車の公転位置を初期化するために第1及び第2の突き当て部が設けられたことで、駆動力を伝達する駆動入力歯車の位置に応じて、2つの突き当て部のどちらに遊星アームを突き当てて公転位置を初期化するかを選択することができる。これによって、駆動伝達切替動作の高速化と信頼性の向上を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明に係る駆動伝達装置が搭載された第1の実施形態のインクジェット記録装置を一例として説明する。
まず、インクジェット記録装置1の概略構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1はインクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図、図2はインクジェット記録装置の概略構成を示す断面図である。
給紙機構4の給紙口41には、被記録材としての用紙42が積載されて保持されている。また、用紙42は、給紙口41の下部に設けられた圧板43上に積載されている。圧板43の対向側には給紙ローラ44が配置されており、圧板43は、図示しない圧板バネによって給紙ローラ44に向けて付勢されている。また、分離ローラ45も図示しない分離ローラばねによって給紙ローラ44へ付勢されている。分離ローラ45の搬送方向下流側の紙パスは、後述するカセット搬送紙パス64に合流し、後述する記録機構7につながっている。
記録機構7において、記録ヘッド71はキャリッジ73に搭載されており、記録ヘッド71の下面には図示しないインク吐出口がある。インク吐出口の対向側には一定のクリアランスをあけてプラテン77が配置されている。プラテン77の用紙42の搬送方向の上流側にはLFローラ78が配置されており、LFローラ78には図示しないバネによってLFピンチローラ79が付勢されている。また、プラテン77の搬送方向の下流側には排紙ローラ81が配置されており、排紙ローラ81には図示しないバネによって拍車82が付勢されている。そして、排紙ローラ81のさらに搬送方向の下流には排紙トレイ83が配置されている。
キャリッジ73には記録ヘッド71とともにインクタンク72も搭載されており、インクタンク72から記録ヘッド71へインクが供給されている。また、キャリッジモータ75による駆動力は、タイミングベルトであるキャリッジベルト76を介して記録ヘッド71に伝達されている。これにより、キャリッジ73は、キャリッジレール74に沿って主走査方向(用紙42の搬送方向と垂直に交差する方向)に往復移動される。
また、用紙42に記録するための主走査の範囲の外側には、ヘッド回復機構9が配置されており、ヘッド回復機構9にはプラテン77に並んでキャップ91が配置されている。吸引ポンプ92は図示しないチューブによってキャップ91と接続されている。また、キャップ91の近傍にはワイパー93が配置されている。
本実施形態では、給紙口41とは別に更に給紙口が設けているインクジェット記録装置を一例にして説明する。インクジェット記録装置1の底部にはカセット給紙機構5が配置されている。カセット給紙機構5は、カセット51、カセット給紙ローラ52、カセット分離部53等を有して構成されている。用紙42はカセット51に積載され、用紙42の搬送方向の前端付近にはカセット分離部53及びカセット給紙ローラ52が配置されており、搬送方向の下流側にはカセット搬送機構6が配置されている。カセット搬送機構6のカセット搬送紙パス64には、カセット搬送ローラ61が設けられており、カセット搬送ピンチローラ62が図示しないカセット搬送ピンチローラばねによってカセット搬送ローラ61へ付勢されている。そして、カセット搬送紙パス64は、カセット分離部53と記録機構7との間を用紙42が搬送されるように弧を描くようにつながっている。また、カセット給紙機構6の側面付近にはカセット搬送モータ63が設けられており、カセット搬送モータ63の回転駆動が、図示しない駆動列によってカセット搬送ローラ61へ駆動伝達されている。
次に、図3から図9、及び図14と図17を参照して駆動伝達切替機構2の構成について説明する。図3は駆動伝達切替機構の概略構成を示す斜視図、図4は駆動伝達切替機構のニュートラルポジションを示す斜視図、図5は駆動伝達切替機構の給紙ポジションを示す斜視図である。図6は駆動伝達切替機構のヘッド回復ポジションを示す斜視図、図7は駆動伝達切替機構のカセット給紙ポジションを示す斜視図である。図8は、駆動伝達切替機構において第1の公転突き当てリブに遊星アームが突き当てられた状態を示す斜視図である。図9は、駆動伝達切替機構において第2の公転突き当てリブに遊星アームが突き当てられた状態を示す斜視図である。図14は駆動伝達切替機構の公転自由状態を示す図、図17は駆動伝達切替機構の公転規制状態を示す図である。
図3及び図4において太陽歯車21には図示しない歯車列によって、カセット搬送モータ63の回転駆動力が伝達されている。太陽歯車21の周囲には、遊星歯車機構として機能する遊星歯車22が遊星アーム23を介して配置されている。本発明における遊星歯車機構とは、回転可能に設けられた遊星アーム23に支持された遊星歯車22が、遊星アーム23を介して太陽歯車21の周囲を自由に公転できるように構成された歯車機構を指している。
太陽歯車21の回転中心及び遊星アーム23の回転中心、つまり遊星歯車22の公転中心には、共通の貫通軸である軸25が配置されている。また、太陽歯車21と軸25は一体に構成されている。遊星アーム23は、太陽歯車21の回転中心に対して回転自在に公転できるように軸25に支持されている。さらに、太陽歯車21の回転駆動力を、軸25を介して伝達されるクラッチ機構としての出力クラッチ26aが設けられている。出力クラッチ26aに対向する位置には、クラッチ機構としての入力クラッチ26bが配置されている。入力クラッチ26aと遊星アーム23は一体に構成されている。さらに、これら遊星アーム23、遊星歯車22及び入力クラッチ26bは、軸25の軸方向にスライド移動可能に支持されており、遊星歯車22の公転中心の軸方向に対してスライド移動可能にされている。さらに、遊星アーム23は、遊星アームバネ24によってクラッチケース27に付勢されている。さらに、入力クラッチ26b及び出力クラッチ26aは、クラッチケース27の内部に配置されている。また、このクラッチケース27の内部には、遊星アーム23の一部及び軸25の一部も配置されている。クラッチケース27は、クラッチケースバネ28の付勢力によって、遊星歯車22の公転中心の軸方向と同じ方向に付勢されている。
図8及び図9に示すように、クラッチケース27の外周部には、クラッチケースレバー27aが一体に突出して設けられている。クラッチケースレバー27aは、公転状態切替手段としてのキャリッジ73が主走査方向に往復移動したときにキャリッジ73に当接する位置に配置されている。さらに、キャリッジ73の主走査方向と軸25の軸方向が一致しているので、キャリッジ73はクラッチケースバネ28の付勢力に抗してクラッチケース27を押すことで、クラッチケース27と共に入力クラッチ26bを作動させ、スライド移動させる。したがって、キャリッジ73がクラッチケースレバー27aから離間されているときには、キャリッジ73は、クラッチケース27を軸25の軸方向に移動させていない。このとき、クラッチケースバネ28及び遊星アームバネ24の作用によって、遊星歯車22は太陽歯車21と噛み合う位置に移動されている。また、このとき、出力クラッチ26aと入力クラッチ26bは軸25の軸方向に離間されている。この状態を公転規制状態と称する(図17参照)。
一方、キャリッジ73がクラッチケースレバー27aに当接されたとき、キャリッジ73は、クラッチケースバネ28の付勢力に抗してクラッチケース27を押して、クラッチケース27を軸25の軸方向に移動させている。このとき、遊星歯車22は太陽歯車21とは噛み合わない位置にあり、かつ、出力クラッチ26aと入力クラッチ26bは結合されている位置にある。この状態を公転自由状態と称する(図14参照)。
図4から図9に示すように、遊星歯車22の公転領域の周囲には、各機構へ回転駆動力を伝達するための複数の駆動入力歯車がそれぞれ配置されている。これらの駆動入力歯車として、駆動列(不図示)によって給紙機構4に回転駆動力を伝達するための給紙用の駆動入力歯車40と、駆動列によってヘッド回復機構9に回転駆動力を伝達するためのヘッド回復用の駆動入力歯車90が設けられている。さらに、駆動入力歯車として、駆動列によってカセット給紙機構5に回転駆動力を伝達するためのカセット給紙用の駆動入力歯車50が設けられている。
さらに、各駆動入力歯車40,50,90に遊星歯車22が噛み合う各位置で、遊星アーム23の公転動作を規制するための遊星アーム固定軸32b,32c,32dが、遊星アーム23の回転領域にそれぞれ設けられている。さらに、駆動入力歯車40,50,90のいずれにも噛み合わない位置でも遊星アーム23の回転動作を規制するための遊星アーム固定軸32aが、遊星アーム23の回転領域に設けられている。この遊星アーム固定軸32aは、公転規制状態において遊星アーム23の回転動作を規制し、遊星アーム23を回転不能としている。そして、これら遊星アーム固定軸32a,32b,32c,32dは、公転自由状態において遊星アーム23に対して公転中心の軸方向に対して離間されている。このため、公転自由状態では、遊星アーム固定軸32a,32b,32c,32dが遊星アーム23の回転動作を規制しない位置に移動されており、遊星アーム23を回転可能、つまり遊星歯車22を公転可能としている。
以降、説明の便宜上、公転規制状態において給紙用の駆動入力歯車40に遊星歯車22が噛み合っている位置を給紙ポジションBと称し、ヘッド回復用の駆動入力歯車90に遊星歯車22が噛み合っている位置をヘッド回復ポジションCと称する。また、カセット給紙用の駆動入力歯車50に遊星歯車22が噛み合っている位置をカセット給紙ポジションDと称し、駆動入力歯車40,50,90のいずれにも遊星歯車22が噛み合わない位置をニュートラルポジションAと称する。
なお、本実施形態としては、4つの遊星アーム固定軸32a,32b,32c,32dを有することによって、遊星アーム23の回転を4つのポジションA,B,C,Dで規制する構成を挙げた。しかし、本実施形態は、この構成に限定されるものではなく、部品の配置スペースを確保できる限り、更に遊星アームの回転を規制するポジションの数を増やしてもよい。これにより、必要応じて、駆動伝達切替機構2によって回転駆動力が伝達される駆動伝達先である機構の数を増やすことが可能である。
次に、図8及び図9を参照して、遊星アーム23が選択可能に突き当てられる第1及び第2の突き当て部としての公転突き当てリブについて説明する。公転突き当てリブ31a、31bは、公転自由状態においても遊星アーム23に当接することで、遊星アーム23の回転領域の片側をそれぞれ規制する位置に設けられている。本実施形態では、遊星アーム23がカセット搬送モータ63の正転時に突き当たる側を第1の公転突き当てリブ31aとし、遊星アーム23がカセット搬送モータ63の逆転時に突き当たる側を第2の公転突き当てリブ31bとする。つまり、遊星アーム23は、第1の公転突き当てリブ31aと第2の公転突き当てリブ31bとの間を回転動作によって往復可能に構成されている。さらに、遊星アーム23の往復可能範囲内には、ニュートラルポジションA、給紙ポジションB、ヘッド回復ポジションC、カセット給紙ポジションDの順に配置されている。そして、駆動伝達切替機構2は、第1及び第2の公転突き当てリブ31a,31bのうちの、駆動力を伝達する駆動入力歯車に近い位置の方の公転突き当てリブに遊星アーム23を突き当てるように、制御回路部(不図示)によって制御される。
第1の公転突き当てリブ31aに遊星アーム23を突き当てたままで公転自由状態から公転規制状態に移行した場合、遊星アーム23はニュートラルポジションAに固定される位置関係である。同様に、第2の公転突き当てリブ31bに遊星アーム23を突き当てたままで公転自由状態から公転規制状態に移行した場合、遊星アーム23はカセット給紙ポジションDに固定される位置関係になっている。
次に、第1の実施形態における一連の記録動作の制御について、図10を参照して説明する。図10は記録動作を説明するためのフローチャートである。
記録動作が開始されると、まず通常給紙及びカセット給紙のいずれであるかを判断する(ステップS11)。通常給紙が指令された場合には給紙ポジションへ(ステップS21)、カセット給紙が指令された場合にはカセット給紙ポジション(ステップS31)へ駆動伝達切替動作を行う。駆動伝達切替動作の詳細は後述する。この動作により、カセット搬送モータ63による回転駆動力を、駆動伝達切替機構2と図示しない駆動列等を介して、給紙機構4又はカセット給紙機構5へ駆動伝達できる状態になる。
まず、通常給紙が指令された場合について説明する。給紙機構4は、カセット搬送モータ63による回転駆動力を給紙ローラ44に伝達させる。そして、圧板43と分離ローラ45を用いて、給紙口41に積載された用紙42の束から1枚ずつを分離し、給紙動作を行う。そして、給紙機構4は、カセット搬送紙パス64の一部を通って、1枚に分離された用紙42をLFローラ78とLFピンチローラ79とのニップ部まで搬送して、給紙動作を終了する(ステップS22)。
次に、カセット給紙が指令された場合について説明する。カセット給紙機構5は、カセット搬送モータ63による回転駆動力が図示しない駆動列によってカセット給紙ローラ52に伝達される。そして、カセット51とカセット給紙ローラ52とカセット分離部53を用いて、カセット51に積載された用紙42の束から1枚を分離してカセット給紙動作を行う。そして、カセット給紙機構5は、カセット搬送紙パス64を通って、1枚ずつに分離された用紙42をカセット搬送ローラ61とカセット搬送ピンチローラ62とのニップ部まで搬送して、カセット給紙動作を終了する(ステップS32)。
カセット搬送ローラ61とカセット搬送ピンチローラ62とのニップ部まで用紙42の前端が到達した後は、カセット給紙ローラ52を駆動させる必要がない。これは、カセット給紙ローラ52を余計に駆動させてしまうと、必要がない次の用紙42を給紙してしまうおそれがあるからである。したがって、カセット給紙動作が終了した後は、遊星歯車22をニュートラルポジションAに切り替える(ステップS33)。
そして、カセット搬送ローラ61の駆動によって用紙42の前端がカセット搬送紙パス64を通ってLFローラ78とLFピンチローラ79とのニップ部まで到達する(ステップS34)。
これ以降は、通常給紙とカセット給紙の動作のフローチャートは同一となる。LFローラ78は図示しないLFモータの回転駆動によって回転する。図示しないLFピンチローラばねによる付勢力によってLFピンチローラ79はLFローラ78に従動回転する。LFローラ78とLFピンチローラ79とのニップ部に用紙42が到達したとき、用紙42の前端はニップ部に引き込まれ、LFローラ78とLFピンチローラ79とに用紙42が挟持されて用紙42の搬送が始まる。そして、LFローラ78は用紙42の前端が記録ヘッド71とプラテン77との間に達するまで搬送する(ステップS12)。
次に、キャリッジ73の主走査駆動と、LFローラ78の用紙搬送駆動とを順に繰り返しながら用紙42にインクを吐出して記録を行う(ステップS13)。
記録指令による画像形成のためのインク吐出が全て終わったとき、排紙ローラ81と拍車82とによって用紙42を挟持してインクジェット記録装置1外の排紙トレイ83へ搬送して排紙動作を行う(ステップS14)。
以上が一連の記録動作の制御(フローチャート)である。また、記録ヘッド71の正常なインク吐出状態を維持するために記録前、記録動作中、記録後等にヘッド回復動作が必要になったときには、ヘッド回復ポジションCへ駆動伝達切替動作を行う。駆動伝達切替動作の詳細は後述する。その後、カセット搬送モータ63による回転駆動力をヘッド回復機構9へ駆動伝達し、キャップ91、吸引ポンプ92、ワイパー93等を用いてヘッド回復動作を行う。
以下、駆動伝達切替動作のシーケンスについて、図11及び図12を参照して詳細に説明する。図11は第1の実施形態における給紙ポジションへの駆動伝達切替動作を説明するためのフローチャート、図12は第1の実施形態におけるヘッド回復ポジションへの駆動伝達切替動作を説明するためのフローチャートである。
給紙ポジションBに切り替える駆動伝達切替動作の指令を受けたとき、まずキャリッジ73をヘッド回復機構9を越えて駆動伝達切替機構2付近まで移動させる。キャリッジ73の移動を続けることで、キャリッジ73はクラッチケースレバー27aに当接する。キャリッジ73の移動を更に続けることで、クラッチケースバネ28による付勢力に打ち勝って、クラッチケース27が公転中心の軸方向に対してスライド移動する。また、遊星アームバネ24の付勢力によってクラッチケース27のスライド移動に伴って、遊星歯車22、遊星アーム23、入力クラッチ26bが作動されてスライド移動する。
図14に示す位置まで遊星歯車22が移動したとき、遊星歯車22は太陽歯車21から離間し、出力クラッチ26aと入力クラッチ26bとが結合する(ステップS41)。この状態を公転自由状態と称する。
この公転自由状態において、カセット搬送モータ63を回転駆動して太陽歯車21を回転させると、軸25を介して出力クラッチ26aと入力クラッチ26bが回転駆動し、遊星歯車22及び遊星アーム23を回転駆動させる(ステップS42)。
続いて、カセット搬送モータ63を正転方向に回転駆動させる。すると、遊星アーム23は、回転移動に伴って第1の公転突き当てリブ31aに突き当たる(ステップS43)。
遊星アーム23が第1の公転突き当てリブ31aに突き当てられた後、カセット搬送モータ63は正転方向への回転駆動ができなくなり、回転駆動を停止する。このように、カセット搬送モータ63は、第1の公転突き当てリブ31aに遊星アーム23が突き当てられることによって、遊星アーム23を初期位置に移動させ、回転駆動を停止する。この動作が、第1の公転突き当てリブ31aによって遊星アーム23の回転位置、すなわち遊星歯車22の公転位置を初期化する動作である(ステップS44)。
次に、カセット搬送モータ63を逆転方向に所定量だけ回転駆動させる。このときの所定量とは、遊星アーム23が第1の公転突き当てリブ31aから給紙ポジションBに到達するのに必要な回転角度から計算される回転量である(ステップS45)。
続いて、クラッチケースレバー27aを押しているキャリッジ73を元の位置へ移動させる。すると、クラッチケースバネ28による付勢力によって、クラッチケース27は元の位置に戻る。さらに、遊星アームバネ24の付勢力によって、遊星歯車22及び遊星アーム23、入力クラッチ26bもそれぞれ元の位置に戻る。このとき、遊星歯車22は、太陽歯車21及び給紙用の駆動入力歯車40とそれぞれ噛み合い、出力クラッチ26aと入力クラッチ26bは離間されている(ステップS46)。この状態を公転規制状態と称する(ステップS47)。
以上が給紙ポジションBへの駆動伝達切替動作の説明である。次に、ニュートラルポジションAへの駆動伝達切替動作を説明する。
ニュートラルポジションAへの駆動伝達切替動作は、給紙ポジションBへの駆動伝達切替動作とほぼ同じであるので、動作の差異だけを以下に説明する。
ステップS45におけるカセット搬送モータ63を逆転方向に回転駆動するときの回転量だけを変えることで、遊星アーム23の回転移動がニュートラルポジションAまでとなる。ステップS45以外の動作については給紙ポジションBへの駆動伝達切替と同一である。また、第1の実施形態で上述したようにニュートラルポジションAと第1の公転突き当てリブ31aを同一の位置関係にしているので、実際にはステップS45の動作を全て省略することができる。
同様に、ヘッド回復ポジションCへの駆動伝達切替動作について、図12を参照して説明する。ヘッド回復ポジションCへの駆動伝達切替動作は、給紙ポジションBへの駆動伝達切替動作とほぼ同じであり、カセット搬送モータ63の回転方向と回転量を変えるだけである。以下に給紙ポジションBへの駆動伝達切替動作との動作の差異についてだけを説明する。
上述のステップS43ではカセット搬送モータ63を正転方向に回転駆動したが、ステップS53では、カセット搬送モータ63を逆転方向に回転駆動する。これによって、ステップS53において遊星アーム23は第2の公転突き当てリブ31bに突き当たる。この動作が、第2の公転突き当てリブ31bによる遊星アーム23の回転位置、すなわち遊星歯車22の公転位置を初期化する動作である。
ステップS45ではカセット搬送モータ63を所定量だけ逆転方向に回転駆動させたが、ステップS55では所定量だけ正転方向に回転駆動する。そして、このときの所定量は、遊星アーム23が第2の公転突き当てリブ31bからヘッド回復ポジションCに到達するために必要な回転角度から計算される回転量である。
以上が給紙ポジションBへの駆動伝達切替動作と、ヘッド回復ポジションCへの駆動伝達切替動作との差異であり、カセット搬送モータ63の回転方向と回転量が異なる。次に、カセット給紙ポジションDへの駆動伝達切替動作を説明する。カセット給紙ポジションDへの駆動伝達切替動作は、ヘッド回復ポジションCへの駆動伝達切替動作とほぼ同じであり、動作の差異だけを以下に説明する。
ステップS55におけるカセット搬送モータ63を正転方向に回転駆動するときの回転量だけを変えることで、遊星アーム23の回転移動がカセット給紙ポジションDまでになる。ステップS55以外の動作については、ヘッド回復ポジションCへの駆動伝達切替動作と同一である。また、上述したように、カセット給紙ポジションDと第2の公転突き当てリブ31bを同一の位置関係にしているので、実際にはステップS55における動作を全て省略することができる。
このようにニュートラルポジションA又は給紙ポジションBへ駆動伝達切替動作を行うときには、第1の公転突き当てリブ31aに遊星アーム23を突き当てることで遊星アーム23の回転位置の初期化を行う。また、ヘッド回復ポジションC又はカセット給紙ポジションBへの駆動伝達切替動作を行うときには、第2の公転突き当てリブ31bに遊星アーム23を突き当てることによって遊星アーム23の回転位置の初期化を行う。
図5に示すように、給紙ポジションBからカセット給紙ポジションDへの駆動伝達切替動作において、遊星アーム23の回転位置を初期化するときに第1の公転突き当てリブ31aのみで行った場合における遊星アーム23の動作軌跡を矢印34aで示す。一方、第2の公転突き当てリブ31bで行った場合における動作軌跡を矢印34bで示す。矢印34aと矢印34bでそれぞれ示す移動量を比較すると、矢印34aで示す移動量は4つのポジション分の回転移動を行っているが、矢印34bで示す移動量は2つのポジション分の回転移動で済んでいる。同様に、図6中の矢印35aと矢印35bで移動量をそれぞれ示している。これら各移動量を比較すれば、ヘッド回復ポジションCからニュートラルポジションAへの駆動伝達切替動作では、遊星アーム23を第1の公転突き当てリブ31aに突き当てることで、回転移動を最小限に抑えることができる。
このように、第2の公転突き当てリブ31bを用いて駆動伝達切替動作を行うことによって、第1の公転突き当てリブ31aだけを用いる駆動伝達切替動作と比較して、駆動伝達切替動作における遊星アーム23の回転に必要な駆動量が減らすことができる。また、第2の公転突き当てリブ31bを用いて駆動伝達切替動作を行うことによって、駆動伝達切替動作を簡略化することが可能になり、駆動伝達切替動作にかかる時間を短縮することができる。
また、ステップS43及びステップS53に示すように、遊星アーム23の回転移動における突き当て状態を、駆動源であるカセット搬送モータ63が停止したことによって検知するように制御を行う。これによって、遊星アーム23の回転位置を正確に検知することが可能になり、遊星アーム23の回転位置を検出するためのセンサ等を別途に設ける必要がなくなる。また、カセット搬送モータ63の駆動量、及び突き当て状態でカセット搬送モータ63が停止したことを検知することによって、一連の駆動伝達切替動作が可能になる。
さらに、駆動伝達切替動作前に遊星歯車22の位置が明確である場合には、次のように動作することで、駆動伝達切替動作にかかる時間が更に短縮される。ニュートラルポジションAからヘッド回復ポジションCへ駆動伝達切替動作を行う場合、目的のポジションであるヘッド回復ポジションCには、第2の公転突き当てリブ31bの位置が第1の公転突き当てリブ31aよりも近い。しかしながら、この場合に、第1の公転突き当てリブ31aを使用して遊星アーム23の回転位置の初期化を行うことによって時間短縮が可能になる。
図4中の矢印33aで示すように、第2の公転突き当てリブ31bに遊星アーム23を突き当てた場合には、遊星アーム23は4つのポジション分の回転移動を行うことが必要になる。一方、矢印33bに示すように、第1の公転突き当てリブ31aに遊星アーム23を突き当てて初期化を行った場合には、2つのポジション分の回転移動だけで済む。また、図7中に矢印36aと矢印36bで示しているように、カセット給紙ポジションDから給紙ポジションBへ駆動伝達切替動作を行う場合にも同様に時間短縮が可能になる。つまり、この場合にも、第2の公転突き当てリブ31bに遊星アーム23を突き当てることで、遊星アーム23の回転移動量を少なくすることができる。
加えて、遊星アーム23の公転自由状態を維持したままで、遊星アーム23を正転方向及び逆転方向にそれぞれ回転させる。つまり、正転方向に回転することによって遊星アーム23を第1の公転突き当てリブ31aに突き当てる突き当て動作と、逆転方向に回転することによって遊星アーム23を第2の公転突き当てリブ31bに突き当てる突き当て動作とを連続して行う。
このように駆動伝達切替機構2は、遊星アーム23を第1及び第2の公転突き当てリブ31a,31bにそれぞれ連続して突き当てるように制御回路部によって制御される。そして、制御回路部は、第1の公転突き当てリブ31aから第2の公転突き当てリブ31bまで遊星アーム23が回転移動した回転角度と、設計上の部品配置で決まる回転移動に必要な回転角度とを比較する。これによって、駆動伝達切替機構2や、2つの公転突き当てリブ31a,31b、キャリッジ73の駆動等が正常に機能しているかについても判定できる。
以上説明したように、本実施形態では、遊星歯車22の公転位置を初期化するために第1の公転突き当てリブ31aと第2の公転突き当てリブ31bを備え、これらのリブ31a,31bが、遊星アーム23を選択的に突き当てるために使用される。この構成によって、駆動伝達切替機構2による駆動伝達切替動作にかかる時間を短縮し、駆動伝達切替機構2の信頼性の向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、図13及び図16等を参照して説明する。図13は第2の実施形態における給紙ポジションBへの駆動伝達切替動作を説明するためのフローチャート、図16は駆動伝達切替機構2における遊星歯車22の乗り上げ状態が解消された状態を示す図である。
インクジェット記録装置1及び駆動伝達切替機構2の構成は、第1の実施形態の構成と同一である。図11に示すステップS41からステップS45までと、図13に示すステップS61からステップS65までは同一の動作である。よって、第1の実施形態と第2の実施形態との差異は、図13のステップS71からステップS79までであり、以下、差異の部分だけを説明し、同一の動作については省略する。
図13に示すように、まずキャリッジ73を待機位置へ移動する。この待機位置とは、図14に示す公転自由状態におけるキャリッジ73の第1位置73aと、図17に示す公転規制状態におけるキャリッジ73の第2位置73cとの間に位置されており、図15及び図16に示すような第3位置73bである。このように、キャリッジ73が第3位置73bに位置している状態を公転待機状態と称する。
キャリッジ73は、上述したように公転状態切替手段として機能しており、クラッチケースバネ28による付勢力によってクラッチケースレバー27aは、キャリッジ73に当接する位置に付勢される。このとき、遊星歯車22は軸方向にスライド移動されて太陽歯車21に接触し、かつ出力クラッチ26aと入力クラッチ26bとが離間されて回転駆動力が伝達されない状態である(ステップS71)。
そして、ステップS71の動作の次には、以下のような2つの状態が存在する。上述したように、ステップS71における軸方向のスライド移動のみで遊星歯車22が太陽歯車21と噛み合った場合には、図16に示すように、キャリッジ73とクラッチケースレバー27aとが離れることはない。このとき、クラッチケースバネ28による付勢力は、クラッチケースレバー27aとキャリッジ73の当接部とが当接することで受けている(ステップS73)。
上述したように遊星歯車22の噛み合い状態がステップS71における遊星歯車22の軸方向のスライド移動のみでは解消されずに乗り上げている場合には、図15に示すように、キャリッジ73の当接部とクラッチケースレバー27aとが離間されている。このとき、クラッチケースバネ28による付勢力は、遊星歯車22と太陽歯車21の各歯側面の斜面同士の当接部で受けられている。この斜面同士の摩擦抵抗力が十分に大きい状態であるので、付勢力と摩擦力との釣り合いが成立している(ステップS75)。
この遊星歯車22が太陽歯車21に乗り上げている状態は、図18に示すように、カセット搬送モータ63から太陽歯車21、遊星歯車22、駆動入力歯車30及び駆動伝達先の各機構まで至る駆動列におけるバックラッシがゼロの状態である。仮にバックラッシがゼロではないとすると、遊星歯車22は回転ガタを持っているので、この回転ガタによって、軸方向にスライド移動したときに歯と歯の干渉を解消することができるはずだからである。そして、遊星歯車22が太陽歯車21に乗り上げてバックラッシがゼロの状態には、駆動列が正転方向に詰まってバックラッシがゼロの場合と、逆転方向に詰まってバックラッシがゼロの場合とが存在する。図18に、駆動列が正転方向に詰まっている状態を示す。
ステップS75に続いて、カセット搬送モータ63を逆転方向に回転駆動する(ステップS76)。このときの回転方向を逆転方向にするのは次の理由からである。給紙ポジションBへの駆動伝達切替動作が完了した後に、給紙動作を行うためにカセット搬送モータ63を正転方向に回転駆動させて給紙ローラを回転駆動させる。このとき、逆転方向に詰まって遊星歯車22が太陽歯車21に乗り上げている場合には、続いて行われる給紙動作における正転方向の回転駆動によって駆動列に回転ガタが発生する。このため、遊星歯車22の歯と歯の干渉が解消され、遊星歯車22は軸方向にスライド移動して太陽歯車21と噛み合う。
一方で、図18に示すように、遊星歯車22が正転方向に詰まって太陽歯車21に乗り上げている場合には、続いて行われる給紙動作において正転方向の回転駆動を行っても、歯と歯の干渉が解消されることはない。これは、遊星歯車22が太陽歯車21に乗り上げた状態が、歯側面の斜面同士が当接している状態であるからである。このままの状態で正転方向の回転駆動を行ったとしても、遊星歯車22が太陽歯車21に乗り上げた状態のままで駆動入力歯車30を回転させてしまうことになる。あるいは、遊星歯車22がクラッチケースバネ28による付勢力に打ち勝ち、歯側面の斜面を登ってしまうことで、遊星歯車22が公転中心の軸方向で押し戻されてしまうことになる。つまり、このままの状態で正転方向の回転駆動を行ったときには、これらのいずれかの状態になってしまう。
したがって、駆動伝達切替動作後に行われる給紙動作における回転駆動が正転方向であるので、駆動伝達切替動作中のステップS76における回転駆動が逆転方向に設定されている。このように動作させることで、遊星歯車22が正転方向に詰まってバックラッシがゼロの場合には、この駆動伝達切替動作中に行われる逆転方向の回転駆動によって、遊星歯車22には回転ガタが発生する。これによって、遊星歯車22が軸方向にスライド移動したときの歯と歯の干渉を解消することが可能になる。そして、このときの干渉を解消するためには、最低1歯分の半分程度の回転駆動量が最適である。これは、歯と歯が干渉する場合には、1歯分の半分以上の角度において干渉することが起こり得ないからである。
一方で、遊星歯車22が逆転方向に詰まってバックラッシがゼロの場合には、この駆動伝達切替動作後に行われる給紙動作が正転方向の回転駆動であるので、この正転方向の回転駆動によって遊星歯車22の歯と歯の干渉を解消することが可能になる。そして、この場合においても、正転方向の回転駆動量が1歯分の半分程度の回転駆動量にされているので、駆動入力歯車によって回転駆動力が伝達される、後段に配置された駆動列、又は駆動伝達先の機構へはほとんど影響がない(ステップS74)。
また、ステップS75に示すように、遊星歯車22が太陽歯車21の側面に乗り上げた状態では、図15に示すように、クラッチケースレバー27aとキャリッジ73とが離間されている。その後、ステップS76において、太陽歯車21に対する遊星歯車22の乗り上げが解消されたとき、図16に示すようにクラッチケースレバー27aとキャリッジ73の当接部とが当接するようになる。このとき、クラッチケースバネ28による付勢力を受けたクラッチケースレバー27aは、キャリッジ73の当接部に当接するまで弾かれて移動することになるが、このときの移動距離が十分に短い。つまり、クラッチケースバネ28の付勢力で加速される遊星歯車22周辺の部品の移動速度は、図17に示すように公転規制位置にあるキャリッジ73で受けるときよりも、図15及び図16に示すように待機位置にあるキャリッジ73で受けるときの方が遅くなる。このため、待機位置に位置するキャリッジ73で受けるときの方が衝突音を小さくできる。さらに、キャリッジ73は、弾性体であるキャリッジベルト76によって待機位置に停止されているので、加速されたクラッチケースレバー27aをキャリッジ73で受け止めるときにも、比較的弾性をもって受け止めることが可能であり、衝突音を小さくできる。一方、図17に示すような比較的硬い材料である遊星アーム23と太陽歯車21とが当接することによって受け止める場合には、硬い材料同士が衝突するので、比較的大きな衝突音が発生しやすい。
以上のように、駆動伝達切替中に行う回転駆動の回転方向は、駆動伝達切替後に行われる回転方向の逆方向に回転駆動させるとともに、その逆方向に対する回転駆動量を遊星歯車22の1歯分の回転駆動量の半分にする。これによって、駆動伝達先への影響を最小限に抑え、かつ遊星歯車22が太陽歯車21に乗り上げた状態を確実に解消することができる。そして、図15及び図16に示すように、待機位置にあるキャリッジ73によって駆動伝達切替機構2を受け止めることで、衝突音の発生を防ぐことができる。
上述したように、本実施形態によれば、駆動伝達切替動作の途中で太陽歯車21を微小量だけ回転駆動させ、かつその回転方向を駆動伝達切替動作後に行われる駆動方向の逆方向に回転駆動する。これによって、遊星歯車22と太陽歯車21との噛み合いを確実に行い、駆動伝達切替動作に伴って移動する駆動伝達切替機構2をキャリッジ73で受け止めることができる。このため、本実施形態は、駆動伝達切替機構2による駆動伝達切替動作の静音化と、駆動伝達切替動作の信頼性の向上を図ることができる。
インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 インクジェット記録装置の概略構成を示す断面図である。 駆動伝達切替機構を示す斜視図である。 駆動伝達切替機構におけるニュートラルポジションを示す斜視図である。 駆動伝達切替機構における給紙ポジションを示す斜視図である。 駆動伝達切替機構におけるヘッド回復ポジションを示す斜視図である。 駆動伝達切替機構におけるカセット給紙ポジションを示す斜視図である。 駆動伝達切替機構において第1の公転突き当てリブに遊星アームが突き当てられた状態を示す斜視図である。 駆動伝達切替機構において第2の公転突き当てリブに遊星アームが突き当てられた状態を示す斜視図である。 インクジェット記録装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態における給紙ポジションへの駆動伝達切替動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態におけるヘッド回復ポジションへの駆動伝達切替動作を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態における給紙ポジションへの駆動伝達切替動作を説明するためのフローチャートである。 駆動伝達切替機構の公転自由状態を示す図である。 駆動伝達切替機構において遊星歯車が太陽歯車に乗り上げた状態を示す平面図である。 駆動伝達切替機構において遊星歯車が太陽歯車に乗り上げた状態が解消された状態を示す平面図である。 駆動伝達切替機構の公転規制状態を示す側面図である。 遊星歯車が太陽歯車に乗り上げた状態を示す模式図である。 遊星歯車が太陽歯車に乗り上げた状態が解消された状態を示す模式図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 駆動伝達切替機構
21 太陽歯車
22 遊星歯車
23 遊星アーム
24 遊星アームバネ
26a 出力クラッチ(クラッチ機構)
26b 入力クラッチ(クラッチ機構)
27 クラッチケース
27a クラッチケースレバー
28 クラッチケースバネ
31a 第1の公転突き当てリブ(第1の突き当て部)
31b 第2の公転突き当てリブ(第2の突き当て部)
40、50、90 駆動入力歯車
63 カセット搬送モータ
73 キャリッジ(公転伝達切替手段)
73a 公転自由状態におけるキャリッジの第1位置
73b 待機状態におけるキャリッジの第3位置
73c 公転規制状態におけるキャリッジの第2位置
A ニュートラルポジション
B 給紙ポジション
C ヘッド回復ポジション
D カセット給紙ポジション

Claims (10)

  1. 回転力を発生する駆動源と、
    前記駆動源の回転力を複数の駆動伝達先に伝達するための複数の入力歯車と、
    前記駆動源からの回転力が伝達される太陽歯車と、
    星歯車と、該遊星歯車を前記太陽歯車に対して公転可能に支持する遊星アームとを有し、前記遊星歯車を前記複数の入力歯車のいずれかに噛み合わせることによって前記駆動源の回転力を前記複数の駆動伝達先のいずれかに選択的に伝達する遊星歯車機構と、
    前記太陽歯車に伝達された回転力を前記遊星アームに伝達する状態と伝達しない状態に切り替えるクラッチ機構と
    記遊星歯車の公転位置を初期化するために前記クラッチ機構によって伝達された回転力によって前記遊星アームが突き当てられる第1及び第2の突き当て部と、を有し、
    前記遊星アームを回転させて、前記遊星歯車を選択された入力歯車に噛み合わせる際に、前記第1及び第2の突き当て部のうちの選択された入力歯車に近い位置にある突き当て部に前記遊星アームを突き当てて公転位置を初期化してから、前記遊星歯車が選択された入力歯車に噛み合う位置に移動するように前記遊星アームを回転させることを特徴とする駆動伝達装置。
  2. 前記クラッチ機構を前記遊星アームに前記太陽歯車の回転力が伝達される状態にして前記遊星アームを回転させて前記遊星歯車を選択された入力歯車に噛み合う位置に移動し、前記クラッチ機構を回転力を伝達しない状態に切り替えることによって前記遊星歯車は選択された入力歯車に噛み合う請求項1に記載の駆動伝達装置。
  3. 前記クラッチ機構を前記遊星アームに前記太陽歯車の回転力が伝達される状態にして前記遊星アームを前記第2の突き当て部に突き当てその位置で、前記クラッチ機構を回転力を伝達しない状態に切り替えることによって前記遊星歯車は所定の入力歯車に噛み合う請求項1に記載の駆動伝達装置。
  4. 前記駆動伝達装置は、制御手段によって制御され、
    前記遊星アームを前記第1及び第2の突き当て部に連続して突き当て、前記第1突き当て部に突き当ててから前記第2突き当て部に突き当たまでの前記遊星アームの回転角度に基づいて正常に機能しているか否かが前記制御手段によって判断される請求項1に記載の駆動伝達装置。
  5. 回転力を発生する駆動源と、
    前記駆動源の回転力を複数の駆動伝達先に伝達するための複数の入力歯車と、
    前記駆動源からの回転力が伝達される太陽歯車と、
    星歯車と、該遊星歯車を前記太陽歯車に対して公転可能に支持する遊星アームとを有し、前記遊星歯車を前記複数の入力歯車のいずれかに噛み合わせることによって前記駆動源の回転力を前記複数の駆動伝達先のいずれかに選択的に伝達する遊星歯車機構と、
    前記太陽歯車に伝達された回転力を前記遊星アームに伝達する状態と伝達しない状態に切り替えるクラッチ機構と、を有し、
    前記遊星アームは、前記太陽歯車の回転軸方向に関し、第1位置と、第2位置と、前記第1位置と前記第2位置との間に位置する第3位置とに移動可能であり、
    前記遊星アームが前記第1位置にあるとき前記クラッチ機構は回転力を伝達し、前記遊星歯車は前記太陽歯車及び前記入力歯車から離間し、
    前記遊星アームが前記第2位置にあるとき、前記クラッチ機構は回転力を伝達せず、前記遊星歯車は前記太陽歯車及び前記入力歯車に噛み合い、
    前記遊星アームが前記第3位置にあるとき、前記クラッチ機構は回転力を伝達せず、前記遊星歯車は前記太陽歯車及び前記入力歯車に噛み合うことを特徴とする駆動伝達装置。
  6. 前記遊星アームが前記第3位置にあるとき前記太陽歯車は、前記遊星アームが前記第1位置にあるときの前記太陽歯車の回転方向とは逆方向に回転される請求項5に記載の駆動伝達装置。
  7. 前記遊星アームが前記第3位置にあるとき前記太陽歯車は、前記遊星歯車の1歯分の半分だけ前記逆方向に回転される請求項6に記載の駆動伝達装置。
  8. 回転力を発生する駆動源と、
    前記駆動源の回転力を複数の駆動伝達先に伝達するための複数の入力歯車と、
    前記駆動源からの回転力が伝達される太陽歯車と、
    遊星歯車と、該遊星歯車を前記太陽歯車に対して公転可能に支持する遊星アームとを有し、前記遊星歯車を前記複数の入力歯車のいずれかに噛み合わせることによって前記駆動源の回転力を前記複数の駆動伝達先のいずれかに選択的に伝達する遊星歯車機構と、
    前記太陽歯車に伝達された回転力を前記遊星アームに伝達する状態と伝達しない状態に切り替えるクラッチ機構と、
    前記遊星歯車の公転位置を初期化するために前記クラッチ機構によって伝達された回転力によって前記遊星アームが突き当てられる第1及び第2の突き当て部と、を有し、
    前記遊星アームの公転位置を初期化してから前記遊星アームを前記遊星歯車が選択された入力歯車に噛み合う位置に移動するように回転させる際に、前記第1及び第2の突き当て部のうち、前記遊星アームの公転位置の初期化のためおよび該初期化後に前記遊星歯車を選択された入力歯車に噛み合う位置に移動させるための前記遊星アームの回転量が少ないほうの突き当て部に前記遊星アームを突き当て公転位置の初期化を行うことを特徴とする駆動伝達装置。
  9. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の駆動伝達装置を備え、
    被記録材にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置。
  10. インクを吐出する記録ヘッドを往復移動させるためのキャリッジを備え、前記キャリッジによって前記クラッチ機構を切り替える請求項8に記載のインクジェット記録装置。
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