JP4168279B2 - クラッチ装置及び該クラッチ装置を備えた記録装置 - Google Patents

クラッチ装置及び該クラッチ装置を備えた記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、第1のモータによって往復駆動されるキャリッジと、第2のモータによって回転駆動される第1の回転駆動対象と、前記第2のモータとの間にクラッチ装置を介することにより選択的に回転駆動される第2の回転駆動対象とを備えた記録装置において、前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達のオン及びオフを切り替える前記クラッチ装置及び当該クラッチ装置を備えた記録装置に関する。また、本発明は、液体噴射装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体と前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
以下、記録装置の一例としてのインクジェットプリンタを例に説明する。インクジェットプリンタは、被記録媒体へインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドをキャリッジに備え、該キャリッジは、主走査方向に延びるキャリッジガイド軸にガイドされながら、キャリッジを駆動する為の専用のモータの動力によって、主走査方向に往復駆動される。
また、インクジェットプリンタは、インクジェット記録ヘッドへ被記録媒体を搬送する搬送ローラと、当該搬送ローラへ被記録媒体を給送する給送ローラとを備え、これらローラは、低コスト化の観点から、前記キャリッジを駆動するモータとは別の1つのモータによって回転駆動される様構成されている。ここで、給送ローラは被記録媒体を給送するローラであるから、被記録媒体の給送時にのみ回転駆動を行う必要がある。従ってモータと給送ローラとの間の動力伝達のオン及びオフの切り替えを行うクラッチ装置を設ける必要がある(例えば、特許文献1参照)。
また、このクラッチ装置は、搬送ローラの正転動作から逆転動作への切り替わりによってモータから給送ローラへの動力伝達をオン状態とし、そして搬送ローラが逆転動作から正転動作に切り換えられ、搬送ローラの正転動作に従って給送ローラが略1回転すると、自動的に動力伝達状態がオフ状態となり、給送ローラの回転が停止する様に構成されている。
更に、このクラッチ装置は、搬送ローラの正転動作から逆転動作への切り替わりによって動力伝達状態がオフ状態からオン状態へ切り替わらない様に、キャリッジによって動力伝達状態がオフ状態に保持される様にも構成されている。即ち、搬送ローラを逆転させることによって例えば被記録媒体を上流側に所定量戻す様な制御を行う場合に、搬送ローラの正転動作から逆転動作への切り替わりによって給送ローラに動力が伝達されてしまうので、これを防止する為に、キャリッジと係合可能なレバー部材等を設け、当該レバー部材とキャリッジとが係合状態にあるときには、動力伝達状態がオフ状態からオン状態へ切り替わらないように構成されるものである。
特開平9−226110号公報
ところで、上述の様にキャリッジを用いることにより動力伝達の切り替わりをサポートする様な構成において、更に他のクラッチ装置(以下これを「第2のクラッチ装置」と言い、上述した給送ローラへの動力伝達のオン及びオフの切り替えを行うクラッチ装置を「第1のクラッチ装置」と言う)を設けるとともに、キャリッジによってこのクラッチ装置の動力伝達のオン及びオフの切り替えを行う場合には、以下の様な問題が生じる。即ち、キャリッジが前記第2のクラッチ装置の動力伝達の切り替え動作を行っている際には、キャリッジは前記第1のクラッチ装置から離れた位置にあるので、前記第1のクラッチ装置はモータから給送ローラへの動力伝達をオフ状態からオン状態に切り替え可能な状態にある。従って搬送ローラを正転動作から逆転動作に切り替えると、前記第1のクラッチ装置は給送ローラへの動力伝達をオン状態に切り替えてしまい、その後に搬送ローラを正転動作させると、これに伴って給送ローラが不本意に回転してしまうことになる。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その課題は、クラッチ装置の動力伝達切り替えをサポートするキャリッジがクラッチ装置から離れた位置にあるときでも、搬送ローラの正逆回転を自在に実行可能とすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、第1のモータによって主走査方向に往復駆動される、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジと、第2のモータによって回転駆動される第1の回転駆動対象と、前記第2のモータとの間に動力伝達のオン及びオフの切り替えを行うクラッチ装置を介することによって選択的に回転駆動される第2の回転駆動対象と、を備えた、被記録媒体に記録を行う記録装置において、前記第1の回転駆動対象の回転方向の切り替わりによって前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達状態をオフ状態からオン状態に切り替える様に構成された前記クラッチ装置であって、前記第2のモータによって回転駆動される回転体との間の摩擦力によって揺動駆動されるレバー部材と、前記レバー部材と係合可能に設けられ、前記第1の回転駆動対象の回転方向の切り替わりによって前記レバー部材と係合すると、前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達状態をオン状態からオフ状態に切り替え、且つ、前記第1の回転駆動対象の回転方向の切り替わりによって前記レバー部材と係合解除すると、前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達状態をオフ状態からオン状態に切り替える様に構成されたクラッチ手段と、主走査方向にスライド可能に設けられ、スライドすることにより、前記レバー部材の揺動動作を拘束して前記レバー部材を前記クラッチ手段との係合状態に保持するトリガオフ位置と、前記レバー部材の揺動動作を拘束しないトリガオン位置と、を変位する様に構成されたトリガ部材と、前記トリガ部材を前記トリガオフ位置に保持する様に付勢する付勢手段と、を備え、前記トリガ部材が前記キャリッジと係合可能に設けられ、前記トリガオフ位置から前記トリガオン位置へは前記キャリッジの変位動作によって移動し、且つ、前記キャリッジと係合しない非係合状態では前記付勢手段によって前記トリガオフ位置に保持される様に構成されていることを特徴とする。
前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達のオン及びオフの切り替えを行うクラッチ装置は、レバー部材とクラッチ手段とを係合させ、或いは係合解除することにより、動力伝達のオン及びオフを切り替える様に構成されている。また、前記レバー部材は、モータによって回転駆動される回転体との間の摩擦力によって揺動駆動され、これにより、前記クラッチ手段との係合及び係合解除を行う様に構成されている。そして、前記クラッチ手段は、前記レバー部材と係合すると動力伝達をオフからオンに切り替え、前記レバー部材と係合解除するとオンからオフに切り替える様に構成されている。
ここで、前記レバー部材は、キャリッジと同様に主走査方向にスライドするトリガ部材によってその揺動動作を拘束される(この様な前記レバー部材の揺動動作を拘束するトリガ部材の位置を「トリガオフ位置」と言い、前記レバー部材の揺動動作を拘束しない位置を「トリガオン位置」と言う)。そして、前記トリガ部材が前記トリガオフ位置にあるときに、前記レバー部材と前記クラッチ手段との係合状態が保持され、これによって動力伝達がオフ状態に維持される様に構成されている。そして、当該トリガ部材は、キャリッジによってトリガオフ位置からトリガオン位置へ移動され、キャリッジとの非係合状態においては、付勢手段によってトリガオフ位置に保持される。従って、キャリッジの位置に関わらず、前記第1の回転駆動対象の回転方向の切り替わりによって、前記第2の回転駆動対象への動力伝達がオン状態に切り替わることがなく、前記第1の回転駆動対象を自在に正逆駆動することが可能となる。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、前記第1の回転駆動対象が、前記記録ヘッドへ被記録媒体を搬送する搬送ローラであり、前記第2の回転駆動対象が、前記搬送ローラへ被記録媒体を給送する給送ローラであることを特徴とする。
上記第2の態様によれば、選択的に回転駆動される前記第2の回転駆動対象が、搬送ローラへ被記録媒体を給送する給送ローラであるので、被記録媒体の給送時以外に、キャリッジの位置に関わりなく、前記第1の回転駆動対象である搬送ローラを自在に正逆駆動することが可能となる。
本発明の第3の態様は、上記第1のまたは第2の態様において、前記トリガ部材に、当該トリガ部材のスライド方向に延びる長溝が形成されるとともに、当該長溝に、前記トリガ部材のスライド方向に延びるプレート材が嵌入することで、前記トリガ部材が前記プレート材によってガイドされながらスライド動作する様に構成され、更に前記トリガ部材には、前記プレート材のプレート面に交差する方向に突出する付勢手段取付部が形成されるとともに、当該付勢手段取付部に、前記付勢手段の付勢力が作用する様に構成されていて、前記トリガ部材の前記長溝内に、前記プレート材のプレート面に向けて突出する様な形状を成すスライダ部が、前記付勢手段の付勢力によって前記プレート材のプレート面に圧接する位置に設けられたことにより、前記トリガ部材の前記プレート材に対する姿勢が規制される様に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、トリガ部材はプレート材にガイドされながらスライド動作する様に構成されるが、前記付勢手段の付勢力が作用することにより、前記トリガ部材にはモーメント力が付与される様な構成となっている。この様に前記トリガ部材にモーメント力が作用すると、前記トリガ部材の前記プレート材に対する姿勢が平行でない(傾く)状態となり、その結果として不本意な前記トリガ部材とキャリッジとの衝突を招く虞がある。しかし、トリガ部材においては前記プレート材と摺接するスライダ部が前記モーメント力によって前記プレート材に圧接する位置に設けられ、そしてこれによって前記トリガ部材の前記プレート材に対する姿勢が規制される様に構成されていることから、前記トリガ部材の前記プレート材に対する姿勢が適切な状態となり、上述した問題を解消することが可能となる。
本発明の第4の態様は、上記第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記トリガ部材がスライド動作を停止する際の衝撃を緩和する弾性部材を備えていることを特徴とする。本態様によれば、前記弾性部材により、前記トリガ部材がスライド動作を停止する際の衝撃を緩和することができ、即ち前記トリガ部材の停止の際の衝突音を緩和することができる。
本発明の第5の態様は、被記録媒体に記録を行う記録装置であって、上記第1から第4の態様のいずれかに記載された前記クラッチ装置を備えていることを特徴とする。
上記第5の態様によれば、被記録媒体に記録を行う記録装置において、上記第1から第4の態様のいずれかと同様な作用効果を得ることができる。
本発明の第6の態様は、上記第5の態様において、前記キャリッジの主走査領域の端部に前記クラッチ装置を備え、前記キャリッジの主走査領域において前記クラッチ装置が設けられた側とは反対側の端部に、前記第2のモータから、前記第2のモータによって駆動される第3の回転駆動対象への動力伝達のオン及びオフの切り替えを行う第2のクラッチ装置を備えていることを特徴とする。
上記第6の態様によれば、前記キャリッジの主走査領域の端部に前記クラッチ装置を備え、前記クラッチ装置が設けられた側とは反対側の端部には、前記第2のモータによって駆動される第3の回転駆動対象への動力伝達のオン及びオフの切り替えを行う第2のクラッチ装置を備えているので、当該第2のクラッチ装置の動力伝達のオン及びオフをキャリッジで実行する際においても、前記給送ローラへ動力伝達する状態に切り替わることがなく、前記第1の回転駆動対象である搬送ローラを自在に正逆駆動することができる。
本発明の第7の態様は、上記第6の態様において、前記第3の回転駆動対象が、被記録媒体をセット可能なプレート形状を成すトレイを被記録媒体の搬送方向に直線的に往復駆動するトレイ駆動手段であることを特徴とする。
上記第7の態様によれば、上記第2のクラッチ装置によって動力が伝達される第3の回転駆動対象が、被記録媒体をセット可能なプレート形状を成すトレイを駆動するトレイ駆動手段であるので、前記給送ローラへ動力を伝達することなく、搬送ローラを自在に正逆駆動して、前記トレイを自在に搬送駆動することができる。
本発明の第8の態様は、上記第5から第7の態様のいずれかにおいて、被記録媒体を支持するとともに、前記給送ローラに被記録媒体を圧接させる圧接姿勢と、前記給送ローラから被記録媒体を離間させる離間姿勢とを変化可能に設けられるホッパと、前記ホッパが前記圧接姿勢をとる様に前記ホッパを付勢するホッパ付勢手段と、前記ホッパが前記離間姿勢をとる様に、前記ホッパを前記ホッパ付勢手段の付勢力に抗して押圧するカム手段と、を備え、前記カム手段が、前記ホッパに設けられるカムフォロアと、前記カムフォロアと係合するカム部を備えた第1の歯車と、前記第1の歯車と噛合するとともに、前記給送ローラの回転軸から動力を受けて回転することで前記第1の歯車に動力を伝達する第2の歯車と、を備えて構成され、前記第1の歯車及び前記第2の歯車には、互いに嵌合可能な歯形の異なる異形歯部がそれぞれ形成されるとともに、前記異形歯部が嵌合するタイミングと、前記カム手段が前記カムフォロアを押圧することで前記第1の歯車と前記第2の歯車との間の噛合部における噛み合い負荷が最大となるタイミングと、が一致しない様に構成されていることを特徴とする。
上記態様によれば、ホッパを押圧するカム手段を構成する第1の歯車と第2の歯車とには、互いに嵌合可能な歯形の異なる(それぞれの歯車において歯形が特殊な)異形歯部が形成されるが、当該異形歯部が嵌合したタイミングで当該異形歯部に大きな負荷が掛かると、異形歯部の性質上歯飛びを招きやすい。しかし、当該異形歯部が嵌合するタイミングと、ホッパ押圧タイミング即ち第1の歯車と第2の歯車との噛み合い部における噛み合い負荷が最大となるタイミングと、が一致しない様に構成されているので、上述した歯飛びの発生を防止することが可能となる。
本発明の第9の態様は、上記第5から第8の態様のいずれかにおいて、前記給送ローラと対向する位置に設けられるとともに、側面視略D形の形状を成す前記給送ローラの円弧領域と圧接可能に設けられる摩擦分離材と、前記摩擦分離材の近傍に配置され、給送されるべき被記録媒体につられて重送される次位以降の被記録媒体を上流側に戻す被記録媒体戻しレバーと、を備え、前記被記録媒体戻しレバーが被記録媒体を上流側に戻すタイミングが、前記給送ローラと前記摩擦分離材との圧接状態が解除されるタイミングと略一致する様に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、被記録媒体戻しレバーが被記録媒体を上流側に戻すタイミングが、前記給送ローラと前記摩擦分離材との圧接状態が解除されるタイミングと略一致する様に構成されていることから、被記録媒体が給送ローラの回転に伴って被記録媒体戻しレバーの下流側に進むことを防止でき、或いは、被記録媒体が給送ローラと摩擦分離材とに挟圧されたまま被記録媒体戻しレバーが被記録媒体の戻し動作を実行することを防止できる。従って、被記録媒体戻しレバーの動作タイミングが最適化されて、重送されようとする被記録媒体を確実に上流側に戻すことができる。
本発明の第10の態様は、第1のモータによって主走査方向に往復駆動される、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射ヘッドを備えたキャリッジと、第2のモータによって回転駆動される第1の回転駆動対象と、前記第2のモータとの間に動力伝達のオン及びオフの切り替えを行うクラッチ装置を介することによって選択的に回転駆動される第2の回転駆動対象と、を備えた、被噴射媒体に液体噴射を行う液体噴射装置であって、前駆クラッチ装置が、前記第1の回転駆動対象の回転方向の切り替わりによって前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達状態をオフ状態からオン状態に切り替える様に構成されるとともに、前記第2のモータによって回転駆動される回転体との間の摩擦力によって揺動駆動されるレバー部材と、前記レバー部材と係合可能に設けられ、前記第1の回転駆動対象の回転方向の切り替わりによって前記レバー部材と係合すると、前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達状態をオン状態からオフ状態に切り替え、且つ、前記第1の回転駆動対象の回転方向の切り替わりによって前記レバー部材と係合解除すると、前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達状態をオフ状態からオン状態に切り替える様に構成されたクラッチ手段と、主走査方向にスライド可能に設けられ、スライドすることにより、前記レバー部材の揺動動作を拘束して前記レバー部材を前記クラッチ手段との係合状態に保持するトリガオフ位置と、前記レバー部材の揺動動作を拘束しないトリガオン位置と、を変位する様に構成されたトリガ部材と、前記トリガ部材を前記トリガオフ位置に保持する様に付勢する付勢手段と、を備え、前記トリガ部材が前記キャリッジと係合可能に設けられ、前記トリガオフ位置から前記トリガオン位置へは前記キャリッジの変位動作によって移動し、且つ、前記キャリッジと係合しない非係合状態では前記付勢手段によって前記トリガオフ位置に保持される様に構成されていることを特徴とする。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
先ず、図1乃至図5を参照しながら本発明に係る「記録装置」、「液体噴射装置」の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の概略構成について説明する。ここで、図1はプリンタ1の外観斜視図であり、図2は外部ハウジングを取り外した状態の同外観斜視図、図3はプリンタ1の側断面概略図、図4はサイドフレーム左7近傍の斜視図、図5はキャリッジ13が果たす機能を説明する為の概念図である。
図1に示す様に、プリンタ1はボックス形の形状を成し、大凡、ビデオテープレコーダー程の大きさに形成されていて、テレビラック等へ収納された状態で使用されることを想定して構成されている。外観は図示する様にボックス形のハウジング3の前面にフロントカバー8が設けられて大略構成され、フロントカバー8は、手前側に向けて開いた状態(使用状態:図示せず)と図示する様に閉じた状態(非使用状態)とを回動自在に設けられ、開いた状態では、記録が行われた記録用紙の排出や、ディスクトレイ33(図2参照)の出し入れ動作が可能となる。フロントカバー8の下部には給紙トレイ30が着脱自在に設けられ、手前側に引き出して取り外すことにより、記録紙をセットすることができる。フロントカバー8の上方にはインクカートリッジユニット15が設けられ、該インクカートリッジユニット15には、複数のインクカートリッジ16(図3参照)がプリンタ1の幅方向に並んで着脱自在に設けられている。
続いて、図2及び図3を参照しながらプリンタ1の内部構成について概説する。図2において、プリンタ1の装置本体は、下部シャーシ4と、装置本体の幅方向(主走査方向)に延びるメインフレーム5と、該メインフレーム5の両側に立設される、装置本体の奥行き方向(副走査方向)に平行なサイドフレーム右6及びサイドフレーム左7とによって、その基体が構成されている。サイドフレーム右6とサイドフレーム左7との間には主走査方向に延びる主キャリッジガイド軸11と副キャリッジガイド軸12とが副走査方向に所定の間隔を置いて軸支されている。
主キャリッジガイド軸11及び副キャリッジガイド軸12は「第1のモータ」としてのキャリッジモータ18によって駆動されるキャリッジ13を主走査方向にガイドする為のガイド軸であり、主キャリッジガイド軸11はキャリッジ13の後部を挿通し、副キャリッジガイド軸12はキャリッジ13の前部を下から支持して、これによって記録ヘッド14(図3)と記録用紙P(プラテン20)との間の距離が規定される。
続いて、図3を参照しながら記録用紙P及びディスクトレイ33の搬送経路を説明する。プリンタ1は、上述した様に装置底部に給紙トレイ30を着脱自在に備えるとともに、当該給紙トレイ30、ホッパ31、給送ローラ28、後述するクラッチ装置50を含んで構成された給送装置が設けられている。この給送装置は、給紙トレイ30にセットされた用紙Pを1枚ずつピックアップし、下流側の搬送駆動ローラ21及び搬送従動ローラへと給送する。より詳しくは、給紙トレイ30には複数枚の記録用紙Pが堆積状態にセット可能となっていて、その底部には、ホッパ31が設けられている。ホッパ31は揺動軸31aを中心に揺動可能に設けられ、揺動することにより、セットされた記録用紙Pを給送ローラ28に圧接させる圧接姿勢と、給送ローラ28から記録用紙Pを離間させる離間姿勢とを変化可能となっている。そして、圧接姿勢をとるべくセットされた記録用紙Pを下方から押し上げることにより、上部に設けられた給送ローラ28に記録用紙Pの束を圧接させる。尚このホッパ31を揺動させる手段については、後に詳述する。
次に、「第2の回転駆動対象」としての給送ローラ28は側面視略D形の形状を成し、外周は高摩擦部材(例えば、ゴム材)によって形成されている。記録用紙Pの給送時には1回転だけ回転駆動され、この1回転中に、給送ローラ28の円弧部分に圧接した最上位の記録用紙Pが、給送ローラ28の回転によって、下流側(図3の右側)へ給送される。また、給送ローラ28の下部には、給送ローラ28の円弧部分と圧接する摩擦分離手段(図示せず)が設けられていて、当該摩擦分離手段と給送ローラ28との間で記録用紙Pを挟圧することにより、給送されるべき最上位の記録用紙Pと、重送されようとする次位以降の記録用紙Pとを分離する。
給送ローラ28の下流側には「第2のモータ」としての用紙搬送用モータ(以下「PFモータ」と言う)29(図4参照)からの動力が常時伝達され、回転駆動される「第1の回転駆動対象」としての搬送駆動ローラ21と、該ローラに接して従動回転する搬送従動ローラ22とが設けられ、これらローラによって記録用紙Pをニップし且つ搬送駆動ローラ21が回転駆動されることにより、記録用紙Pが「液体噴射ヘッド」の一例としての記録ヘッド14の下へ搬送される。搬送駆動ローラ21の下流側には記録ヘッド14とプラテン20とが上下に対向する様に設けられ、搬送された記録用紙Pは、プラテン20によって下から支持された状態において、記録ヘッド14から「液体」としてのインク滴が吐出(噴射)されることにより、記録が行われる。記録ヘッド14はキャリッジ13の底部に設けられているが、主走査方向に往復動する当該キャリッジ13にはインクカートリッジが搭載されておらず、キャリッジ13の主走査領域の上側に、上述した様に複数のインクカートリッジ16が、主走査方向に並んで着脱自在に配設されている。そして、図示を省略するインクチューブを介してキャリッジ13へとインクが供給される様になっている。
記録ヘッド14の下流側にはPFモータ29によって回転駆動される排出駆動ローラ23と該ローラに接して従動回転する排出従動ローラ24とが設けられ、これらローラによって記録用紙Pをニップし且つ排出駆動ローラ23が回転駆動されることにより、記録用紙Pがプリンタ1外部へ排出される。
一方、DVD(Digital Versatile Disk)等に代表される光ディスクDをセット可能なディスクトレイ33は、給紙トレイ30の上方に配置されている。ディスクトレイ33の側端には図示しないラックが形成され、該ラックと噛合する図示しないピニオン歯車の回動により、ほぼ水平に真っ直ぐに移動できる様に構成されている。光ディスクDへの記録実行時には、このような「トレイ駆動手段」によってトレイ先端が搬送駆動ローラ21と搬送従動ローラ22とにニップされるまで搬送された後、搬送駆動ローラ21の回転による駆動力を受けて、記録ヘッド14の下へ所定のピッチで搬送され、記録が実行される。
尚、トレイ33は、図30及び図31に示す様にメインフレーム5に取り付けられたトレイガイド34及びトレイガイド39によって、副走査送り方向にガイドされる。ここで、図30はメインフレーム5の背面側の斜視図であり、図31はトレイガイド34の取付部の斜視図である。トレイガイド34及びトレイガイド39は、トレイ33を挟持する形状を有するとともにトレイ33の両側に配置され、、トレイガイド33を副走査送り方向にガイドする。
ここで、トレイガイド34はメインフレーム5に取り付けられた小フレーム40を介してメインフレーム5に取り付けられるが、トレイガイド34の側には小フレーム40に対して突出するボス34bが形成されていて、小フレーム40の側にはボス34bが隙間なく嵌合する穴(図示せず)が形成されている。従ってこれにより、トレイガイド34のメインフレーム5に対する位置が正確に定まり、トレイ33を正しい姿勢でガイドすることが可能となっている。
ここで、ディスクトレイ33は、給送ローラ28、搬送駆動ローラ21、排紙駆動ローラ23を回転駆動するPFモータ29(図4参照)によって回転駆動される様構成されていて、また、給送ローラ28及びディスクトレイ33は、PFモータ29からの動力が常時伝達されるのではなく、ディスクトレイ33については該ディスクトレイ33の搬送時、給送ローラ28については記録用紙Pの給送時にのみ動力伝達状態がオン状態となる様、それぞれへの動力伝達のオン及びオフの切り替えを行うそれぞれ専用のクラッチ装置によって選択的に駆動される様に構成されている。
そして、これらのクラッチ装置は、キャリッジ13によってその動力伝達のオン及びオフが制御され、更に給送ローラ28への動力伝達のオン及びオフの切り替えを行う本発明に係るクラッチ装置にあっては、搬送駆動ローラ21の回転方向の切り替えによってその動力伝達のオン及びオフが制御される。以下、この様なキャリッジ13の果たす役割について説明する。図4において、サイドフレーム左7の側においては、搬送駆動ローラ21の軸端部近傍に歯車42が取り付けられている。歯車42と噛合する歯車43は、ディスクトレイ33へ動力を伝達する「第3の回転駆動対象」としての「トレイ駆動手段」が備える歯車であり、これにより、ディスクトレイ33へPFモータ29の動力が伝達される。尚、搬送駆動ローラ21の軸端部には歯車38が取り付けられ、該歯車38には歯車37が噛合しているが、これは、記録ヘッド14と記録用紙Pとのギャップを自動的に調節する自動ギャップ調節装置35(図2参照)の備える歯車である。
歯車43の近傍には「第2のクラッチ装置」を構成するレバー41が設けられている。レバー41は上記歯車43からディスクトレイ33への動力伝達をオンオフする為のレバーであり、キャリッジ13と係合可能な位置に設けられている。そして、キャリッジ13との非係合状態においてはPFモータ29からの動力伝達をオフとし、キャリッジ13と係合して倒されると、PFモータ29からの動力伝達がオンとなり、ディスクトレイ33が搬送駆動可能な状態となる。
尚、符号36で示す係合ピン36は、上記自動ギャップ調節装置35が備えるものであり、キャリッジ13によって押圧されることにより、PFモータ29からの動力伝達がオフ状態からオン状態に切り替わり、PFモータ29の回転によって前記ギャップが変化する様に構成されている。
本発明に係るクラッチ装置50は、サイドフレーム右6の側に設けられている。図5において「APG切替位置」は上述した自動ギャップ調節装置35の動力伝達の切り替えを行う位置、「DVD切替位置」は上述したディスクトレイ33への動力伝達の切り替えを行う位置、「トリガ位置」は本発明に係るクラッチ装置50の動力伝達の切り替えを行う位置を示している。トリガ位置から更にサイドフレーム右6の側にはキャリッジ13のホームポジション(HOME)が設けられ、キャリッジ13が当該HOMEポジションにあるときに、記録ヘッド14が図示しないキャップ装置によりキャップされ、更に、図示しないポンプ装置によってノズルからのインク滴の吸引等が行われる様になっている。尚、DVD切替位置とトリガ位置との間は、記録実行時にキャリッジ13が往復動作する記録領域となっている。
以上がプリンタ1の概略であり、以下、図6乃至図14を参照しながら、本発明に係るクラッチ装置について詳説する。ここで、図6乃至図8は記録ヘッド14(キャリッジ13底部)の平面図、図9乃至図11はクラッチ装置50の斜視図、図12乃至図14はクラッチ装置50の正面図であり、いずれも、クラッチ装置50における動作推移を示すものである。
先ず、クラッチ装置50における動力伝達のオン及びオフを行う動作原理について説明する。図12において、クラッチ装置50は搬送駆動ローラ21の軸端部近傍に取り付けられた歯車58から、給送ローラ28の回転軸である給送ローラ軸28aへの動力伝達をオン状態にし、或いはオフ状態にする。歯車58は中間歯車57に噛合し、中間歯車57→中間歯車56→中間歯車55→中間歯車54→ラチェット歯車53の順に動力が伝達され、これら歯車は、歯車58(搬送駆動ローラ21)の回転に伴って常に回転駆動される。尚、中間歯車56、57は一体的に形成されて軸59を中心に回転し、中間歯車54、ラチェット歯車53も一体的に形成されて給送ローラ軸28aを中心に回転する。
次に、ラチェット歯車53から給送ローラ軸28aへは、リング状部材52→被伝達部材51(図9参照)を介して動力が伝達される。ここで、リング状部材52は、被伝達部材51に、揺動軸52aを中心に図の時計方向及び反時計方向に揺動可能となる様に取り付けられるとともに、図示を省略する付勢手段により、内部に形成された歯部52bがラチェット歯車53に噛合する方向に付勢されている(尚、図12乃至図14では図9に示す被伝達部材51の図示を省略している)。
従って、リング状部材52に何らの外力が付与されていない状態では、図14に示す様に歯部52bとラチェット歯車53とが噛合し、これにより、ラチェット歯車53が回転すると、これに伴ってリング状部材52と被伝達部材51とが回転し、そして給送ローラ軸28aが回転する(動力伝達がオン状態となる)。尚、図14における歯車58の反時計方向回転(矢印で示す方向)は、搬送駆動ローラ21及び給送ローラ28が記録用紙Pを下流側に送る方向の回転であり、ラチェット歯車53と歯部52bは、この様な回転方向に給送ローラ軸28aを回転させる様、その歯の傾斜方向が決定されている。従って、搬送駆動ローラ21が逆転駆動されると、ラチェット歯車53と歯部52bとが噛合状態にあっても、当該噛合状態が即座に解除され、これによって動力は伝達されず、ラチェット歯車53はリング状部材52の内部で空転するのみである。
一方、軸59にはレバー部材60が設けられている。このレバー部材60は、「回転体」としての歯車56との間に、図示を省略する摩擦部材を介して軸59に取り付けられ、これにより、歯車56の回転に伴って回転(揺動)するが、レバー部材60に外力が付与されると、歯車56が回転中であっても、これに関わらず回転しない状態を維持することができる様になっている。
レバー部材60には回転軸線方向と直交する方向に突出する様なレバー部60が形成され、該レバー部60には、リング状部材52に向けて突出する様な突起60bが形成されている。一方、リング状部材52の外周部には、レバー部60aに向けて突出する様な突起部52cが形成されている。図12に示す状態においては、突起60bと、突起52cとが係合した状態にあり、この状態では、歯部52bがラチェット歯車53との噛合を解除してラチェット歯車53がリング状部材52の内部で空転し、従って歯車58から給送ローラ軸28aへの動力伝達がオフ状態となる。
この状態から、歯車58(搬送駆動ローラ21)が正転駆動(図12の反時計方向回転:矢印で示す方向)から逆転駆動へ切り替えられると、これに伴ってレバー部材60が図13に示す様に反時計方向に揺動し、レバー部60aがリング状部材52から離れ、突起60bと突起52cとの係合状態が解除され、これによって図示する様に歯部52bとラチェット歯車53とが噛合する。この状態から歯車58が再び正転駆動されると、給送ローラ軸28aの回転が開始する。
しかし、この様な歯車58の正転によってレバー部60aがリング状部材52の外周と係合する方向にレバー部材60が回転し、突起60bが図14に示す様にリング状部材52の外周と係合する。そして、この様な状態においてリング状部材52(給送ローラ軸28a)が略1回転すると、再び突起52cと突起60bとが係合状態となり、これに従ってリング状部材52は軸52aを中止に揺動して、ラチェット歯車53と歯部52bとの係合状態が解除される(図12の状態に戻る)。即ち、動力伝達状態がオフ状態となる。
以上により、クラッチ装置50は、搬送駆動ローラ21の正転から逆転への切り替わりによって給送ローラ軸28aへの動力伝達状態をオフ状態からオン状態とする。また、歯車58によって回転駆動される「回転体」としての歯車56との間の摩擦力によって揺動駆動されるレバー部材60が、ラチェット歯車53、リング状部材52、被伝達部材51を備えて構成された「クラッチ手段」と係合することにより、動力伝達状態がオン状態からオフ状態に切り替わる。また、搬送駆動ローラ21が正転から逆転へ切り替わることにより、レバー部材60と上記クラッチ手段とが係合解除し、これにより、歯車58から給送ローラ軸28aへの動力伝達状態がオフ状態からオン状態に切り替わる。
以上説明した様に、レバー部材60の揺動動作によって動力伝達状態がオフ状態からオン状態に切り替わり、或いはオン状態からオフ状態に切り替わることから、レバー部材60の揺動動作を拘束することにより、上記動力伝達の切り替えが行われない様に制御することができる。即ち、歯車58が正転動作から逆転動作に切り替わっても、動力伝達状態をオフ状態からオン状態にならない様にすることができる。
図6乃至図11に示すトリガ部材63は、レバー部材60の揺動動作を拘束することにより、歯車58(搬送駆動ローラ21)が正転動作から逆転動作に切り替わっても、動力伝達状態をオン状態からオフ状態(図12の状態)に切り替わらない様に維持する為のものである。以下、当該トリガ部材63について詳説する。
トリガ部材63は、図2に示す様にサイドフレーム右6近傍に設けられた小フレーム64に、キャリッジ13の動作方向(主走査方向)と同じ方向にスライド可能に取り付けられている。小フレーム64とトリガ部材63との間には図9に示す様に「付勢手段」としての引っ張りコイルばね65が掛架され、当該引っ張りコイルばね65は、トリガ部材63を、HOME側から記録領域側に向けて付勢する。
一方、トリガ部材63はキャリッジ13の主走査領域のやや後側に位置する様に設けられているが、キャリッジ13の主走査領域の側に突出する様な係合部63b(図2及び図6参照)が形成され、該係合部63bが、キャリッジ13の側に形成された係合部13a(図6参照)と係合可能となっている。そして、これにより、キャリッジ13が記録領域からHOME側に移動すると、トリガ部材63がキャリッジ13に押されてHOME側にスライド変位することができる様になっている。
ここで、トリガ部材63は、レバー部60aの揺動動作を拘束するが、その一部に揺動動作を拘束しない様に溝部63aが形成されている。即ち、トリガ部材63とキャリッジ13とが非係合状態にあるときには、トリガ部材63は引っ張りコイルばね65の付勢力により、レバー部60aの揺動動作を拘束する位置(以下これをトリガ部材60の「トリガオフ位置」と言う)に保持され、これによってレバー部材60は揺動できず、動力伝達のオフ状態が維持される。しかし、トリガ部材60がキャリッジ13によって押されてスライドすることにより、溝部63aがレバー部60aの位置に一致すると(以下これをトリガ部材60の「トリガオン位置」と言う)、レバー部60aが溝部63aを通過可能となり、従ってトリガ部材60が揺動可能な状態、つまり動力伝達状態をオフ状態からオン状態に切り替えることができる。
図6は、トリガ部材63とキャリッジ13とが非係合状態にあり、トリガ部材63がトリガオフ位置にある状態を示したものである。この状態では、上述した様にレバー部材60の揺動動作が拘束されているので、搬送駆動ローラ21を正転駆動から逆転駆動に切り替えても、給送ローラ21への動力伝達は行われない。従って、搬送駆動ローラ21を自在に正逆駆動することができ、特に、キャリッジ13が上述したDVD切替位置にあるときには、搬送駆動ローラ21を自在に正逆駆動して、必要なトレイ搬送制御を行うことができる。尚、図9はトリガ部材63がトリガオフ位置にある状態を示している。
次に、キャリッジ13がHOME側に移動すると、キャリッジ13の係合部13aとトリガ部材63の係合部63bとが係合し、キャリッジ13がトリガ部材63を図7及び図10に示す様にトリガオン位置にまで移動させ、これにより、給送ローラ軸28aへの動力伝達が可能な状態となる。この状態において、上述した様に搬送駆動ローラ21が正転駆動から逆転駆動に切り替えられると、図10及び図13に示す様にレバー部材60が揺動して給送ローラ軸28aへの動力伝達状態がオン状態となる。
そして更にキャリッジ13がHOME側に移動すると、図8及び図11に示す様に再びレバー部材60の揺動動作を拘束する状態となる。従って、トリガ部材63はそのスライド範囲内において一部分にのみトリガオン位置を有し、それ以外の部分は、全てトリガオフ位置となる。
以上により、トリガ部材63が、キャリッジ13によってトリガオフ位置からトリガオン位置へ移動されて、給送ローラ軸28aへの動力伝達状態をオフ状態からオン状態へ切り替えることが可能となるが、キャリッジ13との非係合状態においては、引っ張りコイルばね65によってトリガオフ位置に保持される。従ってキャリッジ13がクラッチ装置50から離れた場所にあるときでも、搬送駆動ローラ21の正転動作から逆転動作への切り替わりによって給送ローラ軸28aへの動力伝達状態がオフ状態からオン状態に切り替わらず、これによって搬送駆動ローラ21を自在に正逆駆動することが可能となり、ディスクトレイ33の駆動制御を自在に実行することが可能となる。
尚、上述した給送ローラ軸28aの様に選択的に回転駆動すべき駆動対象はこれに限られず、他のどの様な駆動対象であっても構わない。
ところで、トリガ部材63の小フレーム64に対する姿勢を適切な状態とする為に、図15に示す様な構成とすることもできる(図15では、上述したトリガ部材63とは一部構成が異なることから、符号63’を伏して示している)。ここで、図15は図6乃至図8とは反対に、キャリッジ上方から小フレーム64を視た平面図である。即ち、トリガ部材63’には、そのスライド方向(図15の左右方向)に延びる長溝(符号68で示す)が形成されるとともに、当該長溝に、スライド方向に延びる「プレート材」としての小フレーム64が嵌入することで、トリガ部材63’が小フレーム64によってガイドされながらスライド動作する様に構成されている。そしてトリガ部材63’には、小フレーム64のフレーム面(プレート面)から離間する方向に突出する「付勢手段取付部」としてのばね掛止部63c’が形成されるとともに、当該ばね掛止部63c’に付勢手段としての引っ張りコイルばね65の付勢力が作用する様に構成されている。
従ってトリガ部材63’が引っ張りコイルばね65によってトリガオフ位置(図15では右側)に付勢される際に、トリガ部材63’には小フレーム64のフレーム面を中心としたモーメント力が働き、その結果としてトリガ部材63’の姿勢が小フレーム64のフレーム面に対して平行とならない虞がある。そしてトリガ部材63’の姿勢が小フレーム64のフレーム面に対して平行にならない(傾く)と、不本意なトリガ部材63’とキャリッジ13との衝突(或いは接触)を招くことになる。そこで、図15においては、トリガ部材63’に形成された長溝内に、小フレーム64のフレーム面に向けて突出する様な形状を成すスライダ部67a、67bが、前記モーメント力によって前記フレーム面に圧接する位置に設け、これによってトリガ部材63’の小フレーム64に対する姿勢が規制される様に構成した。これにより、図示する様に小フレーム64のフレーム面とトリガ部材63’との間には空隙68、68が形成されるとともに、スライダ部67a、67bが前記フレーム面に圧接しながらスライド動作する。以上により、トリガ部材63’の小フレーム64に対する姿勢をスライダ部67a、67bによって規制することができ、不本意なキャリッジ13とトリガ部材63’との衝突を防止することができる。
尚、本実施形態においては、トリガ部材63’が停止する際の衝撃を緩和する弾性部材66a、66bが設けられている。弾性部材66aはトリガ部材63’に取り付けられてサイドフレーム右6に当接し、弾性部材66bは小フレーム64に取り付けられて、トリガ部材63’と当接する。従ってこれにより、トリガ部材63’が停止する際の衝撃音を低減させることができる様になっている。
続いて、給紙トレイ30、ホッパ31、給送ローラ28、クラッチ装置50を含む給送装置の特徴的な構成について図16乃至図27を参照しながら説明する。ここで、図16はメインフレーム5を背面側から視た斜視図、図17はクラッチ装置50及びホッパ押し上げ板77の斜視図、図18(A)はカム歯車73の斜視図、図18(B)は歯車71の斜視図、図19はクラッチ装置50の正面図、図20及び図21は戻しレバーカム74の正面図、図22は給送ローラ28の回転角に対する、給送装置の各構成要素の動作関係を示すタイミングチャートである。また、図23は給紙トレイ30を含めた紙案内部材19の側面図、図24は給紙トレイ30の斜視図、図25はエッジガイド83の斜視図、図26は給紙トレイ30の斜視図、図27は紙案内部材19の斜視図である。
先ず、図16に示す様に、メインフレーム5には、給送ローラ軸28aの変形を防止する変形防止手段としての支持部材81が設けられている。即ち、紙ジャム等が発生した際にユーザが用紙を除去する場合等、給送ローラ28に無理な負荷が加えられると、給送ローラ軸28aが撓み、これによって中間歯車54と中間歯車55との間で歯飛びが発生し、クラッチ装置50における回転体の位相が不適切な状態となる虞がある。そこで、メインフレーム5に、中間歯車54と中間歯車55との間における歯飛びを発生する方向に給送ローラ軸28aが撓まない様に規制する支持部材81を設けて、クラッチ装置50における回転体の位相を常に正しい状態に維持している。
次に、図17に示す様に、クラッチ装置50には、図9乃至図14では図示を省略した「カム手段」を構成する「第2の歯車」としての歯車71及び「第1の歯車」としてのカム歯車73が設けられている。歯車71は給送ローラ軸28aの軸端に取り付けられ、給送ローラ軸28aの回転に伴って回転し、カム歯車73に動力を伝達する。カム歯車73は、中間歯車55の回転軸の軸端に取り付けられるとともに歯車71と噛合し、歯車71から動力を受けて、給送ローラ軸28aの回転に伴って回転する。
一方、ホッパ31の下部には、図3では図示を省略したホッパ押し上げ板77がホッパ31と一体となる様に設けられている。ホッパ押し上げ板77は揺動軸77aを中心に揺動可能に設けられるとともに、揺動軸77からクラッチ装置50に延びるアーム部77bの中程に「ホッパ付勢手段」としての引っ張りコイルばね79の一端が取り付けられ、ホッパ31を上方に押し上げる方向に付勢された状態に設けられている。一方、アーム部77bの先端近傍には上記カム手段を構成するカムフォロア78が設けられ、同じく上記カム手段を構成する、カム歯車73の円盤面に形成されたカム73bと係合可能となっている。従ってカム歯車73の回転により、図示する様にカムフォロア78が下方に押し下げられ、即ちホッパ31が引っ張りコイルばね79の付勢力に抗して離間姿勢をとる様に押圧される。以上の様な構成により、ホッパ31は圧接姿勢と離間姿勢とを変化する。
ここで、給送ローラ軸28aの一回転動作の中で、ホッパ31の上昇タイミング或いは下降タイミングを正確に規定する為に、カム歯車73と歯車71(即ち給送ローラ軸28a)との位相合わせが必要となる。従って、図18(A)に示す様にカム歯車73の一部には、歯が歯幅方向に一部欠かれた形状を成す(歯幅が小さい)異形歯部73bが形成され、一方で図18(B)に示す様にカム歯車71の一部には、歯と歯の間が一部埋められた形状を成す(歯幅が小さい)異形歯部71aが形成されて、そして更に異形歯部73bと異形歯部71aとがちょうど嵌合可能な様に構成されている。従って、歯車71とカム歯車73とを噛合させる際に、異形歯部73bと異形歯部71aとが嵌合する様に噛合させることで、給送ローラ軸28aに対するカム歯車73の位相が正確に規定される。尚、図18(A)において符号73cで示すマーク、及び図18(B)において符号71bで示すマークは、異形歯部73b及び異形歯部71aがそれぞれ形成された位置を示す為のマークである。
ここで、カム歯車73が、ホッパ押し上げ板77を引っ張りコイルばね79の付勢力に抗して押し下げる際には、カム歯車73と歯車71との噛合部(歯面)に大きな負荷が掛かることになる。そしてこの様に大きな負荷が掛かるタイミングと、歯幅の小さい異形歯部73bと異形歯部71aとが噛合するタイミングが一致すると、歯飛びを招く虞がある。そこで、歯面負荷が最も大きくなるホッパ押し上げ板77の押し下げタイミングと、異形歯部73bと異形歯部71aとが噛合するタイミングが一致しない様に異形歯部73bと異形歯部71aとを形成し、上述した歯飛びの発生を確実に回避する様に構成している。
図19及び図22は、上記構成をより詳しく示すものである。図22において、横軸は給送ローラ28の回転角を示しており、「ギア歯面負荷」は、給送ローラ28の回転角度に対する、歯車71とカム歯車73との間における噛み合い部分の、歯面負荷の変化を示している。図19において、歯車71は給送ローラ28の回転に伴って図の時計回り方向に回転し、カム歯車73は、図の反時計回り方向に回転する。図19(A)は給送ローラ28の回転角が0degの場合を示していて、図示する様にカム部73aがカムフォロア78を下方に押し下げた状態にある。この状態から給送ローラ28が回転すると、カム部73aがカムフォロア78から外れて、再びカム部73aがカムフォロア78と係合するまで歯面負荷は一定(負荷F)となる。図19(B)は、このときの状態の一例を示している。そして、カム部73aが、再びカムフォロア78と係合した際に、歯面負荷が最大(負荷F)となる。異形歯部71aと異形歯部73bとの噛合タイミングは、図19(B)に示す様にカム部73aがカムフォロア78と係合しない範囲内に設定され(負荷Fの領域)、これにより、上述した歯飛びの問題を回避することができる様になっている。
次に、戻しレバー25について詳説する。給送装置を構成する戻しレバー25は、給送ローラ28と対向する位置に配置された紙案内部材19に設けられている。紙案内部材19は、図27に示す様に用紙幅方向に長い形状を成し、その上面には用紙給送方向に延びるリブ19aが用紙幅方向に所定の間隔を置いて形成され、用紙通過時の摩擦による負荷が軽減される様になっている。また、紙案内部材19には、用紙Pの通過を検出する紙検出器(図示せず)を構成する検出レバー(図示せず)の先端が入り込む穴19dが形成されるとともに、当該穴19dの両側に、用紙給送方向に延びるリブ19c、19cが形成されている。従って、紙案内部材19によって給送方向へ案内される用紙Pは、紙幅方向に渡って局在する様に形成されたリブ19a及びリブ19cによって、用紙幅方向に均一な姿勢となる様ガイドされる為、給送負荷やスキュー等を招くことなく適切に給送される。
戻しレバー25は、図26に示す様に、上記案内部材19と同様に用紙幅方向に長い形状を成す様に形成されるが、その長さは案内部材19よりも短く、そして給紙トレイ30に対し、用紙幅方向において偏在する様に設けられた給送ローラ28と対向する位置に配置される。そして戻しレバー25は、図20に示す様に揺動軸25aを中心に用紙給送経路を側視して時計回り方向及び反時計回り方向に揺動可能に設けられるとともに、図示しない付勢手段によって図20に示す様に起き上がる方向(図の時計回り方向)に揺動する様に付勢されている。
また、戻しレバー20には、給送ローラ28と対向する位置に摩擦分離材26が配置されている。一方給送ローラ28は、ローラ本体部28bに弾性材(例えばゴム材)28cが巻回されて成り、この弾性材28cと摩擦分離材26とが、給送ローラ28の回転(図20では時計回り方向)に伴って圧接する様に構成されている(図21(B)に示す状態)。従ってホッパ31の上昇によって用紙Pが給送ローラ28に圧接し、そして給送ローラ28の回転に伴って最上位の用紙Pが繰り出される際に、給送されるべき用紙Pとこれにつられて重送されようとする次位以降の用紙Pが弾性材28cと摩擦分離材26との圧接点に留まり、用紙の重送が防止される様になっている。尚このとき、戻しレバー25は図21(B)に示す様に下流側に倒れた状態となっている。
そして、戻しレバー25は、図22に示す様に弾性材28c(給送ローラ28)と摩擦分離材26との圧接状態が解除されるとほぼ同時に(符号cで示す位置)上流側に起き上がり、これにより、摩擦分離材26に留まっている次位以降の用紙Pが給紙トレイ30へと戻される。
一方、戻しレバー25には、図20に示す様にカムフォロア25bが形成されていて、そして当該カムフォロア25bと係合可能な様に、戻しレバーカム74が給送ローラ軸28aと一体的に形成されている。戻しレバーカム74のカムプロファイルは、戻しレバー25が図22に示す様な動作を行うように形成され、即ち給送ローラ28の回転(図20の時計回り方向)開始後、先ず第1カム部74aがカムフォロア25bと係合し(図22のa地点)、戻しレバー25を下流側に倒す。図22のb地点(戻しレバー25の回転角α)までは、第1カム部74aとカムフォロア25bとの係合状態が継続し、図22のb地点からは、第1カム部74aとカムフォロア25bとの係合状態が解除されるが、これとともに弾性材28cと摩擦分離材26とが圧接し、戻しレバー25が下流側に更に倒れ(戻しレバー25の回転角α)、そしてこの状態が維持される。そして、側面視略D型の形状を成す給送ローラ28の円弧部分と摩擦分離材26との圧接状態が解除される際(図22(B)に示す状態)には、戻しレバーカム74には切り欠き部74bが形成されており、戻しレバーカム74とカムフォロア25bとの係合状態が形成されない為、前記円弧部分と摩擦分離材28bとの圧接状態が解除されるとともに戻しレバー25は上流側に起き上がり、摩擦分離材26に留まっている用紙Pが給紙トレイ30へと戻される。
ここで、戻しレバーカム74が、図20の仮想線及び符号74b’で示す様なカムプロファイルを有していると、戻しレバー25が上流側に起き上がるタイミングが、図22の符号Sで示す様に遅れることになる。すると、図22の例では給送ローラ28の円弧部分(弾性材28c)と摩擦分離材26との圧接状態が解除されたにもかかわらず、戻しレバー25が下流側に倒れたままの状態が僅かに形成され、従って摩擦分離材26に留まっていた用紙Pが給送ローラ28の回転に伴って下流側に僅かに進行してしまい、その結果、当該重送された用紙Pの先端が戻しレバー25の更に下流側に進んで、戻しレバー25によって用紙Pを給紙トレイ30へ戻せなくなるといった問題が生じる。そこで、上述の通り戻しレバーカム74のカムプロファイルを、給送ローラ28と摩擦分離材26との圧接状態が解除されるタイミングと、戻しレバー25が上流側に起き上がる(用紙Pの戻し動作が行われる)タイミングとが略一致する様に成し、これによって用紙の重送を確実に防止することが可能となっている。
次に、用紙給送時の紙ジャム対策について図20、図23、図24を参照しながら説明する。図20に示す様に、紙案内部材19の底部には、底部から突出する様な形状を成す突起19bが、用紙幅方向に所定の間隔を置いて複数形成されている。一方、図23及び図24に示す様に、給紙トレイ30の側においてセットされた用紙Pの先端を規制する壁30eの上部には、壁30eの上部に配置された紙案内部材19に向けて突出する様な形状を成す突起30bが、用紙幅方向に所定の間隔を置いて複数形成されている。紙案内部材19に形成された突起19bと給紙トレイ30に形成された突起30bとは、給紙トレイ30がセットされた際に干渉しない様な位置に形成されており、且つ、給紙トレイ30がセットされると、図23に示すように用紙給送経路を側視して突起19bと突起30bとが重なり合う様に配置されている。これは、以下の理由による。即ち、給紙トレイ30はプリンタ1本体に対して着脱自在に構成される為、着脱性を確保する為には、紙案内部材19との間に一定の隙間Xが必要となる。しかしこの様に隙間Xを有すると、給送されるべき最上位の用紙Pにつられて重送されようとする次位以降の用紙Pの先端が、隙間Xに入りこみ、紙ジャムを招く虞がある。そこで上述の様に、紙案内部材19及び給紙トレイ30から、それぞれ用紙幅方向に互い違いに突起を形成し、そしてこれら突起によって隙間Xを塞ぐようにすることによって、上述した紙ジャムの発生を防止している。
次に、給紙トレイ30に設けられ、セットされる用紙Pの側端をガイドするエッジガイドについて図24及び図25を参照しながら説明する。図24に示す様に、給紙トレイ30の本体30aには、用紙Pの側端をガイドするエッジガイド82、83、84が設けられ、更にエッジガイド83はガイドレール30cにガイドされながら用紙長さ方向に、そしてエッジガイド84はガイドレール30dにガイドされながら用紙幅方向にそれぞれスライド可能に設けられ、用紙Pのサイズに応じて適切な位置に保持可能となっている。
ここで、セットされた用紙Pの後端をガイドするエッジガイド83は、図25に示す様に給紙トレイ30の底面に平行なスライド部83aと、当該スライド部83aに直交するガイド部83bとを備えて構成されている。そして、ガイド部83bの下端(スライド部83aとガイド部83bとが交差する部分)には段差部83cが形成され、これにより、図25(B)に示すようにセットされた用紙Pの後端をガイドした状態では、上位の用紙Pとガイド部83bとの間に、僅かな隙間が形成される様になっている。
これは、以下の理由による。即ち、エッジガイド83は給紙カセット30の本体30aに設けられていることから、ホッパ31とともに揺動動作を行わず、その結果、ホッパ31の揺動動作に伴ってセットされた用紙Pのうち下位のものと上位のものとが描く軌跡が異なることになる。特に、エッジガイド83が固定された状態でホッパ31が上昇し、そしてこの状態で戻しレバー25によって重送されようとした用紙Pが給紙カセット30の側に戻されても、当該戻された用紙Pが給紙カセット30に収まらずに、その先端が壁30eの上端に載った状態となる。即ち、紙戻し不良が生じる。また、ホッパ31の上昇に伴って上位の用紙Pと下位の用紙Pが動く際の軌跡が異なることから、ガイド部83bが一様な面を成していると、ホッパ31が上昇する際に、上位の用紙Pがガイド部83bと壁30eとに挟まれ、ホッパ31が上昇及び下降動作を円滑に行えない虞がある。しかし上述の様に段差部83cを形成することで、ホッパ31が上昇しても、上位の用紙Pが給紙カセット30内に収まる領域が確保され、上述した紙戻し不良を防止できるとともに、円滑な給紙動作を実行することができる。
続いて更に、図28及び図29を参照しながら、プリンタ1のその他の特徴的な構成について説明する。ここで、図28は搬送従動ローラホルダ27の側面図、図29は搬送従動ローラホルダ27の斜視図である。
先ず、図28及び図29を参照しながら搬送従動ローラホルダ27について説明する。図28において、搬送従動ローラホルダ27は、図3に示した搬送従動ローラ22を軸支するホルダであり、1つの搬送従動ローラホルダ27に、2つの搬送従動ローラ22が自由回転可能に軸支される様になっている。
この搬送従動ローラホルダ27は、揺動軸27aを中心に用紙搬送経路を側視して揺動可能に設けられるとともに、図示しない付勢手段によって搬送従動ローラ22が搬送駆動ローラ21に圧接する方向に付勢された状態に設けられている。また、搬送従動ローラホルダ27は、上流側から給送される用紙Pを搬送駆動ローラ21及び搬送従動ローラ22に案内する機能を果たす為に、用紙搬送方向に延びるリブ27cが、用紙幅方向に所定の間隔を置いて複数設けられている。そして、リブ27cの下流側には、用紙搬送経路に突出する様な突起27bが形成されている。突起27bは、上流側から給送される用紙Pの妨げにならない様に上流側に斜面を有しながら、用紙搬送経路に突出する様に形成されている。この突起27bは、用紙P先端を搬送駆動ローラ21と搬送従動ローラ22のニップ点へ向けて案内する機能を果たし、これにより、紙ジャムの発生を防止することができる。特に、用紙Pの食い付き吐き出し方式のスキュー取り時においては、上流側に吐き出された用紙P先端が向かう方向が、突起27bによって搬送駆動ローラ21と搬送従動ローラ22とのニップ点に向かうので、スキュー取り時における紙ジャムを効果的に防止することができる。
また、用紙幅方向に複数設けられる搬送従動ローラホルダ27の中でも特に、戻しレバー25と対向する位置に配置される搬送従動ローラホルダ27においては、リブ27cが、図示する様に戻しレバー25の揺動軌跡に沿うような凹曲線27dを成す様に形成されている。従ってこれにより、用紙Pが搬送される際にリブ27cと戻しレバー25によって用紙Pに幅方向に波打つ様な姿勢が形成されず、搬送負荷を生じさせることなく円滑に用紙Pを搬送することができるとともに、用紙Pの印刷面へのダメージを防止することができる。
本発明に係るプリンタの外観斜視図である。 本発明に係るプリンタの装置本体の外観斜視図である。 本発明に係るプリンタの側断面概略図である。 サイドフレーム左近傍の斜視図である。 キャリッジが果たす機能を説明する為の概念図である。 記録ヘッド(キャリッジ底部)の平面図である。 記録ヘッド(キャリッジ底部)の平面図である。 記録ヘッド(キャリッジ底部)の平面図である。 クラッチ装置の斜視図である。 クラッチ装置の斜視図である。 クラッチ装置の斜視図である。 クラッチ装置の正面図である。 クラッチ装置の正面図である。 クラッチ装置の正面図である。 キャリッジ上方から小フレームを視た平面図。 メインフレームを背面側から視た斜視図。 クラッチ装置及びホッパ押し上げ板の斜視図。 (A)はカム歯車の斜視図、(B)は歯車の斜視図。 クラッチ装置の正面図。 戻しレバーカムの正面図。 戻しレバーカムの正面図。 給送装置の各構成要素の動作を示すタイミングチャート。 給紙トレイ及び紙案内部材の側面図。 給紙トレイの斜視図。 エッジガイドの斜視図。 給紙トレイの斜視図。 紙案内部材の斜視図。 搬送従動ローラホルダの側面図。 搬送従動ローラホルダの斜視図。 メインフレームの背面側の斜視図。 トレイガイドの取付部の斜視図。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、3 ハウジング、4 下部シャーシ、5 メインフレーム、6 サイドフレーム右、7 サイドフレーム左、8 フロントカバー、11 主キャリッジガイド軸、12 副キャリッジガイド軸、13 キャリッジ、14 記録ヘッド、15 インクカートリッジユニット、16 インクカートリッジ、17 ユニット退避つまみ、18 キャリッジモータ、19 紙案内部材、20 プラテン、21 搬送駆動ローラ、22 搬送従動ローラ、23 排紙駆動ローラ、24 排紙従動ローラ、25 戻しレバー、
25a 揺動軸、25b カム部、26 摩擦分離材、27 搬送従動ローラホルダ、28 給送ローラ、28a 給送ローラ軸、29 PFモータ、30 給紙トレイ、31 ホッパ、33 ディスクトレイ、34 トレイガイド、35 自動ギャップ調節装置、36 係合ピン、37、38 歯車、39 トレイガイド、40 小フレーム、41 レバー、42、43 歯車、50 クラッチ装置、51 被伝達部材、52 リング状部材、52a 揺動軸、52b 歯部、52c 突起部、53 ラチェット歯車、54〜58 歯車、59 軸、60 レバー部材、60a レバー部、60b 突起、63 スライド部材、63a 溝部、63b 係合部、64 小フレーム、65 引っ張りコイルばね、66a、66b 弾性材、67a、67b スライダ、68 空隙、71 伝達歯車、71a 異形歯部、71b マーク、73 カム歯車、73a カム部、73b 異形歯部、73c マーク、74 戻しレバーカム、77 ホッパ押し上げ板、78 ホッパカム、79 ホッパばね、80 給紙トレイ、81 支持部材、82〜84 エッジガイド、D ディスク、P 記録用紙

Claims (3)

  1. 第1のモータによって主走査方向に往復駆動される、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドを備えたキャリッジと、
    第2のモータによって回転駆動される第1の回転駆動対象と、
    前記第2のモータとの間に動力伝達のオン及びオフの切り替えを行うクラッチ装置を介することによって選択的に回転駆動される第2の回転駆動対象と、を備えた、被記録媒体に記録を行う記録装置において、前記第1の回転駆動対象の回転方向の切り替わりによって前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達状態をオフ状態からオン状態に切り替える様に構成された前記クラッチ装置であって、
    前記第2のモータによって回転駆動される回転体との間の摩擦力によって揺動駆動されるレバー部材と、
    前記レバー部材と係合可能に設けられ、前記第1の回転駆動対象の回転方向の切り替わりによって前記レバー部材と係合すると、前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達状態をオン状態からオフ状態に切り替え、且つ、前記第1の回転駆動対象の回転方向の切り替わりによって前記レバー部材と係合解除すると、前記第2のモータから前記第2の回転駆動対象への動力伝達状態をオフ状態からオン状態に切り替える様に構成されたクラッチ手段と、
    主走査方向にスライド可能に設けられ、スライドすることにより、前記レバー部材の揺動動作を拘束して前記レバー部材を前記クラッチ手段との係合状態に保持するトリガオフ位置と、前記レバー部材の揺動動作を拘束しないトリガオン位置と、を変位する様に構成されたトリガ部材と、
    前記トリガ部材を前記トリガオフ位置に保持する様に付勢する付勢手段と、を備え、
    前記クラッチ手段は、前記第1の回転駆動対象から動力を受け、前記第1の回転駆動対象の回転に伴って回転するラチェット歯車と、
    前記ラチェット歯車と噛合可能な歯部及び前記レバー部材と係合可能な突起部を備えるとともに揺動可能に設けられ、前記レバー部材と係合解除して前記歯部が前記ラチェット歯車と噛合する第1状態と、前記レバー部材と係合して前記歯部が前記ラチェット歯車との噛合を解除する第2状態と、を揺動することにより切り替える揺動部材と、
    前記揺動部材が揺動可能に取り付けられ、前記揺動部材が前記第1状態にある際に、前記揺動部材を介して前記ラチェット歯車から動力を受けて前記揺動部材と共に回動し、前記第2の回転駆動対象へと動力を伝達する被伝達部材と、を備えて構成されており、
    前記トリガ部材が前記キャリッジと係合可能に設けられ、前記トリガオフ位置から前記トリガオン位置へは前記キャリッジの変位動作によって移動し、且つ、前記キャリッジと係合しない非係合状態では前記付勢手段によって前記トリガオフ位置に保持される
    ことを特徴とするクラッチ装置。
  2. 請求項1に記載のクラッチ装置において、前記トリガ部材に、当該トリガ部材のスライド方向に延びる長溝が形成されるとともに、当該長溝に、前記トリガ部材のスライド方向に延びるプレート材が嵌入することで、前記トリガ部材が前記プレート材によってガイドされながらスライド動作する様に構成され、
    更に前記トリガ部材には、前記プレート材のプレート面に交差する方向に突出する付勢手段取付部が形成されるとともに、当該付勢手段取付部に、前記付勢手段の付勢力が作用する様に構成されていて、
    前記トリガ部材の前記長溝内に、前記プレート材のプレート面に向けて突出する様な形状を成すスライダ部が、前記付勢手段の付勢力によって前記プレート材のプレート面に圧接する位置に設けられたことにより、前記トリガ部材の前記プレート材に対する姿勢が規制される様に構成されている、
    ことを特徴とするクラッチ装置。
  3. 被記録媒体に記録を行う記録装置であって、請求項1または2に記載の前記クラッチ装置を備えている、
    ことを特徴とする記録装置。
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