JP5358909B2 - 炭素酸化物のメタン化触媒の製造方法およびメタン化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二酸化炭素、一酸化炭素および二酸化炭素、またはこれらを主成分とするガスと、水素とを反応させてメタンを製造するための触媒に関し、触媒の製造方法、およびこの触媒を使用したメタン化方法にも関する。
化石燃料を燃焼することによって排出される二酸化炭素が引き起こす、地球温暖化の問題が深刻となり、排出量を削減する対策が検討されている。一つの方法として、二酸化炭素を水素と反応させてメタンを生成させる方法が、エネルギー生産法としても期待されている。それとともに、コークス、石炭、バイオマス燃料、汚泥廃棄物などのガス化で得られる水素、一酸化炭素、二酸化炭素からなる低カロリーガスをメタン化して、高カロリーのガスを製造する技術にも、期待がかかっている。
二酸化炭素および一酸化炭素を含む混合ガスと水素とを接触的に反応させ、メタンを製造する反応の触媒として、これまで、ラネーニッケル、アルミナおよびシリカを担体とした触媒を用いることが試みられていた。しかしながら、既知のこの種の触媒では、メタンヘの転化の反応速度が遅いため、反応圧力を高圧にする必要があった。
メタン合成を効率よく行なうことができる触媒として、筆頭発明者を中心とする研究グループは、Ni,Coなどの鉄族金属と、Zr,Ti,Nb,Taなどのバルブメタルとの合金の溶湯を、液体急冷法によってリボン状のアモルファス合金にしたものが、すぐれた触媒性能を有することを見出し、すでに開示した。(特許文献1、特許文献2,特許文献3)。この触媒は、メタンヘの選択率がほぼ100%であり、大気圧下においてもきわめて高い転化率を示す。しかしながら、液体急冷法による触媒製造は、量産性に欠けるほか、触媒がリボン形状であるため、触媒反応システムが制限されるという問題がある。
そこで発明者のグループは、上述の触媒を基礎にして、リボン状触媒に代わる、量産性の高い粉末触媒を製造する方法を開発し、これも開示した(特許文献4)。この触媒は、正方晶系ジルコニア担体にNiおよび(または)Coを担持した触媒であって、Zrの酸化物中に正方晶を形成し安定化するための安定化元素(Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Eu,MgおよびCa)のいずれかを加えた正方晶系ジルコニア担体を焼成により用意し、それにNiおよび(または)Coの化合物の溶液を含浸させ、加熱して乾燥した後、還元してNiおよび(または)Coを金属状態にしたものである。
特開平10−43594 特開平10−244158 特開平10−263400 特開2000−254508
特許文献4に記載されている触媒とその製造方法には、以下の諸態様がある。
(1)正方晶ジルコニア系担体にNi及び/又はCoを担持してなる二酸化炭素メタン化用触媒において、該正方晶ジルコニア系担体は、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Eu、MgおよびCaよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の安定化元素を含み、該ジルコニア担体中の安定化元素の含有量が、Zrと安定化元素との合計に対して15原子%以下であり、Ni及び/又はCoの担持量が、Zrと安定化元素とNi及び/又はCoとの合計に対して5〜50%であることを特徴とする二酸化炭素メタン化用触媒。
(2)上記の二酸化炭素メタン化用触媒を製造する方法において、
ジルコニアゾル水溶液に、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Eu、MgおよびCaよりなる群から選ばれる1種又は2種以上の塩を添加し、撹拌下、加熱蒸発乾固させて主成分が正方晶系構造のジルコニア系担体を製造する工程と、得られたジルコニア系担体をNi及び/又はCoの水溶液に添加し、撹拌下、加熱蒸発乾固させた後焼成し、その後還元処理することを特徴とする二酸化炭素メタン化用触媒の製造方法。
(3)正方晶ジルコニア系担体にNi及び/又はCoを担持してなる二酸化炭素メタン化用触媒において、該正方晶ジルコニア系担体は、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Eu、MgおよびCaよりなる群から選ばれる1種または2種以上の安定化元素含み、該ジルコニア系担体中の該安定化元素の含有量が、Zrと安定化元素との合計に対して15原子%以下であり、Ni及び/又はCoの担持量が、Zrと安定化元素とNi及び/又はCoとの合計に対して5〜50%であることを特徴とする二酸化炭素メタン化用触媒であって、ジルコニアゾル水溶液に、前記安定化元素の塩を添加し、撹拌下、加熱蒸発乾固させて主成分が正方晶系構造のジルコニア系担体を製造する工程と、得られたジルコニア系担体をNi及び/又はCoの水溶液に添加し、撹拌下、加熱蒸発乾固させた後焼成し、その後還元処理することにより製造されることを特徴とする二酸化炭素メタン化用触媒。
さらに二酸化炭素メタン化用触媒の改良を進めた発明者らは、特許文献4に開示したような、あらかじめ正方晶系ジルコニア構造の担体を用意して、それにNiおよび(または)Coを担持するという工程によるよりも、触媒を構成する上で必要な成分をすべて含む酸化物混合物をまず製造し、ついで還元処理を施すという工程による方が、高性能の触媒が得られることを見出し、本発明に到達した。
したがって本発明の目的は、新規な製造方法によって触媒を製造し、二酸化炭素のメタン化反応において、250℃またはそれ以下の低温でも高い活性を示す触媒であって、同時に、バイオマスその他をガス化して得られる二酸化炭素、一酸化炭素および水素からなる混合ガスからメタンを製造する場合にも好適な触媒と、その製造方法を提供することにある。
本発明のメタン化反応用触媒は、二酸化炭素、一酸化炭素および二酸化炭素、またはこれらを主成分とする混合ガスを水素化してメタンを製造するための触媒であって、元素状態の金属を基準とした総和を100%とするとき、Sm,Ce,LaおよびYから選んだ希土類元素Mの1種または2種以上が2.4〜18.75原子%、Zrが22.5〜69原子%を占め、ただし、Zr:M(原子比)=3〜11.5の割合であって、さらに、触媒活性を担う鉄族元素であるNiが25〜70原子%を占める化学組成を有し、希土類元素とともにNiの一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の酸化物に、金属状態のNiを担持させてなるメタン化反応用触媒である。
本発明の正方晶系ジルコニア構造の複酸化物を担体とし、金属状態のNiまたはNiとFeおよび(または)Coである鉄族元素を活性成分として担持した触媒は、反応選択率がほぼ100%メタンであって、反応平衡は、常圧でも極端に生成物側に片寄っているため、反応混合物から不純物を除去して未反応原料を循環させ、反応を高圧で何度も繰り返さなければならない、という問題は解消した。したがって、メタンとともに生成する水を除去するだけで、原料循環のための複雑な設備を必要とせずに、かつ、高圧でなく常圧で操業する単純な装置を用いて、迅速に、二酸化炭素または一酸化炭素と二酸化炭素との混合ガスを水素と反応させ、メタンに転換させることができる。本発明の触媒を用いれば、一酸化炭素、二酸化炭素の混合ガスの場合、有毒な一酸化炭素をまずすべてメタンに転換し、残る水素で二酸化炭素をメタンに転換する、という理想的な機構を実現することができる。この触媒の製造は、きわめて容易である。
触媒活性を担う鉄族元素は、Niだけでなく、Niに、FeおよびCoの1種または2種を加えたものも使用できる。ただし、鉄族元素のうちNiが、原子比で6割以上を占めるようにしなければならない。
本発明の触媒の製造方法は、上記したメタン化反応用触媒を製造する方法であって、
ジルコニアのヒドロゾル、希土類元素の塩の水溶液および鉄族元素の塩の水溶液を、各成分の原子比が上記の成分組成に関する条件を充足するような割合で混合し、混合物を濃縮乾固させて焼成し、ついで還元処理することにより、希土類元素とともに鉄族元素の一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の酸化物に、金属状態の鉄族元素が担持された構造を実現することからなる。
この触媒製造方法の特徴は、既知の、すなわち特許文献4に開示した製造方法のように、まず正方晶系ジルコニアからなる担体を形成した後に、活性金属の塩の水溶液を混合し、還元するという二段の工程によらず、必要な成分をすべて水溶液の形で混合し、この混合物を蒸発乾固し、還元処理するという、一段の焼成プロセスによって触媒を得ることにある。
この一段焼成プロセスによるときは、蒸発乾固から焼成までの過程で、希土類元素だけでなく鉄族元素の一部も含んだ正方晶系ジルコニア構造の複酸化物と、鉄族元素の酸化物との混合物が生成する。続く還元によって、鉄族元素の酸化物が還元され、その結果、金属状態の鉄族元素が、正方晶系ジルコニア構造の複酸化物に担持された構造の触媒ができる。このように、還元処理後も、担体である正方晶系ジルコニア構造の複酸化物には、希土類元素とともに鉄族元素の一部が含まれている。ただし、高い活性を有する触媒の担体となる正方晶系ジルコニア構造の安定化という観点からは、希土類元素だけを含んでいれば足り、鉄族元素の一部が含まれる必要はない。
この触媒を、一酸化炭素を含むガスのメタン化に使用すると、きわめて高い活性を示し、とくに、一酸化炭素−二酸化炭素−水素の混合ガスに対しては、猛毒の一酸化炭素を優先的にメタン化するので、反応生成物の取り扱いが安全にできるという利点がある。その際、正方晶系ジルコニアの構造中に含まれている酸化状態のニッケルは、一酸化炭素と反応して選択的に失われることがある。しかし、ニッケルが失われても、正方晶系ジルコニア構造は希土類元素を含むことによって安定化されており、その状態に変化はなく、また、触媒活性を担う金属状態のニッケルは、担持されたまま失われないから、高い触媒活性が持続する。
上述した触媒製造方法において、粉末状の触媒に対し、ケイ酸塩、チタン酸塩、アルミン酸塩、ジルコン酸塩などをバインダーとして混合し、加熱焼成することによって触媒粉末どうしを結合させ、最大3mm径の粒状触媒を形成することも可能である。
以下、本発明の触媒の構成について説明する。希土類元素Sm,Ce,LaおよびYは、酸化ジルコニウムがゾルから結晶に変化する際に、正方晶系ジルコニア構造を安定化する作用をする成分である。2.4原子%以上添加する必要があるが、過剰に存在すると、希土類元素独自の酸化物を形成して触媒活性にとって有害になるため、添加量は18.75原子%以下にする必要がある。
Zrは、いうまでもなく正方晶系ジルコニア構造をもつ担体を構成する基本の成分であって、22.5原子%以上添加する必要がある。しかし、過剰に添加すると、触媒活性に必要な鉄族元素の濃度を十分に高くできなくなるため、69原子%を上限とする。正方晶系ジルコニア構造の複酸化物は、Zrが主たる構成成分とならねばならず、Zrと希土類元素Mとの原子比を3以上にする必要があるが、この比が11.5を超えてジルコニウムが過剰になると、正方晶系ジルコニア構造の複酸化物だけでなく、単斜晶系ジルコニア構造の酸化物が生成する。これは触媒活性への寄与が低く、好ましくない存在であるから、ジルコニウムと希土類元素との原子比にも上限があり、その値は11.5である。
Niは、触媒活性を担う重要な成分であって、25原子%以上存在する必要があるが、過剰に添加すると、それ自体で凝集して分散が悪くなり、かえって十分な活性が得られなくなるから、70原子%以下とする必要がある。ニッケルは、その一部を他の鉄族元素であるFeおよび(または)Coの1種または2種で置換することができるが、その場合、原子比にして鉄族元素全体の少なくも6割を、Niが占めなければならない。
本発明の製造方法により得られる触媒が高活性を有し、かつその高活性が長期にわたって維持される理由として、発明者らは以下のように考えている。すなわち、ジルコニアの安定相は単斜晶系であるが、それを単独では安定でない正方晶系とし、これに鉄族元素を担持した触媒が、二酸化炭素および一酸化炭素のメタン化に対して高活性を呈する。このことは、特許文献4に明らかにした。本発明はそれから進んで、ジルコニアゾルに希土類元素の塩と鉄族元素の塩とを混合して焼成すると、酸化ジルコニウム中に酸化状態の希土類元素と酸化状態の鉄族元素の一部を含んだ正方晶系ジルコニア構造の複酸化物と、鉄族元素の酸化物とが均一に混じり合った酸化物混合体が得られ、この酸化物混合体に水素処理による還元を施すと、酸素との親和力が高いジルコニウムや希土類が主体の複酸化物は、酸化状態に止まり、水素と直接接した鉄族元素の酸化物のみが金属状態に還元される、という事実を利用する。このようにして、正方晶系ジルコニア構造の複酸化物上に、触媒活性点である金属状態の鉄族元素が微細に分散した触媒が形成される。
このような触媒は、反応ガスによって攪乱され、表面が摩耗して外表面にある金属状態の鉄族元素が失われても、その下から現れる酸化状態の鉄族元素が反応ガス中の水素によって還元されて金属状態になり、触媒活性点として働くため、担体上に十分な量の活性点が分散した高活性の状態を維持することができる。
本発明の触媒の製造工程を一般的に説明すれば、Zrのヒドロゾルに、Sm,Ce,LaおよびYから選んだ希土類元素の1種または2種以上の水可溶性の塩を混合し、これに、水に溶解したNiの塩、またはNiの塩と、Feおよび(または)Coを含む鉄族元素の塩の水溶液を添加する。これを濃縮し、蒸発乾固したのち、大気中で約500℃に加熱焼成して、正方晶系ジルコニア構造の複酸化物と、鉄族元素の酸化物との混合物を得る。ついでこの混合酸化物を、水素気流中で約300℃に加熱し、還元処理することにより、正方晶ジルコニア構造の複酸化物担体に金属状態の鉄族金属が担持された触媒を得る。
本発明の触媒元素の構成を一覧すれば、表1に示すとおりである。
表1
Figure 0005358909
ジルコニアのヒドロゾル「Zr30AH」(日産化学工業(株)製、Zr:30重量%、pH=4.0)12.0gに、硝酸サマリウム六水和物の固体を1.58g加え、ガラス棒で、均一なクリーム状スラッジになるまで撹拌した。別に硝酸ニッケル六水和物15.85gを20mlの純水に溶解し、硝酸ニッケル水溶液を用意した。この水溶液を上記のスラッジに加え、均一な溶液になるまで撹拌した。この溶液を1時間静置したのちマッフル炉に入れ、150℃で4時間保持し、水分および自由水を除去し、乾固した。ついで500℃で8時間焼成し、灰黒色の固形物8.24gを得た。固形物をメノウ乳鉢で粉砕し、100μmメッシュのふるいにかけて通過分を採取することにより、触媒の前駆体となる酸化物を得た。この前駆体は、元素構成が、金属状態の元素を基準にしてNiを50原子%含む、50Ni/50(Zr0.838Sm0.1671.92)の組成を有する。ジルコニアが正方晶系であることは、Cu−Kα線を用いたX線回折により確認した。この触媒前駆体の比表面積は、80.1m/gであった。
内径15mmの石英管を反応管として使用し、その中に、上に得た触媒前駆体酸化物5.0gを、石英ウールで固定した。反応管を電気炉内に置き、300℃に加熱し、水素気流中で2時間還元して、触媒を得た。
二酸化炭素と水素の割合が、モル比で1:4とした反応ガスを、触媒の温度を250℃に保った反応管に通した。反応管出口をガスクロマトグラフィと直結させ、反応ガス成分を分析し、水素および二酸化炭素の導入ガス量と未反応量のガスの比率から、転換率を求めた。その結果、触媒前駆体酸化物1.0g当り反応ガスを5.4L/Hr通したときの二酸化炭素の転換率は、82.8%であった。ガスクロマトグラフィで検出されたものは未反応の水素、二酸化炭素と生成物であるメタンのみであり、メタンへ反応選択率が100%であることが確認された。
比較例1
特許文献4には、そこに開示した触媒のうち、同じく50原子%のNiを含む50Ni/50(Zr0.9Sm0.11.95)の組成を有する触媒は、上記の反応条件において、二酸化炭素の転換率が52.6%であったと記載されている。
実施例1と同様の成分混合および焼成の方法に従い、Niの含有量および希土類元素であるSmの含有割合およびZrの含有量割合を変化させて触媒を製造し、実施例1と同じ反応条件で、各触媒の二酸化炭素転換率を測定した。その結果を表2に示す。いずれの触媒も、反応温度200℃および250℃でメタンヘの高い転換率を示し、すぐれた触媒であることが確認された。
表2 (その1)
Figure 0005358909
表2 (その2)
Figure 0005358909
ジルコニアのヒドロゾルに、Smの塩と、Ni+Feおよび(または)Coの塩を種々の割合で混合し、蒸発乾固、焼成および還元を行なって触媒を合成した。実施例2と同じ反応条件における、二酸化炭素転換率を測定した。結果を表3に示した。ここでも、各触媒は、反応温度200℃および250℃において、メタンヘの高い転換率を示した。
表3 (その1)
Figure 0005358909
表3 (その2)
Figure 0005358909
ジルコニアのヒドロゾルに、Ceの塩と、NiまたはNi+Feおよび(または)Coの塩を種々の割合で混合し、蒸発乾固、焼成、還元して触媒を合成し、実施例2と同じ反応条件における二酸化炭素転換率を測定した。結果を、表4(活性成分がNiだけの場合)および表5(Ni+Feおよび(または)Coの場合)に示した。いずれの触媒も、反応温度200℃および250℃において、メタンヘの高い転換率を示した。
表4
Figure 0005358909
表5 (その1)
Figure 0005358909
表5 (その2)
Figure 0005358909
ジルコニアのヒドロゾルに、Laの塩と、NiまたはNi+Feおよび(または)Coの塩とを所定の割合で混合し、蒸発乾固、焼成、還元して触媒を合成し、実施例2と同じ反応条件において、二酸化炭素転換率を測定した。結果を、表6(活性成分がNiだけの場合)および表7(Ni+Feおよび(または)Coの場合)に示した。いずれの触媒も、反応温度200℃および250℃において、メタンヘの高い転換率を示した。
表6
Figure 0005358909
表7 (その1)
Figure 0005358909
表7 (その2)
Figure 0005358909
ジルコニアのヒドロゾルに、Yの塩と、NiまたはNi+Feおよび(または)Coの塩を所定の割合で混合し、蒸発乾固、焼成、還元して触媒を合成し、実施例2と同じ反応条件において、二酸化炭素転換率を測定した。結果を、表8(活性成分がNiだけの場合)および表9(Ni+Feおよび(または)Coの場合)に示した。いずれの触媒も、反応温度200℃および250℃において、メタンヘの高い転換率を示した。
表8
Figure 0005358909
表9 (その1)
Figure 0005358909
表9 (その2)
Figure 0005358909
ジルコニアのヒドロゾルに、Sm,Ce,LaおよびYの2種以上の塩と、NiまたはNi+Feおよび(または)Coの塩を種々の割合で混合し、蒸発乾固、焼成、還元して触媒を合成し、実施例2と同じ反応条件において、二酸化炭素転換率を測定した。結果を、表10(活性成分がNiだけの場合)および表11(Ni+Feおよび(または)Coの場合)に示した。本発明に従った場合は、いずれの触媒も、反応温度200℃および250℃において、メタンヘの高い転換率を示した。
表10 (その1)
Figure 0005358909
表10 (その2)
Figure 0005358909
表11 (その1)
Figure 0005358909
表11 (その2)
Figure 0005358909
表11 (その3)
Figure 0005358909
表11 (その4)
Figure 0005358909
表11 (その5)
Figure 0005358909
表11 (その6)
Figure 0005358909
実施例1と同様の原料混合方法および焼成方法により、Niの含有量、Smの含有量およびZrの含有量の割合を変化させて、触媒前駆体となる酸化物を製造した。内径15mmの石英管を反応管とし、上で得た触媒前駆体5.0gを、石英ウールを用いてその中に充填した。反応管を電気炉内に設置し、水素気流中、300℃で2時間還元して触媒とした。
一酸化炭素、二酸化炭素と水素の割合が、モル%で15.5%、14.5%、70%となるように混合した反応ガスを、触媒前駆体酸化物1.0g当り、反応ガスを5.4L/Hrの割合で、触媒の温度を300℃に保った反応管に通した。反応管の出口をガスクロマトグラフィと直結させ、反応ガス成分を分析した。一酸化炭素、二酸化炭素および水素からなる導入ガスの量と、未反応量のガスの比率とから、メタンへの転換率を求めた。測定結果を、表12に示した。いずれの触媒も、反応温度300℃では、まず一酸化炭素を100%メタンに変換し、残る水素で、二酸化炭素を変換するという、前記した、この触媒のもつ安全上有利な性能が確認された。
表12
Figure 0005358909

Claims (3)

  1. 二酸化炭素、一酸化炭素および二酸化炭素、またはこれらを主成分とする混合ガスを水素化してメタンを製造するためのメタン化反応用触媒の製造方法であって、
    ジルコニアのヒドロゾル、希土類元素の塩の水溶液およびNiの塩の水溶液を、各成分の原子比が、元素状態の金属を基準とした総和を100%とするとき、Sm,Ce,LaおよびYから選んだ希土類元素Mの1種または2種以上が2.4〜18.75原子%、Zrが22.5〜69原子%を占め、ただし、Zr:M(原子比)=3〜11.5の割合であって、さらに、触媒活性を担う鉄族元素であるNiが25〜70原子%を占める化学組成となるような割合で混合し、混合物を濃縮乾固させて焼成し、ついで還元処理することにより、希土類元素とともにNiの一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の酸化物に、金属状態のNiが担持された構造を実現することからなる製造方法。
  2. 二酸化炭素、一酸化炭素および二酸化炭素、またはこれらを主成分とする混合ガスを水素化してメタンを製造するためのメタン化反応用触媒の製造方法であって、
    ジルコニアのヒドロゾル、希土類元素の塩の水溶液および鉄族元素の塩の水溶液を、各成分の原子比が、元素状態の金属を基準とした総和を100%とするとき、Sm,CeおよびLaから選んだ希土類元素Mの1種または2種以上が2.4〜18.75原子%、Zrが22.5〜69原子%を占め、ただし、Zr:M(原子比)=3〜11.5の割合であって、さらに、触媒活性を担う鉄族元素であるNiと、FeおよびCoの1種または2種とが、合計で25〜70原子%を占め、ただし、鉄族元素のうちNiが原子比で6割以上である化学組成を有し、希土類元素とともに鉄族元素の一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の酸化物に、金属状態の鉄族元素が担持された構造を実現することからなる製造方法。
  3. 炭素酸化物をメタン化する方法であって、二酸化炭素、一酸化炭素および二酸化炭素、またはこれらを主成分とするガスと、水素との混合ガスを、請求項1または2の方法により製造されたメタン化反応用触媒と接触させることからなるメタン化方法。
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