JP5767957B2 - 炭化水素のメタン化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2個以上の炭素原子を有する炭化水素を触媒の助けを借りて水素化し、すべてメタンに転換する方法に関する。本発明はとくに、メタンに加えて2個以上の炭素原子を有する炭化水素を含有する天然ガス中の炭化水素を処理して、採掘した天然ガス全部をメタンとして利用するための処理方法に関する。
大量の二酸化炭素の排出が引き起こす地球温暖化の問題に対処することを意図して、発明者らは、二酸化炭素を水素と反応させてメタンとする技術の開発に努めた。その一環として発明者らは、二酸化炭素のみならず一酸化炭素を包含する炭素酸化物を水素化するのに有用な触媒を見出し、それを利用した炭素酸化物のメタン化方法を確立した。その触媒組成、触媒の製造方法およびメタン化方法は、すでに提案ずみである(特許文献1)。
特許文献1に開示された触媒は、二酸化炭素、一酸化炭素と二酸化炭素との混合物、またはこれらを主成分とする混合物を水素化してメタンを製造するためのメタン化反応用触媒であって、元素状態の金属を基準とした原子%で、
A)Zr:18〜70原子%、
B)Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ca,およびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上の正方晶系ジルコニア構造安定化元素(2種以上の場合は合計で):1〜20原子%、および
C)鉄族元素:25〜80原子%、
からなる組成を有し、正方晶系ジルコニア構造の担体に、金属状態の鉄族元素が触媒活性を担う活性種として担持された構造であって、この担体が、上記の安定化元素の原子とともに上記した鉄族元素の若干の原子を結晶格子点の一部に取り込んで安定化された状態で存在することを特徴とする。
この触媒を製造する方法は、下記の諸工程からなる。
1)ジルコニアのヒドロゾルに、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ca,およびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上の正方晶系ジルコニア構造安定化元素の塩の水溶液、ならびに鉄族元素の塩の水溶液を混合すること、
2)混合物を濃縮乾固させて焼成すること、および
3)混合物を還元処理すること。
特開2010−22944
その後も研究を進めた発明者らは、上記の触媒が、炭素酸化物だけでなく、メタンより高次の、すなわち炭素数2〜7の炭化水素を水素化して、すべてメタンに転換させる能力があることを見出した。具体的には、エタンからヘキサン、トルエンに至る、飽和および不飽和の、直鎖および分岐鎖の脂肪族炭化水素、および芳香族炭化水素を水素化して、すべてメタンにする能力である。炭素酸化物の水素化は、C=O結合を切断すると同時に、炭素および酸素をともに水素化して、メタンと水を生じる反応である。これに対し、2個以上の炭素原子を有する炭化水素(以下、「C以上の炭化水素」という)のメタン化は、C−C結合を切断すると同時に、それぞれの炭素を水素化してメタンに転換する反応であって、まったく異質の反応である。それにもかかわらず、完全なメタン化が実現する。
一方、天然ガスは、実質上メタンだけからなる「乾性天然ガス」と、メタンのほかに、かなりの量のエタンおよびプロパン、ブタンのような炭化水素を含有する「湿性天然ガス」に分けられる。湿性天然ガス中のこのようなC以上の炭化水素成分は、含有量がある程度高ければ、分離して合成原料として利用することが可能であって、むしろ好ましい存在であるが、「オフショア」とよばれる海洋のガス井から産出される天然ガスの場合には、そのような利用が困難であって、純粋なメタンを供給する必要から、それら炭化水素はメタンから分離して、燃焼廃棄されているのが現状である。これは、資源の浪費であるばかりか、無益に二酸化炭素の排出量を増大させる処分であって、改善が望まれていた。
発明者らは、上記の炭素酸化物の水素化反応用の触媒を用いて天然ガスの水素化処理を行なうことを着想し、実験の結果、湿性天然ガスに含まれる、C〜C程度の脂肪族炭化水素だけでなく、トルエンのような芳香族炭化水素をも完全に水素化分解して、メタン化する性能があることを確認した。
本発明の一般的な目的は、上記の発明者らの知見を活用し、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素を水素化してメタンに転換させる、メタン化方法を提供することである。本発明の特定的な目的は、湿性天然ガスを水素化処理して、含有されるメタン以外の炭化水素、すなわちC以上の炭化水素を水素化処理してメタンに転換させ、結果としてその天然ガスをほぼ純粋なメタンガスとして提供可能にする処理方法を提供することにある。
本発明の一般的な目的を達成する炭化水素のメタン化方法は、脂肪族および(または)芳香族の炭化水素を水素化分解してメタンに転換する方法であって、元素状態の金属を基準とした原子%で、
A)Zr:18〜70原子%、
B)Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ca,およびMgからなるグループから選んだ正方晶系ジルコニア構造安定化元素の1種または2種以上(2種以上の場合は合計で):1〜20原子%、ならびに、
C)鉄族元素(ただし、Niが原子比で0.6またはそれ以上を占めること):25〜80原子%、
からなる組成を有し、正方晶系ジルコニア構造安定化元素とともに鉄族元素の一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の複酸化物からなる担体に、金属状態の鉄族元素が触媒活性を担う活性種として担持された触媒を使用し、脂肪族および(または)芳香族の炭化水素と水素とからなる混合ガスを、高められた温度でこの触媒に接触させ、炭化水素を水素化分解してメタンに転換することからなる。
本発明の特定的な目的を達成する天然ガスの処理方法は、C以上の炭化水素を含有する天然ガスを水素化処理して純粋なメタンにする方法であって、元素状態の金属を基準とした原子%で、
A)Zr:18〜70原子%、
B)上記正方晶系ジルコニア構造安定化元素の1種または2種以上(2種以上の場合は合計で):1〜20原子%、ならびに
C)鉄族元素(ただし、Niが原子比で0.6またはそれ以上を占めること):25〜80原子%、
からなる組成を有し、
正方晶系ジルコニア構造安定化元素とともに鉄族元素の一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の酸化物からなる担体に、金属状態の鉄族元素が触媒活性を担う活性種として担持された触媒を使用し、C以上の炭化水素を含有する天然ガスと水素とからなる混合ガスを、高められた温度でこの触媒に接触させ、天然ガスに含まれるC以上の炭化水素を水素化分解してメタンに転換することからなる。
本発明の炭化水素のメタン化方法によるときは、種々の炭化水素の混合物であってもそれらがすべてメタンに転換され、その転換がほぼ完全に行なわれるため、得られたものは純粋なメタンであり、合成化学の出発原料として、また気体燃料として、利用しやすいものとなる。
本発明の天然ガスの処理方法によるときは、天然ガスに含有されるC以上の脂肪族および芳香族の炭化水素がすべてメタンに転換され、結果として、天然ガスは純粋なメタンに転化されるから、天然ガスがメタン以外の成分を含んでいることが望ましくない用途に向ける場合の、障害が除かれる。C以上の炭化水素がメタンとして利用される結果、製品である天然ガスの歩留まりが向上するだけでなく、C以上の炭化水素を分離する工程が不要となり、それらを燃焼廃棄する必要もなくなって無益な二酸化炭素の排出が避けられるから、一石三鳥の利益が得られる。
上記いずれの方法を実施する場合も、本発明で使用する触媒は、反応選択率がほぼ100%メタンであって、反応平衡は、常圧でも著しく生成物側に片寄っているため、反応混合物から不純物を除去して未反応原料を循環させ、反応を高圧で何度も繰り返さなければならない、という問題は原理的に存在しない。したがって、原料循環のための複雑な設備を要せずに、かつ、高圧でなく常圧で操業する単純な装置を用いて実施することができる。それに加えて、本発明で使用する触媒の製造は、きわめて容易である。
本発明の触媒の製造には、上述の諸工程を実施するが、必要な成分をすべて水溶液の形で混合し、この混合物を蒸発乾固した上で還元処理するという、一段の焼成プロセスによって触媒を得ることができる。この一段プロセスによるときは、蒸発乾固から焼成までの過程で、正方晶系ジルコニア構造安定化元素だけでなく鉄族元素の一部も含んだ正方晶系ジルコニア構造の複酸化物と、鉄族元素の酸化物との混合物が生成する。続く還元によって、鉄族元素の酸化物が還元され、その結果、金属状態の鉄族元素が、正方晶系ジルコニア構造の複酸化物に担持された構造の触媒ができる。このように、還元処理後も、担体である正方晶系ジルコニア構造の複酸化物には、正方晶系ジルコニア構造安定化元素とともに鉄族元素の一部が含まれたままである。
上述の触媒製造方法において、ジルコニアヒドロゾルに正方晶系ジルコニア構造安定化元素の塩と鉄族元素の塩とを添加したものに、触媒粒子の核となるアルミナ、シリカなどの粒子とバインダーとなるケイ酸塩、チタン酸塩、アルミン酸塩、ジルコン酸塩などを混合し、蒸発乾固し焼成することによって、たとえば3mm径の粒状触媒を形成することが可能である。バインダーの使用は、いったん製造した粉末状の触媒に対して混合し、加熱焼成するという手順によって行なうことも可能である。
本発明で使用する触媒の詳細は、前掲の特許文献1に記載されているが、要点を説明すればつぎのとおりである。まず、正方晶系ジルコニア構造安定化元素である、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,CaおよびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上は、酸化ジルコニウムがゾルから結晶に変化する際に、正方晶系ジルコニア構造を安定化する作用をする成分である。1原子%以上添加する必要があるが、過剰に存在すると、正方晶系ジルコニア構造安定化元素独自の酸化物を形成し触媒活性にとって有害になるため、添加量は20原子%以下にする必要がある。
Zrは、いうまでもなく正方晶系ジルコニア構造をもつ担体を構成する基本の成分であって、18原子%以上添加する必要がある。しかし、過剰に添加すると、触媒活性に必要な鉄族元素の濃度を十分に高くできなくなるため、70原子%を上限とする。
鉄族元素は、触媒活性を担う重要な成分であって、25原子%以上存在する必要があるが、過剰に添加すると、それ自体で凝集して分散が悪くなり、かえって十分な活性が得られなくなるから、80原子%以下とする必要がある。鉄族元素としてはNiが必要であるが、その一部を他の鉄族元素であるFeおよびCoの1種または2種で置換することができる。ただしその場合、原子比にして鉄族元素全体の少なくも6割を、Niが占めなければならない。
本発明で使用する触媒は、鉄族元素の担体として用いるジルコニアを、単独では安定でない正方晶系の複酸化物としたものが、炭素酸化物のメタン化に対して高活性を呈するという原理の発見から出発し、それに加えて、この触媒は、ジルコニアゾルに正方晶系ジルコニア構造安定化元素の塩と鉄族元素の塩とを混合して焼成すると、酸化ジルコニウム結晶格子中に、酸化状態の正方晶系ジルコニア構造安定化元素と酸化状態の鉄族元素の一部を含んだ正方晶系ジルコニア構造の複酸化物と、鉄族元素の酸化物とが均一に混じり合った酸化物混合体が得られ、この酸化物混合体に水素処理による還元を施すと、酸素との親和力が高いジルコニウムや正方晶系ジルコニア構造安定化元素が主体の複酸化物は酸化状態に止まり、水素と直接接した鉄族元素の酸化物のみが金属状態に還元される、という事実を利用する。このようにして、正方晶系ジルコニア構造の複酸化物上に、触媒活性点である金属状態の鉄族元素が微細に分散した触媒が形成される。このような触媒は、反応ガスによって攪乱され、表面が摩耗して外表面にある金属状態の鉄族元素が失われても、その下から現れる酸化状態の鉄族元素が反応ガス中の水素によって還元されて金属状態になり、触媒活性点として働くため、常に担体上に十分な量の活性点が分散した、高活性の状態を維持することができるのが利点である。本発明は、この触媒を炭化水素のメタン化反応に適用したものであるが、上記の利点は、その場合もそっくり享受できる。
本発明の水素化反応の条件についていえば、温度はおおよそ250〜450℃が適切である。実施に当っては、水素化すべき炭化水素の種類によって適切な温度範囲を選択すべきことはいうまでもない。炭化水素のメタン化反応は若干の発熱を伴うので、一般にスタート時を除いて加熱は不要であり、大容量の反応装置では、むしろ冷却を必要とすることが多い。
反応圧力は、常圧で十分である。加圧下の反応は速やかに進むが、平衡に関しては不利になるので、全体として好ましいとは限らない。メタン化すべき炭化水素と水素の量比は、化学量論量に対して水素を5%程度過剰にすることが好ましい。それ以上の過剰は、製品メタンガスに水素ガスが混在することが支障ない場合を除き、反応後の分離を必要とする。本発明は、触媒を固定床に配置して実施することができ、それが実操業上有利であることはもちろんである。固定床触媒に対する反応剤を流通させる空間速度は、10,000hr−1未満が適切である。
本発明の実施に当っては、C以上の炭化水素またはそのような炭化水素を含有するメタンに、水素だけでなく、二酸化炭素、さらには一酸化炭素をも混合して触媒床に供給することができる。一酸化炭素および(または)二酸化炭素をもメタン化の対象にする場合、これら炭素酸化物のメタン化に先だってC以上の炭化水素のメタン化が優先して起こるため、炭化水素を100%メタンとすることができ、とくに有利である。なお、この場合、炭素酸化物も引き続きメタン化され、そのメタン化は炭化水素の存在によって影響されることはない。
触媒製造例
ジルコニアのヒドロゾル「Zr30AH」(日産化学工業(株)製、Zr:30重量%、pH=4.0)100gに、硝酸サマリウム六水和物の固体を36.1g加え、ガラス棒で、均一なクリーム状スラッジになるまで撹拌した。別に、硝酸ニッケル六水和物220.3gを上記のスラッジに加え、均一な溶液になるまで撹拌した。これに結着剤としてシリカゾル「OSタイプ」(日産化学工業製)18mLを加えて混練し、押出機から押出して円柱状にペレット化した。このペレットをマッフル炉に入れ、150℃で4時間保持し、水分および自由水を除去したのち、500℃で8時間焼成して、触媒の前駆体となる酸化物を得た。この前駆体は、元素構成が、金属状態の元素を基準にした原子%で、下記の組成を有していた。
Ni:60.2% Zr:20.6% Sm:14.0% Si: 5.1%
Siを除いた組成は、原子%で、Ni:63.4%、Zr:21.7%、Sm:14.9%であった。複酸化物が正方晶系ジルコニア構造であることは、Cu−Kα線を用いたX線回折により確認した。
SAS304材で、内径50mmの円筒の外側に直径90mmのジャケットを備えたリアクターを用意した。円管の内部に上記の触媒前駆体800gを充填した。充填高さは、約39cmであった。ジャケットの外側に巻いたリボン状電気ヒーターで、触媒を350℃に加熱しながら、水素ガスを0.12Nm/hrの流量で供給し、8時間にわたって触媒を還元することにより活性化した。
以下の実施例における触媒床通過後のガスの分析は、ガスクロマトグラフ「GC−8A」(島津製作所製)により、カラム「Porapak-Q」(Water社製、長さ3m)を用い、カラム温度150℃、TCD検出器温度150℃、キャリアーガスとしてヘリウムを通し、流量50mL/分の条件で行なった。ガスの転換率は、入り口のガス濃度Cxi、出口のガス濃度Cxoとするとき、以下の式から算出した。「x」は、任意のガス成分を指す記号である。
転換率=(Cxo−Cxi)100/Cxo (%)
上記の触媒製造例により製造し、活性化した触媒を、300℃、350℃または400℃に保っておき、そこへ、エタンと水素とを容積で1:1の割合で混合して得た混合ガスを、4.5Nm/hrの流速で供給した。このときのGHSVは、5602.5/hrであった。触媒床を通過したガスを分析したところ、どの反応温度においても完全にメタンに転化しており、エタンは検出されず、本発明の触媒を用いたメタン化が、エタンのメタン化に有効であることが確認された。
実施例1と同様に、触媒製造例に従って製造し、活性化した触媒を、300℃、350℃または400℃に保っておき、そこへ、プロパンと水素とを容積で1:2の割合で混合して得た混合ガスを、同じく4.5Nm/hrの流速で供給した。このときのGHSVは、実施例1と同じ、5602.5/hrであった。触媒床を通過したガスを分析したところ、どの反応温度においても完全にメタンに転化しており、プロパンは検出されず、本発明がプロパンのメタン化に有効であることが確認された。
ある天然ガスの組成にシミュレートさせて、表1に組成を示す「天然ガスA」を用意した。この天然ガスAを、水素および二酸化炭素と、容積で
5.0:78.6:16.4
の割合で混合し、「混合ガスA」とした。混合ガスAを、温度300℃、350℃または400℃に保ってある、活性化した触媒を有するリアクターに4.9Nm/hrの流速で供給した。このときのGHSVは、5512.5/hrであった。触媒床を通過したガスを分析して、表2に示す転換率を得た。
表1 天然ガスAの組成
Figure 0005767957
表2 混合ガスAのメタン化の転換率
Figure 0005767957
この結果から、本発明が、二酸化炭素とエタンからヘキサンに至るC以上の炭化水素とが共存する混合ガスのメタン化に有効であること、またメタン化は、二酸化炭素に対しC以上の炭化水素の方が優先的に行なわれることが確認された。
別の天然ガスの組成にシミュレートさせて、表3に組成を示す「天然ガスB」を用意した。この天然ガスBを、水素および二酸化炭素と、容積で
25.0:60.3:14.7
の割合で混合し、「混合ガスB」とした。混合ガスBを、温度300℃、350℃または400℃に保ってある、活性化した触媒を有するリアクターに、実施例1と同様に4.9Nm/hrの流速で供給した。このときも、GHSVは、5512.5/hrである。触媒床を通過したガスを分析して、表4に示す転換率を得た。
表3 天然ガスBの組成
Figure 0005767957
表4 混合ガスBのメタン化の転換率
Figure 0005767957
このデータは、実施例3と同様に、本発明が、二酸化炭素と、エタン、プロパンに加えてトルエンのような炭化水素とが混在する混合ガスのメタン化に有効であることを示すとともに、メタン化が、二酸化炭素に対しC以上の炭化水素に対して優先的に起こることを示す。とくにこの場合、二酸化炭素の全量をメタン化するには水素がやや不足していたが、300℃および350℃という過度に高温でない条件の下では、炭化水素が完全にメタン化し、残る水素で二酸化炭素がメタン化されるという結果になっている。
前記の触媒製造例において、鉄族元素の組成と含有量、Zrの含有量、および正方晶系ジルコニア構造安定化元素の含有量を変化させて、種々の組成をもつ触媒前駆体を製造した。Siを除く触媒構成金属成分の組成を、原子%で、表5に示す。これらの触媒前駆体をリアクターに充填し、前記の還元処理を行なって活性化することにより触媒とした。実施例4で使用した「天然ガスB」を原料ガスとし、温度を300℃に限ったほかは同じ反応条件でメタン化を行なった。各触媒について、二酸化炭素および炭化水素の転換率を、表6に示す。
Figure 0005767957
表6 転換率(%)
Figure 0005767957
本発明の範囲内にある種々の組成の触媒を用いてメタン化を実施したとき、いずれもC以上の炭化水素のメタン化が完全に進行することが、これらのデータから確認できる。

Claims (3)

  1. 脂肪族および(または)芳香族の炭化水素を水素化分解してメタンに転換する方法であって、元素状態の金属を基準とした原子%で、
    A)Zr:18〜70原子%、
    B)正方晶系ジルコニア構造安定化元素である、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ca,およびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上(2種以上の場合は合計で):1〜20原子%、ならびに、
    C)鉄族元素(ただし、Niが原子比で0.6またはそれ以上を占めること):25〜80原子%、
    からなる組成を有し、安定化元素とともに鉄族元素の一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の複酸化物からなる担体に、金属状態の鉄族元素が触媒活性を担う活性種として担持された触媒を使用し、脂肪族および(または)芳香族の炭化水素と水素とからなる混合ガスを、高められた温度でこの触媒に接触させ、炭化水素を水素化分解してメタンに転換することからなる炭化水素のメタン化方法。
  2. メタンとともに2個以上の炭素原子を有する炭化水素を含有する天然ガスを水素化処理して純粋なメタンにする方法であって、元素状態の金属を基準とした原子%で、
    A)Zr:18〜70原子%、
    B)正方晶系ジルコニア構造安定化元素である、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ca,およびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上(2種以上の場合は合計で):1〜20原子%、ならびに
    C)鉄族元素(ただし、Niが原子比で0.6またはそれ以上を占めること):25〜80原子%、
    からなる組成を有し、正方晶系ジルコニア構造安定化元素とともに鉄族元素の一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の複酸化物からなる担体に、金属状態の鉄族元素が触媒活性を担う活性種として担持された触媒を使用し、メタンとともに2個以上の炭素原子を有する炭化水素を含有する天然ガスと水素とからなる混合ガスを、高められた温度でこの触媒に接触させ、天然ガスに含まれる2個以上の炭素原子を有する炭化水素を水素化分解してメタンに転換することからなる天然ガスの処理方法。
  3. 請求項1に記載の炭化水素のメタン化方法または請求項2に記載の天然ガスの処理方法に使用するメタン化反応用触媒を製造する方法であって、下記の諸工程からなり、
    1)ジルコニアのヒドロゾルに、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ca,およびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上の、正方晶系ジルコニア構造安定化元素の塩の水溶液、ならびに鉄族元素の塩の水溶液を混合すること、
    2)混合物を濃縮乾固させて焼成すること、および
    3)混合物を還元処理すること、
    元素状態の金属を基準とした原子%で、
    A)Zr:18〜70原子%、
    B)正方晶系ジルコニア構造安定化元素である、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Dy,Ca,およびMgからなるグループから選んだ1種または2種以上(2種以上の場合は合計で):1〜20原子%、ならびに
    C)鉄族元素(ただし、Niが原子比で0.6またはそれ以上を占めること):25〜80原子%、
    からなる組成を有し、正方晶系ジルコニア構造安定化元素とともに鉄族元素の一部をも結晶構造に取り込んで安定化された正方晶系ジルコニア構造の複酸化物からなる担体に、金属状態の鉄族元素が触媒活性を担う活性種として担持された触媒を得ることを特徴とするメタン化反応用触媒の製造方法。
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